説明

面発光装置、面発光装置を利用する面状照明装置及び広告表示装置

【課題】 広い発光面積を得ることを可能にする面発光装置を提供する。
【解決手段】 放熱部材13を、給電ユニット収納部25が導光板15の裏面側に位置するように構成する。放熱部材13をさらに、LED基板11の複数の発光ダイオードLEDが導光板15の外端面16と対向する姿勢になるようにLED基板11を支持するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光装置、面発光装置を利用する面状照明装置及び広告表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2004−325604号公報[特許文献1]には、複数の発光ダイオードを備えた回路基板と電源を収納する表示ユニットホルダに発光面を備えた表示ユニットを備え、表示ユニットホルダ及び回路基板に放熱板を接続して、電源及び発光ダイオードからの熱を放熱する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−325604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の面発光装置では、発光面を備えた表示ユニットと表示ユニットホルダとが同一面方向に並んでいる。そのため複数の面発光装置を自由に並べることにより広い発光面積を確保することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、広い発光面積を得ることを可能にする面発光装置を提供することにある。
【0006】
上記目的に加えて、本発明の他の目的は、放熱性能を向上させた面発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の面発光装置は、LED基板と、導光板と、放熱部材とを具備している。LED基板には、複数の発光ダイオードが列をなすように表面に実装されている。導光板は、LED基板に実装された複数の発光ダイオードからの光を外端面から内部に導光して、前面から放射する。放熱部材は、LED基板の裏面を熱伝達可能に支持して、LED基板からの熱を放熱する。本発明の放熱部材は特に、LED基板に沿って延びた状態で給電ユニットを収容する給電ユニット収納部を備えている。給電ユニットは、電源からLED基板に電力を供給する給電線と、給電線の両端にそれぞれ配置された電気コネクタとからなる。放熱部材は、給電ユニット収納部が導光板の裏面側に位置するように構成されている。放熱部材はまた、LED基板の複数の発光ダイオードが導光板の外端面と対向する姿勢になるようにLED基板を支持するように構成されている。このようにすると、給電ユニット収納部が導光板の裏面側に位置し、且つLED基板が導光板の外端面と対向する姿勢で放熱部材に支持されるので、導光板の周囲に給電ユニット収納部が位置せず且つ導光板を正面から見たときのLED基板の設置幅も狭くなる。そのため、複数の面発光装置を並べた場合において、正面側から見て発光しない領域を極力小さくすることが可能になる。
【0008】
給電ユニット収納部の内部にLED基板の少なくとも一部を収納し、LED基板の一部に電気コネクタを取り付けるようにすると、電気コネクタとLED基板との電気的接続と電気コネクタの設置の両方を簡単に実現できる。
【0009】
放熱部材は、給電ユニット収納部が形成されて導光板に沿って延びる主壁部と、この主壁部と直交し且つ導光板の外端面に沿って延びる周壁部とを備えた一面開口状の筺体とすることができる。このように構成すると、筐体全体から放熱をすることができるため、複数の面発光装置を並べた場合であっても必要十分な放熱性能を確保することができる。また、放熱部材即ち筐体が一面開口状に形成されているので、面発光装置の表面が筐体に覆われることがない。そのため、本発明の面発光装置では、発光面を最大限大きくすることができる。
【0010】
放熱部材が筐体を構成する場合には、放熱部材は例えば主壁部が四角形形状を呈しており、周壁部が主壁部の4つの辺から延びる4つの側壁部から構成された形状とすることができる。筐体をこのような形状にすると、複数の面発光装置を最も近接した状態で並べて広い発光面積を確保することができる。なお主壁部が三角形、六角形または八角形等の多角形形状を有していてもよく、また主壁部を円形形状としてもよい。これらの場合には、周壁部を多角形の各辺または円の外周部から延びる形状とすることができる。
【0011】
放熱部材が筐体を構成する本発明の面発光装置では、放熱部材即ち筐体は側壁部によって囲まれる開口部を備えた一面開口状に形成されている。そのため、導光板が開口部から外れないようするために、導光板を面発光装置に固定する必要がある。このような場合には、導光板を貫通し筐体の主壁部に固定される1以上の固定部材で、導光板を固定すればよい。このように構成すると、筐体を一面開口状にしても、導光板が面発光装置から外れることがなくなる。
【0012】
筐体を一面開口状にして側壁部の端面だけが導光板の周囲に見えるように面発光装置を構成すると、複数の発光ダイオードから出る光のうち、導光板に入射せずに、LED基板付近から面発光装置の前面(発光面側)に向かう光も存在する。導光板に導光されせずに面発光装置の発光面に向かう光は、導光板から出る光よりも高い輝度を有している。そのため、LED基板付近の面発光装置の発光面には、複数の発光ダイオードに沿って輝線が生じる。そこで、複数の発光ダイオードから出て導光板に入射しなかった光の少なくとも一部を、面発光装置の発光面に向かう方向以外の方向に放射するプリズムを筐体の側壁部に沿って設けるのが好ましい。このようにすると、複数の発光ダイオードから出て導光板に入射しなかった光が、面発光装置の発光面に直接入射する量を減じることができるので、LED基板付近の面発光装置の発光面に、輝線が生じるのを阻止することができる。なお、プリズムが面発光装置の発光面に向かう方向以外の方向に放射する光の割合は、面発光装置の設計等により適宜に定めることができ、輝線が生じる箇所も面発光装置の平均輝度になるように設定することが望ましい。複数の発光ダイオードから出て導光板に入射しなかった光の殆どまたは全部を面発光装置の発光面に向かう方向以外の方向に放射することもできる。
【0013】
筐体内には、LED基板が設けられた側壁部の一部分と対向する他の側壁部の一部分に沿って別のプリズムを配置してもよい。他の側壁部の一部分に沿って配置された別のプリズムは、導光板と他の側壁部との間の隙間から漏れ出た光の少なくとも一部を面発光装置の発光面に向かう方向以外の方向に放射する。導光板と他の側壁部との間の隙間から漏れ出た光も、導光板の表面から放射される光よりも高い輝度を有している。そのため、導光板と他の側壁部の一部分との間の隙間から漏れ出た光により、他の側壁部付近の面発光装置の発光面にも輝線が生じることがある。そこでこのような場合には、別のプリズムを配置することにより、他の側壁部付近の面発光装置の発光面に輝線が生じることを阻止することができる。
【0014】
導光板の表面上には、導光板の表面から放射された光を拡散して透過する拡散板または拡散シートが直接または隙間をあけて配置するのが一般的である。この場合、拡散板または拡散シートは、外周縁が側壁部に近接する大きさを有しているのが好ましい。拡散板または拡散シートは、導光板の表面から放射された光を拡散するために、例えば乳白色のものを用いることができる。また拡散シートには、光を拡散するために加工が表面等に施された無色透明のプリズムシートやレンズシートを用いることもできる。このようにすると輝線発生の原因となる光の分散を促進できる。しかし、このように拡散板または拡散シートを配置した場合でも輝線の発生を確実に阻止することができない。そこでLED基板を覆う拡散板または拡散シートの部分の上には、面発光装置の発光面に向かう方向以外の方向に少なくとも一部の光を放射するプリズムを側壁部に沿って配置するのが好ましい。特に拡散板または拡散シートが配置されている場合には、プリズムを配置するのが容易となる。またこの場合にも前述と同様にこのプリズムと対向する側壁部の他の部分に沿って別のプリズムを配置するのが好ましい。なお、プリズムのみで導光板の表面から放射された光を十分に拡散することができる場合には、プリズムを配置するのを容易にするために、透明の板またはシートを配置してもよい。
【0015】
プリズムは、直交する第1及び第2の面と該第1及び第2の面とつながり傾斜する第3の面とを備えた細長い三角プリズムとすることができる。この場合には、第3の面が筐体の側壁部と対向するように配置する。このようなプリズムを用いると、プリズムがスぺーサとしても機能するので、スペーサを別部材として準備する必要がなくなる。なお、プリズムは、側壁面に沿った形状を有していればよく、面発光装置性能等に応じて、例えば底面が半円状の細長い柱体または底面が円弧状の細長い柱体のプリズムとしてもよい。また側壁が円形状に形成されている場合には、円形のプリズムとするのが好ましい。
【0016】
具体的な面発光装置としては、例えば、導光板と主壁部との間に、反射シートまたは反射板を配置する。導光板の表面上には、プリズムを介して、導光板の表面から放射された光を拡散して透過する拡散シートまたは拡散板を配置する。そして、拡散シートまたは拡散板の上に光透過性を有する表面板を配置したものとすることができる。
【0017】
建築基準法においては、建築用の用途・階数・部位などによって壁・床・梁などを耐火性能・防火性能を持つ構造及び材料で構成することが必要とされ、その対象となる場合には、天井照明を耐火・防火材で構成することが求められる。そこで、具体的な面発光装置においては、表面板は耐火・防火材である強化ガラスからなることが好ましい。このように構成すると、本発明の具体的な面発光装置を天井照明等に使用する場合に必要な耐火・防火上の性能を備えた表面板とすることができる。
【0018】
本発明の面発光装置は、例えば複数並べて面状照明装置として使用することができる。特に、放熱部材が一面開口状の筺体からなる場合には、面発光装置の発光面側に筐体の一部が存在する比率が少ないため、隣り合う面発光装置間の境界の存在がわかりづらくなり、複数に並んだ面発光装置で一つの照明を形成している印象を面発光装置を見た者に与えることができる。
【0019】
本発明の面発光装置は、表面板の裏面側に広告が記載された光透過性を有する広告シートが配置されている広告表示装置としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を天井照明に適用した場合の面発光装置を発光面側から見た正面図である。
【図2】図1のII−II線断面の端面図である。
【図3】図2の破線IIIで囲んだ部分の一部を分解して拡大した図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の面発光装置の一部を破断状態で示した図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の面発光装置の一部を破断状態で示した図である。
【図6】図5の破線VIで囲んだ部分の一部を分解して拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面を参照して本発明の面発光装置の実施の形態の例を詳細に説明する。図1は、本発明の面発光装置を天井照明に適用した場合の面発光装置1を発光面側(前面側)から見た正面図であり、図2は図1のII−II線断面の端面図、図3は図2の破線IIIで囲んだ部分の一部を分解して拡大した図である。この面発光装置1は、4カ所の固定部材3を用いて各部品が相互に固定された状態になっている。固定部材3は、ボルト3aと、ボルト3aを面発光装置の裏面側に固定するナット3bと、ボルト3aの表示面側の先端を覆うカバー部材3cとから構成されている。なお面発光装置1の天井への取付方法は任意であるが、固定部材3を利用して、面発光装置1を天井に取り付けることができる。例えば、ナット3bを天井側に設置しておけば、図1の構造でもそのまま取付が可能である。
【0022】
本実施の形態の面発光装置1は、長尺状のLED基板11と、筐体を構成する放熱部材13と、導光板15と、給電ユニット17と、三角プリズム19及び21と、表面板23と、反射シート27とを備えている。LED基板11は、表面に複数の発光ダイオードLEDが列をなすように実装された回路パターン(図示せず)を有している。図示しない回路パターンは、複数の発光ダイオードLEDにそれぞれ直流電圧または交流電圧を印加できるように構成されている。
【0023】
放熱部材13は、面発光装置1の裏面側に位置して導光板15に沿って延びる主壁部13aと、主壁部13aと直交する4つの側壁部13b〜13eからなる周壁部13fとを備えている。放熱部材13は、複数の発光ダイオードLEDから出る熱を放熱するため、アルミニウムや銅のように熱伝導性の高い材料から形成されている。主壁部13aは、輪郭形状が四角形形状を有している。側壁部13b〜13eからなる周壁部13fは、主壁部13aの4つの辺から主壁部13aと直交する方向に延びている。放熱部材13は、折り曲げ加工とプレス加工とにより形成されているため、側壁部13b〜13eと主壁部13aは一体に成形されている。そして放熱部材13は、4つの側壁部13b〜13eからなる周壁部13fによって囲まれた開口部14を備えた一面開口状を呈している。LED基板11は、4つの側壁部13b〜13eのうち、1つの側壁部13bに接着剤若しくは両面テープにより支持されている。
【0024】
放熱部材13の主壁部13aには、LED基板11が設けられた側壁部13bに沿って延びる凹部24aが形成されており、また側壁部13bと対向する側壁部13dに沿って延びる凹部24bが形成されている。凹部24a及び24bは、開口部14に向かって開口しており、また凹部24a及び24bの長手方向の両端がそれぞれ断面方向に開口している。本実施の形態では、凹部24aが、給電ユニット17を収容する給電ユニット収納部25を構成している。凹部24aの長手方向の両端からは、後述するコネクタ18が嵌合されている。図3において、符号18a及び18bはコネクタ18の端子である。給電ユニット17を給電ユニット収納部25に収納することにより、給電ユニット17は導光板15の裏面側に位置する。また主壁部13aには、固定部材3のボルト3aが貫通する4つの貫通孔13hが形成されている。
【0025】
LED基板11は、複数の発光ダイオードLEDが導光板15の外端面16と対向する姿勢になるように、側壁部13bに支持されている。具体的には、側壁部13bにLED基板11の裏面が接着剤により熱伝達可能に取り付けられている。そのため本実施の形態によれば、放熱部材13が、LED基板11から発生する熱を側壁部だけでなく主壁部からも放熱する。
【0026】
導光板15は、透明なアクリル板により形成されており、放熱部材13の主壁部13aに沿い、かつ、主壁部13aの全体に亘って延びるように輪郭が四角形形状に形成されている。導光板15の4つの側面からなる外端面16の一部(一つの側面16a)は、LED基板11の複数の発光ダイオードLEDと対向するように配置されている。導光板15は、LED基板11の複数の発光ダイオードLEDからの光を外端面16に含まれる一つの側面16aから内部に導光して、導光した光を開口部14に向かう前面から放射する。導光板15の裏面には、導光板15に入射した光を前面から放射するための反射シート27が全面的に貼り付けられている。なお、導光板15の裏面に反射シートを貼り付ける代わりに、導光板15と放熱部材13の主壁部13aとの間に、導光板15の裏面側と全面的に対向する反射板を配置してもよい。また放熱部材13の主壁部13aの表面を白色塗装することにより、反射シートの代わりとしてもよい。導光板15には、固定部材3のボルト3aが貫通する位置に、4つの貫通孔15hが設けられている。導光板15は、気温や発光ダイオードLEDの発生する熱により、伸縮する。そのため、本実施の形態では、導光板15の形状寸法を、LED基板11の発光ダイオードLED及び側壁部13c乃至13eとの間に、伸縮を許容することができる隙間が形成されるように定めている。そのため、導光板15が熱により伸縮しても、導光板15の外端面16がLED基板11の発光ダイオードLEDまたは側壁部13c乃至13eと接触して、発光ダイオードLEDが壊れたり、導光板15が変形することを防止することができる。
【0027】
給電ユニット17は、電源からLED基板11に電力を供給する図示しない2本の給電線と、この給電線の両端に設けられた一対のコネクタ18とを備えている。2本の給電線は、LED基板11に沿って延びており、両端には一対の電気コネクタ18が配置されている。2本の給電線は、図3に示す端子18a及び18bに接続されている。なおLED基板11を給電ユニット収納部25の内部に一部が収納される大きさとし、給電ユニット収納部25の内部に収納されたLED基板11の一部に電気コネクタ18を実装するようにしてもよい。この場合、給電ユニット17は、図示しない接続手段を介してLED基板11の回路パターンに給電線から電力を供給する。なお、図2及び図3においては、理解を容易にするために、LED基板11の厚み寸法を誇張して示している。給電線の両端に配置された電気コネクタ18は、例えば、一方の端部のコネクタを2本の雄型端子を備えた雄型コネクタとし、他方の端部のコネクタを2本の雌型端子を備えた雌型コネクタとすることができる。
【0028】
導光板15の表面上には、LED基板11及び側壁部13bに沿うように、透明なアクリル製の細長い三角プリズム19が配置されている。図3に示すように、三角プリズム19は、導光板15の表面と平行な第1の面19aと、導光板15の表面及び第1の面19aと直交する第2の面19bと、第1の面19aと第2の面19bとつながり傾斜する第3の面19cとを備えている。第3の面19cは、側壁部13bと対向するように設けられている。三角プリズム19は、第1の面19aの一部が導光板15に取り付けられており、導光板15に取り付けられていない部分は、LED基板11の表面側を覆っている。このように構成すると、複数の発光ダイオードLEDから出る光のうち、導光板15に入射せずに、LED基板11付近から面発光装置1の前面(発光面側)に向かう光の大部分は、三角プリズム19に第1の面19aから入射する。三角プリズム19は、第1の面19aから入射した光の少なくとも一部を第3の面19cで反射し、第2の面19bから面発光装置1の発光面に向かう方向以外の方向に放射する。従って、複数の発光ダイオードLEDから出た光が、直接の発光面に向かって放射される量を減じるので、LED基板11付近の面発光装置1の発光面に、輝線が生じることがなくなり、発光面をほぼ均一に発光させることができる。
【0029】
図2に示すように、導光板15の表面上にはさらに、側壁部13bと対向する側壁部13dに沿って、透明なアクリル製の細長い別の三角プリズム21が配置されている。この三角プリズム21は、前述の三角プリズム19と同様の構成を有している。三角プリズム21は、第1の面21aの一部が導光板15の表面と接触している。また三角プリズム21は、第1の面21aと第3の面21cとがつながる角部(三角柱の辺)が側壁部13dと近接するように隙間を空けて配置されている。このように構成すると、導光板15と側壁部13dとの間の隙間から漏れ出て面発光装置1の前面に向かう光の大部分は、三角プリズム21に第1の面21aから入射する。三角プリズム21は、第1の面21aから入射した光の少なくとも一部を、第3の面21cで反射して面発光装置1の発光面に向かう方向以外の方向に第2の面21bから放射する。従って、導光板15と側壁部13dとの間の隙間から漏れ出た光が、面発光装置1の発光面に向かって直接放射される量が減じるので、側壁部13d付近の面発光装置1の発光面に、輝線が生じることがなくなり、発光面をほぼ均一に発光させることができる。
【0030】
また放熱部材13の側壁部13b及び側壁部13dに沿う部分にそれぞれ三角プリズム19及び21をそれぞれ設けると、三角プリズム19及び21が、導光板15と表面板23とを所定の間隔に離隔するスペーサの一部として機能する。
【0031】
導光板15の前面側に、三角プリズム19及び21を介して配置された表面板23は、拡散板として機能するフロントガラスや磨りガラスの強化ガラス23aと、フロントガラスや磨りガラスの強化ガラス23aの前面側に設けられた透明の強化ガラス23bとからなる合せ強化ガラスとして構成されている。導光板15と表面板23の強化ガラス23aとの間には、固定部材3のボルト3aが通る位置に、導光板15と表面板23とを所定の間隔に離隔する筒状のスペーサSPが設けられている。ボルト3aはスペーサSPの内部を貫通する。従って本実施の形態においては、表面板23は、三角プリズム19及び21と、スペーサSPとにより、導光板15の前面側に所定の間隔をあけて配置されている。表面板23は、外周面が放熱部材13の側壁部13b〜13eと僅かな隙間をあけて対向する大きさを有する四角形形状に形成されている。本実施の形態では、表面板23が、建築基準法で耐火・防火が要求される建築物の天井照明に使用する場合に必要な耐火・防火上の性能を満たすために、強化ガラスにより構成されている。しかし耐火性・防火性を要求されない用途では、表面板23を拡散板として機能する乳白色のアクリル板と透明なガラス調のアクリル板を重ね合わせて構成してもよい。
【0032】
表面板23の表面には、4つの固定部材3のボルト3aの頭部を覆うカバー部材3cが4つ設けられている。本実施の形態においては、導光板15及び表面板23は、4つの固定部材3により主壁部13aに固定されている。
【0033】
本実施の形態の面発光装置1では、給電ユニット収納部25が導光板15の裏面側に位置するように放熱部材13を構成している。また放熱部材13は、LED基板11の複数の発光ダイオードLEDが導光板15の外端面16に含まれる一つの側面16aと対向する姿勢になるようにLED基板11を支持している。従って、導光板15の面方向に並ぶように給電ユニット収納部25が位置せず、しかも導光板15を正面から見たときのLED基板11の設置幅も狭くすることができる。そのため、面発光装置1を正面側から見た場合に、発光しない領域を極力小さくすることが可能になる。すなわち実質的に放熱部材13の周壁部13fの壁の厚みに相当する幅の非発光部を有する面発光装置1が得られる。
【0034】
また本実施の形態では、放熱部材13は、一面開口状の筺体として構成されている。そのため、LED基板11で発生した熱を筐体全体から放熱をすることができ、複数の面発光装置を並べた場合であっても必要十分な放熱性能を確保することができる。また、固定部材3により、導光板15及び表面板23を主壁部13aに固定しているので、放熱部材13の側壁部の構造を、導光板15及び表面板23の抜け止めを図るような構造とする必要がない。そのため面発光装置1の発光面が筐体の一部によって覆われるようなことがない。従って、発光面を最大限大きくすることができる。
【0035】
図4は、本発明の第2の実施の形態の面発光装置の一部を破断状態で示した図である。図4に示す面発光装置のうち、図1に示す面発光装置と構造が同様の部材については、図1に付した符号に100を加えた符号を付してその説明を省略する。本例の面発光装置101では、放熱部材113の他方の側壁部113dにも別のLED基板112が設けられている。したがって導光板115には、放熱部材113の側壁部113b及び113dと対向する外端面116の対向する2つの側面116a及び116bから光が入射される。また導光板115の表面上には、導光板115の表面から放射された光を拡散して透過する乳白色の拡散シート131が直接貼り付けられている。この拡散シート131は、外周縁が側壁部113b〜113eに近接する大きさを有している。そして、2つの三角プリズム119及び121は、拡散シート131上に配置されている。なお、乳白色の拡散シートの代わりに、プリズムシートまたはレンズシートを用いてもよい。
【0036】
拡散シート131の上には、拡散シート131と間隔を開けて光を拡散して透過する拡散板132が設けられている。拡散板132は、スペーサSPと、三角プリズム119及び121とにより、拡散シート131が貼り付けられた導光板115との間に所定の間隔を空けて配置されている。拡散板132は、外周縁が側壁部113b〜113eに近接する大きさを有している。そして、拡散板132の表面側には、三角プリズム119及び121に対応する位置に、三角プリズム135及び137が設けられている。
【0037】
更に拡散板132の上には、拡散板132から放射された光を拡散して透過する拡散板133がさらに設けられている。拡散板133は、スペーサSPと、三角プリズム135及び137とにより、拡散板132との間に所定の間隔を空けて配置されている。拡散板133は、外周縁が側壁部113b〜113eに近接する大きさを有している。表面板123は、拡散板133の上に配置される。本実施の形態の表面板123は、2枚の透明な強化ガラス123a及び123bを重ねた合わせた透明な合せ強化ガラスである。
【0038】
本実施の形態では、放熱部材113の主壁部113aと周壁部113fとが別に形成されている。主壁部113aは,周壁部113fの内部に入り込む第1の部分113xと、該1の部分113xと一体に設けられて周壁部113fに沿って延びる環状の第2の部分113yと、環状の第2の部分と一体に設けられて第1の部分113xと並行に延び且つ周壁部113fの外側に延び出る第3の部分113zとから構成されている。第3の部分113zの部分は、天井への取付の際にガイド部として利用される。周壁部113fと第2の部分113yとは、スポット溶接により接合されている。そして主壁部113aの裏面には、2つのLED基板111及び112が配置された2つの側壁部113b及び113dと沿うように、カバー部材114a及び114bが固定されている。このカバー部材114a及び114bは、アルミニュームの板を折り曲げて形成されており、主壁部113aに対してスポット溶接されている。カバー部材114a及び114bの長手方向の両端部は開放状態になっており、カバー部材114a及び114bと主壁部113aにより囲まれた空間が給電ユニット117を収納する給電ユニット収納部125を構成している。なお図4には、給電ユニットの一部を構成する給電線118だけを図示してある。図示しないコネクタは、給電ユニット収納部125の両端部内に嵌合される。主壁部113aの第1の部分113xには、LED基板111及び112と給電ユニット117の給電線118とを電気的に接続する接続部材が通る貫通孔が形成されている。また本実施の形態では、主壁部113aの第1の部分113x上にC形チャンネル材140が配置されている。このC形チャンネル材140は、スペーサと補強部材としての機能を果たしている。
【0039】
本実施例の面発光装置によれば、2つの三角プリズムが重ねて設けられているので、LED基板111及び112が設けられた側壁部113b及び113d付近の表面板123の部分に輝線が発生することをより確実に防止することができる。
【0040】
図5は、本発明の第3の実施の形態の面発光装置の一部を破断状態で示した図であり、図6は図5の破線VIで囲んだ部分の一部を分解して拡大した図である。図5に示す面発光装置のうち、図1に示す面発光装置と構造が同様の部材については、図1に付した符号の数に200を加えた数の符号を付してその説明を省略する。本例の面発光装置201では、放熱部材213の開口部214に枠部材251が設けられている。枠部材251は、放熱部材213の主壁部213aと対向する外側の輪郭と内側の輪郭が相似形の四角形状を呈する環状板部251aと、環状板部251aと一体に設けられ環状板部251aの板面と直交する方向に延び、放熱部材213の周壁部213fを構成する側壁部213b乃至213eの外側に位置する側壁部251b乃至251eとを備えている。枠部材251の側壁部251b乃至251eと放熱部材213の側壁部213b乃至213eには、それぞれ固定部材203としてのボルト203aが貫通する貫通孔251h及び213hがそれぞれ設けられている。枠部材251の側壁部251b乃至251eと、放熱部材213の側壁部213b乃至213eとは、貫通孔251h及び213hを通ったボルト203aの端部にナット203bが螺合されて相互に結合されている。枠部材251の環状板部251aは、環状板部251aの内縁が、放熱部材213の周壁部213fの内縁よりも内側に位置し且つ放熱部材213の内部に配置された表面板223の表面の外周部と対向または接触するように構成されている。このように構成すると、放熱部材213に固定された枠部材251の環状板部251aにより、表面板223の抜け止めまたは落下防止が図られる。そのため最初の実施の形態のように、導光板215が面発光装置201から外れるのを防ぐために、面発光装置201の厚み方向を貫通する固定部材を取り付ける必要がなくなる。従って表面板223に貫通孔を設ける必要がなくなる。本実施の形態の表面板223は、1枚の透明な強化ガラスよりなる。表面板223の裏面には、乳白のアクリル板に広告を印刷した拡散板231が設けられている。本実施の形態では、発光面に固定部材が存在しないため、発光面全体を広告面として利用することができる。
【0041】
上記実施の形態の説明においては、単体の面発光装置について説明したが、複数の面発光装置を並べて面状照明装置として使用してもよいのは勿論である。
【0042】
また、本発明の面発光装置を広告表示装置として利用する場合には、表面板の裏面側に広告が記載された光透過性を有する広告シートを配置することができる。この場合には、表面板として、透明の表面板を用いる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の面発光装置によれば、放熱部材は、給電ユニット収納部が導光板の裏面側に位置するように構成されている。放熱部材はまた、LED基板の複数の発光ダイオードが導光板の外端面と対向する姿勢になるようにLED基板を支持するように構成されている。従って、給電ユニット収納部が導光板の裏面側に位置し、且つLED基板が導光板の外端面と対向する姿勢で放熱部材に支持されるので、導光板の周囲に給電ユニット収納部が位置せず且つ導光板を正面から見たときのLED基板の設置幅も狭くなる。そのため、複数の面発光装置を並べた場合において、正面側から見て発光しない領域を極力小さくすることが可能になる。
【符号の説明】
【0044】
1 面発光装置
3 固定部材
3a ボルト
3b ナット
3c カバー部材
11 LED基板
13 放熱部材
13a 主壁部
13b〜13e 側壁部
13f 周壁部
13h 貫通孔
14 開口部
15 導光板
15h 貫通孔
16 外端面
16a 側面
17 給電ユニット
18 コネクタ
19 三角プリズム
21 三角プリズム
23 表面板
23h 貫通孔
25 給電ユニット収納部
27 反射シート
31 拡散シート
LED 発光ダイオード
SP スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ダイオードが列をなすように表面に実装されているLED基板と、
前記LED基板の前記複数の発光ダイオードからの光を外端面から内部に導光し前面から放射する導光板と、
前記LED基板の裏面を熱伝達可能に支持し且つ前記LED基板からの熱を放熱する放熱部材とを具備してなる面発光装置であって、
前記放熱部材は、電源から前記LED基板に電力を供給する給電線と前記給電線の両端にそれぞれ配置された電気コネクタとからなる給電ユニットを、前記LED基板に沿って延びた状態で収容する給電ユニット収納部を備えており、
前記給電ユニット収納部が前記導光板の裏面側に位置し且つ前記LED基板の前記複数の発光ダイオードが前記導光板の前記外端面と対向する姿勢になるように前記LED基板を支持するように前記放熱部材が構成されていることを特徴とする面発光装置。
【請求項2】
前記給電ユニット収納部の内部には前記LED基板の少なくとも一部が収納され、前記LED基板の前記少なくとも一部に前記電気コネクタが取り付けられている請求項1に記載の面発光装置。
【請求項3】
前記放熱部材は、前記給電ユニット収納部が形成されて前記導光板に沿って延びる主壁部と該主壁部と直交し且つ前記導光板の前記外端面に沿って延びる周壁部とを備えた一面開口状の筺体からなる請求項1に記載の面発光装置。
【請求項4】
前記放熱部材の前記主壁部の輪郭形状は四角形形状を呈しており、前記周壁部は前記主壁部の4つの辺から延びる4つの側壁部から構成されている請求項3に記載の面発光装置。
【請求項5】
前記導光板は前記導光板を貫通し前記筐体の前記主壁部に固定される1以上の固定部材により固定されている請求項3に記載の面発光装置。
【請求項6】
前記筐体内には、前記複数の発光ダイオードから出て前記導光板に入射しなかった光の少なくとも一部を、前記面発光装置の発光面に向かう方向以外の方向に放射するプリズムが、前記LED基板及び前記側壁部に沿って配置されている請求項3または4に記載の面発光装置。
【請求項7】
前記筐体内には、前記プリズムに沿う前記側壁部と対向する他の前記側壁部に沿って、前記導光板と前記側壁部の他の部分との間の隙間から漏れ出た光の少なくとも一部を前記発光面に向かう方向以外の方向に放射する別のプリズムが配置されている請求項6に記載の面発光装置。
【請求項8】
前記導光板の前記表面上には、前記導光板の前記表面から放射された光を拡散して透過する拡散板または拡散シートが直接または隙間をあけて配置され、
前記拡散板または拡散シートは、外周縁が前記側壁部に近接する大きさを有しており、
前記LED基板を覆う前記拡散板または拡散シートの部分の上には、前記面発光装置の発光面に向かう方向以外の方向に少なくとも一部の光を放射するプリズムが前記側壁部に沿って配置されている請求項3または4に記載の面発光装置。
【請求項9】
前記筐体内には、前記プリズムが沿う前記側壁部と対向する他の前記側壁部に沿って、前記拡散板または前記拡散シートと前記他の側壁部の部分との間の隙間から漏れ出た光の少なくとも一部を、前記面発光装置の前記発光面に向かう方向以外の方向に放射する別のプリズムが配置されている請求項8に記載の面発光装置。
【請求項10】
前記プリズムは、直交する第1及び第2の面と該第1及び第2の面とつながり傾斜する第3の面とを備えた細長い三角プリズムからなり、前記第3の面が前記筐体の前記側壁部と対向するように配置されている請求項6乃至9のいずれか1項に記載の面発光装置。
【請求項11】
前記導光板と前記主壁部との間には、反射シートまたは反射板が配置され、前記導光板の前記表面上には、前記プリズムを介して、前記導光板の前記表面から放射された光を拡散して透過する拡散シートまたは拡散板が配置され、前記拡散シートまたは拡散板の上に光透過性を有する表面板が配置されている請求項6または7に記載の面発光装置。
【請求項12】
前記表面板が強化ガラスからなる請求項11に記載の面発光装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の面発光装置が複数並べられて構成された面状照明装置。
【請求項14】
請求項11または12に記載の面発光装置の前記表面板の裏面側に広告が記載された光透過性を有する広告板または広告シートが配置されている広告表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−160397(P2012−160397A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20775(P2011−20775)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)
【Fターム(参考)】