説明

非接触光書き込み装置

【課題】記録スピードが遅い場合であっても既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することなく、低出力のレーザ光源でも高速に感熱記録媒体への記録すること。
【解決手段】各半導体レーザ3−1〜3−3と各ポリゴンミラー4−1〜4−3とを有する各走査ユニット2−1〜2−3を主走査方向Smに等ピッチで配置し、既に記録されているラインL〜Lnの各記録の一部を消去状態することなく、低出力の各半導体レーザ3−1〜3−3でも高速に感熱記録媒体1への記録を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置を直接接触することなく、非接触で感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体に対して非接触で情報記録を行う非接触光書き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱記録方式や、特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等が存在する。この感熱記録紙は、例えばサーマルヘッド等の加熱装置を用いて加熱されて発色、消色される。このような感熱記録紙に対する記録方式には、例えばサーマルヘッド等の記録ヘッドを直接接触させる方式がある。
【0003】
感熱記録紙を用いた情報記録の技術としては、例えば特許文献1〜3がある。特許文献1は、可逆性の感熱材料を非接触で顕色、消色する方法に関し、基板上に、赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収層と感熱記録層とを順次積層した情報記録媒体を開示する。このうち感熱記録層は、感熱発色層又は金属薄膜層から成り、赤外線吸収層の熱によって発色又は変色或いは溶融除去される。又、特許文献1は、赤外線レーザの照射により情報記録媒体における赤外線吸収層を発熱させ、この熱により感熱記録層を発色又は変色或いは溶融除去させる情報記録媒体の記録方法を開示する。
【0004】
特許文献2は、可逆性感熱記録媒体の記録消去する装置に関し、帯状のミラーを有し、このミラーを回転させることでレーザ光の主走査方向への走査を行い、さらにレーザ照射装置を副走査方向に移動させることで記録することを開示する。
特許文献3は、半導体レーザを複数用いることで書き込み(記録)エネルギーを補う方法に関し、レーザプリンタ、複写機用の画像形成装置であって、複数のレーザダイオードの光をファイバー光学管に通してポリゴンミラーに導き、感光ドラム上に解像度に応じた印字ピッチで印字することを開示する。
【特許文献1】特許第3266922号公報
【特許文献2】特開2002−113889号公報
【特許文献3】特開2000−321515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サーマルヘッド等の記録ヘッドを直接接触させる方式では、記録ヘッドを直接感熱記録紙に接触させるため、記録ヘッドの磨耗、汚れ等が生じ易く、かつ感熱記録紙の印字面が擦れて汚れたり、付着物によるショートや過剰な電力供給等による記録ヘッドの寿命を縮めることを引き起こす。
【0006】
特許文献1では、現状、サーマルヘッド(ラインヘッド)並みのエネルギーを供給するために赤外線レーザ光の出力を桁違いに大きくするか、又は記録(印字)スピードを大幅に遅くするかの方法しかない。記録スピードを大幅に遅くした場合、サーマルヘッド等の性能面へのダメージだけでなく、別の問題を生じる。
可逆性の感熱記録媒体は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。図8は感熱記録媒体の発色、消去特性を示す。この感熱記録媒体は、融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。一方、感熱記録媒体は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するので、発色状態を保てず、消去状態になる。さらに、感熱記録媒体は、染料と顕色剤との融点以下でもある一定時間の加熱により染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消去状態となる温度域、例えば約130℃〜170℃程度もある。このように感熱記録媒体は、温度と時間とを厳密にコントロールして印字・消去を行う。
【0007】
しかしながら、感熱記録媒体は、記録スピードが遅い場合、例えば図9に示すように現ラインを記録することにより、既に記録済みの前ラインの一部を消去してしまう。すなわち、感熱記録媒体1上には、例えば半導体レーザビームが主走査方向Smに走査され、かつ感熱記録媒体1の副走査方向Ssへの搬送により複数ラインLnの記録が行われる。例えば1ライン目Lの記録が行われた後、2ライン目Lの記録を行う場合、記録スピードが遅いと、既に記録済みの前ラインである1ライン目Lの記録の一部を消去してしまい消去エリアeが生じる。同様に、2ライン目Lの記録が行われた後、3ライン目Lの記録を行う場合、記録スピードが遅いと、既に記録済みの前ラインである2ライン目Lの記録の一部を消去してしまい消去エリアeが生じる。
【0008】
このように各消去エリアe〜en−1が生じるのは、半導体レーザ等のレーザ光源から出力される半導体レーザビームのプロファイルが図10に示すようなガウス分布を形成しているからである。半導体レーザの発光中央部は、光量が多く、感熱記録媒体1を加熱しやすい。一方、半導体レーザの発光端部は、光量が少なく、感熱記録媒体1を加熱しにくい。このような半導体レーザから出力される半導体レーザビームを感熱記録媒体1に走査して記録を行うと、1ライン目Lの記録のときには、半導体レーザビームにおけるガウス分布の中央部によって正常な記録が得られる。
【0009】
しかしながら、記録スピードが遅い場合、2ライン目Lの記録のとき、1ライン目Lの印字は、既に発色状態すなわち記録完了にある。従って、2ライン目Lの記録のとき、半導体レーザビームにおけるガウス分布の端部が1ライン目Lの記録の一部に照射され、既に発色状態すなわち記録完了にある1ライン目Lの記録の一部を消去状態にし、記録を消去してしまう。同様に、3ライン目L以降の記録のときも、前ライン目Lの記録の一部を消去してしまう。
【0010】
本発明の目的は、記録スピードが遅い場合であっても既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することなく、低出力のレーザ光源でも高速に感熱記録媒体への記録ができる非接触光書き込み装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体に対して非接触で情報記録を行う非接触光書き込み装置において、半導体レーザビームを出力する半導体レーザと、この半導体レーザから出力された半導体レーザビームを感熱記録媒体上に走査する走査光学系とを有する走査ユニットを複数設け、これら走査ユニットを半導体レーザビームの走査方向に対して並行方向に配置する非接触光書き込み装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、記録スピードが遅い場合であっても既に記録されているラインの記録の一部を消去状態することなく、低出力のレーザ光源でも高速に感熱記録媒体への記録ができる非接触光書き込み装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は非接触光書き込み装置の構成図を示す。可逆性の感熱記録媒体1は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。この感熱記録媒体1は、上記図8に示すように融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して発色する。又、感熱記録媒体1は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化するので、発色状態を保てず、消去状態になる。
【0014】
複数の走査ユニット、例えば3つの走査ユニット2−1〜2−3が設けられている。これら走査ユニット2−1〜2−3は、それぞれ各半導体レーザビームB〜Bを主走査方向Smに主走査する。これら走査ユニット2−1〜2−3は、主走査方向Smに対して並行方向に配置されている。具体的に各走査ユニット2−1〜2−3は、感熱記録媒体1上における各半導体レーザビームB〜Bによる全走査範囲(H+H+H)を複数の走査ユニットの配置数、すなわち3つの走査ユニット2−1〜2−3の配置数により均等に3分割し、これら3分割された複数の分割範囲H〜H内にそれぞれ各半導体レーザビームB〜Bを主走査方向Smに走査する。従って、各分割範囲H〜Hは、互いに等しくなっている(H=H=H)。しかるに、各走査ユニット2−1〜2−3は、主走査方向Smに等ピッチで配置されている。
【0015】
なお、各走査ユニット2−1〜2−3は、当該走査ユニット2−1〜2−3の配置数や主走査方向Smに対する配置ピッチについて特に規定するところはなく、例えば本装置の大きさ、感熱記録媒体1上における記録面幅、コスト等の兼ね合いで最適に構成可能なようにフレキシビリティに設定される。
【0016】
図2(a)(b)は各走査ユニット2−1〜2−3の構成図を示す。これら走査ユニット2−1〜2−3は、それぞれ同一構成を有する。これら走査ユニット2−1〜2−3は、図2(a)(b)に示すようにそれぞれ各半導体レーザ3−1〜3−3と走査光学系としての各ポリゴンミラー4−1〜4−3とを有する。各半導体レーザ3−1〜3−3は、それぞれ各半導体レーザビームB〜Bを出力する。これら半導体レーザ3−1〜3−3は、それぞれ近赤外領域、例えば750nm〜1000nmに発光波長を有し、かつ数Wの高出力を有する。そして、これら半導体レーザ3−1〜3−3は、例えばレーザプリンタ、レーザポインタ、DVDプレーヤ等に既に多数しようされている低出力の半導体レーザ(レーザダイオード:LD)と同じような特性、すなわち広がり角度、出力−電流特性、温度特性を有する。なお、これら半導体レーザ3−1〜3−3は、レーザビームの出力が大きいので、供給電流量がアンペアクラスに大きく、発熱量が大きくなるために冷却が必須である。従って、これら半導体レーザ3−1〜3−3は、それぞれ放熱板に固定し、かつ放熱板を強制冷却する。
【0017】
各ポリゴンミラー4−1〜4−3は、各半導体レーザ3−1〜3−3から出力された各半導体レーザビームB〜Bを感熱記録媒体1上にそれぞれ主走査する。
これらポリゴンミラー4−1〜4−3には、それぞれスキャナモータ等の各駆動源5−1〜5−3が連結されている。これら駆動源5−1〜5−3は、それぞれ各ポリゴンミラー4−1〜4−3を同じ速度でかつ矢印A方向に一定の回転速度で回転させる。これにより、ポリゴンミラー4−1は、半導体レーザ3−1から出力された半導体レーザビームBを感熱記録媒体1上の分割範囲H内で主走査方向Smに主走査する。ポリゴンミラー4−2は、半導体レーザ3−2から出力された半導体レーザビームBを感熱記録媒体1上の分割範囲H内で主走査方向Smに主走査する。ポリゴンミラー4−3は、半導体レーザ3−3から出力された半導体レーザビームBを感熱記録媒体1上の分割範囲H内で主走査方向Smに主走査する。
【0018】
図3は非接触光書き込み装置の制御系のブロック構成図を示す。主制御部10は、CPU、RAM、ROM等から成る。この主制御部10には、各走査ユニット2−1〜2−3と、メモリ11と、同期駆動部12と、搬送機構13とが接続されている。主制御部10は、例えばROMに記憶されている記録動作プログラムを実行して各走査ユニット2−1〜2−3と、同期駆動部12と、搬送機構13とに対して各指令を発し、各走査ユニット2−1〜2−3により各半導体レーザビームB〜Bを感熱記録媒体1上にそれぞれ主走査して感熱記録媒体1上への情報の記録を行う。
【0019】
メモリ11には、例えば感熱記録媒体1上に記録する例えば文字や記号、絵柄等の情報が記憶されている。
同期駆動部12は、各走査ユニット2−1〜2−3の駆動を各半導体レーザビームB〜Bの各主走査を同じ速度でかつ同一走査開始タイミング、同一走査終了タイミングに同期させる。この場合、上記図9に示すように各半導体レーザビームB〜Bを並列な複数のラインL〜Ln上に順次主走査するとき、同期駆動部12は、例えば前回のラインL上における各半導体レーザビームB〜Bの主走査から今回のラインL上における各半導体レーザビームB〜Bの主走査までの期間を感熱記録媒体1の温度が低下して消去状態になるまでに設定して各走査ユニット2−1〜2−3を駆動する。
搬送機構13は、感熱記録媒体1を予め設定された一定の副走査速度で副走査方向Ssに搬送する。
【0020】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
主制御部10は、3つの走査ユニット2−1〜2−3に対して走査開始の指令を発し、同期駆動部12に対して駆動開始の指令を発し、搬送機構13に対して搬送開始の指令を発する。
各走査ユニット2−1〜2−3は、それぞれ主制御部10からの走査開始の指令を受けて各半導体レーザ3−1〜3−3から各半導体レーザビームB〜Bを出力する。このとき、同期駆動部12は、それぞれ主制御部10からの駆動開始の指令を受けてスキャナモータ等の各駆動源5−1〜5−3を駆動する。これら駆動源5−1〜5−3に連結された各ポリゴンミラー4−1〜4−3は、それぞれ各駆動源5−1〜5−3の駆動により同じ速度でかつ矢印A方向に一定の回転速度で回転する。
【0021】
これにより、各半導体レーザ3−1〜3−3から出力された各半導体レーザビームB〜Bは、各ポリゴンミラー4−1〜4−3の回転によってそれぞれ主走査方向Smに主走査される。この場合、各走査ユニット2−1〜2−3は、主走査方向Smに等ピッチで配置されているので、各半導体レーザビームB〜Bは、それぞれ感熱記録媒体1上における各半導体レーザビームB〜Bによる全走査範囲(H+H+H)を3つの走査ユニット2−1〜2−3により均等に3分割した各分割範囲H〜H内に主走査される。しかるに、各半導体レーザビームB〜Bは、各分割範囲H〜H内においてそれぞれ同じ速度で、かつ同一走査開始タイミング、同一走査終了タイミングで同期して主走査される。
【0022】
この結果、感熱記録媒体1上に各半導体レーザビームB〜Bがそれぞれ1走査されると、感熱記録媒体1上には、図9に示す1ライン目Lの主走査が終了する。搬送機構13は、感熱記録媒体1を予め設定された一定の副走査速度で副走査方向Ssに搬送するので、感熱記録媒体1上には、上記同様に、各半導体レーザ3−1〜3−3から出力された各半導体レーザビームB〜Bは、各ポリゴンミラー4−1〜4−3の回転によってそれぞれ各分割範囲H〜H内で主走査方向Smに主走査される。
【0023】
従って、各半導体レーザ3−1〜3−3は、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じて各半導体レーザビームB〜Bの出力をオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。
【0024】
ここで、例えば約3インチ幅(624ドット)の感熱記録媒体1に記録する装置において、解像度が200dipで1ドット当たりの記録(発色)に例えば40μsecの時間を要する条件での記録動作について考察する。
例えば1つの光源と1つの走査手段とによって記録を行う場合、例えば約3インチ幅(624ドット)を記録しながら主走査するには、1ラインを記録するのに624ドット×40μsec(=約25msec)の走査時間が必要になる。
【0025】
感熱記録媒体1の長さが例えば約4インチ(104mm)の場合には、感熱記録媒体1の全面の記録が終了するまでに104mm×8ドット/mm×25msec=20.8secのスキャン時間がかかる。このため、感熱記録媒体1に記録する製品としては、受け入れがたい性能になる。さらに、1ライン目Lの記録が正常にできたとしても、2ライン目Lを記録するときには、1ライン目Lと2ライン目Lとの時間間隔が20msec以上あいてしまう。このため、1ライン目Lの記録が行われた部分の感熱記録媒体1の温度が低下し、当該1ライン目Lの記録が完全に完了(発色)している。従って、2ライン目Lの記録のとき、各半導体レーザビームB〜Bにおけるガウス分布の端部が1ライン目Lの記録の一部に照射されると、既に発色状態にある1ライン目Lの記録の一部を消去してしまう。
【0026】
これに対して本装置では、1ドット当たりの記録(発色)時間は同じなので、1ラインを記録するのに624ドット×40μsec(=約25msec)の走査時間が必要になる。しかしながら、本装置は、例えば3つの走査ユニット2−1〜2−3が受け持つ各各分割範囲H〜Hは、3インチ÷3走査ユニット=1インチ(208ドット)になる。
3つの走査ユニット2−1〜2−3のスキャナモータ等の各駆動源5−1〜5−3は、同期駆動部12によって全て同期し連動して駆動し、かつ各半導体レーザビームB〜Bを各分割範囲H〜H内においてそれぞれ同じ速度で、かつ同一走査開始タイミング、同一走査終了タイミングで主走査させる。
【0027】
このように3つの走査ユニット2−1〜2−3を同時並行処理することにより感熱記録媒体1上に1ライン分の記録を行うには、208ドット×40μsec(=8.3msec)の走査時間で記録ができる。又、感熱記録媒体1の長さが例えば約4インチ(104mm)であっても、感熱記録媒体1の全面の記録が終了するまでに104mm×8ドット/mm×8.3msec=6.9secのスキャン時間しかかからない。従って、感熱記録媒体1の全面に記録を行うときの記録スピートを格段に高速化できる。
【0028】
又、各ラインL〜Ln間の記録の時間間隔を8.3msecという短い間隔で高速にスキャンを繰り返すので、感熱記録媒体1上において例えば1ライン目Lの前ラインの記録部分の温度が低下せずに完全に発色完了していない状態で、2ライン目Lの各半導体レーザビームB〜Bのスキャンによる記録が行われるので、1ライン目Lの記録の一部を消去することがない。
【0029】
このように上記第1の実施の形態によれば、各半導体レーザ3−1〜3−3と各ポリゴンミラー4−1〜4−3とを有する各走査ユニット2−1〜2−3を主走査方向Smに等ピッチで配置したので、既に記録されているラインL〜Lnの各記録の一部を消去状態することなく、低出力の各半導体レーザ3−1〜3−3でも高速に感熱記録媒体1への記録ができる。
【0030】
各走査ユニット2−1〜2−3は、各半導体レーザ3−1〜3−3と各ポリゴンミラー4−1〜4−3とによりそれぞれユニット化して同一構成を有しているので、配置数や配置ピッチを装置の大きさ、感熱記録媒体1上における記録面幅、コスト、さらには記録スピードの要求等の環境に応じてフレキシビリティに変更可能である。又、各走査ユニット2−1〜2−3は、同一構成を有しているので、各半導体レーザ3−1〜3−3と各ポリゴンミラー4−1〜4−3との位置関係を調整するための治具や調整方法を各走査ユニット2−1〜2−3に対して適用できる。
【0031】
上記第1の実施の形態は、3つの走査ユニット2−1〜2−3を等ピッチで配置しているが、これら走査ユニットの設置数を増やして各走査ユニット間の配置ピッチを短くして印字幅(ドット数)を少なくすれば、さらに記録スピードの高速化を図れる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、相違するところについて説明する。
図4は非接触光書き込み装置の構成図を示す。複数の走査ユニット、例えば3つの走査ユニット20−1〜20−3が設けられている。これら走査ユニット20−1〜20−3は、それぞれ同一構成を有し、各半導体レーザ3−1〜3−3と、走査光学系としての各ガルバノミラー21−1〜21−3とを有する。各ガルバノミラー21−1〜21−3には、それぞれ各駆動源22−1〜22−3が設けられている。これらガルバノミラー21−1〜21−3は、それぞれ各駆動源22−1〜22−3の駆動により矢印B方向に一定の速度で繰り返し往復して振れられる。これにより、各ガルバノミラー21−1〜21−3は、感熱記録媒体1上における全走査範囲(H+H+H)を均等に3分割した各分割範囲H〜H内にそれぞれ各半導体レーザビームB〜Bを主走査方向Smに往復走査する。
【0033】
同期駆動部12は、各走査ユニット20−1〜20−3の駆動を各半導体レーザビームB〜Bの各主走査を同じ速度でかつ同一走査開始タイミング、同一走査終了タイミングに同期させる。すなわち、同期駆動部12は、各駆動源22−1〜22−3を駆動し、各ガルバノミラー21−1〜21−3を矢印B方向に同期して一定の速度で繰り返し往復して振る。
【0034】
次に、上記の如く構成された装置による記録動作について説明する。
主制御部10は、3つの走査ユニット2−1〜2−3に対して走査開始の指令を発し、同期駆動部12に対して駆動開始の指令を発し、搬送機構13に対して搬送開始の指令を発する。これにより、各半導体レーザ3−1〜3−3は、それぞれ各半導体レーザビームB〜Bを出力する。これと共に同期駆動部12は、各駆動源22−1〜22−3を駆動し、各ガルバノミラー21−1〜21−3を矢印B方向に同期して一定の速度で繰り返し往復して振る。これらガルバノミラー21−1〜21−3は、各半導体レーザ3−1〜3−3から出力された各半導体レーザビームB〜Bを感熱記録媒体1上の各分割範囲H〜H内にそれぞれ同期して主走査方向Smに往復走査する。これにより、各半導体レーザビームB〜Bは、感熱記録媒体1上の各分割範囲H〜H内において同じ速度でかつ同一走査開始タイミング、同一走査終了タイミングで往復走査される。
【0035】
搬送機構13は、感熱記録媒体1を予め設定された一定の副走査速度で副走査方向Ssに搬送する。これにより、感熱記録媒体1上に各半導体レーザビームB〜Bが往路方向にそれぞれ1走査されると、感熱記録媒体1上には、図9に示す1ライン目Lの主走査が終了する。続いて感熱記録媒体1上に各半導体レーザビームB〜Bが復路方向にそれぞれ1走査されると、感熱記録媒体1上には、2ライン目Lの主走査が終了する。以下、同様に、感熱記録媒体1上に各半導体レーザビームB〜Bが往復走査されると、往路、復路ごとにそれぞれ1ライン分の主走査が行われる。
【0036】
従って、各半導体レーザ3−1〜3−3は、例えば文字や記号、絵柄等の情報に応じて各半導体レーザビームB〜Bの出力をオン・オフすれば、感熱記録媒体1に例えば文字や記号、絵柄等の情報の記録が可能になる。
【0037】
このように上記第2の実施の形態によれば、各走査ユニット20−1〜20−3に各ガルバノミラー21−1〜21−3を設けた。これにより、上記第1の実施の形態のように既に記録されているラインL〜Lnの各記録の一部を消去状態することがない等の上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもなく、さらに各ガルバノミラー21−1〜21−3により各半導体レーザビームB〜Bを感熱記録媒体1上に往復走査するので、上記第1の実施の形態よりも記録スピードを速くできる。
【0038】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
本実施の形態は、各走査ユニット2−1〜2−3の主走査方向Smに対する位置調整である。各走査ユニット2−1〜2−3から出力される各半導体レーザビームB〜Bは、感熱記録媒体1の記録面上において主走査方向Smに連続して繋がる必要がある。このため、各走査ユニット2−1〜2−3の各配置位置は、非常に精密性が要求され、配置位置の寸法誤差等の影響を受ける。
【0039】
各走査ユニット2−1〜2−3による主走査方向Sm上の一方の端部には、第1の位置検知センサ30が設けられている。この第1の位置検知センサ30は、走査ユニット2−3により走査終了のときの半導体レーザビームBを検知し、第1の検知信号dを出力する。
【0040】
一方、各第2の位置検知センサ31〜33が各走査ユニット2−1〜2−3にそれぞれ設けられている。各走査ユニット2−1〜2−3は、それぞれ各半導体レーザ3−1〜3−3、各ポリゴンミラー4−1〜4−3及び各駆動源5−1〜5−3を支持する各支持部材34〜36を設けている。各第2の位置検知センサ31〜33は、各支持部材34〜36に設けられている。これら第2の位置検知センサ31〜33の各設置位置は、それぞれ各半導体レーザビームB〜Bを感熱記録媒体1上の各分割範囲H〜H内を走査するときの各走査空間F〜F外である。
【0041】
第2の位置検知センサ31は、走査ユニット2−1により走査開始のときの半導体レーザビームBを検知し、第2の検知信号d2−1を出力する。第2の位置検知センサ32は、走査ユニット2−2により走査開始のときの半導体レーザビームBを検知し、第2の検知信号d2−2を出力する。第2の位置検知センサ33は、走査ユニット2−3により走査開始のときの半導体レーザビームBを検知し、第2の検知信号d2−3を出力する。
【0042】
図6は位置調整装置のブロック構成図を示す。第1の位置検知センサ30及び第2の位置検知センサ31〜33は、位置調整部34に接続されている。この位置調整部34は、装置の設計データに基づく第2の位置検知センサ31と第2の位置検知センサ32との間の第1の寸法と、第2の位置検知センサ32と第2の位置検知センサ33との間の第2の寸法と、第2の位置検知センサ33と第1の位置検知センサ30との間の第3の寸法とを記憶する。そして、位置調整部34は、第1〜第3の寸法とスキャナモータ等の各駆動源5−1〜5−3の回転速度とに基づいて半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ31から第2の位置検知センサ32に到達する第1の理想時間と、半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ32から第2の位置検知センサ33に到達する第2の理想時間と、半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ33から第1の位置検知センサ30に到達する第3の理想時間とを求めて記憶する。なお、第1乃至第3の理想時間は、例えばそれぞれ同一時間に設定される。
【0043】
位置調整部34は、第1の位置検知センサ30から出力された第1の検知信号dと、各第2の位置検知センサ31〜33から出力された各第2の検知信号d2−1〜d2−3とを入力し、第1の位置検知センサ30による半導体レーザビームBの検知タイミングと各第2の位置検知センサ31〜33による各半導体レーザビームB〜Bの各検知タイミングとに基づいて半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ31から第2の位置検知センサ32に到達する第1の実測時間と、半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ32から第2の位置検知センサ33に到達する第2の実測時間と、半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ33から第1の位置検知センサ30に到達する第3の実測時間とを求める。
【0044】
位置調整部34は、第1の理想時間と第1の実測時間とを比較し、その時間差を走査ユニット2−1の位置調整情報として求めて表示部35に表示する。又、位置調整部34は、第1の理想時間と第1の実測時間とを比較し、その時間差に応じて走査ユニット2−1の位置調整方向及びその調整量を求め、これら位置調整方向及びその調整量を表示部35に表示してもよい。なお、走査ユニット2−1の位置調整量は、第1の理想時間と第1の実測時間との時間差を無くす量である。
【0045】
同様に、位置調整部34は、第2の理想時間と第2の実測時間とを比較し、その時間差を走査ユニット2−2の位置調整情報として求めて表示部35に表示する。位置調整部34は、第2の理想時間と第2の実測時間とを比較し、その時間差に応じて走査ユニット2−2の位置調整方向及びその調整量を求め、これら位置調整方向及びその調整量を表示部35に表示する。位置調整部34は、第3の理想時間と第3の実測時間とを比較し、その時間差を走査ユニット2−3の位置調整情報として求めて表示部35に表示する。位置調整部34は、第3の理想時間と第3の実測時間とを比較し、その時間差に応じて走査ユニット2−3の位置調整方向及びその調整量を求め、これら位置調整方向及びその調整量を表示部35に表示する。
表示部35は、例えば液晶ディスプレイ等から成る。
【0046】
次に、各走査ユニット2−1〜2−3の位置調整について説明する。
各半導体レーザ3−1〜3−3は、それぞれ各半導体レーザビームB〜Bを出力する。各ポリゴンミラー4−1〜4−3は、各半導体レーザ3−1〜3−3から出力された各半導体レーザビームB〜Bをそれぞれ主走査方向Smに主走査する。
【0047】
先ず、第2の位置検知センサ33は、走査ユニット2−3により走査開始のときの半導体レーザビームBを検知し、第2の検知信号d2−3を出力する。そして、半導体レーザビームBが主走査方向Smに主走査されて第1の位置検知センサ30に到達すると、この第1の位置検知センサ30は、第1の検知信号dを出力する。
【0048】
次に、位置調整部34は、第2の位置検知センサ33から出力された第2の検知信号d2−3を入力すると共に、第1の位置検知センサ30から出力された第1の検知信号dを入力し、半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ33から第1の位置検知センサ30に到達する第3の実測時間を求める。
【0049】
次に、位置調整部34は、予め記憶されている第3の理想時間と第3の実測時間とを比較し、その時間差を走査ユニット2−3の位置調整情報として求めて表示部35に表示する。又、位置調整部34は、第3の理想時間と第3の実測時間とを比較し、その時間差に応じて走査ユニット2−3の位置調整方向及びその調整量を求め、これら位置調整方向及びその調整量を表示部35に表示する。これにより、走査ユニット2−3の取り付け位置が決定される。
【0050】
次に、第2の位置検知センサ32は、走査ユニット2−2により走査開始のときの半導体レーザビームBを検知し、第2の検知信号d2−2を出力する。そして、半導体レーザビームBが主走査方向Smに主走査されて第2の位置検知センサ33に到達すると、この第2の位置検知センサ33は、第2の検知信号d2−3を出力する。
【0051】
次に、位置調整部34は、第2の位置検知センサ32から出力された第2の検知信号d2−2を入力すると共に、第2の位置検知センサ33から出力された第2の検知信号d2−3を入力し、半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ32から第2の位置検知センサ33に到達する第2の実測時間を求める。
【0052】
次に、位置調整部34は、予め記憶されている第2の理想時間と第2の実測時間とを比較し、その時間差を走査ユニット2−2の位置調整情報として求めて表示部35に表示する。又、位置調整部34は、第2の理想時間と第2の実測時間とを比較し、その時間差に応じて走査ユニット2−2の位置調整方向及びその調整量を求め、これら位置調整方向及びその調整量を表示部35に表示する。これにより、走査ユニット2−2の取り付け位置が決定される。
【0053】
次に、第2の位置検知センサ31は、走査ユニット2−1により走査開始のときの半導体レーザビームBを検知し、第2の検知信号d2−1を出力する。そして、半導体レーザビームBが主走査方向Smに主走査されて第2の位置検知センサ32に到達すると、この第2の位置検知センサ32は、第2の検知信号d2−2を出力する。
【0054】
次に、位置調整部34は、第2の位置検知センサ31から出力された第2の検知信号d2−1を入力すると共に、第2の位置検知センサ32から出力された第2の検知信号d2−2を入力し、半導体レーザビームBが第2の位置検知センサ31から第2の位置検知センサ32に到達する第2の実測時間を求める。
【0055】
次に、位置調整部34は、予め記憶されている第1の理想時間と第1の実測時間とを比較し、その時間差を走査ユニット2−1の位置調整情報として求めて表示部35に表示する。又、位置調整部34は、第1の理想時間と第1の実測時間とを比較し、その時間差に応じて走査ユニット2−1の位置調整方向及びその調整量を求め、これら位置調整方向及びその調整量を表示部35に表示する。これにより、走査ユニット2−1の取り付け位置が決定される。
【0056】
このように上記第3の実施の形態によれば、各走査ユニット2−1〜2−3に対応して第1の位置検知センサ30及び各第2の位置検知センサ31〜33を設け、予め記憶されている第1乃至第3の理想時間と各走査ユニット2−1〜2−3間の各半導体レーザビームB〜Bの走査に要する第1乃至第3の実測時間とを比較し、その時間差に基づいて各走査ユニット2−1〜2−3の各取り付け位置を決定するので、装置の設計データに基づく最適な各設置位置に各走査ユニット2−1〜2−3を取り付けることができる。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、各ポリゴンミラー4−1〜4−3又は各ガルバノミラー21−1〜21−3は、各駆動源5−1〜5−3又は各駆動源22−1〜22−3をそれぞれ同期駆動部12によって同期駆動しているが、これに限らず、例えば図7に示すように連動同期駆動部40によって同期駆動してもよい。この連動同期駆動部40は、例えば各ポリゴンミラー4−1〜4−3又は各ガルバノミラー21−1〜21−3の各駆動軸を環状のベルトにより連結し、このベルドをモータ等の駆動源により移動させることにより各ポリゴンミラー4−1〜4−3又は各ガルバノミラー21−1〜21−3を同期駆動する。
【0058】
又、図5に示すように各走査ユニット2−1〜2−3の各取り付け位置を決定する場合、各走査ユニット2−1〜2−3間における各半導体レーザビームB〜Bの走査に要する第1乃至第3の実測時間を計測しているが、これに限らず、第1の位置検知センサ30を基準とし、第1の位置検知センサ30と各第2の位置検知センサ31〜33との各間に各半導体レーザビームB〜B13がそれぞれ走査されるに要する各理想時間を予め記憶し、これら理想時間と第1の位置検知センサ30と各第2の位置検知センサ31〜33との各間に各半導体レーザビームB〜B13がそれぞれ走査された各実測値とを比較し、これら理想時間と実測値との時間差を無くすように各走査ユニット2−1〜2−3の各取り付け位置を決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る非接触光書き込み装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における走査ユニットの構成図。
【図3】同装置における制御系のブロック構成図。
【図4】本発明に係る非接触光書き込み装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明に係る非接触光書き込み装置の各走査ユニットに対する位置調整の第3の実施の形態を示す構成図。
【図6】同装置における位置調整装置のブロック構成図。
【図7】同装置における各ポリゴンミラー又は各ガルバノミラーを同期駆動する変形例を示す構成図。
【図8】感熱記録媒体の発色、消去特性を示す図。
【図9】従来において記録スピードが遅い場合に生じる消去エリアを示す図。
【図10】半導体レーザビームのガウス分布を示す図。
【符号の説明】
【0060】
1:感熱記録媒体、2−1〜2−3:走査ユニット、3−1〜3−3:半導体レーザ、4−1〜4−3:ポリゴンミラー、5−1〜5−3:駆動源、10:主制御部、11:メモリ、12:同期駆動部、13:搬送機構、20−1〜20−3:走査ユニット、21−1〜21−3:ガルバノミラー、22−1〜22−3:駆動源、30:第1の位置検知センサ、31〜33:第2の位置検知センサ、34:位置調整部、35:表示部、40:連動同期駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも感熱記録を可能とするリライタブルな感熱記録媒体に対して非接触で情報記録を行う非接触光書き込み装置において、
半導体レーザビームを出力する半導体レーザと、この半導体レーザから出力された半導体レーザビームを前記感熱記録媒体上に走査する走査光学系とを有する走査ユニットを複数設け、これら走査ユニットを前記半導体レーザビームの走査方向に対して並行方向に配置する、
ことを特徴とする非接触光書き込み装置。
【請求項2】
前記複数の走査ユニットは、前記感熱記録媒体上における前記半導体レーザビームの走査範囲を前記複数の走査ユニットの配置数により均等に分割し、これら分割された複数の分割範囲内にそれぞれ前記各半導体レーザビームを走査することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項3】
前記複数の走査ユニットは、前記走査方向に同期して前記各半導体レーザビームをそれぞれ走査することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項4】
前記半導体レーザビームの走査方向に対して並行方向に配置された前記複数の走査ユニットのうち一方の端部に配置された前記走査ユニットに対応して設けられ、少なくとも前記一方の端部に配置された前記走査ユニットにより走査された前記半導体レーザビームを検知する第1の位置検知センサと、
前記複数の走査ユニットの各配置位置に対応してそれぞれ設けられ、前記複数の走査ユニットによりそれぞれ走査された前記各半導体レーザビームを検知する複数の第2の位置検知センサと、
前記第1の位置検知センサによる前記半導体レーザビームの検知タイミングと前記複数の第2の位置検知センサによる前記各半導体レーザビームの各検知タイミングとに基づいて前記複数の走査ユニットの配置位置を調整するための位置調整情報を報知する位置調整部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項5】
前記位置調整部は、前記第1の位置検知センサと前記複数の第2の位置検知センサとの各間の各検知タイミング、又は少なくとも隣り合う前記複数の第2の位置検知センサ間の各検知タイミングに基づいて前記複数の走査ユニットの配置位置を調整するための位置調整情報を報知することを特徴とする請求項4記載の非接触光書き込み装置。
【請求項6】
前記走査光学系は、ポリゴンミラー又はガルバノミラーを有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項7】
前記複数の走査ユニットによる前記各半導体レーザビームの各走査を同期させる同期駆動部を備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項8】
前記感熱記録媒体は、予め設定された第1の温度を越えた加熱、冷却により消去状態になり、前記第1の温度以上の第2の温度を超えて加熱し、急冷すると発色し、
前記複数の走査ユニットは、それぞれ前記各半導体レーザビームの走査方向に対して並列な複数のライン上に順次前記各半導体レーザビームを走査し、かつ前回の前記ライン上における前記半導体レーザビームの走査から今回の前記ライン上における前記半導体レーザビームの走査までの期間を前記感熱記録媒体の温度が低下して前記消去状態になるまでに設定する、
ことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−137244(P2008−137244A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324959(P2006−324959)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】