説明

順方向リンク及び逆方向リンクのサービングアクセスポイントの変更

【課題】ハンドオフプロセスの間に通信条件の良い順方向リンク及び逆方向リンクを各々自由に選択可能とする方法を提供する。
【解決手段】モバイル局が複数の基地局を介してメインネットワークにアクセスする通信システムにおいて、モバイル局は、順方向リンク(FL)サービング局として、いずれの基地局も自由に選択することができる。さらに、モバイル局はまた、逆方向リンク(RL)サービング局として、別の基地局あるいは同じ基地局を自由に選択することができる。モバイル局は、複数の基地局に対応する複数のルートをそのメモリにおいて保存し、各ルートは、特定の基地局に専属的に(dedicatedly)割り当てられる。FLサービング局あるいはRLサービング局のいずれかとして1つの基地局から別のへのハンドオフの間に、関与した基地局のそれぞれのルートにおいて、交換されたデータパケットは処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、通信に関し、より具体的には、無線通信システムにおけるサービングアクセスポイントの切り替え(switching of serving access points)に関する。
【背景技術】
【0002】
テレコミュニケーションにおいて、特に無線通信においては、通信環境は、静的なものではなく、むしろ動的なものである。モバイル通信の設定においては、いくつかのモバイル通信エンティティ(mobile communication entities)は、一般にはモバイル局と呼ばれており、異なるときに、異なる通信条件の下、異なる位置へと移動することができる。
【0003】
無線ネットワークにおいては、モバイル局は、一般には基地局と呼ばれる、あるインフラストラクチャ通信エンティティ(infrastructure communication entities)、を介してメインネットワークにアクセスする。データが基地局からモバイル局へと流れる通信接続は、順方向リンク(forward link)(FL)と呼ばれる。同様に、データがモバイル局から基地局へと流れる通信接続は、逆方向リンク(reverse link)(RL)と呼ばれる。通信条件(communication conditions)は、FLとRLの両方にとって、必ずしも同じだとは限らない。例えば、モバイル局は、高い混雑RLトラフィック(a highly congestive RL traffic)を有しているが比較的オープンなFLフロー(a relatively open FL flow)を有している、サービング基地局と通信していてもよい。よりよいRLは他の基地局から利用可能であるがFL及びRLの両方のために基地局と一緒にとどまるモバイル局については、通信リソースの最良の使用ではない可能性がある。
【0004】
さらに、メインネットワークにアクセスする1つの基地局から別の基地局へと変わるモバイル局については、FL変更あるいはRL変更であろうと、変更の間に変更の後で交換されたデータパケットが、無傷(intact)のままであることは好ましい。ボイスオーバーIP(Voice over IP)(VoIP)呼び出しにおいて交換されたデータパケットのような時間センシティブなデータパケット(time-sensitive data packets)に特に当てはまる。弾性のデータパケットあるいはベストエフォートデータパケット(elastic or best-effort data packets)とは異なり、伝送の間の、誤りのあるいは逃した時間センシティブパケットは、必ずしも再送信されない。したがって、基地局の変更の間の時間センシティブデータパケットの妨害(disruption)は、サービスの品質に影響を与える可能性がある。
【0005】
したがって、利用可能な通信リソースを適切に且つ効率的に使用し、さらにハンドオフプロセス(handoff process)の間にデータ整合性(data integrity)を維持するために、モバイル局は、FL及びRLの割り当てについていずれのサービング通信エンティティ(serving communication entities)を自由に選択する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
(米国特許法第119条の下の優先権主張)
本願は、2007年4月25日に出願された仮出願第60/913,911号、および、2007年6月12日に出願された仮出願第60/943,434号の優先権をそれぞれ主張しており、すべては、ここでの譲受人に譲渡されており、また、ここにおいて参照することにより、明示的に組み込まれる。
【0007】
モバイル局が複数の基地局を介してメインネットワークにアクセスしている通信システムにおいて、モバイル局は、順方向リンク(forward link)(FL)サービング局としていずれの基地局も自由に選択することができる。さらに、モバイル局はまた、逆方向リンク(reverse link)(RL)サービング局として、別の基地局あるいは同じ基地局を自由に選択することができる。モバイル局は、そのメモリに、複数の基地局に対応する複数のルート(a plurality of routes)を保存し、各ルートは、特定の基地局に専属的に(dedicatedly)割り当てられている。FLサービング局あるいはRLサービング局のいずれかとして、1つの基地局から別の基地局へのハンドオフの間に、交換されたデータパケットは、関与した基地局のそれぞれのルートにおいて、処理される。さらに、ルートはまた、部分的に転送されたデータパケット(partially transferred data packets)を処理することに依存しており、その結果、ハンドオフプロセスの間にトランスパレントでシームレスなデータの転送(transparent and seamless transfer of data)を可能にする。
【0008】
これらの及び他の特徴および利点は、詳細な説明から、同様の参照番号は同様の部分を指す添付図面と一緒に使用して、当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施形態にしたがって配置された(arranged)様々な通信のエンティティの関係を図示している、簡略化された概略図である。
【図2】図2は、例示的な実施形態にしたがって動作している順方向リンクサービング局のハンドオフの間の、異なる通信エンティティの中のメッセージ及びデータフローを示す、呼び出しフロー図である。
【図3】図3は、異なる通信エンティティが異なるIPデータパケットのトンネリング(tunneling)の責任を負う、IPデータパケットのフローの図を概略的に示す。
【図4】図4は、例示的な実施形態にしたがって動作している逆方向リンクサービング局のハンドオフの間の、異なる通信エンティティの中のメッセージ及びデータフローを示す、呼び出しフロー図である。
【図5】図5は、順方向リンクサービング局が誤って割り当てられるが整流(rectification)で訂正されるハンドオフの間の、異なる通信エンティティの中のメッセージ及びデータフローを示す、呼び出しフロー図である。
【図6】図6は、例示的な実施形態にしたがってハンドオフプロセスを実行するための装置のハードウェアインプリメンテーションの部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、当業者が本発明を作り使用することを可能にするために提示されている。詳細は、説明の目的のために次の説明で記載されている。本発明はこれらの具体的な詳細の使用なしに実行されることができるということを当業者が認識するであろうということが、理解されるべきである。他の例においては、既知のストラクチャ及びプロセスは、不必要な詳細で本発明の説明を不明瞭にしないために、詳述されない。したがって、本発明は、示された実施形態によって限定されるようには意図されていないが、ここに開示された原則及び特徴に一貫した最も広い範囲が与えられることになっている。
【0011】
さらに、以下の説明では、簡略と明瞭性という理由から、電気通信工業会(Telecommunication Industry Association)(TIA)による第3世代パートナーシッププロジェクト2(3rd Generation Partnership Project 2)(3GPP2)の下で公表されたような、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband)(UMB)に関連づけられた用語が使用されている。本発明はまた、例えば符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数多元接続(OFDMA)などに関連した技術及び関連の標準のような、他の技術に対して適用可能であるということは強調されるべきである。異なる技術に関連づけられた用語は、異なっていてもよい。例えば、熟考された技術次第で、いくつかだけを挙げると、モバイル局は、ときに、モバイル端末、ユーザ機器、加入者ユニット等と呼ばれることができる。同様に、基地局は、ときに、アクセスポイント、ノードB等と呼ばれることができる。異なる用語が、適用可能なときに、異なる用語に適用するということは、ここでは留意すべきである。
【0012】
本発明の例示的な実施形態にしたがって配置された様々な通信エンティティの関係を概略的に示す、図1を参照する。
【0013】
図1においては、全体的な通信システムは、参照番号30によって一般に示される。通信システム30では、複数の発展した基地局(evolved Base Stations)(eBSs)にリンクしたアクセスゲートウェイ(Access Gateway)(AGW)32があり、3つの発展した基地局は、eBS34、eBS36、及びeBS38として示されている。eBSs34、eBS36、及びeBS38は、同じアクセスネットワーク(AN)において、あるいは異なるANsにおいて、インストールされることができる。この例において、eBSs34、36、及び38は、それぞれ、ANs40、42、及び44の一部分である。ANs40、42、及び44のそれぞれは、1つまたは複数のeBSs、及び他のエンティティを含んでもよい。明瞭さと簡潔さのために、各ANは、図1においては、1つのeBSのみ示されている。したがって、図1において示されるような実施形態では、eBS34は、サービスエリア46内のユーザに、無線アクセスを提供する。同様に、eBSs36及び38は、サービスエリア48及び50内で、それぞれ無線アクセスを提供する。
【0014】
AGW32は、中枢ネットワーク(a backbone network)52に対してリンクを有しており、それは例えばインターネットであってもよい。あるいは、別の例として、中枢ネットワーク52は、例えば閉鎖されたネットワークにおけるイントラネットであってもよい。
【0015】
システム30内で展開されたアクセス端末(AT)54がある、と仮定する。ユーザによって操作されたAT54(示されていない)は、AN40、AN42、及びAN44を含んでいる、様々な無線ネットワークの中で移動させることができる。AT54は、システム30における様々な通信エンティティを介して、中枢ネットワーク38にアクセスすることができる。
【0016】
AT54がeBS34と最初に通信する、と仮定する。AT54は、図1の参照番号56によって図示される論理データ経路によって示されているように、中枢ネットワーク52からのデータがAGW32及びeBS34を介してAT54へと流れることができるように、eBS34を用いて順方向リンク(FL)を確立することを最初に必要とする。AT54は、eBS34からFLデータパケットを直接受信するので、eBS34は、AT54のための順方向リンクサービングeBS(Forward-Link Serving eBS)(FLSE)とも呼ばれる。
【0017】
多少同様な方法で、AT54はまた、図1の論理データ経路58によって示されているように、AT54からのデータがeBS34とAGW32を介して中枢ネットワークへと流れることができるように、eBS34を用いて逆方向リンク(RL)を確立することを必要とする。AT54がeBS34に対して直接RLデータパケットを送信するので、eBS34はまた、AT54のための逆方向リンクサービングeBS(Reverse-Link Serving eBS)(RLSE)と呼ばれる。
【0018】
図1に示されているように、AT54は、それぞれ、FLとRLとして、論理データ経路56及び58を介して、eBS34を用いてデータを交換する。この例において、eBS34は、AT54のためのFLSE及びRLSEの両方としての2重の役割を想定する(assumes)。
【0019】
さらに、この例において、eBS34はまた、AT54のためのデータアタッチメントポイント(Data Attachment Point)(DAP)としてサービス提供する。eBS34がAT54のためのFLSEとなるとき、DAP割り当てプロセスを開始することができる。この目的を達成するために、eBS34は、AGW32に対して、登録リクエストメッセージを送信する。その後で、AGW32は、インターネットエンジニアリングタスクフォース(Internet Engineering Task Force)(IETF)によって発行されるプロキシモバイルIP(PMIP)プロトコルの下で示されているプロシージャにしたがって、eBS34を用いて、バインディングアップデート(binding update)を実行する。本質的には、DAP34は、AT54についてデータアンカリング関数(data anchoring function)を実行する。結果として、AT54のためのFLSE及びRLSEとしての役割を想定することに加えて、その場合においては、eBS34はまた、AT54のためのDAPの義務を果たす(serves the duty)。別の方法に置き換えると、この例においては、eBS34は、AT54のために、FLSE、RLSE、及びDAP、の3つの役割を果たす。
【0020】
本発明の例示的な実施形態にしたがって、eBS54のようなシステム30における通信エンティティは、AT54のような、また、前に叙述されているような、任意のATについて、同時に、すべて3つの役割を想定する必要はない。
【0021】
図1に戻って参照する。AT54がeBS36によって提供されるサービスエリア48に移動する、と仮定する。eBS36からのより強い信号及び近接(With closer proximity and stronger signals from the eBS 36)で、AT54は、eBS34からeBS36へと、FLSEとRLSEの両方をハンドオフすることを決定する。ハンドオフプロセスは、後でより詳細に説明されるであろう。
【0022】
ハンドオフが成功した、と仮定する。ハンドオフの後、FLの場合には、図1で示された論理データ経路60によって示される列挙された順序で、中枢ネットワーク52からのデータパケットは、AGW32、eBS34、及びeBS36を介して、AT54へと流れる。同様に、RLの場合には、図1で示される論理データ経路62によって示される列挙された順序で、AT54からのデータパケットは、eBS36、eBS34、及びAGW32を介して、中枢ネットワーク52へと流れる。この場合には、eBS36は、AT54のためのFLSE及びRLSEとしての2つの役割を想定する。それにもかかわらず、eBS34は、AT54のためのDAPとしてまだ作用する。
【0023】
AT34はeBS34によってサービス提供されるサービスエリア46から離れてローミングされるにもかかわらず、eBS34は、AT54のためのDAPを残す。その理由は、無線設定において、AT54の動き(mobility)によって、eBS34がAT54のためのFLSEあるいはRLSEに再びなることができるということが可能であるからである。例えば、AT54は、eBS34及びeBS36によってそれぞれ提供されるサービスエリア46及び48の境界上にあってもよい。したがって、AT54は、一時的にeBS36とのみ通信することができる。しかしながら、AT54とeBS36との間の通信が一時的でない場合、曲がりくねった論理パス(meandering logical data paths)60及び62を介してデータパケットをルーティングすることは、少なくともバックホール使用の観点から、通信のリソースの効率的な使用でないかもしれない。さらに、データパケットレイテンシ(data packet latency)もまた、強い影響を与えられる(impacted)。代わりに、DAPは、eBS34からeBS36へと好ましくは切り替えられる。DAPスイッチについての基準は、特に(among other things)、AT54がeBS36によって提供されるサービスエリア48において十分に長くとどまったということであってもよい。DAPのスイッチの基本的なプロシージャは、電気通信工業会(TIA)の下でまとめられた、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって発行された、出版物3GPP2 A.S0020で見つけられることができる。この場合においては、DAP変更についての1つまたは複数の基準は満たされてはおらず、eBS34はAT54のためのDAPとして残る、と仮定する。
【0024】
続けて図1を参照する。AT54は、他のサービスエリアの領域(other coverage territories)に対してローミングすることを続ける、と仮定する。ある時点で、AT54は、eBS38によって提供されるサービスエリア50に達する(reaches)。さらに、何らかの理由で、AT54は、強いFLだが比較的に低いRLをeBS38から検知する、と仮定する。「リンクアンバランス(link imbalance)」と呼ばれるそのようなシナリオは、RLに関連づけられた周波数帯域の過度な周波数干渉によってもたらされることができる。干渉は、例えば基地局とのアクティブな通信における、多すぎるATs(示されてはいない)によって、もたらされることができる。FLトラフィックは、eBSsが異なる周波数帯域を使用し、さらに地理的に離れて遠いので、あまり影響されないかもしれない。別の例として、eBS54が他のATs(示されていない)からRL接続でオーバーロードされるが、FLトラフィックはまだ比較的スパース(sparse)である、と仮定する。そのようなシナリオの下では、AT54は、eBS36からeBS38へとFLSEを切り替えるために決定することができるが、AT54のためのRLSEとしてeBS36を維持する。
【0025】
RLの場合、AT54からのデータパケットは、前に説明されるように、論理データ経路62を介して、中枢ネットワーク52へと流れる。しかしながら、FLの場合には、列挙された順序で、図1で示されるデータ経路64によって示されるように、中枢ネットワーク52からのデータパケットは、AGW32、eBS34、及びeBS38を介してAT54へと流れる。この場合、3つの異なる通信エンティティは、3つの異なる役割を想定する。具体的に、AT54に関しては、eBS34はDAPとして作用し、eBS36はRLSEとして義務を実行し、そして、eBS38は、FLSEとしての役割を引き受ける。
【0026】
無線通信における信頼性(reliability)のために、またさらに、通信リソースの効率的な使用のために、AT54が、特定の役割を実行する特定の通信エンティティを自由に選択することが好ましい。下記でさらに説明される例示的な実施形態は、上述の必要性に取り組む。
【0027】
例示的な実施形態にしたがって、AT54は、そのメモリにおいてルートセット(Route Set)(RS)41を有する。RS41は、AT54を備えた無線インタフェースのルートを有する、例えばeBS36及びeBS38のような、1セットの通信エンティティの情報を含んでおり、それによって、RS41における各エンティティは、AT54で、リンク層パケットとインターネットプロトコル(IP)パケットの両方、逆もまた同じ、をトンネリングする(tunnel)ことができる。さらに、AT54は、eBSがRSに加わる(joins)あるいは離れる(leaves)ときにはいつでも、RS41を更新する。
【0028】
特定の通信エンティティは、AT54のRS41において、特定のルートを有する。例えば、図1で示されているように、AT54は、eBS34についてリザーブされた(reserved)RS41においてルート34Rを有する。同様に、AT54は、eBS36のためにリザーブされたRS41において、ルート36Rを有する。AT54は、eBS38のためにリザーブされたRS41において、ルート38Rを有する。
【0029】
ルートは、本質的には、ATと、ATが通信セッション中に通信する通信エンティティと、に特有の1セットのプロトコル及びパラメータである。そのようなプロトコルおよびパラメータは、例えば、ヘッダ圧縮のプロトコル及び構成、無線リンクプロトコル(Radio Link Protocol)(RLP)の構成及びシーケンス番号、暗号化アルゴリズム及びネゴシエートされたセキュリティー鍵(negotiated security keys)、等を含む。
【0030】
AT54のRS41においては、ルート34R、36R、及び38Rのそれぞれは、同じプロトコル及び構成を含む必要はない。代わりに、ルート34R、36R、及び38Rは、互いに、論理的に別々であることができる。すなわち、ルート34R、36R、及び38Rは、それぞれの通信エンティティ34、36、及び38に、または、それぞれの通信エンティティ34、36、及び38から、トンネリングされたデータパケットを処理するために別々に使用される。例によって、図1で、AT54がFLSEとしてeBS38に依存するとき、ルート38Rは、プロトコルとパラメータを保存し、特に(among other things)、論理データ経路64の無線リンク部分に関連づけられたデータパケットシーケンス番号を保存しており、そしてそれは、FLの無線リンク部分であり、eBS38は、AT54に対してデータを送信する。
【0031】
前に言及されるように、ルート34R、36R、及び38Rのようなルートは、AT54のメモリに保存されることができる。さらに、特定の通信エンティティに関連づけられた各それぞれのルートは、その通信エンティティにおいて保存されることができる。例えば、図1で示されているように、ルート38Rは、eBS38に保存される。ルートを搬送しているメモリ回路を含んでいる、AT54のための且つこの点の他の通信エンティティのための、ハードウェアインプリメンテーションは、後でさらに説明されるであろう。
【0032】
アクセスポイントの変更については、AT54は、関連性のあるエンティティ(relevant entities)と異なるメッセージを交換する必要がある。説明の目的のために、図2は、図1で示されているように論理データ経路64を介してFLSEとしてeBS38を確立することにおける、他の通信エンティティを備えたAT54のための呼び出しフローを示す。
【0033】
図1に関連して図2の参照がなされる。説明しやすくするために、eBS38は、ターゲットFLSE(target FLSE)と呼ばれる。同様に、eBS36はソースFLSEと呼ばれる。eBS34は、この場合においては、DAPとして作用する。
【0034】
AT54は、FLSEとしてeBS36に最初に依存する。したがって、AT54は、図2において、それぞれ、論理データ経路66及び68によって示されているように、DAP、この場合ではeBS34である、から、ソースFLSE、この場合ではeBS36である、を介してインターネットプロトコル(IP)データパケットを受信する。
【0035】
前に述べたように、AT54がサービスエリア50の近接(vicinity)に接近して移動し、eBS38から強いFL信号を検出する、と仮定する。AT54は、ターゲットFLSEとしてeBS38を選択することを決定する。すなわち、AT54は、eBS36からeBS38へと、FLSEをハンドオフすることを決定する。そのようなハンドオフについての基準は、1セットの通信条件に基づくことができ、例えば、eBS38を備えたよりよいリンク条件、eBS36とeBS38のロードの比較、eBS36とeBS38に関しての使用の持続時間、等がある。
【0036】
AT54は、図2で示されるメッセージ経路70によって示されているように、eBS38にメッセージ、あるいはチャネル品質インジケータ(CQI)のような物理層信号を送信することによって、eBS38をターゲットFLSEとして選択する。
【0037】
メッセージを受信すると、ターゲットFLSE38は、AT54のRSにおけるすべての他のeBSsに、eBS38がAT54のためのFLSEとしての役割を引き受けたということを通知する。ターゲットFLSE38による通知(notification)は、同時にあるいは連続して(simultaneously or sequentially)、他のエンティティに送信されることができる。例えば、ソースFLSE36に対する通知は、図2で示されているように、メッセージ経路72を介した、IPT(IPトンネル)−通知メッセージ(an IPT (IP Tunnel)-Notification message)である。ソースFLSE36は、図2で示されるように、メッセージ経路74を介して、IPT−通知AckメッセージをターゲットFLSE38に送信することによって、IPT−通知メッセージの受信を承認する(acknowledges)。
【0038】
別の例として、ターゲットFLSE38はまた、図2で示されるように、メッセージ経路76を介して、IPT-通知メッセージをDAP34に送信する。同様に、DAP34は、図2で示されているように、メッセージ経路78を介して、IPT-通知AckメッセージをソースFLSE38に送信することによって、IPT−通知メッセージの受信を承認する。
【0039】
ソースFLSE36の場合、IP−通知メッセージ、すなわちメッセージ経路72を介して送信されたメッセージ、を受信すると、ソースFLSE36は、DAP34からの受信されたIPパケットを、AT54ではなくてターゲットFLSE38へと、転送するあるいはトンネリングする必要がある。
【0040】
この実施形態にしたがって、ソースFLSE36は、ターゲットFLSE38に対して、IPパケットフレームによって定義されるような、ディスクリートIPパケット(discrete IP packets)をトンネリングする必要がない。代わりに、ソースFLSE36が、ターゲットFLSE38に対して、部分IPパケットをトンネリングすることができる。より具体的には、時間が経過するときのソースFLSE36へのIPデータパケットフローの図を概略的に示す図3が参照される。図3に、5つのIPパケットフレームによって示されるように、5つのIPパケット、すなわちIPパケット#1−#5が示されている。時間tにおいて、ソースFLSE36は、メッセージ経路72を介してのようにIPT−通知メッセージを受信する、と仮定する(図2)。時間tの前に受信される全体のIPパケット#1及び#2の場合、ソースFLSE36は、AT54について予定されたリンク層ヘッダでこれらのIPパケットをカプセル化し、AT54にIPパケットを送信する。異なることばで表すように(Phrased differently)、ソースFLSE36は、論理データ経路60の無線リンク部分を通してリンク層トンネルを介してAT54にIPパケット#1-2を送信する(図1)。
【0041】
AT54については、先に言及したように、ルート、具体的にはルート36R(図1)、を有しており、それは、eBS36から受信されたリンク層トンネルパケットの処理のためにリザーブされている。
【0042】
IPパケット#3の部分的な部分に関しては、図3の参照番号51によって識別され、そしてそれは、時間tの前にソースFLSE36によって受信されており、ソースFLSE36は、全体的なIPパケット#1及び#2について同様な方法で、AT54に、部分IPパケット#3 51を送信する。すなわち、ソースFLSE36は、部分IPパケット#3 51を区分化し、そして、図1で示されているように、論理データ経路60の無線リンク部分を通してのAT54への送信のために、区分化された部分をリンク層フレームにフィットさせる(fits)(図2で、論理データ経路68によって表示される)。再び、AT54は、全体的なIPパケット#1および#2について同様な方法で、部分IPパケット#3 51を受信し、処理する。
【0043】
IPパケット#3の部分的な部分に関しては、参照番号55によって識別され、そしてそれは、時間tの後でソースFLSE36によって受信されており、ソースFLSE36は、ソースFLSE36のルート36Rを使用して部分パケット55を処理し(例、RLPヘッダを暗号化し、及び/または、加え)、そのあとで、この部分IPパケット#3 55を図1の論理データ経路80のバックホール部分を通して、ターゲットFLSE38に送信する(図2では、論理データ経路82によって表されている)。
【0044】
部分IPパケット#3 55を受信すると、ターゲットFLSE38は、ターゲットFLSE38のルート38Rを使用して、部分IPパケット55(例、ルート36Rによって加えられたRLPヘッダを含んでいる)をさらに処理し、そして、図1の論理データ経路80の無線リンク部分を介して、AT54に対して、部分IPパケット#3 55をその後で送信する(図2において、論理データ経路84によって表されている)。
【0045】
部分IPパケット#3 55については、AT54は、AT54のルート38Rを使用して部分パケット55を最初に処理する。その後で、AT54は、AT54のルート36Rを使用して、部分パケット55を処理する。異なる表現で言うと、AT54は、AT54がソースFLSE36から論理的に部分パケット55を受信するかのように、ターゲットFLSE38を介して、ソースFLSE36から、トンネリングされた部分IPパケット#3 55を受信する。したがって、部分IPパケット#3 51及び55がルート36Rで処理されるtの前に及び後で受信されるので、全体的なIPパケット#3の再構成(reconstruction)は実現可能(feasible)である。上記で説明されるように部分データパケットが組み合わせられることを可能にし、結果として起こる利益は、各データパケットのセグメントがたった一度だけ送信されるので、オーバーザエアリソース(over-the-air resources)がより効率的に使用されることができることである。さらに、正常状態データパケット配信(in-order data packet delivery)を備えたシームレスハンドオフは、達成されることができる。
【0046】
部分データパケットがこの実施形態において上記で説明されるように組み合わされ、処理される間に、フルデータパケットは、必要であれば同様に組み合わせられ処理されることができるということに注意すべきである。
【0047】
代替として、さらなる信頼性の目的のために、ソースFLSE36は、論理経路60及び80の両方を介してIPパケット#3を送信することができる(図1)。AT54のルート36Rは、IPパケット#3のある部分の複製コピー(duplicate copies)を受信することができる。しかしながら、AT54は、当技術分野において知られているように、RLPにおける複製検出メカニズムを介して、複製部分を廃棄することができる。
【0048】
ソースFLSE36にいずれの残りのIPデータパケットがある場合には、ソースFLSE36は、ターゲットFLSE38に残りのパケットを送信し、ターゲットFLSE38のルート38Rを使用してパケットを代わりに処理し、そのあとで、図1で示されているように論理データ経路80を介して(図2では、上記で図示された論理データ経路は、それぞれ、参照番号86と88によって識別されている)、AT54に、処理されたパケットを送信する。データパケットを受信すると、AT54は、AT54において保存されたルート38Rを使用してパケットを処理する。
【0049】
DAP34に関して、時間tのときに(図3)、DAP34は、メッセージ経路76(図2)を介して、IPT−通知メッセージを受信する。時間tの前に受信される全体のIPパケット#1−#3については、DAP34は、ソースFLSE36に、IPパケット#1−#3をトンネリングし、そしてそれは、上記で説明されたのと同様な方法において受信されたIPパケットを代わりに取り扱う。しかしながら、IPパケット#4については、ソースFLSE36はいずれの部分的に受信されたIPパケットを適切に扱うであろうということをDAP34が認識しているので、DAP34は、ソースFLSE36に全体のパケットをトンネリングする。すなわち、IPパケット#1−#4については、DAP34は、図1で示されているように論理データ経路60を通してソースFLSE36を介して(図2では、上記で図示された論理データ経路は、それぞれ、参照番号68と66によって識別されている)AT54にデータパケットを送信する。
【0050】
時間tの後で受信されたいずれのIPパケット、例えば図3で示されているIPパケット#5、について、DAP34は、前に述べたように図1で示される論理データ経路64を介して(図2では、論理データ経路は、それぞれ参照番号90と92によって識別される)パケットを代わりに取り扱う、ターゲットFLSE38にパケットをトンネリングする。パケットを受信すると、AT54は、前にも述べた、ルート38R(図1)においてパケットを処理する。
【0051】
図3に関連して、図2に戻って参照する。より簡単に述べると、ソースFLSE36の場合、図1で示される論理データ経路60によって示されているように、時間tの前に、DAP34から受信されたフルあるいは部分のIPパケットはAT54にトンネリングされる。しかしながら、ソースFLSE36については、時間tの後のDAP34から受信されたフルあるいは部分のIPパケットは、図1で示される論理データ経路80のバックホール部分によって示されるように、ターゲットFLSE38にトンネリングされる。ターゲットFLSE38は、そのあとで、図1で示され、それぞれ論理データ経路80及び64の無線リンク部分によって示されているように、AT54に対して、受信された部分及びフルIPパケットをトンネリングする。
【0052】
同様に、DAP34については、時間tの前にあるいは時間tの間に、受信されたフルIPパケットは、図1で示される論理データ経路60のバックホール部分によって示されるように、ソースFLSE36に対して送信される。しかしながら、時間tの後で受信されるフルIPパケットは、図1で示される論理データ経路64のバックホール部分によって示されているように、ターゲットFLSE38に対してトンネリングされる。後で、ターゲットFLSE38は、図1で示された論理データ経路64の無線リンク部分によって示されるように、AT54に、受信されたフルIPパケットをトンネリングする。
【0053】
もはやサービングFLSEではないという、ソースFLSE36への通知が続く。この目的を達成するために、DAP34は、図2で示されるメッセージ経路94を介して、AT54のためのサービングFLSEとしての義務の遂行に対し(discharge of the duty)、FLSE36に通知して、ソースFLSE36に、IPT−通知メッセージを送る。
【0054】
ソースFLSE36は、図2で示されるメッセージ経路96を介して、IPT−通知Ackメッセージで応答する。
【0055】
経路94と96を介してメッセージを交換することによって、上述の通知は、以下、「ネガティブの通知(negative notification)」と呼ばれる。ネガティブの通知は、FLSEあるいはRLSEが正しく割り当てられる、さらなるセーフガード(an additional safeguard)として役立つ。不整合性があるイベントにおいて、正しいメカニズムは、訂正(rectification)のためにインストールされることができ、そして後でさらに説明されるであろう。
【0056】
上記で、AT54がサービングFLSEとしてeBS38を選択することを説明している。AT54は、RL条件は、現在のサービングRLSEのそれ、この場合はeBS36である、により好都合であるということを決定し、eBS36からeBS38へとサービングFLSEを切り替えるという点において利点があまりないようである、ということを仮定する。そのようなシナリオの下では、AT54は、eBS36からeBS38へRLSEのハンドオフを始めることができる。
【0057】
RLSEのハンドオフがFLSEについての対応するハンドオフとは異なる、ある態様がある。FLSEハンドオフの間に、あるいは、一般にFLデータフローの間、ATが随意にいずれの通信エンティティとも通信することができるので、DAPは、AT54が次第に通信することを決定する通信エンティティに適切なFLデータフローを指図するために、データアンカリングエンティティ(data anchoring entity)として必要とされる。しかしながら、対応するRLSEハンドオフの間に、あるいは、一般にRLデータフローの間、DAPにとって、データアンカリングエンティティとしての必要性はないかもしれない。その理由は、ATからRLデータフローを受信しているいずれの通信エンティティは、まっすぐに、AGWに受信されたデータを送信することができるからである。実際、このアプローチは、バックホール使用をさらに合理化する(streamlines)ので、好まれる。
【0058】
例として図1に戻って参照する。前に説明されるように、それぞれ論理データ経路60及び64からの、ソースeBS36からターゲットeBS38までのFLSEハンドオフの間に、アンカリングエンティティとして作用しているDAP、この場合ではeBS34、が必要とされる。その理由は、ハンドオフの完了の前に、どのeBSをAT54がターゲットFLSEとして結局選択するのかをまだ決めていない可能性があるからである。DAP34の関数は、ハンドオフの間に及びハンドオフの後で、AT54によって、選択されたターゲットFLSEに対して、FLデータトラフィックを、適切に命令することである。FLSEハンドオフを容易にするために、AT54、AGW32、eBS34、eBS36、及びeBS38を含んでいるすべての通信エンティティは、それらの中のどのエンティティがAT54のための現在のFLSEであるかという跡をつける(keep track)必要があるということもまた上述する必要がある。
【0059】
RLSEハンドオフに関して、AT54がソースeBS36からターゲットeBS38までのRLデータフローをハンドオフすることを決定する、と仮定する。AT54は、図1に示されるように、論理データ経路62から論理データ経路83へと、RLを切り替えることを選択することができたであろう。具体的には、論理データ経路83を介してRLデータフローを送信することは、DAPとしてeBS34に依存する。しかしながら、この例において、通信リソースをより効率的に使用するために、AT54は、図1で示されるように、また、代替として、論理データ経路85を介して、AGW32に対して、ターゲットeBS38を通してRLデータパケットを直接に送信する。この場合においては、いくつかの通信エンティティ、例えばeBS34、eBS36、及びeBS38は、どのエンティティがATのための現在のRLSEであるかという跡をつける必要はない。その理由は、通信システム30内にあり、RLデータパケットの行先(destination)は、確認されたAGW32である。すなわち、RLデータパケットの行先は、不確かなターゲットではない。
【0060】
ターゲットRLSE38へのソースRLSE36のハンドオフのためのプロセスは、前に説明されたFLSEカウンターパート(FLSE counterpart)について説明されたものと本質的には同様であるが、上記で強調されるような差異を備えている。さらに、AT54は、ターゲットRLSE38に、メッセージ、あるいは、図4で示されるメッセージ経路97によって識別されるようなパイロット品質インジケータ(Pilot Quality Indicator)(PQI)のような物理層信号、を送信することによって、RLSE変更をリクエストする。簡潔さと明瞭さのために、RLSEハンドオフプロセスは、さらに詳述されていない。代わりに、論理データ経路62−85(図1)の、ソースRLSE36からターゲットRLSE38までのRLSEハンドオフが図4で図示されている。
【0061】
上記で説明されたFLSE及びRLSEのハンドオフプロセスにおいて、これまで通信条件を変更することにより、メッセージング信号(messaging signals)は、必ずしも、時間どおりに到着するとは限らない。結果として、意図されたFLSEあるいはRLSEは、誤って割り当てられることができるということは、可能である。図5は、誤ったFLSE割り当ての例を図示する。この実施形態において、救済プロシージャ(remedial procedures)は、間違った割り当てを訂正する(rectify)ために、設けられている。
【0062】
図5を参照する。AT54が、DAPとしてeBS34を、また、FLSEとしてeBS36を、最初に割り当てる、と仮定する。そのため、図5で示されているように、それぞれ、データ経路100及び102を介して、DAP34は、AT54にIPパケットを代わりにトンネリングするeBS36に対して、IPパケットを転送する。
【0063】
AT54がeBS38を備えたよりよいFLがあるということを決定するということを仮定する。様々なあらかじめ定義された通信条件を重みづけて、AT54は、eBS36からeBS38へとFLSEを変更することを決定する。AT54は、図5に示されているように、メッセージ経路104を介して、リクエストメッセージをeBS38に送る。
【0064】
メッセージ経路104を介してメッセージを受信すると、図5で示されたメッセージパス106を介してeBS36に送信されたIPT−通知メッセージによって類型化されるように、eBS38がAT54のためのFLSEとして役割を引き受けたということをAT54のRSのすべてのeBSsに、eBS38は、通知する。eBS36は、メッセージ経路108を介して、IPT−通知Ackメッセージで応答する。
【0065】
理想的には、eBS38は、同様の通知メッセージ、すなわち、図5で示されたメッセージパス120を介して送信されたメッセージ、を遅延なしに、DAP34に送信すべきであった。しかしながら、この例においては、そのようなメッセージの入手可能性が遅延される、すなわち、eBS38によって時期尚早に(untimely)送信されるか、あるいは、DAP34によって遅れて(belatedly)受信される、と仮定する。遅延の理由は、eBS38の回路あるいはDAP34によって引き起こされる可能性がある。遅延は、eBS38とDAP34との間の好ましくない通信条件によって引き起こされる可能性がある。
【0066】
いずれのイベントにおいても、メッセージ経路120を介してタイムリーに送信されるべきだったIPT−通知メッセージを送信する前に、この例におけるeBS38は、図5で示されるようにメッセージ経路110を介してリクエストメッセージを送信することによって、FLSEとしてeBS36を再び選択する。
【0067】
再び、eBS36は、図5で示された、メッセージパス112を介してeBS38に送信されたIPT−通知メッセージ、によって類型化されるように、eBS36は、AT54のためのFLSEとしての役割を引き受けたということをAT54のRSのすべてのeBSsに通知する。eBS38は、メッセージ経路114を介して、IPT−通知Ackメッセージで応答する。
【0068】
一例において、図5で示されるように、DAP34に対してメッセージ経路116を介してIPT−通知メッセージをタイムリーに送信し、DAP34からメッセージ経路118を介してIPT−通知Ackメッセージをタイムリーに受信する、と仮定する。前に述べたように、例示的な実施形態にしたがって、DAP34はまた、他のeBSsに対しさらなるセーフガードとして、それらがFLSEではないということをネガティブの通知でフォローする(follows up with)。
【0069】
しかしながら、この時点で、早くに到達すべきだったメッセージ経路120を介してIPT−通知メッセージが、どういうわけか到達し、DAP34によって受信される、と仮定する。DAP34は、図5で示されるメッセージ経路122によって示されるように、IPT−通知Ackメッセージで応答する。それにもかかわらず、意図されたFLSE36によってメッセージ経路116を介してより早く送信された、IPT−通知メッセージの受信の結果として起こるネガティブの通知はまた、他のeBSsに対して、DAP34によって送信される。そのようなネガティブの通知は、例えば図5で示されているように、メッセージ経路124を介して、eBS38に送信される。ここで、eBS38は、早くから、FLSEとしての役割を引き受けたということをAT54のRSにおける他のエンティティに対し通知メッセージを送信するので、不整合性(inconsistence)を検出すべきである。しかしながら、メッセージ経路124を介して受信されたメッセージは、eBS38はAT54のためのFLSEではないという整合性のないポジション(inconsistent position)をeBS38に通知する。イベントは、さらなる照会(inquiry)及び起こりうる修正(eventual rectification)のために、アクションをトリガすることができる。この実施形態においては、救済アクション(remedial actions)は、下記で説明されるように、eBS36、すなわち、最初に意図されたFLSE、によって行われる。
【0070】
図5を続けて参照する。メッセージ経路120を介したIPT−通知メッセージの受信の結果として、DAP34はまた、eBS38の他にAT54のRSの他のeBSsに対して、それらがAT54のためのFLSEではないというネガティブの通知メッセージを送信する。そのようなメッセージのうちの1つは、図6で示されるeBS36に対して、メッセージ経路128を介して送信されたメッセージである。eBS36は、図5で示されたメッセージ経路130を介して、IPT−通知Ackメッセージで応答する。
【0071】
ここで、早くからeBS36がFLSEとして役割を果たすAT54のRSにおける他のエンティティに対して通知メッセージを送信しているので、eBS36はまた、不整合性を検出すべきである。それにもかかわらず、メッセージ経路128を介して受信されたメッセージは、eBS36に、eBS36はAT54のためのFLSEではないという整合性のないポジションを、通知する。イベントは、正しい測定のために、動いているeBS36を設定する。例えば、この実施形態において、eBS36は、自発的に、前に図2で示され説明されるようにFLSEスイッチプロセス132を再開することができる。
【0072】
図6は、上記で説明されるようなハンドオフプロセスを実行するための装置のハードウェアインプリメンテーションの一部を示す。回路装置は、参照番号290によって示され、また、ATあるいはいずれの通信エンティティ、例えばeBSまたはAGW、においてインプリメントされることができる。
【0073】
装置290は、いくつかの回路を一緒にリンクさせる中央データバス292を備える。回路は、CPU(中央処理装置)、あるいは、コントローラ294、受信回路296、送信回路298、及びメモリユニット300を含む。
【0074】
装置290が無線装置の一部である場合、受信回路296と送信回路298は、図面には示されてはいないがRF(無線周波数)回路に接続されることができる。受信回路296は、データバス292に送信する前に、受信信号を処理し、バッファする。他方で、送信回路298は、デバイス290から送信する前にデータバス292からデータを処理し、バッファする。CPU/コントローラ294は、データバス292のデータ管理の関数、さらに一般的なデータ処理の関数を実行し、メモリユニット300の命令コンテンツ(instructional contents)を実行することを含む。
【0075】
代替として、図6で示されるように別々に配列される(separately disposed)代わりに、送信回路298及び受信回路296は、CPU/コントローラ294の一部分であることができる。
【0076】
メモリユニット300は、参照番号302によって一般に示された1セットのモジュールおよび/またはインストラクションを含む。この実施形態においては、モジュール/インストラクションは、特に(among other things)、FLSEハンドオフ関数308とRLSEハンドオフ関数310を含む。ハンドオフ関数308及び310は、図1−5で示され、説明されるプロセスステップを実行するための、コンピュータインストラクションあるいはコードを含む。エンティティ特有の具体的なインストラクションは、ハンドオフ関数308および310で、選択的にインプリメントされることができる。例えば、装置290がATの一部分である場合、特に(among other things)、図2、4、及び5において示され説明されるATに関連したメッセージの準備及び処理と共に、図1−5で示され説明されるプロセスステップを実行するためのインストラクションは、ハンドオフ関数308及び310でコード化されることができる。同様に、装置290が通信エンティティ、例えばeBs、の一部である場合には、その通信エンティティ特有のプロセスステップ及びメッセージの準備は、ハンドオフ関数308及び310でコード化されることができる。
【0077】
さらに、図1で示され説明される、ルート34R、36R、及び、38Rのような複数のルートはまた、メモリユニット300に含まれることができる。ルートは、図6の参照番号398によって集約的に示されている。代替として、ルート398は、ユニット300の他に、1つまたは複数の他のメモリユニットに保存されることができる。上記で配置されるような同様な方法で、選択ルートは、インプリメンテーションにおいて特定のエンティティについてインストールされることができる。例えば、AT54について、図1で示され、説明されるように、34R、36R及び38RのようなRSにあるすべてのルートを含むことが必要とする一方で、例えばeBS36については、ルート36Rだけがメモリユニット300でインストールされる必要がある。
【0078】
この実施形態においては、メモリユニット300は、RAM(ランダムアクセスメモリ)回路である。ハンドオフ関数308及び310のような例示的な関数は、ソフトウェアのルーチン、モジュール、および/または、データセット、である。メモリユニット300は、揮発性あるいは不揮発性のタイプのいずれかになりえる別のメモリ回路(示されていない)と結び付けられることができる。代替として、メモリユニット300は、例えばEEPROM(電子的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)、EPROM(電子的プログラマブル読み取り専用メモリ)、ROM(読み取り専用メモリ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、磁気ディスク、光ディスク、及び当技術分野においてよく知られた他のもの、ような他の回路タイプから成ることができる。
【0079】
説明される発明のプロセス(inventive processes)はまた、当技術分野で知られたいずれのコンピュータ可読メディア上で実行されるコンピュータ可読インストラクションとしてコード化されることができるということは、さらに注目すべきである。この明細書及び添付された特許請求項において、用語「コンピュータ可読メディア(computer-readable medium)」は、実行のために、例えば、図6の図面で示され説明されたCPU/コントローラ294のようないずれのプロセッサにインストラクションを提供することに関与するいずれのメディアを指す。そのようなメディアは、ストレージタイプであってもよく、例えば、図6のメモリユニット300の説明において、また前に説明されたような、揮発性あるいは非揮発性のストレージメディアの形態をとることができる。そのようなメディアはまた、送信タイプであることができ、同軸ケーブル、銅線、光ケーブル(optical cable)、そして、マシンあるいはコンピュータによって読み取り可能な信号を搬送することができる聴覚波、電磁波、あるいは光学波、を搬送している無線インタフェース、を含むことができる。コンピュータ可読メディアは、装置290とは別のコンピュータプロダクトの一部であることができる。
【0080】
最後に、本発明の範囲内での他の変更は、可能である。上記で説明される他に、実施形態に関連して、いずれの他の論理ブロック、回路、及びアルゴリズムステップも、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェイア、あるいはそれらの組み合わせでインプリメントされることができる。形式と及び詳細におけるこれら及び他の変更は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく行われることができるということが、当業者によって理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1セットの通信条件のアセスメントを提供することと、
前記アセスメントに基づいて、第1の通信エンティティに対して順方向通信リンクを割り付けることと、
前記アセスメントに基づいて、第2の通信エンティティに対して逆方向通信リンクを割り付けることと、
を備えている通信の方法。
【請求項2】
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとの通信のために、第1のルート及び第2のルートをそれぞれ提供することと、
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持することと、
をさらに備えている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
無線通信システムにおいて動作可能なアクセス端末による方法であって、
前記アクセス端末において複数のルートを提供することと、
第1のルートとして第1の通信エンティティと通信するための前記ルートのうちの1つを割り付けることと、
第2のルートとして第2の通信エンティティと通信するための前記ルートのうちの別のものを割り付けることと、
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持することと、
を備えている方法。
【請求項4】
前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択することと、
前記第1のルートを使用して前記データパケットを処理する前に、前記第2のルートを使用して部分IP(インターネットプロトコル)データパケットを処理することと、
をさらに備えている請求項3に記載の方法。
【請求項5】
順方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを選択することと、
逆方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択することと、
をさらに備えている請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記サービング通信エンティティが順方向リンク通信エンティティあるいは逆方向リンクのサービング通信エンティティであるかどうかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持することと、をさらに備えている請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセス端末と前記第1の通信エンティティとの間の第1の通信セッションに関連づけられた前記第1のルートパラメータに含めることと、前記アクセス端末と第2の通信エンティティとの間の第2の通信セッションに関連づけられた前記第2のルートパラメータに含めることと、をさらに備えている請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記サービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを最初に選択することと;
前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティをそのあとで選択することと、なお、前記第1の通信エンティティは、前記サービング通信エンティティとして誤って割り当てられている;
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとのうちの1つによって最初にもたらされた救済アクションから前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを再び選択することと;
をさらに備えている請求項3に記載の方法。
【請求項9】
通信システムにおいて動作可能な通信エンティティによる方法であって、
前記通信システムにおけるアクセス端末のために、順方向リンクのサービング通信エンティティと逆方向リンクのサービング通信エンティティとの両方としてサービス提供することと、
前記別の通信エンティティへの前記順方向リンク通信エンティティと前記逆方向通信エンティティとのうちの1つのハンドオフのために、別の通信エンティティから通知を受信することと、
前記順方向リンクの通信エンティティと前記逆方向リンクの通信エンティティの他のものとして、前記アクセス端末を継続的にサービス提供することと、
を備えている方法。
【請求項10】
前記通知は、前記別の通信エンティティへの前記順方向リンクの通信エンティティのハンドオフのためのリクエストであって、前記方法は、
前記アクセス端末でIP(インターネットプロトコル)データパケットを処理するためのルートを維持することと、
前記別の通信エンティティに対してフルIPデータパケットを送信することと、
前記ルートを使用して前記アクセス端末に対して、前記別の通信エンティティを介して、部分IPデータパケットをトンネリングすることと、
をさらに備えている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
通信のための装置であって、
1セットの通信条件のアセスメントを提供するための手段と、
前記アセスメントに基づいて、第1の通信エンティティに対して順方向通信リンクを割り付けるための手段と、
前記アセスメントに基づいて、第2の通信エンティティに対して逆方向通信リンクを割り付けるための手段と、
を備えている装置。
【請求項12】
それぞれ前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとの通信のために、第1のルート及び第2のルートをそれぞれ提供するための手段と、
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するための手段と、
をさらに備えている請求項11に記載の装置。
【請求項13】
通信システムにおいて動作可能なアクセス端末は、
前記アクセス端末において複数のルートを提供するための手段と、
第1のルートとして第1の通信エンティティと通信するための前記ルートのうちの1つを割り付けるための手段と、
第2のルートとして第2の通信エンティティと通信するための前記ルートのうちの別のものを割り付けるための手段と、
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するための手段と、
を備えているアクセス端末。
【請求項14】
前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択するための手段と、
前記第1のルートを使用して前記データパケットを処理する前に、前記第2のルートを使用して部分IP(インターネットプロトコル)データパケットを処理するための手段と、
をさらに備えている請求項13に記載のアクセス端末。
【請求項15】
順方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを選択するための手段と、
逆方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択するための手段と、
をさらに備えている請求項13に記載のアクセス端末。
【請求項16】
前記サービング通信エンティティが順方向リンク通信エンティティあるいは逆方向リンクのサービング通信エンティティであるかどうかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するための手段と、をさらに備えている請求項13に記載のアクセス端末。
【請求項17】
前記アクセス端末と前記第1の通信エンティティとの間の第1の通信セッションに関連づけられた前記第1のルートパラメータに含めるための手段と、前記アクセス端末と第2の通信エンティティとの間の第2の通信セッションに関連づけられた前記第2のルートパラメータに含めるための手段と、をさらに備えている請求項13に記載のアクセス端末。
【請求項18】
前記サービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを最初に選択するための手段と;
前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティをそのあとで選択するための手段と、なお、前記第1の通信エンティティは、前記サービング通信エンティティとして誤って割り当てられている;
前記サービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを再び選択するための手段と;
をさらに備えている請求項13に記載のアクセス端末。
【請求項19】
通信システムにおいて動作可能な通信エンティティは、
前記通信システムにおけるアクセス端末のために、順方向リンクのサービング通信エンティティと逆方向リンクのサービング通信エンティティとの両方としてサービス提供するための手段と、
前記別の通信エンティティへの前記順方向リンク通信エンティティと前記逆方向通信エンティティとのうちの1つのハンドオフのために、別の通信エンティティから通知を受信するための手段と、
前記順方向リンクの通信エンティティと前記逆方向リンクの通信エンティティの他のものとして、前記アクセス端末を継続的にサービス提供するための手段と、
を備えている通信エンティティ。
【請求項20】
前記通知は、前記別の通信エンティティへの前記順方向リンクの通信エンティティのハンドオフのためのリクエストであって、前記通信エンティティは、
前記アクセス端末でIP(インターネットプロトコル)データパケットを処理するためのルートを維持するための手段と、
前記別の通信エンティティに対してフルIPデータパケットを送信するための手段と、
前記ルートを使用して前記アクセス端末に対して、前記別の通信エンティティを介して、部分IPデータパケットをトンネリングするための手段と、
をさらに備えている、請求項19に記載の通信エンティティ。
【請求項21】
プロセッサと、
1セットの通信条件のアセスメントを提供し、前記アセスメントに基づいて第1の通信エンティティに順方向通信リンクを割り付けるように、また、前記アセスメントに基づいて第2の通信エンティティに逆方向通信リンクを割り付けるように、構成された前記プロセッサに結合された回路と、
を備えている通信のための装置。
【請求項22】
前記プロセッサに結合された前記回路は、それぞれ前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとの通信のために第1のルート及び第2のルートをそれぞれ提供し、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するように、さらに構成されている請求項21に記載の装置。
【請求項23】
通信システムにおいて動作可能なアクセス端末は、
プロセッサと、
前記アクセス端末における複数のルートを提供し、第1のルートとして第1の通信エンティティと通信するために前記ルートのうちの1つを割り付け、第2のルートとして第2の通信エンティティと通信するために前記ルートのうちの別のものを割り付け、そして、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するように、構成された前記プロセッサに結合された回路と、
を備えているアクセス端末。
【請求項24】
前記プロセッサに結合された前記回路は、前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択し、そして、前記第1のルートを使用して前記データパケットを処理する前に、前記第2のルートを使用して部分IP(インターネットプロトコル)データパケットを処理するようにさらに構成されている、請求項23に記載のアクセス端末。
【請求項25】
前記プロセッサに結合された前記回路は、順方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを選択し、逆方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択するようにさらに構成されている、請求項23に記載のアクセス端末。
【請求項26】
前記プロセッサに結合された前記回路は、前記サービング通信エンティティが順方向リンクのサービング通信エンティティあるいは逆方向リンクのサービング通信エンティティであるかどうかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するようにさらに構成されている、請求項23に記載のアクセス端末。
【請求項27】
前記プロセッサに結合された前記回路は、前記アクセス端末と前記第1の通信エンティティとの間の第1の通信セッションに関連づけられた前記第1のルートパラメータに含め、前記アクセス端末と第2の通信エンティティとの間の第2の通信セッションに関連づけられた前記第2のルートパラメータに含むようにさらに構成されている、請求項23に記載のアクセス端末。
【請求項28】
前記プロセッサに結合された前記回路は、前記サービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを最初に選択し、前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティをそのあとで選択し、もし前記第1の通信エンティティが前記サービング通信エンティティとして誤って割り当てられている場合には、前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを再び選択するようにさらに構成されている、請求項23に記載のアクセス端末。
【請求項29】
通信システムにおいて動作可能な通信エンティティは、
プロセッサと、
前記通信システムにおけるアクセス端末のために、順方向リンクのサービング通信エンティティと逆方向リンクのサービング通信エンティティとの両方としてサービス提供し、前記別の通信エンティティへの前記順方向リンク通信エンティティと前記逆方向通信エンティティとのうちの1つのハンドオフのために、別の通信エンティティから通知を受信し、前記順方向リンクの通信エンティティと前記逆方向リンクの通信エンティティの他のものとして、前記アクセス端末を継続的にサービス提供するように構成された前記プロセッサに結合された回路と、
を備えている通信エンティティ。
【請求項30】
前記通知は、前記別の通信エンティティへの前記順方向リンクの通信エンティティのハンドオフのためのリクエストであり、前記回路に結合された前記プロセッサは、前記アクセス端末でIP(インターネットプロトコル)データパケットを処理するためのルートを維持し、前記別の通信エンティティに対してフルIPデータパケットを送信し、前記ルートを使用して前記アクセス端末に対して、前記別の通信エンティティを介して、部分IPデータパケットをトンネリングするようにさらに構成されている、請求項29に記載の通信エンティティ。
【請求項31】
1セットの通信条件のアセスメントを提供し、
前記アセスメントに基づいて、第1の通信エンティティに対して順方向通信リンクを割り付け、
前記アセスメントに基づいて、第2の通信エンティティに対して逆方向通信リンクを割り付けるための物理的に具現化されたコンピュータ可読コード、
を備えているコンピュータ可読メディア、
を含んでいるコンピュータプロダクト。
【請求項32】
前記コンピュータ可読メディアは、
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティそれぞれとの通信のために、第1のルート及び第2のルートをそれぞれ提供し、
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティにそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するためのコンピュータ可読コード、
をさらに備えている、
請求項31に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項33】
前記アクセス端末において複数のルートを提供し、
第1のルートとして第1の通信エンティティと通信するために前記ルートのうちの1つを割り付け、
第2のルートとして第2の通信エンティティと通信するために前記ルートのうちの別のものを割り付け、
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのどれがサービング通信エンティティとして割り当てられているかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティをそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するための物理的に具現化されたコンピュータ可読コード、
を備えているコンピュータ可読メディア、
を含んでいるコンピュータプロダクト。
【請求項34】
前記コンピュータ可読メディアは、
前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択し、
前記第1のルートを使用して前記データパケットを処理する前に、前記第2のルートを使用して部分IP(インターネットプロトコル)データパケットを処理するためのコンピュータ可読コード、
をさらに備えている、
請求項33に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項35】
前記コンピュータ可読メディアは、
順方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを選択し、
逆方向リンクのサービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを選択するためのコンピュータ可読コード、
をさらに備えている、
請求項33に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項36】
前記コンピュータ可読メディアは、前記サービング通信エンティティが順方向リンクのサービング通信エンティティあるいは逆方向リンクのサービング通信エンティティであるかどうかに関わらず、前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティとそれぞれ関係している前記第1のルート及び前記第2のルートを維持するためのコンピュータ可読コードをさらに備えている、請求項33に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項37】
前記コンピュータ可読メディアは、前記アクセス端末と前記第1の通信エンティティとの間の第1の通信セッションに関連づけられた前記第1のルートに含み、前記アクセス端末と第2の通信エンティティとの間の第2の通信セッションに関連づけられた前記第2のルートパラメータに含めるためのコンピュータ可読コード、をさらに備えている、請求項33に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項38】
前記コンピュータ可読メディアは、
前記サービング通信エンティティとして前記第1の通信エンティティを最初に選択し;
前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティをそのあとで選択し、なお、前記第1の通信エンティティは、前記サービング通信エンティティとして誤って割り当てられている;
前記第1の通信エンティティ及び前記第2の通信エンティティのうちの1つによって最初にもたらされた救済アクションから前記サービング通信エンティティとして前記第2の通信エンティティを再び選択するためのコンピュータ可読コード;
をさらに備えている、
請求項33に記載のコンピュータプロダクト。
【請求項39】
前記通信システムにおけるアクセス端末のために、順方向リンクのサービング通信エンティティと逆方向リンクのサービング通信エンティティの両方としてサービス提供し、
前記別の通信エンティティへの前記順方向リンク通信エンティティと逆方向リンク通信エンティティのうちの1つのハンドオフのために別の通信エンティティから通知を受信し、
前記順方向リンク通信エンティティと逆方向通信エンティティのうちの他のものとして、前記アクセス端末を継続的にサービス提供するための物理的に具現化されたコンピュータ可読コード、
を備えているコンピュータ可読メディア、
を含んでいるコンピュータプロダクト。
【請求項40】
前記通知は前記別の通信エンティティへの前記順方向リンク通信エンティティのハンドオフのためのリクエストであり、前記コンピュータ可読メディアは、
前記アクセス端末でIP(インターネットプロトコル)データパケットを処理するためのルートを維持し、
前記別の通信エンティティに対してフルIPデータパケットを送信し、
前記ルートを使用して、前記アクセス端末に、前記別の通信エンティティを介して、部分IPデータパケットをトンネリングするためのコンピュータ可読コード、
をさらに備えている、
請求項39に記載のコンピュータプロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−199958(P2012−199958A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−111755(P2012−111755)
【出願日】平成24年5月15日(2012.5.15)
【分割の表示】特願2010−506531(P2010−506531)の分割
【原出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】