説明

面照明光源装置及びこれを用いた面照明装置

【課題】指向性の強い点光源を用い、光を高い効率で利用しながら、点光源の放射方向の厚みを増大させることなく、広い面積で均一な照明光を得ること。
【解決手段】
放射側反射手段260は、第1の放射側反射手段120と、第2の放射側反射手段140と、からなり、第1の放射側反射手段120は、第1の反射面121と、第1の反射面121の反対側にある第2の反射面122とを有し、第2の放射側反射手段140は、第2の反射面122との間で多重反射させる第3の反射面141とを有し、
第1放射側反射部120の第1の反射面121は、点光源の真上部分に所定範囲の中央反射部と該中央反射部の外周囲に外方反射部とを有し、外方反射部は、一部光を透過、反射及び乱反射して所定の反射率を有した反射部材からなり、中央反射部は外方反射部の反射率より高い反射率を有する光透過性の反射部で形成されていることを特徴とする面照明光源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LCDバックライト、照明用看板、自動車・車両等の表示装置に使用される面照明光源装置及びこれを用いた面照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に係る面光源装置は、少なくとも一つの一次光源と、この一次光源から発せられる光を導光し且つ前記一次光源から発せられた光が入射する光入射端面及び導光される光が出射する光出射面を有する板状の導光体とを備えており、前記導光体が、前記光出射面及びその反対側の裏面の双方又は一方に光出射機構を備え、且つ前記光出射面及び前記裏面の双方又は一方に少なくとも一つの局所的レンズ列形成部を備え、この局所的レンズ列形成部のそれぞれは少なくとも一つの局所的レンズ列を含み、この局所的レンズ列が前記一次光源から発せられ前記光入射端面に入射した光のうちの最大強度光の入射位置での輝度分布におけるピーク光の方向と異なる方向に形成されているもので、これによって輝度不均一を解消するものである。
【0003】
特許文献2に係る照明式表示装置は、一端に開口部が形成され、内側壁が光の反射面である光源収容部を有するランプハウジングと、前記光源収容部の奥壁に設けられた照明用の光源である発光ダイオードと、前記開口部の前面に履設されて所望の表示を行うための透光形状が形成された表示板とを備え、前記光源収容部内の前記発光ダイオードと前記表示板との間に嵌合されて、前記光源収容部の内壁部との接触面を形成し、入射した光を散乱して面光源にするための導光体とを備え、前記内側壁表面にシボ加工が施されるものであり、これによって、LEDのように指向性の強い光源の照明を均一化させて表示形状の視認性を向上させるものである。
【0004】
特許文献2では、換言すれば、発光ダイオードからの光をシボ加工された内側壁面で拡散反射して拡散フィルム等の作用で均一にしている。
また、特許文献3では、光の放射面上に形成された拡散層における微小反射部からの反射光と、発光ダイオード(LED)の周辺に設けられた反射器と、の間での反射の繰り返しにより、均一光を得る旨が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献4では、LEDから出射された指向性のある光(特にLED直上の強い光)を、放射面に形成された反射部でLED側に反射させている。これにより、光の方向を変化させてLEDからの光強度を減少させ、均一な光を得る点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−343124号公報
【特許文献2】特開2003−186427号公報
【特許文献3】特開2005−284283号公報
【特許文献4】特開2006−12818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表示装置や照明等の光源として、電力消費量や発熱が少ない点から発光ダイオード(LED)の使用が検討されるが、LEDは指向性が強いため、広い面で均一光量分布を得るためには、従来上述した特許文献に開示されるような工夫が必要であった。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、LEDによる指向性の強い光を均等化するために、LED光源を放射方向に対して横に設けたりしている。このため、大きなスペースを要する。
【0009】
特許文献2では、LEDの放射方向に所定の厚みが必要であった。また、内側拡散フィルムで散乱された光は、ベース板で吸収されてしまう等、LEDからの光を全て利用するとの思想はなかった。
【0010】
また、特許文献3では、放射面やLEDの周辺の底面には反射板が設けられていても、側面には反射板が設けられていない。このため、LEDを取り囲むような空間において、光の多重反射を起こさせて全てのLEDからの光を利用しつつ均一な照明光を得ることはできない。
【0011】
さらに、特許文献4では、LEDからの光の進行経路をコントロールすることで、均一な照明を得ようとする思想である。すなわち、放射面上の反射部は光の進行方向を変えるために用いられている。しかし、これでは光強度が弱められてしまうとともに、多重反射を利用して均一な光を得ることはできない。
【0012】
このため、この発明は、LEDのような指向性の強い点光源を用いても、この光を高い効率で利用しながら、LEDの放射方向の厚みを増大させることなく、しかも、該点光源を覆う放射側反射手段の真上部分に明るいスポットを残すことなく、また反対にこの真上部分を暗くさせることもなくして、広い面積で均一な照明光を得ることができる面照明光源装置及び面照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、この発明の面照明光源装置は、指向性の強い点光源と、所定面積の底面及び側面並びに開口を有し内壁面に内側及び側面反射部が設けられたケーシングと、前記開口を覆う放射側反射手段とを備え、前記ケーシングは、その底面の中央部に前記点光源が配設されて、
前記放射側反射手段は、前記点光源からの光の一部を透過、反射及び乱反射する第1の放射側反射手段と、前記第1の放射側反射手段の放射側と対向し一定の距離をあけて配置され前記第1の放射側反射手段を通過した光の一部を反射及び透過する第2の放射側反射手段とからなり、前記第1の放射側反射手段は、前記点光源からの光の一部を前記ケーシング内へ反射させる第1の反射面と、前記第1の反射面の反対側にあって光を反射させる第2の反射面とを有し、前記第2の放射側反射手段は、前記第1の放射側反射手段を通過した光を反射して前記第2の反射面との間で多重反射させる第3の反射面とを有し、前記第1の放射側反射手段の前記第1の反射面は、前記点光源の真上部分に所定範囲の中央反射部と該中央反射部の外周囲に外方反射部とを有し、前記外方反射部は、一部光を透過、反射及び乱反射して所定の反射率を有した反射部材からなり、前記中央反射部は前記外方反射部の反射率より高い反射率を有する光透過性の反射部で形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、LEDのような指向性の強い点光源を用いても、この光を高い効率で利用しながら、LEDの放射方向の厚みを増大させることなく、しかも、該点光源を覆う放射側反射部の真上部分に明るいスポットを残すことなく、また反対にこの真上部分を暗くさせることもなくして、広い面積で均一な照明光を得ることができる。特に、第2の放射側反射手段を設けたことで、面照明光源装置の放射方向の厚さを薄くすることができる。
【0014】
また、この発明の面照明光源装置は、前記外方反射部の反射率を75%〜99.3%の範囲内に選定するものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、外方反射部の光分布をフラットな特性にすることができる。
【0015】
また、この発明の面照明光源装置は、前記点光源を1個の発光ダイオード又は複数個の発光ダイオードの集合体で形成するものとすることができる。
【0016】
また、この発明の面照明光源装置は、前記中央反射部をその一部にスリット又は開口が設けられ、或いは肉薄に形成するものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、中央反射部にスポットを残すことなく、しかも中央反射部が暗くなることがない。
【0017】
また、この発明の面照明光源装置は、前記外方反射部を前記中央反射部から遠ざかるに従って光透過量が大きくなるスリットを設けたもので形成するものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、外方反射部で均一な照明光を得ることができる。
【0018】
また、この発明の面照明光源装置は、前記中央反射部及び外方反射部は、いずれも反射ドットからなり、前記中央反射部の反射ドットの密度分布を前記外方反射部の反射ドットの密度分布より高くするものとすることができる。
【0019】
また、この発明の面照明光源装置は、前記ケーシングを平面視で方形状に形成するものとすることができる。
【0020】
また、この発明の面照明光源装置は、前記ケーシング側面を前記底面の端部から外側へ広がった形状にするものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、底面の端部に余剰の空間が形成されるので、この空間を例えば構造材や電気配線などに使用することが可能になる。
【0021】
また、この発明の面照明光源装置は、前記内側及び側面反射部は超微細発泡光反射部材であり、前記放射側反射部は超微細発泡光反射部材であることが好ましい。この好ましい実施形態によれば、LEDのような指向性の強い点光源を用いても、この点光源から出射した光を例えば94%という高い効率で利用することができる。
【0022】
また、この発明の面照明光源装置は、前記内側及び側面反射部は超微細発泡光反射部材であり、前記放射側反射部はチタンホワイト又はポリテトラフロロエチレンの微粒子を含む塗布膜であるものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、LEDのような指向性の強い点光源から出射した光を例えば93%という高い効率で利用することができる。
【0023】
また、この発明の面照明光源装置は、前記内側及び側面反射部はチタンホワイト又はポリテトラフロロエチレンの微粒子を含む塗布膜であり、前記放射側反射部はポリテトラフロロエチレンの微粒子を含む塗布膜であるものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、LEDのような指向性の強い点光源から出射した光を例えば90%以上という高い効率で利用することができる。
【0024】
また、この発明の面照明光源装置は、前記第2の放射側反射手段は、直径が10μm以上100μm以下の微小孔が複数個分散されたものであるものとすることができる。
【0025】
また、この発明の面照明光源装置は、前記第2の放射側反射手段は、ハーフミラーで構成されているものとすることができる。
【0026】
また、この発明の面照明光源装置は、前記第2の放射側反射手段は、光拡散板であるものとすることができる。
【0027】
また、この発明の面照明光源装置は、前記第2の放射側反射手段は、光回折構造部で形成されているものとすることができる。
【0028】
また、この発明の面照明光源装置は、前記ケーシングは、内部に前記点光源が複数個配設されて、前記各点光源の真上にそれぞれ請求項1に記載の放射側反射手段が設けられているものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、点光源を複数配することによって均等な照明光を発生させる面照明光源装置を構成することができる。
【0029】
また、この発明の面照明光源装置は、前記ケーシングは、内部が複数に区画されて、該区画された底面の中央部にそれぞれ1個の点光源が配設されて、前記各点光源の真上に請求項1に記載の放射側反射手段が設けられているものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、ケーシングに点光源を複数配することによって均等な照明光を発生させる面照明光源装置を構成できる。
【0030】
また、この発明の面照明光源装置は、前記点光源は、光の三原色である赤、青、緑の発光素子を含むものであるものとすることができる。
【0031】
この発明の面照明装置は、上記のいずれかの面照明光源装置が複数個配置されていることを特徴とする。この構成によれば、面照明光源装置を複数配することによって均等な照明光を発生させる面照明装置を構成することができる。
【0032】
また、この発明の面照明装置は、前記複数の第2の放射側反射手段を一体に結合するものとすることができる。
【発明の効果】
【0033】
これらの面照明光源装置に係る発明によれば、指向性の強い点光源を用いても、この光を高い効率で利用しながら、点光源の放射方向の厚みを増大させることなく、しかも、この点光源を覆う放射側反射部の真上部分に明るいスポットを残すことなく、また反対にこの真上部分を暗くさせることもなくして、広い面積で均一な照明光を得ることができる。特に、第2の放射側反射手段を設けたことで、面照明光源装置の放射方向の厚さを薄くすることができる。また、この面照明光源装置を複数配することによって均等な照明光を発生させる面照明装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願発明の面照明光源装置の概略構成図である。
【図2A】第1の実施形態の放射側反射部の構成を示す概略説明図である。
【図2B】第1の実施形態の放射側反射部の構成を示す概略説明図である。
【図2C】放射側反射部の反射率と照度との関係を示す図である。
【図2D】放射側反射部の反射率と照度との関係を示す図である。
【図2E】同上のA点での透過した光の光量と反射率との関係を示す図である。
【図2F】放射側反射部に中央光透過部を設けた実施形態を示す図である。
【図3】(a)、(b)、(c)は、それぞれ第2の実施形態の放射側反射部の構成を示した概略説明図である。
【図4】(a)、(b)は、それぞれ第3の実施形態の放射側反射部の構成を示した概略説明図である。
【図5】第4の実施形態の放射側反射部の構成を示した概略説明図である。
【図6】第5の実施形態の放射側反射部の構成を示した概略説明図である。
【図7】(a)は、第6の実施形態を示すもので、面照明装置の構成を示した概略平面図、(b)は、その正面図である。
【図8】第7の実施形態の面照明装置の構成を示した概略説明図である。
【図9】第8の実施形態の面照明光源装置の縦断面図である。
【図10】(a)は、第9の実施形態の帯状の面照明光源装置の実施例平面図、(b)は、その縦断面図である。
【図11】第10の実施形態の帯状の面照明光源装置を湾曲させたものの概略図である。
【図12】第11の実施形態の帯状の面照明光源装置をS字状に湾曲させたものの概略図である。
【図13】(a)は、第12の実施形態の帯状の面照明光源装置を応用したものの斜視図、(b)は、その断面側面図、(c)は、その正面図である。
【図14】(a)は、第13の実施形態の多角形の面照明光源装置の平面図、(b)は、面照明光源装置の他の実施形態の平面図、(c)は、面照明光源装置のさらに他の実施形態の断面平面図、(d)は、その平面図である。
【図15】第14の実施形態のスリットを有するフィルムの平面図である。
【図16】(a)は、複数光源を備えた面照明光源装置の断面平面図、(b)は、そのQ−Q断面図、(c)は、その平面図、(d)は、Q−Q線上での光強度を示す図である。
【図17】(a)は、第14の実施形態の多角形の面照明光源装置の縦断面図、(b)は、その平面図である。
【図18】第17の実施形態の面照明光源装置を示す縦断面図である。
【図19】(a)は、第2の放射側反射手段の平面図、(b)は、内側反射手段の縦断面図、(c)は、内側反射手段の変形例縦断面図である。
【図20】(a)は、第18の実施形態の面照明光源装置の縦断面図、(b)は、その断面平面図である。
【図21】第19の実施形態の面照明光源装置の縦断面図である。
【図22】(a)は、反射体や放射側反射手段の形状を変更した概略縦断面図、(b)は、その斜視図、(c)は、第2の放射側反射手段の斜視図、(d)は、第1の放射側反射手段の斜視図、(e)は、反射体の斜視図である。
【図23】第20の実施形態の面照明装置を示す縦断面図である。
【図24】図19(c)で紹介した構造のものの配列である。
【図25】(a)は面照明光源装置を配列したものの断面平面図、(b)はその斜視図、(c)は隔壁の変形例を示す図、(d)は、その斜視図である。
【図26】第2の放射側反射手段の作用説明図である。
【図27】(a)は、第2の放射側反射手段の変形例の作用説明図、(b)は、その部分拡大図である。
【図28】第2の放射側反射手段の別の変形例作用説明図である。
【図29】第2の放射側反射手段の別の変形例作用説明図である。
【図30】第22の実施形態の面照明光源装置を示す縦断面図である。
【図31】第2の放射側反射手段の作用説明図である。
【図32】(a)〜(d)は、それぞれ実用化した第1の放射側反射手段の開口パターンの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、この発明の実施形態について図面により説明する。
この発明に係る面照明光源装置1は、例えば図1に示すように、一つの発光ダイオード若しくは複数の発光ダイオードからなる発光ダイオード群である指向性の強い発光源2と、この発光源2の放射方向に放射面3Aを有する導光体3と、発光源2を囲設すると共に導光体3の放射面以外の面を閉鎖するケーシング4とによって構成されると共に、ケーシング4と導光体3の間の全体に内側反射手段としての内側反射部5が設けられ、放射面3Aには、本願の特徴である発光源2からの光を所定の割合で反射させる放射側反射手段としての放射側反射部6が設けられるものである。
【0036】
そして、これら内側反射部5および放射側反射部6には、光吸収の少ない材質が用いられている。この点は、以下の各実施形態の全てにおいて共通する事項である。
このように、ケーシング4は、その底面の内側反射部5と側面の側面反射部(図示せず)とを有しているので、発光源2から放射された光はこれらの反射部にて吸収されることなく多重反射される。これにより、発光源2から放射された光を略全て利用して、均一な照明光を得ることが可能な構造となっている。
【0037】
さらに、ケーシング4は、側面が上方に向かって垂直に延びる以外にも、例えば後述する図19(c)に示すように、側面が上方に向かって広がった形状でも良い。
また、発光源2としては、発光ダイオードやレーザダイオード(LD)を含む概念である。また、前述したように、発光源2は、発光素子が1個の単体のみならず、複数の発光素子が近接して配置された集合体である場合をも含む。さらに、例えば光の三原色である赤、青、緑の発光素子を近接配置した場合も含む。
【0038】
さらに、図1では、ケーシング4内に発光源2を1つ配置した場合を示しているが、これに限らず、ケーシング4内に複数個の発光源2を配置しても良い。この場合の発光源2の配置は、マトリクス状の配置である場合や、その他、中央に配置された1つの発光源2に対して点対称な配置である場合等が考えられる(後述する図16参照)。しかも、ケーシング4内に複数個の発光源2を配置した場合でも、この発光源2を密に並べることなく均一な面照明を得ることができる。
【0039】
ところで、ケーシング4の大きさと放射側反射部6の形状は、放射側反射部6の均一な照明を得るために重要なファクターとなる。
そこで発明者は、例えばケーシング4の大きさを10cm×10cm×1.5cm(高さ)の直方体とし、発光源2を略1Wで64lmの光を放出するLEDを用いて実験を行った。この場合、放射側反射部6の形状は、後述する図4(a)の形状に類するもので実施した。
【0040】
また、内側反射部5と放射側反射部6として、超微細発泡光反射板(商品名 MCPET)を用いた。そして、放射側に拡散体を配置して放射側反射部6の形状による影響を除き、均一光にして照度を測定した。すると、6000luxの照度が得られた。このことは、LEDから出射した光の94%を利用することができたことになる。
【0041】
次に、発明者は、内側反射部5として、前述した超微細発泡光反射板を用いて実験を行った。この場合、放射側反射部6として、チタンホワイトの微粒子をエマルジョン化したものを用いた。放射側反射部6の形状は、スクリーン印刷により、後述する図4(a)の形状に類するもので実施した。
【0042】
こうして、光を均一化して照度を測定したところ、5830luxの照度が得られた。このことは、LEDから出射した光の91%を利用することができたことになる。
さらに、発明者は、放射側反射部6をポリテトラフロロエチレン(poly fluoro carbon)の微粒子(商品名 G−80Hallon)を用いたところ、5950luxの照度が得られた。このことは、LEDから出射した光の93%を利用することができたことになる。
【0043】
なお、内側反射部5として、チタンホワイトやポリテトラフロロエチレン(poly fluoro carbon)の微粒子を用いた場合にも、LEDから出射した光の90%以上の光を利用することができた。
【0044】
すなわち、本実施形態の面照明光源装置1によれば、LEDから出射した光のほとんど90%以上(略100%に近く)を利用しながら、均一な照明光を得ることができる。
なお、下記する実施形態の説明において、図面において同一の符号を付したものは同一のもの及び同様の効果を奏するものであるから、説明を省略する場合がある。
【0045】
(第1の実施形態)
図2A,図2Bに、本実施形態の放射側反射部6を示す。この放射側反射部6は、例えば図2A, 図2Bに示すもので、光透過基板9の内側に、発光源2から前方に直進する光を所定の範囲で反射させる中央反射部6Aを有している。光透過基板9としては、例えばガラス板、アクリル樹脂等の透明度の高いプラスチック板を用いる。そして、この光透過基板9に、一様な反射透過膜をコーティングする。この反射透過膜としては、例えば酸化チタンや窒化マグネシウム等が用いられる。
【0046】
図2Cは、このコーティング膜の性質として、光の吸収が少なくかつ反射率Rを0%〜50%と75%の場合の光の分布を示している。また、図2Dは、コーティング膜の性質として、光の吸収が少なくかつ反射率Rを98%〜99.3%とした場合の光の分布を示している。
【0047】
図2Cによれば、反射率Rが0%〜50%の場合、発光源2の真上の照度が局部的に高く、また、反射率Rが75%の場合、若干緩和されている。さらに、図2Dによれば、反射率Rを98%〜99.3%とした場合、発光源2の周辺部A点において透過した光の分布はフラットな特性のものを得ることができる。しかし、中央部は明るいスポットが残る。
【0048】
図2Eは、図2Dの周辺部A点での透過した光の光量と反射率Rとの関係を示している。
この図2Eによれば、反射率Rが高くなるほど光量が増加していることがわかる。
【0049】
また、前述した明るいスポット光を有効に利用するために、中央反射部6Aを用いて、発光源2側により多くの光を反射させ、光の均一度を向上させることができる。ただし、あまり中央反射部6Aの反射率が高いと暗くなるために、中央反射部6Aは、多少の透過率を備えた光吸収の少ない部材を用いるのが良い。または、中央反射部6Aの中央部に小さな光透過部を形成し、あるいは膜を薄く形成して、光の均一度を高めるようにする。
【0050】
ここで、実験により、図2Aの放射面側に拡散体を配置して中央反射部6Aを形成した場合の均一光による照度を測定した。
この場合、ケーシング4の大きさを10cm×10cm×1.5cm(高さ)の直方体とし、コーティング膜として反射率88%の超微細発泡光反射板(商品名 MCPET)を用いた。また、中央反射部6Aの直径をΦ10とし、さらに中央部に+字のスリット(透過部)を設けた。また、発光源2として、43lmの光を出射するLEDを用いた。
【0051】
以上により、4010luxの均一な面照明光源装置1を得ることができた。このことは、発光源2から出射した光の93%を利用することができたことになる。
これによって、指向性の強い発光源2から放射される中央部分の光量を制限でき、さらには内側反射部5によって反射された光によって全体的な光量を確保できるので、均一な照明光を得ることができる。なお、図2Aでは、光透過基板9の内側に中央反射部6Aを形成した場合について説明したが、これに限らず、例えば光透過基板9の外側に中央反射部6Aを形成しても良い。
【0052】
また、図2Fに示すように、中央反射部6Aの中央部分に、中央光透過部6Cを設けても良いものである。この中央光透過部6Cは、所定の径を有する完全開口部としても良いし、所定の透過率を有するように形成したものでも良い。尚、完全開口部の場合には、径の大きさを調整することによって中央部分での光量の増大/減少を調整できるものである。
【0053】
また、中央反射部6Aは、周知の光学反射板を放射面3Aに貼り付けたものであっても良いし、導光体3の形成時に、光学反射膜を蒸着して形成するようにしても良いものであり、特にその製造方法については限定されるものではない。
【0054】
さらに、放射側反射部6として、例えばすりガラス等の光拡散プレートであっても良い。この場合は、後述する図30と略同様の構成となる。
なお、上記の導光体3は、例えば、光学ガラスにより構成することができる。また、アクリル樹脂等の透明度の良いプラスチックを使用できる。さらに、シリコン樹脂等の柔軟な透明プラスチックを使用することにより、後述の実施例に示すように、部分的にあるいは全体的に曲面をもった面照明光源装置を実現できる。また、気体や液体でも良い。反射膜は、既知の鏡面形成用の樹脂や塗料を塗布することにより簡単に形成できる。従って、例えば、建物の壁面等に設置される大面積の広告用ディスプレイ装置に適する。材料費と加工の容易性および、高い精度が要求されないことから、低コストで生産できるという効果がある。
【0055】
(第2の実施形態)
図3(a)〜(c)に、本実施形態の放射側反射部6を示す。
図3(a)に示すように、この放射側反射部6は、導光体3に設けられた円形の中央反射部6Aと、この中央反射部6Aから外方に所定の間隔を空けて同心に配された複数のリング状の外方反射部6Bを具備する。これによって所定の間隔で外方光透過部7が形成される。さらに、中央反射部6Aは、放射面3Aに設けられた円形の反射板又は反射膜であり、外方反射部6Bは、円形の反射板又は反射膜から所定の間隔で、この反射板又は反射膜に同心に形成された環状の反射板又は反射膜である。
【0056】
また、本実施形態では、外方反射部6Bを構成する反射板又は反射膜の幅は、外側にいくにしたがって、狭くなるように形成されている。これによって、光量の多い中央部分での光透過量を制限し、外側の光透過量を増大させることができるので、照明光の均一化をさらに図れるものである。
【0057】
また、図3(b)において、第1の実施形態と同様に、中央反射部6Aに、その中央部分に所定の範囲の中央光透過部6Cを設けても良いものである。これによって、第1の実施形態と同様の効果を奏することができるものである。
【0058】
さらに、図3(c)に示すように、ケーシング4が平面視方形状の場合は、中央反射部6Aは、放射面3Aに設けられた楕円形の反射板又は反射膜である。また、外方反射部6Bは、楕円形の反射板又は反射膜から所定の間隔で、この反射板又は反射膜に同心に形成された楕円形の反射板又は反射膜である。また、ケーシング4が平面視方形状である場合に、その内側の隅部に、該ケーシング4の中心に向けて光を反射する弧状の反射部材5'を配置している。これにより、ケーシング4の対向する隅部にまで、くまなく光を反射させることができる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0059】
(第3の実施形態)
図4(a)(b)に、本実施形態の放射側反射部6を示す。
図4(a)に示すように、この放射側反射部6は、導光体3に設けられたケーシング4の形状と類似形に形成された方形の中央反射部6Aと、この中央反射部6Aから外方に所定の間隔を空けて配された複数の方形リング状の外方反射部6Bを具備する。また、これによって所定の間隔で外方光透過部7が形成される。
【0060】
さらに、中央反射部6Aは、放射面3Aに設けられ、ケーシング4と相似形状に形成された反射板又は反射膜であり、外方反射部6Bは所定の間隔でこの反射板又は反射膜に形成された帯状の反射板又は反射膜である。
【0061】
これによって、ケーシング4の形状に合わせて、光量の多い中央部分での光透過量を制限し、外側の光透過量を増大させることができるので、照明光の均一化をさらに図れるものである。
【0062】
また、図4(b)において、第1の実施形態と同様に、中央反射部6Aに、その中央部分に所定の範囲の光透過部6Cを設けても良いものである。これによって、第1の実施形態と同様の効果を奏することができるものである。
【0063】
(第4の実施形態)
図5に、本実施形態の放射側反射部6を示す。
本実施形態では、放射側反射部6は、発光源2の前面の放射面3Aに穿設された所定の頂角を有する錐形状の反射体8である。この反射体8は、均等に反射可能な円錐形状又はケーシング形状と相似形である角錐形状が望ましい。また、その頂角を適正に設定することによって、発光源から放射面に対して略直線状に放射される光を全反射若しくは部分反射させることができるものである。これによって、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0064】
(第5の実施形態)
図6に、本実施形態の放射側反射部10を示す。
本実施形態では、放射側反射部10は、反射部材からなる反射ドットによって形成されている。この放射側反射部10は、高い密度分布の反射ドットによって構成された中央側反射部10Aと、中央側反射部10Aより低い密度分布の反射ドットからなる外方反射部10Bとによって構成される。これによって、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏することができるものである。
【0065】
(第6の実施形態)
図7(a)(b)は、面照明光源装置1を複数配置して形成された面照明装置20の実施形態を示している。図7(a)は、面照明装置20の平面図であり、図7(b)は、その正面図である。
すなわち、この面照明装置20は、上述した第1〜第5の実施形態の面照明光源装置1を所望の大きさとなるように複数配置して形成したものである。また、この場合に、面照明装置20の照明分布の均一性を向上させるために、配置された面照明光源装置1の前面に、光拡散プレート30を配するようにしたものである。
【0066】
(第7の実施形態)
図8は、面照明装置20'の他の実施形態を示している。
本実施形態では、正六角柱形状の面照明光源装置1'を複数配置することによって、ハニカム形状の面照明装置20'を構成したものである。
すなわち、前述した第1〜第5の実施形態の面照明光源装置1の導光体3を正六角柱に形成している。また、これに対応して正六角形のケーシング4を形成し、全体として正六角柱形状の面照明光源装置1'を形成したものである
【0067】
(第8の実施形態)
図9は、本実施形態の面照明光源装置1の縦断面図とその特性説明図である。
既に図1を用いて説明したように、LED等の発光源2から光が出力される。この光で平面50を照射する。発光源2は平面50から見たときに十分に面積が小さいため、点光源とみなすことができる。平面50は、発光源2から所定距離だけ離れた場所に配置されている。面照明光源装置1は、この平面50全体をできるだけ均一に照射する機能を持つ。面照明光源装置1と平面50との距離は任意である。
【0068】
例えば、平面50の位置に照明を当てるべき画像等が描かれている場合がある。また、平面50の位置に、間接照明用の反射板が置かれていることもある。さらに、平面50の位置に乳白色の半透明パネルであって面照明光源装置1の反対側を照射するフードが置かれていることもある。ケースに応じて最適な距離を設定する。いずれの場合にも、可能な限り広い面積にわたって均一な光強度で光が放射されることが望まれる。
【0069】
ここで、発光源2の発した光を平面50上で直接受光したときの、当該平面上での受光強度分布を図の上方に示した。中段の図は、中央反射部6Aや外方反射部6Bが無い場合の分布を示している。上段の図は、中央反射部6Aと外方反射部6Bとがある場合の分布を示している。いずれも、グラフの縦軸は受光強度で、横軸は平面上の位置を示す。
【0070】
中段のグラフで、受光強度は、発光源2から最短距離の基準点59の部分で最高値を示し、その基準点59を中心にして遠く離れるに従って漸減するような特性になる。上記の導光体3が無いときには、LEDのように指向性のある発光源2を使用すると、こうした状態になる。
【0071】
上記の導光体3は、平面50と略平行な放射面3Aと、当該放射面3Aと略平行な背面52を有する。さらに、放射面3Aと背面52を囲むように、その外周に配置された側面53を有する。導光体3は、これらの放射面3Aと背面52と側面53により囲まれた閉空間に設けられる。導光体3は、光学的に透明なガラス、プラスチック等から成る。気体や液体でも構わない。
【0072】
中央反射部6Aや外方反射部6Bは、放射側反射手段である。放射側反射手段は、放射面3A上に配置され、導光体3の内部を伝搬する光を背面52もしくは側面53方向に反射する機能を持つ。なお、導光体3は例えば、10cm四方の正方形で構成する。このとき、光を放射面3Aから効率よく放射するには、側面53にも良好な反射面が形成されていることが好ましい。
【0073】
内側反射部5は、背面52上に配置され、導光体3の内部を伝搬する光を放射面3Aもしくは側面53方向に反射する。ここで、発光源2と平面50上の基準点59とを結ぶ基準線58と放射面3Aとの交点を特定点51と呼ぶことにする。このとき、中央反射部6Aは、特定点51を含み、当該特定点51を中心とする円または正多角形の反射体であることが好ましい。発光源2から平面50に対して直接光が放射されると、その部分だけ光強度が先鋭なピークを示すからである。従って、基準点59の明るさを抑えるべきときは、図3(a)や図4(b)に示す構成が最も好ましい。また、基準点59の部分の局部的な明るさが問題にならないときは、上記の他の実施例で構わない。
【0074】
また、外方反射部6Bは、中央反射部6Aを取り囲み、円の円弧または正多角形の辺に平行なスリット群を有する反射体から成ることが好ましい。スリットは、連続的なものでも不連続なものでも構わない。図3や図4に示した実施形態では、連続的な環状のスリットを多数配置した。例えば、戸外に設置されるような場合に、紫外線や太陽熱による外方反射部6Bの劣化が懸念される。このとき、光の放射される部分をスリットにしておけば、外方反射部6Bの強度が高まり、脱落や変形を十分に防止できる。
【0075】
なお、スリットは反射部に設けた開口であってもよいし、スリット状の透明体であってもよい。光が透過するような隙間であればよい。以下の実施形態では、光が透過するような隙間状の部分を全てスリットと呼んで説明をする。
【0076】
この実施形態では、外方反射部6Bと中央反射部6Aとを設けたことにより、図9の上段に示すように、平面50上の基準点59の付近の光強度が抑制され、周辺に至るまで、ほぼ均一な光が放射されている。
【0077】
(第9の実施形態)
図10(a)(b)は、面照明光源装置1の実施形態を示している。図10(a)は、その平面図であり、図10(b)は、そのN−N線に沿う断面の概略図である。
この面照明光源装置1は、その中央の特定点51を通過する直線68に対して左右対称の構造をしている。さらに、直線68と直交する方向に長い帯状の導光体3を使用している。中央には、直線68に対して左右対称の方形の反射体63が設けられている。これが、中央反射部に相当する。また、この反射体63を間に挟むように、反射体64が設けられている。反射体64は、直線68と平行なスリット群65を有する。反射体64は、これまでの実施形態の外方反射部に相当する。図の例では、反射体64は中央の直線68から離れるほど幅が細くなっている。
【0078】
一方、スリット65は、中央の直線68から離れるほど幅が広くなっている。これにより、全体として平坦な強度の光を放射できる。この実施形態の場合、反射体の形状が単純なので、製造が容易で安価にできる。また、堅牢で直線状の長手方向に均一な光を発する光源を実現できる。なお、帯状の導光体を使用する場合には、側面69での光の反射は非常に重要である。この側面69に反射率の良い反射体を配置することが好ましい。また、端面61についても、良好な反射面を設けると効率が良い。
【0079】
(第10の実施形態)
図11は、それぞれ面照明光源装置1の他の実施形態を示している。
図11は、例えば、帯状の面照明光源装置1を湾曲させたものの斜視図である。
前述した導光体3を透明プラスチックのような柔軟な板状体で構成すると、図11のように、自由に湾曲させることができる。従って、例えば、柱等の湾曲面に取り付けて線状光源あるいは帯状光源として使用することができる。他の実施形態で説明した面照明光源装置1についても、同様に柔軟な板状体で構成すると、任意の湾曲面に沿うように湾曲して使用することができる。もちろん、硬質材料を金型等で成型して、湾曲した導光体を製造しても構わない。
【0080】
(第11の実施形態)
図12は、面照明光源装置1のさらに他の実施形態を示している。
この実施形態では、面照明光源装置1は、全体として平坦な面上でS字状に湾曲させた帯状をなしている。なお、導光体3はS字状に限らずどのように湾曲させても構わない。また、様々な形状の導光体3を組み合わせて使用することができる。これは、例えば、ネオンサイン等に広く利用することができる。
【0081】
(第12の実施形態)
図13(a)(b)は、帯状の面照明光源装置1を応用した実施形態を示している。
この実施形態では、アルファベットの文字Aを立体化した形状の導光体3を用いて、面照明光源装置1を形成したものである。
この面照明光源装置1は、6個の点光源2と、アルファベットの文字Aを形成する導光体3と、光拡散プレート30と、を有している。また、導光体3の放射面3Aには、例えば前述した図10(a)(b)の反射体63、64等が設けられている。このような導光体3を使用する場合には、側面69での光の反射は非常に重要である。この側面69に反射率の良い反射体を配置することが好ましい。また、端面61についても、良好な反射面を設けるのが好ましい。
【0082】
なお、図13(c)に示すように、隣接する点光源2の間を反射板としての隔壁115で区切って6つのブロックに区画しても良い。この隔壁115により、反射体63、64等と共働で点光源2からの光を多重に反射させ、均一な光を放射することが可能となるからである。
【0083】
なお、この実施形態では、導光体3として、アルファベットの文字Aを立体化したものを例として説明したが、これに限らず、例えばその他の文字、図形、又は記号を立体化して面照明光源装置1とすることもできる。
【0084】
本実施形態によれば、各種看板、車室内照明、交通標識、案内板等に広く適用することができる。
【0085】
(第13の実施形態)
図14(a)は、複数の点光源2を配置した多角形の面照明光源装置1の実施例平面図である。
本実施形態では、面照明光源装置1を、例えば、様々な形状の多角形で構成することができる。直角三角形、正方形、六角形、等の形状のものを組み合わせると、建物等の壁面全体を覆う照明や光源装置として利用できる。
【0086】
図14(a)に示した壁71上の実線72が、単体の面照明光源装置1の境界である。この場合、点光源2は正六角形の中心位置にそれぞれ設けられている。そして、実線72が反射板としての隔壁となっている。なお、この隔壁は、より均一な照明光を得るために設けられるものである。しかし、この隔壁がなくても実用的には均一な照明光を得ることはできる。
【0087】
図14(b)は、複数の点光源2を配置した多角形の面照明光源装置73の他の実施形態の平面図である。
同図14(b)に示すように、例えば、面照明光源装置73は、前述した反射板としての隔壁で6つの正三角形を組み合わせて構成してもよい。この場合、点光源2は正三角形の中心位置にそれぞれ設けられる。また、本実施形態では、6つの正三角形面に対応して放射側反射部6を形成している。この放射側反射部6により、スリット74を直線的に形成し、かつ不連続に形成している。このようにすると、既に説明したように、正六角形の構造(ハニカム構造)であるため強度も高い、また、製造も容易である。
【0088】
図14(c)(d)は、さらに他の実施形態の面照明光源装置1の断面平面図を示している。この図14(c)では、図14(d)から放射側反射部6を除去した状態を示している。
【0089】
この面照明光源装置1は、反射板としての正三角形の隔壁72で複数に区画されている。また、正三角形の隔壁72の中心位置に点光源2がそれぞれ設けられている。また、図14(d)に示すように、正三角形の隔壁72で仕切られた部分ごとに、所定パターンを有する放射側反射部6を形成している。
【0090】
(第14の実施形態)
図15は、スリット81を有するフィルム80の平面図である。
本実施形態では、例えば図1で示した導光体3の放射面3A上にフィルム80を貼り付ける。このフィルム80は、例えば、ポリエチレンやポリカーボネート等のプラスチックフィルムであって、熱や接着剤により、放射面3A上に貼り付けられるとよい。フィルム80は、多数のスリット81を有する。裏面はアルミニウムラミネートフィルムのような反射膜にするとよい。上記の多重反射をさせるためのものである。これらのスリット81は、放射面3A上の中央にある特定点51(図9参照)を取り囲む同心円の円弧上に設けられるとよい。また、このスリット81は、その特定点51を取り囲む任意の多角形の辺とほぼ平行な線状であってもよい。
【0091】
なお、フィルム80に幅の太いスリット81を多数設けると、フィルム80に皺が発生して慎重な取り扱いが必要になる。そこで、例えば、スリット81を設けるべき部分を透明または半透明なフィルム80にし、その他の部分を反射膜にする。これでフィルム80の強度が向上する。また、フィルム80の取り扱いが容易になり、生産性も向上する。なお、上記のように、光を反射する反射体は、入射する光を全て反射するだけのものでなくてよい。一部を吸収する吸収体、乱反射する乱反射体により、反射率が所定の値に設定されるとよい。
【0092】
これらは、放射面3A上に適切に分布しているとよい。また、光の一部を反射し、残りの部分を透過する性質の膜がある。この膜を持つフィルムを、上記特定点51に近い部分は多層に重ねて配置し、特定点51から遠ざかるにつれて積層する枚数を減らすという構成でもよい。つまり、反射膜の積層体でも構わない。
【0093】
(第15の実施形態)
図16(a)〜(d)は、複数光源91を有する面照明光源装置90の概略説明図である。
図16(a)は導光体3の平面図である。ここでは、後述する図16(c)で示す外方反射部6Bや中央反射部6Aの図示は省略した。
また、内側反射部5は、背面52および側面53上に配置されて、導光体3の内部を伝搬する光を放射面3Aもしくは側面53方向に反射する反射面を有している。これにより、発光源91から放射された光はこれらの反射面にて吸収されることなく多重反射される。こうして、発光源91から放射された光を略全て利用して、均一な照明光を得ることが可能な構造となっている。
【0094】
図のように、この面照明光源装置90には、5個の点光源91が設けられている。このQ−Q断面図を図16(b)に示す。本実施形態では、導光体3の背面に相当する部分に、5個の点光源91が点対称に配列されている。なお、点光源91の数は5個に限るものではなく、また、その配置も、例えば多数の点光源91をマトリクス状に配置しても良い。
【0095】
また、後述する図19(c)に示すように、側面53が上方に向かって広がった形状でも構わない。
このとき、前述した外方反射部6Bや中央反射部6Aは、1個の点光源のために設計したパターン95を、図の矢印のように重ね合わせて使用するとよい。この場合、オリジナルをそのまま重ね合わせると、全体として外部へ放射される光量が減る。従って、スリットの幅を単体の場合に比べて広くして、明るくて均一な明るさの光源を実現するとよい。
【0096】
図16(c)は、上述した面照明光源装置90の平面図である。この実施形態では、放射側反射部6として、導光体3に設けられた円形の中央反射部6Aと、この中央反射部6Aから外方に所定の間隔で同心に配された複数のリング状の外方反射部6Bを備えている。これによって、所定の間隔で外方光透過部7が形成されている。なお、放射側反射部6は、円形状のものを例として説明したが、これに限らず、例えば帯状のものであっても良い。
【0097】
図16(d)は、図9の上段に示したものと同一の形式のグラフで、図16(a)のQ−Q線上での光強度である。また、横軸上の点y、zは点光源91の位置である。
本実施形態によれば、複数の点光源91の光が合成されることにより、広い面積で非常に平坦な特性Xが得られた。
【0098】
(第16の実施形態)
図17(a)は、本実施形態の面照明光源装置90の縦断面図、図17(b)は、その平面図である。
本実施形態では、面照明光源装置90の導光体3は、乾燥空気である。そして、導光体3の上面の放射面全体を覆うように、ガラス板96が配置されている。これは、板状の透明体である。点光源91は導光体3の中央底面に配置されている。ガラス板96の、点光源91に対向する面には、銀の蒸着等により、反射膜97が形成されている。この反射膜97の厚みは、点光源91に最も近い上記特定点に相当する部分が最も厚く、特定点から離れるほど薄くなるように調整されている。
【0099】
なお、図17(b)に示すように、反射膜97が楕円となっているのは、ガラス板96が円形ではなく点光源91から等距離ではないので、反射膜97もこれに合わせたものである。このように、ガラス板96の形状に応じて矩形や楕円にすれば、光を均一にすることができる。反射膜97を楕円とすることで、例えば、面照明光源装置100を複数並べた場合に、短辺方向では光が重なり合って密となり、逆に長辺方向では疎となって明るさが均一とならないおそれがある。
【0100】
また、このように、反射膜97を、きわめて薄い蒸着膜で構成すると、厚みの薄い部分では50%、厚みの厚い部分では90%の光を反射する。残りの光は反射膜97を透過する。このような膜は、蒸着装置の中で、蒸着金属溜りにガラス板を対向させた状態で、そのまま蒸着金属を溶融して蒸発させれば、容易に形成できる。蒸着処理中にガラス板96を支持しておく位置や処理時間により、自由に膜の厚さや厚みの偏りの程度を調整できる。
【0101】
本実施形態によれば、上記のように、スリット等を設ける場合に比べると、既存の設備で蒸着処理をするだけでよいから、製造コストが低減できる。蒸着させる金属を各種変更すると、透過率の調整等もできる。反射膜97の部分では、光がそのまま透過したり、所定の方向に反射したり、散乱したりする。一部吸収される光もあるが、金属蒸着膜は光を良く反射して、全体として均一な光を外部に放射するように作用する。なお、この図の例では、反射膜97を保護するために、反射膜97を点光源91側に向けたが、反射膜97を外側に向けて配置しても構わない。効果もほぼ同様である。蒸着を施すものがガラス板でなくフィルム状のものであれば、より生産性が向上する。
【0102】
(第17の実施形態)
図18は、本実施形態の面照明光源装置100を示す縦断面図である。
この面照明光源装置100は、点光源102と、導光体103と、内側反射手段110と、放射側反射手段260と、を備えている。この放射側反射手段260は、第1の放射側反射手段120及び第2の放射側反射手段140を有している。点光源102や導光体103までの構成は、これまでの実施例と変わらない。導光体103は、放射面104と背面105と側面106とを有する。第1の放射側反射手段120は、放射面104上に配置されている。この構成もこれまでの実施例と同様でよい。
【0103】
すなわち、内側反射手段110は、背面105および側面106上に配置されて、導光体103の内部を伝搬する光を放射面104もしくは側面106方向に反射する反射面を有している。これにより、発光源102から放射された光はこれらの反射面にて吸収されることなく多重反射される。こうして、発光源102から放射された光を略全て利用して、均一な照明光を得ることが可能な構造となっている。このように、光を放射面104から効率よく放射するには、背面105及び側面106にも良好な反射面が形成されていることが好ましい。
【0104】
さらに、後述する図19(c)に示すように、側面106が上方に向かって広がった形状であっても構わない。
第1の放射側反射手段120には、特定点101を対称の中心として分布するように開口群125を設ける。なお、第2の放射側反射手段140を設けて多重反射による光量の均一化効果が高まったので、開口群125の開口の分布は、特定点101近傍を除いてほぼ均一でも構わない。第1の放射側反射手段120には、第1の反射面121の裏側に第2の反射面122が設けられている。第2の反射面122は、開口群125を通過して放射される光の戻り分を反射する。
【0105】
この第1の放射側反射手段120は、後述する図32(a)〜(d)に示した各パターンのいずれを使用しても同様の効果を得ることができる。そして、図32(a)のパターンの断面を用いて説明したのがこの図18である。そして、この第1の放射側反射手段120の上方に、後述する図19(a)に示すような、微小孔群142を均一に配置した第2の放射側反射手段140を重ねた状態で構成した。
【0106】
第2の放射側反射手段140は、第1の放射側反射手段120の第2の反射面122側に配置される。第2の放射側反射手段140は拡散板で、第1の放射側反射手段120と対向するように一定の距離を開けて配置される。そして、第1の放射側反射手段120の開口群125を通過して放射される光を第2の反射面122方向に反射する第3の反射面141を有する。第2の放射側反射手段140には、全面にほぼ均一な密度で分布するように微小孔群142が形成されている。
【0107】
この実施形態では、放射側反射手段が2層構造にされている。導光体103の内部で多重反射をした光131が第1の放射側反射手段120の開口から出射される。さらに、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間で光132を多重反射させる。第2の放射側反射手段140の微小孔群142は均一に分散している。複雑な多重反射により、全面に渡り均一な光133が、微小孔群142から放射される。これにより、第1の放射側反射手段120の開口の分布に依存する光強度の起伏を平準化することができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、面照明光源装置100を放射方向の上方から見た場合に、第1の放射側反射手段120の開口等の模様が見えなくなるような位置に第2の放射側反射手段140を配置したので、面照明光源装置100の放射方向の厚さを薄く形成することができた。
【0109】
例えば、実験によれば、第1の放射側反射手段120を設けない場合、均等な照明光を得るためには面照明光源装置100の厚さは100mmほど必要であったが、第1の放射側反射手段120を設けたことで、30mm程度に薄くすることができた。この場合、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間の間隔は、略20mm程度であった。そして、この間隔を設けることが、均一な照明光を得るためには重要な条件の1つであることがわかった。
【0110】
第2の放射側反射手段140は、吸収の少ない多層膜コーティング層でも良く、その反射率は50%〜99%が良く、透過率としては50%〜1%となる。なお、第2の放射側反射手段140として、単層膜コーティング層を用いても良いが、好ましくは多層膜コーティング層を用いることが望ましい。また、第2の放射側反射手段140は拡散板でも良い。
【0111】
図19(a)〜(c)は、面照明光源装置100の主要部説明図である。
図19(a)は、第2の放射側反射手段140の平面図である。同図に示すように、微小孔群142は第2の放射側反射手段140の全面に渡り均一に分散配置されている。なお、微小孔群は、10μm以上100μm以下の直径を持つ。微小孔の直径が10μm未満では、透過光の光量が不足し、エネルギ効率が低下してしまう。一方、微小孔の直径が100μmを越えると、十分に多重反射しないうちに光が微小孔を通じて外部へ透過してしまう。故に、微小孔群は10μm以上100μm以下の直径を持つことが好ましい。
【0112】
また、微小孔群142の開口面積の総和は、第2の放射側反射手段140の全面積の10%以上60%以下である。微小孔群142の開口面積の総和が第2の放射側反射手段140の全面積の10%未満では、透過光133の光量が不足し、エネルギ効率が低下してしまう。一方、微小孔群142の開口面積の総和が第2の放射側反射手段140の全面積の60%を越えると、十分に多重反射しないうちに光が微小孔を通じて外部へ透過してしまう。故に、微小孔群142の開口面積の総和は、第2の放射側反射手段140の全面積の60%以下であることが好ましい。
【0113】
図19(b)は、内側反射手段110の縦断面図である。実験によれば、同図のように、光を多重反射させる場合に、背面105だけでなく、側面106の反射がきわめて有効であることが判明した。側面106が無いと、点光源102から離れた場所では出射光量が大きく低下する。また、背面105の部分に複数の点光源102を配置したものよりも、この実施形態のような構成にしたほうが、出射光量の均一化が容易であることも判明した。
【0114】
なお、側面106は、必ずしも背面105に対して垂直でなくてもよい。図19(c)は、内側反射手段110の変形例縦断面図である。このように、側面106が上方に向かって広がった形状でも構わない。
【0115】
(第18の実施形態)
図20(a)(b)は、面照明光源装置100の他の実施の形態を示す図である。
この実施形態では、面照明光源装置100は、導光体103の背面に相当する部分に、少なくとも1つの点光源102(本実施形態では6つ)がマトリクス状に配列されている。なお、点光源102の数は任意に設定することができる。その他の構成は、第17の実施形態で説明したのと同様である。
【0116】
すなわち、前述したように、内側反射手段110は、背面105および側面106上に配置されて、導光体103の内部を伝搬する光を放射面104もしくは側面106方向に反射する反射面を有している。これにより、発光源102から放射された光はこれらの反射面にて吸収されることなく多重反射される。こうして、発光源102から放射された光を略全て利用して、均一な照明光を得ることが可能な構造となっている。
【0117】
また、この実施形態では、隣接する点光源102の間を仕切る反射板としての隔壁は設けられていない。さらに、図19(c)に示したように、側面106が上方に向かって広がった形状でも構わない。
【0118】
これは、それぞれの点光源102から放射された光が、内側反射手段110の背面105及び側面106に形成された反射面や、第1の放射側反射手段120、さらに第2の放射側反射手段140で反射を繰り返し、多重反射による光量の均一化が図られるためである。しかし、より均一な照明光を得るためには、上述の隔壁を設けた方が良いのは勿論である。
【0119】
なお、面照明光源装置100の外形が大きくなってくると、装置中央部付近がたわむおそれがある。この場合には、補強板として、例えば透明板や反射板を装置中央部に取り付けても良い。
【0120】
(第19の実施形態)
図21は、図18と図19に示した実施形態を組み合わせた面照明光源装置100の縦断面図である。
この図では、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間の空間を取り囲むように、反射体150を配置した。この反射体150は、内側反射手段110と同様の機能を持つ。第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間の空間は、例えば、透明アクリル板等により構成するとよい。もちろん、空気層のままでも構わない。第2の放射側反射手段140は、プラスチックフィルムに孔開け加工したものを使用してもよい。
【0121】
また、吸収が少ない多層膜コーティングでもよく、この多層膜コーティングは50%〜99%の反射率を有するものが望ましい。さらに、この多層膜コーティングの代わりに拡散板でも良い。
【0122】
図22(a)は、反射体や放射側反射手段の形状を変更した面照明光源装置100の概略縦断面図である。また、図22(b)は、その斜視図であり、図22(c)〜(e)は、それぞれの分解斜視図である。
【0123】
この実施形態では、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140、及び導光体103の背面にある反射体165が、点光源102を通る基準線168を対称軸とする多面体となっている。第1の放射側反射手段120には、後述する図32(a)に示すような所定形状のパターンが形成されている。また、第2の放射側反射手段140には、前述した図19(a)のように、微小孔群142が全面に渡り均一に分散配置されるか、又はすりガラス状に形成されている。さらに、反射体165は、上面が拡開するように開口したパラボラアンテナ形状をなしている。
【0124】
なお、反射体165だけをこうした形状にし、第1の放射側反射手段120及び第2の放射側反射手段140は平板状にしてもよい。また、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140の一方だけをこうした形状にしてもよい。さらに、反射体165の形状は、多面体でなく、球面の一部であっても構わない。
【0125】
導光体103の背面にある反射体165は、パラボラアンテナと同様の効果で、点光源102の光を所定幅のビームに変換する。すなわち、図22(a)において、反射体165で反射した光は法線に対し外側に広がるように放出される。また、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140は、レンズ効果によって、同様に、点光源102の光を所定幅のビームに変換する。従って、所定の幅の光ビームを出力する光源として適する。
【0126】
(第20の実施形態)
図23は、本実施形態の面照明装置130を示す縦断面図である。
同図23において、面照明装置130は、図21で説明した面照明光源装置100を単位モジュールとして、この面照明光源装置100を平面的に多数(図では左右方向に5個)マトリクス状に配列したものである。すなわち、それぞれの面照明光源装置100は、内側反射手段110の筐体内に点光源102と、第1の放射側反射手段120を有している。そして、面照明装置130は、これら複数の面照明光源装置100の上部をまとめて覆うように配置された一枚板の大きな拡散プレート30を有している。この拡散プレート30は、第2の放射側反射手段140に相当する。
【0127】
実験によれば、1個のLEDを使用したものの実用的なサイズは、縦横10センチメートルで、この構成にすることにより数メートル四方の平坦な均一な面光源を得ることができた。
【0128】
図24は、図19(c)で紹介した内側反射手段110を備えたモジュール160を、多数マトリクス状に配列してできた面照明装置130の正面図である。
この面照明装置130では、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140の図示を省略している。
【0129】
同図において、各モジュール160は内側反射手段110を備えていて、隣接する内側反射手段110の間に余剰の空間161が形成されている。このため、この余剰の空間161を、例えば構造材や電気配線などに用いることができる。
【0130】
図25(a)〜(d)は、多数の面照明光源装置100をマトリクス状に配列して面照明装置130を形成したものの平面図である。
すなわち、この面照明装置130においても、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140の図示を省略している。
【0131】
同図25(a)(b)において、点光源102は、格子状の隔壁162で区画されたそれぞれの面照明光源装置100ごとに1個づつ設けられている。このとき、隔壁162に相当する部分が非常に有効に機能する。また、このように、面照明光源装置100を多数配置することにより、大面積の導光体内部に複数の点光源を配置したものと比較して、出力光の均一さの点で、きわめて有利であることも実証できた。
【0132】
なお、隔壁162は、図25(a)(b)に示すように格子状でもよいし、図25(c)(d)に示すように、渦巻き状に形成したものでもよい。渦巻き状の隔壁162の場合は、この隔壁162がマトリクス状に配置されたそれぞれの面照明光源装置100ごとに1個づつ配置される。
【0133】
なお、この格子状又は渦巻き状の隔壁162は、図23の第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間に配置しても良い。また、この渦巻き状の隔壁162を、大きく形成して、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間にまとめて1個配置しても良い。
【0134】
一般的に、「導光板を用いたLED看板」であると、構造上、ユニットを横に繋げるため、つなぎ目のない巨大な均一照明の看板を作るのは非常に困難である。これは、LED位置と導光板位置が重なり、隣接する導光板間に隙間を設けないと並べることができないためである。しかし、本実施形態では、照明する面と同一面内にLEDを並べているので、つなぎ目のない巨大な均一照明の看板を得ることができる。
【0135】
本実施形態によれば、光のミキシング性と前方に光を投射する性能に優れる。
【0136】
(第21の実施形態)
図26は、第2の放射側反射手段140の作用説明図である。
同図26に示すように、面照明光源装置100は、第1の放射側反射手段120と、これと対向するように一定の距離を開けて配置された第2の放射側反射手段140とを備えている。第2の放射側反射手段140は多数の微小孔群142を備えている。そして、第1の放射側反射手段120から放出された光が、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140の間で反射を繰り返すことにより、均一に拡散される。そして、そのうち一部の光147が第2の放射側反射手段140の微小孔群142から、矢印のように均一に放出される。すなわち、一点鎖線の円145に示すように、多重反射を繰り返した光147はそれぞれ均一な強度で広角に放射される。従って、広角な幅広のムラのない光ビームを得ることができる。
【0137】
図27(a)(b)は、第2の放射側反射手段140の変形例の作用説明図である。
この変形例においても、図27(a)に示すように、第2の放射側反射手段140は微小孔群142を有している。そして、この微小孔群142の各孔は、図27(b)に示すように、孔に入射された光が該孔の内部で何度も反射するように鏡面に形成されている。
【0138】
図28は、第2の放射側反射手段140の他の変形例の作用説明図である。
この例では、第2の放射側反射手段140を、多層ハーフミラーにより構成している。この多層ハーフミラーは、反射面全面にほぼ均一に形成されている。そして、例えば第1層のハーフミラーを透過した光の一部は第2層のハーフミラーの裏面で反射し、また第1層のハーフミラーを透過した光のうちの残りは第2層のハーフミラーを透過して第3層のハーフミラーに至る。
【0139】
また、非常に薄い金属蒸着膜等も適する。多層に蒸着層を形成してもよい。多層に塗布膜を形成してもよい。一点鎖線の円175に示すように、多層膜の境界面では、屈折率の相違から光が多様に反射する。従ってハーフミラーの各層間で光173が多重反射され、一部が最上層を透過して外部へ射出される。このため、この変形例によっても、微小孔群142を有する第2の放射側反射手段140と同様の作用をする。
【0140】
図29は、第2の放射側反射手段140の別の変形例の作用説明図である。
この変形例では、第2の放射側反射手段140を、反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された光反射粒体182を有するものにより構成する。そして、この光反射粒体182を、透明な樹脂で覆うようにして板状に形成する。光反射粒体182は、光を反射する粒状のものであればよい。透明体中に分散させたガラスビーズでもよい。
【0141】
本変形例によれば、一点鎖線の円181に示すように、光184の一部は反射され、一部が間隙から外部へ射出されるから、微小孔群142を有する第2の放射側反射手段140と同様の作用をする。また、すりガラスのように、反射面全面に形成された光散乱凹凸構造部により出射光量を均一化できる。ガラス表面をサンドブラスト処理したものが適する。また、回折格子のような作用を持つ表面加工処理がされていてもよい。即ち、反射面全面を光回折構造部により構成することで、出射光量を均一化できる。
【0142】
なお、上記の実施形態において、第1の放射側反射手段120は、第1の反射面121に、特定点を対称の中心とし、当該特定点から遠くなるほど単位面積あたりの開口面積の総和が増加するように分布する開口群125を形成することが好ましい。特定点から遠くなるほど開口を通過する光量が増大し、全体として均一な光を放射できる。先の実施形態に示したような放射側反射手段の構造を採用すると、出射光量の均一さが増すことはいうまでもない。また、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140をこれと同一の構造にするようにしてもよい。
【0143】
上記の実施形態において、多重反射を繰り返した光は、最後に外部へ放射される。第2の放射側反射手段140を用いてどの程度まで多重反射をすると出射光量が均一化されるか、多重反射の程度について検討をすると、下記のような結論を得た。即ち、第2の放射側反射手段140の第3の反射面141は、反射損失をゼロと仮定したときに、入射する光の70%以上を反射することが好ましい。
【0144】
反射損失をゼロと仮定したときに、入射する光の70%以上を反射するものを使用すれば、第2の放射側反射手段140の多重反射機能を十分に発揮できる。70%に満たない場合には、光量の均一化が不十分で、コストを考慮すると、第2の放射側反射手段140を省略したほうが良くなる。
【0145】
(第22の実施形態)
図30は、本実施形態の面照明光源装置100を示す縦断面図である。
この面照明光源装置100は、導光体103の放射面104上に、全面にほぼ均一な光散乱面と光透過孔とを有する放射側反射手段190を備える。すなわち、図26〜図29に示した各実施形態の第2の放射側反射手段140と同様の構成のものを、放射側反射手段190として、導光体103内部でのみ多重反射を行うようにした。これで、非常に簡素化されたコストの安い面光源が提供できる。
【0146】
図31は、図18における第2の放射側反射手段140の効果説明図である。
図の横軸は、面照明光源装置100の放射面104の位置座標で、縦軸は出射光量を示す。
【0147】
この図に示すように、第1の放射側反射手段120のみを使用したとき、出射光量Pは開口のピッチに影響された変動を示す。これに対して、第2の放射側反射手段140を合わせて使用すると、全体としてきわめて均質な出射光量Qの特性を得ることができた。
【0148】
なお、図32(a)〜(d)に、実用化できた第1の放射側反射手段120の開口パターンを紹介しておく。第1の放射側反射手段120の開口群125の配置や形状は少しずつ異なるが、いずれも、実用上問題の無い程度に出射光量が均一化されている。
(付記1)
指向性の強い発光源と、該発光源の放射方向に放射面を有する導光体と、前記発光源に囲設されると共に前記導光体の放射面以外の面を閉鎖するケーシングとによって構成される面照明光源装置において、
前記ケーシングと前記導光体の間の全体に設けられた内側反射手段と、
前記放射面に設けられ、前記発光源からの光を所定の割合で反射させる放射側反射手段と、を具備する
ことを特徴とする面照明光源装置。
(付記2)
前記放射側反射手段は、前記発光源から前方に直進する光を所定の範囲で反射させる中央反射部であることを特徴とする付記1記載の面照明光源装置。
(付記3)
前記放射側反射手段は、前記導光体に設けられた中央反射部から外方に所定の間隔を空けて配されたリング状の外方反射部を具備することを特徴とする付記2記載の面照明光源装置。
(付記4)
前記中央反射部は、その中央部分に所定の範囲の光透過部を具備することを特徴とする付記2又は3記載の面照明光源装置。
(付記5)
前記中央反射部は、前記放射面に設けられた円形の反射板又は反射膜であり、前記外方反射部は、前記円形の反射板又は反射膜から所定の間隔で、前記反射板又は反射膜に同心に形成された環状の反射板又は反射膜であることを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載の面照明光源装置。
(付記6)
前記中央反射部は、前記放射面に設けられ、前記ケーシングと相似形状に形成された反射板又は反射膜であり、前記外方反射部は所定の間隔で前記反射板又は反射膜に形成された帯状の反射板又は反射膜であることを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載の面照明光源装置。
(付記7)
前記中央反射部は、前記発光源の前面の前記放射面に形成された所定の頂角を有する錐形状の反射体であることを特徴とする付記2記載の面照明光源装置。
(付記8)
点光源から出力される光をその点光源から所定距離だけ離れた場所に配置した平面上で直接受光したとき、当該平面上での受光強度分布が、前記点光源から最短距離の基準点で最高値を示し、その基準点を中心にしてその基準点から離れるに従って漸減するような出力特性を持つ点光源と、
前記平面と平行な放射面と、当該放射面と略平行な背面と、前記放射面と背面の外周に配置された側面とを有し、かつ、前記放射面と背面と側面により囲まれた閉空間に設けられた光学的に透明な導光体と、
前記放射面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記背面もしくは側面方向に反射する放射側反射手段と、
前記背面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記放射面もしくは側面方向に反射する内側反射手段とを備え、
前記点光源と前記基準点とを結ぶ基準線と前記放射面との交点を特定点と呼ぶとき、前記放射側反射手段は、前記特定点を含み、当該特定点を中心とする円または正多角形の反射体と、当該反射体を取り囲み、前記円の円弧または前記正多角形の辺に平行なスリット群を有する反射体から成ることを特徴とする面照明光源装置。
(付記9)
点光源から出力される光をその点光源から所定距離だけ離れた場所に配置した平面上で直接受光したとき、当該平面上での受光強度分布が、前記点光源から最短距離の基準点で最高値を示し、その基準点を中心にしてその基準点から離れるに従って漸減するような出力特性を持つ点光源と、
前記平面と平行な放射面と、当該放射面と略平行な背面と、前記放射面と背面の外周に配置された側面とを有し、かつ、前記放射面と背面と側面により囲まれた閉空間に設けられた光学的に透明な導光体と、
前記放射面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記背面もしくは側面方向に反射する放射側反射手段と、
前記背面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記放射面もしくは側面方向に反射する内側反射手段とを備え、
前記光源と前記基準点とを最短距離で結ぶ基準線と前記放射面との交点を特定点と呼ぶとき、前記放射側反射手段は、前記特定点を含み、当該特定点を通過する直線に対して対称な形状の方形の反射体と、当該反射体を間に挟み、前記直線と平行なスリット群を有する反射体から成ることを特徴とする面照明光源装置。
(付記10)
前記導光体は任意の湾曲面に沿うように湾曲していることを特徴とする付記8または9に記載の面照明光源装置。
(付記11)
前記導光体は柔軟な板状体からなることを特徴とする付記8または9に記載の面照明光源装置。
(付記12)
前記放射面上に貼り付けられたフィルムに前記スリットが設けられていることを特徴とする付記8または9に記載の面照明光源装置。
(付記13)
前記放射面上に貼り付けられたフィルムは、スリット状の透明な部分と反射体部分とを有することを特徴とする付記12に記載の面照明光源装置。
(付記14)
前記反射体は、光吸収体、乱反射体、もしくは反射膜の積層体であることを特徴とする付記8または9に記載の面照明光源装置。
(付記15)
点光源から出力される光をその点光源から所定距離だけ離れた場所に配置した平面上で直接受光したとき、当該平面上での受光強度分布が、前記点光源から最短距離の基準点で最高値を示し、その基準点を中心にしてその基準点から離れるに従って漸減するような出力特性を持つ点光源と、
前記平面と平行な放射面と、当該放射面と略平行な背面と、前記放射面と背面の外周に配置された側面とを有し、かつ、前記放射面と背面と側面により囲まれた閉空間に設けられた光学的に透明な導光体と、
前記放射面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記背面もしくは側面方向に反射する放射側反射手段と、
前記背面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記放射面もしくは側面方向に反射する内側反射手段とを備え、
前記点光源と前記基準点とを結ぶ基準線と前記放射面との交点を特定点と呼ぶとき、前記放射面上には、前記特定点に近い部分が厚く、特定点から遠ざかるほど薄い金属蒸着膜が形成されていることを特徴とする面照明光源装置。
(付記16)
付記1乃至12のいずれか一つに記載の、点光源を導光体中に複数配置することによって構成されたことを特徴とする面照明装置。
(付記17)
光源から出力される光をその光源から所定距離だけ離れた場所に配置した平面上で直接受光したとき、当該平面上での受光強度分布が、前記光源から最短距離の基準点で最高値を示し、その基準点を中心にしてその基準点から離れるに従って漸減するような出力特性を有する点光源と、
前記平面と平行な放射面と、当該放射面と略平行な背面と、前記放射面と背面の外周に配置された側面とを有し、かつ、前記放射面と背面と側面により囲まれた閉空間に設けられた光学的に透明な導光体と、
前記背面および側面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を反射する反射面を有する内側反射手段と、
前記放射面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記背面もしくは側面方向に反射する第1の反射面と、前記光源と前記基準点とを結ぶ基準線と前記放射面との交点を特定点と呼ぶとき、当該特定点を対称の中心として分布するように前記第1の反射面に形成した開口群と、前記第1の反射面の裏側にあって前記開口群を通過して放射される光の戻り分を反射する第2の反射面を有する第1の放射側反射手段と、
前記第1の放射側反射手段と対向するように一定の距離を開けて配置され、前記第1の放射側反射手段の開口を通過して放射される光を前記第1の放射側反射手段の第2の反射面方向に反射する第3の反射面と、この反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された微小孔群を有する第2の放射側反射手段を備えたことを特徴とする面照明光源装置。
(付記18)
付記17に記載の面照明光源装置において、
前記微小孔群は、10μm以上100μm以下の直径を持つことを特徴とする面照明光源装置。
(付記19)
付記17に記載の面照明光源装置において、
前記微小孔群の開口面積の総和は、前記第2の放射側反射手段の全面積の10%以上60%以下であることを特徴とする面照明光源装置。
(付記20)
付記17に記載の面照明光源装置において、
前記第2の放射側反射手段を、反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された微小孔群を有するものに代えて、反射面全面にほぼ均一に形成された多層ハーフミラーにより構成することを特徴とする面照明光源装置。
(付記21)
付記17に記載の面照明光源装置において、
前記第2の放射側反射手段を、反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された微小孔群を有するものに代えて、反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された光反射粒体を有するものにより構成することを特徴とする面照明光源装置。
(付記22)
付記17に記載の面照明光源装置において、
前記第2の放射側反射手段を、反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された微小孔群を有するものに代えて、反射面全面に形成された光散乱凹凸構造部により構成することを特徴とする面照明光源装置。
(付記23)
付記17に記載の面照明光源装置において、
前記第2の放射側反射手段を、反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された微小孔群を有するものに代えて、反射面全面に設けられた光回折構造部により構成することを特徴とする面照明光源装置。
(付記24)
付記17に記載の面照明光源装置において、
前記第1の放射側反射手段は、前記第1の反射面に、前記特定点を対称の中心とし、当該特定点から遠くなるほど単位面積あたりの開口面積の総和が増加するように分布する開口群を形成していることを特徴とする面照明光源装置。
(付記25)
付記24に記載の面照明光源装置において、
前記第2の放射側反射手段を、反射面全面にほぼ均一な密度で分布するように形成された微小孔群を有するものに代えて、前記特定点を対称の中心とし、当該特定点から遠くなるほど単位面積あたりの開口面積の総和が増加するように分布する開口群を形成したことを特徴とする面照明光源装置。
(付記26)
付記1乃至25のいずれかに記載の面照明光源装置において、
前記第3の反射膜は、反射損失をゼロと仮定したときに、入射する光の70%以上を反射することを特徴とする面照明光源装置。
(付記27)
光源から出力される光をその光源から所定距離だけ離れた場所に配置した平面上で直接受光したとき、当該平面上での受光強度分布が、前記光源から最短距離の基準点で最高値を示し、その基準点を中心にしてその基準点から離れるに従って漸減するような出力特性を有する点光源と、
前記平面と平行な放射面と、当該放射面と略平行な背面と、前記放射面と背面の外周に配置された側面とを有し、かつ、前記放射面と背面と側面により囲まれた閉空間に設けられた光学的に透明な導光体と、
前記背面および側面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を反射する反射面を有する内側反射手段と、
前記放射面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記背面もしくは側面方向に反射する反射面と、この反射面全面にほぼ均一な光散乱面と光透過孔とを有する放射側反射手段を備えたことを特徴とする面照明光源装置。
(付記28)
付記1乃至27のいずれかに記載の面照明光源装置において、
前記第1の放射側反射手段と第2の放射側反射手段と導光体の背面のうちの全部または一部が、前記光源を通る前記基準線を対称軸とする球面または多面体であることを特徴とする面照明光源装置。
(付記29)
付記1乃至27のいずれか一つに記載の面照明光源装置を複数配置することによって構成されたことを特徴とする面照明装置。
(付記30)
光源から出力される光をその光源から所定距離だけ離れた場所に配置した平面上で直接受光したとき、当該平面上での受光強度分布が、前記光源から最短距離の基準点で最高値を示し、その基準点を中心にしてその基準点から離れるに従って漸減するような出力特性を有する点光源と、
前記平面と平行な放射面と、当該放射面と略平行な背面と、前記放射面と背面の外周に配置された側面とを有し、かつ、前記放射面と背面と側面により囲まれた閉空間に設けられた光学的に透明な導光体と、
前記背面および側面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を反射する反射面とを有する内側反射手段と、
前記放射面上に配置され、前記導光体内部を伝搬する光を前記背面もしくは側面方向に反射する反射面と、前記光源と前記基準点とを結ぶ基準線と前記放射面との交点を特定点と呼ぶとき、当該特定点を対称の中心として分布するように前記反射面に形成した開口群とを有する放射側反射手段とを備え、
前記導光体の背面と側面と前記放射面に囲まれた空間を多重反射した光を外部に放射する光源装置モジュールを、ほぼ一定の間隔で配列したことを特徴とする面照明装置。
【符号の説明】
【0149】
1、1' 面照明光源装置
2 発光源
3 導光体
3A 放射面
4 ケーシング
5 内側反射部
5' 反射部材
6、10 放射側反射部
6A、10A 中央反射部
6B、10B 外方反射部
6C 中央光透過部
7 外方光透過部
8 反射体
9 光透過基板
20、20' 面照明装置
30 光拡散プレート
50 平面
51 特定点
52 背面
53 側面
58 基準線
59 基準点
61 端面
63 反射体
64 反射体
65 スリット群
68 直線
69 端面
71 壁
72 実線
73 面照明光源装置
74 スリット
80 フィルム
81 スリット
90 面照明光源装置
91 点光源
95 パタン
96 ガラス板
97 反射膜
100 面照明光源装置
101 特定点
102 点光源
103 導光体
104 放射面
105 背面
106 側面
110 内側反射手段
115 隔壁
120 第1の放射側反射手段
121 第1の反射面
122 第2の反射面
125 開口群
130 面照明装置
131 光
132 光
133 光
140 第2の放射側反射手段
141 第3の反射面
142 微小孔群
145 円
147 光
150 反射体
160 モジュール
161 余剰の空間
162 隔壁
165 反射体
168 基準線
173 光
175 円
181 円
182 光反射粒体
184 光
190 放射側反射手段
260 放射側反射手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性の強い点光源と、所定面積の底面及び側面並びに開口を有し内壁面に内側及び側面反射部が設けられたケーシングと、前記開口を覆う放射側反射手段とを備え、
前記ケーシングは、その底面の中央部に前記点光源が配設されて、
前記放射側反射手段は、前記点光源からの光の一部を透過、反射及び乱反射する第1の放射側反射手段と、前記第1の放射側反射手段の放射側と対向し一定の距離をあけて配置され前記第1の放射側反射手段を通過した光の一部を反射及び透過する第2の放射側反射手段とからなり、前記第1の放射側反射手段は、前記点光源からの光の一部を前記ケーシング内へ反射させる第1の反射面と、前記第1の反射面の反対側にあって光を反射させる第2の反射面とを有し、前記第2の放射側反射手段は、前記第1の放射側反射手段を通過した光を反射して前記第2の反射面との間で多重反射させる第3の反射面とを有し、
前記第1の放射側反射手段の前記第1の反射面は、前記点光源の真上部分に所定範囲の中央反射部と該中央反射部の外周囲に外方反射部とを有し、前記外方反射部は、一部光を透過、反射及び乱反射して所定の反射率を有した反射部材からなり、前記中央反射部は前記外方反射部の反射率より高い反射率を有する光透過性の反射部で形成されていることを特徴とする面照明光源装置。
【請求項2】
前記外方反射部の反射率は、75%〜99.3%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項3】
前記点光源は、1個の発光ダイオード又は複数個の発光ダイオードの集合体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項4】
前記中央反射部は、その一部にスリット又は開口が設けられ、或いは肉薄に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項5】
前記外方反射部は、前記中央反射部から遠ざかるに従って光透過量が大きくなるスリットを設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項6】
前記中央反射部及び外方反射部は、いずれも反射ドットからなり、前記中央反射部の反射ドットの密度分布が前記外方反射部の反射ドットの密度分布より高くなっていることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項7】
前記ケーシングは、平面視で方形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項8】
前記ケーシングの側面は、前記底面の端部から外側へ広がった形状になっていることを特徴とする請求項7に記載の面照明光源装置。
【請求項9】
前記内側及び側面反射部は、超微細発泡光反射部材であり、前記放射側反射手段は、超微細発泡光反射部材であることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項10】
前記内側及び側面反射部は、超微細発泡光反射部材であり、前記放射側反射手段は、チタンホワイト又はポリテトラフロロエチレンの微粒子を含む塗布膜であることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項11】
前記内側及び側面反射部は、チタンホワイト又はポリテトラフロロエチレンの微粒子を含む塗布膜であり、前記放射側反射手段は、ポリテトラフロロエチレンの微粒子を含む塗布膜であることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項12】
前記第2の放射側反射手段は、直径が10μm以上100μm以下の微小孔が複数個分散されたものであることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項13】
前記第2の放射側反射手段は、ハーフミラーで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項14】
前記第2の放射側反射手段は、光拡散板であることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項15】
前記第2の放射側反射手段は、光回折構造部で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面照明光源装置。
【請求項16】
前記ケーシングは、内部に前記点光源が複数個配設されて、前記各点光源の真上にそれぞれ請求項1に記載の放射側反射手段が設けられていることを特徴とする面照明光源装置。
【請求項17】
前記ケーシングは、内部が複数に区画されて、該区画された底面の中央部にそれぞれ1個の点光源が配設されて、前記各点光源の真上に請求項1に記載の放射側反射手段が設けられていることを特徴とする面照明光源装置。
【請求項18】
前記点光源は、光の三原色である赤、青、緑の発光素子を含むものであることを特徴とする請求項16又は17に記載の面照明光源装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の面照明光源装置を複数個配置することによって構成されたことを特徴とする面照明装置。
【請求項20】
前記複数の第2の放射側反射手段は、一体に結合されていることを特徴とする請求項19に記載の面照明装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【図3】
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【図16】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−94087(P2009−94087A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13693(P2009−13693)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【分割の表示】特願2006−348670(P2006−348670)の分割
【原出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(500420476)株式会社オプトデザイン (48)
【Fターム(参考)】