説明

非金属ガイドワイヤ

【課題】種々の医療処置に利用される、改良されたガイドワイヤを提供する。
【解決手段】本発明によるガイドワイヤ(10)は、非金属の不織コアワイヤ(11)を有する。モノフィラーのポリマー繊維からなる多フィラーの螺旋巻きされた非金属繊維が、好ましいコアワイヤ材料である。ガイドワイヤ(10)は、選択的には、コアワイヤ(11)の上にコーティング材料(17)又はその他の材料を含む。その他の材料の1つの実施形態は、非金属の遠位コイルワイヤである。本発明のガイドワイヤ(10)は、磁気共鳴映像適用例に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
解剖学的構造箇所への血管又は非血管アクセスを得るためのガイドワイヤが、種々の医療処置に使用されている。最初、ガイドワイヤを、患者の皮膚に種々の方法で穿刺するニードル又はその他のアクセス装置によって、患者の解剖学的構造内に導入する。次いで、ガイドワイヤを選択された、即ち、目標の解剖学的構造箇所まで前進させ、ガイドワイヤの上を伝う又は追跡することができる管腔を有する診断、介入又は治療用の他の医療装置のための追跡案内及び支持手段を構成させる。いったん、かかる他の医療装置がその所望の解剖学的構造箇所に到達したら、ガイドワイヤを引く。次いで、医師は、処置の計画に従って処置する。
上述した処置の限定しない特定の例は、血管遮断部位におけるバルーンカテーテルの配置である。ガイドワイヤが、血管即ち動脈アクセスが望まれる箇所で最も普通に使用される医療装置の1つであると言えば十分である。
【0002】
シェンク(Schenck)等に付与された米国特許第 5,705,014号は、器具、特に、磁気共鳴(MR)映像法中に使用される特定の医療器具を構成する方法を開示し、クレームしている。本質的には、シェンク等の米国特許第 5,705,014号は、カーボン繊維/基材複合材料を選択するための方法、及び、かかる複合物を異なる程度の磁化の材料とドーピングさせる方法を開示している。シェンク等の教示によれば、複合材料をドーピングして、ドーピングされた複合物から製造される医療器具がMR映像法を妨げない、即ち、MR映像法から展開された映像を歪めないようにする。シェンク等の米国特許第 5,705,014号の開示全体をここに援用する。トーマスAオズボーン(Thomas A Osbourne)に付与された米国特許第 5,251,640号は、「複合ワイヤガイドシャフト」を開示する。米国特許第 5,251,640号は、周りに多繊維を巻いた多フィラーコアを有する複合ガイドシャフトを開示しており(図3、4及び5参照)、全体構造は、例えば、接着剤マトリックスによって互いに保持されている。米国特許第 5,251,640号に開示されている1つの実施形態では、中空コアワイヤガイドが考えられている。金属コアをも論じられている。米国特許第 5,251,640号の開示もここに援用する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概略的には、本発明は、1つの側面において、ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤを有する細長いガイドワイヤであり、コアワイヤは、遠位部分、中間部分及び近位部分を有する。本発明のガイドワイヤ本体即ちコアワイヤは、実質的に、非金属であり、不織であり、編まれていない。好ましい実施形態では、本発明のガイドワイヤ用コアワイヤはポリマーである。好ましい実施形態では、本発明のガイドワイヤ用コアワイヤは、モノフィラメントであり、その実質的に全体長さにわたって断面が実質的に中実である。
【0004】
本発明のガイドワイヤは、選択的には、非金属コイルワイヤを含む。本発明のガイドワイヤは、特に、MR診断及び治療法に有用である。加えて、本発明のガイドワイヤは、よじれに対する抵抗性があり且つ脱出する(prolapse)能力を有し、即ち、よじれなしに後方に曲げられる。本発明のガイドワイヤはまた、主として近位端部から、押すことが可能であり、操縦可能であり、しかもトルク伝達性を有する。これらの用語は、後でより広く定義される。
【0005】
本発明の更なる実施形態では、ガイドワイヤは、実質的に断面が中実な構造を構成するように、非金属で螺旋巻きされたモノフィラー又は多フィラーのコイルワイヤ、即ち、マトリックス材料内に埋め込まれたガイドワイヤ本体即ちコアワイヤを有する。本発明のこの側面における中実なコアワイヤ構造は、更に、後でより完全に説明するコーティングを有する。
【0006】
変形の実施形態では、螺旋コアワイヤ用ガイドワイヤが、コアワイヤの周りに巻かれた1又は2以上の螺旋の非金属コイルワイヤを有する。螺旋巻きコイルワイヤは、接着剤によって適所に保持される。コイルワイヤは、ガイドワイヤの任意の又はすべての近位部分、遠位部分及び中間部分に隣接して配置される。普通、コイルワイヤは、遠位部分の周りに軸線方向に又は半径方向に配置される。本発明の更なる側面における螺旋巻きコイルワイヤは、同じ方向に巻かれていても良いし、反対の方向に巻かれていても良い。当業者は、繊維構成要素の選択及び巻き方向がガイドワイヤのトルク伝達特性に著しく関係することを理解すべきである。
【0007】
ここで使用する用語「ガイドワイヤ」は、カテーテル又はその他の医療装置を医療関心部位に配置するのを補助する寸法及び長さを有する本質的に任意のワイヤ状構造を意味するように解釈されるべきである。カテーテル又はその他の装置を皮膚を貫通させて血管内に配置する経皮的方法は、ガイドワイヤが使用される医療法の好ましいカテゴリである。ガイドワイヤは、普通にガイドワイヤと称するもの限定するわけではないが、主ワイヤ、導入器ガイドワイヤ、診断用、治療用及び介入用ワイヤ、ワイヤガイド及びばねガイドワイヤを含んでいるだけでなく、交換ガイドワイヤ及び延長ワイヤも含んでいる。本発明が主として適用するガイドワイヤの寸法は、直径が約0.012インチ(0.030cm)〜約0.065インチ(0.16cm)の範囲、長さが約30cm〜約300cm又はそれ以上の範囲内にある。前述の一般性を限定することなしに、末梢の(神経介入を含む)脳のガイドワイヤ又はワイヤガイドは、この定義の範囲内にある。本発明のガイドワイヤは、第2のガイドワイヤ(延長ワイヤ)内への連結による処置の間、ガイドワイヤを延長させる構造を(例えば、近位部分先端に)含む。本発明のガイドワイヤはまた、一般的には、小さい直径を有し可撓性を増大させた先端を有する。
本発明のガイドワイヤは、取扱い特性及び潤滑性を増大させたり、疎水性を増大させたり減少させたり、又は、それらの外面の血栓形成性を減少させたりする性能特性を変化させるために、選択的には、ポリマー又はその他の組成物等の種々の更なる構成要素でコーティングされ即ち処理される。本発明のガイドワイヤは、コーティングされていなくても良い。
【0008】
本発明のガイドワイヤは、「非金属」と説明されている。この用語は、金属、合金、又は、MR映像システム内に発生させた磁場又は無線周波数の場にいくつかの仕方で応答するその他の材料から構成されない又はそれらを含まないことを意味している。この定義は、その方法において、MR磁場と相互作用する必要はないけれども、無線周波数場との相互作用による「アンテナ効果」として知られているものを有する任意の非鉄金属を除外する。かくして、磁場偏向及び「アンテナ効果」は、本発明の使用によって完全に除去される。
【0009】
本発明による非金属である材料の好ましい種類は、ポリマー材料からなる。本発明に使用可能なポリマー材料は、好ましくは、炭素原子と水素原子とからなる炭化水素ベースのものである。しかしながら、本発明に使用可能な炭化水素ポリマーは、普通少量の構成要素として、酸素、窒素、またはその他の元素を含んでも良いし、しばしばそれらを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を図面及び特許請求の範囲を参照して説明する。図1は、本発明の1つの実施形態の一部分を破断した横断面図である。図1は、ガイドワイヤ本体、即ち、コアワイヤ11を有するガイドワイヤ10を示し、コアワイヤ11は、近位部分12、遠位部分14及び中間部分16を有する。中間部分が概略的にはガイドワイヤ10の長さの大部分を構成し且つ本発明の他の特徴を図示する目的で図示のように破断されていることを理解すべきである。用語「近位」、「中間」及び「遠位」は、ガイドワイヤ構造体に関連して使用されているように、使用者の視点から決定されるときのガイドワイヤの構造を意味することを当業者は理解すべきである。更に詳細には、本発明のワイヤの遠位部分14は、概略的には、装置を使用するときに患者の解剖学的構造に最初に入るガイドワイヤの部分を意味する。任意の特定のガイドワイヤの遠位部分14は、概略的には、ガイドワイヤの残部よりも柔軟であるように設計される。これに関し、遠位部分14は、ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤの中間部分16の直径が徐々に減少するテーパ部13から始まっている。テーパ部13は、本実施形態に示すように、中間部分16又は近位部分よりも小さい直径を有する遠位部分14に導かれる。かくして、遠位部分14は、概略的には、中間部分16よりも柔軟になる。遠位部分14の直径は、例えば、センタレス研磨によって小さくされる。
【0011】
図1に示す本実施形態は、選択的な外側カバー即ちコーティング即ち又はジャケット17を含んでいる。概略的には、ジャケット即ちコーティング17は、非金属ポリマー材料であり、コーティング17のポリマーは、ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤ11のポリマーと異なっている。例えば、コーティング17の1つの好ましいポリマーは、PEBAXポリエーテルイミドである。ポリウレタン、ナイロン及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が、本発明と共に使用することができる選択的なコーティングの更なる例である。押出しポリマーコーティング又はその他の熱収縮ポリマーコーティングを使用しても良い。種々のその他の親水性、疎水性、及び当業者に知られているその他のコーティングを本発明と共に選択的に使用しても良い。図1に示すように、ジャケット即ちコーティング17は、ガイドワイヤの直径(矢印15参照)全体をより均一にする傾向がある。
本発明が考えるポリマーコーティングは、非共鳴映像装置と共に使用したときのガイドワイヤの視認性を高めるために、バリウム塩等の放射線不透過性フィラーを選択的に含んでてるのが良い。
【0012】
ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤ11は、非金属であり、好ましい実施形態では、ポリマーである。図1に矢印15で示す少なくとも中間部分のガイドワイヤの全体直径は、約0.035インチ(0.089センチメートル)である。ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤ11に好ましいポリマー材料は、名称PEEKで販売されているポリエーテルエーテルケトンである。本発明に従って使用されるPEEKは、多くの供給元から商業的に入手できる。好ましい供給元は、米国南カリフォルニア州オレンジバーグ(Orangeburg)のゼウスインダストリアルプロダクツ社(Zeus Industrial Products,Inc. HTTP://www.zeusinc.com)である。PEEKは、反り(camber)に対する抵抗性があり、鋭く曲げたときに破損する傾向が小さいので、本発明に使用するのに好ましい。PEEKは、熱的にも安定であり、その他のポリマー材料を寸法変形なしにPEEKの上に押出すことを可能にする。PEEKはまた、例えば、その取扱い特性を変更するために、ガラス繊維に飽和させることが可能であると考えられる。「反りに対する抵抗性」は、ここでは、輸送中に円形パッケージ内に収容されている間に湾曲してしまわない特性又は傾向を有することを意味する。反りに対する抵抗性はまたは、ガイドワイヤが円形キャリヤ内で商業的に輸送されている間に湾曲したまま又は円形のままにならない傾向を有すると説明されても良い。反りがないことにより、本発明の装置を使用する医療関係者が、装置が在庫となり又は輸送されている間の数ヶ月間にわたって装置を円形形態に維持しているほぼ円形の輸送用チューブから装置を取出したとき、依然として、例えば、カテーテル配置のために、装置をすぐに使用できることを意味する。
【0013】
上述したポリエーテルエーテルケトンはまた、それを例えば人間又はその他の血管の周りに鋭く曲げたときに容易に破損しない特性を有している。PEEKはまた、よじれ又は破損なしに脱出することを可能にする。これはまた、本発明のガイドワイヤ本体即ちコアワイヤ作るためにPEEKを使用する利点である。最後に、上で注目したように、本発明のガイドワイヤの遠位部分は、一般的には、近位部分又は中間部分の何れかよりも可撓性である。この例では、使用されているポリマーは、センタレス研磨されることが可能であることが好ましい。センタレス研磨されることが可能であることは、小直径の遠位部分(図1の符号14参照)が在来のガイドワイヤ処理技術を使用して容易に作られることを意味する。
【0014】
ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤ11を構成する第2の材料は、米国ノースカロライナ州シャーロットのSGLカーボン社から商業的に入手できるカーボン繊維である。SGL社のカーボン繊維は、概略的には、接着剤又はその他の樹脂によって互いに保持された、束ねカーボン繊維、螺旋巻きカーボン繊維又は撚りカーボン繊維を有する。ビニルエステル樹脂が好ましい接着剤即ちバインダであり、バインダは、ダイの中を通る巻きカーボン繊維又は繊維束の押出しによって付けられる。本発明の好ましい実施形態では、螺旋巻きガイドワイヤ本体即ちコアワイヤは、1フィート当たり少なくとも10巻きの螺旋巻数を有する。適当なバインダ即ち接着剤を有する螺旋巻きガラス繊維は、同様に使用可能であると考えられる。ドウケミカル(Dow Chemical)社から商業的に入手可能なナイロン繊維及び「イソプラスト(Isoplast)」ガラス充填プラスチック繊維も、本発明の構造に使用可能であると考えられる。そのように構成された構造は、直径を小さくし且つ可撓性を増大させるために、例えばその遠位部分がセンタレス研磨されるのが良い。
【0015】
良く知られているセンタレス研磨法を使用して本発明のガイドワイヤの遠位部分の可撓性を制御する能力は、本発明の驚くべき且つ予期しない利点の1つである。センタレス研磨は、金属ガイドワイヤを製造するのに従来から使用されている技術である。例えば、センタレス研磨は、しばしば、遠位先端部の可撓性を増大させるために金属ガイドワイヤの一部分(例えば、ガイドワイヤ用コアワイヤの遠位部分)の直径を小さくするのに使用される。センタレス研磨は、本発明以前、非金属ガイドワイヤに使用できないと考えられていた技術であった。ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤの一部分のセンタレス研磨は、上述したオズボーンの米国特許第 5,251,640号の第3欄第20行に説明されている不均一な長さで平行な長手方向繊維を使用するよりも、容易に達成することができる。
【0016】
ガイドワイヤ本体即ちガイドワイヤ用コアワイヤを製造するのに有用であることが分かったポリマー材料は、本発明のガイドワイヤを製造すべき任意のポリマー材料の特性を代表する特性を有する。特に、ポリマー材料は、在来の直径0.035インチ(0.089センチメートル)の血管造影用金属ワイヤ等と全く同じ仕方で、ガイドワイヤを患者の血管内で前進させることができるように十分、長手方向の剛性又は堅さを有していなければならない。上で注目したように、材料はまた、反りに対する抵抗性並びに脱出に対する耐性を有していなければならない。最後に、作業可能なポリマー材料は、医療グレードのステンレススチールガイドワイヤ等の在来の金属のような特性及び「感覚」を有するように形成されることが可能でなければならない。要約すれば、現在のガイドワイヤ本体即ちコアワイヤを製造することができるポリマー材料は、同様な直径、長さ及びコーティングを有し、金属コアワイヤと実質的に同じ医療手順で行う傾向がある材料である。
【0017】
ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤ11は、その断面が実質的に全長にわたって実質的に中実であることに注目すべきである。内部管腔又はその他の空いた空間は、ガイドワイヤ本体即ちコアワイヤを製造するために上述の特徴を有するポリマー材料が選択されることになる本発明を実施するのにまったく必要ないと考えられる。
【0018】
図2は、ガイドワイヤが、上述したポリマー材料からなる中実のガイドワイヤ用コアワイヤ又は本体50と、その周りに実質的に配置されたポリマーコイルワイヤ52とを有する本発明の第2の実施形態を示す。コアワイヤ50及びコイル52は、1つのポリマー材料を他のポリマー材料に接着させるのに適当な任意の手段によって互いに取付けられているのが良い。例えば、接着剤は、ガイドワイヤ構成要素を互いに結合させるのに54と56のところで使用されるのが良い。
本発明のこの実施形態では、コイルワイヤ52がコアワイヤ50の実質的に全長にわたってその周りに巻かれていることに注目すべきである。
【0019】
図3は、ポリマーコイルワイヤ60がコアワイヤ63の遠位部分62のちょうど上に配置されている本発明の更なる実施形態を示す。ポリマー又はプラスチックコイルワイヤ材料は、ジェネラルエレクトリックプラスチックス(General Electric Plastisc)社から商業的に入手でき、商品名「ウルテム(Ultem)」で販売されているポリエーテルイミドPEI、商品名「ウルトラソン(Ultrason)」でBASF社から商業的に入手できるポリエーテルスルフォンPES及び本発明の開示に照らして当業者が思い付く種々のその他の高性能ポリマー材料を含む。ポリマーコア64は、上述のように、PEEK又はカーボン繊維を有するのが良い。接着剤ジョイント66は、コイルワイヤをコアワイヤに結合させる。
【0020】
図4は、ポリマーベースのジャケット材料70がガイドワイヤ用コアワイヤ74の遠位部分72の上に配置された、図3に示した構造の変形例を示す。ジャケット材料70をコアワイヤ74に接着させる選択的な接着剤76を使用するのが良い。図示のポリマーベースのジャケット材料70は、上述したポリウレタン及びPEBAXを含む。
【0021】
図5は、ポリマーガイドワイヤ用コアワイヤ82の遠位部分80に一連の半径方向カット部84を切断し又はエッチングすることによって遠位部分80をより可撓性にした本発明の更なる実施形態を示す。理解されるように、また、図示するように、カット部84間の深さ及び距離は、遠位部分80の可撓性を増大させたり減少させたりするために調節されるのが良い。また、図示のように、選択的なポリマーベースコーティング86が、遠位部分80の上に配置される。ポリマーコーティングは、従来技術で良く知られているように、コアワイヤ82の全部に配置されていても良いし、その一部分に配置されていても良い。
【0022】
図6は、ポリマーガイドワイヤコア90が、それに無作為に配置された第2のポリマー材料の繊維部分又は繊維92を有する本発明の更なる実施形態を示す。
例えば、無作為に分布したガラス繊維セグメントを有するPEEKコア材料が採用される。ガイドワイヤの遠位部分94は、図示のように、減少させた直径を有しているのが良い。ガイドワイヤコアは、選択的には、ポリマー外コーティング96を含んでいる。コーティング96は、親水性であっても良いし、疎水性であっても良いし、その他の望ましい特徴を有していても良い。
【0023】
本発明のガイドワイヤを、非磁気共鳴映像を行う適当な状況に使用することができることを認識すべきである。本発明の材料は、同様の適用例についてのガイドワイヤの在来の材料よりも著しく安価である。例えば、本発明のガイドワイヤは、ステンレススチール製の診断用及び血管造影用ワイヤを置換するのに使用される。本発明のガイドワイヤは、操縦性を必要としないこれらの処置に特に適用可能である。従来、金属で作られていたモノフィラメントPICワイヤも、本発明によって置換することができる。形状記憶合金を含む金属を使用する多くの上述の非磁気共鳴映像の適用例は、本発明を使用することによって達成されよう。
【0024】
上述の説明及び例示は、本発明を説明するためのものであり、限定するものではない。当業者は、上述した発明によって提案される多くの変形例及び変更例があることを認識すべきである。これらの変形例及び変更例は、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の1つの実施形態の一部分を破断した横断面図である。
【図2】ポリマーコア及びガイドワイヤ用ポリマーコイルを使用する本発明の第2の実施形態である。
【図3】ポリマーコイルをガイドワイヤ用コアワイヤの遠位端部に配置した本発明の更なる実施形態である。
【図4】ポリマージャケット材料をガイドワイヤ用コアワイヤの遠位端部に配置した本発明の他の実施形態の横断面図である。
【図5】遠位部分即ち遠位先端部の柔軟性を増大させるために、実質的に均一な直径のガイドワイヤ用ポリマーコアを部分的に半径方向に切断し、即ち、切り込んだ本発明の更なる実施形態の横断面図である。
【図6】ガラス繊維部分を配置したポリマーコア材料及び選択的な外面コーティングからなる本発明のガイドワイヤコア構造体である。
【符号の説明】
【0026】
10 ガイドワイヤ
11 コアワイヤ
12 近位部分
13 テーパ部
14 遠位部分
16 中間部分
17 コーティング
50 コアワイヤ
52 コイルワイヤ
54、56 接着剤
60 コイルワイヤ
62 遠位部分
64 コア
66 接着剤ジョイント
70 ジャケット材料
72 遠位部分
74 コアワイヤ
76 接着剤
80 遠位部分
82 コアワイヤ
86 コーティング
90 コアワイヤ
92 繊維
94 遠位部分
96 コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位部分、中間部分及び近位部分を有するコアワイヤを有し、このコアワイヤは、実質的に非金属の不織材料からなる、ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記コアワイヤの遠位部分は、その中間部分及び近位部分の直径よりも小さい直径を有する、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項3】
前記コアワイヤの遠位部分、中間部分及び近位部分の直径はすべて、実質的に同じである、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項4】
前記コアワイヤは、その上に配置され且つガイドワイヤの全長を実質的に覆うポリマーコーティングを有する、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項5】
前記コアワイヤは、前記中間部分と前記遠位部分との間にテーパ部分を有する、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項6】
前記コアワイヤは、更に、前記中間部分と前記遠位部分とを連結するテーパ部を有し、前記コアワイヤの実質的に全体がポリマー材料で覆われる、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項7】
前記コアワイヤはポリマー材料からなる、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項8】
前記コアワイヤは、ポリマー材料からなり且つ第2のポリマー材料で実質的に完全に覆われる、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項9】
前記コアワイヤの遠位部分は、前記中間部分の直径よりも小さい直径を有する、請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項10】
近位部分、中間部分及び遠位部分を結合させたコアワイヤを有し、このコアワイヤは、実質的に完全にポリマー材料からなる、ガイドワイヤ。
【請求項11】
前記コアワイヤは、第2のポリマー材料で覆われる、請求項10に記載のガイドワイヤ。
【請求項12】
前記コアワイヤはカーボン繊維からなる、請求項10に記載のガイドワイヤ。
【請求項13】
前記コアワイヤは、ポリエーテルエーテルケトンからなる、請求項10に記載のガイドワイヤ。
【請求項14】
前記コアワイヤは、PEBAXポリエーテルイミドで覆われる、請求項10に記載のガイドワイヤ。
【請求項15】
前記コアワイヤは、ポリエーテルエーテルケトンからなり且つポリエーテルイミドで覆われる、請求項10に記載のガイドワイヤ。
【請求項16】
前記コアワイヤの遠位部分は、前記中間部分又は前記近位部分の何れかよりも柔軟である、請求項15に記載のガイドワイヤ。
【請求項17】
前記コアワイヤの遠位部分は、テーパ部分を介して前記コアワイヤの中間部分に結合され、前記遠位部分は、前記中間部分の直径よりも小さい直径を有する、請求項15に記載のガイドワイヤ。
【請求項18】
前記ポリエーテルイミドのコーティングは、その上に配置された親水性コーティングを有する、請求項10に記載のガイドワイヤ。
【請求項19】
近位部分、中間部分及び遠位部分を結合させたコアワイヤを有し、このコアワイヤは、螺旋巻きされた非金属多繊維と、バインダ樹脂と、を有し、前記バインダ樹脂は、前記非金属多繊維の間のいかなる空間も充填するように前記非金属多繊維の間に均一に分散される、ガイドワイヤ。
【請求項20】
前記遠位部分の周りに配置されたコイルワイヤを更に有する、請求項19に記載のガイドワイヤ。
【請求項21】
前記非金属多繊維はカーボンからなり、前記バインダー樹脂はビニルエステルからなる、請求項19に記載のガイドワイヤ。
【請求項22】
前記螺旋巻きされた非金属多繊維は、ガイドワイヤ長さの1フィートあたり10巻きで巻かれているに過ぎない、請求項19に記載のガイドワイヤ。
【請求項23】
近位部分、中間部分及び遠位部分を結合させたコアワイヤを有し、このコアワイヤは、単一の螺旋巻き非金属繊維と、バインダ樹脂と、を有するガイドワイヤであって、前記バインダ樹脂は、前記非金属繊維の螺旋部と螺旋部との間のいかなる空間も充填し且つ前記ガイドワイヤに操縦性及びトルク伝達性能を付与するように前記非金属繊維の螺旋部と螺旋部との間に均一に分散される、ガイドワイヤ。
【請求項24】
更に、前記遠位部分の周りに配置されたコイルワイヤを含む、請求項23に記載のガイドワイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−268888(P2009−268888A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232522(P2008−232522)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【分割の表示】特願2002−559109(P2002−559109)の分割
【原出願日】平成14年1月22日(2002.1.22)
【出願人】(500414213)レイク リージョン マニュファクチュアリング インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】