説明

非錠剤形チュアブル単回用投与形態

少なくとも0.2重量%のゼラチン、少なくとも1種の安定剤および溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水から成る混合物を含むマトリックス材料内に溶解または分散させた形で少なくとも1種の医薬活性物質を含む組成物であって、高温で可塑性の組成物を含み、安定剤が、(i)グリセリンと脂肪酸のエステル;(ii)ポリエチレングリコールによるグリセリンおよび脂肪酸の上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、安定剤が42℃〜63℃の範囲の融点を有し、水が組成物の46重量%を越えない量で存在することを特徴とする、非錠剤形単回用投与形態。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ブリスターまたはキャビティにパッケージされた非錠剤形チュアブルゲル組成物から成る医薬活性化合物の単回用投与形態、上記単回用投与形態の製造方法、上記方法により得られる単回用投与形態、およびブリスターまたはキャビティから組成物を取出し易くするための安定剤の使用に関するものである。
【0002】
チュアブルデリバリーシステム、例えばチューインガムは、医薬活性化合物の非常に望ましい経口投与手段である。チューインガム組成物の不利な点は、それらが一般に、口腔内で残存するため廃棄されなければならない水不溶性ガム基剤を含むことである。さらに、多くの活性化合物は、ガム基剤に対して親和性を有し、それにより正確な投薬が困難となり得る。
【0003】
英国特許出願GB2009597は、咀嚼および嚥下可能なゲル化制酸薬組成物を開示している。上記組成物は、水、増粘剤としての炭水化物または多価アルコールおよび液体分散液を冷却後固まらせて自己支持性ゲルを形成させるのに十分な量のゲル化剤を含む溶液に制酸薬を分散させることにより得られる。好ましい実施態様では、静止状態の(still)液体分散液を、冷却前に経口単位用量型へ注ぎ入れ、そのまま固まらせ得る。
【0004】
この方法は、固体投与形態の個別成型およびパッケージングを必要としない。これらは、単に軟化させた組成物を所望の形状をした基盤へ適用し、次いで凝固させることによってパッケージング操作中にそれらの特定形状が与えられる。この結果、製造工程全体の費用効率が改善される。
【0005】
国際特許出願国際公開第87/00429号は、不透明化したゼラチン組成物およびそれらの製造方法について記載している。組成物に脂肪、脂肪油または脂肪誘導体を含ませることにより、ゼラチン組成物の着色に使用される色素の光安定性を改良している。該明細書は、合成または天然起源の脂肪、脂肪油または脂肪誘導体ならびに部分水素化生成物が生理学的に安全なものである限り全て使用され得ることを述べている。
【0006】
先行技術で報告されたもののように非錠剤形チュアブル組成物製造用ゲル化剤としてゼラチンを使用した場合、時間が経つと、残留物をパッケージングに残すこと無く組成物が成型されたパッケージングからそれらを取出すことが容易ではないという問題を提示することが多い組成物をもたらすことが、発明者らにより見出された。ゼリー組成物の除去時にパッケージングに残される残留物の問題は、アルカリ性成分がゼラチンマトリックスを不安定にする傾向があるため、それらを高用量で含む組成物については特に明白である。またパッケージングの形状が半径の小さい湾曲をもつエッジまたは部分を示すときも、この問題は特に目立つことになる。
【0007】
本発明者らは、ゼラチンを含む混合物から成るマトリックス材料に、溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水およびグリセリンと脂肪酸のエステルおよびポリエチレングリコールによるグリセリンおよび脂肪酸の上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、融点が42℃〜63℃の範囲である少なくとも1種の安定剤を組込むことによりこの問題を解決した。この結果、マトリックス材料内に少なくとも1種の医薬活性物質を溶解または分散させた組成物であって、高温で可塑性の組成物を含む非錠剤形単回用投与形態が得られた。これらの投与形態は、残留物を残存させることなくパッケージングから取出され得る。本発明の好ましい実施態様では、1種のみの安定剤をマトリックス材料へ組込む。
【0008】
必須成分として、本発明組成物は、少なくとも1種の医薬活性物質、組成物の少なくとも0.2重量%の量で存在するゼラチン、少なくとも1種の上記安定剤、および溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水を含み、この場合水は組成物の46重量%を越えない量で存在する。それはまた、最終ゲルに舌触りの良さおよび粘性を付与する増粘剤、および他の所望による成分、例えば保存剤、酸化防止剤、消泡剤、甘味料、矯味剤、着色料および調味料を含み得る。本発明の好ましい実施態様では、一安定剤のみを使用する。
【0009】
本発明に適切な増粘剤は、糖、例えばグルコース、スクロースおよびフルクトース、糖アルコール、例えばソルビトール、マンニトールおよびマルチトールおよび多糖類、例えば澱粉、セルロースおよび官能化セルロース誘導体である。
【0010】
消費者の許容性を確実にするため、本発明の非錠剤形単回用投与形態は、37℃より低温では可塑性変形を示さない組成物を有するのが好ましい。
【0011】
ゼラチンは、予め酸またはアルカリ処理により調整された、コラーゲンを含む動物原料、例えば皮膚および骨からの抽出により得られるタンパク質である。市販されているゼラチンは、典型的には84〜92%の割合でタンパク質、0.1〜2%の割合で塩を含み、残りは水である。
【0012】
市販されているゼラチンは、それらが得られた原料および通例ブルーム式ゲル強度として測定されるそれらのゲル化能力に従って分類される。
【0013】
本発明の単回用投与形態の製造にはあらゆるタイプのゼラチンが使用され得るが、140〜270ブルーム間、好ましくは180〜250ブルーム間のブルーム強度範囲を有するゼラチンが、嗜好性に関して消費者が最適であると認める組成物をもたらすことが見出された。アルカリ処理を通して得られたゼラチンの方が、一般に酸処理を通して得られたものより好ましい。
【0014】
本発明組成物は、組成物の0.2重量%を越える量、さらに好ましくは1重量%を越える量、およびさらに好ましくは組成物の5重量%を越える量でゼラチンを含むのが好ましい。
【0015】
本発明安定剤は、グリセリンと脂肪酸のエステルおよびポリエチレングリコールによるグリセリンおよび脂肪酸の上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、42℃〜63℃の範囲の融点を有する。
【0016】
上記安定剤の例は、グリセリンと脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリ−エステルおよびそれらの混合物であり、好ましくはグリセリンと脂肪酸のジエステルである。好ましい脂肪酸は、C10−C20、好ましくはC16−C18、不飽和、飽和脂肪酸から選択されるものである。上記脂肪酸の例は、ラウリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸およびステアリン酸である。好ましい市販エステルの一例は、ユニケマ(Uniqema)からのエストール(登録商標)3745 GDS T2である。安定剤の他の例は、グリセリンと脂肪酸の上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応の生成物である。好ましい例は、硬化パーム核油または硬化パーム油とPEG1500、例えばガテフォッセによるゲルシレ(Gelucire、登録商標)44/14およびゲルシレ(Gelucire、登録商標)50/13の加アルコール分解/エステル化反応の生成物である。
【0017】
本発明の一実施態様において、安定剤は、製剤の1重量%を越える量で存在する。
【0018】
本発明の一実施態様において、組成物に存在する一溶媒または複数溶媒は、組成物の少なくとも10重量%、さらに好ましくは25重量%より大、さらに好ましくは50重量%を越える合計量で使用される。
【0019】
本発明の好ましい実施態様において、組成物は、少なくとも1種の水溶性アルコールを組成物の46重量%を越える割合で含む。
【0020】
本発明の別の実施態様において、本組成物の水の量は、組成物の46重量%を越えない、好ましくは35重量%を越えない、さらに好ましくは25重量%を越えない、最も好ましくは15重量%を越えないものとする。
【0021】
本発明組成物は、マトリックス材料が溶融状態であるときには、それに分散または溶解された形で少なくとも1種の医薬活性物質を含む。医薬活性物質は、溶融マトリックス材料内にそれを有効に混入させるための特異的な形態をとることを必要とはせず、特に、医薬活性物質がフラッシュフロー加工処理により製造された剪断形マトリックス担体の一成分として提供されることは、要求もされないし、また好ましいことでもない。
【0022】
本発明の一実施態様において、非錠剤形単回用投与形態は、18重量%を越える割合で医薬活性物質を含有する。
【0023】
本発明の単回用投与形態に含まれ得る適切な医薬活性物質は、広範に変動し、一般的には安定した薬剤組合わせを表す。実例となるカテゴリーおよび具体例は以下の通りである:
【0024】
a)制酸薬
i)アルミニウムの無機または有機塩、例えばアラントイン酸アルミニウム、アミノ酢酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、珪酸アルミニウム、グルコヘプタン酸アルミニウムまたはポリガラクツロン酸アルミニウム
ii)ビスマスの無機または有機塩、例えば、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、珪酸ビスマス、次炭酸ビスマスまたはクエン酸ビスマス
iii)カルシウムの無機または有機塩、例えばリン酸カルシウムまたはアミノ酢酸カルシウム
iv)マグネシウムの無機または有機塩、例えば、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウムまたは珪酸マグネシウム
v)酸化物および水酸化物、例えば酸化アルミニウム、アルゲルドラート(水酸化アルミニウム)、酸化または水酸化マグネシウムまたはカルシウム
vi)珪酸塩としてのアルミニウムおよびナトリウムの混合塩、ハイドロタルサイトとしてのアルミニウムおよびマグネシウムの混合塩(塩基性炭酸アルミニウムおよびマグネシウム)、アルマガート(塩基性炭酸アルミニウムおよびマグネシウム)またはマガルドラート(塩基性硫酸アルミニウムおよびマグネシウム)、珪酸塩としてのビスマスおよびマグネシウムの混合塩、およびアルミノ珪酸マグネシウム、例えばシマルドラートまたはアルマシラート
vii)炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウムまたはカリウム
viii)グリシン
ix)アルギン酸およびその塩類
およびそれらの混合物。
【0025】
b)胃潰瘍および胃食道逆流用薬剤
ラニチジン、ニザチジン、ファモチジン、シメチジン、ロキサチジン、ピファチジン、ロキサチジン、スホチジン、ラフチジン、オスチジン、パントプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾール、エサプラゾール、パリプラゾール、アリピプラゾール、レミノプラゾール、アモキシシリン、トロスペクトマイシン、クラリスロマイシン、亜鉛アセキサマート、セトラキサート、ロトラキサート、ドスマルファート、フラバルファート、スクラルファート、ビスマス塩、例えばクエン酸または次サリチル酸ビスマス、トリレチド、ジクログアミン、スルホキサジン、リオプロスチル、リチペネム、トリモプロスチル、ベネキサート、プラミピド、ミソプロストール、アラプチド、プログルミド、アズレチル、トレペノン、ポリエンホスファチジルコリン、プラウノトール、トロキシピド、ミドリアミン、エカベット、キノトラスト、スルグリコチド、ニタゾキサニド、レバプラザン、およびそれらの混合物。
【0026】
c)機能性胃腸疾患用薬剤;推進薬
メトクロプラミド、シニタプリド、クレボプリド、シサプリド、ザコプリド、モサプリド、イトプリド、プルカロプリド、ドンペリドン、エカバピド、ポリカルボフィルカルシウム、テガセロド、およびそれらの混合物。
【0027】
d)緩下薬
センナチン、センノシドA+B、グリセリン、ピコスルフェート、ラクチトール、ビサコジル、ポリエチレングリコール、ラクツロース、塩基性炭酸マグネシウム、およびそれらの混合物。
【0028】
e)抗肥満製品
オルリスタット、アンフェブタモン、ブプロピオン、ジエチルプロピオン、シブトラミン、フルオキセチン、メタラミノール、マジンドール、絨毛性ゴナドトロピン(gonadotrophin)、フェンターミン、メタンフェタミン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミン、フェンプロポレックス、およびそれらの混合物。
【0029】
f)消化薬;酵素製品
アミラーゼ、セルラーゼ、ラクターゼ、リパーゼおよびそれらの混合物。
【0030】
g)ビタミン類
ビタミン混合物、微量元素(オリゴエレメント)の混合物、およびそれらの混合物。
【0031】
h)食欲刺激薬
ピゾチフェン、クリプトヘプタジン、カルニチン、ストリミン、およびそれらの混合物。
【0032】
i)抗血栓症剤;血小板凝固阻害剤
ジタゾール、アセチルサリチル酸、トリフサール、エポプロステノール、エプチフィバチド、ヘパリン、クロピドロゲル、ジピリダモール、アブシキシマブ、チクロピリン、ダルテパリン、ダナパロイド、ワルファリン、フェニンジオン、ジクマロール、エポプロステノール、エノキサパリン、ナドロパリン、抗トロンビンIII、インドブフェン、パルナパリン、チンザパリン、デルマタン、デシルジン、レビパリン、トンボモジュリン、ビバリルジン、アルデパリン、レピルジン、チファコギン、フォンダパリン、フェンプロクモン、セルトパリン、ベミパリン、イドラパリヌクス、アセノクマロール、ガベキサート、スロデキシド、デフィブロチド、イスボグレル、シロスタゾール、シプロステン、アタプロスト、スロトロバン、タプロステン、クロリクロメン、ピコタミド、アルプロスタジル、スルフィンピラゾン、ベラプロスト、ダルトロバン、バリプロスト、サトリゲル、サルポグレラート、チロフィバン、エクラプロスト、ラミフィバン、レフラダフィバン、キセミロフィバン、ポリコシノール、ロキシフィバン、ロトラフィバン、シブラフィバン、アルニドフィバチド、オルボフィバン、アルガトロバン、チクロマロール、およびそれらの混合物。
【0033】
j)抗貧血製剤;三価鉄製剤
フェリチン、プロテインコハク酸鉄、デキストラン鉄、およびそれらの混合物。
【0034】
k)抗不整脈薬
キニジン、エスモロール、ピルメノール、アセカイニド、ピルシカイニド、レカイナム、ペンチカイニド、フレカイニド、アデノシン、リドカイン、メトプロロール、プロプラノロール、ナドロール、オキシプレノロール、フェニトイン、アセブトロール、ソタロール、カルテオロール、メジゴキシン、プロカインアミド、ブレチリウム、アミノダロン、ジソピラミド、メキシレチン、モラシジン、トカイニド、プロパフェノン、バルカイニド、アルプレノロール、オテンゼパド、ベラパミル、ジプラフェノン、エタシジン、ビジソミド、アロチノロール、シベンゾリン、チラシジン、ピンドロール、ジルチアゼム、アテノロール、ドフェチリド、テジサミル、セマチリド、ソタロール、アルモカラント、ニフェカラント、イブチリド、ランジオロール、ドロネダロン、タリノロール、テカデノソン、ジゴキシン、インデノロール、プラジマリウム、アプリンジン、ブナフチン、ブトベンジン、ロラジミン、ロルカイニド、およびそれらの混合物。
【0035】
l)強心剤;有機硝酸化合物
一硝酸または二硝酸イソソルビド、ニトログリセリン、四硝酸ペンタエリスリチル、モルシドミン、およびそれらの混合物。
【0036】
m)抗高血圧薬;アルファ・アドレナリン受容体アンタゴニスト
ドキサゾシン、ウラピジル、ニプラジロール、インドラミン、プラゾシン、ラベタロール、アモスラロール、テラゾシン、モナテピル、およびそれらの混合物。
【0037】
n)利尿剤
トリアムテレン、カンレノエート、スピロノラクトン、フロセミド、トラセミド、シクレタニン、ピレタニド、クロロチアジド、クロロタリドン、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、クロパミド、キネタゾン、ブメタニド、インダパミド、キシパミド、シクロペンチアジド、カンレノン、ドカルパミン、ヒドロクロロチアジド、メトラゾン、アゾセミド、アナリチド、ウラリチド、エカドトリル、カンドキサトリル、アミロリド、エタクリン酸、コニバプタン、テルミサルタン、メブチジド、およびそれらの混合物。
【0038】
o)末梢血管拡張薬
ジヒドロエルゴクリスチン、ピラセタム、ニセルゴリン、ビンブルニン、カドララジン、フルナリジン、メテルゴリン、ヒドララジン、ファスジル、ニコランジル、リンシドミン、シルデナフィル、シンナリジン、ヘプタミノール、アルミトリン、ラウバシン、ペントキシフィリン、トリメタジジン、ブフロメジル、アルプロスタジル、ブロビンカミン、シネパゼト、ジラゼップ、リドフラジン、モルシドミン、ニコランジル、ニフェジピン、トラピジル、ビスケニト、およびそれらの混合物。
【0039】
p)血管保護薬
ジオスミン、ヒドロキシミン、ヘスぺリジン、トロキセルチン、およびそれらの混合物。
【0040】
q)抗高血圧症薬−選択的ベータ遮断薬
アテノロール、エスモロール、カルテオロール、メトプロロール、ビソプロロール、カルベジロール、ネビボロール、プロプラノロール、テルタトロール、ベタキソロール、セタモロール、ニプラジロール、チリソロール、メピンドロール、ナドロール、オキシプレノロール、アセブトロール、ソタロール、チモロール、ラベタロール、ペンブトロール、セリプロロール、アモスラロール、アルプレノロール、クロラノロール、ボピンドロール、ソキノロール、アロチノロール、ピンドロール、タリノロール、エサテノロール、インデノロール、ベフノロール、ベバントロール、ブコモローム、ブニトロロール、ブトフィロロール、カラゾロール、レルボノプロロール、ニフェナロール、レスシメトール、ブナゾシン、ドキサゾシン、グアナベンズ、グアナドレル、グアンファシン、グアノキサベンズ、インドラミン、リルメニジン、ロフェキシジン、ナフトピジル、プラゾシン、およびそれらの混合物。
【0041】
r)主に血管効果を有する選択的カルシウムチャネル遮断薬
アムロジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、ニトレンジピン、フェロジピン、アニパミル、ゾニサミド、ベニジピン、ダロジピン、チアパミル、テトランドリン、レルカニジピン、ガロパミル、ベプリジル、ジプロテベリン、イスラジピン、フラニジピン、ニバルジピン、レベチラセタム、ニモジピン、ベラパミル、アラニジピン、ファスジル、ドタリジン、ラシジピン、ロメリジン、シルニジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム、パロニジピン、モナテピル、ファントファロン、セモチアジル、エフェニジピノ、マニジピン、バルニジピン、エルゴジピン、プラニジピン、フラルジピン、シクランデレート、およびそれらの混合物。
【0042】
s)レニン−アンギオテンシン系に対して作用する薬剤;ACE阻害剤
エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、カプトプリル、ペリンドプリル、フォシノプリル、トランドラプリル、シラザプリル、リシノプリル、スピラプリル、モエキシプリル、デラプリル、アラセプリル、エナラプリラット、ベナゼプリル、フェンチアプリル、ゾフェノプリル、フォシノプリラット、ウチバプリル、テモカプリル、セラナプリル、ゾフェノプリラット、イミダプリル、およびそれらの混合物。
【0043】
t)アンギオテンシンIIアンタゴニスト
カンデサルタン、ロサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、およびそれらの混合物。
【0044】
u)コレステロールおよびトリグリセリド抑制剤
アトロバスタチン、ロバスタチン、エプタスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、イタバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、プロブコール、ポリコサノール、シプロフィブラート、フェノフィブラート、ベンザフィブラート、クロフィブラート、フィリコール、ゲムフィブロジル、ベンフルオレックス、コレスチラミン、フィトステロール、アシピモクス、ビニフィブラート、シリノフィブラート、コレスチラン、ジエチルアミノエチル デキストラン、コレストロール、エチロキセート、エトフィブラート、ググリピド、メグルトール、メリナミド、ニセリトロール、オマコル、ピリフィブラート、ソルビニケート、スロデキシド、スルトシル酸、およびそれらの混合物。
【0045】
v)エストロゲン;女性避妊薬
エストラジオール、エチニルエストラジオール、ノレチステロンおよびそれらの混合物。
【0046】
w)良性前立腺肥大に使用される薬剤
ピジウム抽出物、アルフゾシン、デュタステリド、フィニステリド、オキセンドロン、タムスロシン、およびそれらの混合物。
【0047】
x)カルシウムホメオスタシス;抗副甲状腺ホルモン
カルシトニン、エルカトニン、およびそれらの混合物。
【0048】
y)抗新生物薬剤
アメチシン、アトリムスチン、ジアジクオン、スピロムスチン、メルファラン、エルムスチン、エストラムスチン、ラニムスチン、ジブロモムルシトール、タウロムスチン、テモゾロミド、カルボプラチン、フォテムスチン、アラノース、ペルホスファミド、エプタプラチン、ブスルファン、ポルフィロマイシン、イホスファミド、クロラムブシル、アルトレタミン、シスプラチン、ロムスチン、インプロスルファン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ネダプラチン、オキサリプラチン、プレドニムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロホスファミド、シクロホスファミド、メトトレキセート、ブトシン、カペシタビン、カルモフール、クラドリビン、シタラビン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フルダラビン、ゲンシタビン、ペントスタチン、ラルチトレキセド、テガフール、エトポシド、ピラルビシン、アミノグルテチミド、アナストロゾール、ビカルタミド、クロドロネート、エピチオスタノール、エキセメスタン、ファドロゾール、フルタミド、ホルメスタン、フルベストラント、レトロゾール、メピチオスタン、ニルタミド、タモキシフェン、トレミフェン、トリロスタン、クレスチン、レンチナン、ピシバニル、プロコダゾール、シゾフィラン、ウクライン、ビルリジン、アリトレチノイン、アンサクリン、ベキサロテン、ドセタキセル、イリノテカン、ミルテフォシン、ミトキサントロン、ニトラクリン、ボルテゾミブ、パクリタキセル、ポルフィマー、ラゾキサン、ソブソキサン、テニポシド、トポテカン、ビンデシン、ビノレルビン、ゲフチニブ、イマチニブ、ブレオマイシン、メゲストロール、レノグラスチム、およびそれらの混合物。
【0049】
z)抗炎症および抗リウマチ製剤
アセクロフェナック、ジクロフェナック、ケトロラック、メロキシカム、ナプロキセン、ピケトプロフェン、アセメタシン、アルクロフェナック、アムフェナック、アンピロキシカム、アザプロパゾン、ブフェキサマック、ブチブフェン、カルプロフェン、コンドロイチン、シンメタシン、クリダナク、デクスケトプロフェン、ジフェンピラミド、ドロキシカム、エモルファゾン、エンフェナミン酸、エピリゾール、エテルサレート、フェンブフェン、フェンチアザック、フェプラゾン、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、グアイメサル、イブプロキサム、インドメタシン、ケトプロフェン、ロナゾラック、マブプロフェン、ナブメトン、ニメスリド、オキサメタシン、パルサルミド、ペリソキサル、ピロキシカム、プラノプロフェン、プログルメタシン、プロカゾン、プロチシン酸、スリンダック、タルニフルメート、トルフェナミン酸、トルメチン、ザルトプロフェン、ベンジダミン、エトフェナメート、フェルビナック、フェプラジノール、イドクリラミド、ロテプレドノール、ヴェシフレックス、グルコサリン、セレコキシブ、ヒアルロン酸、メクロフェナメート、ピプロキセン、テノキシカム、バルデコキシブ、エトリコキシブ、ロフェコキシブ、およびそれらの混合物。
【0050】
aa)ビスホスホネート
リセドロネート、チルドロネート、クロドロネート、パミドロネート、エチドロネート、アレンドロネート、ゾレドロネート、シマドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、ミノドロネート、イバンドロネート、およびそれらの混合物。
【0051】
bb)鎮痛薬
アセチルサリチル酸、パラセタモール、コデイン、ジヒドロコデイン、デキシブプロフェン、アルミノプロフェン、カルバサレート、デスフルラン、ジフルニサール、エンフルラン、エトミデート、フロクタフェニン、フォスフォサール、イソフルラン、イソニキシン、ケトロラック、ロルノキシカム、クロニキシネート、ミダゾラム、モフェゾラック、ナプロキセン、ネフォパム、プロポフォール、リマゾリウム、ロフェコキシブ、ロピバカイン、セボフルラン、パレコキシブ、プロパセタモール、ザルトプロフェン、アセメタシン、スリンダック、インドメタシン、メフェナム酸、ケトプロフェン、ジクロフェナック、ピロキシカム、フルピルチン、モフェゾラック、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、アムトルメンチン、フェプラジノール、セレコキシブ、バルデコキシブ、エトリコキシブ、フルプロカゾン、ネフォパム、アスタキサンチン、およびそれらの混合物。
【0052】
cc)抗片頭痛製剤
アルモトリプタン、プロポフォール、ガバペンチン、ゾニサミド、リシノプリル、バルプロエート、ピルプロフェン、インドラミン、リドカイン、メトプロロール、エルゴタミン、シプロヘプタジン、プロプラノロール、ピゾチフェン、フルナリジン、ナドロール、メテルゴリン、ケトプロフェン、メチセルギド、ブクリジン、チモロール、チアスピロン、トピラメート、ソマトスタチン、エチラセタム、シンナリジン、ジヒドロエルゴタミン、フィーバーフュー、ドロナビノール、ドタリジン、ロメリジン、イブプロフェン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ドネペジル、ゾルマトリプタン、ナプロキセン、リザトリプタン、モンテルカスト、フロバトリプタン、ボツリヌス毒素、アルニジタン、アビトリプタン、エレトリプタン、メトクロプラミド、タルギニン、アミノフィリン、トルフェナム酸、イソメテプテン、およびそれらの混合物、
【0053】
dd)抗痙攣薬
フェノバルビタール、クロナゼパム、フェルバメート、フォスフェントイン、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、オキシカルバゼピン、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリン、ゾニサミド、ミラセミド、デンジモール、ブレタゼニル、エテロバルブ、ジアゼパム、クロルメチアゾール、クロナゼパム、クロバザム、メフォバルビタール、メフェニトイン、プリミドン、アセタゾラミド、バルプロミド、ラリトリン、フェンガビン、リカルバゼピン、ロラゼパム、アンチエピレプシリン、ルフィナミド、ザレプロン、アベカミル、ロシガモン、セルフォテル、ミダフォテル、レマセミド、カルバマゼピン、エトスキシミド、メツキシミド、レチガビン、バルノクタミド、およびそれらの混合物。
【0054】
ee)抗精神病薬
ハロペリドール、スルピリド、ブロナンセリン、スピペロン、リムカゾール、イソフロキシテピン、レモキシプリド、エモナプリド、ブレタゼニル、ズクロペンチキソール、ベラリプリド、ブロムペリドール、ドロペリドール、トリフルオペラジン、ブロマゼパム、レボプロマジン、フルオプロマジン、ペルフェナジン、チオリダジン、クロルプロチキセン、フルフェナジン、ペリシアジン、チオチキセン、フルペンチキソール、ベンペリドール、フルスピリレン、ピモジド、クロザピン、ピポチアジン、ロキサピン、チアプリド、ゾテピン、スルトプリド、炭酸リチウム、アセナピン、チアスピロン、リタンセリン、タンドスピロン、アムペロジド、クロスピプラミン、ナルメフェン、プロクロルペラジン、アミスルプリド、レボスルプリリド、リスペリドン、プロマジン、ペロスピロン、アリピプラゾール、クロルプロマジン、カルピプラミン、イロペリドン、レモキセプリド、カルバマゼピン、オランザピン、ケチアピン、ジプラシドン、バルプロエート、アザペロン、シアメマジン、チミペロン、ビフェプルノクス、およびそれらの混合物。
【0055】
ff)抗不安薬
ジアゼパム、クロラゼペート、ピリドキシン、スルピリド、ロラゼパム、フェノバルビタール、メプロバメート、ブスピロン、スリクロン、シタロプラム、ブロチゾラム、アジナゾラム、エチゾラム、ブレタゼニル、メディカール、エンシプラジン、ロフラゼペート、プロプラノロール、クロルジアゼポキシド、ヒドロキシジン、トリフルオペラジン、オキサゼパム、メダゼパム、クロナゼパム、オキシプレノロール、ブロマゼパム、クロバザム、ノルダゼパム、ケタゾラム、ハラゼパム、アルプロゾラム、フルフェナジン、クロリミプラミン、ベンラファキシン、リタンセリン、イプサピロン、タンドスピロン、ブスピロン、パジナクロン、フレシノキサン、フルオキセチン、セルフォテル、ザトセトロン、パゴクロン、カルピプラミン、スネピトロン、セルトラリン、パロキセチン、シクロベンザプリン、シアメマジン、バルノクタミド、クロチアゼパム、およびそれらの混合物。
【0056】
gg)抗うつ薬
シタロプラム、ベンラファキシン、アトモキセチン、クロプラドン、ビネダリン、セルトラリン、フェモキセチン、オキサプロチリン、ビクアリン、クロボキサミン、ミラセミド、ブロファロミン、シアノプラミン、モクロベミド、ミダルシプラン、アジナゾラム、ネファゾドン、アザミアンセリン、レボキセチン、チアネプチン、トロキサトン、フルボキサミン、アミトリプチリン、イミプラミン、トリフルオペラジン、フェネルジン、フルフェナジン、フルペンチキソール、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、トリミプラミン、デシプラミン、オピプラモール、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、ドキセピン、炭酸リチウム、クロリミプラミン、ドスレピン、トラゾドン、ブトリプチリン、ビロキサジン、マプロチリン、アモキサピン、ロフェプラミン、ブプロピオン、リタンセリン、ドコネキセント、パロキセチン、イプサピロン、フェンガビン、タンドスピロン、セチプチリン、アンフェブタモン、ラザベミド、フレシノキサン、アドラフィニル、アデメチオニン、モダフィニル、リトキセチン、フルオキセチン、セロナプリル、セリクラミン、ベロキセピン、スネピトロン、アゴメラチン、アプレピタント、アミネプチン、ノミフェンシン、ピコリン酸クロム、およびそれらの混合物。
【0057】
hh)アルコール依存症の治療薬
アカンプロセート、ビガバトリン、ジアゼパム、ジスルフィラム、リタンセリン、ナルトレキソン、ナルメフェン、カルバマゼピン、ヒドロキシブチレート、ニトレファゾール、メタドキシン、およびそれらの混合物。
【0058】
ii)鼻うっ血除去薬
シュードエフェドリン、フルチカゾン、インダナゾリン、チナゾリン、イプラトロピウム、およびそれらの混合物。
【0059】
jj)喘息/閉塞性気道疾患用薬剤
サルメテロール、フェノテロール、イプラトロピウム、フルチカゾン、ベクロメタゾン、フルトロピウム、タルニフルメート、テルブタリン、オキシトロピウム、ロリプラム、セラトロダスト、プランルカスト、ホルモテロール、アルブテロール、サルブタモール、ミデステイン、チオトロピウム、シベナデト、ロフルミラスト、アミノフィリン、ブデソニド、アルミトリン、グリコピロラート、バンブテロール、マブテロール、プロカテロール、ツロブテロール、リミテロール、レプロテロール、ピルブテロール、ダルトロバン、ラマトロバン、トメルカスト、イブジラスト、ポビルカスト、ザフィルルカスト、モンテルカスト、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、チプレダン、モメタゾン、ロテプレドノール、フルニソリド、ヒドロコルチゾン、およびそれらの混合物。
【0060】
kk)去痰薬または咳止め薬
カルボシステイン、シチオロン、ドロプロピジン、クロペラスチン、オザグレル、ネソステイン、レボドロプロピジン、シスチネキシン、デキストロメトルファン、グアイメサル、ネピナロン、フドステイン、キニジン、ヒドロコドン、ノスカピン、クロルフェニラミン、およびそれらの混合物。
【0061】
ll)全身用抗ヒスタミン薬
テルフェナジン、エバスチン、デクスクロルフェニラミン、アゼラスチン、アクリバスチン、エメダスチン、ロラタジン、ピクマスト、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、フェンクロジン、レボカバスチン、デスロラタジン、シンナリジン、セタスチン、タゴリジン、ミゾラスチン、セチリジン、タジフィリン、エピナスチン、オロパタジン、ベポタスチン、ルパタジン、ノラステミゾール、トリプロリジン、フェキソフェナジン、ケトチフェン、アザタジン、クレマスチン、ブロムフェニラミン、およびそれらの混合物。
【0062】
mm)口内消毒薬
クロルヘキシジン、クロラミン−T、塩化ベンザルコニウム、およびそれらの混合物。
【0063】
nn)その他
スルファメトキサゾール、センテラ、葉酸カルシウム、パルミドロール、チオムカーゼ、グルコマンナン、ロイコシアニドール、細菌ライゼート、スパグル、およびそれらの混合物。
【0064】
本発明組成物中に存在し得る活性物質は、非親油性活性物質から成る群から選択されるのが好ましい。好ましい医薬活性物質は、制酸薬化合物である。本発明での使用に好ましい制酸薬は、一般的にカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、またはビスマスの炭酸塩またはヒドロキシ炭酸塩およびそれらの組合わせであり、一般的に水に極めて溶けにくい。他の制酸薬、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、および他の炭酸塩、珪酸塩、およびリン酸塩も本発明に包含される。好ましい制酸薬は、アルミニウムおよびマグネシウム制酸薬、例えば、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムであり、また、結晶性アルミニウムマグネシウムヒドロキシ炭酸塩または硫酸塩、例えばヒドロタルシト、マガルドラートおよびアルマガートも好ましい。アルマガートが特に好ましい。制酸薬化合物の混合物も所望ならば使用され得る。制酸薬が医薬活性物質として使用されるとき、それらは組成物の5〜50重量%、好ましくは組成物の10〜45重量%、さらに好ましくは組成物の20〜35重量%の範囲の量で存在する。
【0065】
本発明組成物は、好ましくは水、さらに好ましくは少なくとも1重量%の割合で水を含有し、食用ガムを含まないものとする。
【0066】
本発明はまた、非錠剤形単回用投与形態の製造方法であって、(a)ゼラチン、少なくとも1種の安定剤および溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水を含む混合物から成るマトリックス材料内に分散または溶解させた少なくとも1種の医薬活性物質を含む組成物であって、高温で可塑性である組成物を形成し、そして加熱タンク中において37℃を越える温度で上記組成物を保ち、(b)組成物が流動性である時点でそれを加熱製剤装置へ移し入れ、(c)一定量の流動性製薬材料を基盤上へ製剤化させる制御機構を通して、組成物を成形基盤へ注ぎ、(d)組成物を冷却し、ただし、組成物中に存在する一安定剤または複数安定剤は、グリセリンと脂肪酸のエステルおよびポリエチレングリコールによる上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、42℃〜63℃の範囲の融点を有するものとし、そして(e)所望により組成物を含有する基盤を密閉してもよい工程から成る方法に関するものである。
【0067】
本発明の所望による実施態様では、粘着低下−分離剤を、上記方法の工程(c)の前にキャビティまたはブリスターの内側表面に配することもある。上記粘着低下−分離剤の例は、レシチン、タルク、澱粉、ワセリン、および25℃で流動状である脂肪である。
【0068】
また、単回用投与形態のキャビティまたはブリスターが、PVC(ポリビニルクロリド)、PVDC(ポリビニリデンクロリド)、PP(ポリプロピレン)、アクラーまたはラミネート、例えばOPA−アルミニウム−PVC(延伸ポリアミド−アルミニウム−ポリビニルクロリド)から選択される材料でできているのも本発明の好ましい実施態様である。PVCは特に好ましい。(全部で)
【0069】
欧州特許出願番号0250578(出典明示により援用する)に記載され、主張されている製造方法は、安定剤を加工処理すべき組成物に加えることによる修正が加えられており、この修正形態が本発明方法の特に好ましい実施態様を構成している。
【0070】
別の態様において、本発明は、ゼラチンおよび溶媒としての少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水の混合物から成るマトリックス材料内に分散または溶解された形で医薬活性物質を含む組成物であって、高温では可塑性である組成物がパッケージされているブリスターまたはキャビティからそれらを取出し易くするための(i)グリセリンと脂肪酸のエステル;(ii)ポリエチレングリコールによる上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、42℃〜63℃の範囲の融点を有する少なくとも1種の安定剤の使用に関するものである、
【0071】
本明細書で使用されている「高温で可塑性」の語は、45〜120℃間の温度で鋳造され得、それが20℃まで冷却されると、その鋳造された形状が保たれる組成物を示すものとする。
【0072】
本明細書で使用されている「融点」は、欧州薬局方2.2.14に記載されているところによると、毛細管に導入された小物質カラムの最低限可視粒子が溶融する温度を意味するものとする。この測定に適切な装置は、ビュッヒ・ラボルテクニクAGにより市販されている融点測定装置B−540である。
【0073】
本明細書で使用されている「非錠剤形投与形態」の語は、慣用的打錠方法、例えば偏心または回転圧縮機における顆粒または粉末組成物の打錠を用いることにより製造されなかった形態を全て包含するものとする。
【0074】
本明細書で使用されている「食用ガム」の語は、多糖類ガム、特にアラビアガム、トラガカントガム、寒天、キサン(ガム)、アルギネートなどを包含する。
【0075】
本明細書で使用されている「水溶性アルコール」の語は、水と混合されることにより、100体積の水に対し少なくとも10体積のアルコールの量で均一溶液を形成し得る医薬上許容される液体一価または多価アルコールを示すものとする。上記アルコールの例としては、100〜600ダルトン間の分子量を有するエタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールおよびポリエチレングリコールがある。
【0076】
ブリスターからの取出し試験
試験組成物を、実施例1記載の方法に従って製造し、PVCでできたブリスターパッケージングの25mmの直径を有する環状断面の円筒状キャビティ中へ製剤化する。ブリスターを、アルミホイルで加熱密封する。
【0077】
次いで、ブリスターを、40℃および75%相対湿度のチャンバー中で10週間貯蔵する。この期間後、それらを25℃および60%相対湿度で24時間放置する。
【0078】
各試験製品について、5名の専門パネリストから成る一団に、各製剤の5サンプルを渡し、キャビティのプラスチック壁を親指で押して、アルミホイルをつき破って組成物をキャビティから排出させることにより、組成物がパッケージされているブリスターからそれを取出すようパネリストに要請する。組成物が排出された後、残存するアルミニウム密封フィルムを取出し、プラスチックキャビティを視覚的に調べる。パネリストには、大きさが0.5mmを越える残留物が空のキャビティにおいて見受けられた場合、サンプルには「落第」の評価を与えるように要請する。それ以外については「合格」の評価を割当てなければならない。
【0079】
実施例
実施例1
水中グリセリンの85%溶液2060.8gを、Erweka SG3Wリアクター中で65〜75℃に加熱する。240度ブルームの豚皮ゼラチン288gを、完全な可溶化が達成されるまで約4分間ゆっくりかつ連続的に加える。混合物をさらに10分間攪拌する。48gのレシチンを組込み、混合物を10分間攪拌する。次いで、800gのアルマガートを約15分間かけてゆっくりかつ連続的に加え、混合物をさらに20分間75〜80℃で攪拌する。3.2グラムのフレーバーを連続的に混ぜ込み、溶液を5分間攪拌する。溶融組成物4gを、PVCでできたブリスターパッケージングの直径25mmを有する環状断面の円筒状キャビティ中へ製剤化する。ブリスターをアルミホイルで加熱密封する。
【0080】
各個別キャビティの組成は以下の通りである:
【表1】

【0081】
実施例2〜7
1900.8gのグリセリン溶液を使用し、ゼラチンの完全な可溶化が達成された後およびレシチン添加前に160gの安定剤を加えるという修正を加えた上で実施例1記載の方法に従って組成物2〜7を製造した。ゼラチンの可溶化後、混合物を20分間攪拌し、リアクターの温度を75〜80℃に上げ、約5分間かけて160gの安定剤をゆっくりかつ連続的に加えた。
【0082】
この方法に従って、以下の組成物を製造した:
【表2】

【0083】
安定剤の貢献度を評価するため、実施例1〜7の組成物を上記「ブリスターからの取出し試験」にかけたところ、以下の結果が得られた:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも0.2重量%のゼラチン、少なくとも1種の安定剤および溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水を含む混合物から成るマトリックス材料内に溶解または分散させた形で少なくとも1種の医薬活性物質を含む組成物を含み、該組成物が高温で可塑性であり、
a.安定剤が、(i)グリセリンと脂肪酸のエステル;(ii)ポリエチレングリコールによるグリセリンおよび脂肪酸の上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、
b.安定剤が42℃〜63℃の範囲の融点を有し、
c.水が組成物の46重量%を越えない量で存在する
ことを特徴とする、非錠剤形単回用投与形態。
【請求項2】
安定剤が製剤の1重量%を越える量で存在する、請求項1記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項3】
フィルムから成形されたブリスターまたはキャビティにパッケージされていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項4】
18重量%を越える割合で少なくとも1種の医薬活性物質を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項5】
制酸薬を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項6】
溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水を組成物の少なくとも10重量%の割合で含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項7】
少なくとも1種の水溶性アルコールを組成物の46重量%を越える割合で含むことを特徴とする、請求項6記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項8】
好ましくは組成物全体の1重量%を越える量で、水を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項9】
組成物が食用ガムを含まないことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の非錠剤形単回用投与形態。
【請求項10】
非錠剤形単回用投与形態の製造方法であって、
・少なくとも0.2重量%のゼラチン、少なくとも1種の安定剤および溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水を含む混合物から成るマトリックス材料内に分散または溶解させた少なくとも1種の医薬活性物質を含む組成物であって、高温で可塑性である組成物を形成し、そして加熱タンク中において37℃を越える温度に上記組成物を保ち、
・組成物が流動性である時点でそれを加熱製剤装置へ移し入れ、
・一定量の流動性製薬材料を基盤上に分配する制御機構を通して、組成物を成形基盤へ注ぎ、
・組成物を冷却し、
・所望により組成物を含有する基盤を密閉する
工程からなり、ここで、水が組成物の46重量%を越えない量で存在し、少なくとも1種の安定剤が、(i)グリセリンと脂肪酸のエステル;(ii)ポリエチレングリコールによる上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、42℃〜63℃の範囲の融点を有するものである方法。
【請求項11】
安定剤が製剤の1重量%を越える量で存在する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
組成物が18重量%を越える割合で医薬活性物質を含むことを特徴とする、請求項10または11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
医薬活性物質が制酸薬を含むことを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
組成物が、好ましくは組成物全体の1重量%を越える量で水を含むことを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
組成物が、溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水を組成物の少なくとも10重量%の割合で含むことを特徴とする、請求項10〜14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
組成物が、少なくとも1種の水溶性アルコールを組成物の46重量%を越える割合で含むことを特徴とする、請求項10〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
組成物が食用ガムを含まないことを特徴とする、請求項10〜16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
キャビティまたはブリスターが、PVC、PVDC、PP、アクラーまたはラミネート、例えばOPA−アルミニウム−PVCから成る群から選択される材料を含む、請求項10〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
請求項10〜18記載の方法により得られる非錠剤形単回用投与形態。
【請求項20】
ゼラチンおよび溶媒として少なくとも1種の水溶性アルコールおよび/または水を含む混合物から成るマトリックス材料内に溶解または分散させた形で少なくとも1種の医薬活性物質を含む組成物であって、高温では可塑性である組成物を、それらがパッケージされているブリスターまたはキャビティから取出し易くするための(i)グリセリンと脂肪酸のエステル;(ii)ポリエチレングリコールによる上記エステルの加アルコール分解/エステル化反応から生じる生成物から成る群から選択され、42℃〜63℃の範囲の融点を有する少なくとも1種の安定剤の使用。
【請求項21】
安定剤が、組成物の1重量%を越える量で使用される、請求項20記載の使用。
【請求項22】
安定剤が、組成物の1重量%を越える量で使用される、請求項20記載の使用。

【公表番号】特表2007−510690(P2007−510690A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538767(P2006−538767)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012658
【国際公開番号】WO2005/048974
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(598032139)ラボラトリオス・アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Laboratorios Almirall,S.A.
【Fターム(参考)】