説明

音声伝送装置

【課題】従来のヘッダ圧縮は、通信開始時や伝送エラー発生時、圧縮前のパケットヘッダサイズより大きなサイズになる。一方同一伝送帯域の複数チャネル音声パケット伝送には、各チャネルの必要伝送帯域に最悪ピークレートの考慮の要あり、従来のヘッダ圧縮方法を使用しても回線利用効率が高まらず、ヘッダ圧縮技術非適用より回線利用効率が悪くなる。
【解決手段】ヘッダ分離手段で入力パケットをヘッダとペイロードに分離し、ヘッダ圧縮手段で分離ヘッダを圧縮し、ペイロード出力判定手段が、装置の動作状態を監視しペイロードを出力するか否かの判定指示信号を出し、ヘッダ分離手段からのペイロードを入力したペイロード制御手段が、ペイロード出力判定手段の指示でペイロードを出力、非出力し、パケット組立手段が圧縮ヘッダとペイロード制御手段の出力を組み立てた圧縮パケットをパケット送出手段に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声データをIP(Internet Protocol)パケット化し、インターネットなどの環境で通信する所謂VoIP(Voice over Internet Protocol)の音声伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声データをIPパケット化し、インターネットなどの環境で通信する所謂VoIP技術がある。使用するアクセス回線が無線回線などの場合、伝送帯域が限られており、パケット当たりの音声データ量に比べてオーバーヘッドが大きいヘッダを圧縮して効率良く伝送する例えば非特許文献1に開示されたヘッダ圧縮技術が利用されている。
【0003】
【非特許文献1】IETF RFC3095 ROHC(The Internet Engineering Task Force Request for Comments 3095 Robust Header Compression)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IETFのRFC3095などの標準のヘッダ圧縮技術では、複数パケットを連続処理し圧縮が進めば40バイトの標準のIP/UDP(User Datagram Protocol)/RTP(Real-time Transport Protocol)パケットヘッダを数バイトに圧縮できるが、通信の開始時や伝送エラーが発生した場合などは圧縮の初期状態となり、圧縮前の標準のパケットヘッダのサイズよりも大きなサイズのヘッダ情報を送出する事となる。
一方、限られている伝送帯域に複数チャネルの音声パケットを伝送しようとした場合、各チャネルの必要伝送帯域としては最悪のピークレートを考慮しておく必要があるため、従来のヘッダ圧縮方法を使用しても回線利用効率が高まらない、若しくは、ヘッダ圧縮技術を適用したほうがヘッダ圧縮技術を適用しない場合よりも回線利用効率が悪くなると言う課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、最悪のピークレートを低減し、回線利用効率の改善を図る事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る音声伝送装置は、
パケット入力手段が入力したパケットをヘッダとペイロードに分離するヘッダ分離手段、
ヘッダ分離手段で分離されたヘッダを圧縮するヘッダ圧縮手段、
装置の動作状態を監視し、ペイロードを出力するか否かを判定し指示信号を出力するペイロード出力判定手段、
ヘッダ分離手段からのペイロードを入力し、ペイロード出力判定手段からの指示信号に基き、ペイロードを出力するか否かを制御するペイロード制御手段、
ヘッダ圧縮手段から入力した圧縮ヘッダとペイロード制御手段から入力したペイロードをパケットに組み立てて圧縮パケットを生成し、その圧縮パケットをパケット送出手段に出力するパケット組立手段を備える。
【0007】
また、この発明に係る音声伝送装置は、
パケット入力手段が入力した圧縮パケットを圧縮ヘッダとペイロードに分離するヘッダ分離手段、
ヘッダ分離手段で分離された圧縮ヘッダを復元するヘッダ復元手段、
ヘッダ分離手段から分離されたペイロードを入力し、ペイロードのサイズがゼロの場合にはパケットの破棄するよう指示信号を出力し、ペイロードのサイズがゼロ以外の場合にはそのペイロードを出力するペイロード制御手段、
ヘッダ復元手段から復元ヘッダと、ペイロード制御手段からの出力を入力し、ペイロード制御手段からペイロードを入力した時は復元ヘッダとペイロードをパケットに組み立ててパケット送出手段に出力し、ペイロード制御手段からパケット破棄信号を入力した時はパケットを破棄するパケット組立手段を備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明の音声伝送装置によれば、送信側においてペイロード出力判定手段が、音声伝送装置の動作状態を監視して、ヘッダ圧縮技術を適用したほうがヘッダ圧縮技術を適用しない場合よりも回線利用効率が悪くなる状態の時は、ペイロード制御手段がパケット組立手段にペイロードを送らず、ペイロードを含まない圧縮ヘッダのみのパケットを送出する事で、伝送のピークレートを抑える事ができ、回線利用効率の改善を図る事ができる。
【0009】
また、受信側においては、ペイロード制御手段がペイロードのサイズがゼロの場合、即ちパケットのみの受信時にはパケットを破棄するよう指示信号を出力し、ペイロードのサイズがゼロ以外の場合にはそのペイロードを出力するので、パケット組立手段はヘッダ復元手段から復元ヘッダと、ペイロード制御手段からのペイロードでパケットに組み立ててパケット送出手段に出力し、パケット破棄信号を入力した時はパケットを破棄する。
パケットを破棄する回線利用効率が悪くなる状態の時は、音声を伝える事はできないが、このような状況が発生するのは、回線上にエラーが生じた場合や通話開始の段階であり、音声を伝える事ができなくても支障の無い時であるため問題は無く、回線利用効率が悪くなることを避けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の音声伝送装置が適用されるネットワーク機器構成の一実施の形態を示す図である。図1において、1A及び1Bはこの発明の音声伝送装置、2Aおよび2BはIP電話装置、3は有線LANによるIPネットワーク、4は無線回線である。
音声伝送装置1Aは、無線回線4を介して音声伝送装置1Bと接続し、IP電話装置2Aは、音声伝送装置1A及び1B、無線回線4及びIPネットワーク3を介してIP電話装置2Bと接続して音声IP通信を行う。IP電話装置2Aから送出された音声IPパケットは、音声伝送装置1Aにてより効率的なヘッダ圧縮が行われ、無線回線4を経由して音声伝送装置1Bに届き、圧縮されたヘッダが復元されて標準的な音声IPパケットとなる。その後、IPネットワーク3を経由してIP電話装置2Bに届く。
【0011】
また、IP電話装置2Bから送出された音声IPパケットは、IPネットワーク3を経由して音声伝送装置1Bに届き、音声伝送装置1Bにてより効率的なヘッダ圧縮が行われ、無線回線4を経由して音声伝送装置1Aに届く。音声伝送装置1Aにて圧縮されたヘッダが復元されて標準的な音声IPパケットとなり、IP電話装置2Aに届く。
【0012】
図2はこの発明の音声伝送装置の送信側装置の一実施の形態を示す図であり、図1における音声伝送装置1Aまたは音声伝送装置1Bに送信側装置として備えられる。
図2において、11はIP電話装置2A側からまたはIPネットワーク3側からの音声IPパケットを入力するパケット入力部、12はパケット入力部11から入力した音声IPパケットをヘッダと音声データのペイロードに分離してヘッダはヘッダ圧縮部13にペイロードはペイロード制御部16に出力するヘッダ分離部、13は入力された標準のIP/UDP/RTPヘッダにヘッダ圧縮を行い、その圧縮ヘッダをパケット組立部14に出力すると共に、圧縮ヘッダサイズの情報をペイロード出力判定手段としてのヘッダサイズ監視部20に出力するヘッダ圧縮部、14はヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダとペイロード制御部16からのペイロードとを組み合わせて圧縮ヘッダパケットを組み立てるパケット組立部、15はパケット組立部からの圧縮ヘッダパケットを無線回線4に出力するパケット送出部、16はヘッダサイズ監視部からの指示に基づいてヘッダ分離部12からのペイロードをパケット組立部14に送出するか、ペイロード無しの情報を送出するかを制御するペイロード制御部、20はヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダサイズ情報に基づきペイロード制御部16にペイロードを送出するか、ペイロード無しの情報を送出するかを指示するペイロード出力判定手段としてのヘッダサイズ監視部である。
【0013】
図3はこの発明の音声伝送装置の受信側装置の一実施の形態を示す図であり、図1における音声伝送装置1Aまたは音声伝送装置1Bに備えられる。
図3において、41は無線回線4からの圧縮ヘッダパケットを入力するパケット入力部、42はパケット入力部から入力した圧縮ヘッダパケットをヘッダとペイロードに分離してヘッダはヘッダ復元部43にペイロードはペイロード制御部46に出力するヘッダ分離部、43はヘッダ分離部42から入力した圧縮ヘッダを標準のIP/UDP/RTPヘッダに復元してパケット組立部44に出力するヘッダ復元部、44はヘッダ復元部43からのヘッダとペイロード制御部46からのペイロードを組み合わせて標準の音声IPパケットを組み立てるパケット組立部、45はパケット組立部44からの標準の音声IPパケットをIP電話装置2AまたはIPネットワーク3に出力するパケット送出部、46はヘッダ分離部42からのペイロードをパケット組立部44に出力するか、ペイロード無しの情報を出力するかを制御するペイロード制御部である。
【0014】
次に、まず送信側の動作について説明する。図2において、パケット入力部11を介してIP電話装置2AまたはIPネットワーク3から入力したIP/UDP/RTPの標準の音声IPパケットは、ヘッダ分離部12にてIP/UDP/RTPのヘッダと音声データのペイロードに分離されて、ヘッダはヘッダ圧縮部13に、ペイロードはペイロード制御部16に出力される。ヘッダを入力したヘッダ圧縮部13ではヘッダ圧縮処理を行い、その処理結果である圧縮したヘッダをパケット組立部14に出力すると共に、その圧縮ヘッダのサイズ情報をヘッダサイズ監視部20に出力する。ヘッダサイズ監視部20ではヘッダ圧縮部13から通知された圧縮ヘッダサイズを監視し、圧縮ヘッダサイズが閾値よりも大きい場合にはペイロード制御部16にペイロード無しの情報を出力する指示を出し、閾値よりも圧縮ヘッダサイズが小さい場合にはヘッダ分離部12から入力したペイロードをそのまま出力するようにペイロード制御部16に指示を出す。ペイロード制御部16は、ヘッダサイズ監視部20からの指示に基づき、ヘッダ分離部12から入力したペイロードを、或いは、ペイロード無しの情報を、パケット組立部14に出力する。
【0015】
パケット組立部14では、ペイロード制御部16からペイロードを入力した場合にはヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダとペイロード制御部16からのペイロードとを組み合わせて圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力し、ペイロード制御部16からペイロード無しの情報を入力した場合にはヘッダ圧縮部13から圧縮ヘッダだけで圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力する。パケット組立部14からの圧縮ヘッダパケットを入力したパケット送出部15は、その圧縮ヘッダパケットを無線回線4に出力する。
【0016】
次いで受信側の動作について述べる。図3において、パケット入力部41を介して無線回線4から入力した圧縮ヘッダパケットは、ヘッダ分離部42にてヘッダとペイロードに分離され、ヘッダはヘッダ復元部43に、ペイロードはペイロード制御部46に入力される。ヘッダ分離部42において、入力されたパケットの圧縮ヘッダを先頭バイトより読み解く事で圧縮ヘッダのサイズがわかり、その結果、入力したパケットのサイズと圧縮ヘッダのサイズが等しい場合にはヘッダのみのパケットと判断してヘッダ分離部42からペイロード制御部46にはペイロードの代わりにペイロード無しの情報を出力する。
【0017】
ヘッダ復元部43に入力された圧縮ヘッダは標準のIP/UDP/RTPヘッダに復元されてパケット組立部44に出力される。ペイロード制御部46に入力されたペイロードはペイロードとしてデータが存在する場合にはそのままパケット組立部44に出力され、ペイロードの代わりにペイロード無しの情報が入力された場合にはパケット組立部44にパケット破棄の指示を出力する。パケット組立部44では、ペイロードがある場合にはペイロード制御部46からのペイロードとヘッダ復元部43からの標準ヘッダとを組み合わせて標準パケットを組み立て、ペイロード制御部46からパケット破棄の指示を受け取った場合にはパケットの組み立ては行わずにヘッダ復元部43から入力したヘッダを破棄する。パケット組立部44で組み立てられたIP/UDP/RTPの標準の音声IPパケットは、パケット送出部45を介してIP電話装置2AまたはIPネットワーク3に向かって出力される。
【0018】
以上のように、圧縮ヘッダサイズが大きい場合にはペイロードを含まない圧縮ヘッダのみのパケットを送出する事で、伝送のピークレートを抑える事ができ、回線利用効率の改善を図る事ができる。圧縮ヘッダのみを送出し、ペイロードを送出していない場合には、音声を伝える事はできないが、このような状況が発生するのは、回線上にエラーが生じた場合や通話開始の段階であり、音声を伝える事ができなくても支障の無い時であるため問題は無い。
【0019】
実施の形態2.
図4はこの発明の音声伝送装置の受信装置の一実施の形態を示す図であり、図1における音声伝送装置1Aまたは音声伝送装置1Bに受信装置として備えられる。図4において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。48は標準のIP/UDP/RTPのペイロードとしての無音データを生成する無音データ生成部、47はヘッダ分離部42からのペイロードを出力するか、ペイロード無しの情報を出力するかを制御すると共に、次の処理手段であるセレクタ部49の動作制御信号を出力するペイロード制御部、49はペイロード制御部47からの指示に基づきペイロード制御部47からの入力または無音データ生成部48からの入力のいずれかを選択してパケット組立部44に出力するセレクタ部である。
なお、ペイロード制御部47が出力するセレクタ部49に対する動作制御信号は、ペイロード無しが所定数以上連続する場合は、セレクタ部49に無音データ生成部48からの入力をパケット組立部44に出力するよう指示を出し、所定数以下であればセレクタ部49にペイロード制御部47からの入力をパケット組立部44に出力するよう指示を出す。
【0020】
次に動作について説明する。送信時は実施の形態1と同様に、図2において、送信側装置からは圧縮ヘッダサイズが閾値よりも大きい場合にはペイロードを含まない圧縮ヘッダのみのパケットを、圧縮ヘッダサイズが閾値よりも小さい場合には圧縮ヘッダとペイロードで構成された圧縮ヘッダパケット送出する。
【0021】
次に受信時の動作について説明する。図4において、パケット入力部41を介して無線回線4から入力した圧縮ヘッダパケットは、ヘッダ分離部42にてヘッダとペイロードに分離され、ヘッダはヘッダ復元部43に、ペイロードはペイロード制御部47に入力される。ヘッダ分離部42において、入力されたパケットの圧縮ヘッダを先頭バイトより読み解く事で圧縮ヘッダのサイズがわかり、その結果、入力したパケットのサイズと圧縮ヘッダのサイズが等しい場合にはヘッダのみのパケットと判断してヘッダ分離部42からペイロード制御部46にはペイロードの代わりにペイロード無しの情報を出力する。
【0022】
ヘッダ復元部43に入力された圧縮ヘッダは標準のIP/UDP/RTPヘッダに復元されてパケット組立部44に出力される。ペイロード制御部47に入力されたペイロードはペイロードとしてデータが存在する場合にはそのままセレクタ部49に出力され、ペイロードの代わりにペイロード無しの情報が入力された場合にはセレクタ部49にパケット破棄の指示を出力する。また、ペイロード制御部47ではパケット破棄指示が所定の数よりも多く連続した場合には無音データ生成部48からの入力を選択するように、それ以外の場合にはペイロード制御部47からの入力を選択するようにセレクタ部49に指示を出す。無音データ生成部48では無音の音声データにて構成したペイロードをセレクタ49に出力する。
【0023】
セレクタ部49では、ペイロード制御部47からの指示に基づいて、ペイロード制御部47からの入力、または、無音データ生成部48からの入力のどちらかを選択してパケット組立部44に出力する。パケット組立部44では、ペイロードがある場合にはセレクタ部49からのペイロードとヘッダ復元部43からの標準ヘッダとを組み合わせて標準パケットを組み立て、ペイロード制御部47からパケット破棄の指示をセレクタ49経由にて受け取った場合にはパケットの組み立ては行わずにヘッダ圧縮部43から入力したヘッダを破棄する。パケット組立部44で組み立てられたIP/UDP/RTPの標準の音声IPパケットは、パケット送出部45を介してIP電話装置2AまたはIPネットワーク3に向かって出力される。
【0024】
以上のように、圧縮ヘッダサイズが大きい場合にはペイロードを含まない圧縮ヘッダのみのパケットを送出する事で、伝送のピークレートを抑える事ができ、回線利用効率の改善を図る事ができる。また、圧縮ヘッダサイズが大きくてヘッダ圧縮を実施する区間でペイロードを伝送しない場合に、標準パケットに復元してもペイロードが無いため、圧縮ヘッダの復元処理を行って圧縮ヘッダ復元処理の状態としては正常を維持するが、標準パケットの送出は行わず破棄する。このパケット破棄が連続する場合でも無音データをペイロードに入れたパケットを送出するため、連続するパケット破棄に起因する受信端末やネットワークでの異常処理を未然に防ぐ事ができる。尚、圧縮ヘッダのみを送出し、ペイロードを送出していない場合には、音声を伝える事はできないが、このような状況が発生するのは、回線上にエラーが生じた場合や通話開始の段階であり、音声を伝える事ができなくても支障の無い時であるため問題は無い。
【0025】
実施の形態3.
図5はこの発明の音声伝送装置の一実施形態を示す図であり、図1における音声伝送装置1Aまたは音声伝送装置1Bの送信装置の一実施形態を示す図である。図5において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。図5において、21はヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダサイズ情報に基づき、閾値Aと圧縮ヘッダサイズを比較してペイロード制御部16にペイロードを送出するかペイロード無しの情報を送出するかを指示するペイロード出力判定手段としてのヘッダサイズ監視部である。更に、ヘッダサイズ監視部21は、ヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダサイズ情報に基づき、閾値Aより大きな閾値Bと圧縮ヘッダサイズを比較してセレクタ部23にヘッダ分割部22からの入力またはパケット組立部14からの入力のどちらかを選択してパケット送出部15に出力するようセレクタ部23に指示を出す。22は閾値Bを単位としてヘッダ圧縮部13から入力した圧縮ヘッダを分割するヘッダ分割部、23はヘッダサイズ監視部21からの指示に基づき、ヘッダ分割部22からの入力またはパケット組立部14からの入力のどちらかを選択してパケット送出部15に出力するセレクタ部である。
【0026】
次に動作について説明する。図5において、パケット入力部11を介してIP電話装置2AまたはIPネットワーク3から入力したIP/UDP/RTPの標準の音声IPパケットは、ヘッダ分離部12にてIP/UDP/RTPのヘッダと音声データのペイロードに分離されて、ヘッダはヘッダ圧縮部13に、ペイロードはペイロード制御部16に出力される。ヘッダを入力したヘッダ圧縮部13ではヘッダ圧縮処理を行い、その処理結果としての圧縮したヘッダをパケット組立部14に出力すると共に、その圧縮ヘッダのサイズ情報をヘッダサイズ監視部21に出力する。
【0027】
ヘッダサイズ監視部21ではヘッダ圧縮部13から通知された圧縮ヘッダサイズを監視し、閾値Aよりも圧縮ヘッダサイズが大きい場合にはペイロード制御部16にペイロード無しの情報を出力する指示を出し、閾値Aよりも圧縮ヘッダサイズが小さい場合にはヘッダ分離部12から入力したペイロードをそのまま出力するようにペイロード制御部16に指示を出す。更に、閾値Aより大きな閾値Bよりも圧縮ヘッダサイズが大きい場合にはセレクタ部23にヘッダ分割部22からの入力を選択してパケット送出部15に出力するように指示を出し、閾値Bよりも圧縮ヘッダサイズが小さい場合にはパケット組立部14からの入力を選択してパケット送出部15に出力するようにセレクタ部23に指示を出す。
【0028】
また、圧縮ヘッダサイズが閾値Bよりも大きい場合には、次パケットの処理タイミングにて分割した残りの圧縮ヘッダを送出する事となり、ヘッダサイズ監視部21は閾値Bを単位として圧縮ヘッダを分割した場合に幾つの分割ヘッダとなるかを認識し、その個数分だけセレクタ23にヘッダ分割部22からの入力を選択し出力するよう指示を出すと共に、ペイロード制御部16に対してもペイロード無しの情報を出力するよう指示を出す。ペイロード制御部16は、ヘッダサイズ監視部21からの指示に基づき、ヘッダ分離部12から入力したペイロードを、或いは、ペイロード無しの情報を、パケット組立部14に出力する。
【0029】
パケット組立部14では、ペイロード制御部16からペイロードを入力した場合にはヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダとペイロード制御部16からのペイロードとを組み合わせて圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力し、ペイロード制御部16からペイロード無しの情報を入力した場合にはヘッダ圧縮部13から圧縮ヘッダだけで圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力する。ヘッダ分割部22では、入力した圧縮ヘッダを閾値Bを単位として分割し、1つのパケット処理のタイミングにて1つの分割ヘッダを出力する。更に、ヘッダ分割部22では分割した分割ヘッダが全て出力できていない場合にはヘッダ圧縮部13からの新たな圧縮ヘッダの入力は行わない。セレクタ部23を介して圧縮ヘッダパケットを入力したパケット送出部15は、その圧縮ヘッダパケットを無線回線4に出力する。
【0030】
以上の圧縮ヘッダパケットを受信した場合の動作について述べる。
図3または図4において、ヘッダ復元部43の動作として分割されたヘッダを結合して元の圧縮ヘッダに戻す機能を加えることで、実施の形態1または実施の形態2と同様な受信側装置を実現できる。具体的には、ペイロード付きの圧縮ヘッダパケットを受信した場合には圧縮ヘッダを復元して標準のIP/UDP/RTPの音声IPパケットとして送出し、圧縮ヘッダのみのパケットを受信した場合には圧縮ヘッダの復元処理を行って圧縮ヘッダ復元処理の状態としては正常を維持するが、無音データをペイロードとした標準のIP/UDP/RTPの音声IPパケットを送出するか或いはパケットの送出を行わない。
【0031】
図6に、標準のIP/UDP/RTPパケットのフォーマットと、ヘッダを圧縮した場合の最小/最大のパケットフォーマットの一例を示す。図6より、8kbit/sの符号化速度を持つ音声符号化方式を用い、20ms周期で1パケットとした場合、標準のIPパケットで60バイト、最小の圧縮パケットで22バイト、最大の圧縮パケットで80バイトのパケットサイズを持つ事がわかる。
【0032】
図7には、閾値Aを10バイト、閾値Bを30バイトとした場合のこの発明の圧縮パケットの概要を示す。図7においても図6と同様に、ペイロードである音声データは8kbit/sの符号化速度を持つ音声符号化方式を用いて、20ms周期で1パケットとした場合を想定しており、ペイロードのデータサイズは20バイトである。閾値Aを超えた場合のパケットの図ではペイロードが点線で描かれ、サイズも括弧書きされており、これはペイロードが付与されていないことを表している。図7より、閾値A以下の圧縮ヘッダを持つ場合でも、閾値Aを超え閾値B以下の圧縮ヘッダを持つ場合でも、また、閾値Bを超える圧縮ヘッダを持つ場合でも、最大のパケットサイズは30バイトである事がわかる。
【0033】
以上のように、圧縮ヘッダサイズが大きい場合にはペイロードを含まない圧縮ヘッダのみのパケット、或いは、圧縮ヘッダのみのパケットを分割して送出する事で、更に伝送のピークレートを抑える事ができ、回線利用効率の改善を図る事ができる。また、圧縮ヘッダサイズが大きくてヘッダ圧縮を実施する区間でペイロードを伝送しない場合に、標準パケットに復元してもペイロードが無いためパケットを破棄するが、このパケット破棄が連続する場合でも無音データをペイロードに入れたパケットを送出するため、連続するパケット破棄に起因する受信端末やネットワークでの異常処理を未然に防ぐ事ができる。尚、圧縮ヘッダのみを送出し、ペイロードを送出していない場合には、音声を伝える事はできないが、このような状況が発生するのは、回線上にエラーが生じた場合や通話開始の段階であり、音声を伝える事ができなくても支障の無い時であるため問題は無い。
【0034】
また、図8に示したように、可変符号化速度コーデックを適用し、ヘッダとペイロードを合わせて例えば30バイト以下になるように、符号化音声データをペイロードに挿入して伝送する事で、受信側装置から出力される標準の音声IPパケットが破棄されるまたは無音データの標準音声IPパケットとして出力される事が少なくなり、通信の音声品質の劣化を極力少なくする事ができる。
【0035】
実施の形態4.
図9はこの発明の音声伝送装置の送信側装置の一実施の形態を示す図であり、図1における音声伝送装置1Aまたは音声伝送装置1Bに送信側装置として備えられる。図9において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。30は呼の状態を監視し、通信開始時か否かを判断してペイロード制御部16にペイロードを送出するかペイロード無しの情報を送出するかを指示するペイロード出力判定手段としての呼状態監視部である。
【0036】
次に送信時の動作について説明する。図9において、パケット入力部11を介してIP電話装置2AまたはIPネットワーク3から入力したIP/UDP/RTPの標準の音声IPパケットは、ヘッダ分離部12にてIP/UDP/RTPのヘッダと音声データのペイロードに分離されて、ヘッダはヘッダ圧縮部13に、ペイロードはペイロード制御部16に出力される。ヘッダを入力したヘッダ圧縮部13ではヘッダ圧縮処理を行い、その結果としての圧縮したヘッダをパケット組立部14に出力する。呼状態監視部30では呼が通信開始時か否かを監視し、通信開始時であればペイロード制御部16にペイロード無しの情報を出力する指示を出し、通信開始時以外であればヘッダ分離部12から入力したペイロードをそのまま出力するようにペイロード制御部16に指示を出す。ここで通信開始時とは、着信側が受話器をオフフックして音声IPパケットの送受信が始まってから、ヘッダ圧縮処理が進み、圧縮ヘッダサイズが例えば40バイト以下になるまでの時間である。
【0037】
ペイロード制御部16は、呼状態監視部30からの指示に基づき、ヘッダ分離部12から入力したペイロードを、或いは、ペイロード無しの情報を、パケット組立部14に出力する。パケット組立部14では、ペイロード制御部16からペイロードを入力した場合にはヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダとペイロード制御部16からのペイロードとを組み合わせて圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力し、ペイロード制御部16からペイロード無しの情報を入力した場合にはヘッダ圧縮部13から圧縮ヘッダだけで圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力する。パケット組立部14からの圧縮ヘッダパケットを入力したパケット送出部15は、その圧縮ヘッダパケットを無線回線4に出力する。
【0038】
以上のように、圧縮ヘッダサイズが大きい通信開始時にはペイロードを含まない圧縮ヘッダのみのパケットを送出する事で、伝送のピークレートを抑える事ができ、回線利用効率の改善を図る事ができる。
【0039】
通信開始時には圧縮ヘッダは初期状態として大きなサイズとなり、回線の利用効率悪化の一因となっている。通信開始時は会話がまだ始まっていないか、始まっても間もない時であり、この時の音声が欠ける事に大きな問題は無い。
【0040】
実施の形態5.
図10はこの発明の音声伝送装置の送信側装置の一実施の形態を示す図であり、図1における音声伝送装置1Aまたは音声伝送装置1Bに送信側装置として備えられる。図10において、上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。31は対向機器からの圧縮ヘッダ内に含まれるフィードバック情報を受信し、そこに含まれるエラー情報を検出するフィードバック受信部、32はフィードバック受信部31からのエラー情報に応じて、ペイロード制御部16にペイロードを送出するか、ペイロード無しの情報を送出するかを指示するエラー発生監視部である。フィードバック情報とは、図1において、音声伝送装置1Aから送出された圧縮ヘッダパケットが音声伝送装置1Bで正常に元のヘッダを復元できたか否かを音声伝送装置1Aにて知るために、音声伝送装置1Bから音声伝送装置1Aに送出される圧縮ヘッダパケットのヘッダに埋め込まれて運ばれる情報である。
なお、ペイロード出力判定手段はフィードバック受信部31とエラー発生監視部32で構成される。
【0041】
次に動作について説明する。図10において、パケット入力部11を介してIP電話装置2AまたはIPネットワーク3から入力したIP/UDP/RTPの標準の音声IPパケットは、ヘッダ分離部12にてIP/UDP/RTPのヘッダと音声データのペイロードに分離されて、ヘッダはヘッダ圧縮部13に、ペイロードはペイロード制御部16に出力される。ヘッダを入力したヘッダ圧縮部13ではヘッダ圧縮処理を行い、その結果としての圧縮したヘッダをパケット組立部14に出力する。フィードバック受信部31では対向機器からの圧縮ヘッダ内に含まれるフィードバック情報を受信し、そこに含まれるエラー情報をエラー発生監視部32に通知する。
【0042】
エラー発生監視部32では受信したエラー情報が圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラーなのか否かを監視し、圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラーであればペイロード制御部16にペイロード無しの情報を出力する指示を出し、圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラー以外であればヘッダ分離部12から入力したペイロードをそのまま出力するようにペイロード制御部16に指示を出す。ペイロード制御部16は、エラー発生監視部32からの指示に基づき、ヘッダ分離部12から入力したペイロードを、或いは、ペイロード無しの情報を、パケット組立部14に出力する。
【0043】
パケット組立部14では、ペイロード制御部16からペイロードを入力した場合にはヘッダ圧縮部13からの圧縮ヘッダとペイロード制御部16からのペイロードとを組み合わせて圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力し、ペイロード制御部16からペイロード無しの情報を入力した場合にはヘッダ圧縮部13から圧縮ヘッダだけで圧縮ヘッダパケットを組み立てて出力する。パケット組立部14からの圧縮ヘッダパケットを入力したパケット送出部15は、その圧縮ヘッダパケットを無線回線4に出力する。
【0044】
以上のように、圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラー発生時にはペイロードを含まない圧縮ヘッダのみのパケットを送出する事で、伝送のピークレートを抑える事ができ、回線利用効率の改善を図る事ができる。
【0045】
圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラー発生時には圧縮ヘッダは初期状態として大きなサイズとなり、回線の利用効率悪化の一因となっている。圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラー発生時には必然的に通話は途切れる。エラーからの回復時に途切れた通話の回復が若干遅くはなるが大きな問題は無い。
【0046】
また、実施の形態4に示した呼状態監視部30と、呼状態監視部30の出力とエラー発生監視部32の出力との論理和を取りその結果をペイロード制御部16に出力するOR回路を備え、通信開始時或いは圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラー発生時には、ペイロード制御部16にペイロード無しの情報を出力する指示を出し、通信開始時以外であり且つ圧縮ヘッダが初期状態に戻るような重大エラー以外であればヘッダ分離部12から入力したペイロードをそのまま出力するようにペイロード制御部16に指示を出す事としても、同様の効果が得られる。
なお、ペイロード出力判定手段は、ヘッダサイズ監視手段、呼状態監視手段、フィードバック受信手段とエラー発生監視手段以外の構成でも音声伝送装置の動作状態を監視して、ヘッダ圧縮技術を適用したほうがヘッダ圧縮技術を適用しない場合よりも回線利用効率が悪くなる状態の時は、ペイロードを送らず、それ以外の時はペイロードを送る指示信号を出すようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明による音声伝送装置は、例えばVoIPシステムに適用され、音声伝送装置間でヘッダを圧縮して伝送する時、回線利用効率の悪化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の音声伝送装置が適用されるネットワーク機器の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】この発明の音声伝送装置の送信側装置の実施の形態1を示す構成図である。
【図3】この発明の音声伝送装置の受信側装置の実施の形態1を示す図である。
【図4】この発明の音声伝送装置の受信側装置の実施の形態2を示す図である。
【図5】この発明の音声伝送装置の送信側装置の実施の形態3を示す図である。
【図6】、標準のIP/UDP/RTPパケットのフォーマットと、ヘッダ圧縮時の最小/最大パケットフォーマットの一例を示す図である。
【図7】閾値Aを10バイト、閾値Bを30バイトとした場合の圧縮パケット概要図である。
【図8】可変符号化速度コーデックで符号化音声データをペイロードに挿入し30バイト以下にした圧縮パケット概要図である。
【図9】この発明の音声伝送装置の送信側装置の実施の形態4を示す図である。
【図10】この発明の音声伝送装置の送信側装置の実施の形態5を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B;音声伝送装置、2A,2B;IP電話装置、3;IPネットワーク、4;無線回線、11;パケット入力部、12;ヘッダ分離部、13;ヘッダ圧縮部、14;パケット組立部、15;パケット送出部、16;ペイロード制御部、20;ヘッダサイズ監視部、21;ヘッダサイズ監視部、22;ヘッダ分割部、23;セレクタ部、30;呼状態監視部、31;フィードバック受信部、32;エラー発生監視部、41;パケット入力部、42;ヘッダ分離部、43;ヘッダ復元部、44;パケット組立部、45;パケット送出部、46;ペイロード制御部、47;ペイロード制御部、48;無音データ生成部、49;セレクタ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット入力手段が入力したパケットをヘッダとペイロードに分離するヘッダ分離手段、
ヘッダ分離手段で分離されたヘッダを圧縮するヘッダ圧縮手段、
装置の動作状態を監視して、ペイロードを出力するか否かを判定し指示信号を出力するペイロード出力判定手段、
ヘッダ分離手段からのペイロードを入力し、ペイロード出力判定手段からの指示信号に基き、ペイロードを出力するか否かを制御するペイロード制御手段、
ヘッダ圧縮手段から入力した圧縮ヘッダとペイロード制御手段から入力したペイロードをパケットに組み立てて圧縮パケットを生成し、その圧縮パケットをパケット送出手段に出力するパケット組立手段を備えたことを特徴とする音声伝送装置。
【請求項2】
ペイロード出力判定手段は、ヘッダ圧縮手段で圧縮されたヘッダのサイズを監視し、圧縮されたヘッダサイズが閾値を超えた場合にはペイロードを出力しないように、閾値以下の場合にはペイロードを出力するように指示信号を出すヘッダサイズ監視手段で形成されたことを特徴とする請求項1記載の音声伝送装置。
【請求項3】
ヘッダ圧縮手段から入力した圧縮ヘッダを分割して出力するヘッダ分割手段、
ヘッダ分割手段、または、パケット組立手段からの入力を、ヘッダサイズ監視手段からの指示に基づき選択してパケット送出手段に出力するセレクタ手段を備え、
ヘッダサイズ監視手段は、ヘッダ圧縮手段において圧縮されたヘッダのサイズを監視し、圧縮されたヘッダのサイズが閾値Aを超えた場合にはペイロードを出力しないように、閾値A以下の場合にはペイロードを出力するようにペイロード制御手段に指示を出すと共に、圧縮されたヘッダのサイズが閾値Aよりも更に大きな閾値Bを超えた場合にはヘッダ分割手段からの入力を選択し、閾値B以下の場合にはパケット組立手段からの入力を選択してパケット送出手段に出力するよう指示をセレクタ手段に出す構成にされたことを特徴とする請求項2記載の音声伝送装置。
【請求項4】
ペイロード出力判定手段は、呼の状態を監視して通信開始時であるが否かを判定し、通信開始時であればペイロードを出力しないように、通信開始時以外ではペイロードを出力するように指示信号を出す呼状態監視手段で形成されたことを特徴とする請求項1記載の音声伝送装置。
【請求項5】
ペイロード出力判定手段は、
対向機よりフィードバック情報を受け取るフィードバック受信手段と、
フィードバック受信手段からの情報を監視して、ヘッダ圧縮のステータスが初期状態に戻るような重大エラー発生か否かを判定し、重大エラー発生時であればペイロードを出力しないように、重大エラー発生時以外ではペイロードを出力するように指示信号を出すエラー発生監視手段で形成されたことを特徴とする請求項1記載の音声伝送装置。
【請求項6】
ペイロード出力判定手段は、
呼の状態を監視して通信開始時であるが否かを判定し、通信開始時であればペイロードを出力しないように、通信開始時以外ではペイロードを出力するように指示信号を出す呼状態監視手段をさらに備え、
呼状態監視手段およびエラー発生監視手段の何れか一方または両方からのペイロードを出力しないようにする指示信号によりペイロードを出力しないように、それ以外ではペイロードを出力するように指示信号を出す構成にされたことを特徴とする請求項5記載の音声伝送装置。
【請求項7】
パケット入力手段が入力した圧縮パケットを圧縮ヘッダとペイロードに分離するヘッダ分離手段、
ヘッダ分離手段で分離された圧縮ヘッダを復元するヘッダ復元手段、
ヘッダ分離手段から分離されたペイロードを入力し、ペイロードのサイズがゼロの場合にはパケットの破棄するよう指示信号を出力し、ペイロードのサイズがゼロでは無い場合にはそのペイロードを出力するペイロード制御手段、
ヘッダ復元手段から復元ヘッダと、ペイロード制御手段からの出力を入力し、ペイロード制御手段からペイロードを入力した時は復元ヘッダとペイロードをパケットに組み立ててパケット送出手段に出力し、ペイロード制御手段からパケット破棄信号を入力した時はパケットを破棄するパケット組立手段を備えたことを特徴とする音声伝送装置。
【請求項8】
ペイロードとしての無音データを生成する無音データ生成手段と、
ペイロード制御手段からの出力か、無音データ生成手段からの出力かをペイロード制御手段からの指示信号で選択してパケット組立手段に出力するセレクタ手段をさらに備え、
ペイロード制御手段は、ヘッダ分離手段から入力したペイロードのサイズがゼロで無い場合にはそのペイロードの出力を選択する指示信号を出し、ゼロの場合でかつゼロの回数が閾値以上連続した場合には無音データ生成手段からのペイロードを選択する指示信号を出し、ゼロの回数が閾値未満場合にはパケットを破棄する指示信号出力する構成にされたことを特徴とする請求項7記載の音声伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−81212(P2010−81212A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246143(P2008−246143)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】