説明

靴底材及び釣用靴

【課題】優れた滑止効果を発揮する釣用靴及びこれに使用される靴底材の提供。
【解決手段】この釣用靴10は、靴底材13を備える。靴底材13は、フェルト部材34と、ゴムピン35と、取付板部33とを有する。フェルト部材34は、靴本体の外底部に対応する形状に形成され、当該外底部に着脱自在に取り付けられる。ゴムピン35の表面38は、靴底に露出している。ゴムピン35は、硬度が20〜40のブチルゴムからなる。ゴムピン35は、円柱状に形成されている。ゴムピン35は、フェルト部材34に設けられたゴムピン収容室37に嵌め込まれており、当該ゴムピン収容室37内で変形可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用靴、特に釣用靴の靴底に使用される靴底材の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば磯釣りや川釣りにおいては、釣人は石や岩(磯)の上を歩行する。このような釣場の石や岩は、一般に濡れていることが多く、またコケ等が付着していることも多い。そのため、釣人が着用する釣用靴の靴底は、歩行の際に滑らないように従来からさまざまな改良が加えられている(例えば、特許文献1〜特許文献6参照)。
【0003】
具体的には、従来の釣用靴には、(ア)靴底材がフェルトから構成されているもの、(イ)靴底にスパイクピンが設けられているもの、(ウ)靴底に吸盤が設けられているもの等がある。これらの改良が施された釣用靴は、それぞれ一定の条件下(釣場の環境下)においては一定の滑止効果を発揮する。すなわち、例えば磯が平坦な岩からなり、あまり濡れていない場合には、靴底材がフェルトから構成されているものが好ましいし、磯に柔らかいコケが生え、常時濡れているような場合には、靴底にスパイクピンが設けられているものが好ましい。
【0004】
【特許文献1】特開2002−282009公報
【特許文献2】特開2001−197903公報
【特許文献3】特開平10−42905号公報
【特許文献4】特開平4−4803号公報
【特許文献5】特開平1−126101号公報
【特許文献6】特開昭63−191905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、釣場の環境はさまざまであり、岩の表面が滑面である場合や、濡れた粗面である場合もある。また、岩の表面に柔らかいコケが生えている場合や、比較的硬い海草が生えている場合もある。従来の釣用靴では、このようなさまざまな環境に対応して優れた滑止効果を発揮することは困難であった。例えば、靴底にスパイクピンが設けられた釣用靴は、粗面の岩場では優れた滑止効果を発揮するが、コケ等が生えている場所では、必ずしも高い滑止効果を発揮することはできなかった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、釣場におけるあらゆる環境下においても優れた滑止効果を発揮する釣用靴及びこれに使用される靴底材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 上記目的が達成されるため、本発明に係る釣用靴は、釣人の足が挿入され得る靴本体と、靴本体の外底面に設けられた靴底材とを有する。この靴底材は、上記外底面に取り付けられたフェルトからなる靴底本体と、表面が靴底に露出するように靴底本体に設けられたゴムピンとを備える。このゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなる。
【0008】
この構成によれば、釣人は、足を靴本体に挿入し、釣用靴を着用する。釣人が釣用靴を着用して歩行すると、靴底本体が釣場の石や岩に圧接する。このとき、ゴムピンの表面が靴底に露出しているから、フェルトからなる靴底本体及びゴムピンの表面が石や岩に圧接される。しかも、このゴムピンが上記硬度のブチルゴムからなるので、このゴムピンは容易に変形して釣場の岩等に対して確実にグリップする。なお、本明細書では、上記ゴムピンの硬度は、デュロメータA型硬度(JIS K 6263)を意味する。
【0009】
上記靴底本体は、上記靴底に開口するゴムピン収容室を有し、上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンのみが別部材として構成され、簡単に靴底本体に組み付けられる。その結果、釣用靴の構造が簡単となり、製造コストの大幅な上昇が回避される。
【0010】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンの構造がきわめて簡単であるから、釣用靴の構造も簡単となる。ひいては、釣用靴の製造コストが大幅に上昇することはない。しかも、ゴムピンが靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されることにより、より高い滑止効果が発揮される。
【0011】
上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面は、上記靴底本体に対して相対的に変位可能となっているのが好ましい。釣人が歩行した場合には、靴底本体が変形する。したがって、仮にゴムピンの上記各面が靴底本体に対して相対的に変位することができなければ、釣人の歩行時にゴムピンの変形が規制されてしまい、その結果、釣場の岩等に対する十分なグリップ力が得られなくなる。しかし、この構造では、十分にゴムピンの変形が許容されることになるので、釣人が釣場を歩き回った場合であっても、高い滑止効果が発揮される。
【0012】
上記靴底材は、上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆う取付部材がさらに備えられており、当該取付部材は、上記靴本体の外底面に着脱自在に設けられているのが好ましい。この場合、靴底材は靴本体に着脱自在となっているから、仮に当該靴底材が摩耗した場合には、これのみが交換され得るという利点がある。また、上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔から構成され得る。そして、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されているのが好ましい。この場合、ゴムピンは、上記貫通孔に挿入され、例えば接着剤等によって上記取付部材に固着される。このため、ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業がきわめて簡単になるという利点がある。特に、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられているのが好ましい。このフランジが設けられることにより、上記ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業が一層簡単になる。具体的には、上記ゴムピンは、靴底本体の靴本体側から上記貫通孔に挿通され、上記フランジが靴底本体に当接されることにより、当該靴底本体に位置決め状態で保持される。そして、この状態で当該フランジを挟み込むように当該靴底本体の上面に上記取付部材が設けられる。
【0013】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底から1mm〜3mmの範囲で突出しているのが好ましい。この構成では、靴底本体が釣場の石や岩に圧接されると、ゴムピンが変形して当該石等を把持するように確実に係合する。したがって、より高い滑止効果が発揮される。しかも、ゴムピンが上記のように突出していることにより、靴底本体の摩耗速度とゴムピンの摩耗速度とがほぼ一致する。したがって、高い滑止効果が持続するという利点がある。
【0014】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられているのが好ましい。これにより、上記石や岩が濡れている場合であっても、当該石等とゴムピンとの間に存在する水は、上記細溝から排水される。これにより、より一層高い滑止効果が発揮される。この細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されているのが好ましい。これにより、より高い排水効果が発揮されるという利点がある。
【0015】
(2) 上記目的が達成されるため、本発明に係る靴底材は、靴本体の外底面に設けられる靴底材であって、フェルトからなる靴底本体と、表面が靴底本体の下面に露出するように当該靴底本体に設けられたゴムピンとを備える。このゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなる。
【0016】
この構成によれば、靴底本体が釣場の石や岩に接触すると、ゴムピンが靴底に露出しているから、フェルトからなる靴底本体及びゴムピンの表面が石や岩に接触する。しかも、このゴムピンが上記硬度のブチルゴムからなるので、このゴムピンは容易に変形して釣場の岩等に対して確実にグリップする。
【0017】
上記靴底本体は、当該靴底本体の下面に開口するゴムピン収容室を有し、上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンのみが別部材として構成され、簡単に靴底本体に組み付けられる。その結果、靴底材の構造が簡単となり、製造コストの上昇が抑えられる。
【0018】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、上記靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンの構造がきわめて簡単であるから、靴底材の構造も簡単となる。ひいては、靴底材の製造コストが大幅に上昇することはない。しかも、ゴムピンが靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されることにより、より高い滑止効果が発揮される。
【0019】
上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面は、上記靴底本体に対して相対的に変位可能となっているのが好ましい。当該靴底材は、実際の使用時には、釣人が歩行することに起因して、強制的に且つ周期的に変形が繰り返される。したがって、仮にゴムピンの上記各面が靴底本体に対して相対的に変位することができなければ、当該靴底材の変形時においてゴムピンの変形が規制されてしまい、その結果、釣場の岩等に対する十分なグリップ力が得られなくなる。しかし、この構造では、十分にゴムピンの変形が許容されることになるので、高い滑止効果が発揮される。
【0020】
上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆い且つ上記靴本体の外底面に着脱自在に係合する取付部材がさらに備えられているのが好ましい。この場合、当該靴底材は靴本体に着脱可能であるから、仮に当該靴底材が摩耗した場合には、これのみが交換され得るという利点がある。また、上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔から構成され得る。そして、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されているのが好ましい。この場合、ゴムピンは、上記貫通孔に挿入され、例えば接着剤等によって上記取付部材に固着される。このため、ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業がきわめて簡単になるという利点がある。特に、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられているのが好ましい。このフランジが設けられることにより、上記ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業が一層簡単になる。具体的には、上記ゴムピンは、上記貫通孔に挿通され、上記フランジが靴底本体に当接されることにより、当該靴底本体に位置決め状態で保持される。そして、この状態で当該フランジを挟み込むように当該靴底本体の上面に上記取付部材が設けられる。
【0021】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底から1mm〜3mmの範囲で突出しているのが好ましい。この構成では、靴底本体が釣場の石や岩に圧接されると、ゴムピンが変形して当該石等を把持するように確実に係合する。したがって、より高い滑止効果が発揮される。しかも、ゴムピンが上記のように突出していることにより、靴底本体の摩耗速度とゴムピンの摩耗速度とがほぼ一致する。したがって、高い滑止効果が持続するという利点がある。
【0022】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられているのが好ましい。これにより、上記石や岩が濡れている場合であっても、当該石等とゴムピンとの間に存在する水は、上記細溝から排水される。これにより、より一層高い滑止効果が発揮される。この細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されているのが好ましい。これにより、より高い排水効果が発揮されるという利点がある。
【0023】
(3) 上記目的が達成されるため、本発明に係る釣用靴は、釣人の足が挿入され得る靴本体と、靴本体の外底面に設けられた靴底材とを有する。この靴底材は、上記外底面に取り付けられたフェルトからなる靴底本体と、この靴底本体に設けられたゴムピンとを備える。このゴムピンは、表面が靴底に露出される底板部と、当該底板部の外周縁部に立設された略筒状の側部とを有し、上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面が上記靴底本体に対して相対的に変位可能となっている。
【0024】
釣人は、足を靴本体に挿入し、釣用靴を着用する。釣人が釣用靴を着用して歩行すると、靴底本体が釣場の石や岩に圧接する。釣用靴が粗面の岩場などで使用されると、フェルトからなる靴底本体が摩耗により目減りし、その結果、ゴムピンが靴底から著しく突出されることもある。上述の構成によれば、歩行時にゴムピンに加えられた荷重によってゴムピンの側部が撓み、ゴムピン自体が靴底本体内に没入される。このとき、ゴムピンは、材質としてのゴムが有する弾性のみならず、撓んだ側部の復元力により地面を押し付ける。これにより、釣場の岩等に対してゴムピンが確実にグリップする。しかも、ゴムピンが靴底本体内に没入されるため、常に靴底全面が接地面と接触する。そのため、釣人は、バランスを崩すことなく、安定した立ち姿勢を維持することができる。
【0025】
また、釣人が歩行した場合には、靴底本体が変形する。したがって、仮にゴムピンの上記各面が靴底本体に対して相対的に変位することができなければ、釣人の歩行時にゴムピンの変形が規制されてしまい、その結果、釣場の岩等に対する十分なグリップ力が得られなくなる。しかし、この構造では、十分にゴムピンの変形が許容されることになるので、釣人が釣場を歩き回った場合であっても、高い滑止効果が発揮される。
【0026】
上記ゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなるものが好ましい。このように、ゴムピンが上記硬度のブチルゴムからなるので、このゴムピンは容易に変形して釣場の岩等に対して確実にグリップする。
【0027】
上記側部は、軸方向の弾性変形を許容する蛇腹状に形成されていることが好ましい。この構成によれば、ゴムピンの表面に荷重が加えられた際に、靴底本体へのゴムピンの没入が円滑に行われる。また、側部が軸方向に均一に撓むので、局部的に応力が過大とならない。そのため、側部のひび割れやゴム切れなどが防止される。
【0028】
上記靴底本体は、上記靴底に開口するゴムピン収容室を有し、上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンのみが別部材として構成され、簡単に靴底本体に組み付けられる。その結果、釣用靴の構造が簡単となり、製造コストの大幅な上昇が回避される。
【0029】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンの構造がきわめて簡単であるから、釣用靴の構造も簡単となる。ひいては、釣用靴の製造コストが大幅に上昇することはない。しかも、ゴムピンが靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されることにより、より高い滑止効果が発揮される。
【0030】
上記靴底材は、上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆う取付部材がさらに備えられており、当該取付部材は、上記靴本体の外底面に着脱自在に設けられているのが好ましい。この場合、靴底材は靴本体に着脱自在となっているから、仮に当該靴底材が摩耗した場合には、これのみが交換され得るという利点がある。また、上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔から構成され得る。そして、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されているのが好ましい。この場合、ゴムピンは、上記貫通孔に挿入され、例えば接着剤等によって上記取付部材に固着される。このため、ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業がきわめて簡単になるという利点がある。特に、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられているのが好ましい。このフランジが設けられることにより、上記ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業が一層簡単になる。具体的には、上記ゴムピンは、靴底本体の靴本体側から上記貫通孔に挿通され、上記フランジが靴底本体に当接されることにより、当該靴底本体に位置決め状態で保持される。そして、この状態で当該フランジを挟み込むように当該靴底本体の上面に上記取付部材が設けられる。
【0031】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底から1mm〜3mmの範囲で突出しているのが好ましい。この構成では、靴底本体が釣場の石や岩に圧接されると、ゴムピンが変形して当該石等を把持するように確実に係合する。したがって、より高い滑止効果が発揮される。しかも、ゴムピンが上記のように突出していることにより、靴底本体の摩耗速度とゴムピンの摩耗速度とがほぼ一致する。したがって、高い滑止効果が持続するという利点がある。
【0032】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられているのが好ましい。これにより、上記石や岩が濡れている場合であっても、当該石等とゴムピンとの間に存在する水は、上記細溝から排水される。これにより、より一層高い滑止効果が発揮される。この細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されているのが好ましい。これにより、より高い排水効果が発揮されるという利点がある。
【0033】
(4) 上記目的が達成されるため、本発明に係る靴底材は、靴本体の外底面に設けられる靴底材であって、フェルトからなる靴底本体と、当該靴底本体に設けられたゴムピンとを備える。このゴムピンは、表面が靴底本体の下面に露出される底板部と、該底板部の外周縁部に立設された略筒状の側部とを有し、上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面が上記靴底本体に対して相対的に変位可能となっている。
【0034】
この構成によれば、歩行時にゴムピンに加えられた荷重によってゴムピンの側部が撓み、ゴムピン自体が靴底本体内に没入される。このとき、ゴムピンは、材質としてのゴムが有する弾性のみならず、撓んだ側部の復元力により地面を押し付ける。これにより、釣場の岩等に対してゴムピンが確実にグリップする。しかも、ゴムピンが靴底本体内に没入されるため、常に靴底全面が接地面と接触する。そのため、釣人は、バランスを崩すことなく、安定した立ち姿勢を維持することができる。
【0035】
また、当該靴底材は、実際の使用時には、釣人が歩行することに起因して、強制的に且つ周期的に変形が繰り返される。したがって、仮にゴムピンの上記各面が靴底本体に対して相対的に変位することができなければ、当該靴底材の変形時においてゴムピンの変形が規制されてしまい、その結果、釣場の岩等に対する十分なグリップ力が得られなくなる。しかし、この構造では、十分にゴムピンの変形が許容されることになるので、高い滑止効果が発揮される。
【0036】
上記ゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなるものが好ましい。このように、ゴムピンが上記硬度のブチルゴムからなるので、このゴムピンは容易に変形して釣場の岩等に対して確実にグリップする。
【0037】
上記側部は、軸方向の弾性変形を許容する蛇腹状に形成されていることが好ましい。この構成によれば、ゴムピンの表面に荷重が加えられた際に、靴底本体へのゴムピンの没入が円滑に行われる。また、側部が軸方向に均一に撓むので、局部的に応力が過大とならない。そのため、側部のひび割れやゴム切れなどが防止される。
【0038】
上記靴底本体は、当該靴底本体の下面に開口するゴムピン収容室を有し、上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンのみが別部材として構成され、簡単に靴底本体に組み付けられる。その結果、靴底材の構造が簡単となり、製造コストの上昇が抑えられる。
【0039】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、上記靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されているのが好ましい。この構成では、ゴムピンの構造がきわめて簡単であるから、靴底材の構造も簡単となる。ひいては、靴底材の製造コストが大幅に上昇することはない。しかも、ゴムピンが靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されることにより、より高い滑止効果が発揮される。
【0040】
上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆い且つ上記靴本体の外底面に着脱自在に係合する取付部材がさらに備えられているのが好ましい。この場合、当該靴底材は靴本体に着脱可能であるから、仮に当該靴底材が摩耗した場合には、これのみが交換され得るという利点がある。また、上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔から構成され得る。そして、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されているのが好ましい。この場合、ゴムピンは、上記貫通孔に挿入され、例えば接着剤等によって上記取付部材に固着される。このため、ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業がきわめて簡単になるという利点がある。特に、上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられているのが好ましい。このフランジが設けられることにより、上記ゴムピンを靴底本体に組み付ける作業が一層簡単になる。具体的には、上記ゴムピンは、上記貫通孔に挿通され、上記フランジが靴底本体に当接されることにより、当該靴底本体に位置決め状態で保持される。そして、この状態で当該フランジを挟み込むように当該靴底本体の上面に上記取付部材が設けられる。
【0041】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底から1mm〜3mmの範囲で突出しているのが好ましい。この構成では、靴底本体が釣場の石や岩に圧接されると、ゴムピンが変形して当該石等を把持するように確実に係合する。したがって、より高い滑止効果が発揮される。しかも、ゴムピンが上記のように突出していることにより、靴底本体の摩耗速度とゴムピンの摩耗速度とがほぼ一致する。したがって、高い滑止効果が持続するという利点がある。
【0042】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられているのが好ましい。これにより、上記石や岩が濡れている場合であっても、当該石等とゴムピンとの間に存在する水は、上記細溝から排水される。これにより、より一層高い滑止効果が発揮される。この細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されているのが好ましい。これにより、より高い排水効果が発揮されるという利点がある。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、フェルトからなる靴底本体及びゴムピンが釣場の岩等に確実にグリップするので、これらが協働することにより、釣場の状況にかかわらず高い滑止効果が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0045】
〈第1の実施形態〉
図1は、本発明の第1の実施形態に係る釣用靴の斜視図であり、図2は、この釣用靴の要部拡大断面図である。
【0046】
この釣用靴10は、例えば磯釣り等において釣人が釣り場を安全に歩行等するために着用するものである。本実施形態に係る釣用靴10の特徴とするところは、釣用靴10のソール部分の構造である。すなわち、釣用靴10が後述の靴底材13を備えることによって、釣り場の歩行における高い滑止効果が発揮されるようになっている。なお、釣人は、左右対称に形成された一対の釣用靴10を着用するが、説明の簡略化のために、以下では、右脚用の釣用靴10の構造のついて説明される。
【0047】
釣用靴10は、靴本体11と、靴本体11の外底面31に設けられた靴底材13とを備えている。靴本体11は、下部にミッドソール部12を備えており、このミッドソール部12に靴底材13が取り付けられている。
【0048】
靴本体11は、内布14と、本体ゴム15と、補強ゴム16〜20と、中敷21とを有する。
【0049】
内布14は、例えばナイロンその他ポリエステル等からなり、靴本体11の内壁面を構成している。内布14がナイロンその他ポリエステルにより構成されることによって、釣人にとって、釣用靴10を履いたときの履き心地が良い。中敷21は、内布14の内底部に配置されている。内布14の内底部は、釣人が釣用靴10を履いたときに足の裏部分が載置される載置部23を構成している。中敷21は、例えば、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体(発泡EVA)、発泡ポリウレタン(発泡PU)、発泡ポリエチレン(発泡PE)、スポンジ等により構成されている。このため、釣人が釣用靴10を履いたときに、当該釣用靴10が足にフィットし、釣人にとって一層履き心地の良いものとなる。ただし、中敷21は、省略されていてもよい。
【0050】
本体ゴム15は、内布14の底部を除く外周面を囲繞するように配置されている。本体ゴム15は、靴本体11の骨格を形成している。本体ゴム15としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリ塩化ビニル(PVC)その他合成ゴム等が採用される。補強ゴム16は、靴本体11の先端部(爪先側)を被うように配置されており、当該部分を補強している。補強ゴム16としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリ塩化ビニル(PVC)その他合成ゴム等が採用される。補強ゴム17は、靴本体11の後端部(踵側)を被うように配置されており、当該部分を補強している。この補強ゴム17は、特に肉厚部22を備えている。この肉厚部22は、釣人が釣用靴10を履いたときに釣人の踵の後方に該当する部分に設けられており、釣人の踵部分の安全が確保されている。補強ゴム17としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリ塩化ビニル(PVC)その他合成ゴム等が採用される。
【0051】
補強ゴム18は、靴本体11の底部の近傍に配置され、靴本体11の周方向に沿って配置されている。つまり、この補強ゴム18は、靴本体11の下縁部を囲繞するように配置されており、靴本体11の先端部及び後端部をさらに補強している。この補強ゴム18としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリ塩化ビニル(PVC)その他合成ゴム等が採用される。補強ゴム19は、上記補強ゴム18の外側に配置されている。補強ゴム19は、靴本体11の底部の近傍に設けられており、靴本体11の周方向に沿って配置されている。これにより、補強ゴム19は、靴本体11の先端部及び下端部をより一層補強しており、釣用靴10の耐久性及び安全性が向上されている。この補強ゴム19としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリ塩化ビニル(PVC)その他合成ゴム等が採用される。補強ゴム20は、靴本体11の上部開口部36(釣人の脚が挿入される部分)の周縁部に配置されている。この補強ゴム20は、当該周縁部を補強している。この補強ゴム20としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリ塩化ビニル(PVC)その他合成ゴム等が採用される。
【0052】
ミッドソール部12は、上記内布14の外側の底面24に配置されている。ただし、靴本体11の底面周縁部に補強シート25が配設されている。このため、ミッドソール部12は、この補強シート25を挟んで上記底面24に固着されている。ミッドソール部12は、基部26と、シート部材27と、クッション部材28とを有する。基部26は、例えば合成ゴム等により構成されており、その外形形状は、上記底面24の形状に対応している。シート部材27は、基部26の上面に配置され、このシート部材27の上面にクッション部材28が配置されている。言い換えると、基部26、シート部材27及びクッション部材28は、順に積層されており、これらが一体となって上記内布14の外側の底面24に取り付けられている。この基部26の底面が靴本体11の外底面31を構成している。この外底面31は、後に詳述される靴底材13が装着されるための凹部32を備えている。
【0053】
シート部材27は、板材からなる。シート部材27を構成する材料は、例えば、樹脂が含浸された紙材のほか、ラバー、フェルト、プラスチック、金属等が採用され得る。クッション部材28は、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体、発泡合成ゴム、発泡天然ゴム、発泡ウレタン、フェルト材等の発泡成形部材により構成されている。なお、本実施形態では、シート部材27の上面にクッション部材28が積層されているが、基部26の上面にクッション部材28が配置され、その上面にシート部材27が配置されていてもよい。ただし、これらシート部材27及びクッション部材28は、省略されていてもよい。
【0054】
図3は、靴底材13の一部分解斜視図である。
【0055】
図2及び図3が示すように、靴底材13は、靴本体11の外底面31に着脱可能に取り付けられている。靴底材13は、取付板部33(取付部材)と、取付板部33に設けられたフェルト部材34(靴底本体)と、取付板部33に立設されたゴムピン35とを有する。
【0056】
フェルト部材34は、上記靴本体11の外底面31に対応する形状に形成されている。具体的には、フェルト部材34の外形形状は、上記外底面31に設けられた凹部32にぴったりと嵌め合わされるように形成されている。フェルト部材34の肉厚寸法は、10.0mm〜20.0mmに設定されている。フェルト部材34は、繊維が立体的に且つ方向の規則性なく集合されることによって構成されている。繊維の種類は、例えばナイロンその他ポリエステル等の合成繊維のほか、やしがら繊維や麻等の天然繊維が採用され得る。また、取付板部33は、薄肉平板状の部材であって、フェルト部材34の上面39(図3では、フェルト部材34の下側の面)を覆っている。取付板部33は、例えば、ナイロンその他ポリエステル等の合成繊維を含む不織布からなる。
【0057】
本実施形態では、この取付板部33と上記凹部32の壁面との間に面ファスナー機構が構成されている。すなわち、取付板部33の表面(図3では、下側の面)では、繊維がループ状に形成されており、上記凹部32の内面では、繊維がフック状に形成されている。したがって、靴底材13が上記凹部32に嵌め込まれたときに、取付板部33が上記凹部32の壁面に一定の保持力で着脱自在に係合する。これにより、靴底材13は、一定の保持力でミッドソール部12に着脱自在に保持されることになる。もっとも、取付板部33がループテープから構成され、上記凹部32に、このループテープと係合するフックテープが設けられていてもよい。
【0058】
ゴムピン35は、外径寸法が10.0mm〜20.0mmに設定された円柱状に形成されており、フェルト部材34に埋め込まれている。本実施形態では、17本のゴムピン35がフェルト部材34に設けられている。ただし、ゴムピン35の数は17本に限定されるものではなく、5本〜30本の範囲で適宜設定され得る。また、ゴムピン35は、いわゆる土踏まずに対応する領域W以外の領域に配置されている。具体的には、5本のゴムピンが踵部分に対応する領域に均等に並設されると共に、土踏まずから爪先に至る部分に対応する領域に12本のゴムピンが均等に並設されている。ゴムピン35の硬度は、10〜60の範囲に設定され得る。この場合の硬度とは、JIS K 6263に準拠したデュロメータA型硬度である。ただし、ゴムピンの硬度は、15〜45に設定されるのが好ましく、さらに、20〜40に設定されるのがより好ましい。そして、ゴムピン35を構成するゴムは、イソブチレンに所定量のイソプレンを共重合した合成ゴム(いわゆるブチルゴム)が採用されている。本実施形態では、ゴムピン35は、ポリマーの主成分をブチルとする配合ゴムから構成されている。
【0059】
フェルト部材34は、17個のゴムピン収容室37を備えている。このゴムピン収容室37は、フェルト部材34の下面40(靴底)に開口を有する凹部からなる。ゴムピン収容室37の数は、ゴムピン35の個数に対応している。ゴムピン収容室37は、ゴムピン35の外形形状に対応しており、本実施形態では、ゴムピン収容室37の内壁面形状が円柱状に形成されている。ゴムピン収容室37の内径寸法は、ゴムピン35の外径寸法に対応されており、これにより、ゴムピン35は、ゴムピン収容室37に圧入されている。各ゴムピン35がゴムピン収容室37に嵌め込まれた状態では、各ゴムピン35の表面38(靴底に露出する面)は、フェルト部材34の下面40に露出し、当該下面40と滑らかに連続している。
【0060】
本実施形態では、各ゴムピン35は、その上面41(取付部材と対向する面)のみが取付板部33に固定されている。すなわち、上記ゴムピン収容室37は、フェルト部材34を厚み方向に貫通する貫通孔として構成されており、各ゴムピン35は、このゴムピン収容室37に嵌め込まれているが、ゴムピン35の表面38(靴底に露出する面)及び周面42(靴底に露出する面と隣り合う面)は、フェルト部材34に固定されていない。これにより、各ゴムピン35の表面38及び周面42は、フェルト部材34に対して相対的に変位することができる。
【0061】
この釣用靴10は、概ね次のようにして製造される。釣用靴10の製造には、足型が用いられる。まず、この足型に上記内布14が被せられる。この内布14を被うように上記本体ゴム15が被せられる。次に、内布14の底部にクッション部材28及びシート部材27が貼り付けられ、さらに、上記補強シート25及び各補強ゴム16〜20が順に貼り付けられる。そして、靴本体11の底部を被うようにミッドソール部12の基部26が貼り付けられる。上記本体ゴム15、各補強ゴム16等及び基部26は、既知の接着剤や加硫処理等によって固着される。中敷21は、靴本体11の上部開口部36から挿入され、靴本体11の内底部に配置される。また、上記靴底材13は、予め別部品として組み立てられる。この靴底材13がミッドソール部12の凹部32に嵌め込まれるだけで、上記面ファスナー機構を介してミッドソール部12に固定される。なお、本実施形態では、靴底材13は着脱自在に靴本体11に取り付けられているが、靴底材13が靴本体11に固定されていてもよい。
【0062】
釣人が本実施形態に係る釣用靴10を着用して歩行すると、釣人の体重が靴底材13に作用し、フェルト部材34が釣場の石や岩に圧接される。このとき、ゴムピン35の表面38が靴底に露出しているから、フェルト部材34及びゴムピン35の表面が石や岩に圧接される。しかも、このゴムピン35が上記硬度のブチルゴムからなるので、このゴムピン35は容易に変形して釣場の岩等に対して確実にグリップする。すなわち、フェルト部材34及びゴムピン35が協働して滑止効果を発揮するので、釣場の状況にかかわらず釣用靴10は、高い滑止効果を発揮する。
【0063】
特に本実施形態では、靴底材13が上記取付板部33を備えており、この取付部材33が靴本体11の外底面31に着脱自在に設けられている。これにより、靴底材13が靴本体11に対して着脱自在となるから、仮に靴底材13が摩耗した場合には、これのみが新品に交換され得るという利点がある。
【0064】
さらに、靴底材13は、ゴムピン35がフェルト部材34のゴムピン収容室37に圧入されることによって構成されるから、ゴムピン35のみが別部材として構成されることにより、ゴムピン35が簡単にフェルト部材34に組み付けられる。その結果、釣用靴10の構造が簡単となり、製造コストの大幅な上昇が回避される。しかも、ゴムピン35は、前述されたような円柱状に形成されているから、ゴムピン35の構造がきわめて簡単であり、釣用靴10の構造もより簡単なものとなる。しかも、ゴムピン35がフェルト部材34の踵部分に対応する領域及び土踏まずから爪先に至る部分に対応する領域に均等に並設されているので、より高い滑止効果が発揮されるという利点がある。
【0065】
特に本実施形態では、上記ゴムピン35の表面38及び周面42は、フェルト部材34に対して相対的に変位することができる。ところで、釣人がこの釣用靴10を着用して釣場を歩行した場合には、フェルト部材34が変形する。したがって、仮にゴムピン35の上記表面38及び周面42がフェルト部材34に対して相対的に変位することができなければ、釣人の歩行時にゴムピン35の変形が規制されてしまい、その結果、釣場の岩等に対する十分なグリップ力が得られなくなる。しかし、この釣用靴10では、十分にゴムピン35の変形が許容されることになるので、釣人が釣場を歩き回った場合であっても、高い滑止効果が発揮される。しかも、ゴムピン35の変形を許容する構造は、具体的には、ゴムピン35がゴムピン収容室37に嵌め込まれ、ゴムピン35の上面41のみが取付板部33に固定されることにより実現されているから、ゴムピン35をフェルト部材34に組み付ける作業がきわめて簡単であるという利点がある。
【0066】
〈第2の実施形態〉
次に、本発明の第2の実施形態が説明される。図4は、本発明の第2の実施形態に係るゴムピン50の斜視図であり、図5は、このゴムピン50の取付要領を示す断面図である。
【0067】
当該第2の実施形態に係る釣用靴が上記実施形態に係る釣用靴10と異なるところは、図4が示すように、ゴムピン50が円柱部51及びフランジ52を備えている点、円柱部51に細溝53、54が設けられている点及びこのゴムピン50は、図5が示すように、フランジ52が取付板部33とフェルト部材34との間に挟み込まれるようにして取り付けられている点である。なお、その他の構成については、上記釣用靴10と同様である。
【0068】
ゴムピン50は、上記ゴムピン35と同様の材料で形成されている。ゴムピン50の円柱部51は、上記ゴムピン35と同様の形状である。そして、この円柱部51の上面にフランジ52が一体的に形成されている。上記細溝53及び細溝54は、円柱部51の表面38に設けられており、互いに直交している。換言すれば、円柱部51の表面38に十字状の細溝が形成されている。本実施形態では、2本の細溝53、54が設けられ、これらが直交しているが、細溝の数や交差角度等は、特に限定されるものではなく、要するに、円柱部51の表面38に細溝が形成されていればよい。これら細溝53、54の幅寸法dは、0.2mm〜2.0mm程度に設定され得る。また、各細溝53、54は、円柱部51の軸方向に寸法cだけ延びている。この寸法cは、細溝53、54の深さ寸法であり、5mm〜15mm程度に設定され得る。
【0069】
このゴムピン50は、図5が示すようにフェルト部材34のゴムピン収容室37に嵌め込まれている。具体的には、円柱部51がフェルト部材34の上面39側(靴本体11側)から嵌め込まれる。円柱部51にフランジ52が設けられているから、円柱部51がゴムピン収容室37に挿入されると、フェルト部材34の上面39にフランジ52が当接する。そして、この状態で取付板部33がフェルト部材34の上面39に張り付け固定される。すなわち、フランジ52がフェルト部材34と取付板部33との間に挟み込まれ、ゴムピン50が確実にフェルト部材34に固定される。ここで、円柱部51の長さ寸法は、フェルト部材34の厚み寸法よりも長くなるように設定されている。したがって、ゴムピン50がフェルト部材34に取り付けられた状態では、円柱部51の先端部がフェルト部材34の下面40から突出する。この突出寸法aは、1.0mm〜3.0mmに設定される。
【0070】
本実施形態では、上記ゴムピン50がフランジ52を備えているので、前述のようにゴムピン50がフェルト部材34に確実に固定されると共に、このゴムピン50をフェルト部材34に組み付ける作業が一層簡単になるという利点がある。
【0071】
また、上記ゴムピン50の表面38がフェルト部材34の下面40から突出しているのフェルト部材34が釣場の石や岩に圧接されると、ゴムピン50が変形して当該石等を把持するように確実に係合する。したがって、より高い滑止効果が発揮される。しかも、ゴムピン50が前述のように突出していることにより、フェルト部材34の摩耗速度とゴムピン50の摩耗速度とがほぼ一致する。したがって、高い滑止効果が持続するという利点がある。
【0072】
加えて、ゴムピン50に上記細溝53、54が設けられているので、上記石や岩が濡れている場合であっても、当該石等とゴムピンとの間に存在する水がゴムピン50の周囲へ排出される。これにより、より一層高い滑止効果が発揮される。本実施形態では、この細溝53、54は、ゴムピン50の表面38に十字形に形成されているので、より高い排水効果が発揮されるという利点がある。
【0073】
〈第3の実施形態〉
次に、本発明の第3の実施形態が説明される。図6は、本発明の第3の実施形態に係る釣用靴の要部拡大断面図である。
【0074】
上述の各実施形態では、フェルト部材34と、該フェルト部材34の上面39に覆われた取付板部33とにより靴底材13が構成されているが、例えば、図6が示すように、靴底材13は、フェルト部材34の上面に底板部材45が配置され、更に該底板部材45の上面に取付板部33が配置された積層構造に形成されていてもよい。この場合は、各ゴムピン35の上面41のみが底板部材45に固定されることで、各ゴムピン35がフェルト部材34に取り付けられる。
【0075】
ここに、上記底板部材45は、板材からなるものである。該底板部材45を構成する材料としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリ塩化ビニル(PVC)その他の合成ゴムのほか、脂が含浸された紙材や、発泡エチレン酢酸ビニル共重合体、発泡合成ゴム、発泡天然ゴム、発泡ウレタン等の発泡成形部材など、種々のものが採用可能であるが、少なくとも、フェルト部材34よりも剛性が高く薄肉状のものであることが好ましい。図6が示す積層構造に形成された靴底材13であれば、フェルト部材34に可撓性の高い材質を用いた場合でも、靴底材13全体の剛性を確保することができる。また、本釣用靴10が使用されてフェルト部材34が摩耗して薄くなった場合でも、靴底材13に必要とされる剛性は底板部材45によって確保され得る。
【0076】
〈第4の実施形態〉
続いて、本発明の第4の実施形態が以下に説明される。図7は、本発明の第4の実施形態に係るゴムピン60の斜視図である。図8は、ゴムピン60の縦断面図であって、図7のVIII−VIII線断面が示されている。また、図9は、ゴムピン60を備える靴底材13の要部拡大断面図であり、図10は、ゴムピン60の表面38に荷重が加えられたときの靴底材13の要部拡大断面図である。
【0077】
当該実施形態に係る釣用靴は、前述の各実施形態に係る釣用靴10の改良に係るものである。詳細には、前述の各実施形態に係る釣用靴10に用いられるゴムピン35及び50の改良に関する。
【0078】
上述の如く、ゴムピンの円柱部51の先端部をフェルト部材34の下面40から突出させる構成が採用されることにより、フェルト部材34の摩耗速度とゴムピンの摩耗速度とをほぼ一致させ得ることが期待される。しかしながら、釣用靴10の底面の摩耗は、釣用靴10の使用態様や使用される釣場の足場状態によって著しく異なる場合がある。
【0079】
例えば、コンクリート面などのように表面が平坦な波止場で釣用靴10が使用された場合は、歩行時に靴底のほぼ全域が接地されるため、底面から突出されたゴムピンの摩耗速度はフェルト部材34の摩耗速度よりも早くなることがある。一方、磯などのように、粗面の岩場で釣用靴10が使用された場合は、ゴムピン50は石や岩に確実にグリップするため釣人の岩場での移動が容易となるものの、フェルト部材34が岩の粗面によって激しく削り採られる。したがって、粗面の岩場では、フェルト部材34の摩耗速度のほうがゴムピンの摩耗速度よりも早くなる場合があり得る。釣用靴10が粗面の岩場に偏重して使用された場合は、フェルト部材34が摩耗によって目減りし、釣用靴10の底面から突出されるゴムピンの突出量が著しく大きくなる。このように、ゴムピンの突出量が大きく変形した状態で当該釣用靴10が着用されると、釣人の安定した立ち姿勢および歩行を妨げるおそれがある。また、実釣時に履き心地に違和感を感じ、快適な釣りができなくなるため、好ましくない。更にまた、ゴムピンの突出量が大きくなると、ゴムピン自体の変形量が大きくなるため、ゴムピンがちぎれやすくなるという問題も生じ得る。
【0080】
そこで、当該実施形態では、前述の各実施形態に係る釣用靴10に適用されるゴムピン35及びゴムピン50とは異なる形状のゴムピン60が採用されている。具体的には、ゴムピン35及びゴムピン50がゴム塊で形成されているのに対し、ゴムピン60は、図7及び図8が示すように、円柱部51の内部が中空状に形成されている点で、前述のゴムピン35及びゴムピン50とは大きく異なる。なお、ゴムピン70の他の構成、及び釣用靴の他の構成については、前述の釣用靴10と共通する。したがって、当該実施形態では、共通する構成要素についての詳細な説明は省略される。
【0081】
以下に、ゴムピン50の変形例として、フランジ52を有するゴムピン60が詳細に説明される。
【0082】
ゴムピン60は、上記ゴムピン35及びゴムピン50と同様の材料、即ち、硬度15〜45、より好ましくは、硬度20〜40のブチルゴムで形成されている。当該ゴムピン60が上記硬度のブチルゴムからなるので、このゴムピン60は容易に変形して釣場の岩等に対して確実にグリップする。これにより、釣場の状況にかかわらず釣用靴10は、高い滑止効果を発揮する。なお、このブチルゴムは、ゴムピン60を構成する材料の単なる一例であって、例えば、天然ゴム(NR)やポリ塩化ビニル(PVC)その他の合成ゴム等がゴムピン60の材料として採用され得る。
【0083】
ゴムピン60の円柱部51は、図7及び図8が示すように、底板部63と該底板部63に一体に形成された側部62とにより構成されている。底板部63は、靴底に露出される表面38を有する。底板部63には、ゴムピン50と同様に、互いに直交する2本の細溝53、54が形成されている。
【0084】
底板部63は、歩行時に表面38が石や岩に圧接されて徐々に摩耗するおそれがあるため、ある程度の厚みを有するゴム塊として構成されている。底板部63の厚みは、ゴムピン60の材質や釣用靴10の使用目的などによって適宜設定され得る要素であるが、概ね、5mm〜10mmの範囲に設定される。前述されたように、ゴムピン60の円柱部51の外形寸法は、10.0mm〜20.0mmであるため、上記底板部63は、背丈の低い円柱形状を呈している。
【0085】
上記側部62は、底板部63の外周縁部から垂直方向に立設されており、略円筒形状に形成されている。したがって、底板部63は、側部62の内孔61の底面を構成している。側部62の肉厚は、ゴムピン60のゴム硬度や釣用靴10に配設されるゴムピン60の数などによって決定される。なお、側部62は略円筒形状に限られない。例えば、断面が四角形の筒状に形成されたものでもよい。
【0086】
側部62の上面、即ち、ゴムピン60の円柱部51の上面にフランジ52が一体に形成
されている。このフランジ52は、平面視で円環状を呈しており、円柱部51の上面外周から外側へ庇状に延出されている。円柱部51の上面は閉塞されておらず、したがって、円筒形状に形成された側部62の内孔61が開放されている。なお、本実施形態では、フランジ52を有するゴムピン60が説明されるが、フランジ52は省略されていてもよい。
【0087】
本実施形態に係る釣用靴10が磯などのように粗面の岩場で使用されると、釣人の体重が靴底材13に作用し、フェルト部材34が釣場の石や岩に圧接される。このとき、フェルト部材34及びゴムピン60が協働して高い滑止効果を発揮する。その一方で、フェルト部材34が釣場の石や岩で徐々に削り取られる。例えば、釣用靴10が複数回使用された結果、図9が示すように、フェルト部材34が削り取られて目減りして、予め設定されたゴムピン60の突出寸法a(1.0mm〜3.0mm)が寸法e(>a)に拡大される場合も生じ得る。同図が示すように、ゴムピン60の表面38は靴底に露出されているから、釣人の体重が作用して、図中の矢印P方向からゴムピン60に荷重が加えられる。このとき、図10が示すように、加えられた荷重によって、ゴムピン60の側部62が内側へ撓まされる。
【0088】
上記側部62が内側へ撓まされた結果、ゴムピン60がフェルト部材34内へ没入される。このとき、ゴムピン60には、ゴム本来の弾性力に加え、側部62の撓みを復元しようとして矢印P方向からの荷重を押し返す方向の付勢力が生じる。したがって、磯などの岩場にゴムピンが確実にグリップする。しかも、ゴムピン60がフェルト部材34内に没入されるため、常に靴底全面が接地面と接触する。そのため、釣人はバランスを崩すことなく、安定した歩行および立ち姿勢が維持される。
【0089】
なお、上記側部62は、略円筒形状に形成されておれば如何なる形状であっても採用され得る。例えば、上記ゴムピン60に代えて、図11が示すように、側部62が軸方向(図11の上下方向)への弾性変形を許容する蛇腹状に形成されたゴムピン70を採用することも可能である。ここに、図11は、ゴムピン70の縦断面図であり、図12は、ゴムピン70を備える靴底材13の要部拡大断面図である。また、図13は、ゴムピン70の表面38に荷重が加えられたときの靴底材13の要部拡大断面図である。
【0090】
このようなゴムピン70が靴底材13に備えられた釣用靴においては、ゴムピン70の表面38に荷重が加えられた際に、ゴムピン70が靴底から突出された状態(図12参照)から、図13が示すように、ゴムピン70がフェルト部材34内に没入されるまでの動作が容易且つ円滑に行われる。また、側部62の蛇腹形状によって矢印P方向からの荷重を押し返す方向の付勢力が高められ、磯などの岩場にゴムピン70がより確実にグリップすることになる。更にまた、側部62が蛇腹形状に形成されているため、側部62がゴムピン70の軸方向、すなわち、靴底に垂直な方向に均一に撓むため、局部的に応力が過大にならない。そのため、側部62のひび割れやゴム切れなどが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、磯や河原で使用される釣用靴に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る釣用靴の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係る釣用靴の要部拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る釣用靴の靴底材の一部分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に係るゴムピンの斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態に係るゴムピンの取付要領を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の第3の実施形態に係る釣用靴の要部拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の第4の実施形態に係るゴムピン60の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第4の実施形態に係るゴムピン60の縦断面図であって、図7のVIII−VIII線断面が示されている。
【図9】図9は、本発明の第4の実施形態に係るゴムピン60を備える靴底材13の要部拡大断面図である。
【図10】図10は、本発明の第4の実施形態に係るゴムピン60の表面38に荷重が加えられたときの靴底材13の要部拡大断面図である。
【図11】図11は、ゴムピン60の変形例であるゴムピン70の縦断面図である。
【図12】図12は、ゴムピン60の変形例であるゴムピン70を備える靴底材13の要部拡大断面図である。
【図13】図13は、ゴムピン60の変形例であるゴムピン70の表面38に荷重が加えられたときの靴底材13の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0093】
10・・・釣用靴
11・・・靴本体
12・・・ミッドソール部
13・・・靴底材
31・・・靴本体の外底面
32・・・凹部
33・・・取付板部
34・・・フェルト部材
35・・・ゴムピン
37・・・ゴムピン収容室
38・・・ゴムピンの表面
39・・・フェルトの上面
40・・・フェルトの下面
41・・・ゴムピンの上面
42・・・ゴムピンの周面
50・・・ゴムピン
51・・・円柱部
52・・・フランジ
53・・・細溝
54・・・細溝
60・・・ゴムピン
61・・・内孔
62・・・側部
63・・・底板部
70・・・ゴムピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣人の足が挿入され得る靴本体と、
靴本体の外底面に設けられた靴底材とを有し、
靴底材は、
上記外底面に取り付けられたフェルトからなる靴底本体と、
表面が靴底に露出するように靴底本体に設けられたゴムピンとを備え、
当該ゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなる釣用靴。
【請求項2】
上記靴底本体は、上記靴底に開口するゴムピン収容室を有し、
上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されている請求項1に記載の釣用靴。
【請求項3】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されている請求項1または2に記載の釣用靴。
【請求項4】
上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面は、上記靴底本体に対して相対的に変位可能である請求項1から3のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項5】
上記靴底材は、上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆う取付部材がさらに備えられており、
当該取付部材は、上記靴本体の外底面に着脱自在に設けられている請求項1から4のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項6】
上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔からなり、
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されている請求項5に記載の釣用靴。
【請求項7】
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられている請求項6に記載の釣用靴。
【請求項8】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底から1mm〜3mmの範囲で突出している請求項1から7のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項9】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられている請求項1から8のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項10】
上記細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されている請求項9に記載の釣用靴。
【請求項11】
靴本体の外底面に設けられる靴底材であって、
フェルトからなる靴底本体と、
表面が靴底本体の下面に露出するように当該靴底本体に設けられたゴムピンとを備え、
当該ゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなる靴底材。
【請求項12】
上記靴底本体は、当該靴底本体の下面に開口するゴムピン収容室を有し、
上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されている請求項11に記載の靴底材。
【請求項13】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、上記靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されている請求項11または12に記載の靴底材。
【請求項14】
上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面は、上記靴底本体に対して相対的に変位可能である請求項11から13のいずれかに記載の靴底材。
【請求項15】
上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆い且つ上記靴本体の外底面に着脱自在に係合する取付部材がさらに備えられている請求項11から14のいずれかに記載の靴底材。
【請求項16】
上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔からなり、
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されている請求項15に記載の靴底材。
【請求項17】
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられている請求項16に記載の靴底材。
【請求項18】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底本体の下面から1mm〜3mmの範囲で突出している請求項11から17のいずれかに記載の靴底材。
【請求項19】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられている請求項11から18のいずれかに記載の靴底材。
【請求項20】
上記細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されている請求項19に記載の靴底材。
【請求項21】
釣人の足が挿入され得る靴本体と、
靴本体の外底面に設けられた靴底材とを有し、
靴底材は、
上記外底面に取り付けられたフェルトからなる靴底本体と、
当該靴底本体に設けられたゴムピンとを備え、
当該ゴムピンは、表面が靴底に露出される底板部と、当該底板部の外周縁部に立設された略筒状の側部とを有し、上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面が上記靴底本体に対して相対的に変位可能である釣用靴。
【請求項22】
上記ゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなる請求項21に記載の釣用靴。
【請求項23】
上記側部は、軸方向の弾性変形を許容する蛇腹状に形成されている請求項21または22に記載の釣用靴。
【請求項24】
上記靴底本体は、上記靴底に開口するゴムピン収容室を有し、
上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されている請求項21から23のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項25】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されている請求項21から24のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項26】
上記靴底材は、上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆う取付部材がさらに備えられており、
当該取付部材は、上記靴本体の外底面に着脱自在に設けられている請求項21から25のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項27】
上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔からなり、
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されている請求項26に記載の釣用靴。
【請求項28】
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられている請求項27に記載の釣用靴。
【請求項29】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底から1mm〜3mmの範囲で突出している請求項21から28のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項30】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられている請求項21から29のいずれかに記載の釣用靴。
【請求項31】
上記細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されている請求項30に記載の釣用靴。
【請求項32】
靴本体の外底面に設けられる靴底材であって、
フェルトからなる靴底本体と、
当該靴底本体に設けられたゴムピンとを備え、
当該ゴムピンは、表面が靴底本体の下面に露出される底板部と、当該底板部の外周縁部に立設された略筒状の側部とを有し、上記ゴムピンの表面及び当該表面に連続する面が上記靴底本体に対して相対的に変位可能である靴底材。
【請求項33】
上記ゴムピンは、硬度20〜40のブチルゴムからなる請求項32に記載の靴底材。
【請求項34】
上記側部は、軸方向の弾性変形を許容する蛇腹状に形成されている請求項32または33に記載の靴底材。
【請求項35】
上記靴底本体は、当該靴底本体の下面に開口するゴムピン収容室を有し、
上記ゴムピンは、上記ゴムピン収容室に圧入されている請求項32から34のいずれかに記載の靴底材。
【請求項36】
上記ゴムピンは、外径寸法が直径10mm〜20mmの円柱状に形成されており、上記靴底本体の踵部分及び土踏まずから爪先に至る部分に均等に並設されている請求項32から35のいずれかに記載の靴底材。
【請求項37】
上記靴本体の外底面と対向する上記靴底本体の上面を覆い且つ上記靴本体の外底面に着脱自在に係合する取付部材がさらに備えられている請求項32から36のいずれかに記載の靴底材。
【請求項38】
上記ゴムピン収容室は、上記靴底本体に設けられた貫通孔からなり、
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面のみが、当該取付部材に固着されている請求項37に記載の靴底材。
【請求項39】
上記ゴムピンの上記取付部材と対向する面にフランジが設けられている請求項38に記載の靴底材。
【請求項40】
上記ゴムピンの表面は、上記靴底本体の下面から1mm〜3mmの範囲で突出している請求項32から39のいずれかに記載の靴底材。
【請求項41】
上記ゴムピンの表面に所定深さの細溝が設けられている請求項32から40のいずれかに記載の靴底材。
【請求項42】
上記細溝は、上記ゴムピンの表面に十字形に形成されている請求項41に記載の靴底材。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−289063(P2006−289063A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63415(P2006−63415)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【出願人】(000106955)シバタ工業株式会社 (81)
【Fターム(参考)】