説明

靴下補修パッチ

【課題】靴下のつま先部分や踵部分の補修に適した靴下補修パッチを提供する。
【解決手段】靴下補修パッチ1は、靴下にできた孔を塞ぐ布製のパッチ体2と、布製パッチ体2の片面に形成された粘着層3と、接粘着3を覆うべくこれに剥離可能に貼着された剥離紙4とを有する。パッチ体2は、補修対象である靴下の編地と同じ丸編みにより編成された綿とポリエステルの混紡糸からなる円形の布であり、靴下のつま先部分の椀状の立体形状に倣ってフィットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴下にできた孔の補修や薄くなった部分の補強を行うための靴下補修パッチに関する。
【背景技術】
【0002】
ストッキングなどに伝線やほころびが生じたときに、応急補修するための補修パッチが知られている(特許文献1)。
【0003】
しかし、この種の従来の補修パッチは、ストッキングの脹ら脛の部分や股の部分など比較的平坦な形状の部分の補修には適しているが、靴下のつま先や踵部分の補修には適さない。補修した靴下をはいたときに補修パッチを貼った部分に補修じわが発生し、補修じわによる布地の隆起や重なりによる凸凹によって補修後の靴下の履き心地が著しく悪くなるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−229013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、靴下のつま先部分や踵部分の補修に適した靴下補修パッチと、これを複数枚セットにした靴下補修パッチセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[靴下補修パッチ]
上記課題を解決するために、本発明の靴下補修パッチは、靴下にできた孔を塞ぐ布製のパッチ体と、前記パッチ体の片面に形成された粘着層とを有し、前記パッチ体は、靴下のつま先部分の椀状の立体形状に倣ってフィットし得る伸縮性を有する布であることを特徴としている。
この靴下補修パッチは、靴下のつま先部分の椀状の立体形状に倣ってフィットし得る伸縮性を有する布をパッチ体に使用しているので、補修した靴下をはいたときにパッチ体を貼った部分に補修じわが発生し難い。
【0007】
また、前記布は、補修対象である靴下の編地と同じ編みにより編成された布であることが望ましい。
本発明の靴下補修パッチにおいて、前記布は、丸編みにより編成された布であることが望ましい。
また、前記布は、綿とポリエステルの混紡糸からなることが望ましい。
また、前記粘着層は、主剤としてアクリル樹脂、粘着性付与剤としてイソシアネートを用いたアクリル系接着剤からなることが望ましい。
また、前記アクリル系接着剤は、アクリル樹脂、イソシアネート、酢酸エチル及びメチルシクロヘキサンを、それぞれ41重量%、4重量%、21重量%及び34%の割合で混合してなることが望ましい。
また、前記粘着層を覆うべくこれに剥離可能に貼着された剥離紙を有することが望ましい。
【0008】
[靴下補修パッチセット]
上記課題を解決するために、本発明の靴下補修パッチセットは、本発明の靴下補修パッチを台紙に貼り着けてなる靴下補修パッチセットであって、
前記台紙に、径寸法が互いに異なる少なくとも二種類の円形の靴下補修パッチを貼り着けたものである。
【0009】
本発明の靴下補修パッチセットにおいて、前記少なくとも二種類の円形の靴下補修パッチのうち、最小径寸法の靴下補修パッチはつま先用補修シートであり、最大径寸法の靴下補修パッチはかかと用補修シートであることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の靴下補修パッチによれば、補修後の靴下をはいたときにパッチ体を貼った部分に補修じわが発生し難くいので、履き心地を損なうことなく靴下の補修をおこなうことができる。
本発明の靴下補修パッチセットによれば、靴下の補修箇所に適した靴下補修パッチを台紙から剥がして使用することにより靴下の補修をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は本発明の靴下補修パッチの実施形態を例示する平面図である。(b)は(a)に示す靴下補修パッチのA−A断面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の靴下補修パッチの使用方法を例示する一連の工程図である。
【図3】本発明の靴下補修パッチセットの実施形態を例示する平面図である。
【図4】(a)は本発明の靴下補修パッチの別の実施形態を例示する平面図である。(b)は(a)に示す靴下補修パッチのA−A断面図である。
【図5】図4に示す靴下補修パッチの使用態様を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態につき添付図面を参照して説明する。
図1に示す靴下補修パッチ1は、靴下にできた孔を塞ぐ布製のパッチ体2と、パッチ体2の片面に形成された粘着層3と、粘着層3を覆うべくこれに剥離可能に貼着された剥離紙4とを有する。パッチ体2は、補修対象である靴下の編地と同じ丸編みにより編成された綿とポリエステルの混紡糸からなる円形の布である。丸編みには、天竺編、フライス編、スムース編が含まれる。
【0013】
粘着層3は、主剤としてアクリル樹脂、粘着性付与剤としてイソシアネートを用いたアクリル系接着剤からなる。アクリル系接着剤として、アクリル樹脂、イソシアネート、酢酸エチル及びメチルシクロヘキサンを、それぞれ41重量%、4重量%、21重量%及び34%の成分比で混合してなるものが好適である。このアクリル系接着剤は、綿糸、あるいは綿とポリエステルの混紡糸からなる布との接着性が極めて良好である。
剥離紙4は、靴下補修パッチ1の使用直前に粘着層3から剥がされる。
【0014】
この靴下補修パッチ1による靴下の補修方法は至って簡単である。たとえば、図2に示すように、靴下10のつま先部分10aにできた孔11の補修を行う場合、靴下10を裏返しにして(図2(a))、孔11の周りにしわができないように整えた状態で、孔11を塞ぐようにパッチ体2を貼り着ける(図2(b))。その際、孔1をできるだけパッチ体2の中央に合わせておく。貼り付けた後、パッチ体2の部分を手のひらで強く押して圧着させる。これにより裏側の補修は完了する。裏側の補修が終わったら、靴下10を表に返し、裏側と同様、表側にもパッチ体2を貼り着ける(図2(c))。パッチ体2を孔11の部分を挟んで両側から貼ることにより、孔11のあいたつま先部分10aを強力に補修することができる。パッチ体2を貼り着ける作業を、靴下10を履いた状態で行えば、孔11の部分へのパッチ体2の貼り着けを失敗無く至極簡単に行うことができる。
【0015】
パッチ体2は、補修対象である靴下10の編地と同じ丸編みにより編成された布であるので、靴下10のつま先部分10aの椀状の立体形状に倣ってフィットし得る伸縮性を有しており、補修後の靴下10を履いたときにパッチ体2を貼った部分に補修じわが発生し難くい。
【0016】
したがって、この靴下補修パッチ1によれば、履き心地を損なうことなく靴下10を補修することができる。また、靴下10と同程度の伸縮性を有する布からなり且つ前記成分のアクリル系接着剤からなる粘着層3が形成されたパッチ体2を、靴下10の立体形状にフィットさせて貼り着けるので、アイロンを使用することなく補修を行うことができる。
【0017】
図3に示す靴下補修パッチセット5は、径寸法が互いに異なる二種類の円形の靴下補修パッチ1S、1Lを台紙6に貼り着けたものである。径寸法が小さい方の靴下補修パッチ1Sはつま先用補修シートであり、径寸法が大きい方の靴下補修パッチ1Lはかかと用補修シートである。
この靴下補修パッチセット5によれば、靴下10の補修箇所に適した靴下補修パッチ1S、1Lを台紙6から剥がして靴下10の補修をおこなうことができる。
【0018】
図4(a)に示す靴下補修パッチ7は、矩形(この例では正方形)の大寸のシートからなる。この靴下補修パッチ7は、靴下10の補修箇所の大きさや形に応じて、図4(b)に示すように、鋏8などで部分的に切り取って使用することができる。図5は、図4(a)の靴下補修パッチ7をハート形に切り取って使用した例を示している。
【符号の説明】
【0019】
1 靴下補修パッチ
1S 靴下補修パッチ
1L 靴下補修パッチ
2 パッチ体
3 粘着層
4 剥離紙
5 靴下補修パッチセット
6 台紙
7 靴下補修パッチ
10 靴下(補修対象)
10a つま先部分
11 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴下にできた孔を補修するための補修パッチであって、
前記孔を塞ぐ布製のパッチ体と、
前記パッチ体の片面に形成された粘着層とを有し、
前記パッチ体は、靴下のつま先部分の椀状の立体形状に倣ってフィットし得る伸縮性を有する布であることを特徴とする、靴下補修パッチ。
【請求項2】
前記布は、補修対象である靴下の編地と同じ編みにより編成された布である、請求項1の靴下補修パッチ。
【請求項3】
前記布は、丸編みにより編成された布である、請求項2の靴下補修パッチ。
【請求項4】
前記布は、綿とポリエステルの混紡糸からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の靴下補修パッチ。
【請求項5】
前記粘着層は、主剤としてアクリル樹脂、粘着性付与剤としてイソシアネートを用いたアクリル系接着剤からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の靴下補修パッチ。
【請求項6】
前記アクリル系接着剤は、アクリル樹脂、イソシアネート、酢酸エチル及びメチルシクロヘキサンを、それぞれ41重量%、4重量%、21重量%及び34%の割合で混合してなる、請求項5の靴下補修パッチ。
【請求項7】
前記粘着層を覆うべくこれに剥離可能に貼着された剥離紙を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の靴下補修パッチ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の靴下補修パッチを台紙に貼り着けてなる靴下補修パッチセットであって、
前記台紙に、径寸法が互いに異なる少なくとも二種類の円形の靴下補修パッチが貼り着けられている、靴下補修パッチセット。
【請求項9】
前記少なくとも二種類の円形の靴下補修パッチのうち、最小径寸法の靴下補修パッチはつま先用補修シートであり、最大径寸法の靴下補修パッチはかかと用補修シートである、請求項8の靴下補修パッチセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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