説明

非自己抗原に対する免疫寛容を誘発する方法およびシステム

非自己抗原に対する免疫寛容の誘発に使用可能な方法およびシステムを開示する。当該方法およびシステムは、キャリアに結合した少なくとも1つの免疫原性非自己抗原を有する寛容源を導入し、当該免疫性抗原は外来性もしくは内在性抗原またはそれらの断片でありうる。非自己抗原は、糖鎖抗原、完全長抗原性タンパク質、および、それらの断片および組み合わせから成る群から選ぶことができ、キャリアはナノ粒子およびステントから選択することができる。また、寛容源組成物が提供され、非自己抗原に対する免疫寛容の誘発に使用することができる。当該方法、システムおよび組成物は、幼児期を過ぎた患者に対して免疫学的不適合臓器移植が安全に行える期間を延長することができるため、特に有利である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアに結合された少なくとも1つの非自己抗原を有する寛容源を投与するステップを含む、非自己抗原に対する免疫寛容の誘発方法。
【請求項2】
前記非自己抗原は、糖鎖抗原、完全長抗原性タンパク質、および、それらの断片および組み合わせから成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記糖鎖抗原は、A型抗原、B型抗原、O型抗原、Galili抗原(Gal−α−(1→3)Gal)、および、それらの断片および組み合わせから成る群から選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記A型抗原、前記B型抗原、および、前記O型抗原は、I型、II型、III型、IV型、V型、および、VI型の血液型抗原からなる群から選ばれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記完全長抗原性タンパク質は、ヒト白血球抗原クラスI、および、ヒト白血球抗原クラスIIから成る群から選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
複数の異なる非自己抗原が前記キャリアに結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記抗原はリンカーを介して前記キャリアに結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記リンカーは固定基を有するアグリコンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記固定基は、モノアルコキシシリル、ジアルコキシシリル、トリアルコキシシリル、モノハロシリル、ジハロシリル、および、トリハロシリルから成る群から選ばれる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記固定基はトリメトキシシリルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記固定基はトリクロロシリルである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記キャリアはナノ粒子およびステントから成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ナノ粒子はSiOナノ粒子である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ナノ粒子はシリカ被覆Feナノ粒子である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ステントはシリカ被覆316Lステンレススチール製である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ステントはAl被覆316Lステンレススチール製である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記寛容源は、前記キャリアに結合したポリエチレングリコール(PEG)含有分子を更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリエチレングリコール含有分子は、モノアルキルシリル、ジアルコキシシリル、トリアルコキシシリル、モノハロシリル、ジハロシリル、および、トリハロシリルから成る群から選ばれる表面結合基を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記表面結合基はトリメトキシシリルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記表面結合基はトリクロロシリルである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記寛容源は静脈投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記寛容源は外科移植により投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記寛容源は新生児に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記寛容源は幼児期を過ぎた患者に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記寛容源は免疫学的不適合臓器移植が安全に行える期間を延長するために投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
キャリアに結合された少なくとも1つの非自己抗原を有する寛容源を有する、非自己抗原に対する免疫寛容の誘発システム。
【請求項27】
前記非自己抗原は、糖鎖抗原、完全長抗原性タンパク質、および、それらの断片および組み合わせから成る群から選ばれる、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記糖鎖抗原は、A型抗原、B型抗原、O型抗原、Galili抗原(Gal−α−(1→3)Gal)、および、それらの断片および組み合わせから成る群から選ばれる、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記A型抗原、前記B型抗原、および、前記O型抗原は、I型、II型、III型、IV型、V型、および、VI型の血液型抗原からなる群から選ばれる、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記完全長抗原性タンパク質は、ヒト白血球抗原クラスI、および、ヒト白血球抗原クラスIIから成る群から選ばれる、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
複数の異なる非自己抗原が前記キャリアに結合される、請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
前記抗原はリンカーを介して前記キャリアに結合される、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
前記リンカーは固定基を有するアグリコンである、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記固定基は、モノアルコキシシリル、ジアルコキシシリル、トリアルコキシシリル、モノハロシリル、ジハロシリル、および、トリハロシリルから成る群から選ばれる、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記固定基はトリメトキシシリルである、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記固定基はトリクロロシリルである、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記キャリアはナノ粒子およびステントから成る群から選ばれる、請求項26に記載のシステム。
【請求項38】
前記ナノ粒子はSiOナノ粒子である、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記ナノ粒子はシリカ被覆Feナノ粒子である、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記ステントはシリカ被覆316Lステンレススチール製である、請求項37に記載のシステム。
【請求項41】
前記ステントはAl被覆316Lステンレススチール製である、請求項37に記載のシステム。
【請求項42】
前記寛容源は、前記キャリアに結合したポリエチレングリコール(PEG)含有分子を更に有する、請求項26に記載のシステム。
【請求項43】
前記ポリエチレングリコール含有分子は、モノアルキルシリル、ジアルコキシシリル、トリアルコキシシリル、モノハロシリル、ジハロシリル、および、トリハロシリルから成る群から選ばれる表面結合基を有する、請求項34に記載のシステム。
【請求項44】
前記表面結合基はトリメトキシシリルである、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記表面結合基はトリクロロシリルである、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記寛容源は静脈投与される、請求項26に記載のシステム。
【請求項47】
前記寛容源は外科移植により投与される、請求項26に記載のシステム。
【請求項48】
前記寛容源は新生児に投与される、請求項26に記載のシステム。
【請求項49】
前記寛容源は幼児期を過ぎた患者に投与される、請求項26に記載のシステム。
【請求項50】
前記寛容源は免疫学的不適合臓器移植が安全に行える期間を延長するために投与される、請求項26に記載のシステム。
【請求項51】
キャリアに結合された少なくとも1つの非自己抗原を有する、非自己抗原に対する免疫寛容を誘発するための寛容源。
【請求項52】
前記非自己抗原は、糖鎖抗原、完全長抗原性タンパク質、および、それらの断片および組み合わせから成る群から選ばれる、請求項51に記載の寛容源。
【請求項53】
前記糖鎖抗原は、A型抗原、B型抗原、O型抗原、Galili抗原(Gal−α−(1→3)Gal)、および、それらの断片および組み合わせから成る群から選ばれる、請求項52に記載の寛容源。
【請求項54】
前記A型抗原、前記B型抗原、および、前記O型抗原は、I型、II型、III型、IV型、V型、および、VI型の血液型抗原からなる群から選ばれる、請求項53に記載の寛容源。
【請求項55】
前記完全長抗原性タンパク質は、ヒト白血球抗原クラスI、および、ヒト白血球抗原クラスIIから成る群から選ばれる、請求項52に記載の寛容源。
【請求項56】
複数の異なる非自己抗原が前記キャリアに結合される、請求項51に記載の寛容源。
【請求項57】
前記抗原はリンカーを介して前記キャリアに結合される、請求項51に記載の寛容源。
【請求項58】
前記リンカーは固定基を有するアグリコンである、請求項57に記載の寛容源。
【請求項59】
前記固定基は、モノアルコキシシリル、ジアルコキシシリル、トリアルコキシシリル、モノハロシリル、ジハロシリル、および、トリハロシリルから成る群から選ばれる、請求項58に記載の寛容源。
【請求項60】
前記固定基はトリメトキシシリルである、請求項59に記載の寛容源。
【請求項61】
前記固定基はトリクロロシリルである、請求項59に記載の寛容源。
【請求項62】
前記キャリアはナノ粒子およびステントから成る群から選ばれる、請求項51に記載の寛容源。
【請求項63】
前記ナノ粒子はSiOナノ粒子である、請求項62に記載の寛容源。
【請求項64】
前記ナノ粒子はシリカ被覆Feナノ粒子である、請求項62に記載の寛容源。
【請求項65】
前記ステントはシリカ被覆316Lステンレススチール製である、請求項62に記載の寛容源。
【請求項66】
前記ステントはAl被覆316Lステンレススチール製である、請求項62に記載の寛容源。
【請求項67】
前記キャリアに結合したポリエチレングリコール(PEG)含有分子を更に有する、請求項51に記載の寛容源。
【請求項68】
前記ポリエチレングリコール含有分子は、モノアルキルシリル、ジアルコキシシリル、トリアルコキシシリル、モノハロシリル、ジハロシリル、および、トリハロシリルから成る群から選ばれる表面結合基を有する、請求項67に記載の寛容源。
【請求項69】
前記表面結合基はトリメトキシシリルである、請求項68に記載の寛容源。
【請求項70】
前記表面結合基はトリクロロシリルである、請求項68に記載の寛容源。
【請求項71】
静脈投与される、請求項51に記載の寛容源。
【請求項72】
外科移植により投与される、請求項51に記載の寛容源。
【請求項73】
新生児に投与される、請求項51に記載の寛容源。
【請求項74】
幼児期を過ぎた患者に投与される、請求項51に記載の寛容源。
【請求項75】
請求項51〜70のいずれか一項に記載された寛容源を投与するステップを含む、臓器移植拒絶反応の抑制方法。
【請求項76】
前記寛容源は新生児に投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記寛容源は幼児期を過ぎた患者に投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記寛容源は静脈投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記寛容源は外科移植により投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
非自己抗原に対する免疫寛容を誘発するための、請求項51〜70のいずれか一項に記載の寛容源の使用。
【請求項81】
幼児期を過ぎた患者に対して免疫不適合臓器移植が安全に行える期間を延長するための、請求項51〜70のいずれか一項に記載の寛容源の使用。



【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図8】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図28】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2012−511516(P2012−511516A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539863(P2011−539863)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001814
【国際公開番号】WO2010/066049
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(507388960)ザ・ガバナーズ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・アルバータ (9)
【Fターム(参考)】