説明

音声データ送信装置、音声データ送信方法、音声データ受信装置および音声データ受信方法

【課題】データ量が増大した場合であっても、他のデータ、例えば画像データの伝送に影響を及ぼすことなく、送信デジタル音声データを良好に送信する。
【解決手段】送信音声データSTLが16ビットLPCM音声データであるとき、分離部205は全ビットを第1の音声データSTL-Uとして分離し、伝送路A変調部206で第1の形態の伝送信号STaを生成し、通信I/F208により伝送路400Aを通じて送信する。送信音声データSTLがビット拡張された24ビットLPCM音声データであるとき、上位16ビットに関しては、上述の16ビットLPCM音声データの場合と同様である。下位8ビットに関しては、分離部205は第2の音声データSTL-Lとして分離し、伝送路B変調部207で第2の形態の伝送信号STbを生成し、通信I/F208により伝送路400Bを通じて送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声データ送信装置、音声データ送信方法、音声データ受信装置および音声データ受信方法に関し、詳しくは、2種類の伝送路を利用してデジタル音声データを送信する音声データ送信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1等に記載されるように、送信装置としてのソース機器(例えば、ディスクレコーダ、地上波デジタル放送用のチューナ等)から受信装置としてのシンク機器(例えば、テレビ等)に、AV(Audio Visual)コンテンツのデータ(画像データ、音声データ)を送信するAVシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−109000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今のAVコンテンツを伝送するデジタルインタフェースでは、オーディオ信号とビデオ信号、および機器を制御するコントロール信号などを同時に伝送する必要があるために、伝送帯域が切迫している。
【0005】
そのため、例えば、信頼性が高く、送信時と同じ解像度のデータを伝送できるがデータの伝送帯域がそれ程高くない伝送路Aと、受信時に送信時と同じ解像度のデータの再生は保証できないが、データの伝送帯域が十分高い伝送路Bを利用するシステムが考えられる。この場合、例えば、音声データ、制御データ、そして、画像データの重要な成分は伝送路Aで伝送され、画像データのその他の成分は伝送路Bで伝送される。このシステムにおいても、音声データがマルチチャンネルになったり、音声データの品質が上がったりすることによってデータ量が増えるに従って、伝送路A上の画像データのデータ量が削減されることになり、画像品質の劣化に繋がる。
【0006】
この発明の目的は、音声データのデータ量が増大した場合であっても、他のデータ、例えば画像データの伝送に影響を及ぼすことなく、当該音声データを良好に送信可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の概念は、
受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送する第1の伝送路と、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送する第2の伝送路を利用してデジタル音声データを送信する音声データ送信装置であって、
送信デジタル音声データを、上記第1の伝送路で伝送すべき第1の音声データと、上記第2の伝送路で伝送すべき第2の音声データに分離するデータ分離部と、
上記データ分離部で分離された上記第1の音声データを処理して上記第1の形態の伝送信号を得る第1の送信処理部と、
上記データ分離部で分離された上記第2の音声データを処理して上記第2の形態の伝送信号を得る第2の送信処理部と、
上記第1の送信処理部で得られた上記第1の形態の伝送信号を上記第1の伝送路を介して送信し、上記第2の送信処理部で得られた上記第2の形態の伝送信号を上記第2の伝送路を介して送信するデータ送信部
を備える音声データ送信装置にある。
【0008】
また、この発明の概念は、
受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送する第1の伝送路と、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送する第2の伝送路を利用してデジタル音声データを受信する音声データ受信装置であって、
上記第1の伝送路を介して上記第1の形態の伝送信号を受信し、上記第2の伝送路を介して上記第2の形態の伝送信号を受信するデータ受信部と、
上記データ受信部で受信された上記第1の形態の伝送信号を処理して第1の音声データを得る第1の受信処理部と、
上記データ受信部で受信された上記第2の形態の伝送信号を処理して第2の音声データを得る第2の受信処理部と、
上記第1の受信処理部で得られた上記第1の音声データと、上記第2の受信処理部で得られた上記第2の音声データを合成して受信デジタル音声データを得るデータ合成部
を備える音声データ受信装置にある。
【0009】
この発明においては、第1の伝送路および第2の伝送路が利用されて、デジタル音声データの伝送が行われる。第1の伝送路は、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送するための伝送路であり、例えば第1の伝送帯域を有している。第2の伝送路は、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない伝送信号であり、例えば第1の伝送帯域より広い第2の伝送帯域を有している。これら第1、第2の伝送路は有線あるいは無線のいずれであってもよい。
【0010】
例えば、第1の形態の伝送信号は、少なくとも、送信データに対して、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理(例えば、QPSK、16QAM等)を行って得られた伝送信号である。例えば、第2の形態の信号は、少なくとも、送信データに対して、この送信データをLSB(Least Significant Bit)とMSB(Most SignificantBit)の関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調(AM、FM等)を行って得られた伝送信号である。
【0011】
音声データ送信装置では、データ分離部により、送信デジタル音声データが、第1の伝送路で伝送すべき第1の音声データと、第2の伝送路で伝送すべき第2の音声データに分離される。
【0012】
例えば、送信デジタル音声データがLPCM(Linear PCM)音声データである場合、データ分離部では、LPCM音声データのサンプルデータ毎に、上位所定ビットが第1の音声データとして分離され、残りのビットが第2の音声データとして分離される。例えば、上位16ビットが第1の音声データとして分離される設定にあっては、16ビットのLPCM音声データの場合は、全ビットが第1の音声データとして分離され、第2の音声データはない。また、例えば、24ビットLPCM音声データの場合は、上位16ビットが第1の音声データとして分離され、残りの8ビット(下位8ビット)が第2の音声データとして分離される。
【0013】
また、例えば、送信デジタル音声データがマルチチャネル音声データである場合、データ分離部では、所定チャネルの音声データが第1の音声データとして分離され、残りのチャネルの音声データが第2の音声データとして分離される。例えば、5.1チャネルサラウンド方式では、左(フロント)、センター、右(フロント)、左(リア)、右(リア)、LFE(Low Frequency Effect)の各チャネルのうち、メインの音を担当する左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データは第1の音声データとして分離され、残りの左(リア)、右(リア)、LFE)の各チャネルの音声データは第2の音声データとして分離される。
【0014】
音声データ送信装置では、第1の送信処理部により、第1の音声データが処理されて第1の形態の伝送信号が得られる。この第1の形態の伝送信号は、上述したように、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された伝送信号である。また、音声データ送信装置では、第2の送信処理部により、第2の音声データが処理されて第2の形態の伝送信号が得られる。この第2の形態の伝送信号は、上述したように、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない伝送信号である。
【0015】
音声データ送信装置では、データ送信部により、第1の送信処理部で得られた第1の形態の伝送信号が第1の伝送路を介して送信され、第2の送信処理部で得られた第2の形態の伝送信号が第2の伝送路を介して送信される。
【0016】
例えば、音声データ送信装置では、データ情報供給部により、送信デジタル音声データが、第1の音声データの他に、第2の音声データを含むか否かを判断するためのデータ情報が受信側に供給される。これにより、受信側では、このデータ情報に基づいて、第2の音声データを得るための受信処理を行うか、さらには、第1の音声データに第2の音声データを合成する処理を行うかを判断でき、受信音声データを適切、かつ効率的に得ることが可能となる。
【0017】
音声データ受信装置では、データ受信部により、第1の伝送路を介して第1の形態の伝送信号が受信され、第2の伝送路を介して第2の形態の伝送信号が受信される。勿論、上述したように送信デジタル音声データに第2の音声データが含まれていなく、音声データ送信装置から第2の形態の音声信号が送信されてこない場合もある。
【0018】
音声データ受信装置では、第1の受信処理部により、データ受信部で受信された第1の形態の伝送信号が処理されて第1の音声データが得られる。また、音声データ受信装置では、第2の受信処理部により、データ受信部で受信された第2の形態の伝送信号が処理されて第2の音声データが得られる。
【0019】
そして、音声データ受信装置では、データ合成部により、第1の受信処理部で得られた第1の音声データと、第2の受信処理部で得られた第2の音声データが合成されて受信デジタル音声データが得られる。例えば、受信デジタル音声データがLPCM音声データである場合、データ合成部では、サンプルデータ毎に、第1の受信処理部で得られた第1の音声データが上位ビットとされ、第2の受信処理部で得られた第2の音声データが下位ビットとされて、データ合成が行われる。例えば、受信デジタル音声データがマルチチャネル音声データである場合、データ合成部は、第1の受信処理部で得られた第1の音声データが第1のチャネルの音声データ(例えば、5.1チャネルサラウンド方式の場合、左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データ)とされ、第2の受信処理部で得られた第2の音声データが第2のチャネルの音声データ(例えば、5.1チャネルサラウンド方式の場合、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データ)とされて、データ合成が行われる。
【0020】
この発明においては、上述したように、送信デジタル音声データを第1の音声データおよび第2の音声データに分離し、それぞれを第1の伝送路および第2の伝送路を介して送信する構成とされる。そのため、音声データがマルチチャンネルになったり、音声データの品質が上がったりすることで、送信デジタル音声データのデータ量が増えた場合、その増加分に関しては第2の音声データとして第1の伝送路ではなく第2の伝送路を介して送信することが可能となる。したがって、送信デジタル音声データのデータ量が増大した場合であっても、第1の伝送路を介して送られる他のデータ、例えば画像データの伝送に影響を及ぼすことなく、送信デジタル音声データを良好に送信できる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送する第1の伝送路と、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送する第2の伝送路を利用してデジタル音声データを送信するものにあって、送信デジタル音声データを第1の音声データおよび第2の音声データに分離し、それぞれを第1の伝送路および第2の伝送路を介して送信する構成としたものであり、送信デジタル音声データのデータ量が増大した場合であっても、第1の伝送路を介して送られる他のデータ、例えば画像データの伝送に影響を及ぼすことなく、送信デジタル音声データを良好に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の第1の実施の形態としての音声伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】音声伝送システムを構成する音声再生装置および音声出力装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】音声データの伝送開始時の音声再生装置および音声出力装置の動作の流れを示したシーケンス図である。
【図4】音声再生装置における音声データ送信動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】音声出力装置における音声データ受信動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】この発明の第2の実施の形態としての音声伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図7】ITU(国際電気通信連合)勧告(ITU−R BS.775−1)の配置推奨例を示す図である。
【図8】音声伝送システムを構成する音声再生装置および音声出力装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】音声データの伝送開始時の音声再生装置および音声出力装置の動作の流れを示したシーケンス図である。
【図10】音声再生装置における音声データ送信動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】音声出力装置における音声データ受信動作の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.変形例
【0024】
<1.第1の実施の形態>
[音声伝送システムの全体構成例]
図1は、第1の実施の形態としての音声伝送システム100の全体構成を示している。この音声伝送システム100は、ソース機器としての音声再生装置200と、シンク機器としての音声出力装置300と、伝送路400により構成されている。
【0025】
音声再生装置200は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体からデジタル音声データを再生し、このデジタル音声データを、伝送路400を介して音声出力装置300に送信する。この音声再生装置200は、音声データ送信装置を構成している。
【0026】
不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などがあげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスク、円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)およびBD(Blu-Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0027】
音声出力装置300には、左チャネルスピーカ350Lおよび右チャネルスピーカ350Rが接続されている。音声出力装置300は、音声再生装置200から伝送路400を介して送られてくるデジタル音声データを受信し、このデジタル音声データに基づいて、スピーカ350L,350Rを駆動して音声を出力する。この音声出力装置300は、音声データ受信装置を構成している。
【0028】
伝送路400は、音声再生装置200から音声出力装置300にデジタル音声データを伝送するために利用される。この伝送路400は、無線または有線のいずれであってもよい。この伝送路400には、伝送路400A(第1の伝送路)と、伝送路400B(第2の伝送路)が含まれている。例えば、伝送路400A,400Bが無線伝送路である場合、これらは周波数的、あるいは時間的に分離された状態におかれる。また、例えば、伝送路400A,400Bが有線伝送路である場合、これらは別個のラインで構成される。
【0029】
伝送路400Aは、信頼性の高い伝送路である。すなわち、この伝送路400Aは、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送するための伝送路であり、第1の伝送帯域(データ伝送容量)を有している。
【0030】
第1の伝送帯域は、それ程大きくはない。例えば、現行の一般的なオーディオフォーマットを伝送するのに充分な程度の伝送帯域である。一般的なオーディオフォーマットには、16ビット、48kHz ステレオLPCM信号、SPDIF(Sony Philips Digital InterFace)にマッピングされているような圧縮音声フォーマット信号などがある。また、第1の形態の伝送信号は、例えば、少なくとも、送信データに対して、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理(例えば、QPSK、16QAM等)を行って得られた伝送信号である。
【0031】
伝送路400Bは、伝送路400Aに比べて信頼性の低い伝送路である。すなわち、この伝送路400Bは、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送するための伝送路であり、第2の伝送帯域(データ伝送容量)を有している。
【0032】
第2の伝送帯域は、第1の伝送帯域より大きく、充分に大きな伝送帯域である。また、第2の形態の伝送信号は、上述したように、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていないが、送信データに対してある程度の誤差の範囲に収まった受信データを得ることが期待される伝送信号である。この第2の形態の伝送信号は、例えば、少なくとも、送信データに対して、この送信データをLSBとMSBの関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調(AM、FM等)を行って得られた伝送信号である。
【0033】
図1に示す音声伝送システム100では、上述したように伝送路400A,400Bを有している。そのため、上述の音声再生装置200では、送信デジタル音声データ(ステレオLPCM信号)が、伝送路400Aで伝送すべき第1の音声データおよび伝送路400Bで伝送すべき第2の音声データに分離される。すなわち、音声再生装置200では、LPCM音声データのサンプルデータ毎に、上位16ビットが第1の音声データとして分離され、残りのビットが第2の音声データとして分離される。
【0034】
そのため、送信デジタル音声データが16ビットLPCM音声データである場合には、全ビットが第1の音声データとして分離され、第2の音声データはない。また、送信デジタル音声データがビット拡張された24ビットLPCM音声データの場合は、上位16ビットが第1の音声データとして分離され、残りの8ビット(下位8ビット)が第2の音声データとして分離される。
【0035】
そして、上述の音声再生装置200では、分離された第1の音声データに対して、例えば、少なくとも、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理(例えば、QPSK、16QAM等)が行われて第1の形態の伝送信号が得られる。また、音声再生装置200では、分離された第2の音声データに対して、例えば、少なくとも、この送信データをLSBとMSBの関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調(AM、FM等)が行われて第2の形態の伝送信号が得られる。
【0036】
そして、上述の音声再生装置200では、第1の形態の伝送信号が伝送路400Aを介して音声出力装置300に送信され、第2の形態の伝送信号が伝送路400Bを介して音声出力装置300に送信される。
【0037】
また、上述の音声出力装置300では、伝送路400Aを介して音声再生装置200から第1の形態の伝送信号が受信され、伝送路400Bを介して音声再生装置200から第2の形態の伝送信号が受信される。
【0038】
そして、上述の音声出力装置300では、受信された第1の形態の伝送信号が処理されて第1の音声データが得られ、受信された第2の形態の伝送信号が処理されて第2の音声データが得られる。そして、上述の音声出力装置300では、サンプルデータ毎に、第1の音声データが上位ビットされ、第2の音声データが下位ビットとされて合成され、受信デジタル音声データが得られる。
【0039】
この場合、音声再生装置200における送信デジタル音声データが16ビットLPCM音声データである場合、音声再生装置200から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくることはない。この場合、第1の音声データがそのまま、受信デジタル音声データ(16ビットLPCM音声データ)とされる。
【0040】
また、この場合、音声再生装置200における送信デジタル音声データがビット拡張された24ビットLPCM音声データである場合、音声再生装置200から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくる。この場合、第1の音声データおよび第2の音声データが合成されて、受信デジタル音声データ(24ビットLPCM音声データ)が得られる。
【0041】
なお、音声再生装置200から音声出力装置300に、音声データを送信する前に、送信デジタル音声データのビット幅(N)の情報が供給される。この情報は、送信デジタル音声データが、16ビットLPCM音声データであるか、あるいはビット拡張された24ビットLPCM音声データであるかを判断するための情報である。
【0042】
これにより、音声出力装置300では、送信デジタル音声データが16ビットLPCM音声データであるか24ビットLPCM音声データであるかを認識できる。そのため、音声出力装置300では、第2の音声データを得るための受信処理を行うか、さらには、第1の音声データに第2の音声データを合成する処理を行うかを判断でき、受信デジタル音声データを適切、かつ効率的に得ることが可能となる。
【0043】
[音声再生装置、音声出力装置の構成例]
音声再生装置200および音声出力装置300の具体的な構成例を説明する。図2は、音声再生装置200および音声出力装置300の構成例を示している。
【0044】
最初に、音声再生装置200について説明する。音声再生装置200は、図2に示すように、制御部201と、ユーザ操作部202と、表示部203と、音声再生部204と、LPCMサンプル分離部205と、伝送路A変調部206と、伝送路B変調部207と、通信インタフェース(通信I/F)208を有している。
【0045】
制御部201は、音声再生装置200の各部の動作を制御する。制御部201は、CPU、ROMおよびRAMを備えている。ROMは、CPUの制御プログラム等を記憶している。RAMは、CPUの制御処理に必要なデータの一時記憶等に用いられる。CPUは、ROMから読み出したプログラムやデータをRAM上に展開してプログラムを起動し、音声再生装置200の各部の動作を制御する。
【0046】
ユーザ操作部202および表示部203は、音声再生装置200のユーザインタフェースを構成し、制御部201に接続されている。ユーザ操作部202は、音声再生装置200の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイヤル、あるいはリモコン等で構成される。表示部203は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。
【0047】
音声再生部204は、図示しないが、装着された記録媒体、例えば、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク等から所定のコンテンツのデジタル音声データを再生し、LPCM音声データストリームSTLを送信デジタル音声データとして出力する。この実施の形態において、LPCM音声データストリームSTLは、16ビットLPCM音声データ、あるいはビット拡張された24ビットLPCM音声データである。
【0048】
LPCMサンプル分離部205は、LPCM音声データストリームSTLのサンプルデータ毎に、上位16ビットを第1の音声データとして分離し、残りのビットを第2の音声データとして分離する。ここで、LPCM音声データストリームSTLが16ビットLPCM音声データである場合、全ビットが第1の音声データとして分離され、第2の音声データはない。また、例えば、LPCM音声データストリームSTLがビット拡張された24ビットLPCM音声データの場合、上位16ビットが第1の音声データとして分離され、残りの8ビット(下位8ビット)が第2の音声データとして分離される。このLPCMサンプル分離部205は、データ分離部を構成している。
【0049】
伝送路A変調部206は、LPCMサンプル分離部205で得られた第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)を処理して、第1の形態の伝送信号STaを生成する。この場合、伝送路A変調部206は、例えば、第1の音声データに対して、少なくとも、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理を行って、第1の形態の伝送信号STaを得る。この第1の形態の伝送信号STaは、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された伝送信号である。この伝送路A変調部206は、第1の送信処理部を構成している。
【0050】
伝送路B変調部207は、LPCMサンプル分離部205で得られた第2の音声データ(LPCM下位ビットストリームSTL-L)を処理して、第2の形態の伝送信号STbを生成する。この場合、伝送路B変調部207は、例えば、第2の音声データに対して、少なくとも、この第2の音声データをLSBとMSBの関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調(AM、FM等)を行って、第2の形態の伝送信号STbを得る。この伝送路B変調部207は、第2の送信処理部を構成している。
【0051】
この第2の形態の伝送信号STbは、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない伝送信号である。
【0052】
例えば、第2の形態の伝送信号STbが、8ビットデータをAM変調で伝送する際には、0b00000000はアンプ値“0”、0b11111111はアンプ値“1”、0b10000000はアンプ値“0.5”と、送信側ではエンコードされる。ところが、このAM信号は、伝送路400Bにおいてノイズなどの影響を受けるので、受信側ではデコード時に、下位の情報が損なわれるおそれがあり、アンプ値“0.25〜0.75”となったりする場合がある。
【0053】
通信インタフェース208は、伝送路A変調部206で得られた第1の形態の伝送信号STaを、伝送路400Aを介して、音声出力装置300に送信する。また、通信インタフェース208は、伝送路B変調部207で得られた第2の形態の伝送信号STbを、伝送路400Bを介して、音声出力装置300に送信する。この通信インタフェース208は、データ送信部を構成している。
【0054】
通信インタフェース208は、音声出力装置300に伝送信号STa,STbを送信する前に、制御部201の制御の下、伝送路400を介して、LPCM音声データストリームSTL(送信デジタル音声データ)のビット幅(N)情報を供給する。この意味で、通信インタフェース208は、データ情報供給部を構成している。
【0055】
次に、音声出力装置300について説明する。音声出力装置300は、図2に示すように、制御部301と、ユーザ操作部302と、表示部303と、通信インタフェース(通信I/F)304と、伝送路A復調部305と、伝送路B復調部306と、LPCMサンプル合成部307を有している。また、音声出力装置300は、図2に示すように、音声処理部308と、音声出力端子309を有している。
【0056】
制御部301は、音声出力装置300の各部の動作を制御する。制御部301は、CPU、ROMおよびRAMを備えている。ROMは、CPUの制御プログラム等を記憶している。RAMは、CPUの制御処理に必要なデータの一時記憶等に用いられる。CPUは、ROMから読み出したプログラムやデータをRAM上に展開してプログラムを起動し、音声出力装置300の各部の動作を制御する。
【0057】
ユーザ操作部302および表示部303は、音声出力装置300のユーザインタフェースを構成し、制御部301に接続されている。ユーザ操作部302は、音声出力装置300の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイヤル、あるいはリモコン等で構成される。表示部303は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。
【0058】
通信インタフェース304は、伝送路400Aを介して、音声再生装置200から第1の形態の伝送信号STaを受信する。また、通信インタフェース304は、伝送路400Bを介して、音声再生装置200から第2の形態の伝送信号STbを受信する。この通信インタフェース304は、データ受信部を構成している。
【0059】
また、通信インタフェース304は、音声再生装置200から伝送信号STa,STbを受信する前に、伝送路400を介して、音声再生装置200におけるLPCM音声データストリームSTL(送信デジタル音声データ)のビット幅(N)情報を取得する。この意味で、通信インタフェース304は、データ情報取得部を構成している。
【0060】
通信インタフェース304は、このビット幅(N)情報を、制御部301に供給する。制御部301は、この情報に基づいて、送信デジタル音声データ、従って受信デジタル音声データが16ビットLPCM音声データであるか24ビットLPCM音声データであるかを認識し、各部の動作制御を的確に行う。
【0061】
伝送路A復調部305は、通信インタフェース304で受信された第1の形態の伝送信号STaを処理して、第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)を得る。ここで、伝送路A復調部305は、上述の音声再生装置200の伝送路A変調部206の処理とは逆の過程の処理(デジタル復調処理、誤り訂正処理など)を行う。この第1の形態の伝送信号STaは、上述したように、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されている伝送信号である。そのため、伝送路A復調部305で得られる第1の音声データは、上述の音声再生装置200の伝送路A変調部206に入力される第1の音声データと同一のデータとなる。この伝送路A復調部305は、第1の受信処理部を構成している。
【0062】
伝送路B復調部306は、通信インタフェース304で受信された第2の形態の伝送信号STbを処理して、第2の音声データ(LPCM下位ビットストリームSTL-L′)を得る。ここで、伝送路B復調部306は、上述の音声再生装置200の伝送路B変調部207の処理とは逆の処理(アナログ復調処理、量子化処理など)を行う。この第2の形態の伝送信号STbは、上述したように、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない伝送信号である。そのため、伝送路B復調部306で得られる第2の音声データは、上述の音声再生装置200の伝送路B変調部207に入力される第2の音声データに対してある程度の誤差の範囲に収まったデータとなる。この伝送路B復調部306は、第2の受信処理部を構成している。
【0063】
LPCMサンプル合成部307は、サンプルデータ毎に、伝送路A復調部305からの第1の音声データを上位ビットとし、伝送路B復調部306からの第2の音声データを下位ビットとして合成し、音声データ(LPCM音声データストリームSTL′)を得る。このLPCMサンプル合成部307は、データ合成部を構成している。
【0064】
ここで、音声再生装置200における送信デジタル音声データが16ビットLPCM音声データである場合、音声再生装置200から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくることはない。この場合、第1の音声データがそのまま、受信デジタル音声データ(16ビットLPCM音声データ)とされる。また、音声再生装置200における送信デジタル音声データがビット拡張された24ビットLPCM音声データである場合、音声再生装置200から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくる。この場合、第1の音声データ(上位16ビット)および第2の音声データ(下位8ビット)が合成されて、受信デジタル音声データ(24ビットLPCM音声データ)が得られる。
【0065】
音声処理部308は、LPCMサンプル合成部307で得られた受信デジタル音声データに対して、増幅、D/A変換等の必要な処理を行う。そして、音声処理部308は、処理後の左右チャネルの音声信号を出力端子309に出力し、この出力端子309に接続されている各チャネルのスピーカを駆動する。
【0066】
[音声伝送システムの動作例]
図2に示す音声伝送システム100の動作を説明する。音声再生装置200から音声出力装置300への音声データの伝送開始前に、音声再生装置200から音声出力装置300に送信デジタル音声データのビット幅(N)の情報が通知され、音声出力装置300ではその情報の認識が行われる。
【0067】
図3は、音声データの伝送開始時の動作の流れを示したシーケンス図である。(a)音声再生装置200は、送信デジタル音声データのビット幅(N)の情報を音声出力装置300に供給して、当該情報の通知を行う。(b)音声出力装置300は、音声再生装置200から送信デジタル音声データのビット幅(N)の情報を取得して、当該情報の認識を行う。その後、(c)音声再生装置200は、音声データを音声出力装置300に送信する。(d)音声出力装置300は、音声再生装置200から送られてくる音声データを受信する。
【0068】
まず、音声再生装置200の音声再生部204から出力される送信デジタル音声データ(LPCM音声データストリームSTL)が16ビットLPCM音声データである場合について説明する。この場合、LPCMサンプル分離部205では、サンプルデータ毎に、送信デジタル音声データの全ビットが第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)として分離され、第2の音声データは出力されない。
【0069】
この場合、LPCMサンプル分離部205から第2の音声データが出力されないので、伝送路B変調部207で第2の形態の伝送信号STbを得る処理、および通信インタフェース208から第2の形態の伝送信号STbを送信する処理などは行われない。
【0070】
LPCMサンプル分離部205で分離された第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)は伝送路A変調部206に供給される。この伝送路A変調部206では、第1の音声データが処理されて、第1の形態の伝送信号STaが生成される。そして、この第1の形態の伝送信号STaは、通信インタフェース208により、伝送路400Aを介して、音声出力装置300に送信される。
【0071】
音声出力装置300の通信インタフェース304では、音声再生装置200から伝送路400Aを介して送られてくる第1の形態の伝送信号STaが受信される。なお、伝送開始前に音声再生装置200から通知されたビット幅(N)の情報により、音声出力装置300では、送信デジタル音声データが16ビットLPCM音声データで、第2の形態の伝送信号STbの非送信が予め認識されている。そのため、通信インタフェース304で第2の形態の伝送信号STbを受信する処理、伝送路B復調部306で第2の音声データ(LPCM下位ビットストリームSTL-L′)を得る処理、LPCMサンプル合成部307でデータを合成する処理などは行われない。
【0072】
通信インタフェース304で受信された第1の形態の伝送信号STaは、伝送路A復調部305に供給される。この伝送路A復調部305では、第1の形態の伝送信号STaが処理されて、第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)が得られる。そして、この第1の音声データは、LPCMサンプル合成部307から、そのまま、受信デジタル音声データSTL′(16ビットLPCM音声データ)として出力される。
【0073】
この受信デジタル音声データSTL′は音声処理部308に供給される。この音声処理部308では、受信デジタル音声データSTL′に対して、増幅、D/A変換等の必要な処理が行われ、処理後の左右チャネルの音声信号が音声出力端子309に出力される。これにより、音声出力端子309に接続された左右チャネルのスピーカ350L,350R(図2には図示せず、図1参照)からは、音声データ(16ビットLPCM音声データ)による再生音声が得られる。
【0074】
次に、音声再生装置200の音声再生部204から出力される送信デジタル音声データ(LPCM音声データストリームSTL)がビット拡張された24ビットLPCM音声データである場合について説明する。LPCMサンプル分離部205では、サンプルデータ毎に、上位16ビットが第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)として分離され、下位8ビットが第2の音声データ(LPCM下位ビットストリームSTL-L)として分離される。
【0075】
LPCMサンプル分離部205で分離された第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)は伝送路A変調部206に供給される。この伝送路A変調部206では、第1の音声データが処理されて、第1の形態の伝送信号STaが生成される。そして、この第1の形態の伝送信号STaは、通信インタフェース208により、伝送路400Aを介して、音声出力装置300に送信される。
【0076】
また、LPCMサンプル分離部205で分離された第2の音声データ(LPCM下位ビットストリームSTL-L)は伝送路B変調部207に供給される。この伝送路B変調部207では、第2の音声データが処理されて、第2の形態の伝送信号STbが生成される。そして、この第2の形態の伝送信号STbは、通信インタフェース208により、伝送路400Bを介して、音声出力装置300に送信される。
【0077】
音声出力装置300の通信インタフェース304では、音声再生装置200から伝送路400Aを介して第1の形態の伝送信号STaが受信されると共に、音声再生装置200から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号STbが受信される。
【0078】
通信インタフェース304で受信された第1の形態の伝送信号STaは、伝送路A復調部305に供給される。この伝送路A復調部305では、第1の形態の伝送信号STaが処理されて、第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)が得られる。また、通信インタフェース304で受信された第2の形態の伝送信号STbは、伝送路B復調部306に供給される。この伝送路B復調部306では、第2の形態の伝送信号STbが処理されて、第2の音声データ(LPCM下位ビットストリームSTL-L′)が得られる。
【0079】
伝送路A復調部305で得られた第1の音声データおよび伝送路B復調部306で得られた第2の音声データは、LPCMサンプル合成部307に供給される。このLPCMサンプル合成部307では、サンプルデータ毎に、第1の音声データが上位ビットとされ、第2の音声データが下位ビットとされて合成され、受信デジタル音声データSTL′(24ビットLPCM音声データ)が得られる。
【0080】
この受信デジタル音声データSTL′は音声処理部308に供給される。この音声処理部308では、受信デジタル音声データSTL′に対して、増幅、D/A変換等の必要な処理が行われ、処理後の左右チャネルの音声信号が音声出力端子309に出力される。これにより、音声出力端子309に接続された左右チャネルのスピーカ350L,350R(図2には図示せず、図1参照)からは、音声再生装置200からの音声データ(24ビットLPCM音声データ)による高品質の再生音声が得られる。
【0081】
図4のフローチャートは、上述した音声再生装置200における音声データ送信動作の処理手順を示している。なお、図4のフローチャートは、1つのサンプルデータの処理に着目したものであり、各サンプルデータに対して同様の処理が繰り返し行われる。
【0082】
まず、音声再生装置200は、ステップST1において、処理を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。このステップST2において、送信デジタル音声データのビット幅(N)が16であるか24であるかを判断する。
【0083】
N=16であるとき、音声再生装置200は、ステップST3の処理に移る。このステップST3において、音声再生装置200は、LPCMサンプル分離部205により送信デジタル音声データSTLの全ビットを第1の音声データとして分離し、伝送路A変調部206により第1の形態の伝送信号STaを形成する。そして、音声再生装置200は、ステップST4において、通信インタフェース208により、ステップST3で得られた第1の形態の伝送信号STaを、伝送路400Aを介して、音声出力装置300に送信し、その後、ステップST5において、処理を終了する。
【0084】
また、ステップST2でN=24であるとき、音声再生装置200は、ステップST6の処理に移る。このステップST6において、音声再生装置200は、LPCMサンプル分離部205により、送信デジタル音声データSTLの上位16ビットを第1の音声データとして分離し、下位8ビットを第2の音声データとして分離する。
【0085】
そして、音声再生装置200は、ステップST7において、伝送路A変調部206により、ステップST6で分離された第1の音声データを処理して、第1の形態の伝送信号STaを得る。また、音声再生装置200は、ステップST8において、伝送路B変調部207により、ステップST6で分離された第2の音声データを処理して、第2の形態の伝送信号STbを得る。
【0086】
そして、音声再生装置200は、ステップST4において、通信インタフェース208により、ステップST7で得られた第1の形態の伝送信号STaを、伝送路400Aを介して音声出力装置300に送信する。また、音声再生装置200は、ステップST4において、通信インタフェース208により、ステップST8で得られた第2の形態の伝送信号STbを、伝送路400Bを介して音声出力装置300に送信する。その後、音声再生装置200は、ステップST5において、処理を終了する。
【0087】
図5のフローチャートは、上述した音声出力装置300における音声データ受信動作の処理手順を示している。なお、図5のフローチャートは、1つのサンプルデータの処理に着目したものであり、各サンプルデータに対して同様の処理が繰り返し行われる。
【0088】
まず、音声出力装置300は、ステップST11において、処理を開始し、その後に、ステップST12の処理に移る。このステップST12において、音声出力装置300は、通信インタフェース304により、音声再生装置200から伝送路400を介して送られてくる伝送信号を受信する。
【0089】
この場合、通信インタフェース304は、送信デジタル音声データSTLのビット幅(N)が16であるときは、伝送路400Aを介して送られてくる第1の形態の伝送信号STaのみを受信する。また、通信インタフェース304は、送信デジタル音声データSTLのビット幅(N)が24であるときは、伝送路400Aを介して送られてくる第1の形態の伝送信号STaおよび伝送路400Bを介して送られてくる第2の形態の伝送信号STbを受信する。
【0090】
次に、音声出力装置300は、ステップST13において、送信デジタル音声データSTLのビット幅(N)が16であるか24であるかを判断する。N=16であるとき、音声出力装置300は、ステップST14の処理に移る。このステップST14において、音声出力装置300は、伝送路A復調部305により、ステップST12で受信された第1の形態の伝送信号STaを処理して、第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)を得る。
【0091】
また、音声出力装置300は、このステップST14において、LPCMサンプル合成部307から当該第1の音声データを、そのまま、受信デジタル音声データSTL′(16ビットLPCM音声データ)として出力する。その後、音声出力装置300は、ステップST15において、処理を終了する。
【0092】
また、ステップST13でN=24であるとき、音声出力装置300は、ステップST16の処理に移る。このステップST16において、音声出力装置300は、伝送路A復調部305により、ステップST12で受信された第1の形態の伝送信号STaを処理して、第1の音声データ(LPCM上位ビットストリームSTL-U)を得る。そして、音声出力装置300は、ステップST17において、伝送路B復調部306により、ステップST12で受信された第2の形態の伝送信号STbを処理して、第2の音声データ(LPCM下位ビットストリームSTL-L′)を得る。
【0093】
次に、音声出力装置300は、ステップST18において、LPCMサンプル合成部307により、サンプルデータ毎に、ステップST16で得られた第1の音声データとステップST17で得られた第2の音声データとを合成する。この場合、LPCMサンプル合成部307は、第1の音声データを上位ビットとし、第2の音声データを下位ビットとして合成し、受信デジタル音声データSTL′(24ビットLPCM音声データ)を得る。その後、音声出力装置300は、ステップST15において、処理を終了する。
【0094】
以上説明したように、図1に示す音声伝送システム100において、音声再生装置200の音声データ送信動作は、送信デジタル音声データSTLが16ビットLPCM音声データであるか、ビット拡張された24ビットLPCM音声データであるかによって異なる。すなわち、送信デジタル音声データSTLが16ビットLPCM音声データである場合には、この音声データの全ビットが第1の音声データとして分離され、第1の形態の伝送信号STaとされて、伝送路400Aを介して、音声出力装置300に送信される。
【0095】
これに対して、送信デジタル音声データSTLがビット拡張された24ビットLPCM音声データである場合には、この音声データの上位16ビットが第1の音声データとして分離され、残りの下位8ビットが第2の音声データとして分離される。そして、第1の音声データは、第1の形態の伝送信号STaとされて、伝送路400Aを介して、音声出力装置300に送信される。また、第2の音声データは、第2の形態の伝送信号STbとされて、伝送路400Bを介して、音声出力装置300に送信される。
【0096】
このように、送信デジタル音声データSTLがビット拡張された24ビットLPCM音声データでデータ量が多い場合であっても、ビット拡張に伴って増加したデータは、伝送路400Bを介して音声出力装置300に送信される。そのため、伝送路400Aを介して送られる他のデータ、例えば画像データの伝送に影響を及ぼすことなく、送信デジタル音声データを良好に送信できる。
【0097】
<2.第2の実施の形態>
[音声伝送システムの全体構成例]
図6は、第2の実施の形態としての音声伝送システム500の全体構成を示している。この音声伝送システム500は、ソース機器としての音声再生装置600と、シンク機器としての音声出力装置700と、伝送路400により構成されている。
【0098】
音声再生装置600は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体からデジタル音声データを再生し、このデジタル音声データを、伝送路400を介して音声出力装置700に送信する。この音声再生装置600は、音声データ送信装置を構成している。
【0099】
不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などがあげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスク、円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)およびBD(Blu-Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0100】
音声出力装置700には、左(フロント)、センター、右(フロント)、左(リア)、右(リア)、LFE(Low Frequency Effect)の各チャネルのスピーカ750LF,750C,750RF,750LS,750RS,750SWが接続されている。この音声出力装置700および各スピーカにより、5.1チャネルサラウンドシステムが構成されている。音声出力装置700は、音声再生装置600から伝送路400を介して送られてくるデジタル音声データを受信し、このデジタル音声データに基づいて、各スピーカを駆動して音声を出力する。この音声出力装置700は、音声データ受信装置を構成している。
【0101】
図7は、各スピーカの配置例を示している。図7の配置例は、ITU(国際電気通信連合)勧告(ITU−R BS.775−1)の配置推奨例である。この配置推奨例においては、スピーカ750LF,750C,750RF,750LS,750RSは、リスニングポイントから等距離、同一平面上(同じ高さ)に配置される。また、この配置推奨例においては、スピーカ750LFとスピーカ750RFの見開き角度は、リスニングポイントから見て60°とされる。また、この配置推奨例においては、スピーカ750LS,750RSは、リスニングポイントからスピーカ750Cを基準に見て各々100°〜120°の見開き角度に設置される。
【0102】
伝送路400は、音声再生装置600から音声出力装置700にデジタル音声データを伝送するために利用される。この伝送路400は、無線または有線のいずれであってもよい。詳細説明は省略するが、この伝送路400は、図1に示す音声伝送システム100における伝送路400と同様の伝送路であり、伝送路400A(第1の伝送路)および伝送路400B(第2の伝送路)からなっている。
【0103】
図6に示す音声伝送システム500では、上述したように伝送路400A,400Bを有している。そのため、上述の音声再生装置600では、送信デジタル音声データ(マルチチャネル音声信号)が、伝送路400Aで伝送すべき第1の音声データおよび伝送路400Bで伝送すべき第2の音声データに分離される。すなわち、音声再生装置600では、メインの音を担当する左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データは第1の音声データとして分離され、残りの各チャネルの音声データは第2の音声データとして分離される。
【0104】
そのため、送信デジタル音声データに左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データが含まれる場合には、当該各チャネルの音声データは第1の音声データとして分離され、第2の音声データはない。また、送信デジタル音声データに左(フロント)、センター、右(フロント)と共に、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データが含まれる場合、以下のようになる。すなわち、左(フロント)、センター、右(フロント)の音声データは第1の音声データとして分離され、残りの左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データは第2の音声データとして分離される。
【0105】
そして、上述の音声再生装置600では、分離された第1の音声データに対して、例えば、少なくとも、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理(例えば、QPSK、16QAM等)が行われて第1の形態の伝送信号が得られる。また、音声再生装置600では、分離された第2の音声データに対して、例えば、少なくとも、この送信データをLSBとMSBの関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調(AM、FM等)が行われて第2の形態の伝送信号が得られる。
【0106】
そして、上述の音声再生装置600では、第1の形態の伝送信号が伝送路400Aを介して音声出力装置700に送信され、第2の形態の伝送信号が伝送路400Bを介して音声出力装置700に送信される。
【0107】
また、上述の音声出力装置700では、伝送路400Aを介して音声再生装置600から第1の形態の伝送信号が受信され、伝送路400Bを介して音声再生装置600から第2の形態の伝送信号が受信される。
【0108】
そして、上述の音声出力装置700では、受信された第1の形態の伝送信号が処理されて第1の音声データが得られ、受信された第2の形態の伝送信号が処理されて第2の音声データが得られる。音声出力装置700では、第1の音声データが左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データとされ、第2の音声データが左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データとされて合成され、受信デジタル音声データが得られる。
【0109】
この場合、音声再生装置600における送信デジタル音声データに左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データだけが含まれる場合、音声再生装置600から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくることはない。この場合、第1の音声データがそのまま、受信デジタル音声データ(左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データ)とされる。
【0110】
また、この場合、音声再生装置600における送信デジタル音声データに左(フロント)、センター、右(フロント)と共に、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データが含まれる場合、伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくる。この場合、第1の音声データおよび第2の音声データが合成されて、受信デジタル音声データ(左(フロント)、センター、右(フロント)と共に、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データ)が得られる。
【0111】
なお、音声再生装置600から音声出力装置700に、音声データを送信する前に、送信デジタル音声データのチャネル情報が供給される。この情報は、送信デジタル音声データが、左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データだけを含むのか、さらに左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データも含むのかを判断するための情報である。
【0112】
これにより、音声出力装置700では、送信デジタル音声データが、左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データだけを含むのか、さらに左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データも含むのかを認識できる。そのため、音声出力装置700では、第2の音声データを得るための受信処理を行うか、さらには、第1の音声データに第2の音声データを合成する処理を行うかを判断でき、受信デジタル音声データを適切、かつ効率的に得ることが可能となる。
【0113】
[音声再生装置、音声出力装置の構成例]
音声再生装置600および音声出力装置700の具体的な構成例を説明する。図8は、音声再生装置600および音声出力装置700の構成例を示している。この図8において、図2と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
【0114】
最初に、音声再生装置600について説明する。音声再生装置600は、図8に示すように、制御部201と、ユーザ操作部202と、表示部203と、音声再生部204Aと、チャネル分離部205Aと、伝送路A変調部206と、伝送路B変調部207と、通信インタフェース208を有している。この音声再生装置600は、図2に示す音声再生装置200の音声再生部204、LPCMサンプル分離部205が、音声再生部204A、チャネル分離部205Aに置き換えられた構成となっている。
【0115】
音声再生部204Aは、図示しないが、装着された記録媒体、例えば、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク等から所定のコンテンツのデジタル音声データを再生し、マルチチャネル音声ストリームSTMを送信デジタル音声データとして出力する。この実施の形態において。マルチチャネル音声ストリームSTMは、左(フロント)、センター、右(フロント)
の各チャネルの音声データだけを含む場合と、さらに左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データを含む場合がある。
【0116】
チャネル分離部205Aは、マルチチャネル音声ストリームSTMに含まれる左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データを第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)として分離する。また、チャネル分離部205Aは、マルチチャネル音声ストリームSTMに含まれる左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データを第2の音声データ(音声ストリームSTM-b)として分離する。
【0117】
ここで、マルチチャネル音声ストリームSTMが左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データだけを含む場合、当該各チャネルの音声データは第1の音声データとして分離され、第2の音声データはない。しかし、マルチチャネル音声ストリームSTMが、さらに左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データを含む場合、当該各チャネルの音声データは第2の音声データとして分離される。このチャネル分離部205Aは、データ分離部を構成している。
【0118】
伝送路A変調部206は、チャネル分離部205Aで得られた第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)を処理して、第1の形態の伝送信号STaを生成する。この場合、伝送路A変調部206は、例えば、第1の音声データに対して、少なくとも、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理を行って、第1の形態の伝送信号STaを得る。
【0119】
伝送路B変調部207は、チャネル分離部205Aで得られた第2の音声データ(音声ストリームSTM-b)を処理して、第2の形態の伝送信号STbを生成する。この場合、伝送路B変調部207は、例えば、第2の音声データに対して、少なくとも、この第2の音声データをLSBとMSBの関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調(AM、FM等)を行って、第2の形態の伝送信号STbを得る。
【0120】
なお、通信インタフェース208は、音声出力装置700に伝送信号STa,STbを送信する前に、伝送路400を介して、音声再生部204Aから出力されるマルチチャネル音声ストリームSTM(送信デジタル音声データ)のチャネル情報を供給する。通信インタフェース208は、この動作を、制御部201の制御の下で行う。
【0121】
音声再生装置600のその他は、図2に示す音声再生装置200と同様に構成される。
【0122】
次に、音声出力装置700について説明する。音声出力装置700は、図8に示すように、制御部301と、ユーザ操作部302と、表示部303と、通信インタフェース304と、伝送路A復調部305と、伝送路B復調部306と、チャネル合成部307Aを有している。また、音声出力装置700は、図8に示すように、音声処理部308と、音声出力端子309を有している。この音声出力装置700は、図2に示す音声出力装置300のLPCMサンプル合成部307が、チャネル合成部307Aに置き換えられた構成となっている。
【0123】
通信インタフェース304は、音声再生装置600から伝送信号STa,STbを受信する前に、伝送路400を介して、音声再生装置600におけるマルチチャネル音声ストリームSTM(送信デジタル音声データ)のチャネル情報を取得する。
【0124】
通信インタフェース304は、このチャネル情報を、制御部301に供給する。制御部301は、この情報に基づいて、送信デジタル音声データ、従って受信デジタル音声データが、左(フロント)、センター、右(フロント)のチャネルの他に、左(リア)、右(リア)、LFEのチャネルを含むか否かを認識し、各部の動作制御を的確に行う。
【0125】
伝送路A復調部305は、通信インタフェース304で受信された第1の形態の伝送信号STaを処理して、第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)を得る。また、伝送路B復調部306は、通信インタフェース304で受信された第2の形態の伝送信号STbを処理して、第2の音声データ(音声ストリームSTM-b′)を得る。
【0126】
チャネル合成部307Aは、伝送路A復調部305で得られた第1の音声データをフロント、センターの各チャネルの音声データとし、伝送路B復調部306で得られた第2の音声データをリア、LFEの各チャネルの音声データとして合成する。そして、チャネル合成部307Aは、受信デジタル音声データSTM′を得る。
【0127】
ここで、音声再生装置600における送信デジタル音声データに左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データだけが含まれる場合、音声再生装置600から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくることはない。この場合、第1の音声データがそのまま、受信デジタル音声データSTM′(左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データ)とされる。
【0128】
また、送信デジタル音声データに左(フロント)、センター、右(フロント)と共に、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データが含まれる場合、音声再生装置600から伝送路400Bを介して第2の形態の伝送信号が送られてくる。この場合、第1の音声データおよび第2の音声データが合成されて、受信デジタル音声データSTM′(左(フロント)、センター、右(フロント)と共に、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データ)が得られる。音声出力装置700のその他は、図2に示す音声出力装置300と同様に構成される。
【0129】
[音声伝送システムの動作例]
図6に示す音声伝送システム500の動作を説明する。音声再生装置600から音声出力装置700への音声データの伝送開始前に、音声再生装置600から音声出力装置700にチャネル情報が通知され、音声出力装置700ではその情報の認識が行われる。
【0130】
図9は、音声データの伝送開始時の動作の流れを示したシーケンス図である。(a)音声再生装置600は、送信デジタル音声データのチャネル情報を音声出力装置700に供給して、当該情報の通知を行う。(b)音声出力装置700は、音声再生装置600から送信デジタル音声データのチャネル情報を取得して、当該情報の認識を行う。つまり、音声出力装置700は、送信デジタル音声データ、従って受信デジタル音声データが、左(フロント)、センター、右(フロント)のチャネルの他に、左(リア)、右(リア)、LFEのチャネルを含むか否かを認識する。その後、(c)音声再生装置600は、音声データを音声出力装置700に送信する。(d)音声出力装置700は、音声再生装置600から送られてくる音声データを受信する。
【0131】
まず、音声再生装置600の音声再生部204Aから出力される送信デジタル音声データ(マルチチャネル音声ストリームSTM)が、左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データだけを含む場合について説明する。この場合、チャネル分離部205Aでは、左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データが第1の音声データとして分離され、第2の音声データは出力されない。
【0132】
この場合、チャネル分離部205Aから第2の音声データが出力されないので、伝送路B変調部207で第2の形態の伝送信号STbを得る処理、および通信インタフェース208から第2の形態の伝送信号STbを送信する処理などは行われない。
【0133】
チャネル分離部205Aで分離された第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)は伝送路A変調部206に供給される。この伝送路A変調部206では、第1の音声データが処理されて、第1の形態の伝送信号STaが生成される。そして、この第1の形態の伝送信号STaは、通信インタフェース208により、伝送路400Aを介して、音声出力装置700に送信される。
【0134】
音声出力装置700の通信インタフェース304では、音声再生装置600から伝送路400Aを介して送られてくる第1の形態の伝送信号STaが受信される。なお、音声出力装置700では、音声再生装置600からのチャネル情報により、送信デジタル音声データが左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データだけを含み、第2の形態の伝送信号STbの非送信が予め認識されている。そのため、通信インタフェース304で第2の形態の伝送信号STbを受信する処理、伝送路B復調部306で第2の音声データ(音声ストリームSTM-b′)を得る処理、チャネル合成部307Aでデータを合成する処理などは行われない。
【0135】
通信インタフェース304で受信された第1の形態の伝送信号STaは、伝送路A復調部305に供給される。この伝送路A復調部305では、第1の形態の伝送信号STaが処理されて、第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)が得られる。そして、この第1の音声データは、チャネル合成部307Aから、そのまま、受信デジタル音声データSTM′(左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データ)として出力される。
【0136】
この受信デジタル音声データSTM′は音声処理部308に供給される。この音声処理部308では、受信デジタル音声データSTM′に対して、増幅、D/A変換等の必要な処理が行われ、処理後の各チャネルの音声信号が音声出力端子309に出力される。これにより、音声出力端子309に接続された各チャネルのスピーカ750LF,750C,750RF(図8には図示せず、図6参照)からは、音声データ(左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データ)による再生音声が得られる。
【0137】
次に、音声再生部204Aから出力される送信デジタル音声データ(マルチチャネル音声ストリームSTM)が左(フロント)、センター、右(フロント)と共に、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データを含む場合について説明する。この場合、チャネル分離部205Aでは、左(フロント)、センター、右(フロント)の各チャネルの音声データが第1の音声データとして分離される。また、このチャネル分離部205Aでは、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データが第2の音声データ(音声ストリームSTM-b)として分離される。
【0138】
チャネル分離部205Aで分離された第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)は伝送路A変調部206に供給される。この伝送路A変調部206では、第1の音声データが処理されて、第1の形態の伝送信号STaが生成される。そして、この第1の形態の伝送信号STaは、通信インタフェース208により、伝送路400Aを介して、音声出力装置700に送信される。
【0139】
また、チャネル分離部205Aで分離された第2の音声データ(音声ストリームSTM-b)は伝送路B変調部207に供給される。この伝送路B変調部207では、第2の音声データが処理されて、第2の形態の伝送信号STbが生成される。そして、この第2の形態の伝送信号STbは、通信インタフェース208により、伝送路400Bを介して、音声出力装置700に送信される。
【0140】
音声出力装置700の通信インタフェース304では、音声再生装置600から伝送路400Aを介して送られてくる第1の形態の伝送信号STaが受信される。また、この通信インタフェース304では、音声再生装置600から伝送路400Bを介して送られてくる第2の形態の伝送信号STaが受信される。
【0141】
通信インタフェース304で受信された第1の形態の伝送信号STaは、伝送路A復調部305に供給される。この伝送路A復調部305では、第1の形態の伝送信号STaが処理されて、第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)が得られる。また、通信インタフェース304で受信された第2の形態の伝送信号STbは、伝送路B復調部306に供給される。この伝送路B復調部306では、第2の形態の伝送信号STbが処理されて、第2の音声データ(音声ストリームSTM-b′)が得られる。
【0142】
伝送路A復調部305で得られた第1の音声データおよび伝送路B復調部306で得られた第2の音声データは、チャネル合成部307Aに供給される。このチャネル合成部307Aでは、第1の音声データおよび第2の音声データが合成されて、受信デジタル音声データSTM′(左(フロント)、センター、右(フロント)と共に、左(リア)、右(リア)、LFEの各チャネルの音声データ)が得られる。
【0143】
この受信デジタル音声データSTM′は音声処理部308に供給される。この音声処理部308では、受信デジタル音声データSTM′に対して、増幅、D/A変換等の必要な処理が行われ、処理後の各チャネルの音声信号が音声出力端子309に出力される。これにより、音声出力端子309に接続された各チャネルのスピーカ750LF,750C,750RF,750LS,750RS,750SW(図8には図示せず、図6参照)から、5.1チャネルサラウンド方式の再生音声が得られる。
【0144】
図10のフローチャートは、上述した音声再生装置600における音声データ送信動作の処理手順を示している。なお、図10のフローチャートは、各チャネルの1つのサンプルデータの処理に着目したものであり、各サンプルデータに対して同様の処理が繰り返し行われる。
【0145】
まず、音声再生装置600は、ステップST21において、処理を開始し、その後に、ステップST22の処理に移る。このステップST22において、送信デジタル音声データSTMが、フロント、センターのチャネルの他に、リア、LFEのチャネルを含むか否かを判断する。
【0146】
左(リア)、右(リア)、LFEのチャネルを含まないとき、音声再生装置600は、ステップST23の処理に移る。このステップST23において、音声再生装置600は、チャネル分離部205Aにより、音声データSTMからフロント、センターの各チャネルの音声データを第1の音声データとして分離し、伝送路A変調部206により第1の形態の伝送信号STaを生成する。
【0147】
そして、音声再生装置600は、ステップST24において、通信インタフェース208により、ステップST23で得られた第1の形態の伝送信号STaを、伝送路400Aを介して音声出力装置700に送信する。その後、音声再生装置600は、ステップST25において、処理を終了する。
【0148】
また、ステップST22で左(リア)、右(リア)、LFEのチャネルを含むとき、音声再生装置600は、ステップST26の処理に移る。このステップST26において、音声再生装置600は、チャネル分離部205Aにより、音声データSTMから、フロント、センターの各チャネルの音声データを第1の音声データとして分離する。また、このステップST26において、音声再生装置600は、チャネル分離部205Aにより、音声データSTMから、リア、LFEの各チャネルの音声データを第2の音声データとして分離する。
【0149】
そして、音声再生装置600は、ステップST27において、伝送路A変調部206により、ステップST26で分離された第1の音声データを処理して、第1の形態の伝送信号STaを得る。また、音声再生装置600は、ステップST28において、伝送路B変調部207により、ステップST26で分離された第2の音声データを処理して、第2の形態の伝送信号STbを得る。
【0150】
そして、音声再生装置600は、ステップST24において、通信インタフェース208により、ステップST27で得られた第1の形態の伝送信号STaを、伝送路400Aを介して音声出力装置700に送信する。また、音声再生装置600は、ステップST24において、通信インタフェース208により、ステップST28で得られた第2の形態の伝送信号STbを、伝送路400Bを介して音声出力装置700に送信する。その後、音声再生装置600は、ステップST25において、処理を終了する。
【0151】
図11のフローチャートは、上述した音声出力装置700における音声データ受信動作の処理手順を示している。なお、図11のフローチャートは、各チャネルの1つのサンプルデータの処理に着目したものであり、各サンプルデータに対して同様の処理が繰り返し行われる。
【0152】
まず、音声出力装置700は、ステップST31において、処理を開始し、その後に、ステップST32の処理に移る。このステップST32において、音声出力装置700は、通信インタフェース304により、音声再生装置600から伝送路400を介して送られてくる伝送信号を受信する。
【0153】
この場合、通信インタフェース304は、送信デジタル音声データSTMがフロント、センターのチャネルだけを含むとき、伝送路400Aを介して送られてくる第1の形態の伝送信号STaのみを受信する。またこの場合、通信インタフェース304は、リア、LFEのチャネルをさらに含むとき、伝送路400Aを介して送られてくる第1の形態の伝送信号STaを受信し、さらに伝送路400Bを介して送られてくる第2の形態の伝送信号STbを受信する。
【0154】
次に、音声出力装置700は、ステップST33において、送信デジタル音声データSTMが、フロント、センターのチャネルの他に、リア、LFEのチャネルを含むか否かを判断する。フロント、センターのチャネルだけを含むとき、音声出力装置700は、ステップST34の処理に移る。このステップST34において、音声出力装置700は、伝送路A復調部305により、ステップST32で受信された第1の形態の伝送信号STaを処理して、第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)を得る。
【0155】
また、音声出力装置700は、このステップST34において、チャネル合成部307Aから当該第1の音声データを、そのまま、受信デジタル音声データSTM′(フロント、センターチャネルの音声データ)として出力する。その後、音声出力装置700は、ステップST35において、処理を終了する。
【0156】
また、ステップST33でフロント、センターのチャネルの他に、リア、LFEチャネルを含むとき、音声出力装置700は、ステップST36の処理に移る。このステップST36において、音声出力装置700は、伝送路A復調部305により、ステップST32で受信された第1の形態の伝送信号STaを処理して、第1の音声データ(音声ストリームSTM-a)を得る。そして、音声出力装置700は、ステップST37において、伝送路B復調部306により、ステップST32で受信された第2の形態の伝送信号STbを処理して、第2の音声データ(音声ストリームSTM-b′)を得る。
【0157】
次に、音声出力装置700は、ステップST38において、ステップST36で得られた第1の音声データとステップST37で得られた第2の音声データとを合成する。この場合、音声出力装置700は、受信デジタル音声データSTM′(フロント、センター、リア、LFEの各チャネルの音声データ)を得る。その後、音声出力装置700は、ステップST35において、処理を終了する。
【0158】
以上説明したように、図6に示す音声伝送システム500において、音声再生装置600の音声データ送信動作は、送信デジタル音声データSTMが、フロント、センターのチャネルだけを含むか、さらにリア、LFEのチャネルを含むかによって異なる。すなわち、送信デジタル音声データSTMがフロント、センターのチャネルだけを含む場合には、このフロント、センターの各チャネルの音声データが第1の音声データとして分離される。そして、この第1の音声データが第1の形態の伝送信号STaとされて、伝送路400Aを介して、音声出力装置700に送信される。
【0159】
これに対して、送信デジタル音声データSTMがさらにリア、LFEのチャネルを含む場合には、フロント、センターの各チャネルの音声データは第1の音声データとして分離され、リア、LFEの各チャネルの音声データは第2の音声データとして分離される。そして、第1の音声データは、第1の形態の伝送信号STaとされて、伝送路400Aを介して、音声出力装置700に送信される。また、第2の音声データは、第2の形態の伝送信号STbとされて、伝送路400Bを介して、音声出力装置700に送信される。
【0160】
このように、送信デジタル音声データSTMがフロント、センターのチャネルの他に、リア、LFEのチャネルを含みデータ量が多い場合、リア、LFEの各チャネルの音声データは、伝送路400Bを介して音声出力装置700に送信される。そのため、伝送路400Aを介して送られる他のデータ、例えば画像データの伝送に影響を及ぼすことなく、5.1チャネルサラウンド方式の送信デジタル音声データSTMを良好に送信できる。
【0161】
<3.変形例>
なお、上述第1の実施の形態においては、LPCM音声データをビット幅によって、分離する例を示したが、その分割ビット幅や分離方法などは、当該実施の形態に限定されるものでないことは勿論である。また、上述していないが、サンプリング周波数の増加によるデータ増加に対しても、伝送路400B(第2の伝送路)を使って、伝送路400A(第1の伝送路)のデータ量を適宜間引くことで、同様の効果を実現することも可能である。
【0162】
また、上述第1の実施の形態においては、マルチチャンネル音声データに関し、5.1chをフロント3チャンネルとそれ以外に分離する例を示したが、チャンネル数やその分離方法などは、当該実施の形態に限定されるものでないことは勿論である。
【0163】
また、上述していないが、伝送路400Aにて圧縮データを送り、伝送路400Bで差分データを送ることにより、音声出力部にてロスレスの復号を実現することも可能であるし、コア部分を伝送路400Aで、付加部分を伝送路400Bで伝送することにより、より高品質な圧縮音声フォーマットの伝送を伝送路400Aでのデータ伝送量を増加せずに実現することも可能である。
【0164】
また、上述実施の形態においては、音声再生装置200,600から音声出力装置300,700に送信される送信デジタル音声データが、LPCM音声データストリームSTLである例と、マルチチャネル音声ストリームSTMである例を示した。しかし、この発明において、送信デジタル音声データは、これらに限定されるものでないことは勿論である。
【0165】
また、上述実施の形態においては、音声データ送信装置として音声再生装置200,600の例を示し、音声データ受信装置として音声出力装置300,700の例を示した。しかし、音声データ送信装置は音声再生装置に限定されるものではなく、例えば、セットトップボックス、テレビ受信機等の放送受信機、インターネット等のネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ等であってもよい。また、音声データ受信装置は音声出力装置に限定されるものではなく、例えば、ディスクレコーダ等の音声記録機等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0166】
この発明は、音声データのデータ量が増大した場合であっても、他のデータ、例えば画像データの伝送に影響を及ぼすことなく、当該音声データを良好に送信できるものであり、無線あるいは有線による音声伝送システム等に適用できる。
【符号の説明】
【0167】
100・・・音声伝送システム、200・・・音声再生装置、201・・・制御部、202・・・ユーザ操作部、203・・・表示部、204,204A・・・音声再生部、205・・・LPCMサンプル分離部、205A・・・チャネル分離部、206・・・伝送路A変調部、207・・・伝送路B変調部、208・・・通信インタフェース、300・・・音声出力装置、301・・・制御部、302・・・ユーザ操作部、303・・・表示部、304・・・通信インタフェース、305・・・伝送路A復調部、306・・・伝送路B復調部、307・・・LPCMサンプル合成部、307A・・・チャネル合成部、308・・・音声処理部、309・・・音声出力端子、350L,350R・・・スピーカ、400A・・・伝送路(第1の伝送路)、400B・・・伝送路(第2の伝送路)、500・・・音声伝送システム、600・・・音声再生装置、700・・・音声出力装置、750LF,750RF,750C,750LS,750RS,750SW・・・スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送する第1の伝送路と、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送する第2の伝送路を利用してデジタル音声データを送信する音声データ送信装置であって、
送信デジタル音声データを、上記第1の伝送路で伝送すべき第1の音声データと、上記第2の伝送路で伝送すべき第2の音声データに分離するデータ分離部と、
上記データ分離部で分離された上記第1の音声データを処理して上記第1の形態の伝送信号を得る第1の送信処理部と、
上記データ分離部で分離された上記第2の音声データを処理して上記第2の形態の伝送信号を得る第2の送信処理部と、
上記第1の送信処理部で得られた上記第1の形態の伝送信号を上記第1の伝送路を介して送信し、上記第2の送信処理部で得られた上記第2の形態の伝送信号を上記第2の伝送路を介して送信するデータ送信部
を備える音声データ送信装置。
【請求項2】
上記第1のデータ処理部は、少なくとも、上記第1の音声データに対して、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理を行って上記第1の形態の伝送信号を得、
上記第2のデータ処理部は、少なくとも、上記第2の音声データに対して、該第2の音声データをLSBとMSBの関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調を行って上記第2の形態の伝送信号を得る
請求項1に記載の音声データ送信装置。
【請求項3】
上記送信デジタル音声データはLPCM音声データであり、
上記データ分離部は、上記LPCM音声データのサンプルデータ毎に、上位所定ビットを上記第1の音声データとして分離し、残りのビットを上記第2の音声データとして分離する
請求項1に記載の音声データ送信装置。
【請求項4】
上記送信デジタル音声データはマルチチャネル音声データであり、
上記データ分離部は、所定チャネルの音声データを上記第1の音声データとして分離し、残りのチャネルの音声データを上記第2の音声データとして分離する
請求項1に記載の音声データ送信装置。
【請求項5】
上記送信デジタル音声データが、上記第1の音声データの他に、上記第2の音声データを含むか否かを判断するためのデータ情報を受信側に供給するデータ情報供給部をさらに備える
請求項1に記載の音声データ送信装置。
【請求項6】
受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送する第1の伝送路と、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送する第2の伝送路を利用してデジタル音声データを送信する音声データ送信方法であって、
送信デジタル音声データを、上記第1の伝送路で伝送すべき第1の音声データと、上記第2の伝送路で伝送すべき第2の音声データに分離するデータ分離ステップと、
上記データ分離ステップで分離された上記第1の音声データを処理して上記第1の形態の伝送信号を得る第1の送信処理ステップと、
上記データ分離ステップで分離された上記第2の音声データを処理して上記第2の形態の伝送信号を得る第2の送信処理ステップと、
上記第1の送信処理ステップで得られた上記第1の形態の伝送信号を上記第1の伝送路を介して送信し、上記第2の送信処理ステップで得られた上記第2の形態の伝送信号を上記第2の伝送路を介して送信するデータ送信ステップ
を備える音声データ送信方法。
【請求項7】
受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送する第1の伝送路と、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送する第2の伝送路を利用してデジタル音声データを受信する音声データ受信装置であって、
上記第1の伝送路を介して上記第1の形態の伝送信号を受信し、上記第2の伝送路を介して上記第2の形態の伝送信号を受信するデータ受信部と、
上記データ受信部で受信された上記第1の形態の伝送信号を処理して第1の音声データを得る第1の受信処理部と、
上記データ受信部で受信された上記第2の形態の伝送信号を処理して第2の音声データを得る第2の受信処理部と、
上記第1の受信処理部で得られた上記第1の音声データと、上記第2の受信処理部で得られた上記第2の音声データを合成して受信デジタル音声データを得るデータ合成部
を備える音声データ受信装置。
【請求項8】
上記データ受信部で受信された上記第1の形態の伝送信号は、少なくとも、音声データに対して、誤り訂正用のデータを付加する処理およびデジタル変調処理を行って得られた伝送信号であり、
上記データ受信部で受信された上記第2の形態の伝送信号は、少なくとも、音声データに対して、該音声データをLSBとMSBの関係を保ったストレートバイナリとして扱い、擬似的にアナログ変調を行って得られた伝送信号である
請求項7に記載の音声データ受信装置。
【請求項9】
上記受信デジタル音声データはLPCM音声データであり、
上記データ合成部は、サンプルデータ毎に、上記第1の受信処理部で得られた上記第1の音声データを上位ビットとし、上記第2の受信処理部で得られた上記第2の音声データを下位ビットとして合成する
請求項7に記載の音声データ受信装置。
【請求項10】
上記受信デジタル音声データはマルチチャネル音声データであり、
上記データ合成部は、上記第1の受信処理部で得られた上記第1の音声データを第1のチャネルの音声データとし、上記第2の受信処理部で得られた上記第2の音声データを第2のチャネルの音声データとして合成する
請求項7に記載の音声データ受信装置。
【請求項11】
上記受信デジタル音声データが、上記第1の音声データの他に、上記第2の音声データを含むか否かを判別するデータ情報を送信側から取得するデータ情報取得部をさらに備える
請求項7に記載の音声データ受信装置。
【請求項12】
受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証された第1の形態の伝送信号を伝送する第1の伝送路と、受信データとして送信データと同一のデータを得ることが保証されていない第2の形態の伝送信号を伝送する第2の伝送路を利用してデジタル音声データを受信する音声データ受信方法であって、
上記第1の伝送路を介して上記第1の形態の伝送信号を受信し、上記第2の伝送路を介して上記第2の形態の伝送信号を受信するデータ受信ステップと、
上記データ受信ステップで受信された上記第1の形態の伝送信号を処理して第1の音声データを得る第1の受信処理ステップと、
上記データ受信ステップで受信された上記第2の形態の伝送信号を処理して第2の音声データを得る第2の受信処理ステップと、
上記第1の受信処理ステップで得られた上記第1の音声データと、上記第2の受信処理ステップで得られた上記第2の音声データを合成して受信デジタル音声データを得るデータ合成ステップ
を備える音声データ受信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−171768(P2010−171768A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12749(P2009−12749)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】