鞍乗り型車両
【課題】本発明は、盗難対策装置を備えた鞍乗り型車両において、盗難対策装置がより自由に配置できるような技術を提供することを課題とする。
【解決手段】車体フレーム11にエンジン27と盗難対策装置112とが取付けられている自動二輪車10において、盗難対策装置112は、GPS信号を受信するGPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延びるケーブル111と、このケーブル111の先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニット64とを有する。GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11の前部に備えられるヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。
【解決手段】車体フレーム11にエンジン27と盗難対策装置112とが取付けられている自動二輪車10において、盗難対策装置112は、GPS信号を受信するGPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延びるケーブル111と、このケーブル111の先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニット64とを有する。GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11の前部に備えられるヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難対策装置を備えた鞍乗り型車両の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
盗難対策装置を備えた鞍乗型車両が提案されている(例えば、特許文献1(図5)参照。)。
【0003】
特許文献1の図5に示されるように、自動二輪車(10)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)の後部で座席シート(120)の下方に、箱状の盗難防止ユニット(160)(以下、「盗難対策装置(160)」と云う。)が配置されている。
【0004】
盗難対策装置(160)は、GPSアンテナを内蔵している。このGPSアンテナを用いて衛星から発信される電波を受信する。衛星からの電波を所定の受信感度をもって受信するためには、GPSアンテナの上方に電波を遮蔽する遮蔽物がないことが必須となる。
特許文献1の盗難対策装置(160)は、車体の上部に配置されているため、所定の受信感度が確保され、衛星から発信される電波を受信することができる。
【0005】
すなわち、GPSアンテナは、所定の受信感度が得られるように、自動二輪車の上部に配置する必要がある。一方、GPSアンテナを内蔵する盗難対策装置(160)は、一定の大きさの箱体であるため、スペース上の制約が大きな自動二輪車にあっては、シート下に配置する等、好適な配置箇所が限られる。
【0006】
しかし、他の車載機器の配置を考慮すると、盗難対策装置(160)は、その配置に制約を受けないことが望まれる。
そこで、盗難対策装置がより自由に配置できるような技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−120627公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、盗難対策装置を備えた鞍乗り型車両において、盗難対策装置がより自由に配置できるような技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、車体フレームにパワーユニットと外装部品と盗難対策装置とが取付けられている鞍乗り型車両において、盗難対策装置は、GPS信号を受信するGPSアンテナと、このGPSアンテナから延びるケーブルと、このケーブルの先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニットとを有し、GPSアンテナは、GPSユニットから離れた位置にて、車体フレーム又は外装部品に取付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、車体フレームの前部に備えられるヘッドパイプに、前輪を転舵自在に支持するフォーク部材が取付けられ、ヘッドパイプの車両後方に隣接してGPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、ヘッドパイプの後方位置にて車体フレームに燃料タンクが備えられ、この燃料タンクの前部に、GPSアンテナが配置され、このGPSアンテナの上方にGPSアンテナカバーが設けられ、ケーブルは、燃料タンクの下方に配索されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、車体フレームに燃料タンクが備えられ、この燃料タンクの外側方に沿うようにタンクサイドカバーが配置され、このタンクサイドカバーと燃料タンクの間に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、燃料タンクに、上方に開放した箱状のアンテナステーが溶接され、このアンテナステーに収納されるようにGPSアンテナがアンテナステーに取付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、車体フレームに、底板と、この底板の上方に設けられるクッションと、このクッションの上面に設けられる表皮と、を有するシートが取付けられ、このシートの下方に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、シートの底板にGPSアンテナの取付部が設けられ、このGPSアンテナの取付部にGPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、車体フレームに、シートを支持するシートレールが含まれ、
シートレールの側方に、箱状のアンテナステーが設けられ、このアンテナステーにGPSアンテナが収容された状態で取付けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、車体フレームに、シートを支持する左右一対のシートレールが含まれ、これらの左右一対のシートレールの間に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、シートレールに、乗員がつかむことができるグラブレールが取付けられ、このグラブレールが取付けられるグラブレール取付部から車幅方向内側にグラブレール延長部が延ばされ、このグラブレール延長部に上方に開放する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するようにグラブレール延長部にGPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る発明は、左右のシートレールの間に、クロスメンバが渡され、このクロスメンバに上方に開放する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するようにしてクロスメンバにGSPアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る発明は、車体フレームに、底板と、この底板の上方に設けられるクッションと、このクッションの上面に設けられる表皮と、を有するシートが取付けられ、車体フレームに、シートを支持する左右一対のシートレールが含まれ、左右のシートレールの間に、クロスメンバが渡され、このクロスメンバの後部から車両後方へ後部延出部が延ばされ、この後部延出部に上方に開放する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するように後部延出部にGSPアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項13に係る発明は、車体フレームに、走行状態を表示するメータがさらに備えられ、このメータの近傍で且つメータの最上部より下方に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項14に係る発明では、メータは、車体フレームから延ばした板状のメータステーで支持され、このメータステーから車両前方にメータステー延長部が延長され、このメータステー延長部に上方に開口する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するようにしてメータステー延長部にGSPアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項15に係る発明では、外装部品は、ヘッドライトと、このヘッドライトを覆うフェアリングとからなり、車体フレームの前部に備えられるヘッドパイプに、前輪を転舵自在に支持するフォーク部材が取付けられ、車両側面視で、フェアリングと重なる位置にてフォーク部材に、GPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0024】
請求項16に係る発明では、GPSアンテナはクランプ部材で挟持され、このクランプ部材がフォーク部材に取付けられることで、フォーク部材に、GPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る発明では、GPSアンテナは、GPSユニットから離れた位置にて、車体フレーム又は外装部品に取付けられている。
すなわち、本発明では、GPSアンテナをGPSユニットから分離した。GPSアンテナを所定の受信感度が得られる箇所に配置すれば、GPSユニットは受信感度とは無関係な箇所に自由に配置できる。
この結果、本発明によれば、盗難対策装置がより自由に配置できる鞍乗り型車両が提供される。
【0026】
また、GPSアンテナを分離した分だけGPSユニットは小型化することが可能となり、GPSユニットをより自由に車体へ取付けることができるようになる。
【0027】
請求項2に係る発明では、GPSアンテナは、ヘッドパイプの車両後方に隣接して配置されている。ヘッドパイプの後方に位置するデッドスペースを利用してGPSアンテナを配置することができ、デッドスペースの有効活用が図れる。
【0028】
請求項3に係る発明では、GPSアンテナは、その上方がGPSアンテナカバーで覆われている。GPSアンテナは、GPSアンテナカバーにより保護される。GPSアンテナは保護されているため、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
ケーブルは、燃料タンクの下方に配索されるので、ケーブルがいたずらされる心配がない。
【0029】
請求項4に係る発明では、GPSアンテナは、タンクサイドカバーと燃料タンクの間に配置されている。タンクサイドカバーと燃料タンクの間という目立ち難い箇所にGPSアンテナを配置することができる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
【0030】
請求項5に係る発明では、GPSアンテナは、箱状のアンテナステーに収納するように配置される。GPSアンテナを箱状のアンテナステーに入れることで、第3者がGPSアンテナに触れ難くすることができ、いたずら等を防止することができる。加えて、GPSアンテナは、燃料タンク側に設けられ、アンテナステーの車幅方向外方に設けられているタンクサイドカバーによって保護することができる。
【0031】
請求項6に係る発明では、シートの下方に、GPSアンテナが配置されている。第三者が手を入れ難いシート下にGPSアンテナを配置したので、いたずら等の発生を防止することができる。
【0032】
請求項7に係る発明では、シートの底板にGPSアンテナが取付けられている。第三者が手を入れ難いシートの底板にGPSアンテナを取付けたので、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
【0033】
請求項8に係る発明では、GPSアンテナは、箱状のアンテナステーに収納するように配置される。GPSアンテナを箱状のアンテナステーに入れることで、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。アンテナステーに収容されているGPSアンテナであれば、いたずらされる心配がない。
【0034】
請求項9に係る発明では、GPSアンテナは、左右一対のシートレールの間に配置されている。通常、シートで覆われ第三者が触れ難い左右一対のシートレールの間にGPSアンテナが配置されているので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
【0035】
請求項10に係る発明では、グラブレール延長部に窓部を設け、この窓部の下に位置するようにGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナをグラブレール延長部の下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0036】
請求項11に係る発明では、左右のシートレールの間に渡したクロスメンバに窓部を設け、この窓部の下に位置するようにGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナをクロスメンバの下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0037】
請求項12に係る発明では、左右のシートレールの間に渡したクロスメンバの後部から車両後方へ後部延出部が延ばされ、この後部延出部に窓部を設け、この窓部の下に位置するようにGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナを後部延出部の下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0038】
請求項13に係る発明では、メータの近傍で且つメータの最上部より下方に、GPSアンテナが配置されている。GPSアンテナを、メータ周辺の目立ち難い位置に配置することが可能になる。
【0039】
請求項14に係る発明では、窓部の下に位置するようにしてメータステー延長部にGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナを板状のメータステーの下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0040】
請求項15に係る発明では、車両側面視で、フェアリングと重なる位置にてフォーク部材に、GPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナは、フェアリングによって覆われるので、GPSアンテナを目立たない位置に配置することができる。
【0041】
請求項16に係る発明では、フォーク部材に、クランプ部材を介してGPSアンテナが取付けられている。クランプ部材でGPSアンテナが支持されているので、部品点数の増加が最小限に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】自動二輪車に備えられている盗難対策装置のブロック図である。
【図3】GPSアンテナが分離配置されている盗難対策装置の斜視図である。
【図4】実施例1に係るGPSアンテナ備えた車体前部の右側面図である。
【図5】図4の5矢視図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】実施例1の変形例を示す平面図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】図8の10矢視図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】実施例2に係るGPSアンテナ備えた車体前部の右側面図である。
【図13】図12からシュラウドを取り外したときの図である。
【図14】図13の14矢視図である。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【図16】図14の変形例図である。
【図17】図16の17矢視図である。
【図18】図16に示されている箱状のアンテナステーの製造方法を説明する図である。
【図19】実施例3〜7に係るGPSアンテナが配置アンテナの配設位置を説明する車体後部の左側面図である。
【図20】実施例3に係るGPSアンテナを備えたシートの側面図である。
【図21】図20の21部拡大図である。
【図22】図21の22矢視図である。
【図23】実施例4に係るGPSアンテナを備えたシートレールの側面図である。
【図24】図23の24矢視図である。
【図25】図24の25−25線断面図である。
【図26】図23の変形例図である。
【図27】図26の27矢視図である。
【図28】図26に示されている箱状のアンテナステーの製造方法を説明する図である。
【図29】実施例5に係るGPSアンテナを備えたグラブレールの平面図である。
【図30】図29の30−30線断面図である。
【図31】実施例6及び実施例7に係るGPSアンテナを備えたクロスメンバの平面図である。
【図32】図31の32−32線断面図である。
【図33】実施例8に係る自動二輪車の左側面図である。
【図34】実施例8に係るGPSアンテナを備えた車体前部の左側面図である。
【図35】GPSアンテナが備えられている車体前部の斜視図である。
【図36】図35の36−36線断面図である。
【図37】実施例9に係るGPSアンテナ備えた車体前部の左側面図である。
【図38】図37の要部平面図である。
【図39】図38の39−39線断面図である。
【図40】鞍乗り型車両において、GPSアンテナが配置可能な箇所を説明する左側面図である。
【図41】鞍乗り型車両において、GPSユニットが配置可能な箇所を説明する左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0044】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されているように、自動二輪車10は、骨格となる車体フレーム11が、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から後方斜め下方に延びるメインフレーム13と、このメインフレーム13の後端部から後方斜め上方に延びる左右一対のシートレール15、16(手前側の符号15のみ示す。)と、ヘッドパイプ12からメインフレーム13の下方を後方斜め下方に延びるダウンフレーム17と、メインフレーム13の後端部及びダウンフレーム17の下端部に各々連結された左右一対のセンタフレーム21、22(手前側の符号21のみ示す。)と、これらのセンタフレーム21、22の後部下部及びシートレール15、16の後端部の各々に連結された左右一対のサブフレーム23、24(手前側の符号23のみ示す。)とから構成され、ヘッドパイプ12にフォーク部材26が操舵自在に取付けられ、ダウンフレーム17及びセンタフレーム21、22にパワーユニットとしてのエンジン27が取付けられ、センタフレーム21、22の各々の後部下部に設けられたピボットプレート部31、32(手前側の符号31のみ示す。)の各々にピボット軸33を介してスイングアーム34がスイング自在に取付けられている。
【0045】
フォーク部材26には、上端にバーハンドル36、下端に前輪37が取付けられ、フォーク部材26の左右を連結するアッパブリッジ41及びボトムブリッジ42には、フロントカウル組立体43を介して外装部品40としてのフロントカウル44、ヘッドライト46、左右一対のフロントウインカ47、48(手前側の符号47のみ示す。)、メータ51が取付けられている。
【0046】
メインフレーム13の上部には燃料タンク54が取付けられ、ダウンフレーム17の前部にはオイルクーラ55が取付けられ、シートレール15、16の上部にはシート56が取付けられている。
オイルクーラ55の両側方は外装部品40としての左右一対のシュラウド57、58(手前側の符号57のみ示す。)で覆われている。
【0047】
シートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24で囲まれた三角形状の空間にはエアクリーナ61、バッテリ62、ABS用モジュレータ63及びGPSユニット64が配置されている。エアクリーナ61、バッテリ62、ABS用モジュレータ63及びGPSユニット64は、いずれも、図示せぬステー部材を介してシートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24を含む車体フレーム11に取付けられている。GPSユニット64を含む盗難対策装置の詳細については次図にて説明する。
【0048】
これらのエアクリーナ61、バッテリ62、ABS用モジュレータ63及びGPSユニット64の両側方は、外装部品40としての左右一対のボデイサイドカバー65、66(手前側の符号65のみ示す。)で覆われている。
【0049】
シートレール15、16の後部には左右一対のグラブレール67、68(手前側の符号67のみ示す。)が取付けられ、シートレール15、16の左右端下方で且つシートレール15、16の側方は、外装部品40としての左右一対のリアボデイカバー71、72(手前側の符号71のみ示す。)で覆われ、後輪73の上方を覆うリヤフェンダ74には、左右一対のリヤウインカ76、77(手前側の符号76のみ示す。)と、シート56を開閉できないように施錠するシート施錠機構(不図示)の施錠を解除するための施錠解除機構78とが取付けられている。
【0050】
後輪73は、スイングアーム34の後端に取付けられ、エンジン27の後部に一体的に設けられた変速機81に出力軸82が設けられ、この出力軸82に取付けられたドライブスプロケット83と、後輪73に一体的に設けられたドリブンスプロケット84とにチェーン86が掛けられている。
【0051】
エンジン27のシリンダ部91には、後部に吸気管92を介してスロットルボデイ93が取付けられ、このスロットルボデイ93にコネクティングチューブ94を介してエアクリーナ61が接続されている。
また、エンジン27のシリンダ部91には、前部に排気管96が接続され、この排気管96の後端に消音器97が接続されている。
【0052】
前輪37の上方に、前輪37を覆いフォーク部材26に取付けられるフロントフェンダ101が設けられ、センタフレーム21、22の後部下部にスタンド102が設けられ、サブフレーム23、24に、各々、ステップブラケット103、103(手前側の符号103のみ示す。)が取付けられ、これらのステップブラケット103、103に、各々運転者用ステップ104、105(手前側の符号104のみ示す。)及び同乗者用ステップ106、107(手前側の符号106のみ示す。)とが各々取付けられている。車両の後端部に、テールライト108が取付けられている。
【0053】
燃料タンク54の車両前方位置に、衛星からの位置情報としてのGPS信号を受信するGPSアンテナ110が配置されている。このGPSアンテナ部110から前述したGPSユニット64にケーブル111が延ばされている。
【0054】
盗難対策装置112は、GPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延びるケーブル111と、このケーブル111の先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニット64とから構成されている。GPSアンテナ110とGPSユニット64は、いずれも、車体側に取付けられている。すなわち、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11に取付けられている。
なお、GPSアンテナを外装部品40に取付けることは差し支えない。
【0055】
次に、本発明に係る自動二輪車に搭載されている盗難対策装置及びその関連部分のブロック図について、図1を併せて参照し説明を行う。
図2に示されているように、盗難対策装置112は、GPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延ばされるケーブル111と、このケーブル111の先端に接続されるGPSユニット64とからなる。GPSユニット64は、鞍乗り型車両(自動二輪車10)の車体に加えられた振動を検知する加速度センサ121と、複数の人工衛星から軌道情報を受信することにより車両の現在位置を検出する全地球測位システム部(Global Positioning System部)122と、加速度センサ121からの加速度信号SA及び全地球測位システム部122からの位置情報JPを受けて盗難対策を指令する制御部123と、制御部123からの交信指令SCに基づいて携帯電話基地局124へ位置情報JPを送信する携帯電話通信部125と、制御部123からのエンジン制御信号SECに基づきエンジン27の点火装置126に点火停止信号SSSを送って点火装置126の作動を停止させる、すなわち、エンジン27を停止させるエンジン制御部127と、制御部123からの警報制御信号SACに基づき警報装置128(ヘッドライト46、ウインカ47、48、76、77等の灯火器、ホーン)に警報信号SAを送って灯火器、ホーンを作動させる警報発生部131と、内部電源132と、からなる。内部電源132としては、例えば、リチウム電池が利用される。
【0056】
次に、盗難対策装置の外観について説明する。
図3に示されているように、盗難対策装置112は、GPSアンテナが位置信号を受信するGPSアンテナ110と、受信した位置情報を演算処理するGPSユニット64と、このGPSユニット64とGPSアンテナ110の間を接続するケーブル111と、からなる。GPSアンテナ110からケーブル111が延ばされ、このケーブル111の先端にはコネクタ111aが接続される。GPSユニット64とGPSアンテナ110とは離間して配置される。
なお、本実施例では、ケーブル111は、GPSアンテナ110の側面から延ばされているが、GPSアンテナ110の取付手段によっては、GPSアンテナ110の底面から延ばされるようにすることは差し支えない。
【0057】
GPSユニット64とGPSアンテナ110は、いずれも直方体の箱状の部材であり、GPSユニット64のサイズは、GPSアンテナ110よりも大きい。
GPSアンテナ110は、側面からねじ取付部154が延ばされ、このねじ取付部154により車両各部に取付け可能にした。
【0058】
GPSユニット64は、側部に、外部電源が供給される電源カップラ113と、情報の授受を行う情報授受カップラ114とを有する。電源カップラ113と情報授受カップラ114とは同一の一方の側面115に配設されている。この一方の側面115と反対側に位置する他方の側面116には、ソケット117が設けられ、このソケット117にケーブル111の先端に設けたコネクタ111aが接続され、これらのコネクタ111a及びソケット117が配置される他方の側面116に、覆いとしてのリッド部材118が着脱可能に設けられている。
【0059】
リッド部材118にケーブル111が通る小孔119が開けられ、この小孔119とケーブル111の間にシール部材120が介在される。
上記リッド部材118とシール部材120とにより、GPSユニット64への雨水等の侵入が阻止される。
GPSユニット64は、図示せぬ緩衝部材を介して車体フレーム側へ取付けられる。
【0060】
以下、GPSアンテナの配置構造及び取付構造の詳細について説明する。
図4に示されているように、車体フレーム11の前部に備えられるヘッドパイプ12に、前輪(図1、符号37)を転舵自在に支持するフォーク部材26が取付けられている。このようなヘッドパイプ12の車両後方に隣接してGPSアンテナ110が配置されている。GPSアンテナ110の上方には、GPSアンテナカバー155が設けられている。
【0061】
GPSアンテナ110は、ヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。ヘッドパイプ12の後方に位置するデッドスペースを利用してGPSアンテナ110をコンパクトに配置することができる。
【0062】
また、GPSアンテナ110は、燃料タンク54から延ばしたGPSアンテナカバー155により覆われているため、GPSアンテナ110の位置がわかり難くなり、いたずら等をされ難くすることができる。
【0063】
ヘッドパイプ12の後方位置にて車体フレーム11の構成要素としてのメインフレーム13に燃料タンク54が跨るように設けられ、GPSアンテナ110からGPSユニット64へ延ばされているケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索される。
ケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索される。燃料タンク54の下方であれば、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、ケーブル111はいたずらされる心配がない。
【0064】
次に、GPSアンテナを車両上方から見たときの状態について説明する。
図5に示されているように、燃料タンク54の前端に車両前方に板状のアンテナステー156が延ばされ、このアンテナステー156の上面に、GPSアンテナ110が取付ねじ157を介してアンテナステー156へ取付けられている。アンテナステー156の上方は、GPSアンテナカバー155で覆われている。
【0065】
次に、GPSアンテナを前方から見たときの状態について説明する。
図6に示されているように、板状のアンテナステー156は、メインフレーム13に上面が略水平姿勢になる位置で固着され、このアンテナステーの上面158にGPSアンテナ110が載置され、取付ねじ157によってアンテナステー156に締結されている。
略水平に位置するアンテナステーの上面158にGPSアンテナ110が取付けられているので、衛星電波を良好に受信することができる。
【0066】
以上に述べたGPSユニットを備えた自動二輪車の作用を次に述べる。
図4を併せて参照して、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11から延ばされヘッドパイプ12の車両後方に隣接して設けたアンテナステー156に取付けられている。また、GPSアンテナ110は、GPSユニット64と分離配置されている。
【0067】
従来、GPSユニットは、GPSアンテナを内蔵しているため、比較的大きなものになる。このようなGPSユニットを車両の上部に配置しなければならず、配置上の制約があった。
【0068】
この点、本発明では、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11から延びているアンテナステー156に取付けられているので、所定の受信感度が容易に確保される。加えて、GPSアンテナ110を離間させたGPSユニット64は、受信感度とは無関係な箇所に自由に配置できる。
この結果、本発明によれば、盗難対策装置がより自由に配置できる鞍乗り型車両が提供される。
【0069】
次に、実施例1の変形例について説明する。
図7に示されているように、ヘッドパイプ12の車両後方位置にて車体フレーム(図4、符号11)に燃料タンク54が備えられ、この燃料タンクの前部161に、GPSアンテナ110が配置され、このGPSアンテナ110の上方にGPSアンテナカバー(後述する図10、符号155)が設けられている。
【0070】
GPSアンテナ110は、ヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。また、GPSアンテナ110からGPSユニット64へ延ばされているケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索される。
ケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索されるので、ケーブル111はいたずら等される心配がない。
【0071】
図8に示されているように、アンテナステー156は、燃料タンク54から車両前方に延ばされる金属製の板状部材であり、矩形状の窓部162と、GPSアンテナ110が取付けられる取付孔163とを有する。
【0072】
次に、GPSアンテナの配置及び取付構造の詳細について説明する。
図9に示されているように、窓部162に、下方からGPSアンテナ110が当てられ、下方から取付ねじ157を介してアンテナステー156にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0073】
GPSアンテナ110の上方は、開放されているため、衛星電波を良好に受信することができる。加えて、GPSアンテナ110は、アンテナステー156に下方から装着されているので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
【0074】
図10に示されているように、GPSアンテナ110が装着されているアンテナステー156は、略水平姿勢で配置されている。また、アンテナステー156は、GPSアンテナカバー155によって覆われている。このように、GPSアンテナ110を含むアンテナステー156全体をGPSアンテナカバー155で覆ったので、GPSアンテナ110を目立たなくして配置することができる。
【0075】
GPSアンテナ110は、その上方がGPSアンテナカバー155で覆われているので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
図7を併せて参照して、ケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索されるので、ケーブル111がいたずらされる心配はない。
【0076】
図11に示されているように、アンテナステー156は、燃料タンク54の前端部に位置するシーム部164に固着されると共に車両前方に延出されている部材であり、ヘッドパイプ(図7、符号12)の車両後方位置に設けられている。
【0077】
前述したように、GPSアンテナ110は、ヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。ヘッドパイプ12の後方に位置するデッドスペースを利用してGPSアンテナ110をコンパクトに配置することができる。
【0078】
なお、本実施例では、燃料タンクから延ばしたタンクステーにGPSアンテナを取付けたが、燃料タンクのタンクシーム部を車両前方へ延設させたタンクシーム延長部を形成し、このタンクシーム延長部に窓部を設け、この窓部の下方からGPSアンテナを取付けても良い。
【0079】
また、本実施例では、GPSアンテナカバーは、燃料タンクに取付けた樹脂製の部材であるが、GPSアンテナカバーをGPSアンテナを装着するタンクステーとしても良い。また、GPSアンテナカバーは、燃料タンクのタンクシーム延長部を流用しても良いものとする。
【0080】
GPSアンテナは、その一部がアンテナステーの窓部から上方に突出していても良いし、受信感度が確保される範囲でアンテナステーの下方に配置することは差し支えない。また、窓部を覆うように樹脂等の非金属製カバーが設けられていても良い。
【実施例2】
【0081】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図12に示されているように、車体フレーム11を構成するメインフレーム13に燃料タンク54が跨るように設けられている。この燃料タンク54の外側方に沿うようにタンクサイドカバー(シュラウド58)が配置され、このシュラウド58と燃料タンク54の間に、GPSアンテナ110が配置されている。
【0082】
次図以降で、GPSアンテナの取付構造の詳細について説明する。
図13に示されているように、シュラウド58が取り外されたときに、燃料タンクの側面54sに、アンテナステー156が取付けられている。
【0083】
GPSアンテナ110は、シュラウド58と燃料タンク54の間に配置されている。シュラウド58と燃料タンク54の間という目立ち難い箇所にGPSアンテナ110を配置することができる。従って、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
【0084】
図14に示されているように、燃料タンク54に、上方に開放した箱状のアンテナステー156が溶接され、このアンテナステー156に収納されるようにGPSアンテナ110がアンテナステー156に取付けられている。
【0085】
図15に示されているように、GPSアンテナ110は、アンテナステー156に形成されているアンテナステーの開口165に下方から当てられ、下方から取付ねじ157を介してアンテナステー156に締結されている。
【0086】
GPSアンテナ110は、箱状のアンテナステー156に収納するように配置される。GPSアンテナ110を箱状のアンテナステー156に入れることで、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ100はいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は、シュラウド(図13、符号58)によって保護することができる。なお、シュラウド58は、燃料タンク54の側に設けられ、アンテナステー156の車幅方向外方に設けられている。
【0087】
次に、図16〜図18では、実施例2の変形例について説明を行う。
図16に示されているように、燃料タンクの側面54sに固着されたタンクステー166は、箱状に形成され、この箱状に形成されたタンクステー166にGPSアンテナ110が取付ねじ157を介して上方から取付けられている。
【0088】
図17に示されているように、タンクステー166は、GPSアンテナ110の周囲を囲う側壁167と、この側壁167と一体的に設けられGPSアンテナ110をタンクステー166に止める止め部169と、側壁167の下面を塞ぐ底板168とからなる。
【0089】
実施例2と大きく異なる点は、GPSアンテナ110が上方からタンクステー166へセットされ、タンクステー166に設けた止め部169へ、上方から取付ねじ157が差し込まれ締結されている点と、タンクステー166の底部に底板168が固着されている点にある。作用として、側方からの荷重に対するステーの強度・剛性を高められる。また、アンテナへのいたずらをさらにし難くすることができる。
【0090】
次に、変形例に係るタンクステーの製造方法について説明する。
図18に示されているように、スタンピング加工にて薄板にブランク加工(板取り)を施し、(1)に示されるように所定の形状をもつブランク材171を得る。次に、ブランク加工されたブランク材171に矢印(2)に示されるように曲げ加工を施し枠状の側壁167を得る。
【0091】
次に、枠状の側壁167へ下方から底板168を当て、矢印(3)に示されるように、側壁167に底板168を固着することで、タンクステー166を得る。そして、このタンクステー166を燃料タンクの側部(図16、符号54s)へ固着するようにした。
【実施例3】
【0092】
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図19に示されているように、車体フレーム11にシート56が取付けられている。このシート56の下部に、GPSアンテナ110aが配置され、このGPSアンテナ110aからケーブル111が延ばされ、このケーブル111の先端が車両長手方向略中央部に配置されボデイサイドカバー66で覆われているGPSユニット64に接続される。
【0093】
以下、図20〜図22では、GPSアンテナのシートへの取付構造の詳細について説明する。
図20に示されているように、シート56は、底板172と、この底板172の上方に設けられるクッション173と、このクッションの上面173aに設けられる表皮174と、を有する。このシート56の下方に、GPSアンテナ110aが配置されている。
【0094】
図21に示されているように、シートの底板172にGPSアンテナの取付部176(締付座部176)が設けられ、この締付座部176にGPSアンテナ110aが取付けられている。
【0095】
シートの底板168にGPSアンテナ110aが取付けられている。シート56が車体に取付けられた状態では第三者が手を入れ難いシートの底板172に、GPSアンテナ110aを取付けた。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
【0096】
図22に示されているように、シート底板172に、GPSアンテナの4つの角部178を係止する4つの係止リブ179が下方に延ばされ、これらの係止リブ179に図手前側となる下方からGPSアンテナ110aを係止し、締付座部176にGPSアンテナのねじ取付部154をセットし、取付ねじ157を介してGPSアンテナ110aをシート底板172に締結した。
【実施例4】
【0097】
次に、本発明の実施例4を図面に基づいて説明する。
図19に戻って、車体フレーム11の構成要素であるシートレール15の側方に、GPSアンテナ110bが配置されている。GPSアンテナ110bとGPSユニット64の間は図示せぬケーブルで接続されている。以下、シートレール15の側方に配置されているGPSアンテナの取付構造について説明する。
【0098】
図23に示されているように、左のシートレール15に、図手前側に箱状のアンテナステー156が配置されている。このアンテナステー156に下方からGPSアンテナ110bが当てられ、このGPSアンテナ110bは、アンテナステー156へ取付ねじ157によって締結されている。
【0099】
図24に示されているように、左のシートレール15の側方に、箱状のアンテナステー156が設けられ、このアンテナステー156にGPSアンテナ110bが収容された状態で取付けられている。
【0100】
図25に示されているように、GPSアンテナ110bは、アンテナステー156に形成されているアンテナステーの開口165に、GPSアンテナ110bの上部が係合するように下方から当てられ、GPSアンテナ110bは、下方から取付ねじ157を介してアンテナステー156に締結されている。
【0101】
GPSアンテナ110bは、箱状のアンテナステー156に収納するように配置される。GPSアンテナ110bを箱状のアンテナステー156に入れることで、第三者がGPSアンテナ110bに触れ難くすることができ、いたずら等を防止することができる。
【0102】
なお、本実施例では、GPSアンテナを左のシートレールの側方に配置したが、GPSアンテナを右のシートレールの側方に配置することは差し支えない。また、シートレールの側方で、シートレールの車幅方向内方にGPSアンテナを配置しても良い。
【0103】
以下、図26〜図28では、実施例4の変形例について説明を行う。
図26に示されているように、シートレール15の側面に固着されたレールステー186は、箱状に形成され、この箱状に形成されたレールステー186にGPSアンテナ110が取付ねじ157を介して上方から取付けられている。
【0104】
図27に示されているように、レールステー186は、GPSアンテナ110の周囲を囲う側壁167と、この側壁167の下面を塞ぐ底板168と、この側壁167と一体的に設けられGPSアンテナ110をタンクステー166に止める止め部169とからなる。
【0105】
実施例2と大きく異なる点は、GPSアンテナ110が上方からタンクステー166へセットされ、タンクステー166に設けた止め部169へ、上方から取付ねじ157が差し込まれ締結されている点と、タンクステー166の底部に底板168が固着されている点にある。作用として、側方からの荷重に対するステーの強度・剛性を高められる。また、アンテナへのいたずらをさらにし難くすることができる。
【0106】
次に、変形例に係るレールステーの製造方法について説明する。
図28に示されているように、スタンピング加工にて薄板にブランク加工(板取り)を施し、(1)に示されるように所定の形状をもつブランク材171を得る。ブランク加工されたブランク材171に矢印(2)に示されるように曲げ加工を施し枠状の側壁167を得る。
【0107】
次に、枠状の側壁167に下方から底板168を当て、矢印(3)に示されるように、側壁167に底板168を固着することで、レールステー186を得る。そして、このレールステー186をシートレール15の側部へ固着するようにした。
【実施例5】
【0108】
次に、本発明の実施例7を図面に基づいて説明する。
図29に示されているように、シートレール15に取付けられているグラブレール67の側方位置であって、グラブレール67の車幅方向内方に、GPSアンテナ110が配置されている。GPSアンテナ110とGPSユニット64の間は図示せぬケーブルで接続されている。すなわち、左右一対のシートレール15の間に、GPSアンテナ110が配置されている。以下、GPSアンテナの取付構造について説明する。
【0109】
シートレール15に、乗員がつかむことができるグラブレール67が取付けられ、このグラブレール67に備えられグラブレール67が取付けられるグラブレール取付部188から車幅方向内側にグラブレール延長部188が延ばされ、このグラブレール延長部188に上方に開放する窓部162が開けられ、この窓部162の下に位置するようにグラブレール延長部188にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0110】
図30に示されているように、窓部162に、下方からGPSアンテナ110が当てられ、下方から取付ねじ157を介してグラブレール延長部188にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0111】
グラブレール延長部188に窓部162を設け、この窓部162の下に位置するようにGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110をグラブレール延長部188の下に配置したので、いたずら等をされ難くすることができる。加えて、GPSアンテナ110は窓部162の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0112】
図29に戻って、第三者が触れ難い左右一対のシートレール15、16の間には、GPSアンテナ110が配置されている。左右一対のシートレール15、16の間であれば、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くすることができ、いたずら等を防止することができる。
【実施例6】
【0113】
次に、本発明の実施例6を図面に基づいて説明する。
図31に示されているように、左右のシートレール15、16の間に、クロスメンバ191が渡され、このクロスメンバ191に上方に開放する窓部162が開けられ、この窓部162の下に位置するようにしてクロスメンバ191にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0114】
なお、GPSユニットは、実施例1〜5で説明した位置に配置され、GPSアンテナとGPSユニットとはケーブルで連結されている、GPSユニットの取付構造は同一でる。この他、GPSアンテナの配置及び取付構造以外について大きく変わるところはなく、説明を省略する。
【0115】
次に、GPSアンテナの配置及び取付構造の詳細について説明する。
図32に示されているように、クロスメンバ191に開けた窓部162に、下方からGPSアンテナ110が当てられ、下方から取付ねじ157を介してGPSアンテナ110をクロスメンバ191に取付けた。
【0116】
左右のシートレール15、16の間に渡したクロスメンバ191に窓部162を設け、この窓部162の下に位置するようにGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110をクロスメンバ191の下に配置したので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110は、いたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は窓部162の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【実施例7】
【0117】
次に、本発明の実施例7を図面に基づいて説明する。
図31に戻って、左右のシートレール15、16の間に、クロスメンバ191が渡され、このクロスメンバ191の後部から車両後方へ後部延出部192が延ばされ、この後部延出部192に上方に開放する窓部162Bが開けられ、この窓部162Bの下に位置するように後部延出部192にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0118】
左右のシートレール15、16の間に渡したクロスメンバ191の後部から車両後方へ後部延出部192が延ばされ、この後部延出部192に窓部162Bを設け、この窓部162Bの下に位置するようにGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110を後部延出部192の下に配置したので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は窓部162Bの下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0119】
なお、GPSユニットは、実施例1〜5で説明した位置に配置され、取付構造は同一でる。この他、車体フレームに、底板と、この底板の上方に設けられるクッションと、このクッションの上面に設けられる表皮と、を有するシートが取付けられている等を含め、車両の構造は同一である。GPSアンテナの配置及び取付構造以外について大きく変わるところはなく、説明を省略する。
【実施例8】
【0120】
次に、本発明の実施例8を図面に基づいて説明する。
図33に示されているように、自動二輪車10に、盗難対策装置112が搭載されている。盗難対策装置112は、前述した実施例と同様、GPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延びるケーブル111と、このケーブル111の先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニット64とから構成されている。つまり、GPSアンテナ110とGPSユニット64とは離間して配置されている。GPSアンテナ110は、車両の前部に配置されている。GPSユニット64は、車両長手方向略中央部に配置されている。
【0121】
GPSユニット64は、シートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24で囲まれた三角形状の空間内であって、エアクリーナ61とバッテリ62の間に配置されている。GPSユニット64は、図示せぬステー部材を介してシートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24を含む車体フレーム11に取付けられている。その他、図1と変わるところはなく説明を省略する。
次図以降にて、GPSアンテナの配置及びその取付構造の詳細について説明する。
【0122】
次に、メータの近傍に配置されるGPSアンテナについて説明する。
図34に示されているように、フロントカウル組立体43の上部に、走行状態を表示するメータ51を支持する板状のメータステー134が設けられ、このメータステー134の前端部から車両前方にメータステー延長部201が延長され、このメータステー延長部201にGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110は、メータ51の近傍で且つメータ51の最上部より下方に配置されている。
【0123】
次に、フロントカウルステー組立体の構造及びこのフロントカウルステー組立体に取付けたGPSアンテナについて説明する。
図35に示されているように、フロントカウル44の両側部には左右一対のフロントカウルカバー137、138が取付けられ、これらのフロントカウルカバー137、138から側方にフロントウインカ47、48が突出するように配置されている。フロントカウル44の両側部をフロントカウルカバー137、138で覆ったので車両の外観性の向上が図れる。
【0124】
フロントカウルステー組立体43は、フロントフォーク(図1、符号26)に取付けられる左右一対のサポートバー139、140と、これらのサポートバー139、140のそれぞれの上部に取付けられた左右一対のアッパステー141、142と、メータ(図1、符号51)を支持するために左右のアッパステー141、142の上部に取付けられたプレート状のメータステー134と、左右のサポートバー139、140のそれぞれの下部を連結するブリッジ部材143とからなる。
【0125】
フロントカウルステー組立体43は、フォーク部材(図34、符号26)に取付けられている。フロントカウルステー組立体43に、フロントカウル44とヘッドライトステー147、148とが取付けられ、ヘッドライトステー147、148にウインカステー151、152を介してフロントウインカ47、48が取付けられている。
【0126】
フロントカウル44の側部上部に内方に突出する左右一対の内方突出壁44c、44dが形成され、これらの内方突出壁44c、44dが、フロントカウルステー組立体43のメータステー134の左右端に形成された側方突出部134a、134bにそれぞれビス144で取付けられている。
【0127】
また、フロントカウルステー組立体43のブリッジ部材143には、ボルト145、145で左右一対のヘッドライトステー147、148が取付けられ、このヘッドライトステー147、148の各上部でヘッドライト46の側部支持部149a、149bが揺動自在に支持され、ヘッドライトステー147、148の各下部に左右一対のウインカステー151、152がボルト153、153で取付けられ、ウインカステー151、152にフロントウインカ47、48がフロントカウルカバー137、138を挟むように取付けられている。
【0128】
上記のように、車体フレーム11にメータステー134を含むフロントカウル(ステー)組立体43が取付けられている。
フロントカウル組立体43の上部に、メータ51を支持する板状のメータステー134が延ばされ、このメータステー134から車両前方にメータステー延長部135が延長され、このメータステー延長部135に上方に開口する窓部162が開けられている。メータステー134は、車体フレーム11からフロントカウル組立体43を介して延びている部材ということもできる。
【0129】
図36に示されているように、メータステー延長部135に上方に開口する窓部162と取付孔163とが開けられ、この窓部162の下に位置するようにして、メータステー延長部135に、GPSアンテナ110が取付けられている。
【0130】
窓部162の下に位置するようにしてメータステー延長部135の下面に、GPSアンテナ110のねじ取付部154が当てられ、このねじ取付部154に下方から取付孔163に取付ねじ157が差し込まれ、この取付ねじ157を介してGPSアンテナ110がメータステー延長部135の下面に取付けられている。
【0131】
GPSアンテナ110を板状のメータステー134の下に配置し取付けたので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は窓部162の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0132】
なお、GPSアンテナは、その一部が窓部からメータステー側に突出していても良いし、受信感度が確保される範囲でメータステーよりも下方に配置されていても良い。また、窓部は、樹脂等の非金属製カバーで覆われるようにしても差し支えない。
【0133】
図33に戻って、本発明では、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11から延びているメータステー134に取付けられているので、所定の受信感度が容易に確保される。加えて、GPSアンテナ110を離間させたGPSユニット64は、必ずしも電波が到達する車両の上部等に配置する必要はないため、GPSユニット64の配置の自由度が高まる。
【0134】
また、GPSアンテナ110は、メータ51の近傍で且つメータ51の最上部より下方に配置されている。GPアンテナ110は、メータ周辺の目立ち難い位置に配置することが可能になる。
【0135】
なお、GPSアンテナは、車体フレームから延びているメータステーに取付ける他、フロントカウルカバー、シュラウド、ボデイサイドカバー、リアボデイカバー等の外装部材に取付けることは差し支えない。
【実施例9】
【0136】
次に、本発明の実施例9を図面に基づいて説明する。
図37に示されているように、車体前部の外装部品は、ヘッドライト46と、このヘッドライト46の車幅方向左右を覆うフロントカウルカバー49、50(図手前側の符号49のみ示す。)とを有している。
車体フレーム11の前部に備えられるヘッドパイプ12に、前輪(図33、符号37)を転舵自在に支持するフォーク部材26が取付けられ、車両側面視で、フロントカウルカバー49、50と重なる位置にてフォーク部材26に、GPSアンテナ110が取付けられている。
【0137】
車両側面視で、フロントカウルカバー49、50と重なる位置にてフォーク部材26に、GPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110は、フロントカウルカバー49、50によって覆われるので、GPSアンテナ110を目立たない位置に配置することができる。
次図にて、GPSアンテナの取付構造の詳細について説明する。
【0138】
図38に示されているように、GPSアンテナ110は、クランプ部材203で挟持され、このクランプ部材203がフォーク部材26に取付けられることで、フォーク部材26に、GPSアンテナ110が取付けられている。
【0139】
クランプ部材203はラバー製であり、一端に支点となる閉じ側211を、他端に開放可能な開き側212とを有する2つの挟持アーム部205、206を備える。これらの挟持アーム部205、206に、各々、フォーク部材26を挾むフォーク部材挟持部207、208と、GPSアンテナ110が取付けられる装着部209、210とが形成されている。開き側212に形成した2つの挟持アーム部205、206には、2つの挟持アーム部205、206の間をクランプするクランプボルト213が設けられ、クランプボルト213を締付けることで、閉じ側211に形成したフォーク部材挟持部207、208がフォーク部材26へ取付けられている。
そして、装着部209、210に下方からGPSアンテナ110が当てられ取付ねじ157によってクランプ部材203にGPSアンテナ110が取付けられる。
【0140】
図39に示されているように、装着部209、210を組み合わせることにより、GPSアンテナ110を嵌めることができる開口214が形成され、この開口214の近傍でクランプ部材203に、取付ねじ157がねじ込まれるナット部215が埋設されている。開口214に下方からGPSアンテナ110を当て、下方から取付ねじ157にGPSアンテナ110をクランプ部材203に締結した。GPSアンテナ110の上方は、開放されているので、衛星電波を良好に受信することができる。
【0141】
クランプ部材及びGPSアンテナが配置アンテナの取付要領として、閉じ側211に位置するフォーク部材挟持部207、208でフォーク部材26を挟み、開き側212に位置するクランプボルト213でクランプ部203、204をフォーク部材26に取付ける。次に、装着部209、210に下方からGPSアンテナ110を当て、下方から取付ねじ157によりGPSアンテナ110のねじ取付部154をクランプ部材203に取付ける。
【0142】
すなわち、フォーク部材26に、クランプ部材203を介してGPSアンテナ110が取付けられている。フォーク部材26にクランプ部材203が取付けられ、このクランプ部材203にGPSアンテナ110が支持されている。
クランプ部材203でGPSアンテナ110が支持されているので、部品点数の増加が最小限に抑えられる。
【0143】
次に、本発明に係る自動二輪車において、上記実施例以外の位置で、GPSアンテナが配置可能な位置について説明する。
図40に示されているように、GPSアンテナ110Aは、ヘッドライト46の近傍又はヘッドライトケース内に配置されていても良い。
【0144】
或いは、GPSアンテナ110Bは、フロントフェンダ101の上面又は下面に配置されていても良い。
或いは、GPSアンテナ110Cは、ミラー221に取付けられていても良い。
或いは、GPSアンテナ110Dは、バーハンドル36や、バーハンドル36に装着したスイッチボックス又はブレーキマスタシリンダに取付けられていても良い。
【0145】
或いは、GPSアンテナ110Eは、燃料タンク54の上面に配置されていても良い。 或いは、GPSアンテナ110Eを配置した燃料タンク54の上面は、図示せぬタンクカバーで覆われるようにしても良い。
或いは、GPSアンテナ110Fは、燃料タンク54とシート56の前部とで挟まれる領域に配置されていても良い。
【0146】
或いは、GPSアンテナ110Gは、車両側面視で、シートレール15と重なる位置に配置されていても良いし、シートレール15よりも下方に配置されていても良い。
或いは、GPSアンテナ110Hは、テールライト108の周辺部やテールライトケース内に配置されていても良い。
【0147】
或いは、GPSアンテナ110Iは、リヤフェンダ74又はライセンスブラケットに取付けられていても良い。
以上、述べてきたように、GPSアンテナ110は、GPSアンテナ110A〜110Iのいずれか一箇所に配置することができる。
【0148】
次に、本発明に係る自動二輪車において、上記実施例以外の位置でGPSユニットが配置可能な位置について説明する。
図41に示されているように、GPSユニット64Aは、フロントカウル44やメータバイザ内に配置されていても良い。この場合に、GPSユニット64Aは、フロントカウル44やメータバイザの形状に合わせて適宜斜めに配置される。
【0149】
或いは、GPSユニット64Bは、ヘッドライト46の上方又は下方に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Cは、フロントフェンダ101の上面又は下面に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Dは、フォーク部材26に沿わせて配置されていても良い。
【0150】
或いは、GPSユニット64Eは、シュラウド57の内側に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Fは、燃料タンク54の下方に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Fは、燃料タンク54の上面に配置されていても良い。
【0151】
或いは、GPSユニット64Gは、左右のシートレール15、16(図手前側の符号15のみ示す。)の間に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Hは、エンジン27の前方、側方又は上方にステーを介して配置されていても良い。
【0152】
或いは、GPSユニット64Iは、シート56の下方に配置されていても良い。この場合に、GPSユニット64Iは、シート56の下の他部品の配置に合わせて縦、横又は斜めに適宜配置される。
或いは、GPSユニット64Jは、車両側面視で、スイングアーム34と重なるように配置されていても良い。また、スイングアーム34の下方に配置されていても良い。
【0153】
或いは、GPSユニット64Kは、ステップブラケット103の車幅方向内側に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Lは、リヤフェンダ74又はライセンスブラケットに配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Mは、テールライト108の上面又は下面に配置されていても良い。
【0154】
以上、述べてきたように、GPSユニット64は、GPSユニット64A〜64Mのいずれか一箇所に配置することができる。GPSユニット64A〜64Mには、GPSアンテナが内蔵されていないため、受信感度を考慮することなく、車両の空きスペースに比較的自由に配置することが可能になる。
【0155】
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗り型車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0157】
10…鞍乗り型車両(自動二輪車)、11…車体フレーム、12…ヘッドパイプ、15…シートレール、16…シートレール、26…フォーク部材、27…パワーユニット(エンジン)、37…前輪、40…外装部品、46…ヘッドライト、49…フロントカウルカバー、50…フロントカウルカバー、51…メータ、54…燃料タンク、56…シート、57…タンクサイドカバー、58…タンクサイドカバー、64…GPSユニット、67…グラブレール、110…GPSアンテナ、111…ケーブル、112…盗難対策装置、134…メータステー、135…メータステー延長部、155…GPSアンテナカバー、156…アンテナステー、162…窓部、203…クランプ部材、172…底板、173…クッション、174…表皮、176…GPSアンテナの取付部、187…グラブレール取付部、188…グラブレール延長部、191…クロスメンバ、192…後部延出部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難対策装置を備えた鞍乗り型車両の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
盗難対策装置を備えた鞍乗型車両が提案されている(例えば、特許文献1(図5)参照。)。
【0003】
特許文献1の図5に示されるように、自動二輪車(10)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)の後部で座席シート(120)の下方に、箱状の盗難防止ユニット(160)(以下、「盗難対策装置(160)」と云う。)が配置されている。
【0004】
盗難対策装置(160)は、GPSアンテナを内蔵している。このGPSアンテナを用いて衛星から発信される電波を受信する。衛星からの電波を所定の受信感度をもって受信するためには、GPSアンテナの上方に電波を遮蔽する遮蔽物がないことが必須となる。
特許文献1の盗難対策装置(160)は、車体の上部に配置されているため、所定の受信感度が確保され、衛星から発信される電波を受信することができる。
【0005】
すなわち、GPSアンテナは、所定の受信感度が得られるように、自動二輪車の上部に配置する必要がある。一方、GPSアンテナを内蔵する盗難対策装置(160)は、一定の大きさの箱体であるため、スペース上の制約が大きな自動二輪車にあっては、シート下に配置する等、好適な配置箇所が限られる。
【0006】
しかし、他の車載機器の配置を考慮すると、盗難対策装置(160)は、その配置に制約を受けないことが望まれる。
そこで、盗難対策装置がより自由に配置できるような技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−120627公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、盗難対策装置を備えた鞍乗り型車両において、盗難対策装置がより自由に配置できるような技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、車体フレームにパワーユニットと外装部品と盗難対策装置とが取付けられている鞍乗り型車両において、盗難対策装置は、GPS信号を受信するGPSアンテナと、このGPSアンテナから延びるケーブルと、このケーブルの先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニットとを有し、GPSアンテナは、GPSユニットから離れた位置にて、車体フレーム又は外装部品に取付けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、車体フレームの前部に備えられるヘッドパイプに、前輪を転舵自在に支持するフォーク部材が取付けられ、ヘッドパイプの車両後方に隣接してGPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、ヘッドパイプの後方位置にて車体フレームに燃料タンクが備えられ、この燃料タンクの前部に、GPSアンテナが配置され、このGPSアンテナの上方にGPSアンテナカバーが設けられ、ケーブルは、燃料タンクの下方に配索されることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、車体フレームに燃料タンクが備えられ、この燃料タンクの外側方に沿うようにタンクサイドカバーが配置され、このタンクサイドカバーと燃料タンクの間に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、燃料タンクに、上方に開放した箱状のアンテナステーが溶接され、このアンテナステーに収納されるようにGPSアンテナがアンテナステーに取付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、車体フレームに、底板と、この底板の上方に設けられるクッションと、このクッションの上面に設けられる表皮と、を有するシートが取付けられ、このシートの下方に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、シートの底板にGPSアンテナの取付部が設けられ、このGPSアンテナの取付部にGPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、車体フレームに、シートを支持するシートレールが含まれ、
シートレールの側方に、箱状のアンテナステーが設けられ、このアンテナステーにGPSアンテナが収容された状態で取付けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、車体フレームに、シートを支持する左右一対のシートレールが含まれ、これらの左右一対のシートレールの間に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、シートレールに、乗員がつかむことができるグラブレールが取付けられ、このグラブレールが取付けられるグラブレール取付部から車幅方向内側にグラブレール延長部が延ばされ、このグラブレール延長部に上方に開放する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するようにグラブレール延長部にGPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る発明は、左右のシートレールの間に、クロスメンバが渡され、このクロスメンバに上方に開放する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するようにしてクロスメンバにGSPアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る発明は、車体フレームに、底板と、この底板の上方に設けられるクッションと、このクッションの上面に設けられる表皮と、を有するシートが取付けられ、車体フレームに、シートを支持する左右一対のシートレールが含まれ、左右のシートレールの間に、クロスメンバが渡され、このクロスメンバの後部から車両後方へ後部延出部が延ばされ、この後部延出部に上方に開放する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するように後部延出部にGSPアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項13に係る発明は、車体フレームに、走行状態を表示するメータがさらに備えられ、このメータの近傍で且つメータの最上部より下方に、GPSアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項14に係る発明では、メータは、車体フレームから延ばした板状のメータステーで支持され、このメータステーから車両前方にメータステー延長部が延長され、このメータステー延長部に上方に開口する窓部が開けられ、この窓部の下に位置するようにしてメータステー延長部にGSPアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項15に係る発明では、外装部品は、ヘッドライトと、このヘッドライトを覆うフェアリングとからなり、車体フレームの前部に備えられるヘッドパイプに、前輪を転舵自在に支持するフォーク部材が取付けられ、車両側面視で、フェアリングと重なる位置にてフォーク部材に、GPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【0024】
請求項16に係る発明では、GPSアンテナはクランプ部材で挟持され、このクランプ部材がフォーク部材に取付けられることで、フォーク部材に、GPSアンテナが取付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る発明では、GPSアンテナは、GPSユニットから離れた位置にて、車体フレーム又は外装部品に取付けられている。
すなわち、本発明では、GPSアンテナをGPSユニットから分離した。GPSアンテナを所定の受信感度が得られる箇所に配置すれば、GPSユニットは受信感度とは無関係な箇所に自由に配置できる。
この結果、本発明によれば、盗難対策装置がより自由に配置できる鞍乗り型車両が提供される。
【0026】
また、GPSアンテナを分離した分だけGPSユニットは小型化することが可能となり、GPSユニットをより自由に車体へ取付けることができるようになる。
【0027】
請求項2に係る発明では、GPSアンテナは、ヘッドパイプの車両後方に隣接して配置されている。ヘッドパイプの後方に位置するデッドスペースを利用してGPSアンテナを配置することができ、デッドスペースの有効活用が図れる。
【0028】
請求項3に係る発明では、GPSアンテナは、その上方がGPSアンテナカバーで覆われている。GPSアンテナは、GPSアンテナカバーにより保護される。GPSアンテナは保護されているため、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
ケーブルは、燃料タンクの下方に配索されるので、ケーブルがいたずらされる心配がない。
【0029】
請求項4に係る発明では、GPSアンテナは、タンクサイドカバーと燃料タンクの間に配置されている。タンクサイドカバーと燃料タンクの間という目立ち難い箇所にGPSアンテナを配置することができる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
【0030】
請求項5に係る発明では、GPSアンテナは、箱状のアンテナステーに収納するように配置される。GPSアンテナを箱状のアンテナステーに入れることで、第3者がGPSアンテナに触れ難くすることができ、いたずら等を防止することができる。加えて、GPSアンテナは、燃料タンク側に設けられ、アンテナステーの車幅方向外方に設けられているタンクサイドカバーによって保護することができる。
【0031】
請求項6に係る発明では、シートの下方に、GPSアンテナが配置されている。第三者が手を入れ難いシート下にGPSアンテナを配置したので、いたずら等の発生を防止することができる。
【0032】
請求項7に係る発明では、シートの底板にGPSアンテナが取付けられている。第三者が手を入れ難いシートの底板にGPSアンテナを取付けたので、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
【0033】
請求項8に係る発明では、GPSアンテナは、箱状のアンテナステーに収納するように配置される。GPSアンテナを箱状のアンテナステーに入れることで、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。アンテナステーに収容されているGPSアンテナであれば、いたずらされる心配がない。
【0034】
請求項9に係る発明では、GPSアンテナは、左右一対のシートレールの間に配置されている。通常、シートで覆われ第三者が触れ難い左右一対のシートレールの間にGPSアンテナが配置されているので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。
【0035】
請求項10に係る発明では、グラブレール延長部に窓部を設け、この窓部の下に位置するようにGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナをグラブレール延長部の下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0036】
請求項11に係る発明では、左右のシートレールの間に渡したクロスメンバに窓部を設け、この窓部の下に位置するようにGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナをクロスメンバの下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0037】
請求項12に係る発明では、左右のシートレールの間に渡したクロスメンバの後部から車両後方へ後部延出部が延ばされ、この後部延出部に窓部を設け、この窓部の下に位置するようにGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナを後部延出部の下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0038】
請求項13に係る発明では、メータの近傍で且つメータの最上部より下方に、GPSアンテナが配置されている。GPSアンテナを、メータ周辺の目立ち難い位置に配置することが可能になる。
【0039】
請求項14に係る発明では、窓部の下に位置するようにしてメータステー延長部にGPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナを板状のメータステーの下に配置したので、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、GPSアンテナはいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナは窓部の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0040】
請求項15に係る発明では、車両側面視で、フェアリングと重なる位置にてフォーク部材に、GPSアンテナが取付けられている。GPSアンテナは、フェアリングによって覆われるので、GPSアンテナを目立たない位置に配置することができる。
【0041】
請求項16に係る発明では、フォーク部材に、クランプ部材を介してGPSアンテナが取付けられている。クランプ部材でGPSアンテナが支持されているので、部品点数の増加が最小限に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】自動二輪車に備えられている盗難対策装置のブロック図である。
【図3】GPSアンテナが分離配置されている盗難対策装置の斜視図である。
【図4】実施例1に係るGPSアンテナ備えた車体前部の右側面図である。
【図5】図4の5矢視図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】実施例1の変形例を示す平面図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】図8の10矢視図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】実施例2に係るGPSアンテナ備えた車体前部の右側面図である。
【図13】図12からシュラウドを取り外したときの図である。
【図14】図13の14矢視図である。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【図16】図14の変形例図である。
【図17】図16の17矢視図である。
【図18】図16に示されている箱状のアンテナステーの製造方法を説明する図である。
【図19】実施例3〜7に係るGPSアンテナが配置アンテナの配設位置を説明する車体後部の左側面図である。
【図20】実施例3に係るGPSアンテナを備えたシートの側面図である。
【図21】図20の21部拡大図である。
【図22】図21の22矢視図である。
【図23】実施例4に係るGPSアンテナを備えたシートレールの側面図である。
【図24】図23の24矢視図である。
【図25】図24の25−25線断面図である。
【図26】図23の変形例図である。
【図27】図26の27矢視図である。
【図28】図26に示されている箱状のアンテナステーの製造方法を説明する図である。
【図29】実施例5に係るGPSアンテナを備えたグラブレールの平面図である。
【図30】図29の30−30線断面図である。
【図31】実施例6及び実施例7に係るGPSアンテナを備えたクロスメンバの平面図である。
【図32】図31の32−32線断面図である。
【図33】実施例8に係る自動二輪車の左側面図である。
【図34】実施例8に係るGPSアンテナを備えた車体前部の左側面図である。
【図35】GPSアンテナが備えられている車体前部の斜視図である。
【図36】図35の36−36線断面図である。
【図37】実施例9に係るGPSアンテナ備えた車体前部の左側面図である。
【図38】図37の要部平面図である。
【図39】図38の39−39線断面図である。
【図40】鞍乗り型車両において、GPSアンテナが配置可能な箇所を説明する左側面図である。
【図41】鞍乗り型車両において、GPSユニットが配置可能な箇所を説明する左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0044】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されているように、自動二輪車10は、骨格となる車体フレーム11が、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から後方斜め下方に延びるメインフレーム13と、このメインフレーム13の後端部から後方斜め上方に延びる左右一対のシートレール15、16(手前側の符号15のみ示す。)と、ヘッドパイプ12からメインフレーム13の下方を後方斜め下方に延びるダウンフレーム17と、メインフレーム13の後端部及びダウンフレーム17の下端部に各々連結された左右一対のセンタフレーム21、22(手前側の符号21のみ示す。)と、これらのセンタフレーム21、22の後部下部及びシートレール15、16の後端部の各々に連結された左右一対のサブフレーム23、24(手前側の符号23のみ示す。)とから構成され、ヘッドパイプ12にフォーク部材26が操舵自在に取付けられ、ダウンフレーム17及びセンタフレーム21、22にパワーユニットとしてのエンジン27が取付けられ、センタフレーム21、22の各々の後部下部に設けられたピボットプレート部31、32(手前側の符号31のみ示す。)の各々にピボット軸33を介してスイングアーム34がスイング自在に取付けられている。
【0045】
フォーク部材26には、上端にバーハンドル36、下端に前輪37が取付けられ、フォーク部材26の左右を連結するアッパブリッジ41及びボトムブリッジ42には、フロントカウル組立体43を介して外装部品40としてのフロントカウル44、ヘッドライト46、左右一対のフロントウインカ47、48(手前側の符号47のみ示す。)、メータ51が取付けられている。
【0046】
メインフレーム13の上部には燃料タンク54が取付けられ、ダウンフレーム17の前部にはオイルクーラ55が取付けられ、シートレール15、16の上部にはシート56が取付けられている。
オイルクーラ55の両側方は外装部品40としての左右一対のシュラウド57、58(手前側の符号57のみ示す。)で覆われている。
【0047】
シートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24で囲まれた三角形状の空間にはエアクリーナ61、バッテリ62、ABS用モジュレータ63及びGPSユニット64が配置されている。エアクリーナ61、バッテリ62、ABS用モジュレータ63及びGPSユニット64は、いずれも、図示せぬステー部材を介してシートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24を含む車体フレーム11に取付けられている。GPSユニット64を含む盗難対策装置の詳細については次図にて説明する。
【0048】
これらのエアクリーナ61、バッテリ62、ABS用モジュレータ63及びGPSユニット64の両側方は、外装部品40としての左右一対のボデイサイドカバー65、66(手前側の符号65のみ示す。)で覆われている。
【0049】
シートレール15、16の後部には左右一対のグラブレール67、68(手前側の符号67のみ示す。)が取付けられ、シートレール15、16の左右端下方で且つシートレール15、16の側方は、外装部品40としての左右一対のリアボデイカバー71、72(手前側の符号71のみ示す。)で覆われ、後輪73の上方を覆うリヤフェンダ74には、左右一対のリヤウインカ76、77(手前側の符号76のみ示す。)と、シート56を開閉できないように施錠するシート施錠機構(不図示)の施錠を解除するための施錠解除機構78とが取付けられている。
【0050】
後輪73は、スイングアーム34の後端に取付けられ、エンジン27の後部に一体的に設けられた変速機81に出力軸82が設けられ、この出力軸82に取付けられたドライブスプロケット83と、後輪73に一体的に設けられたドリブンスプロケット84とにチェーン86が掛けられている。
【0051】
エンジン27のシリンダ部91には、後部に吸気管92を介してスロットルボデイ93が取付けられ、このスロットルボデイ93にコネクティングチューブ94を介してエアクリーナ61が接続されている。
また、エンジン27のシリンダ部91には、前部に排気管96が接続され、この排気管96の後端に消音器97が接続されている。
【0052】
前輪37の上方に、前輪37を覆いフォーク部材26に取付けられるフロントフェンダ101が設けられ、センタフレーム21、22の後部下部にスタンド102が設けられ、サブフレーム23、24に、各々、ステップブラケット103、103(手前側の符号103のみ示す。)が取付けられ、これらのステップブラケット103、103に、各々運転者用ステップ104、105(手前側の符号104のみ示す。)及び同乗者用ステップ106、107(手前側の符号106のみ示す。)とが各々取付けられている。車両の後端部に、テールライト108が取付けられている。
【0053】
燃料タンク54の車両前方位置に、衛星からの位置情報としてのGPS信号を受信するGPSアンテナ110が配置されている。このGPSアンテナ部110から前述したGPSユニット64にケーブル111が延ばされている。
【0054】
盗難対策装置112は、GPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延びるケーブル111と、このケーブル111の先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニット64とから構成されている。GPSアンテナ110とGPSユニット64は、いずれも、車体側に取付けられている。すなわち、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11に取付けられている。
なお、GPSアンテナを外装部品40に取付けることは差し支えない。
【0055】
次に、本発明に係る自動二輪車に搭載されている盗難対策装置及びその関連部分のブロック図について、図1を併せて参照し説明を行う。
図2に示されているように、盗難対策装置112は、GPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延ばされるケーブル111と、このケーブル111の先端に接続されるGPSユニット64とからなる。GPSユニット64は、鞍乗り型車両(自動二輪車10)の車体に加えられた振動を検知する加速度センサ121と、複数の人工衛星から軌道情報を受信することにより車両の現在位置を検出する全地球測位システム部(Global Positioning System部)122と、加速度センサ121からの加速度信号SA及び全地球測位システム部122からの位置情報JPを受けて盗難対策を指令する制御部123と、制御部123からの交信指令SCに基づいて携帯電話基地局124へ位置情報JPを送信する携帯電話通信部125と、制御部123からのエンジン制御信号SECに基づきエンジン27の点火装置126に点火停止信号SSSを送って点火装置126の作動を停止させる、すなわち、エンジン27を停止させるエンジン制御部127と、制御部123からの警報制御信号SACに基づき警報装置128(ヘッドライト46、ウインカ47、48、76、77等の灯火器、ホーン)に警報信号SAを送って灯火器、ホーンを作動させる警報発生部131と、内部電源132と、からなる。内部電源132としては、例えば、リチウム電池が利用される。
【0056】
次に、盗難対策装置の外観について説明する。
図3に示されているように、盗難対策装置112は、GPSアンテナが位置信号を受信するGPSアンテナ110と、受信した位置情報を演算処理するGPSユニット64と、このGPSユニット64とGPSアンテナ110の間を接続するケーブル111と、からなる。GPSアンテナ110からケーブル111が延ばされ、このケーブル111の先端にはコネクタ111aが接続される。GPSユニット64とGPSアンテナ110とは離間して配置される。
なお、本実施例では、ケーブル111は、GPSアンテナ110の側面から延ばされているが、GPSアンテナ110の取付手段によっては、GPSアンテナ110の底面から延ばされるようにすることは差し支えない。
【0057】
GPSユニット64とGPSアンテナ110は、いずれも直方体の箱状の部材であり、GPSユニット64のサイズは、GPSアンテナ110よりも大きい。
GPSアンテナ110は、側面からねじ取付部154が延ばされ、このねじ取付部154により車両各部に取付け可能にした。
【0058】
GPSユニット64は、側部に、外部電源が供給される電源カップラ113と、情報の授受を行う情報授受カップラ114とを有する。電源カップラ113と情報授受カップラ114とは同一の一方の側面115に配設されている。この一方の側面115と反対側に位置する他方の側面116には、ソケット117が設けられ、このソケット117にケーブル111の先端に設けたコネクタ111aが接続され、これらのコネクタ111a及びソケット117が配置される他方の側面116に、覆いとしてのリッド部材118が着脱可能に設けられている。
【0059】
リッド部材118にケーブル111が通る小孔119が開けられ、この小孔119とケーブル111の間にシール部材120が介在される。
上記リッド部材118とシール部材120とにより、GPSユニット64への雨水等の侵入が阻止される。
GPSユニット64は、図示せぬ緩衝部材を介して車体フレーム側へ取付けられる。
【0060】
以下、GPSアンテナの配置構造及び取付構造の詳細について説明する。
図4に示されているように、車体フレーム11の前部に備えられるヘッドパイプ12に、前輪(図1、符号37)を転舵自在に支持するフォーク部材26が取付けられている。このようなヘッドパイプ12の車両後方に隣接してGPSアンテナ110が配置されている。GPSアンテナ110の上方には、GPSアンテナカバー155が設けられている。
【0061】
GPSアンテナ110は、ヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。ヘッドパイプ12の後方に位置するデッドスペースを利用してGPSアンテナ110をコンパクトに配置することができる。
【0062】
また、GPSアンテナ110は、燃料タンク54から延ばしたGPSアンテナカバー155により覆われているため、GPSアンテナ110の位置がわかり難くなり、いたずら等をされ難くすることができる。
【0063】
ヘッドパイプ12の後方位置にて車体フレーム11の構成要素としてのメインフレーム13に燃料タンク54が跨るように設けられ、GPSアンテナ110からGPSユニット64へ延ばされているケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索される。
ケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索される。燃料タンク54の下方であれば、第三者がGPSアンテナに触れ難くなる。従って、ケーブル111はいたずらされる心配がない。
【0064】
次に、GPSアンテナを車両上方から見たときの状態について説明する。
図5に示されているように、燃料タンク54の前端に車両前方に板状のアンテナステー156が延ばされ、このアンテナステー156の上面に、GPSアンテナ110が取付ねじ157を介してアンテナステー156へ取付けられている。アンテナステー156の上方は、GPSアンテナカバー155で覆われている。
【0065】
次に、GPSアンテナを前方から見たときの状態について説明する。
図6に示されているように、板状のアンテナステー156は、メインフレーム13に上面が略水平姿勢になる位置で固着され、このアンテナステーの上面158にGPSアンテナ110が載置され、取付ねじ157によってアンテナステー156に締結されている。
略水平に位置するアンテナステーの上面158にGPSアンテナ110が取付けられているので、衛星電波を良好に受信することができる。
【0066】
以上に述べたGPSユニットを備えた自動二輪車の作用を次に述べる。
図4を併せて参照して、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11から延ばされヘッドパイプ12の車両後方に隣接して設けたアンテナステー156に取付けられている。また、GPSアンテナ110は、GPSユニット64と分離配置されている。
【0067】
従来、GPSユニットは、GPSアンテナを内蔵しているため、比較的大きなものになる。このようなGPSユニットを車両の上部に配置しなければならず、配置上の制約があった。
【0068】
この点、本発明では、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11から延びているアンテナステー156に取付けられているので、所定の受信感度が容易に確保される。加えて、GPSアンテナ110を離間させたGPSユニット64は、受信感度とは無関係な箇所に自由に配置できる。
この結果、本発明によれば、盗難対策装置がより自由に配置できる鞍乗り型車両が提供される。
【0069】
次に、実施例1の変形例について説明する。
図7に示されているように、ヘッドパイプ12の車両後方位置にて車体フレーム(図4、符号11)に燃料タンク54が備えられ、この燃料タンクの前部161に、GPSアンテナ110が配置され、このGPSアンテナ110の上方にGPSアンテナカバー(後述する図10、符号155)が設けられている。
【0070】
GPSアンテナ110は、ヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。また、GPSアンテナ110からGPSユニット64へ延ばされているケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索される。
ケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索されるので、ケーブル111はいたずら等される心配がない。
【0071】
図8に示されているように、アンテナステー156は、燃料タンク54から車両前方に延ばされる金属製の板状部材であり、矩形状の窓部162と、GPSアンテナ110が取付けられる取付孔163とを有する。
【0072】
次に、GPSアンテナの配置及び取付構造の詳細について説明する。
図9に示されているように、窓部162に、下方からGPSアンテナ110が当てられ、下方から取付ねじ157を介してアンテナステー156にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0073】
GPSアンテナ110の上方は、開放されているため、衛星電波を良好に受信することができる。加えて、GPSアンテナ110は、アンテナステー156に下方から装着されているので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
【0074】
図10に示されているように、GPSアンテナ110が装着されているアンテナステー156は、略水平姿勢で配置されている。また、アンテナステー156は、GPSアンテナカバー155によって覆われている。このように、GPSアンテナ110を含むアンテナステー156全体をGPSアンテナカバー155で覆ったので、GPSアンテナ110を目立たなくして配置することができる。
【0075】
GPSアンテナ110は、その上方がGPSアンテナカバー155で覆われているので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
図7を併せて参照して、ケーブル111は、燃料タンク54の下方に配索されるので、ケーブル111がいたずらされる心配はない。
【0076】
図11に示されているように、アンテナステー156は、燃料タンク54の前端部に位置するシーム部164に固着されると共に車両前方に延出されている部材であり、ヘッドパイプ(図7、符号12)の車両後方位置に設けられている。
【0077】
前述したように、GPSアンテナ110は、ヘッドパイプ12の車両後方に隣接して配置されている。ヘッドパイプ12の後方に位置するデッドスペースを利用してGPSアンテナ110をコンパクトに配置することができる。
【0078】
なお、本実施例では、燃料タンクから延ばしたタンクステーにGPSアンテナを取付けたが、燃料タンクのタンクシーム部を車両前方へ延設させたタンクシーム延長部を形成し、このタンクシーム延長部に窓部を設け、この窓部の下方からGPSアンテナを取付けても良い。
【0079】
また、本実施例では、GPSアンテナカバーは、燃料タンクに取付けた樹脂製の部材であるが、GPSアンテナカバーをGPSアンテナを装着するタンクステーとしても良い。また、GPSアンテナカバーは、燃料タンクのタンクシーム延長部を流用しても良いものとする。
【0080】
GPSアンテナは、その一部がアンテナステーの窓部から上方に突出していても良いし、受信感度が確保される範囲でアンテナステーの下方に配置することは差し支えない。また、窓部を覆うように樹脂等の非金属製カバーが設けられていても良い。
【実施例2】
【0081】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図12に示されているように、車体フレーム11を構成するメインフレーム13に燃料タンク54が跨るように設けられている。この燃料タンク54の外側方に沿うようにタンクサイドカバー(シュラウド58)が配置され、このシュラウド58と燃料タンク54の間に、GPSアンテナ110が配置されている。
【0082】
次図以降で、GPSアンテナの取付構造の詳細について説明する。
図13に示されているように、シュラウド58が取り外されたときに、燃料タンクの側面54sに、アンテナステー156が取付けられている。
【0083】
GPSアンテナ110は、シュラウド58と燃料タンク54の間に配置されている。シュラウド58と燃料タンク54の間という目立ち難い箇所にGPSアンテナ110を配置することができる。従って、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
【0084】
図14に示されているように、燃料タンク54に、上方に開放した箱状のアンテナステー156が溶接され、このアンテナステー156に収納されるようにGPSアンテナ110がアンテナステー156に取付けられている。
【0085】
図15に示されているように、GPSアンテナ110は、アンテナステー156に形成されているアンテナステーの開口165に下方から当てられ、下方から取付ねじ157を介してアンテナステー156に締結されている。
【0086】
GPSアンテナ110は、箱状のアンテナステー156に収納するように配置される。GPSアンテナ110を箱状のアンテナステー156に入れることで、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ100はいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は、シュラウド(図13、符号58)によって保護することができる。なお、シュラウド58は、燃料タンク54の側に設けられ、アンテナステー156の車幅方向外方に設けられている。
【0087】
次に、図16〜図18では、実施例2の変形例について説明を行う。
図16に示されているように、燃料タンクの側面54sに固着されたタンクステー166は、箱状に形成され、この箱状に形成されたタンクステー166にGPSアンテナ110が取付ねじ157を介して上方から取付けられている。
【0088】
図17に示されているように、タンクステー166は、GPSアンテナ110の周囲を囲う側壁167と、この側壁167と一体的に設けられGPSアンテナ110をタンクステー166に止める止め部169と、側壁167の下面を塞ぐ底板168とからなる。
【0089】
実施例2と大きく異なる点は、GPSアンテナ110が上方からタンクステー166へセットされ、タンクステー166に設けた止め部169へ、上方から取付ねじ157が差し込まれ締結されている点と、タンクステー166の底部に底板168が固着されている点にある。作用として、側方からの荷重に対するステーの強度・剛性を高められる。また、アンテナへのいたずらをさらにし難くすることができる。
【0090】
次に、変形例に係るタンクステーの製造方法について説明する。
図18に示されているように、スタンピング加工にて薄板にブランク加工(板取り)を施し、(1)に示されるように所定の形状をもつブランク材171を得る。次に、ブランク加工されたブランク材171に矢印(2)に示されるように曲げ加工を施し枠状の側壁167を得る。
【0091】
次に、枠状の側壁167へ下方から底板168を当て、矢印(3)に示されるように、側壁167に底板168を固着することで、タンクステー166を得る。そして、このタンクステー166を燃料タンクの側部(図16、符号54s)へ固着するようにした。
【実施例3】
【0092】
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図19に示されているように、車体フレーム11にシート56が取付けられている。このシート56の下部に、GPSアンテナ110aが配置され、このGPSアンテナ110aからケーブル111が延ばされ、このケーブル111の先端が車両長手方向略中央部に配置されボデイサイドカバー66で覆われているGPSユニット64に接続される。
【0093】
以下、図20〜図22では、GPSアンテナのシートへの取付構造の詳細について説明する。
図20に示されているように、シート56は、底板172と、この底板172の上方に設けられるクッション173と、このクッションの上面173aに設けられる表皮174と、を有する。このシート56の下方に、GPSアンテナ110aが配置されている。
【0094】
図21に示されているように、シートの底板172にGPSアンテナの取付部176(締付座部176)が設けられ、この締付座部176にGPSアンテナ110aが取付けられている。
【0095】
シートの底板168にGPSアンテナ110aが取付けられている。シート56が車体に取付けられた状態では第三者が手を入れ難いシートの底板172に、GPSアンテナ110aを取付けた。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。
【0096】
図22に示されているように、シート底板172に、GPSアンテナの4つの角部178を係止する4つの係止リブ179が下方に延ばされ、これらの係止リブ179に図手前側となる下方からGPSアンテナ110aを係止し、締付座部176にGPSアンテナのねじ取付部154をセットし、取付ねじ157を介してGPSアンテナ110aをシート底板172に締結した。
【実施例4】
【0097】
次に、本発明の実施例4を図面に基づいて説明する。
図19に戻って、車体フレーム11の構成要素であるシートレール15の側方に、GPSアンテナ110bが配置されている。GPSアンテナ110bとGPSユニット64の間は図示せぬケーブルで接続されている。以下、シートレール15の側方に配置されているGPSアンテナの取付構造について説明する。
【0098】
図23に示されているように、左のシートレール15に、図手前側に箱状のアンテナステー156が配置されている。このアンテナステー156に下方からGPSアンテナ110bが当てられ、このGPSアンテナ110bは、アンテナステー156へ取付ねじ157によって締結されている。
【0099】
図24に示されているように、左のシートレール15の側方に、箱状のアンテナステー156が設けられ、このアンテナステー156にGPSアンテナ110bが収容された状態で取付けられている。
【0100】
図25に示されているように、GPSアンテナ110bは、アンテナステー156に形成されているアンテナステーの開口165に、GPSアンテナ110bの上部が係合するように下方から当てられ、GPSアンテナ110bは、下方から取付ねじ157を介してアンテナステー156に締結されている。
【0101】
GPSアンテナ110bは、箱状のアンテナステー156に収納するように配置される。GPSアンテナ110bを箱状のアンテナステー156に入れることで、第三者がGPSアンテナ110bに触れ難くすることができ、いたずら等を防止することができる。
【0102】
なお、本実施例では、GPSアンテナを左のシートレールの側方に配置したが、GPSアンテナを右のシートレールの側方に配置することは差し支えない。また、シートレールの側方で、シートレールの車幅方向内方にGPSアンテナを配置しても良い。
【0103】
以下、図26〜図28では、実施例4の変形例について説明を行う。
図26に示されているように、シートレール15の側面に固着されたレールステー186は、箱状に形成され、この箱状に形成されたレールステー186にGPSアンテナ110が取付ねじ157を介して上方から取付けられている。
【0104】
図27に示されているように、レールステー186は、GPSアンテナ110の周囲を囲う側壁167と、この側壁167の下面を塞ぐ底板168と、この側壁167と一体的に設けられGPSアンテナ110をタンクステー166に止める止め部169とからなる。
【0105】
実施例2と大きく異なる点は、GPSアンテナ110が上方からタンクステー166へセットされ、タンクステー166に設けた止め部169へ、上方から取付ねじ157が差し込まれ締結されている点と、タンクステー166の底部に底板168が固着されている点にある。作用として、側方からの荷重に対するステーの強度・剛性を高められる。また、アンテナへのいたずらをさらにし難くすることができる。
【0106】
次に、変形例に係るレールステーの製造方法について説明する。
図28に示されているように、スタンピング加工にて薄板にブランク加工(板取り)を施し、(1)に示されるように所定の形状をもつブランク材171を得る。ブランク加工されたブランク材171に矢印(2)に示されるように曲げ加工を施し枠状の側壁167を得る。
【0107】
次に、枠状の側壁167に下方から底板168を当て、矢印(3)に示されるように、側壁167に底板168を固着することで、レールステー186を得る。そして、このレールステー186をシートレール15の側部へ固着するようにした。
【実施例5】
【0108】
次に、本発明の実施例7を図面に基づいて説明する。
図29に示されているように、シートレール15に取付けられているグラブレール67の側方位置であって、グラブレール67の車幅方向内方に、GPSアンテナ110が配置されている。GPSアンテナ110とGPSユニット64の間は図示せぬケーブルで接続されている。すなわち、左右一対のシートレール15の間に、GPSアンテナ110が配置されている。以下、GPSアンテナの取付構造について説明する。
【0109】
シートレール15に、乗員がつかむことができるグラブレール67が取付けられ、このグラブレール67に備えられグラブレール67が取付けられるグラブレール取付部188から車幅方向内側にグラブレール延長部188が延ばされ、このグラブレール延長部188に上方に開放する窓部162が開けられ、この窓部162の下に位置するようにグラブレール延長部188にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0110】
図30に示されているように、窓部162に、下方からGPSアンテナ110が当てられ、下方から取付ねじ157を介してグラブレール延長部188にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0111】
グラブレール延長部188に窓部162を設け、この窓部162の下に位置するようにGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110をグラブレール延長部188の下に配置したので、いたずら等をされ難くすることができる。加えて、GPSアンテナ110は窓部162の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0112】
図29に戻って、第三者が触れ難い左右一対のシートレール15、16の間には、GPSアンテナ110が配置されている。左右一対のシートレール15、16の間であれば、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くすることができ、いたずら等を防止することができる。
【実施例6】
【0113】
次に、本発明の実施例6を図面に基づいて説明する。
図31に示されているように、左右のシートレール15、16の間に、クロスメンバ191が渡され、このクロスメンバ191に上方に開放する窓部162が開けられ、この窓部162の下に位置するようにしてクロスメンバ191にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0114】
なお、GPSユニットは、実施例1〜5で説明した位置に配置され、GPSアンテナとGPSユニットとはケーブルで連結されている、GPSユニットの取付構造は同一でる。この他、GPSアンテナの配置及び取付構造以外について大きく変わるところはなく、説明を省略する。
【0115】
次に、GPSアンテナの配置及び取付構造の詳細について説明する。
図32に示されているように、クロスメンバ191に開けた窓部162に、下方からGPSアンテナ110が当てられ、下方から取付ねじ157を介してGPSアンテナ110をクロスメンバ191に取付けた。
【0116】
左右のシートレール15、16の間に渡したクロスメンバ191に窓部162を設け、この窓部162の下に位置するようにGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110をクロスメンバ191の下に配置したので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110は、いたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は窓部162の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【実施例7】
【0117】
次に、本発明の実施例7を図面に基づいて説明する。
図31に戻って、左右のシートレール15、16の間に、クロスメンバ191が渡され、このクロスメンバ191の後部から車両後方へ後部延出部192が延ばされ、この後部延出部192に上方に開放する窓部162Bが開けられ、この窓部162Bの下に位置するように後部延出部192にGPSアンテナ110が取付けられている。
【0118】
左右のシートレール15、16の間に渡したクロスメンバ191の後部から車両後方へ後部延出部192が延ばされ、この後部延出部192に窓部162Bを設け、この窓部162Bの下に位置するようにGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110を後部延出部192の下に配置したので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は窓部162Bの下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0119】
なお、GPSユニットは、実施例1〜5で説明した位置に配置され、取付構造は同一でる。この他、車体フレームに、底板と、この底板の上方に設けられるクッションと、このクッションの上面に設けられる表皮と、を有するシートが取付けられている等を含め、車両の構造は同一である。GPSアンテナの配置及び取付構造以外について大きく変わるところはなく、説明を省略する。
【実施例8】
【0120】
次に、本発明の実施例8を図面に基づいて説明する。
図33に示されているように、自動二輪車10に、盗難対策装置112が搭載されている。盗難対策装置112は、前述した実施例と同様、GPSアンテナ110と、このGPSアンテナ110から延びるケーブル111と、このケーブル111の先端に連結されGPS信号を処理するGPSユニット64とから構成されている。つまり、GPSアンテナ110とGPSユニット64とは離間して配置されている。GPSアンテナ110は、車両の前部に配置されている。GPSユニット64は、車両長手方向略中央部に配置されている。
【0121】
GPSユニット64は、シートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24で囲まれた三角形状の空間内であって、エアクリーナ61とバッテリ62の間に配置されている。GPSユニット64は、図示せぬステー部材を介してシートレール15、16、センタフレーム21、22及びサブフレーム23、24を含む車体フレーム11に取付けられている。その他、図1と変わるところはなく説明を省略する。
次図以降にて、GPSアンテナの配置及びその取付構造の詳細について説明する。
【0122】
次に、メータの近傍に配置されるGPSアンテナについて説明する。
図34に示されているように、フロントカウル組立体43の上部に、走行状態を表示するメータ51を支持する板状のメータステー134が設けられ、このメータステー134の前端部から車両前方にメータステー延長部201が延長され、このメータステー延長部201にGPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110は、メータ51の近傍で且つメータ51の最上部より下方に配置されている。
【0123】
次に、フロントカウルステー組立体の構造及びこのフロントカウルステー組立体に取付けたGPSアンテナについて説明する。
図35に示されているように、フロントカウル44の両側部には左右一対のフロントカウルカバー137、138が取付けられ、これらのフロントカウルカバー137、138から側方にフロントウインカ47、48が突出するように配置されている。フロントカウル44の両側部をフロントカウルカバー137、138で覆ったので車両の外観性の向上が図れる。
【0124】
フロントカウルステー組立体43は、フロントフォーク(図1、符号26)に取付けられる左右一対のサポートバー139、140と、これらのサポートバー139、140のそれぞれの上部に取付けられた左右一対のアッパステー141、142と、メータ(図1、符号51)を支持するために左右のアッパステー141、142の上部に取付けられたプレート状のメータステー134と、左右のサポートバー139、140のそれぞれの下部を連結するブリッジ部材143とからなる。
【0125】
フロントカウルステー組立体43は、フォーク部材(図34、符号26)に取付けられている。フロントカウルステー組立体43に、フロントカウル44とヘッドライトステー147、148とが取付けられ、ヘッドライトステー147、148にウインカステー151、152を介してフロントウインカ47、48が取付けられている。
【0126】
フロントカウル44の側部上部に内方に突出する左右一対の内方突出壁44c、44dが形成され、これらの内方突出壁44c、44dが、フロントカウルステー組立体43のメータステー134の左右端に形成された側方突出部134a、134bにそれぞれビス144で取付けられている。
【0127】
また、フロントカウルステー組立体43のブリッジ部材143には、ボルト145、145で左右一対のヘッドライトステー147、148が取付けられ、このヘッドライトステー147、148の各上部でヘッドライト46の側部支持部149a、149bが揺動自在に支持され、ヘッドライトステー147、148の各下部に左右一対のウインカステー151、152がボルト153、153で取付けられ、ウインカステー151、152にフロントウインカ47、48がフロントカウルカバー137、138を挟むように取付けられている。
【0128】
上記のように、車体フレーム11にメータステー134を含むフロントカウル(ステー)組立体43が取付けられている。
フロントカウル組立体43の上部に、メータ51を支持する板状のメータステー134が延ばされ、このメータステー134から車両前方にメータステー延長部135が延長され、このメータステー延長部135に上方に開口する窓部162が開けられている。メータステー134は、車体フレーム11からフロントカウル組立体43を介して延びている部材ということもできる。
【0129】
図36に示されているように、メータステー延長部135に上方に開口する窓部162と取付孔163とが開けられ、この窓部162の下に位置するようにして、メータステー延長部135に、GPSアンテナ110が取付けられている。
【0130】
窓部162の下に位置するようにしてメータステー延長部135の下面に、GPSアンテナ110のねじ取付部154が当てられ、このねじ取付部154に下方から取付孔163に取付ねじ157が差し込まれ、この取付ねじ157を介してGPSアンテナ110がメータステー延長部135の下面に取付けられている。
【0131】
GPSアンテナ110を板状のメータステー134の下に配置し取付けたので、第三者がGPSアンテナ110に触れ難くなる。従って、GPSアンテナ110はいたずらされる心配がない。加えて、GPSアンテナ110は窓部162の下に位置するため、良好な受信感度が確保される。
【0132】
なお、GPSアンテナは、その一部が窓部からメータステー側に突出していても良いし、受信感度が確保される範囲でメータステーよりも下方に配置されていても良い。また、窓部は、樹脂等の非金属製カバーで覆われるようにしても差し支えない。
【0133】
図33に戻って、本発明では、GPSアンテナ110は、GPSユニット64から離れた位置にて、車体フレーム11から延びているメータステー134に取付けられているので、所定の受信感度が容易に確保される。加えて、GPSアンテナ110を離間させたGPSユニット64は、必ずしも電波が到達する車両の上部等に配置する必要はないため、GPSユニット64の配置の自由度が高まる。
【0134】
また、GPSアンテナ110は、メータ51の近傍で且つメータ51の最上部より下方に配置されている。GPアンテナ110は、メータ周辺の目立ち難い位置に配置することが可能になる。
【0135】
なお、GPSアンテナは、車体フレームから延びているメータステーに取付ける他、フロントカウルカバー、シュラウド、ボデイサイドカバー、リアボデイカバー等の外装部材に取付けることは差し支えない。
【実施例9】
【0136】
次に、本発明の実施例9を図面に基づいて説明する。
図37に示されているように、車体前部の外装部品は、ヘッドライト46と、このヘッドライト46の車幅方向左右を覆うフロントカウルカバー49、50(図手前側の符号49のみ示す。)とを有している。
車体フレーム11の前部に備えられるヘッドパイプ12に、前輪(図33、符号37)を転舵自在に支持するフォーク部材26が取付けられ、車両側面視で、フロントカウルカバー49、50と重なる位置にてフォーク部材26に、GPSアンテナ110が取付けられている。
【0137】
車両側面視で、フロントカウルカバー49、50と重なる位置にてフォーク部材26に、GPSアンテナ110が取付けられている。GPSアンテナ110は、フロントカウルカバー49、50によって覆われるので、GPSアンテナ110を目立たない位置に配置することができる。
次図にて、GPSアンテナの取付構造の詳細について説明する。
【0138】
図38に示されているように、GPSアンテナ110は、クランプ部材203で挟持され、このクランプ部材203がフォーク部材26に取付けられることで、フォーク部材26に、GPSアンテナ110が取付けられている。
【0139】
クランプ部材203はラバー製であり、一端に支点となる閉じ側211を、他端に開放可能な開き側212とを有する2つの挟持アーム部205、206を備える。これらの挟持アーム部205、206に、各々、フォーク部材26を挾むフォーク部材挟持部207、208と、GPSアンテナ110が取付けられる装着部209、210とが形成されている。開き側212に形成した2つの挟持アーム部205、206には、2つの挟持アーム部205、206の間をクランプするクランプボルト213が設けられ、クランプボルト213を締付けることで、閉じ側211に形成したフォーク部材挟持部207、208がフォーク部材26へ取付けられている。
そして、装着部209、210に下方からGPSアンテナ110が当てられ取付ねじ157によってクランプ部材203にGPSアンテナ110が取付けられる。
【0140】
図39に示されているように、装着部209、210を組み合わせることにより、GPSアンテナ110を嵌めることができる開口214が形成され、この開口214の近傍でクランプ部材203に、取付ねじ157がねじ込まれるナット部215が埋設されている。開口214に下方からGPSアンテナ110を当て、下方から取付ねじ157にGPSアンテナ110をクランプ部材203に締結した。GPSアンテナ110の上方は、開放されているので、衛星電波を良好に受信することができる。
【0141】
クランプ部材及びGPSアンテナが配置アンテナの取付要領として、閉じ側211に位置するフォーク部材挟持部207、208でフォーク部材26を挟み、開き側212に位置するクランプボルト213でクランプ部203、204をフォーク部材26に取付ける。次に、装着部209、210に下方からGPSアンテナ110を当て、下方から取付ねじ157によりGPSアンテナ110のねじ取付部154をクランプ部材203に取付ける。
【0142】
すなわち、フォーク部材26に、クランプ部材203を介してGPSアンテナ110が取付けられている。フォーク部材26にクランプ部材203が取付けられ、このクランプ部材203にGPSアンテナ110が支持されている。
クランプ部材203でGPSアンテナ110が支持されているので、部品点数の増加が最小限に抑えられる。
【0143】
次に、本発明に係る自動二輪車において、上記実施例以外の位置で、GPSアンテナが配置可能な位置について説明する。
図40に示されているように、GPSアンテナ110Aは、ヘッドライト46の近傍又はヘッドライトケース内に配置されていても良い。
【0144】
或いは、GPSアンテナ110Bは、フロントフェンダ101の上面又は下面に配置されていても良い。
或いは、GPSアンテナ110Cは、ミラー221に取付けられていても良い。
或いは、GPSアンテナ110Dは、バーハンドル36や、バーハンドル36に装着したスイッチボックス又はブレーキマスタシリンダに取付けられていても良い。
【0145】
或いは、GPSアンテナ110Eは、燃料タンク54の上面に配置されていても良い。 或いは、GPSアンテナ110Eを配置した燃料タンク54の上面は、図示せぬタンクカバーで覆われるようにしても良い。
或いは、GPSアンテナ110Fは、燃料タンク54とシート56の前部とで挟まれる領域に配置されていても良い。
【0146】
或いは、GPSアンテナ110Gは、車両側面視で、シートレール15と重なる位置に配置されていても良いし、シートレール15よりも下方に配置されていても良い。
或いは、GPSアンテナ110Hは、テールライト108の周辺部やテールライトケース内に配置されていても良い。
【0147】
或いは、GPSアンテナ110Iは、リヤフェンダ74又はライセンスブラケットに取付けられていても良い。
以上、述べてきたように、GPSアンテナ110は、GPSアンテナ110A〜110Iのいずれか一箇所に配置することができる。
【0148】
次に、本発明に係る自動二輪車において、上記実施例以外の位置でGPSユニットが配置可能な位置について説明する。
図41に示されているように、GPSユニット64Aは、フロントカウル44やメータバイザ内に配置されていても良い。この場合に、GPSユニット64Aは、フロントカウル44やメータバイザの形状に合わせて適宜斜めに配置される。
【0149】
或いは、GPSユニット64Bは、ヘッドライト46の上方又は下方に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Cは、フロントフェンダ101の上面又は下面に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Dは、フォーク部材26に沿わせて配置されていても良い。
【0150】
或いは、GPSユニット64Eは、シュラウド57の内側に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Fは、燃料タンク54の下方に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Fは、燃料タンク54の上面に配置されていても良い。
【0151】
或いは、GPSユニット64Gは、左右のシートレール15、16(図手前側の符号15のみ示す。)の間に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Hは、エンジン27の前方、側方又は上方にステーを介して配置されていても良い。
【0152】
或いは、GPSユニット64Iは、シート56の下方に配置されていても良い。この場合に、GPSユニット64Iは、シート56の下の他部品の配置に合わせて縦、横又は斜めに適宜配置される。
或いは、GPSユニット64Jは、車両側面視で、スイングアーム34と重なるように配置されていても良い。また、スイングアーム34の下方に配置されていても良い。
【0153】
或いは、GPSユニット64Kは、ステップブラケット103の車幅方向内側に配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Lは、リヤフェンダ74又はライセンスブラケットに配置されていても良い。
或いは、GPSユニット64Mは、テールライト108の上面又は下面に配置されていても良い。
【0154】
以上、述べてきたように、GPSユニット64は、GPSユニット64A〜64Mのいずれか一箇所に配置することができる。GPSユニット64A〜64Mには、GPSアンテナが内蔵されていないため、受信感度を考慮することなく、車両の空きスペースに比較的自由に配置することが可能になる。
【0155】
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗り型車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0157】
10…鞍乗り型車両(自動二輪車)、11…車体フレーム、12…ヘッドパイプ、15…シートレール、16…シートレール、26…フォーク部材、27…パワーユニット(エンジン)、37…前輪、40…外装部品、46…ヘッドライト、49…フロントカウルカバー、50…フロントカウルカバー、51…メータ、54…燃料タンク、56…シート、57…タンクサイドカバー、58…タンクサイドカバー、64…GPSユニット、67…グラブレール、110…GPSアンテナ、111…ケーブル、112…盗難対策装置、134…メータステー、135…メータステー延長部、155…GPSアンテナカバー、156…アンテナステー、162…窓部、203…クランプ部材、172…底板、173…クッション、174…表皮、176…GPSアンテナの取付部、187…グラブレール取付部、188…グラブレール延長部、191…クロスメンバ、192…後部延出部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(11)にパワーユニット(27)と外装部品(40)と盗難対策装置(112)とが取付けられている鞍乗り型車両(10)において、
前記盗難対策装置(112)は、GPS信号を受信するGPSアンテナ(110)と、このGPSアンテナ(110)から延びるケーブル(111)と、このケーブル(111)の先端に連結され前記GPS信号を処理するGPSユニット(64)とを有し、
前記GPSアンテナ(110)は、前記GPSユニット(64)から離れた位置にて、前記車体フレーム(11)又は前記外装部品(40)に取付けられていることを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記車体フレーム(11)の前部に備えられるヘッドパイプ(12)に、前輪(37)を転舵自在に支持するフォーク部材(26)が取付けられ、
前記ヘッドパイプ(12)の車両後方に隣接して前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記ヘッドパイプ(12)の後方位置にて前記車体フレーム(11)に燃料タンク(56)が備えられ、
この燃料タンク(56)の前部に、前記GPSアンテナ(110)が配置され、このGPSアンテナ(110)の上方にGPSアンテナカバー(155)が設けられ、
前記ケーブル(111)は、前記燃料タンク(56)の下方に配索されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記車体フレーム(11)に燃料タンク(56)が備えられ、
この燃料タンク(56)の外側方に沿うようにタンクサイドカバー(57、58)が配置され、
このタンクサイドカバー(57、58)と前記燃料タンク(56)の間に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記燃料タンク(56)に、上方に開放した箱状のアンテナステー(156)が溶接され、
このアンテナステー(156)に収納されるように前記GPSアンテナ(110)が前記アンテナステー(156)に取付けられていることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記車体フレーム(11)に、底板(172)と、この底板(172)の上方に設けられるクッション(173)と、このクッション(173)の上面に設けられる表皮(174)と、を有するシート(56)が取付けられ、
このシート(56)の下方に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記シートの底板(172)にGPSアンテナの取付部(176)が設けられ、このGPSアンテナの取付部(176)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
【請求項8】
前記車体フレーム(11)に、前記シート(56)を支持するシートレール(15)が含まれ、
前記シートレール(15)の側方に、箱状のアンテナステー(156)が設けられ、このアンテナステー(156)に前記GPSアンテナ(110)が収容された状態で取付けられていることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
【請求項9】
前記車体フレーム(11)に、前記シート(56)を支持する左右一対のシートレール(15、16)が含まれ、
これらの左右一対のシートレール(15、16)の間に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
【請求項10】
前記シートレール(15)に、乗員がつかむことができるグラブレール(67)が取付けられ、このグラブレール(67)が取付けられるグラブレール取付部(187)から車幅方向内側にグラブレール延長部(188)が延ばされ、このグラブレール延長部(188)に上方に開放する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するように前記グラブレール延長部(188)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項9記載の鞍乗り型車両。
【請求項11】
前記左右のシートレール(15)の間に、クロスメンバ(191)が渡され、このクロスメンバ(191)に上方に開放する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するようにして前記クロスメンバ(191)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項9記載の鞍乗り型車両。
【請求項12】
前記車体フレーム(11)に、底板(172)と、この底板(172)の上方に設けられるクッション(173)と、このクッション(173)の上面に設けられる表皮(174)と、を有するシート(56)が取付けられ、
前記車体フレーム(11)に、前記シート(56)を支持する左右一対のシートレール(15、16)が含まれ、
前記左右のシートレール(15)の間に、クロスメンバ(191)が渡され、このクロスメンバ(191)の後部から車両後方へ後部延出部(192)が延ばされ、
この後部延出部(192)に上方に開放する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するように前記後部延出部(192)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項13】
前記車体フレーム(11)に、走行状態を表示するメータ(51)がさらに備えられ、
このメータ(51)の近傍で且つメータ(51)の最上部より下方に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項14】
前記メータ(51)は、前記車体フレーム(11)から延ばした板状のメータステー(134)で支持され、このメータステー(134)から車両前方にメータステー延長部(135)が延長され、このメータステー延長部(135)に上方に開口する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するようにして前記メータステー延長部(135)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項13記載の鞍乗り型車両。
【請求項15】
前記外装部品(40)は、ヘッドライト(46)と、このヘッドライト(46)を覆うフロントカウルカバー(49、50)とからなり、
前記車体フレーム(11)の前部に備えられるヘッドパイプ(12)に、前輪(37)を転舵自在に支持するフォーク部材(26)が取付けられ、
車両側面視で、前記フロントカウルカバー(49、50)と重なる位置にて前記フォーク部材(26)に、前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項16】
前記GPSアンテナ(110)は、クランプ部材(203)で挟持され、このクランプ部材(203)が前記フォーク部材(26)に取付けられることで、前記フォーク部材(26)に、前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項15記載の鞍乗り型車両。
【請求項1】
車体フレーム(11)にパワーユニット(27)と外装部品(40)と盗難対策装置(112)とが取付けられている鞍乗り型車両(10)において、
前記盗難対策装置(112)は、GPS信号を受信するGPSアンテナ(110)と、このGPSアンテナ(110)から延びるケーブル(111)と、このケーブル(111)の先端に連結され前記GPS信号を処理するGPSユニット(64)とを有し、
前記GPSアンテナ(110)は、前記GPSユニット(64)から離れた位置にて、前記車体フレーム(11)又は前記外装部品(40)に取付けられていることを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記車体フレーム(11)の前部に備えられるヘッドパイプ(12)に、前輪(37)を転舵自在に支持するフォーク部材(26)が取付けられ、
前記ヘッドパイプ(12)の車両後方に隣接して前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記ヘッドパイプ(12)の後方位置にて前記車体フレーム(11)に燃料タンク(56)が備えられ、
この燃料タンク(56)の前部に、前記GPSアンテナ(110)が配置され、このGPSアンテナ(110)の上方にGPSアンテナカバー(155)が設けられ、
前記ケーブル(111)は、前記燃料タンク(56)の下方に配索されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記車体フレーム(11)に燃料タンク(56)が備えられ、
この燃料タンク(56)の外側方に沿うようにタンクサイドカバー(57、58)が配置され、
このタンクサイドカバー(57、58)と前記燃料タンク(56)の間に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記燃料タンク(56)に、上方に開放した箱状のアンテナステー(156)が溶接され、
このアンテナステー(156)に収納されるように前記GPSアンテナ(110)が前記アンテナステー(156)に取付けられていることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記車体フレーム(11)に、底板(172)と、この底板(172)の上方に設けられるクッション(173)と、このクッション(173)の上面に設けられる表皮(174)と、を有するシート(56)が取付けられ、
このシート(56)の下方に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記シートの底板(172)にGPSアンテナの取付部(176)が設けられ、このGPSアンテナの取付部(176)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
【請求項8】
前記車体フレーム(11)に、前記シート(56)を支持するシートレール(15)が含まれ、
前記シートレール(15)の側方に、箱状のアンテナステー(156)が設けられ、このアンテナステー(156)に前記GPSアンテナ(110)が収容された状態で取付けられていることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
【請求項9】
前記車体フレーム(11)に、前記シート(56)を支持する左右一対のシートレール(15、16)が含まれ、
これらの左右一対のシートレール(15、16)の間に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
【請求項10】
前記シートレール(15)に、乗員がつかむことができるグラブレール(67)が取付けられ、このグラブレール(67)が取付けられるグラブレール取付部(187)から車幅方向内側にグラブレール延長部(188)が延ばされ、このグラブレール延長部(188)に上方に開放する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するように前記グラブレール延長部(188)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項9記載の鞍乗り型車両。
【請求項11】
前記左右のシートレール(15)の間に、クロスメンバ(191)が渡され、このクロスメンバ(191)に上方に開放する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するようにして前記クロスメンバ(191)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項9記載の鞍乗り型車両。
【請求項12】
前記車体フレーム(11)に、底板(172)と、この底板(172)の上方に設けられるクッション(173)と、このクッション(173)の上面に設けられる表皮(174)と、を有するシート(56)が取付けられ、
前記車体フレーム(11)に、前記シート(56)を支持する左右一対のシートレール(15、16)が含まれ、
前記左右のシートレール(15)の間に、クロスメンバ(191)が渡され、このクロスメンバ(191)の後部から車両後方へ後部延出部(192)が延ばされ、
この後部延出部(192)に上方に開放する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するように前記後部延出部(192)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項13】
前記車体フレーム(11)に、走行状態を表示するメータ(51)がさらに備えられ、
このメータ(51)の近傍で且つメータ(51)の最上部より下方に、前記GPSアンテナ(110)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項14】
前記メータ(51)は、前記車体フレーム(11)から延ばした板状のメータステー(134)で支持され、このメータステー(134)から車両前方にメータステー延長部(135)が延長され、このメータステー延長部(135)に上方に開口する窓部(162)が開けられ、この窓部(162)の下に位置するようにして前記メータステー延長部(135)に前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項13記載の鞍乗り型車両。
【請求項15】
前記外装部品(40)は、ヘッドライト(46)と、このヘッドライト(46)を覆うフロントカウルカバー(49、50)とからなり、
前記車体フレーム(11)の前部に備えられるヘッドパイプ(12)に、前輪(37)を転舵自在に支持するフォーク部材(26)が取付けられ、
車両側面視で、前記フロントカウルカバー(49、50)と重なる位置にて前記フォーク部材(26)に、前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項16】
前記GPSアンテナ(110)は、クランプ部材(203)で挟持され、このクランプ部材(203)が前記フォーク部材(26)に取付けられることで、前記フォーク部材(26)に、前記GPSアンテナ(110)が取付けられていることを特徴とする請求項15記載の鞍乗り型車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2012−51443(P2012−51443A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194778(P2010−194778)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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