説明

非破壊検査装置

【課題】バッテリの状態に応じて設定条件を変更可能な非破壊検査装置を実現する。
【解決手段】超音波非破壊検査装置1は、A,Bバッテリ24a,24bの電力供給を受けて被検体内部の状態を検査する非破壊検査装置である。超音波非破壊検査装置1は、A,Bバッテリ24a,24bの残量が所定値以下になったとき、超音波非破壊検査装置1の動作条件を変更するための情報を出力する情報出力手段としてのCPU21と、このCPU21の情報に基づいて、超音波非破壊検査装置1の動作条件を変更可能な設定変更手段としての選択スイッチ13を具備して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの電力供給を受けて被検体内部の状態を検査する非破壊検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非破壊検査装置は、工業分野等において広く用いられている。非破壊検査装置は、被検体内部の状態を検査する装置である。上記非破壊検査装置は、例えば、航空機の機体や大型プラントの設備検査などで用いられている。このような非破壊検査装置の中には、例えば、超音波、音響、エックス線等の放射線、サーモグラフィーを用いた装置などがある。
【0003】
通常、検査者は、被検体の各部を検査するために、携帯可能な非破壊検査装置を保持しながら動き回って非破壊検査を行う場合が多い。また、検査現場においては、AC電源を利用できない場合が多い。従って、従来の携帯可能な非破壊検査装置は、長時間使用するためにバッテリを内蔵している。
【0004】
しかしながら、非破壊検査装置は、大型バッテリを搭載すると重くなり、検査時に使用するのが不便である。このため、非破壊検査装置は、軽量化が求められている。そこで、非破壊検査装置は、小型バッテリを搭載すると、携帯に便利になる。しかしながら、小型バッテリを搭載した非破壊検査装置は、使用時間が短くなる。
【0005】
上記従来の非破壊検査装置の中には、例えば、特許文献1に記載されているように超音波非破壊検査装置が提案されている。上記超音波非破壊検査装置は、被検体に超音波パルスを送波し、被検体内部から反射してきた超音波パルスを受波することで被検体内部に生じた傷等の状態を検査するようになっている。
【特許文献1】特開平11−056838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の非破壊検査装置は、バッテリの電力供給能力が低下した場合、全ての機能が停止するようになっている。このため、上記従来の非破壊検査装置は、長時間動作させる配慮がなされていないといえる。また、上記従来の非破壊検査装置は、長時間動作させるための予備のバッテリが必要になり、重量も重くなってしまう。
【0007】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、バッテリの状態に応じて設定条件を変更可能な非破壊検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、バッテリの電力供給を受けて被検体内部の状態を検査する非破壊検査装置において、前記バッテリの残量が所定値以下になったとき、前記非破壊検査装置の動作条件を変更するための情報を出力する情報出力手段と、前記情報出力手段からの情報に基づいて、前記非破壊検査装置の動作条件を変更可能な設定変更手段と、を具備したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の非破壊検査装置は、バッテリの状態に応じて設定条件を変更することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0011】
尚、本発明は、非破壊検査装置として超音波非破壊検査装置に適用した例を示す。
【実施例】
【0012】
図1ないし図20は本発明の一実施例に係り、図1は一実施例の超音波非破壊検査装置を示す全体構成図、図2は図1の超音波非破壊検査装置の内部構成を示す回路ブロック図、図3は超音波非破壊検査装置の動作を示すメインフローチャート、図4はバッテリ残容量及び残使用可能時間を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図5はバッテリ残使用可能時間が所定値以下であることを告知し、設定条件を変更するか否かを検査者に選択させる画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図6は設定条件の変更が完了したことを告知している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図7は設定変更により更新されたバッテリ残使用可能時間を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図8はバッテリ残使用可能時間が0となり、シャットダウンすることを表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図9は図3の設定入力フローを示すサブフローチャート、図10は検査周波数の数値入力を促す画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図、図11は検査チャンネル数の数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図12は検査信号出力レベルの数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図13は検査パルス幅の数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図14は警告表示を行うバッテリ残使用可能時間の数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図15は図3の設定変更フローを示すサブフローチャート、図16は表示パネルの輝度を下げるか否かを選択するための画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図、図17は検査周波数を下げるか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図、図18は検査チャンネル数を下げるか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図、図19は検査信号出力レベルを下げるか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図、図20は検査パルス幅を狭くするか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【0013】
図1に示すように一実施例の非破壊検査装置である超音波非破壊検査装置1は、図示しない超音波探触子(以下、単に探触子)を内蔵する検査用プローブ2と、この検査用プローブ2の探触子を制御する装置本体3とを有して構成されている。
検査用プローブ2の探触子は、複数の超音波振動子により形成されている。装置本体3は、これら複数の超音波振動子を個別に制御するようになっている。
【0014】
検査用プローブ2は、延出する接続ケーブル4が装置本体3に着脱自在に接続されるようになっている。検査用プローブ2は、被検体表面に押し当てられて超音波パルスを被検体に送波し、被検体内部から反射してきた超音波パルスを受波するようになっている。
【0015】
装置本体3は、検査用プローブ2を制御して超音波パルスを送波させるようになっている。装置本体3は、検査用プローブ2が受波した反射超音波パルスを信号処理し、被検体内部の状態をグラフ化等して表示するようになっている。
【0016】
装置本体3は、フロントパネル3aに電源スイッチ11と、数値入力スイッチ12と、選択スイッチ13と、表示手段としてLCD( Liquid Crystal Display)等により形成されている表示パネル14と、警告音を発生するスピーカ15とが設けられている。
【0017】
電源スイッチ11は、装置本体3の電源をオンオフするスイッチである。
数値入力スイッチ12は、各種設定を行う際に数値を入力するためのスイッチである。選択スイッチ13は、各種設定変更を行う際に表示パネル14の表示画面に表示される設定値の中から所望の設定値を選択するためのスイッチである。即ち、選択スイッチ13は、設定変更手段を構成している。
【0018】
表示パネル14は、表示画面に被検体の測定状況、各種設定の設定画面等の表示を行うようになっている。尚、本実施例では、後述するように告知手段として表示パネル14の表示画面にバッテリの残量状態及び残使用可能時間を表示するようになっている。
【0019】
また、フロントパネル3aには、図示しないが自動的に較正(キャリブレーション)を行うためのキャリブレーションスイッチが設けられている。尚、フロントパネル3aには、図示しないがメニュー画面を表示させて各種設定を行うためのメニュースイッチ、各種モードを選択するためのモード選択スイッチ等が設けられていてもよい。
【0020】
図2に示すように装置本体3は、各部を制御するCPU( Central Processing Unit )21と、基本的なプログラム及びデータを記憶しているROM( Read Only Memory )22及び、このROM22から読み出したプログラムやデータを一時的に記録するRAM( Random Access Memory )23を有している。
【0021】
また、装置本体3は、例えば、Aバッテリ24a及びBバッテリ24bの2個のバッテリを内蔵するようになっている。これらA,Bバッテリ24a,24bは、電源スイッチ11に接続されている。この電源スイッチ11をオンすることで、A,Bバッテリ24a,24bからの電源電力が供給されるようになっている。
尚、装置本体3は、商用電源からの電源電力を取り込む図示しないコンセントが着脱自在に接続可能になっており、充電回路(不図示)を介してA,Bバッテリ24a,24bが充電可能となっている。
【0022】
また、表示パネル14には、バックライト25が設けられている。
装置本体3は、バックライト25を介して表示パネル14を駆動するための高電圧を供給するインバータ回路26を設けている。このインバータ回路26は、CPU21から出力される表示パネル用輝度信号に基づき、A,Bバッテリ24a,24bから供給される電源電力から高電圧を発生するようになっている。
【0023】
また、表示パネル14は、CPU21から出力される表示信号に基づき、映像信号を生成する表示回路27が設けられている。この表示回路27は、後述の検査用回路から出力される検査信号を重畳して検査した被検体内部の状態を画像化するようになっている。
また、スピーカ15は、アンプ28を介してA,Bバッテリ24a,24bからの電源電力が供給されるようになっている。このアンプ28は、CPU21から出力されるオーディオ信号を増幅するようになっている。
【0024】
また、装置本体3は、検査用プローブ2の探触子(複数の超音波振動子)を制御駆動する検査用回路30を設けている。この検査用回路30は、検査周波数制御回路31と、検査チャンネル制御回路32と、検査出力制御回路33と、検査パルス幅制御回路34と、検査信号発生回路35と、検査信号受信回路36とを有して構成されている。
【0025】
検査周波数制御回路31は、複数の超音波振動子を個別に駆動するための周波数信号を生成する回路である。検査チャンネル制御回路32は、チャンネル数として複数の超音波振動子のうち、駆動する素子数を制御する回路である。
検査出力制御回路33は、超音波振動子を駆動するための出力信号を生成する回路である。検査パルス幅制御回路34は、超音波振動子が出力する超音波パルスのパルス幅を制御する回路である。
【0026】
検査周波数制御回路31、検査チャンネル制御回路32、検査出力制御回路33及び検査パルス幅制御回路34は、CPU21からの検査用回路制御信号に基づき、それぞれ個別に制御されるようになっている。
これら検査周波数制御回路31、検査チャンネル制御回路32、検査出力制御回路33及び検査パルス幅制御回路34は、生成した信号を検査信号発生回路35に出力するようになっている。
【0027】
検査信号発生回路35は、A,Bバッテリ24a,24bから供給される電源電力を検査周波数制御回路31、検査チャンネル制御回路32、検査出力制御回路33及び検査パルス幅制御回路34からの信号で制御して、検査用プローブ2の探触子を駆動するための駆動信号を生成する回路である。
一方、検査信号受信回路36は、検査用プローブ2の探触子から出力される反射超音波パルス信号を受信して信号処理する回路である。検査信号受信回路36は、信号処理した検査信号を表示回路27に出力するようになっている。
【0028】
また、装置本体3は、バッテリ情報取得手段としてAバッテリ24aのバッテリ情報を取得するAバッテリ情報取得回路41a及び、Bバッテリ24bのバッテリ情報を取得するBバッテリ情報取得回路41bが設けられている。バッテリ情報とは、使用可能なバッテリ数、バッテリ残容量、温度、消費電流(実際に流れる電流)等の情報である。
A,Bバッテリ情報取得回路41bは、取得したバッテリ情報をシリアル通信等でCPU21に出力するようになっている。尚、通信は、シリアル通信でなくパラレル通信でもよい。
【0029】
CPU21は、A,Bバッテリ情報取得回路41a,41bからのA,Bバッテリ情報信号を受信して、使用可能なバッテリ数、バッテリ残容量、温度、各バッテリの消費電流等のバッテリ情報をリアルタイムで把握できるようになっている。
また、CPU21は、上記A,Bバッテリ情報取得回路41a,41bからのA,Bバッテリ情報と、後述するように入力される設定条件(動作条件)に基づいて得られるA,Bバッテリ24a,24bの消費電流データとにより、バッテリ残使用可能時間をリアルタイムに算出すること可能になっている。尚、本実施例では、バッテリ残使用可能時間が所定値以下になったときを前記A,Bバッテリ24a,24bの残量が所定値以下になったときとして検知するようになっている。
【0030】
ここで、入力される設定条件(動作条件)に対するバッテリの消費電流データは、例えば、表1に示すようになっている。
【表1】

【0031】
尚、このデータは、ROM22に予め記憶している。
CPU21は、このROM22に記憶した表1のデータに基づき、A,Bバッテリ24a,24bの消費電流データを得るようにしている。
【0032】
更に、CPU21は、情報出力手段として前記バッテリ残使用可能時間が所定値以下になったとき、前記設定条件を変更するか否かを検査者に選択させる画面を生成して表示させ、検査者が変更した設定条件に基づいてバッテリ残使用可能時間を算出すると共に、変更した設定条件に従って表示パネル14及び検査用回路30を制御するようになっている。
【0033】
このように構成されている超音波非破壊検査装置1は、被検体内部に生じた傷等の状態を検査するのに用いられる。
超音波非破壊検査装置1の動作を図3に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、検査者は、電源スイッチ11をオンする。
【0034】
電源スイッチ11がオンされると(ステップS1)、超音波非破壊検査装置1は、A,Bバッテリ24a,24bからの電源電力が各部へ供給される。
CPU21は、検査者に表示パネル14の輝度変更或いは検査用回路30の設定条件(検査周波数、検査チャンネル数、検査出力、検査パルス幅)の数値入力を促すよう動作する(ステップS2)。尚、この設定入力の詳細は、後述する。
【0035】
上記設定入力(ステップS2)が終了したら、検査者は、較正(キャリブレーション)を実行した後、検査を行う。
この場合、超音波非破壊検査装置1は、検査用プローブを標準試験片の表面に押し当てられて図示しないキャリブレーションスイッチを押下操作される。すると、超音波非破壊検査装置1は、自動的に較正(キャリブレーション)を行う。
【0036】
キャリブレーションが終了したら、検査者は、所望の被検体表面に検査用プローブ2を押し当てて検査を行う。
ここで、Aバッテリ情報取得回路41aは常にAバッテリ24aのバッテリ情報を取得し、Bバッテリ情報取得回路41bは常にBバッテリ24bのバッテリ情報を取得する。
【0037】
CPU21は、所定時間毎にA,Bバッテリ情報取得回路41a,41bと通信し、これらA,Bバッテリ情報取得回路41a,41bからA,Bバッテリ情報信号を取得する。これにより、CPU21は、使用可能なバッテリ数、バッテリ残容量、温度、各バッテリの消費電流等のバッテリ情報をリアルタイムで把握できる。
【0038】
次に、CPU21は、この取得したA,Bバッテリ情報と、上記入力された設定条件に基づいて得られるA,Bバッテリ24a,24bの消費電流データとにより、バッテリ残使用可能時間を所定時間毎に算出する。
CPU21は、算出したバッテリ残使用可能時間及びバッテリ残容量を表示パネルに表示し、所定時間毎に更新する。
【0039】
ここで、CPU21は、A,Bバッテリ24a,24bの個別の残使用可能時間を算出すると共に、これら合算時間を算出する。また、CPU21は、取得したバッテリ情報からA,Bバッテリ24a,24bの個別のバッテリ残容量を表示するキャラクタを生成する。
【0040】
CPU21は、算出した残使用可能時間のデータ及び生成したバッテリ残容量のキャラクタを表示する画像信号として表示信号を生成し、この生成した表示信号を表示回路27に出力する。
表示回路27は、CPU21からの表示信号に基づき、例えば、図4に示すように表示パネル14に表示させる。
【0041】
図4に示すように表示パネル14は、表示画面の中央部に被検体内部の状態を表示し、表示画面の右隅にバッテリ残容量及び残使用可能時間を表示している。
ここで、上側はAバッテリ24aのバッテリ残容量及び残使用可能時間、下側はBバッテリ24bのバッテリ残容量及び残使用可能時間、これら残使用可能時間の下側は合算時間が示されている。
【0042】
また、CPU21は、バッテリ残使用可能時間が予め入力した設定値以下であるか否かを判断する(ステップS3)。
バッテリ残使用可能時間が設定値を切らない場合、CPU21は、バッテリ残使用可能時間が設定値以下になるまで現状態を維持する。
【0043】
バッテリ残使用可能時間が設定値以下である場合、CPU21は、警告動作する(ステップS4)。即ち、CPU21は、図5に示すようにアンプ28を介してスピーカ15からアラームを発生させる。
同時に、CPU21は、バッテリ残使用可能時間が設定値しか使用できない旨を表示パネル14に表示させると共に、表示パネル14の輝度変更又は検査用回路30の設定条件(検査周波数、検査チャンネル数、検査出力、検査パルス幅)を変更するか否かを検査者に選択させるための画面を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0044】
CPU21は、検査用回路30の設定変更をするか否かを判断する(ステップS5)。
検査者が設定変更を選択したら、CPU21は、設定変更モードに入る(ステップS6)。尚、この設定変更モードの詳細は、後述する。
【0045】
設定変更モードが終了したら、CPU21は、変更された設定条件に従い、表示パネル14の輝度或いは検査用回路30の設定を変更を行う。
次に、CPU21は、図6に示すようにアンプ28を介してスピーカ15からアラームを発生させる。同時に、CPU21は、設定が変更された旨を表示パネル14に表示させる。
【0046】
検査者が設定変更を選択せず、又は設定変更が終了したら、CPU21は、図7に示すように再び検査を再開し、バッテリ残使用可能時間が0になるまで検査を続ける。
ここで、CPU21は、設定変更によるA,Bバッテリ24a,24bの残使用可能時間を算出し、設定変更による残使用可能時間を表示パネル14に表示させる。
これにより、超音波非破壊検査装置1は、A,Bバッテリ24a,24bを延命することができる。
【0047】
CPU21は、所定時間毎にA,Bバッテリ情報取得回路41a,41bと通信し、A,Bバッテリ情報信号を取得し、バッテリ残使用可能時間及びバッテリ残容量を所定時間毎に更新する。
CPU21は、バッテリ残使用可能時間が0になるか否かを判断する(ステップS7)。バッテリ残使用可能時間が0になったら、CPU21は、再び警告動作し(ステップS8)、電源オフする(ステップS9)。
【0048】
即ち、CPU21は、図8に示すようにアンプ28を介してスピーカ15からアラームを発生させる。同時にCPU21は、バッテリ残使用可能時間が0であるのでシャットダウンする旨を表示パネル14に表示させると共に、電源オフする。
【0049】
次に、図9に示すフローチャートに従って設定入力フローを説明する。
CPU21は、検査周波数を設定するか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0050】
CPU21は、検査周波数を設定するか否かを判断する(ステップS21)。
検査者が検査周波数の設定を選択したら、CPU21は、図10に示すように検査者に検査周波数の数値入力を促すような画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0051】
検査者が数値入力スイッチ12を押下操作することで、CPU21は検査周波数の設定値を入力される(ステップS22)。一方、検査者が検査周波数の設定を選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
【0052】
次に、CPU21は、検査チャンネル数を設定するか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、検査チャンネル数を設定するか否かを判断する(ステップS23)。
【0053】
検査者が検査チャンネル数の設定を選択したら、CPU21は、図11に示すように検査者に検査チャンネル数の数値入力を促すような画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0054】
検査者が数値入力スイッチ12を押下操作することで、CPU21は検査チャンネル数の設定値を入力される(ステップS24)。一方、検査者が検査チャンネル数の設定を選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
【0055】
次に、CPU21は、検査信号出力レベルを設定するか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、検査信号出力レベルを設定するか否かを判断する(ステップS25)。
【0056】
検査者が検査信号出力レベルの設定を選択したら、CPU21は、図12に示すように検査者に検査信号出力レベルの数値入力を促すような画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0057】
検査者が数値入力スイッチ12を押下操作することで、CPU21は検査信号出力レベルの設定値を入力される(ステップS26)。一方、検査者が検査信号出力レベルの設定を選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
【0058】
次に、CPU21は、検査パルス幅を設定するか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、検査パルス幅を設定するか否かを判断する(ステップS27)。
【0059】
検査者が検査パルス幅の設定を選択したら、CPU21は、図13に示すように検査者に検査パルス幅の数値入力を促すような画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0060】
検査者が数値入力スイッチ12を押下操作することで、CPU21は検査パルス幅の設定値を入力される(ステップS28)。一方、検査者が検査パルス幅の設定を選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
これにより、CPU21は、検査用回路30の設定条件を入力される。
【0061】
次に、CPU21は、警告表示を行うバッテリ残使用可能時間を設定するか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、警告表示を行うバッテリ残使用可能時間を設定するか否かを判断する(ステップS29)。
【0062】
検査者が警告表示を行うバッテリ残使用可能時間の設定を選択したら、CPU21は、図14に示すように検査者に警告表示を行うバッテリ残使用可能時間の数値入力を促すような画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0063】
検査者が数値入力スイッチ12を押下操作することで、CPU21は警告表示を行うバッテリ残使用可能時間の設定値を入力される(ステップS30)。一方、検査者が検査パルス幅の設定を選択しなかった場合或いは、検査者が警告表示を行うバッテリ残使用可能時間の設定値を入力した後、CPU21は、メインフローへ戻る(ステップS31)。
【0064】
次に、図15に示すフローチャートに従って設定変更フローを説明する。
CPU21は、図16に示すように表示パネル14の輝度を下げるか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
【0065】
CPU21は、表示パネル14の輝度を下げるか否かを判断する(ステップS61)。
検査者が選択スイッチ13を押下操作して表示パネル14の輝度を下げることを選択したら、CPU21は予め設定されている所定の輝度値に従って、表示パネル14の輝度を下げる(ステップS62)。一方、検査者が表示パネル14の輝度を下げることを選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
【0066】
次に、CPU21は、図17に示すように検査周波数を下げるか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、検査周波数を下げるか否かを判断する(ステップS63)。
【0067】
検査者が所望の選択スイッチ13を押下操作して検査周波数を下げることを選択したら、CPU21は選択された設定値に従って、検査周波数を下げる(ステップS64)。一方、検査者が検査周波数を下げることを選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
【0068】
次に、CPU21は、図18に示すように検査チャンネル数を下げるか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、検査チャンネル数を下げるか否かを判断する(ステップS65)。
【0069】
検査者が所望の選択スイッチ13を押下操作して検査チャンネル数を下げることを選択したら、CPU21は選択された設定値に従って、検査チャンネル数を下げる(ステップS66)。一方、検査者が検査チャンネル数を下げることを選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
【0070】
次に、CPU21は、図19に示すように検査信号出力レベルを下げるか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、検査信号出力レベルを下げるか否かを判断する(ステップS67)。
【0071】
検査者が所望の選択スイッチ13を押下操作して検査信号出力レベルを下げることを選択したら、CPU21は選択された設定値に従って、検査信号出力レベルを下げる(ステップS68)。一方、検査者が検査信号出力レベルを下げることを選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
【0072】
次に、CPU21は、図20に示すように検査パルス幅を狭くするか否かを選択するための画像を生成し、表示パネル14に表示させる。
CPU21は、検査パルス幅を狭くするか否かを判断する(ステップS69)。
【0073】
検査者が所望の選択スイッチ13を押下操作して検査パルス幅を狭くすることを選択したら、CPU21は選択された設定値に従って、検査パルス幅を狭くする(ステップS70)。一方、検査者が検査パルス幅を狭くすることを選択しなかったら、CPU21は、次のステップへ進む。
これにより、超音波非破壊検査装置1は、設定変更を行うことができる。
【0074】
CPU21は、上述したように設定変更の確定を告知する(ステップS71)。
即ち、CPU21は、上述した図6で説明したようにアンプ28を介してスピーカ15からアラームを発生させると同時に、設定が変更された旨を表示パネル14に表示させる。
【0075】
更に、CPU21は、設定変更によるA,Bバッテリ24a,24bの残使用可能時間を算出し、設定変更による残使用可能時間を表示パネル14に表示させる(ステップS72)。CPU21は、メインフローへ戻る(ステップS73)。
【0076】
この結果、超音波非破壊検査装置1は、バッテリの電力供給能力の低下に同期して低消費電力なるため、長時間動作させることが可能になる。また、超音波非破壊検査装置1は、設定条件が変更されるときに、表示や音等で告知し、変更の可否を選択できる。
従って、超音波非破壊検査装置1は、バッテリの電力供給能力が低下した場合でも長時間使用でき、予備のバッテリを減らして軽量化できる。
【0077】
尚、設定入力と設定変更については、設定パラメータを一覧表示して設定入力、設定変更できるようにしてもよい。
また、本実施例では、2個のバッテリ24a,24bを内蔵しているが、内蔵されるバッテリは1個でも、又は3個以上でもよいし、バッテリパックとして装置本体3と別体に設けて構成してもよい。また、バッテリ及びバッテリ情報取得回路は、スマートバッテリ( Smart Battery )により構成してもよい。
【0078】
尚、本発明は、非破壊検査装置として超音波非破壊検査装置に適用した例を説明したが非破壊検査装置としてエックス線等の放射線、音響、サーモグラフィー、渦流探傷を用いた装置などに適用してももちろん構わない。
また、上述した各実施例等を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の非破壊検査装置は、バッテリの状態に応じて設定条件を変更することを可能にしたことにより、医療分野、工業分野、その他バッテリの電力供給を受けて被検体内部の状態を検査するような場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】一実施例の超音波非破壊検査装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の超音波非破壊検査装置の内部構成を示す回路ブロック図である。
【図3】超音波非破壊検査装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図4】バッテリ残容量及び残使用可能時間を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図5】バッテリ残使用可能時間が所定値以下であることを告知し、設定条件を変更するか否かを検査者に選択させる画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図6】設定条件の変更が完了したことを告知している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図7】設定変更により更新されたバッテリ残使用可能時間を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図8】バッテリ残使用可能時間が0となり、シャットダウンすることを表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図9】図3の設定入力フローを示すサブフローチャートである。
【図10】検査周波数の数値入力を促す画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図11】検査チャンネル数の数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図12】検査信号出力レベルの数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図13】検査パルス幅の数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図14】警告表示を行うバッテリ残使用可能時間の数値入力を促す画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図15】図3の設定変更フローを示すサブフローチャートである。
【図16】表示パネルの輝度を下げるか否かを選択するための画像を表示している際の超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図17】検査周波数を下げるか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図18】検査チャンネル数を下げるか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図19】検査信号出力レベルを下げるか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【図20】検査パルス幅を狭くするか否かを選択するための画像を表示した超音波非破壊検査装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0081】
1 超音波非破壊検査装置
2 検査用プローブ
3 装置本体
11 電源スイッチ
12 数値入力スイッチ
13 選択スイッチ
14 表示パネル
21 CPU
22 ROM
24a Aバッテリ
24b Bバッテリ
30 検査用回路
31 検査周波数制御回路
32 検査チャンネル制御回路
33 検査出力制御回路
34 検査パルス幅制御回路
35 検査信号発生回路
36 検査信号受信回路
41a Aバッテリ情報取得回路
41b Bバッテリ情報取得回路
代理人 弁理士 伊藤 進

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの電力供給を受けて被検体内部の状態を検査する非破壊検査装置において、
前記バッテリの残量が所定値以下になったとき、前記非破壊検査装置の動作条件を変更するための情報を出力する情報出力手段と、
前記情報出力手段からの情報に基づいて、前記非破壊検査装置の動作条件を変更可能な設定変更手段と、
を具備したことを特徴とする非破壊検査装置。
【請求項2】
前記情報出力手段は、前記バッテリの残量が所定値以下になったことを判断して、前記非破壊検査装置の動作条件を変更するか否かを検査者に選択させる画像を生成し表示することを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項3】
前記情報出力手段は、検査者が前記設定変更手段を操作することによって前記非破壊検査装置の動作条件を変更することを選択したとき、各設定条件を変更するための画像を生成し表示することを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査装置。
【請求項4】
前記バッテリのバッテリ情報を取得するバッテリ情報取得手段を有し、
前記情報出力手段は、前記非破壊検査装置の動作条件と前記バッテリ情報取得手段から所定時間毎に取得したバッテリ情報とから算出したバッテリ残使用可能時間が所定値以下になったとき、前記バッテリの残量が所定値以下になったことを検知することを特徴とする請求項1〜3に記載の非破壊検査装置。
【請求項5】
バッテリの電力供給を受けて被検体内部の状態を検査する非破壊検査装置において、
前記バッテリのバッテリ情報を取得するバッテリ情報取得手段と、
前記非破壊検査装置の動作条件と前記バッテリ情報取得手段から所定時間毎に取得したバッテリ情報とから算出したバッテリ残使用可能時間が所定値以下になったとき、前記非破壊検査装置の動作条件を変更するための情報を出力する情報出力手段と、
前記情報出力手段からの情報に基づいて、前記非破壊検査装置の動作条件を変更可能な設定変更手段と、
を具備したことを特徴とする非破壊検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−17640(P2006−17640A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197311(P2004−197311)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】