説明

顔認識機能を用いたゲーム装置

【課題】画面の前に立ったプレイヤをカメラによって撮影し、画面内にプレイヤの画像ではなく、自機キャラクタを三人称視点で表示するようにし、プレイヤの顔部分の動きのみで自機キャラクタの動きを操作できるようにすることにより、画面内の自機キャラクタを、プレイヤがオーバーアクションすることなく移動することができる顔認識機能を用いたゲーム装置を提供する。
【解決手段】プレイヤがコインを投入しスタートボタン4を押すと、モニタ1に顔認識画面が現れる。CDDカメラ2によってプレイヤの画像から顔を認識する。認識された顔に対し、自機となるキャラクタを選択する。モニタ1に敵キャラクと自機キャラクタを含むゲーム画面が表示され、プレイヤのガンコントローラ3の射撃操作に従ってゲームが進行する。プレイヤは顔のみ動かすのみで画面上の自機キャラクタを移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤの顔の動きを認識し、プレイヤの顔の動きに対応してゲーム中の自キャラクタを移動させることを利用したゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤの顔面をセンシングし、センシングに2Dキャラクタを被せて追従する技術を利用したゲーム機が実用に供されている。
顔面のセンシングは主にCCDカメラがセットされ、撮影された顔面より目と口の位置関係を検出して顔と認識するツールが用いられている。
上記センサを用い人体の動作を取り入れて、画像内に反映させた「回避」アクションを行うガンシューティングゲームが存在する。
【0003】
このようなゲーム機として「ザ・警視庁」(コナミ社の商標)が知られている。
また、センサを用いて画面内に体で反らしたり、物陰に隠れて相手の弾を「回避」するガンゲームとして特許文献1が提案されている。
これは、複数のプレイヤ同士が撃ち合うことにより直接的に射撃の腕を競い、敵キャラクタに複雑な動きをさせることができるものである。
スクリーン上に設置したCCDカメラにより撮影したプレイヤの映像を相手プレイヤのスクリーンに相互に映し出し、各プレイヤは自分のプレイフィールド内で動きながらスクリーンに映し出される相手プレイヤの映像を狙ってポインティング装置のトリガを操作するものである。
【0004】
スクリーン上ではプレイヤの像に加えて障害物の像が合成される。プレイヤはCCDカメラの撮影範囲内で動き、この範囲から外れた場合には相手スクリーンからプレイヤの映像は消える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−104642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1はプレイヤが画面の外に身を乗り出すか、物陰に隠れるように移動しないと、相手の弾を避けることが出来ない。これは、体全体を移動させるために、ゲームの進行処理にタイムラグを生じる。また、常に回避動作のために体全体を上下左右に移動させる必要がある。さらにプレイヤが体全体を移動させるため、プレイヤが動くゲームスペースを大きくとる必要があり、ゲーム筐体領域が拡大するという欠点があった。
さらに常時プレイヤが体全体を動かし通常のゲームに比較し疲労しやすいため、リプレイ回数を多く望めない。
【0007】
本発明の目的は、画面の前に立ったプレイヤをカメラによって撮影し、画面内にプレイヤの画像ではなく、自機キャラクタを三人称視点で表示するようにし、プレイヤの顔部分の動きのみで自機キャラクタの動きを操作できるようにすることにより、画面内の自機キャラクタを、プレイヤがオーバーアクションすることなく移動することができる顔認識機能を用いたゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、モニタ画面の奥行き部分に敵キャラクタを表示し、手前部分に自キャラクタを表示し、自キャラクタが敵キャラクタを射撃することによって敵を倒すゲーム装置において、ゲーム機筐体に設置し、プレイヤを撮影するカメラと、敵に対し攻撃を加えるための攻撃手段と、前記カメラで撮影したプレイヤの顔を認識する顔認識手段と、前記顔認識手段によりプレイヤの顔を認識した後、モニタに表示されるキャラクタを選択し、プレイヤとキャラクタを対応づける選択手段と、プレイヤが前記攻撃手段で敵キャラクタを攻撃したとき選択手段により選択された前記キャラクタが敵キャラクタを攻撃する攻撃手段と、プレイヤが顔を動かしたとき、動いた顔に連動して選択された前記キャラクタを移動させる移動制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2はモニタ画面の奥行き部分に敵キャラクタを表示し、手前部分に自キャラクタを表示し、射撃によって相手を倒すガンゲーム装置において、ゲーム機筐体に設置し、プレイヤを撮影するカメラと、敵に対し射撃を行うためのガンコントローラと、前記カメラで撮影したプレイヤの顔を認識する顔認識手段と、前記顔認識手段によりプレイヤの顔を認識した後、モニタに表示されるキャラクタを選択し、プレイヤとキャラクタを対応づける選択手段と、プレイヤが前記ガンコントローラで敵を射撃したとき選択手段により選択された前記キャラクタが敵キャラクタを攻撃する攻撃手段と、プレイヤが顔を動かしたとき、動いた顔に連動して選択された前記キャラクタを移動させる移動制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項1または2記載の発明において前記プレイヤの顔の動きは、プレイヤが上方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の上方に移動させ、プレイヤが下方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の下方に移動させ、プレイヤが右方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の右方向に移動させ、プレイヤが左方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の左方向に移動させることを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項1,2または3記載の発明において前記カメラでプレイヤを撮影できる範囲の外にプレイヤの顔が移動したとき、選択したキャラクタの動きを停止することを特徴とする。
本発明の請求項5は請求項1,2,3または4記載の発明において選択されたキャラクタへのプレイヤの対応付けは、プレイヤの目,鼻,口の顔情報を選択されたキャラクタの目,鼻,口にそれぞれ重ねる処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、全身をセンサで検出している従来技術に比較し顔検出機能で顔面のパーツのみの検出にすることにより全身を使ったオーバーアクションではなく、上半身のみの動きのみで対応できてアクションが大きくならないため、従来のゲーム筐体より省スペース化を図ることができる。
また、ガンゲームにおいて、プレイヤの動きを直に反映させる視点より画面内に自分のキャラクタが存在する視点にすることにより、攻撃判定や被弾判定が特定しやすく「当てた,当てられた」が判り易い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置の外観を示す正面図である。
【図2】本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置でのプレイ状況を説明するための斜視図である。
【図3】モニタに表示されるガンゲーム画面を示す図である。
【図4A】ガンゲームに対する操作・処理の手順を説明するための図で、プレイヤの顔認識から顔移動に対する自機キャラクタの移動状況を示している。
【図4B】ガンゲームに対する操作・処理の手順を説明するための図で、プレイヤがガンコントローラで射撃した場合と、敵キャラクタから被弾した場合を示している。
【図4C】顔を認識できる領域を説明するための図である。
【図5】本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置の操作および動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】カメラ撮影範囲におけるプレイヤの顔の動作に対するキャラクタの動きを説明するためのフローチャートである。
【図8】プレイヤの顔の上下左右の移動に対するキャラクタの移動を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置の外観を示す正面図であり、ガンゲームに適用したものである。
ガンゲーム機10筐体の中央に相手プレイヤのキャラクタおよび自プレイヤのキャラクタを出現させるゲーム画面を表示するモニタ1が配置されている。モニタ1の上部にはプレイヤを投影するためのCCDカメラ2が配置されている。モニタ1の前部にゲームをスタートさせるスタートボタン4およびコイン投入部8が配置されている。ガンゲーム機10筐体の下部右側にガンラック5が設けられ、その中にガンゲーム機10の回路に接続されたケーブル端に取り付けられたガンコントローラ3が収容されている。
【0012】
図2は本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置でのプレイ状況を説明するための斜視図である。
プレイヤ7はCCDカメラ2の前に立ち、ガンコントローラ3をモニタ1に向けて構えている。プレイヤはゲームが開始されても体全体ではなく顔7aを左右または上下方向に動かすのみでゲームを進行させることができる。モニタ1に表示される敵キャラクタをガンコントローラ3で照準し、ガンコントローラ3の射撃のスイッチをオン操作することにより弾が発射される。射撃オンする場合に、敵キャラクタに照準を合わせると、その照準17が画面の上に現れる(図3参照)。照準はガンコントローラの発射口を画面に向け、照準をオンするスイッチ操作をすることにより発生する。
【0013】
図3はモニタに表示されるガンゲーム画面を示す図である。
画面の手前にプレイヤのキャラクタを示すプレイヤ情報表示21が表示され、その隣に自機の体力を示す自機ライフ表示22が表示されている。敵の攻撃で被弾すると自機ライフのバーは減少する。画面の略中央に映し出されている3つの丸形状体は自機が隠れるためのバリア陣地20である。これに対応し、画面の中央上部に敵キャラクタ16が隠れる3つの敵のバリア陣地15が表示されている。
自機キャラクタ19は後ろ向きに画面に映っており、プレイヤが首を動かすことによりバリア陣地20に隠れることができる。自機キャラクタ19からは照準17が発っせられている。照準17は専用ガンコントローラで操作されるレーザのサイトである。一方、敵キャラクタ16は敵バリア陣地15の間に隠れながら、敵弾18を発射している。
【0014】
画面上端付近に敵であるケンタロウ(対戦相手が任意に自分のキャラクタに名前を付けることができる。)を示す対戦相手表示12が表示され、その隣に敵の体力を示す対戦相手ライフ表示13が表示されている。画面上右隅に残り時間を示すカウントダウンするタイム表示14が示されており、残り90秒となっている。
画面上左隅に1プレイヤの表示がなされ、このゲームでの得点を示すスコア表示11が表示されている。256200点獲得している。相手がコンピュータではなく他のガンゲーム機である場合、相手側ゲーム機のモニタにも図3と同じような表示がなされている。この場合、敵キャラクタと自機キャラクタの立場は反対になるように表示される。
【0015】
図4Aはガンゲームに対する操作・処理の手順を説明するための図で、プレイヤの顔認識から顔移動に対する自機キャラクタの移動状況を示している。
プレイヤ7はガンゲーム機10筐体の上部に設置してあるCCDカメラ2の撮影範囲に入ることにより、CCDカメラ2はプレイヤの顔を撮影する(図4A(a))。ガンゲーム機のCPUはCCDカメラ2で撮影された顔を認識するための認識枠31を形成し、その中にプレイヤの顔表示41の眼33となる部分,鼻34となる部分および口35となる部分を捕らえ、回路のメモリ部分にデータベースとして持っている顔表示サンプル画像と比較し、比較した結果、眼,鼻,口が所定の範囲で類似する位置関係になっていることを検知して顔であると認識し、眼,鼻,口の相対的位置情報,形状情報などを回路のメモリ部分で記憶する。図4A(b)にCCDカメラ2により撮影されたプレイヤの顔面を認識枠内に捕らえている状態を示している。なお、認識すべき顔をプレイヤがガンコントローラでプレイヤの顔を射撃することにより特定して上記認識枠を形成させる。
【0016】
つぎに検出した眼,鼻,口よりなる顔情報をプレイヤが自機として選択したキャラクタ36の顔に重ね合わせる。すなわち選択したキャクタの顔にプレイヤの眼,鼻,口の情報より形成される位置,形状のキャラ眼37,キャラ鼻38,キャラ口39を合成する(図4A(c))。このように処理することによりプレイヤの顔が動けば、CPUは画面上で眼,鼻,口を合成した自機キャラクタ36も同じ方向に,対応の距離だけ移動するように処理する。図4A(d)にプレイヤの顔表示41の移動軌跡表示41aに合わせ、自機キャラクタ36もキャラ移動軌跡表示42aのように移動する様子が示されている。
【0017】
図4Bはガンゲームに対する操作・処理の手順を説明するための図で、プレイヤがガンコントローラで射撃した場合と、敵キャラクタから被弾した場合を示している。
図4B(a)においてプレイヤはガンコントローラ3を構えており、ガンコントローラ3の射撃用のスイッチをオンすると、ガンコントローラ3は射撃したときの衝撃が生じる(衝撃が発生したとして衝撃表示43で示してある)。この操作により画面上の自機キャラクタ36のキャラ口39からは弾47が発射される。
【0018】
図4B(b)に示すように自機キャラクタ36が敵弾を浴びた場合、画面上で火花が走ったような形のキャラ被弾表示45が表示される。これに連動してガンコントローラ3に内蔵されているバイブレータに信号が送られ、ガンコントローラ3は振動を起こす(被弾したとして被弾表示44で示してある)。これにより、プレイヤは画面の表示およびガンコントローラ3の振動により敵弾が命中したことを感じることができる。
【0019】
図4Cは顔を認識できる領域を説明するための図である。
CCDカメラ2の撮影範囲の縦横の範囲は顔の付近であり、撮影できる距離は所定の位置までであり、図4C(a)は顔表示領域46に顔71が入っており、その範囲の顔の動きで自機キャラクタが動きゲームが進行する。図4C(b)はプレイヤが所定の距離の外まで後ろにのぞけり、顔表示領域46から外れている状態を示している。CCDカメラ2の顔表示領域46から外れる動きをすると、画面内の自機キャラクタの動きは停止する。
【0020】
図5は、本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置の回路の実施の形態を示すブロック図である。
コイン投入部8からコインが投入されるとコインが検出され、その情報はコイン関連装置53,入出力制御部56を介してCPU51に伝達される。コイン投入の状態、すなわちコイン数・プレイ数などの設定値はバックアップメモリ54に格納される。
スタートボタン4が押されると、ゲーム開始の情報が入出力制御部56を介してCPU51に送られる。CPU51はプレイ開始の情報を受けると、カメラ制御部57を制御し、CCDカメラ2からプレイヤの顔の画像を撮影し、その顔情報を認識するための処理を行う。
【0021】
ガンコントローラ3に設けられている射撃スイッチ3a,照準スイッチ3bから信号入力するとガン制御部55は入力信号を入出力制御部56を介してCPU51に送る。また、CPU51より振動情報が送られてきた場合、バイブレータ3cを作動させガンコントローラ3を振動させる。
CPU51はガンコントローラからの射撃スイッチ3a,照準スイッチ3bのスイッチオン信号により、顔を認識してその情報を得るとともに自機キャラクタを選択する顔認識・キャラクタ選択処理を行う。そしてこの後、プレイヤが選択するゲームモードに従ってガンゲームを進行することとなる。例えば、他のゲーム機を相手とする場合、通信部62を制御し、ネットワークを介して他の店舗のガンゲーム機のプレイヤや同じ店舗のガンゲーム機のプレイヤが対戦相手を待っているか否かの情報を受け、その情報に従って対戦相手を決定する。対戦相手が決定すれば、決定した相手とゲームを行うことができる。
【0022】
ROM61はガンゲーム機筐体全体を制御する制御プログラム,ガンゲームを実行するガンゲームプログラム,顔位置を検出し顔を認識するための顔認識プログラムおよび該ゲーム機に必要なデータが格納されている。
RAM59はゲーム制御部51aなどで行う演算,処理の作業エリアとして用いられるとともに処理によって発生する情報を一時的に記憶する。
CPU51はROM61から制御プログラム,ガンゲームプログラムおよび顔認識プログラムを読み込むことによりゲーム制御部51a,ガンゲーム実行部51b,顔認識部51cおよび顔位置検出部51dの各機能を実現する。
【0023】
ゲーム制御部51aはゲーム開始前の待ち受け状態でのコイン投入などの監視や図示しない電飾などの点灯,点滅などの制御やゲーム終了後の制御などを行う。また、ガンゲーム実行部51bは、コイン投入の後、ゲーム制御部51aから制御が渡され顔位置検出部51d,顔認識部51cによって顔認識を行い、自機キャラクタを選択し、対戦相手を決めた後、ガンゲーム画面を表示する制御を行いゲームを進行させる。
顔位置検出部51dはCCDカメラ2でプレイヤの顔を取り込み、顔の眼,鼻,口の位置を検出する。顔認識部51cは顔の眼,鼻,口の位置情報に対しサンプル画像を参照することによりその画像が顔であると認識する。
【0024】
図6は本発明による顔認識機能を用いたゲーム装置の操作および動作を説明するためのフローチャートである。
モニタ1にはタイトル画面が表示されており、画面にゲーム開始のためコインを投入する旨の表示がなされる(ステップ(以下「S」という)001)。CPU51はプレイヤがコインを入れてスタートボタンを押したか否かを監視している(S002)。
コインが投入されると、コイン投入の情報はコイン関連装置53,入出力制御部56を介して送られ、さらにスタートボタン4が押されるとその情報も入出力制御部56を介して送られてくる。CPU51はカメラ制御部57の制御の下にCCDカメラ2からプレイヤを撮影してカメラ認証画面を表示する(S003)。プレイヤはこの画面を見て自分の該当する顔を認識させるために画面に映った画像を狙ってガンコントローラ3を撃つこととなる。CPU51はプレイヤが画面の画像を狙って撃ったか否か(照準を合わせたか否かでも良い)を判断する?(S004)。すなわち、プレイヤの認証すべき顔を特定する操作を待つ。これによりCPU51は顔認証のための処理を行い、顔認証ができたか否かを判断する(S005)。
【0025】
顔認証ができなければ、モニタ1に「画面が認識できません」を表示し、該当しそうな例を画面に並べる(S006)。そして「もう、一度認証を行います」を表示し(S007)、S003において再度カメラ認証画面の表示を行う。
顔認証ができれば、つぎにキャラクタを選択する画面を表示する(S008)。キャラクタ選択は多数の種類のキャラクタが並んでいる画面の中から、その1つにガンコントローラで照準を合わせることにより選択する。
プレイヤが多数の種類のキャラクタの1つに照準を合わせると、その照準を合わせた画面の位置から選択するキャラクタを特定することができる。
【0026】
CPU51は好きなキャラクタを選択して決定したか否かを監視する(S009)。選択には制限時間があり、制限時間が過ぎた場合、CPU51で予め決めてあるデフォルトのキャラクタを選択することとなる。キャラクタ選択決定された場合、つぎはゲームモードを選択する画面を表示する(S010)。対戦かシングルかのいずれかであり、ガンコントローラの照準を合わせることにより選択する。シングルモードを選択した場合、CPUキャラクタと対戦となり、ゲームスタートとなる(S013,S014)。一方、対戦モードを選択した場合、モニタ1に「対戦相手を待っています」を表示する(S011)。
【0027】
CPU51はモニタ1に待ちの表示を行うとともにネットワーク63を介してサーバ装置にアクセスし、他の店舗のガンゲーム装置で同じように対戦相手を待っているプレイヤを検索する。同じ店舗のガンゲーム機に対しても同様に検索する。
そして対戦相手が見つかったか否かを判断する(S012)。所定の時間、対戦相手を探しても見つからない場合、CPUキャラクタとの対戦となる(S013)。
対戦相手が見つかった場合、図3で示すようなガンゲーム画面を表示してガンゲームを開始する(S014)。時間内1対1の1〜2本勝負の撃ち合いとなって自機の体力が「0」になる前に敵の体力を「0」にすれば勝ちとなる。
CPU51は勝負が決着したか否かを監視することとなる(S015)。
【0028】
勝利した場合(S016)、10勝したか否かを判断する(10勝すれば勝ちとなる)(S018)。敗北した場合(S017)、さらにゲームを継続するか否かを画面表示によってプレイヤに尋ねる(S023)。プレイヤはガンコントローラの照準でコンティニューを選択した場合、S014に戻って再度のガンゲームを行う。継続しない場合には、S001のタイトル画面表示に戻る。
S018において、いまだ10勝になっていない場合、次のラウンドに行くか否かをプレイヤに判断させる(S019)。プレイヤはガンコントローラの照準で次のラウンドを選択した場合、モニタ1に「次の対戦相手を探しにいきます」を表示して(S020)、S011の対戦相手検索のステップに戻る。つぎのラウンドに行かない場合、S001のタイトル画面表示に戻る。
10勝に到達した場合、ゲーム終了となり、賞賛メッセージを表示する(S021)。ついでゲームオーバ(S022)となって、S001のタイトル画面表示に戻る。
【0029】
図7はカメラ撮影範囲におけるプレイヤの顔の動作に対するキャラクタの動きを説明するためのフローチャートである。
図6におけるS014のガンゲームを開始した後の処理であり、CCDカメラによってプレイヤの画像を繰り返し取り込み、制限時間内にプレイヤの顔の移動を検知した場合、キャラクタの移動に反映させる処理を行う。
プレイヤの顔を検知している位置が定位置であるとする(S101)。CPU51は制限時間内か否かを判断する(S102)。制限時間を越えた場合にはプレイヤの画像取り込みによる移動処理は終了する。制限時間内であれば、顔を動かしたか否かを判断する(S103)。これは前回に取り込んだ顔の位置と今回取り込んだ顔の位置を比較することにより知ることができる。
【0030】
動きを検出した場合、その動きがセンサ(カメラの撮影範囲)からはみでるような顔の動きか否かを判断する(S104)。その動きがカメラの撮影範囲からはみ出なければ、画面内の自機キャラクタを、動かした顔を同じ位置に移動する(S104)。一方、カメラの撮影範囲にプレイヤの顔がなくなった場合、顔がはみ出たとして、自機キャラクタの動きを停止する(S105)とともに画面に警告表示する。警告は画面に表示したり、音声を用いたりして元の定位置に戻るよう促す。この結果、プレイヤが顔を動かしてカメラの撮影範囲に戻ったか否かを判断する(S106)。戻ったと判断した場合、画面内の自機キャラクタを、カメラの撮影範囲に戻った位置と同じ位置に移動する(S107)。このような自機キャラクタの移動シーケンスは繰り返し実行される。
【0031】
図8はプレイヤの顔の上下左右の移動に対するキャラクタの移動を説明するための図である。
プレイヤの顔が停止状態において、上に顔が移動すれば、自機キャラクタは上に移動する。同様に右,下および左に顔が移動すれば、自機キャラクタはそれぞれ右,下および左に移動する。プレイヤの顔の動きで、このように上下左右にキャラクタを移動させることができる。
【0032】
以上の実施の形態はガンゲーム機に適用した例を説明したが、ガンゲーム以外の操作を伴うゲーム機でも同様に適用することができる。すなわち、カメラでプレイヤの顔を撮影してプレイヤの顔の動きで、画面上の選択したキャラクタやアイテムを移動させる処理を伴うゲームであるならば、ゲームの種類は問わない。
また、実施の形態における移動を制御するキャラクタは2D表示であっても3D表示であっても、本発明は適用できるものである。
また、顔認識やキャラクタ選択などにプレイヤが操作するスイッチをガンコントローラの射撃スイッチや照準スイッチを使用する例を説明したが、ガンコントローラに設けたスイッチ類を用いずに例えば、操作パネルに設けたスイッチ類を利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
イベント会場やゲームセンタに設置されるガンゲームなどのゲーム装置である。
【符号の説明】
【0034】
1 モニタ
2 CCDカメラ
3 ガンコントローラ
4 スタートボタン
5 ガンラック
6 コインボックス
7 プレイヤ
8 コイン投入部
11 スコア表示
12 対戦相手表示
13 対戦相手ライフ表示
14 タイム表示
15 敵のバリア陣地
16 敵キャラクタ
17 照準
18 敵弾
19 自機キャラクタ
20 バリア陣地
21 プレイヤ情報表示
22 自機ライフ表示
46 顔表示領域
51 CPU
53 コイン関連装置
54 バックアップメモリ
55 ガン制御部
56 入出力制御部
57 カメラ制御部
58 画像処理部
59 RAM
61 ROM
62 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタ画面の奥行き部分に敵キャラクタを表示し、手前部分に自キャラクタを表示し、自キャラクタが敵キャラクタを射撃することによって敵を倒すゲーム装置において、
ゲーム機筐体に設置し、プレイヤを撮影するカメラと、
敵に対し攻撃を加えるための攻撃手段と、
前記カメラで撮影したプレイヤの顔を認識する顔認識手段と、
前記顔認識手段によりプレイヤの顔を認識した後、モニタに表示されるキャラクタを選択し、プレイヤとキャラクタを対応づける選択手段と、
プレイヤが前記攻撃手段で敵キャラクタを攻撃したとき選択手段により選択された前記キャラクタが敵キャラクタを攻撃する攻撃手段と、
プレイヤが顔を動かしたとき、動いた顔に連動して選択された前記キャラクタを移動させる移動制御手段と、
を備えたことを特徴とする顔認識機能を用いたゲーム装置。
【請求項2】
モニタ画面の奥行き部分に敵キャラクタを表示し、手前部分に自キャラクタを表示し、射撃によって相手を倒すゲーム装置において、
ゲーム機筐体に設置し、プレイヤを撮影するカメラと、
敵に対し射撃を行うためのガンコントローラと、
前記カメラで撮影したプレイヤの顔を認識する顔認識手段と、
前記顔認識手段によりプレイヤの顔を認識した後、モニタに表示されるキャラクタを選択し、プレイヤとキャラクタを対応づける選択手段と、
プレイヤが前記ガンコントローラで敵を射撃したとき選択手段により選択された前記キャラクタが敵キャラクタを攻撃する攻撃手段と、
プレイヤが顔を動かしたとき、動いた顔に連動して選択された前記キャラクタを移動させる移動制御手段と、
を備えたことを特徴とする顔認識機能を用いたゲーム装置。
【請求項3】
前記プレイヤの顔の動きは、プレイヤが上方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の上方に移動させ、
プレイヤが下方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の下方に移動させ、
プレイヤが右方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の右方向に移動させ、
プレイヤが左方向に顔を移動させたとき、選択されたキャラクタをモニタ画面の左方向に移動させることを特徴とする請求項1または2記載の顔認識機能を用いたガンゲーム装置。
【請求項4】
前記カメラでプレイヤを撮影できる範囲の外にプレイヤの顔が移動したとき、選択したキャラクタの動きを停止することを特徴とする請求項1,2または3記載の顔認識機能を用いたゲーム装置。
【請求項5】
選択されたキャラクタへのプレイヤの対応付けは、プレイヤの目,鼻,口の顔情報を選択されたキャラクタの目,鼻,口にそれぞれ重ねる処理を行うことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の顔認識機能を用いたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−284305(P2010−284305A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139948(P2009−139948)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】