説明

顆粒水和剤の製法

本発明は、工程AおよびBを包含する植物防疫顆粒水和剤の製法に関する。工程は、アグロメレーション装置中で二つまたはそれ以上の別個の流体流を噴霧することからなり、ここで:a)流体流の少なくとも一つは120℃以上またはそれと同等の融点を有する農薬有効成分一つまたはそれ以上を含有し、そして;b)流体流の少なくとも一つは120℃未満の融点を有する農薬有効成分一つまたはそれ以上および担体一つまたはそれ以上を含有している。工程Bはアグロメレーションからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物防疫剤製剤の分野に関する。特に、本発明は植物防疫顆粒水和剤(WG)の製法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物防疫のための有効成分は一般には純粋な形態では使用されない。施用の分野およびタイプまた物理的、化学的および生物学的パラメータに基づいて、有効成分は通常の補助剤および添加剤と組み合わせて有効成分製剤として使用される。例えば作用スペクトルの拡大および/または作物の保護(例えば薬害軽減剤による)のためにさらに他の有効成分との混合剤もまた知られている。 例えば、取り扱いがより容易なこと、誤った薬量を施用するリスクが低減されること、および製造コストが低減されることが利点である。
【0003】
混合剤を顆粒で施用するとき、例えば液体成分または低融点成分が高融点成分と一緒に存在しているような例では、望ましくない接触効果が生じることがある。これにより、凝集体または塊体の形成が生じ、これらが取り扱い、測定および秤量をさらに難しくする。さらには、製剤が水に不溶性の混合剤である場合、そして噴霧タンクでの迅速にして均一な分散性が重要である場合、容器の底に、またメインフィルターまたはノズルフィルターの前に沈降物が形成されることがある。
【0004】
上記の不利な点は、液体成分または低融点成分が高融点成分と接触するときに生じ得るので、タンクミックス法により回避できる。
しかしながら、周知の通り、空の容器を別々に秤量し、処理することを伴う別々のパックユニット単位の取り扱いは、混合剤製品と比べて、不利である。これらの問題は主として二液性液剤(twin-pack solutions)として知られているもので回避されているが、このような液剤は、開発、製造および品質保証について付加的な複雑さをもたらすものである。従って、混合剤製品の製造が試みられてきた。
【0005】
それで、WO97/20467には、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)との接触に対する保護の目的のために液相のための吸収性マトリックスとして高度に分散されたシリカの使用が記載されている。この場合、最終製品は全成分の加湿混合物を押し出しすることにより得られる。このコンセプトの不利な点は、湿ったプレミックスを押し出しツール(例えばふるい)を通す際に圧力が増大し、このために吸収された液体または半塑性混合物が支持材料から絞り出され、粒子相内に望ましくない不可逆性のブリッジが形成される結果となることにある。それで、生成物については、水懸濁性の低下および農薬施用装置での許容できないフィルター残留物が結果として生じる。
【0006】
顆粒形態の生成物を製造するための別の方法は流動床造粒法(流動床アグロメレーション)であり、ここではより低い圧力が造粒される材料に掛かる(EP−A−0757891、EP−A−611593、EP−A−821618、US5,883,047)。それで、WO98/42192には、スルホニル尿素および低融点補助剤を高度に分散されたケイ酸カルシウムと共に合同スラリー(joint slurry)として製剤化し、そして二物質ノズル法によって流動床層として造粒することによる農薬製品の製法が記載されている。このコンセプトの不利な点は、同じく、様々の区分が互いに好ましくないような相互作用することにある。その理由はこれらが合同エマルションおよび/または懸濁剤で加工処理されるからである。ここでは、低融点成分はその多孔質支持体から乳化または洗い去られ、粒状成分と接触し、これにより既知の不都合に至るのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高融点および低融点農薬有効成分の混合物で植物防疫顆粒水和剤の改良された製法を提供するにある。驚いたことには、この目的は本発明の方法によって達成され得ることが見いだされた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、植物防疫顆粒水和剤の製法に関し、この製法は、工程として、
A.アグロメレーション装置中で二つまたはそれ以上の別個の流体流を噴霧させ、ここで
a)流体流の少なくとも一つは120℃またはそれ以上の融点を有する農薬有効成分の一つまたはそれ以上を包含し、
b)流体流の少なくとも一つは120℃未満の融点を有する農薬有効成分の一つまたはそれ以上および担体の一つまたはそれ以上を包含し、そして
B.アグロメレーションを行う
ことからなる。
【0009】
植物防疫顆粒剤なる用語は、農薬有効成分を包含する顆粒を意味するものと理解される。顆粒、それらの製造およびこのために使用される装置は、例えばH.Mollet、 A.Grubenmann、Formulierungstechnik [Formulation technology],Verlag Wiley−VCH,2000に記載され、その6.2章をここに組み入れる。本発明の目的に特に適当な顆粒は、乾式篩分け分析試験(dry-sieve analysis)で測定して、50〜10000、好ましくは100〜1000、特に好ましくは200〜900マイクロメーター(μm)の粒径を有するばら材料である。顆粒の質を測定する方法は、例えばCIPAC Handbook、Vol.F、Publisher:Collaborative International Pesticides Analytical Council Ltd.(1995)に記載されている。植物防疫顆粒水和剤は、例えばH.Mollet、 A.Grubenmann、Formulierungstechnik,Verlag Wiley−VCH,2000に記載され、その14.2.3章をここに組み入れる。
【0010】
本発明の方法では、二つまたはそれ以上の別々の流体流を一緒にアグロメレーション装置中に噴霧する。流体流は好ましくは噴霧プロセス中では室温を有し、一般には2〜10bar,好ましくは4〜6barで噴霧される。
【0011】
噴霧は、例えば二つまたはそれ以上の二物質ノズルにより、または一つまたはそれ以上の三または多物質ノズルにより実施することができる。
【0012】
二物質ノズルは、噴霧される相を構成する流体流が、ノズル出口で、流体流に対して同心円をなして導かれているガス気流(例えば空気または窒素)の包絡流で取り囲まれていて、そしてノズルを出ると分散されて微細な噴霧液滴となるように構成されている(例えば、H.Mollet、 A.Grubenmann、Formulierungstechnik,Verlag Wiley−VCH,2000、219頁を参照)。
【0013】
三または多物質ノズルは、噴霧される相を構成する二つまたはそれ以上の流体流が、ノズル出口で、一つまたはそれ以上の液体流に対して同心円をなして導かれている一つまたはそれ以上のガス気流(例えば空気または窒素)の包絡流で取り囲まれていて、そしてノズルを出ると分散されて微細な噴霧液滴となるように構成されている(例えば、EP−A−611593を参照)。
【0014】
好ましい実施態様では、二つの異なった流体流−流体流a)および流体流b)を噴霧する。ここでは、流体流a)およびb)は、例えば二つの別々の二物質ノズルによって噴霧することができ、即ち流体流a)は二物質ノズルα)により、また流体流b)は二物質ノズルβ)により噴霧することができる。好ましい実施態様では、二つの流体流a)およびb)は三物質ノズルにより共同して噴霧される。
【0015】
プロセスの実施を最適化するために、アグロメレーション装置での噴霧操作のために、二物質ノズルα)、β)の複数の同一の対、または複数の同一の三または多物質ノズルを使用することも可能である。
【0016】
流体流を噴霧することができるアグロメレーション装置は当業者に知られている(例えば、H.Mollet、 A.Grubenmann、Formulierungstechnik,Verlag Wiley−VCH,2000、6.2.5、6.2.7および6.2.8章を参照)。このようなアグロメレーションデバイスの例は、例えばEP−A−0757891、EP−A−611593、EP−A−821618、US5,883,047およびWO98/42192に記載されている。
【0017】
当業者に知られている様々なアグロメレーション法を、アグロメレーションを実施するのに使用することができ(例えば、H.Mollet、 A.Grubenmann、Formulierungstechnik,Verlag Wiley−VCH,2000、6.2.5、6.2.7および6.2.8章を参照)、これらのいくつかを例示のために以下に記載する。
【0018】
すなわち、アグロメレーションは、例えば噴霧乾燥により達成することができ、ここでは流体流a)およびb)は、二つまたはそれ以上の二物質ノズルによりまたは一つまたはそれ以上の三または多物質ノズルにより十分に長い、垂直の落下帯域中に噴霧される。得られた液滴は落下中に完全に乾燥し−好ましくは温プロセスガス流(例えば、空気または窒素)を使用して−そしてアグロメートし、そして微細な顆粒として装置の底部に到達する。この目的のための装置は例えばNiroによって製作され、例えば、タイプ Niro Atomizerである。
【0019】
好ましい実施態様は流動床アグロメレーションであり、ここでは流体流a)およびb)は、二つまたはそれ以上の二物質ノズルによりまたは一つまたはそれ以上の三または多物質ノズルにより室(アグロメレーション室)中に噴霧され、この室は最初は空であるのが好ましく、そして重力に逆らってその中を通過する連続温プロセスガス流が流れている。プロセスガス流のために、得られた液滴は完全に乾燥し、永続する浮動状態に保持される(流動床)。流体流の最初の容量フラクションの主要な結果である微細な顆粒は流動床に留まり、そして、さらにその上に沈降し、完全に乾燥する流体流のその次の容量フラクションからの液滴の結果(アグロメレーション)として、さらに大型の顆粒粒子を形成するためのコアーとして働くものである。これによりミリメーター範囲までのサイズを有する顆粒粒子を得ることができる。流動床アグロメレーションのための装置は例えばAeromaticにより製作され、例えば技術研究室の目的にはタイプ MP−1がある。
【0020】
本発明の方法は、連続式またはバッチ式で実施することができる。本発明の方法で噴霧される流体流a)およびb)は、農薬有効成分に加えて、連続相として水を包含している。さらなる他の成分、例えば溶剤または植物防疫に通常に使用されている補助剤または添加剤、例えば肥料(例えばBASFによるNitrophoska(登録商標))または製剤補助剤、例えばドリフト防止剤、保湿剤、界面活性剤例えばベタイン系または重合体系界面活性剤、分散剤、湿展剤、乳化剤、安定剤例えばpH安定剤、UV安定剤、消泡剤、合成または天然重合体、または相乗剤、例えばGenapolシリーズ(例えばGenapol X−100)が場合によっては存在していてよい。
【0021】
流体流a)およびb)を製造するには、成分を既知の方法により、例えば成分の全部またはいくつかを撹拌することにより、または一緒に微粉砕することにより相互に混合することができる。
【0022】
本発明の目的のための適当な農薬有効成分は、例えば、除草剤、殺菌剤(例えばフルキンコナゾール(fluquinconazole)、プロピコナゾール(propiconazole))、殺虫剤(例えばデルタメスリン(deltamethrin)、サイパーメスリン(cypermethrin))、薬害軽減剤または植物生長調節剤(例えばチジアズロン(thidiazulone))である。本明細書に記載の農薬有効成分は一般に知られているもの、例えば「The Pesticide Manual」British Crop Protection Council,Editor:CDS Tomlinから知られているものである。農薬有効成分の融点は示差熱分析法により測定される。
【0023】
農薬有効成分を本願に記載するときは、それら成分は中性化合物のみならず、無機および/または有機の対イオンとのそれらの塩をも意味するものと常に解される。すなわち、例えばスルホニル尿素は例えば−SO2−NHの水素が農業上有用な陽イオンで置換されている塩を形成することができる。これらの塩は例えば金属塩、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩、またはカリウム塩、または他にはアンモニウム塩または有機アミンとの塩である。同様に、塩の形成は例えばアミノおよびアルキルアミノのような塩基性の基への酸の付加によっても生じ得る。この目的に適した酸は、強無機酸および有機酸、例えばHCl、HBr、H2SO4またはHNO3である。
【0024】
流体流a)は120℃よりも高い融点を有する農薬有効成分一種またはそれ以上を包含している。好ましい実施態様では、120℃よりも高い融点を有する適当な農薬有効成分は例えば以下の除草剤である(括弧内に融点を示す):スルホニル尿素例えばフォラムスルフロン(foramsulfuron)(199℃)およびその塩例えばナトリム塩、メソスルフロン(mesosulfuron)およびその塩およびエステル、例えばメソスルフロン−メチル(mesosulfuron−methyl)およびその塩、例えばメソスルフロン−メチル−ナトリウム(mesosulfuron−methyl−sodium)(189℃)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)およびその塩およびエステル、例えばヨードスルフロン−メチル(iodosulfuron−methyl)およびその塩、例えばヨードスルフロン−メチル−ナトリウム(iodosulfuron−methyl−sodium)(152℃)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)(144℃)、アミドスルフロン(amidosulfuron)(160℃)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)(230℃)、ブロモキシニル−フェノール(bromoxynil−phenol)(230℃)、ブロモキシニル−カリウム(bromoxynil−potassium)(360℃)、イオキシニル−フェノール(ioxynil−phenol)(212℃)、イオキシニル−ナトリウム(ioxynil−sodium)(360℃)、ジフルフェニカン(diflufenican)(159℃)、2,4−D酸(141℃)、2,4−Dナトリウム、イソキサフルトーレ(isoxaflutole)(140℃)、スルコトリオン(sulcotrione)(139℃)、グリホセート(glyphosate)(189℃)、グルフォシネート−アンモニウム(glufosinate−ammonium)(215℃)、フェンメディファム(phenmedipham)(143℃)、デスメディファム(desmedipham)(120℃)、メタミトロン(metamitron)(167℃)およびオキサジアルギル(oxadiargyl)(131℃)。
【0025】
流体流a)は、好ましくは、農薬有効成分、例えば120℃またはそれ以上の融点を有し、かつ水にわずかに可溶性の、例えば標準条件下で測定して1000mg/l未満、好ましくは100mg/l未満、特に好ましくは10mg/l未満である除草剤を包含している。好ましい実施態様では、高融点を有しかつ水にわずかに可溶性のこれらの農薬有効成分は、定義されたサイズに粉砕された形態で使用され、粒子サイズは一般には乾式篩分け分析試験で測定して1−20マイクロメーター、好ましくは2−10マイクロメーター、特に好ましくは3−8マイクロメーターである。
【0026】
流体流a)は、水および場合によってはその他の成分、例えば植物防疫で通常使用されている補助剤および添加剤、特に分散剤、消泡剤および湿展剤(wetters)をさらに包含し;同様に担体が存在していてもよい。
【0027】
流体流b)は120℃未満、好ましくは90℃またはそれ以下の融点を有する農薬有効成分一種またはそれ以上を包含している。これらの農薬有効成分は溶解された形態で使用することもできる。
【0028】
好ましい実施態様では、120℃未満の融点を有する適当な農薬有効成分は、例えば以下の除草剤および薬害軽減剤である(括弧内に融点を示す):
メフェンピル−ジエチル(mefenpyr−diethyl)(50℃)、イソキサジフェン−エチル(isoxadifen−ethyl)(86℃)、ブロモキシニル−オクタノエート(bromoxynil−octanoate)(45℃)、イソオキシニル−オクタノエート(isoxynil−octanoate)(59℃)、MCPA 2−エチルヘキシル、フェノキサプロパ−P−エチル(Fenoxaprop−P−ethyl)(89℃)、ジクロフォプ−メチル(diclofop−methyl)(118℃)、ブロモキシニル−ブチレート(bromoxynil−butyrate)(90℃)、エトフュメセート(ethofumesate)(70℃)およびオキサジアゾン(oxadiazone)(87℃)。
【0029】
流体流b)に存在し、また場合によっては流体流a)にも存在している担体は固体である。これらは、例えば以下の文献から一般に知られている:
W.van Falkenburg(Ed.)、Pesticide Formulations、Marcel Dekker,Inc.,New York,1973;またはSchriftenreihe Degussa No.1,Synthetische Kieselsaeuren fuer Pflanzenshutz− und Schaedlingskaempfungsmittel[Synthetic silicas for plant protection compositions and pesticides]、March 1989。
【0030】
好ましい担体は、例えば無機または有機担体、例えばセルロースおよびその誘導体、例えばTylose(登録商標)、Tylopur(登録商標)、Methylan(登録商標)およびFinnix(登録商標)、デンプンおよびその誘導体、例えばMaizena(登録商標)およびMondamin(登録商標)またはケイ酸塩、例えばカオリン、ベントナイト、タルク、ピロフィライト、ケイソウ土、および沈降シリカ、例えばSipernat(登録商標)(例えばSipernat(登録商標)50SまたはSipernat(登録商標)500LS)、Dessalon(登録商標)、Aerosil(登録商標)、Silkasil(登録商標)またはKetiensil(登録商標)。
【0031】
流体流b)はさらに水を包含している。その他の成分、例えば有機溶媒、例えば飽和または不飽和脂肪族溶媒(例えばホワイトオイル)、芳香族溶媒(例えばSolvesso(登録商標)100、Solvesso(登録商標)150またはSolvesso(登録商標)200 またはキシレン)、植物油およびそれらのエステル交換反応生成物(例えばなたね油およびなたね油メチルエステル)または脂肪族カルボン酸のエステル(例えばRhodiasolv(登録商標)RDPE)または芳香族カルボン酸のエステル(例えば安息香酸ベンジル)、および作物保護に通常使用されている補助剤および添加剤が場合によっては存在していてもよい。
【0032】
本発明はさらには本発明の方法によって得られる植物防疫剤顆粒水和剤に関する。これらの顆粒は顕著な性能特性、例えば噴霧タンクでの崩壊性、噴霧混合物の安定性およびフィルターの通過能力を有している。
【0033】
本発明による好ましい顆粒は以下の農薬有効成分の二種またはそれ以上の混合剤を包含している:ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、メソスルフロン−メチル+ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、メソスルフロン−メチル−ナトリウム+ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+メフェンピル−ジエチル+ブロモキシニル−オクタノエートまたはヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+メフェンピル−ジエチル+ブロモキシニル−ブチレート。
【0034】
以下の技術的実施例は本発明の例示を意図するものであり、限定的な特性を何ら有するものではない。
【0035】
A.実施例
1.流体の製造
流体a)
ジフルフェニカン1082g、カオリン640g、Morwet(登録商標)D425 363g、Hostapur(登録商標)OSB 98g、Kuviskol(登録商標)K30 63gおよび消泡剤粉末 ASP(登録商標)13 6gを撹拌しながら水4.7lに入れた。スラリーをボールミル、タイプ Dyno−Mill KDL Pilot(d404μm)で微粉砕した。次に、得られた分散液にメソスルフロン−メチル−ナトリウム69gおよびヨードスルフロン−メチル−ナトリウム23gを撹拌して入れた。
流体b)
Sipernat(登録商標)50S 151gを水1.2lでスラリーとし、そしてSolvesso(登録商標)200ND 209g中のメフェンピル−ジエチル202g、分散剤Emulsogen(登録商標)3510 19gおよびPhenylsulfonat(登録商標)Ca 14gの溶液を撹拌しながら入れた。その後、混合物を室温で30分間撹拌した。
【0036】
2.流動床アグロメレーション
二種の流体a)およびb)をAermatic MP1流動床アグロメレーションプラント中の三物質ノズルにより噴霧した。流体a)は9.6l/時間(4690gの添加量/時間に相当する)で噴霧し、一方流体b)は2.4l/時間(1190gの添加量/時間に相当する)で噴霧した。プロセスガスの量は、135℃の入口温度で、50m3/時間であり、そして生成物温度は50℃であった。これで2.5kgの流動性顆粒が得られた。性能特性をCIPAC法(CIPAC Handbook,Vol.F.,Editor: Collaborative International Pesticides Analytical Council Ltd.(1995))従ってチェックし、以下の結果を得た:分散性(CIPAC MT174):87%、懸濁性(CIPAC MT161):85%、湿式篩分け分析試験(CIPAC MT58):150μmで0.24%残留。
【0037】
B.比較実施例
ジフルフェニカン793.8g、メソスルフロン−メチル−ナトリウム50.8g、ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム16.7g、カオリン470g、Morwet(登録商標)D425 266g、Hostapur(登録商標)OSB 71.7g、Kuviskol(登録商標)K30 46.2gおよび消泡剤粉末 ASP(登録商標)13 4.6gと、Solvesso(登録商標)200 154g中のメフェンピル−ジエチル148.3g、分散剤Emulsogen(登録商標)3510 13.9gおよびPhenylsulfonat(登録商標)Ca 10.1gの溶液のSipernat(登録商標)50S 111g上の吸着体(absorbate)からなるプレミックスを撹拌しながら水4.3lに入れ、そしてボールミル、タイプ Dyno−Mill KDL Pilot(d50=4μm)で微粉砕した。得られたスラリーを流動床アグロメレーションプラント(Aermatic MP1)中の二物質ノズルにより噴霧した。42m3/時間のプロセスガスの量および噴霧液8kg/時間、ガス入口温度140℃および55℃の生成物温度によって、2.4kgの流動性顆粒が得られた。CIPAC法に従ってチェックした性能特性の結果は以下の通りであった:分散性(CIPAC MT174):30%、懸濁性(CIPAC MT161):42%、湿式篩分け分析試験(CIPAC MT58):150μmで12%残留。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程として、
A.アグロメレーション装置中で二つまたはそれ以上の別個の流体流を噴霧させ、ここで
a)流体流の少なくとも一つは120℃またはそれ以上の融点を有する農薬有効成分の一つまたはそれ以上を包含し、
b)流体流の少なくとも一つは120℃未満の融点を有する農薬有効成分の一つまたはそれ以上および担体の一つまたはそれ以上を包含し、そして
B.アグロメレーションを行う
ことを包含する植物防疫顆粒水和剤の製法。
【請求項2】
流体流は一つまたはそれ以上の二物質ノズルにより、または一つまたはそれ以上の三物質または多物質ノズルにより噴霧される請求項1記載の方法。
【請求項3】
二つの異なった流体流が噴霧される請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
アグロメレーション装置が噴霧乾燥装置または流動床アグロメレーション装置である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
流体流a)およびb)が水を包含する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
流体流a)が農薬有効成分として一つまたはそれ以上の除草剤を包含する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
流体流b)が農薬有効成分として一つまたはそれ以上の除草剤および/または一つまたはそれ以上の薬害軽減剤を包含する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって得られる植物防疫顆粒水和剤。
【請求項9】
a)120℃またはそれ以上の融点を有する一つまたはそれ以上の農薬有効成分、
b)120℃未満の融点を有する一つまたはそれ以上の農薬有効成分、および
c)一つまたはそれ以上の担体
を包含する請求項8記載の植物防疫顆粒水和剤。
【請求項10】
a)120℃またはそれ以上の融点を有する農薬有効成分として、一つまたはそれ以上の除草剤、およびb)120℃未満の融点を有する農薬有効成分として、一つまたはそれ以上の除草剤および/または一つまたはそれ以上の薬害軽減剤を包含する請求項8または9記載の植物防疫顆粒水和剤。
【請求項11】
農薬有効成分として、
ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、メソスルフロン−メチル+ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、メソスルフロン−メチル−ナトリウム+ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+ジフルフェニカン+メフェンピル−ジエチル、ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+メフェンピル−ジエチル+ブロモキシニル−オクタノエートまたはヨードスルフロン−メチル−ナトリウム+メフェンピル−ジエチル+ブロモキシニル−ブチレート
を包含する請求項8〜10のいずれかに記載の植物防疫顆粒水和剤。

【公表番号】特表2006−517935(P2006−517935A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501804(P2006−501804)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001255
【国際公開番号】WO2004/073403
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(500137954)バイエル クロップサイエンス ゲーエムベーハー (31)
【Fターム(参考)】