説明

非接触電力伝送装置

【課題】移動磁界を生成し、伝送不能な死点を縮小、低減し、そのため、広い範囲での安定した電力伝送が実現できる非接触電力伝送装置を提供すること。
【解決手段】相対するコイル1,2間の電磁誘導を用い、空隙3を介して1次側コイルから2次側コイルに非接触にて電力を伝送する電力伝送装置10において、1次側を複数の平面巻線型コイル1a,1b,・・・、2次側を一以上の平面巻線型コイル2aで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で電力を伝送する非接触電力伝送装置に関し、詳しくは、携帯電子機器、携帯電気機器、又は電子装置などに用いられる非接触電力伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電源から電子機器へ非接触で電力を伝送する方式の一つとして、相対させたコイル間の電磁誘導作用を利用するシステムが提案されている。そのシステムとしては、例えばコードレスパワーステーション(Cordless Power Station)又はコンタクトレスパワーステーション(Contactless Power Station)と呼ばれるものがあり、一般にCLPSと略称されている。
【0003】
このような非接触電力伝送システムの送電側励磁気の構成を検討したものとして非特許文献1及び2に記載されたものがある。
【0004】
非特許文献1は、構成法の相異による得失、コンデンサ挿入による特性改善、伝送電力量及び伝送効率改善に与えるフェライトの効果、1次側−2次側の位置ずれによる伝送特性の改善について検討を行ったものである。具体的には、非接触電力伝送装置において1次側−2次側ともにドーナッツ状の空心コイルを配置し、隣接するコイルの磁束の向きが逆になる接続方法を用いている。その理由は、隣接するコイルの磁束の向きが、逆になる接続方法の方が、発生する磁束が全て同じ方向になる接続方法よりも、互いに磁束を強め合い、また外部へのもれ磁束が少ないという利点を有するからである。
【0005】
非特許文献1では、1次側、2次側ともに、空心コイル数を増加させると、最大伝送電力P2max及び最大伝送効率ηmaxは、ともに増加すること及び円板状のフェライトコアを用いた場合には、さらに、伝送電力の増加が図れ、伝送効率の向上が図れることが開示されている。
【0006】
さらに、非特許文献1では、2次コイルと負荷抵抗との間に、2次コイルの自己インダクタンスとの共振条件から求めた容量を有するコンデンサを直列に挿入すると損失が減少し、伝送効率が約1割向上することが述べられている。
【0007】
また、非特許文献1では、電力の損失量及び伝送効率は、フェライトコアの厚さには依存せず、フェライトの種類にも依存しないので、システムの薄型化には、フェライトコアは薄型の方が有利であることが示されている。さらに、非特許文献1において、面に対して垂直な磁束成分のみを利用するようなコイル形状の場合には、中心軸を一致させた方が良いことが判明している。
【0008】
しかしながら、非特許文献1に開示された非接触電力伝送装置では、1次側及び2次側のコイルは同一寸法のもので構成しているので、位置ズレによる変化が大きく、広範囲な面での任意の伝送には不都合となる欠点をもつ。
【0009】
また、非特許文献2に開示された非接触電力伝送システムは、受電側に1つのスパイラルコイルを配し、送電側に複数の並列したスパイラルコイルを配置し、夫々のスパイラルコイルの対向面と反対側にそれぞれ磁性体薄板又はシートを配置した構成である。このような構成の非特許文献2による非接触電力伝送システムによると、受電側において、内径、外径比(D/D)が0.65のとき最大伝送電力約70W、コイル間効率約65%が得られている。また、伝送特性に、磁気結合係数kが大きく関与しており、D/D=0.65は中央に位置する送電コイルと受電コイルとの相互インダクタンスMcと外側に位置するに送電コイルと受電コイルとの相互インダクタンスM0とほぼ等しくなる点で伝送特性が向上することが示されている。
【0010】
また、非特許文献2においては、非接触電力伝送装置は、相対する1次側、2次側コイル間の電磁誘導を用い、空隙を介して1次側コイル1から2次側コイル2に非接触にて電力を伝送する。
【0011】
このような非接触電力伝送装置においては、受電コイル側にコイルの誘導性リアクタンスを打ち消すようにコンデンサC2を負荷に並列に挿入すると、より効率の改善が見られること、及び、受電コイルの裏側の磁性体の形状を漏れをさらに防ぐ形状とすることで、伝送効率の変動幅を改善することができることが示されている。
【0012】
しかしながら、非特許文献2に開示された非接触電力伝送装置では、1次側コイルは平面に配列し、隣接するコイルによる伝送の面内には伝送不能な死点が存在する。そのため、2次側コイルは1次側コイルよりも大きくする必要がある。そのため、2次側の小型化には不都合な構成となる。
【0013】
また、非特許文献3及び4においては、非接触電力伝送装置は、1次側コイルは隣接した平面コイルを重畳し、2次側コイル径は1次側より小とした構成について、隣接するコイルに流れる励磁電流に位相差を設けることにより、位置による伝送の変動が改善することが示されている。しかしながら、この構成では、1次側平面コイルを線状に配列する構成であり、連続して平面状に展開できる構成を示唆するものではない。
【0014】
また、特許文献1は、非特許文献1と同様であり、1次側、2次側のコイル構成が同様であり、コイル位置ズレにより安定した伝送が困難となる。
【0015】
また、特許文献2は、対向する1次コイル、2次コイルの外側部に軟磁性体粉末と有機結合材からなる軟磁性部材を配置するものであり、平面渦巻き型コイル間の位置ズレによる安定した伝送に言及していない。位置ズレの許容域を広げる構成として、平面渦巻き型コイルとミアンダ型コイルの組み合わせを示している。
【0016】
【非特許文献1】村上純一、松木英敏、菊地新喜:「フェライトを用いたコードレスパワーステーションによる非接触電力伝送特性」、電気学会研究資料、マグネティックス研究会、MAG−95−138、第63−70頁、1993年8月2日社団法人電気学会発行
【非特許文献2】畠中紘一、佐藤文博、松木英敏、菊地新喜、村上純一、川瀬誠、佐藤忠邦:「位置決め不要な非接触電力伝送システムの送電側励磁構成に関する検討」、日本応用磁気学会誌、26巻、第580−584頁(2002年)
【非特許文献3】宮森潤、芳賀昭、佐藤文博、松木英敏、佐藤忠邦:「民生機器適用を目指した非接触送電パッドの基礎的検討」、平成19年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集、第354頁、平成19年8月23日平成19年度電気関係学会東北支部連合大会実行委員会発行
【非特許文献4】宮森潤、芳賀昭、佐藤文博、松木英敏、佐藤忠邦:「デスクトップCLPSにおける位相励磁に関する検討」、第31回日本応用磁気学会学術講演概要集、第110頁(2002年)、2007年9月11日社団法人日本応用磁気学会発行
【特許文献1】特開平7−231586号公報
【特許文献2】特開平8−148360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、非特許文献1〜4に開示された非接触電力伝送システムにおいて、伝送不能な点を縮小、低減し、また、調節すること及び隣接するコイル間の励磁電流の位相差を調整することで、より広い範囲で高い出力と安定した電力伝送ができるようにさらに改善することが求められている。
【0018】
そこで、本発明の技術的課題は、広い範囲での安定した電力伝送が実現できる非接触電力伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、相対するコイル間の電磁誘導を用い、空隙を介して1次側コイルから2次側コイルに非接触にて電力を伝送する電力伝送装置において、1次側を3以上の平面型コイルを重畳して構成し、2次側コイル外径は1次側コイル外径よりも小とすることを特徴とする非接触電力伝送装置が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、前記非接触電力伝送装置において、対向する1次側平面型コイルと2次側平面型コイルの何れか一方、または双方の外側部に、軟磁性材料を貼付配置することを特徴とする非接触電力伝送装置が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの非接触電力伝送装置において、1次側の隣接コイルに流れる励磁電流の位相差を45°〜135°又は225°〜315°とし、2つ以上の位相の異なる磁界を生成することを特徴とする非接触電力伝送装置が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの非接触電力伝送装置において2次側平面型コイルの外側部に配置された軟磁性材料を有し、該軟磁性材料の面積を、2次側平面型コイル外径の面積の1.2倍以上とすることを特徴とする非接触電力伝送装置が得られる。
【0023】
さらに、本発明によれば、送電側コイルを含み、該送電側コイルに対向配置される受電側コイルへ電磁誘導により電力を伝送する非接触電力伝送装置において、前記送電側コイルとして、前記受電側コイルよりも大きい外径を持つ平面型コイルを3個以上有し、これらの平面型コイルを、隣接する平面型コイルと一部重なるように二次元に配置し、互いに隣接する平面型コイルに位相の異なる励磁電流を流すようにしたことを特徴とする給電装置が得られる。
【発明の効果】
【0024】
上述した非接触電力伝送装置は、広い範囲で安定した電力伝送の実現を可能にする。
【0025】
上述した非接触電力伝送装置の給電側装置は、3以上の平面型コイルを重畳して構成しており、この連続で任意の平面的展開が可能となり、広い範囲で機能する非接触電力伝送装置が得られる。
【0026】
また、1次側の隣接コイルに流れる励磁電流の位相差を45°〜135°又は225°〜315°とし、2つ以上の位相の異なる磁界を生成することにより、広い範囲で安定した給電を行う非接触電力伝送装置が得られる。
【0027】
また、本発明によれば、前記いずれか一つの非接触電力伝送装置において、対向する1次側平面型コイルと2次側平面型コイルの何れか一方、または双方の外側部に、軟磁性材料を貼付配置することにより、高い出力の非接触電力伝送装置が得られる。
【0028】
また、2次側平面型コイルに配置する軟磁性材料の面積を、2次側平面型コイル外径の面積の1.2倍以上とすることにより、より広い範囲で高い出力の非接触電力伝送装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
本発明の非接触電力伝送装置は、相対するコイル間の電磁誘導を用い、空隙を介して1次側コイルから2次側コイルに非接触にて電力を伝送する。この電力伝送装置において、1次側を3以上の平面型コイルを重畳して(一部重ねて)平面的に配置し構成し、2次側を1以上の平面型コイルで構成するものであり、2次側コイル外径(2次側の平面型コイルの外径)は1次側コイル外径(1次側の平面型コイルの外径)よりも小とする。平面型コイルは、平面型であれば、円形に限らず、多角形であっても良いが、平面型巻線コイルであることが好ましい。
【0031】
また、本発明の非接触電力伝送装置において、対向する1次側平面型コイルと2次側平面型コイルの何れか一方、または双方の外側部(対向面の反対側、背面ともいう)に、軟磁性材料を配置することにより、発生磁界の収束効果によって、1次側コイルと2次側コイルの磁気結合を向上し、出力の向上に寄与することができる。
【0032】
また、前記非接触電力伝送装置において、1次側の隣接コイルに流れる励磁電流の位相差を45°〜135°又は225°〜315°とし、2つ以上の位相の異なる磁界を発生することにより移動磁界を生成し、給電側面の広い範囲で高い伝送効率を得ることができる。
【0033】
また、2次側平面型コイルの外側部に軟磁性材料を配置する場合は、軟磁性材料の面積を、2次側平面型コイル外径の面積の1.2倍以上とすることにより、給電側面のより広い範囲で高い伝送効率を得ることができる。
【0034】
また、本発明は電子機器等への非接触伝送でも、特に携帯用機器への適用において有用となるように、1次側コイルに比べ2次側コイルが小となるように構成し、小型化、軽量化を図るものである。
【0035】
また、本発明の給電側(1次側)は伝送面積を任意に広くできるものであり、受電側(2次側)は複数でも電力の伝送が可能となるものである。
【0036】
(他の実施の形態)
本発明の他の実施の形態に係る給電装置は、例えば、携帯用電子機器の充電器として用いられる。携帯電子機器が備える受電用コイルが2次側コイルとなるため、この非接触電力伝送装置は、2次側コイルを備えていない。
【0037】
給電装置は、受電用コイルの外径より大きい外径を持つ平面型コイルを送電用(1次側)コイルとして3個以上有している。これらの平面型コイルは、隣接する平面型コイルと一部重なるように二次元に配置される。この配置は、例えば、誘電材料板又はシート上に、隣接する平面型コイルの中心を結ぶ直線が正三角形を描くように行われる。
【0038】
また、互いに隣接する平面型コイルへは、互いに位相の異なる励磁電流を供給する。位相差は、45°〜135°または225°〜315°の範囲内にあることが望ましく、特に、90°又は270°が望ましい。
【実施例】
【0039】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら、説明する。
【0040】
(実施例1)
本発明の実施例1では、非接触電力伝送装置の基本構成について説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施例1による非接触電力伝送装置のコイルの配置の一例を主に示す斜視図である。
【0042】
図1に示すように、非接触電力伝送装置10は、相対する1次側、2次側コイル1,2間の電磁誘導を用い、空隙3を介して1次側コイル1から2次側コイル2に非接触にて電力を伝送する。1次側コイル1に複数の平面巻線型コイル1a,1b,1c,1d及び1f、2次側コイル2に1個以上の平面巻線型コイル2aを備えている。1次コイル1の背面(外側面)には、軟磁性材の板またはシート4が貼り付けられている。また、2次コイル2の背面(外側面)にも同様の軟磁性材の板またはシート4を貼り付けることも出来る。また、上記例においては、1次側コイル1および2次側コイル2に用いられるコイルをともに平面巻線型コイルとしたが、円形の平面コイルに限定されるものでなく、多角形コイルであれば本発明の効果が得られることは勿論である。
【0043】
また、上記例においては、対向するコイル背面へ軟磁性材からなる板またはシート4を配置しているが、この磁性材は、発生磁界を収束させる効果があり、1次側コイル1と2次側コイル2の磁気結合を向上し、出力の向上に寄与するものである。
【0044】
図1に示す非接触電力伝送装置10は、1次側コイル1に複数の平面巻線型コイル1a,1b,1c,1d,1e及び1f、2次側コイル2に1個以上の平面巻線型コイル2aを備えている。そして、この平面巻線型コイル2aの外径(2次側コイル外径)は、平面巻線型コイル1a,1b,1c,1d,1eまたは1fの外径(1次側コイル外径)よりも小さい。この非接触電力伝送装置10は、従来技術による非接触電力伝送装置とは、1次側コイル1の平面巻線型コイル1a,1b,・・・,1fの個数が異なり、2次側コイルの平面巻線型コイル2aの外径が1次側コイル外径より小さい点でも異なる。
【0045】
(実施例2)
本発明の実施例2では、軟磁性材を配置したときの非接触電力伝送装置の具体的特性の測定について説明する。
【0046】
図1の様に1次側コイル及び2次側コイルを軸方向で互いに対向するように配置した。1次側コイルは、各々の外径を70mm、内径を20mm、巻き数81とした3個の平面巻線型コイルで構成した。隣接する平面巻線型コイルの中心軸は平面上60°の角度をもって配置され、3個のコイル巻線部が重畳した構成となっている。2次側コイルは、外径を30mm、内径を15mm、巻き数11とした。
【0047】
そして、1次側コイル1及び2次側コイル2の中心軸が合っている状態で、コイル間のギャップを1mmとし、軟磁性材の配置を1次側・2次側の双方、1次側のみ、2次側のみ、装着なしとし、図2に示すように、1次側コイル1の平面巻線型コイルL1−1,L1−2及びL1−3に電源P1,P2及びP3を夫々接続し、一方、2次側コイルの平面巻線型コイルLには、コンデンサC、整流器21、DC・DCコンバータ22、及び可変抵抗Rloadを接続して測定回路(LCRメータ)を構成した。そして、電源P1,P2及びP3を周波数120kHz、定電流50mAに設定し、LCRメータによりインダクタンスを測定し、磁気結合係数kを求めた。軟磁性材は、厚さ0.5mmのMnZnフェライト焼結体とし、2次側コイル2に装着したものはコイル外径面積の約1.1倍の大きさとしている。
【0048】
その結果を、下の表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
表1から明らかなように、軟磁性材を配置することにより、磁気結合係数kが明らかに向上し、伝送電力の向上が図られる。
【0051】
(実施例3)
実施例2の様な1次側コイル1と2次側コイル2の配置構成において、2次側コイル2を1次側コイル1の上方で移動させ、位置による2次側コイル2への伝送効率を測定した。ここで、1次側は周波数120kHz、18V、負荷抵抗10Ω、隣接して重畳するコイルL1−1,L1−2及びL1−3に流れる励磁電流の位相を可変としている。
【0052】
2次側コイルの1次側コイル1上での位置に応じて伝送効率は変化した。このときの最大となる値及び最小となる値を、隣接するコイルとの電流位相差(=α=β−α)との関係として表2に示した。
【0053】
【表2】

【0054】
隣接して重畳するコイルに流れる励磁電流に位相差を設けることにより、伝送効率が低くなる領域は改善している。位相差を45〜135°又は225〜315°とすることにより、伝送効率最小値は明らかに向上する傾向となっている。
【0055】
ちなみに、最大伝送効率の位置では、3Wの出力となっている。
【0056】
また、隣接して重畳するコイルに流れる励磁電流の位相差を60°にした場合、及び120°にした場合、1次側コイルの平面上位置において最大伝送効率となる面積は約95%を占める。
【0057】
また、2次側コイルに装着するフェライト平板の面積を増加することにより、伝送効率の低くなる領域が明らかに減少することも、確認した。ちなみに、このフェライト板の面積を2次コイルの外径面積の1.2倍にすることによりほぼ全面で伝送効率75%以上となった。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1による非接触電力伝送装置のコイルの配置の一例を主に示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例2による非接触電力伝送装置の測定回路の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0059】
1 1次側コイル
1a,1b,1c,1d,1e,1f 平面巻線型コイル
2 2次側コイル
2a 平面巻線型コイル
3 空隙
4 軟磁性材からなる板またはシート
10 非接触電力伝送装置
21 整流器
22 DC・DCコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対するコイル間の電磁誘導を用い、空隙を介して1次側コイルから2次側コイルに非接触にて電力を伝送する電力伝送装置において、1次側を3以上の平面型コイルを重畳して構成し、2次側コイル外径は1次側コイル外径よりも小とすることを特徴とする非接触電力伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非接触電力伝送装置において、対向する1次側平面型コイルと2次側平面型コイルの何れか一方、または双方の外側部に、軟磁性材料を配置することを特徴とする非接触電力伝送装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の非接触電力伝送装置において、1次側の隣接コイルに流れる励磁電流の位相差を45°〜135°又は225°〜315°とし、2つ以上の位相の異なる磁界を生成することを特徴とする非接触電力伝送装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の非接触電力伝送装置において、2次側平面型コイルの外側部に配置された軟磁性材料を有し、該軟磁性材料の面積を、2次側平面型コイル外径の面積の1.2倍以上とすることを特徴とする非接触電力伝送装置。
【請求項5】
送電側コイルを含み、該送電側コイルに対向配置される受電側コイルへ電磁誘導により電力を伝送する給電装置において、
前記送電側コイルとして、前記受電側コイルよりも大きい外径を持つ平面型コイルを3個以上有し、これらの平面型コイルを、隣接する平面型コイルと一部重なるように二次元に配置し、互いに隣接する平面型コイルに位相の異なる励磁電流を流すようにしたことを特徴とする給電装置。
【請求項6】
請求項5に記載の給電装置において、
隣接する前記平面型コイルの中心を結ぶ線が正三角形を描くように前記平面型コイルを配置したことを特徴とする給電装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の給電装置において、前記位相の異なる励磁電流が、45°〜135°または225°〜315°の位相差を有してことを特徴とする給電装置。
【請求項8】
請求項5,6又は7に記載の給電装置において、前記送電側コイルの背面側に軟磁性体板又はシートを有していることを特徴とする給電装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−252970(P2009−252970A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98468(P2008−98468)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】