説明

靴の注文システム

【課題】顧客を店舗に出向かせる事なく、きわめて簡単に、顧客の足にフィットする靴を提供する事が可能なシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】複数の異なる角度から顧客の足を撮像した二次元静止画像情報をインターネット30を介して顧客PC40とサーバ10間で受信し、サーバ10は受信した二次元静止画像情報から撮像された足に係る三次元情報を算出し、算出された三次元情報に基づいて靴を製作するための足型情報をプリンタ20へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダーメイド靴及び既製靴の注文システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを利用した履物の販売方法として、靴の種類、靴のサイズの情報と、これらに基づく靴の基本型、色、ヒール、アッパー等の形態情報をインターネット等を介してパソコン等に表示し、この表示に対して需要者が所望の種類等を選択して発注する事が出来るようにした履物の販売方法がある(特許文献1を参照)。
【0003】
また、三次元足型計測器で顧客の足の立体形状を測定し、測定した形状情報をインターネットを通じて送受信し、受信した形状情報に基づいて三次元形状モデルを生成することで顧客の足型に適合する靴を製作する靴製作システム等がある(特許文献2から4を参照)。
【特許文献1】特開2002−63428号公報
【特許文献2】特開2001−275701号公報
【特許文献3】特開2002−199905号公報
【特許文献4】特開2003−52416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
需要者が靴を入手する方法としては、オーダーメイドによるものと、大量生産品を入手するものの大きく二通りがある。このうち、オーダーメイド靴は、顧客の足を計測した上で靴が製造されるため、顧客の足のサイズや特殊な事情を考慮でき、顧客の足にフィットし、足への負担も少ない。しかし、オーダーメイドによる靴を入手するには、顧客が店舗に出向いた上で専門知識を持った店員が足を採寸する必要があり、手間と時間がかかる。このため、本願出願時において靴をオーダーメイドで入手する方法が利用される事は稀である。現在では大型の計測器を用いて足の三次元情報を取得する方法もあるが、これは、顧客が店舗に出向かなければならないという手間を軽減するものではない。
【0005】
対して、大量生産による靴は、顧客の足を計測した上で製造されるものではないが、現在では多様な種類及びサイズのものが生産されている。顧客は、探し出すことさえ可能であれば、自分の足にフィットする靴を入手出来る。しかし、顧客が自分の足にフィットする靴を入手するためには、多くの店舗を回って試着等を繰り返す必要があり、自分の足にフィットする靴の入手は事実上非常に困難である。このため結局、ある程度サイズが合っていればよしとして、自分の足にフィットしない靴を入手し、靴が足になじむまで、靴ずれや足の痛み、履き心地の悪さ等の問題を我慢することがほとんどである。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑み、顧客を店舗に出向かせる事なく、きわめて簡単に、顧客の足にフィットする靴を提供する事が可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するために、インターネットを介して顧客の足を撮像した二次元静止画像情報を受信し、受信した二次元静止画像情報から顧客の足の三次元情報を得ることで、顧客を店舗に出向かせる事なく、きわめて簡単に、顧客の足にフィットする靴を提供する事が可能なシステムを提供することを可能にした。
【0008】
詳細には、本発明は、複数の異なる角度から顧客の足を撮像した複数の二次元静止画像
情報を、インターネットを介して受信する二次元静止画像情報受信手段と、前記二次元静止画像情報受信手段によって受信された複数の二次元静止画像情報を基に、該二次元静止画像情報に撮像された足に係る三次元情報を算出する三次元情報算出手段と、前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報に基づいて、靴を製作するための足型情報を出力する足型情報出力手段と、を備えることを特徴とする靴の注文システムである。
【0009】
二次元静止画像情報は、静止画のデジタル情報である。二次元静止画像情報受信手段によって二次元静止画像情報がインターネットを介して受信されるため、顧客は店舗に出向くことなく、三次元情報算出手段が三次元情報を算出するために必要な顧客の足を撮像した二次元静止画像情報を提出することが可能となる。特に、本願出願時においては、顧客がいわゆるデジタルカメラ等を用いて二次元静止画像情報を準備し送信することは容易であるため、従来の店舗へ出向いて人又は三次元足型計測器が採寸する方法に比べて、顧客の手間を大きく軽減することが可能である。
【0010】
本願において、三次元情報とは、三次元空間における位置又は距離等の情報を含む情報であり、物体の縦、横、高さの長さ情報を含む三次元サイズ情報や、物体を仮想の三次元空間内に復元するための情報である三次元モデル情報等がある。本発明では、三次元情報算出手段で顧客の足の三次元情報を得ることによって、顧客の足を店舗で採寸するのと同様の効果を得ることが可能となる。
【0011】
本発明は、予め用意された靴のデザイン情報を、インターネットを介して顧客側端末へ送信するデザイン提示手段と、前記デザイン提示手段によって送信されたデザイン情報のうち顧客が選択したデザイン情報を受信するデザイン情報受信手段と、前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報及び前記デザイン情報受信手段によって受信されたデザイン情報を基に、靴の部品情報を算出する部品情報算出手段と、前記部品情報算出手段によって算出された靴の部品情報を出力する部品情報出力手段と、を更に備えることを特徴としてもよい。
【0012】
本願において、デザイン情報とは、靴の形状、模様、色彩を含む形態及び靴の素材に係る情報である。顧客によって入力された靴のデザイン情報がインターネットを介して受信されることで、顧客は、自分の足にフィットし、かつ自分の好みを反映させたデザインの靴を手軽に注文することが可能となる。また、部品情報算出手段によって顧客の足の三次元情報とデザイン情報に基づいた靴の部品情報が算出されることで、靴製作者は、顧客の足の三次元情報と顧客の好みを反映させた靴の部品情報を得ることが可能となる。
【0013】
また、本発明は、複数の異なる角度から顧客の足を撮像した複数の二次元静止画像情報をインターネットを介して受信する二次元静止画像情報受信手段と、前記二次元静止画像情報受信手段によって受信された複数の二次元静止画像情報を基に、該二次元静止画像情報に撮像された足に係る三次元情報を算出する三次元情報算出手段と、靴又は靴の部品の情報であって、少なくとも靴又は靴の部品のサイズに係る情報を蓄積する靴情報蓄積手段と、前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報を基に、前記靴情報蓄積手段によって蓄積された靴又は靴の部品の情報を検索する靴情報検索手段と、前記靴情報検索手段によって検索条件を満たした靴又は靴の部品の情報を出力する靴情報出力手段と、を備えることを特徴とする靴の注文システムである。
【0014】
本願において、靴又は靴の部品の情報は、少なくとも靴又は靴の部品のサイズに係る情報を有し、好ましくは靴又は靴部品の画像情報、価格情報等を更に有する。靴情報蓄積手段によってあらかじめ蓄積された靴又は靴の部品の情報を靴情報検索手段が検索し、靴情報出力手段が検索結果を出力することによって、オーダーメイドの際の靴の部品を手軽に得ること、及び既製靴から顧客の足にフィットするものを手軽に得ることが可能となる。
【0015】
本発明は、予め用意された靴のデザイン情報を、インターネットを介して顧客側端末へ送信するデザイン提示手段と、前記デザイン提示手段によって送信されたデザイン情報のうち顧客が選択したデザイン情報を受信するデザイン情報受信手段と、を更に備え、前記靴情報検索手段は、前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報及び前記デザイン情報受信手段によって受信されたデザイン情報を基に、前記靴情報蓄積手段によって蓄積された靴の情報を検索すること、を特徴としてもよい。
【0016】
顧客によって入力された靴のデザイン情報がインターネットを介して受信され、三次元情報及びデザイン情報に基づいて靴情報検索手段による検索が行われることで、顧客は、自分の足にフィットし、かつ自分の好みを反映させたデザインの靴又は靴の部品を手軽に選択し、靴を注文することが可能となる。
【0017】
本発明は、足と共に撮像されることで足のサイズ特定のための基準となる基準物に係るサイズ情報である基準物サイズ情報を更に備え、前記二次元静止画像情報受信手段は、前記基準物と共に撮像された足の二次元静止画像情報を受信し、前記三次元情報算出手段は、前記二次元静止画像情報に含まれる前記基準物又は基準物の一部のサイズを前記基準物サイズ情報を基に算出する手段と、該基準物又は基準物の一部と該二次元静止画像情報に含まれる足を比較する手段と、を有すること、を特徴としてもよい。
【0018】
基準物は、三次元情報算出手段が顧客の足の三次元情報を算出するための補助となるものである。基準物と足を共に撮像した二次元静止画像情報がインターネットを介して二次元静止画像情報受信手段によって受信され、三次元情報算出手段が二次元静止画像情報に撮像された基準物又は基準物の一部を参照することで、より正確な顧客の足の三次元情報を算出することが可能となる。この際、三次元情報算出手段は、基準物サイズ情報を基に基準物又は基準物の一部のサイズを算出するため、種々の基準物に関する基準物サイズ情報を備えることで、様々な基準物又は基準物の一部を基に足の三次元情報を算出することが可能となる。
【0019】
本発明は、足と共に撮像されることで足のサイズ特定のための基準となる基準画像を顧客側端末に出力させるための基準画像情報を、インターネットを介して顧客側端末へ送信する基準画像情報送信手段を更に備え、前記二次元静止画像情報受信手段は、前記基準画像と共に撮像された足の二次元静止画像情報を受信し、前記三次元情報算出手段は、前記二次元静止画像情報に含まれる前記基準画像を参照して該二次元静止画像情報に含まれる足に係る三次元情報を算出すること、を特徴としてもよい。
【0020】
基準画像は、三次元情報算出手段が顧客の足の三次元情報を算出するための補助となるものである。基準画像情報送信手段によって基準画像情報が顧客側端末へ送信され、顧客側端末は基準画像情報に基づいて基準画像を出力する。出力された基準画像と足を共に撮像した二次元静止画像情報がインターネットを介して二次元静止画像情報受信手段によって受信され、三次元情報算出手段が二次元静止画像情報に撮像された基準画像を参照することで、より正確な顧客の足の三次元情報を算出することが可能となる。
【0021】
本発明は、前記二次元静止画像情報に撮像された足に係る特殊情報であって顧客によって入力された特殊情報を受信する特殊情報受信手段を更に備え、前記三次元情報算出手段は、前記特種情報受信手段によって受信された特殊情報を加味して該二次元静止画像に撮像された足に係る三次元情報を算出すること、を特徴としてもよい。
【0022】
特殊情報は、顧客の足に係る情報のうち、三次元情報を除く情報であって、顧客の足の形状や、顧客の歩き方等に関する情報である。顧客によって入力された特殊情報がインタ
ーネットを介して受信され、三次元情報算出手段が特殊情報を加味して顧客の足に係る三次元情報を算出することで、顧客は、自分の足に関する事情を反映させた靴を手軽に注文することが可能となる。
【0023】
本発明は、前記二次元静止画像情報受信手段によって受信された二次元静止画像情報を、しきい値による画素解析又は視体積交差法によって解析する二次元静止画像情報解析手段を更に備え、前記三次元情報算出手段は、前記二次元静止画像情報解析手段による解析結果に基づいて、前記二次元静止画像に撮像された足に係る三次元情報を算出すること、を特徴としてもよい。
【0024】
しきい値によって画素解析を行うことで、二次元静止画像情報から物体領域を特定出来る。物体領域とは、二次元静止画像情報に撮像されている物体のうち、特定の物体が撮像されている領域であり、本願においては、顧客の足が撮像されている領域である。しきい値は、顧客の足と、足以外の背景とを判別可能な値に設定される。画素解析によって物体領域が特定できるため、受信した二次元静止画像情報を基に顧客の足の三次元情報を得ることが可能となる。
【0025】
また、視体積交差法を用いることによって、二次元静止画像情報に基づいて三次元モデル情報が生成される。視体積交差法は、複数の方向から物体を撮像した二次元画像を三次元空間に逆投影し、視体積の交差部分を求めることにより、物体の三次元形状を復元する方法である。顧客の足の三次元形状が復元されるため、受信した二次元静止画像情報を基に顧客の足の三次元情報を得ることが可能となる。
【0026】
本発明は、前記二次元静止画像情報解析手段による解析結果に基づいて、前記二次元静止画像に撮像された足に係る三次元モデル情報を生成する三次元モデル情報生成手段を更に備え、前記三次元情報算出手段によって算出される三次元情報は、前記三次元モデル情報生成手段によって生成される三次元モデル情報であること、を特徴としてもよい。
【0027】
二次元静止画像情報解析手段による解析結果に基づいて三次元モデル情報が生成されることにより、顧客の足のより正確な足型を得ることが可能となる。
【0028】
本発明は、三次元モデル情報を蓄積する三次元モデル情報蓄積手段を更に備え、前記三次元モデル情報生成手段は、前記三次元モデル情報蓄積手段に蓄積された三次元モデル情報に、前記二次元静止画像情報解析手段による解析結果を加味して前記二次元静止画像に撮像された足に係る三次元モデル情報を生成すること、を特徴としてもよい。
【0029】
三次元モデル情報蓄積手段は、多様なサイズ及び特殊事情に対応した足の三次元モデル情報を蓄積する。三次元モデル情報蓄積手段に蓄積された三次元モデル情報に二次元静止画像情報解析手段による解析結果を加味して顧客の足の三次元モデル情報を生成することによって、受信した二次元静止画像情報から得られる情報量が十分でない場合でも、三次元モデル情報を生成し、顧客の足の正確な足型を得ることが可能となる。また、少ない二次元静止画像情報から顧客の足の三次元情報を得るため、顧客の手間をさらに軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によって、顧客を店舗に出向かせる事なく、きわめて簡単に、顧客の足にフィットする靴を提供する事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明に係る靴の注文システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は、本発明に係る靴の注文システムを実施した場合のシステム構成の概略を示した図である。インターネット30を介してサーバ10と顧客PC40が接続されており、サーバ10はCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、HDD(Hard Disk Drive)13、NIC(Network Interface Card)14、USB(Universal Serial Bus)15等を有し、これらはバス16を介して接続されている。サーバ10にはUSB15を介してプリンタ20が接続されている。ここで、NIC14やUSB15等は本実施例における一例であり、ネットワークインターフェースやプリンタ接続インターフェースの種類を限定するものではない。サーバ10の有するその他の構成についても同様に、均等な構成で置き換え得る。
【0033】
CPU11は、中央処理装置であり、RAM12等に展開された命令及びデータを処理することで、バス16に接続されたRAM12、HDD13、NIC14等を制御する。RAM12は、記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。HDD13は、記憶装置であり、主にサーバ10の電源を落としても保持したい情報が書き込まれ、読み出される。NIC14は、ネットワークインターフェースであり、インターネット30より信号を受信し、インターネット30へ信号を送信する。
【0034】
顧客PC40には入力装置としてキーボード、マウス、スキャナ、デジタルカメラ50等、出力装置としてディスプレイ、プリンタ60等が接続される。スキャナ等の入出力装置は図示を省略する。
【0035】
図2は、顧客がデジタルカメラ50を用いて、本実施例において使用する二次元静止画像情報を用意する方法を示した図である。顧客PC40は、インターネット30を介してサーバ10から基準画像情報をダウンロードし、プリンタ60へ出力する。プリンタ60によってプリントアウトされる基準画像70は、サーバ10における三次元情報算出処理において、CPU11が撮像対象物のサイズを算出するための補助となるものである。具体的には、基準画像70は足の形の絵でもよいし、方眼でもよい。なお、本実施例では基準画像70をプリントアウトして顧客の足80と共に撮像する手順となっているが、顧客の足80と共に撮像されるものは基準画像70である必要はなく、定規やタバコの箱等、足80の三次元サイズ情報を算出する際に基準となる基準物であってもよい。
【0036】
顧客は、顧客の足80と、基準画像70又は基準物と、を同時にデジタルカメラ50に撮像させる。この際、足80の側面及び足80の上面の形状が判る少なくとも2方向からの撮像が必要である。顧客が自分でデジタルカメラ50を保持して自分の足80を撮影することを考慮すると、足80の内側面及び足80の上面の計2方向が簡易である。また、前記2方向に加えて足80の裏面が撮像されているとより好ましい。但し、後の三次元情報算出処理において、より正確な足の形状を算出したい場合は、足80の表面のうち二次元静止画像情報に撮像されていない部分がないように、多くの角度から撮像されていることが好ましい。例えば、足80の左上方、右上方、左下方及び右下方の4方向から撮像されることが好ましい。さらに、撮像される足80は、右足、左足のどちらか一方のみでもよいが、多くの場合両足の形状及びサイズは左右対称でないことを考慮すると、より顧客の足にフィットする靴を入手するためには、左右両方の足について撮像することが好ましい。なお、本実施例ではデジタルカメラ50による撮像について説明しているが、顧客の足80が撮像された二次元静止画像情報が得られればよく、アナログカメラで撮像後にスキャナで二次元静止画像情報に変換する方法でもよい。
【0037】
顧客の操作によって、顧客PC40は、デジタルカメラ50内に保存された二次元静止画像情報を取得し、取得した二次元静止画像情報を、顧客情報と共にインターネット30を介してサーバ10へ送信する。顧客情報は、連絡先等の顧客を特定できる情報を含む情報である。この際、二次元静止画像情報と共に、顧客の足80に関する基本情報、特殊情報、靴のデザイン情報を送信することも出来る。
【0038】
ここで、基本情報は、顧客の足80の縦長、幅長、甲の高さ等を含むサイズ情報である。また、特殊情報は、前記サイズ以外の情報であって、例えば、外反母趾、扁平、甲高等の顧客の足の形状に関する情報や、顧客のこれまでに履いた靴の磨り減る部分、靴擦れの箇所等の顧客の歩き方に関する情報である。また、靴のデザイン情報は、靴の種類、上皮の形状、素材、色、ソールの形状、素材、色、インナーソールの形状、素材、色、アクセサリの有無、アクセサリの種類等を含む情報である。これらの情報は、選択候補から顧客に選択させてもよいし、顧客が自由に記載できるようにしてもよい。
【0039】
図3は、顧客に対して表示される各種情報入力フォームの画面イメージである。入力フォーム90は、サーバ10からインターネット30を介して顧客PC40に送信された入力フォーム情報を、顧客PC40がディスプレイに出力したものである。顧客PC40は、顧客がこの入力フォーム90を参照して入力した各種情報を、インターネット30を介してサーバ10に送信する。入力フォーム90は、顧客情報を入力するための顧客情報入力フィールド91、顧客PC40上にある二次元静止画像情報からサーバ10に送信する二次元静止画像情報の情報を選択するための二次元静止画像情報選択フィールド92、基本情報及び特殊情報を入力するための基本・特殊情報入力フィールド93、デザイン情報を入力するためのデザイン情報入力フィールド94、二次元静止画像情報追加選択フィールド95、顧客PC40に入力フォーム90で入力された情報をサーバ10へ送信させるための送信ボタン96を有する。本実施例では、顧客がさらに詳細なデザイン情報を入力したい場合には、入力フォーム90とは異なる入力フォームが顧客PC40のディスプレイに表示される。詳細なデザイン情報を入力するための入力フォームは、図示を省略する。また、図3に示した入力フォーム90は、実施例における一例であって、情報の入力方法は、入力フォームを利用した方法に限定されない。
【0040】
本実施例では、顧客PC40を用いてサーバ10へ情報を送信することとなっているが、デジタルカメラ付き携帯電話等、インターネット接続機能を有する機器であればよく、送信手段は顧客PC40に限定されない。特に、デジタルカメラ付き携帯電話であれば、撮像後、二次元静止画像情報のコピー作業を行うことなくサーバ10へ情報送信できる。また、送信方法は、電子メールによる方法、入力フォームを利用した電子メールによる方法、その他のデータ通信方法が考えられるが、顧客情報の保護の観点からは、暗号化手段、認証手段を備えた安全な方法が考慮されることが好ましい。
【0041】
サーバ10のNIC14は、インターネット30を介して送信された二次元静止画像情報、顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報を受信し、バス16を介してRAM12に書き込む。
【0042】
次に、図4から図7までを用いて、本実施例における靴の注文システムの処理の流れを説明する。図4から図7に示された処理は、サーバ10において、RAM12に展開されたプログラムをCPU11が解釈及び実行することで行われる。また、以下の各処理は、必要に応じて適宜組み合わせることが出来る。図4は、本実施例における処理の流れの概略を示したフローチャートである。RAM12に前記二次元静止画像情報、顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報の各種情報が書き込まれたことを契機として、S101の処理が開始される。
【0043】
S101では、シルエット画像情報生成処理が行われる。CPU11は受信した二次元静止画像情報を基に、シルエット画像情報を生成する。以下に、S101でのシルエット画像情報生成処理の内容を、図5を用いてより詳しく説明する。
【0044】
図5は、シルエット画像情報生成処理の内容を示したフローチャートである。S201では、受信した二次元静止画像情報を展開する処理が行われる。CPU11は、受信した二次元静止画像情報のうちいずれか1つを、RAM12の作業領域に展開する。その後処理はS202へ進む。
【0045】
S202では、シルエット画像情報用の領域を確保する処理が行われる。CPU11は、RAM12上に、新たに作成するシルエット画像情報用の記録領域を予約する。シルエット画像情報は、S201で展開された二次元静止画像情報と同サイズの縦横ピクセル数を持ち、対応する二次元静止画像情報における対応するピクセルが、物体領域であるか否かの情報が記録される画像情報である。その後処理はS203へ進む。
【0046】
S203では、しきい値設定処理が行われる。CPU11は、S201で展開した二次元静止画像情報から、足80が撮像されている領域と、足80以外が撮像されている領域を判別するためのしきい値を設定する。しきい値は、撮像された足80の肌の色、明るさ等に基づいて、判定対象のピクセルが足80が撮像されたピクセルであるか否かを判定可能な値に設定される。その後処理はS204へ進む。
【0047】
S204では、S201で展開した二次元静止画像情報からピクセル情報を読み出す処理が行われる。CPU11は、展開した二次元静止画像情報から、色、明るさ等に係る情報を有するピクセル情報を読み出す。その後処理はS205へ進む。
【0048】
S205では、しきい値に基づいて物体領域か否かを判定する処理が行われる。CPU11は、S204で読み出したピクセル情報と、S203で設定したしきい値を比較して、S204で読み出したピクセルが物体領域か否か、つまり、本実施例における足80が撮像されている領域であるか否かを判定する。CPU11が、該当するピクセルは足80が撮像されたピクセルであると判定した場合、処理はS206へ進む。それ以外の場合、つまり、CPU11が、該当するピクセルは足80以外の背景が撮像されたピクセルであると判定した場合、処理はS207へ進む。
【0049】
S206では、シルエット画像情報の該当するピクセルを物体領域に設定する処理が行われる。CPU11は、S202で確保されたシルエット画像情報のうち、対応するピクセルを、物体領域に設定する。その後処理はS208へ進む。
【0050】
S207では、シルエット画像情報の該当するピクセルを非物体領域に設定する処理が行われる。CPU11は、S202で確保されたシルエット画像情報のうち、対応するピクセルを、非物体領域に設定する。その後処理はS208へ進む。
【0051】
S208では、全てのピクセルについて判定が終了したか否かの判定処理が行われる。CPU11が、全てのピクセルについて判定が終了していないと判定した場合、処理はS203へ進む。CPU11が、全てのピクセルについて判定が終了したと判定した場合、処理はS209へ進む。
【0052】
処理が再度S203へ進むと、CPU11は、しきい値を再び設定する。このとき、しきい値は、直前までのS205での判定結果に基づいて調整されることもある。その後、S201において展開した二次元静止画像情報の全てのピクセルについて物体領域か否かの判定を行ったとS208で判定されるまで、S203からS208までの処理は繰り返
される。
【0053】
S209では、全ての受信した画像情報についてシルエット画像情報の生成が完了したかの判定処理が行われる。CPU11が、全ての二次元静止画像情報についてシルエット画像情報の生成が完了していないと判定した場合、処理はS201へ進む。CPU11が、全ての二次元静止画像情報に浮いてシルエット画像情報の生成が完了したと判定した場合、シルエット画像情報生成処理は終了し、次の処理へ進む。
【0054】
処理が再度S201へ進むと、CPU11は、シルエット画像情報生成処理の終了していない二次元静止画像情報をRAM12に展開する。その後、全ての受信した二次元静止画像情報についてシルエット画像情報の生成が完了したとS209で判定されるまで、S201からS209までの処理は繰り返される。
【0055】
シルエット画像情報生成処理が終了すると、その後処理はS102へ進む(図4を参照)。S102では、三次元サイズ情報算出処理が行われる。CPU11は、S101で生成されたシルエット画像情報を測定して、顧客の足80の三次元サイズ情報を算出する。この際、足80と共に撮像された基準画像70又は基準物を参照することにより、正確な三次元サイズ情報を得ることが出来る。S102での三次元サイズ情報算出処理の内容を、図6を用いてより詳しく説明する。
【0056】
図6は、シルエット画像情報の測定イメージを示した図である。CPU11は、シルエット画像情報に示された足80が撮像された部分(物体領域)を計測することで、足80の縦長L、幅長W及び甲の高さHを得ることが出来る。この際、二次元静止画像情報における基準画像70又は基準物が撮像されている部分が参考となる(図示は省略する)。基準画像70ではなく基準物を参考とする場合は、予めサーバ10に用意したか顧客PC10より受信した基準物サイズ情報を基に、基準物又は基準物の一部のサイズを算出した上で、足80の三次元サイズ情報を算出する。ここで、サーバ10に基準物サイズ情報を用意する場合は、顧客PC10より基準物の種類を受信するか、受信した二次元静止画像情報を解析することで基準物の種類を特定し、特定された基準物の種類を基に基準物サイズ情報データベースを検索して、基準物サイズ情報を得る。なお、計測対象を足80の縦長L、幅長W及び甲の高さHとしたのは本実施例による一例であり、必ずこれらを全て測定する必要はないし、足80の各部分に対して、さらに細かい測定を行うことも出来る。
【0057】
S102の三次元サイズ情報算出処理が終了すると、その後処理はS103へ進む。S103では、視体積交差法による三次元モデル情報生成処理が行われる。CPU11は、S101で生成した各シルエット画像情報に基づいて、異なる角度から撮像された各シルエットを同一の三次元空間に逆投影した状態を表すボクセルデータである三次元空間情報をRAM12上に作成する。CPU11は、前記三次元空間情報のうち、異なるシルエット画像情報に基づいた逆投影の影が重なる部分、すなわち視体積の交差部分を求めることにより、足80の三次元モデル情報を得る。このとき、得られた三次元モデル情報はボクセルデータである。処理はその後S104へ進む。
【0058】
S104では、三次元モデル情報に不足があるか否かの判定処理が行われる。CPU11は、S103で得られた足80の三次元モデル情報が不足なく顧客の足80の形状を復元できているか否かを判定する。即ちCPU11は、受信した二次元静止画像情報が足80の表面のうち二次元静止画像情報に撮像されていない部分がない程度に十分である場合は、S103で不足なく顧客の足80の形状が復元できる三次元モデル情報の生成が完了したと判定する。しかし、例えば足80の内側面及び上底面のみを撮像した二次元静止画像情報のみを基にS103の処理を行った場合は、足80の外側面及び下底面の三次元モデル情報は得られない。CPU11によって、三次元モデル情報に不足があると判定され
た場合、処理はS105へ進む。CPU11によって、三次元モデル情報に不足がないと判定された場合、処理はS107へ進む。
【0059】
S105では、三次元モデル情報抽出処理が行われる。CPU11は、三次元モデル情報データベースを検索し、検索条件に合致する三次元モデル情報を抽出する。以下に、S105での三次元モデル情報抽出処理の内容を、図7を用いてより詳しく説明する。
【0060】
図7は、三次元モデル情報抽出処理の内容を示したフローチャートである。S301では、抽出用の検索条件が作成される。CPU11は、S102で算出された三次元サイズ情報及び受信した特殊情報を読み出し、読み出した三次元サイズ情報及び受信した特殊情報に基づいて検索条件を作成する。CPU11は、検索条件のうち、足の縦長、幅長、甲の高さ等のサイズ情報に関しては、上下5mmを検索範囲に含める。検索条件作成後、処理はS302へ進む。ここで、サイズ情報に関して上下5mmを検索範囲に含めることとしたのは、本実施例における一例であって、実際にシステムを構築する場合は、運用時の事情に応じて検索範囲を設定することが好ましい。なお、S102で算出できなかった三次元サイズ情報が有る場合は、受信した基本情報を検索条件として利用してもよい。
【0061】
S302では、S301で作成された検索条件に基づいて検索が行われる。CPU11は、検索条件に基づいて、三次元モデル情報データベースを検索し、三次元モデル情報のサイズ情報が検索条件の範囲内に含まれ、三次元モデル情報の特殊情報が、検索条件の特殊情報と同一であること、の全ての条件を満たす三次元モデル情報を発見した場合は、該当する三次元モデル情報を読み出して、RAM12に書き込む。なお、完全に検索条件に一致する三次元モデル情報が発見できなかった場合は、最も近い三次元モデル情報を抽出する。その後処理はS303へ進む。
【0062】
S303では、三次元モデル情報データベースの検索が終了したか否かが判定される。CPU11は、検索が終了していないと判定した場合はS302へ進んで検索を続行し、検索が終了するまでS302及びS303の処理を繰り返す。CPU11が検索終了と判定した場合は三次元モデル情報抽出処理を終了し、その後S106の処理へ進む(図4を参照)。なお、実際の運用においては、検索方法はデータベースの規模や求められる処理速度に応じて最適なものを採用することが好ましい。
【0063】
S106では、三次元モデル情報補完処理が行われる。CPU11は、S103で復元された三次元モデル情報のうちS104で情報が不足していると判定された部分を、S105で抽出された三次元モデル情報で補完する。その後処理はS107へ進む。
【0064】
S107では、顧客データベース保存処理が行われる。CPU11は、サーバ10が受信した顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報と共に、S106又はS103で得られた顧客の足80の三次元モデル情報をHDD13上の顧客データベースに追加又は上書き保存する。その後処理はS108へ進む。
【0065】
S108では、情報出力処理が行われる。CPU11は、サーバ10が受信した顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報と共に、S107で保存した顧客の足80の三次元モデル情報をサーバ10に接続されたプリンタ20へ出力する。ここで出力された情報を基に、靴製作者が足型を製作し、靴を製作する。なお、本実施例ではプリンタ20へ出力されることとしたが、ディスプレイへの出力等、他の出力方法でもよい。
【0066】
本実施例に拠れば、顧客は店舗に出向くことなく、デジタルカメラ50及びPC40という多くの顧客が所有している機器のみを使用して、自宅にいながらにして自らの足にフィットするオーダーメイド靴を注文出来る。また、受注者は、大型の計測器を備えること
なく、また、店舗を構えることもなく、顧客の足型を作成するための情報を得ることが出来る。
【0067】
なお、本実施例のバリエーションとして、S102までの処理で得られた三次元サイズ情報又はS106までの処理で得られた三次元モデル情報と、受信したデザイン情報と、に基づいて部品情報を算出する処理を更に行ってもよい。例えば、CPU11は、受信したデザイン情報から靴の上皮の形状等に係る部品情報を特定し、三次元サイズ情報に基づいて部品情報のサイズを補正することで顧客の足のサイズを考慮した部品情報を算出する。CPU11が部品情報を算出し、S108の情報出力処理で他の情報と同時に出力することで、靴製造者は、靴を製造するための部品情報を容易に得ることが出来る。
【0068】
また、本実施例は、顧客の足80と基準画像70又は基準物が同時に撮像された二次元静止画像情報を用意する構成となっているが、顧客PC40によって基本情報として足80のサイズ情報が送信される場合は、足80のみを撮像すればよく、必ずしも基準画像70又は基準物と共に撮像する必要はない。この場合、S102の三次元サイズ情報算出処理では、受信した基本情報を基に三次元サイズ情報が算出される。例えば、足80の縦長Lが基本情報より明らかであれば、CPU11は、縦長L、幅長W及び甲の高さHの比を算出し、基本情報より得た足80の縦長を基に、幅長W及び甲の高さHを算出する。
【実施例2】
【0069】
本実施例は、実施例1と同様のシステム構成において、視体積交差法を利用せずに、顧客の足80の三次元モデル情報を生成するように処理を構成したものである。図8を用いて、本実施例における靴の注文システムの処理の流れを説明する。図8に示された処理は、サーバ10において、RAM12に展開されたプログラムをCPU11が解釈及び実行することで行われる。また、以下の各処理は、必要に応じて適宜組み合わせることが出来る。
【0070】
図8は、本実施例における処理の流れの概略を示したフローチャートである。RAM12に前記二次元静止画像情報、顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報の各種情報が書き込まれたことを契機として、S401の処理が開始される。
【0071】
S401では、シルエット画像情報生成処理が、S402では、三次元サイズ情報算出処理が行われる。処理の内容は実施例1におけるS101、S102での処理と同様である。三次元サイズ情報算出処理の終了後、処理はS403へ進む。
【0072】
S403では、三次元モデル情報抽出処理が行われる。処理の詳細な内容は実施例1におけるS105での処理と同様である。但し、実施例1において三次元モデル情報抽出処理は、視体積交差法によって生成された三次元モデル情報の不足部分を補完する情報を抽出する目的で行われるが、本実施例においては、顧客の足80の三次元モデル情報を生成するための雛形として用いられる目的で行われる。あらかじめデータベース内に有る三次元モデル情報を雛形とすることで、受信された二次元静止画像情報から得られる情報が少ない場合でも、簡易に三次元モデル情報を生成することが出来る。
【0073】
S404では、三次元モデル情報補正処理が行われる。CPU11は、S402で得られた算出結果を基に、S403で得られた三次元モデル情報の補正を行う。なお、S403において、特殊情報が検索条件の特殊情報と一致しない三次元モデル情報が抽出されている場合は、CPU11は、受信した特殊情報のうち抽出した三次元モデル情報に含まれていない特殊情報に基づく補正を行う。また、受信したデザイン情報に基づく補正を行ってもよい。例えば、デザイン情報に含まれるヒールの高さ情報に基づいて、靴を履いた状態の足を表す三次元モデル情報となるような補正を行うことが出来る。その後処理はS4
05へ進む。
【0074】
S405では、顧客データベース保存処理が行われる。CPU11は、サーバ10が受信した顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報と共に、S404で得られた顧客の足80の三次元モデル情報をHDD13上の顧客データベースに追加又は上書き保存する。その後処理はS406へ進む。
【0075】
S406では、情報出力処理が行われる。CPU11は、サーバ10が受信した顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報と共に、S405で保存した顧客の足80の三次元モデル情報をサーバ10に接続されたプリンタ20へ出力する。ここで出力された情報を基に、靴製作者が足型を製作し、靴を製作する。なお、出力方法がプリントアウトに限定されないのは、実施例1と同様である。
【0076】
本実施例に拠れば、少ない情報を基に顧客の足80の三次元モデル情報が生成できるため、顧客が用意すべき二次元静止画像情報の量は少なく済み、顧客の手間をさらに軽減出来る。
【実施例3】
【0077】
本実施例は、実施例1と同様のシステム構成において、蓄積されたデータベースから、顧客の足に合った靴又は靴の部品情報を抽出するように処理を構成したものである。図9及び図10を用いて、本実施例における靴の注文システムの処理の流れを説明する。図9及び図10に示された処理は、サーバ10において、RAM12に展開されたプログラムをCPU11が解釈及び実行することで行われる。また、以下の各処理は、必要に応じて適宜組み合わせることが出来る。
【0078】
図9は、本実施例における処理の流れの概略を示したフローチャートである。RAM12に前記二次元静止画像情報、顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報の各種情報が書き込まれたことを契機として、S501の処理が開始される。
【0079】
S501では、シルエット画像情報生成処理が、S502では、三次元サイズ情報算出処理が行われる。処理の内容は実施例1におけるS101、S102での処理と同様である。三次元サイズ情報算出処理の終了後、処理はS503へ進む。
【0080】
S503では、顧客データベース保存処理が行われる。CPU11は、サーバ10が受信した顧客情報、基本情報、特殊情報、デザイン情報と共に、S502で得られた顧客の足80の三次元サイズ情報をHDD13上の顧客データベースに追加又は上書き保存する。本実施例では、顧客の足80の三次元モデル情報を生成しないが、より正確な足80の三次元情報を得るために、三次元モデル情報を生成してもよい。その後処理はS504へ進む。
【0081】
S504では、靴又は靴部品情報抽出処理が行われる。CPU11は、靴又は靴部品情報データベースを検索し、検索条件に合致する靴又は靴部品情報を抽出する。以下に、S504での靴又は靴部品情報抽出処理の内容を、図10を用いてより詳しく説明する。
【0082】
図10は、靴又は靴部品情報抽出処理の内容を示したフローチャートである。S601では、抽出用の検索条件が作成される。CPU11はS502で算出された三次元サイズ情報、受信した特殊情報及びデザイン情報を読み出し、読み出した三次元サイズ情報、受信した特殊情報及びデザイン情報に基づいて検索条件を作成する。CPU11は、検索条件のうち、足の縦長、幅長、甲の高さ等のサイズ情報に関しては、上下5mmを検索範囲に含める。検索条件作成後、処理はS602へ進む。ここで、サイズ情報に関して上下5
mmを検索範囲に含めることとしたのは、本実施例における一例であって、実際にシステムを構築する場合は、運用時の事情に応じて検索範囲を設定することが好ましい。なお、S502で算出できなかった三次元サイズ情報が有る場合は、受信した基本情報を検索条件として利用してもよい。
【0083】
S602では、S601で作成された検索条件に基づいて検索が行われる。CPU11は、検索条件に基づいて、靴又は靴部品情報データベースを検索し、靴又は靴部品情報のサイズ情報が検索条件の範囲内に含まれ、靴又は靴部品情報の特殊情報及びデザイン情報が、検索条件の特殊情報と同一であること、の全ての条件を満たす靴又は靴部品情報を発見した場合は、該当する靴又は靴部品情報を読み出して、RAM12に書き込む。なお、靴又は靴部品の候補を提示するシステムであるため、一致するものが複数ある場合も全て抽出する。完全に検索条件に一致する靴又は靴部品情報が発見できなかった場合は、最も近い靴又は靴部品情報を抽出する。その後処理はS603へ進む。
【0084】
S603では、靴又は靴部品情報データベースの検索が終了したか否かが判定される。CPU11は、検索が終了していないと判定した場合はS602へ進んで検索を続行し、検索が終了するまでS602及びS603の処理を繰り返す。CPU11が検索終了と判定した場合は靴又は靴部品情報抽出処理を終了し、その後S505の処理へ進む(図9を参照)。なお、実際の運用においては、検索方法はデータベースの規模や求められる処理速度に応じて最適なものを採用することが好ましい。
【0085】
S505では、抽出された靴又は靴部品情報の出力処理が行われる。CPU11は、S504で抽出された靴又は靴部品情報をRAM12から読み出し、出力する。この際、顧客へ靴又は靴部品の候補を提示する目的である場合はインターネット30を介して顧客PC40へ送信され、受注者へ靴又は靴部品の候補を提示する目的である場合はプリンタ20へ出力される。
【0086】
本実施例に拠れば、顧客は店舗に出向くことなく、デジタルカメラ50及びPC40という多くの顧客が所有している機器のみを使用して、自宅にいながらにしてオーダーメイド靴の部品を選択し、又は自らの足にフィットする既製靴を注文出来る。また、受注者は、顧客の注文を受けて、顧客の注文内容に応じた靴の部品を簡易に選択することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る靴の注文システムを実施した場合のシステム構成の概略を示した図である。
【図2】二次元静止画像情報を用意する方法を示した図である。
【図3】実施例における各種情報入力フォームの画面イメージである。
【図4】実施例における処理の流れの概略を示したフローチャートである。
【図5】実施例におけるシルエット画像情報生成処理の内容を示したフローチャートである。
【図6】実施例におけるシルエット画像情報の測定イメージを示した図である。
【図7】実施例における三次元モデル情報抽出処理の内容を示したフローチャートである。
【図8】実施例における処理の流れの概略を示したフローチャートである。
【図9】実施例における処理の流れの概略を示したフローチャートである。
【図10】実施例における靴又は靴部品情報抽出処理の内容を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
10 サーバ
11 CPU
12 RAM
13 HDD
14 NIC
15 USB
16 バス
20 プリンタ
30 インターネット
40 顧客PC
50 デジタルカメラ
60 プリンタ
70 基準画像
80 足

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる角度から顧客の足を撮像した複数の二次元静止画像情報を、インターネットを介して受信する二次元静止画像情報受信手段と、
前記二次元静止画像情報受信手段によって受信された複数の二次元静止画像情報を基に、該二次元静止画像情報に撮像された足に係る三次元情報を算出する三次元情報算出手段と、
前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報に基づいて、靴を製作するための足型情報を出力する足型情報出力手段と、
を備えることを特徴とする靴の注文システム。
【請求項2】
予め用意された靴のデザイン情報を、インターネットを介して顧客側端末へ送信するデザイン提示手段と、
前記デザイン提示手段によって送信されたデザイン情報のうち顧客が選択したデザイン情報を受信するデザイン情報受信手段と、
前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報及び前記デザイン情報受信手段によって受信されたデザイン情報を基に、靴の部品情報を算出する部品情報算出手段と、
前記部品情報算出手段によって算出された靴の部品情報を出力する部品情報出力手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の靴の注文システム。
【請求項3】
複数の異なる角度から顧客の足を撮像した複数の二次元静止画像情報をインターネットを介して受信する二次元静止画像情報受信手段と、
前記二次元静止画像情報受信手段によって受信された複数の二次元静止画像情報を基に、該二次元静止画像情報に撮像された足に係る三次元情報を算出する三次元情報算出手段と、
靴又は靴の部品の情報であって、少なくとも靴又は靴の部品のサイズに係る情報を蓄積する靴情報蓄積手段と、
前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報を基に、前記靴情報蓄積手段によって蓄積された靴又は靴の部品の情報を検索する靴情報検索手段と、
前記靴情報検索手段によって検索条件を満たした靴又は靴の部品の情報を出力する靴情報出力手段と、
を備えることを特徴とする靴の注文システム。
【請求項4】
予め用意された靴のデザイン情報を、インターネットを介して顧客側端末へ送信するデザイン提示手段と、
前記デザイン提示手段によって送信されたデザイン情報のうち顧客が選択したデザイン情報を受信するデザイン情報受信手段と、を更に備え、
前記靴情報検索手段は、前記三次元情報算出手段によって算出された三次元情報及び前記デザイン情報受信手段によって受信されたデザイン情報を基に、前記靴情報蓄積手段によって蓄積された靴の情報を検索すること、
を特徴とする請求項3に記載の靴の注文システム。
【請求項5】
足と共に撮像されることで足のサイズ特定のための基準となる基準物に係るサイズ情報である基準物サイズ情報を更に備え、
前記二次元静止画像情報受信手段は、前記基準物と共に撮像された足の二次元静止画像情報を受信し、
前記三次元情報算出手段は、前記二次元静止画像情報に含まれる前記基準物又は基準物の一部のサイズを前記基準物サイズ情報を基に算出する手段と、該基準物又は基準物の一部と該二次元静止画像情報に含まれる足を比較する手段と、を有すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の靴の注文システム。
【請求項6】
足と共に撮像されることで足のサイズ特定のための基準となる基準画像を顧客側端末に出力させるための基準画像情報を、インターネットを介して顧客側端末へ送信する基準画像情報送信手段を更に備え、
前記二次元静止画像情報受信手段は、前記基準画像と共に撮像された足の二次元静止画像情報を受信し、
前記三次元情報算出手段は、前記二次元静止画像情報に含まれる前記基準画像を参照して該二次元静止画像情報に含まれる足に係る三次元情報を算出すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の靴の注文システム。
【請求項7】
前記二次元静止画像情報に撮像された足に係る特殊情報であって顧客によって入力された特殊情報を受信する特殊情報受信手段を更に備え、
前記三次元情報算出手段は、前記特種情報受信手段によって受信された特殊情報を加味して該二次元静止画像に撮像された足に係る三次元情報を算出すること、
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の靴の注文システム。
【請求項8】
前記二次元静止画像情報受信手段によって受信された二次元静止画像情報を、しきい値による画素解析又は視体積交差法によって解析する二次元静止画像情報解析手段を更に備え、
前記三次元情報算出手段は、前記二次元静止画像情報解析手段による解析結果に基づいて、前記二次元静止画像に撮像された足に係る三次元情報を算出すること、
を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の靴の注文システム。
【請求項9】
前記二次元静止画像情報解析手段による解析結果に基づいて、前記二次元静止画像に撮像された足に係る三次元モデル情報を生成する三次元モデル情報生成手段を更に備え、
前記三次元情報算出手段によって算出される三次元情報は、前記三次元モデル情報生成手段によって生成される三次元モデル情報であること、
を特徴とする請求項8に記載の靴の注文システム。
【請求項10】
三次元モデル情報を蓄積する三次元モデル情報蓄積手段を更に備え、
前記三次元モデル情報生成手段は、前記三次元モデル情報蓄積手段に蓄積された三次元モデル情報に、前記二次元静止画像情報解析手段による解析結果を加味して前記二次元静止画像に撮像された足に係る三次元モデル情報を生成すること、
を特徴とする請求項9に記載の靴の注文システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−267996(P2007−267996A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−98032(P2006−98032)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(594099174)ぷらっとホーム株式会社 (2)
【Fターム(参考)】