説明

顔面マッサージ器具

【課題】 場所や時間を選ばず、顔面のマッサージを簡単に行える顔面マッサージ器具を提供する。
【解決手段】 器具本体2を全長80mm、幅3.5mmの略棒状に形成する。指圧部3は外径7mmの球状に拡幅し、握り部4は長さ25mm、幅8mmの断面略楕円状に拡幅し、全体をプラスチックで一体成形する。握り部4は、その一面に器具本体2の長手方向に沿う平坦面4aを形成し、持つ際に親指を乗せ易くする。指圧部3の内部には、100ミリテスラの磁力を有する外径3mmの球状の磁石5をその磁極が器具本体2の前後を向くように埋設する。この顔面マッサージ器具1を握り部4の位置で持ち、指圧部3を例えば目の周囲・額・こめかみ等の各部位に当てて軽く力を加えると、その刺激作用と磁石5の磁気作用で、各部位の血行促進・肌の活性化・疲労回復等の効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔面の所定部位を軽い力で指圧することで血行促進・肌の活性化・疲労回復等の効果を生じさせる顔面マッサージ器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の顔面マッサージ器具としては、球状のローラーを顔面に当てて回転させるローラー式マッサージ具、ブラシで顔面を摩擦するマッサージ用ブラシ、吸引部材を顔面に当てて肌を吸引する吸引式マッサージ具、ボール状の磁石を顔面に当ててオイルで潤滑しながら回転させるボール式マッサージ具が特許文献1〜4に開示されている。また、足・腰・肩のつぼに押し当ててマッサージする指圧棒が特許文献5に開示されている。
【0003】
ところで、上記いずれの器具は、主にエステティック店や自宅で使用するものであるから、形状が大きく使用時にはオイル等を必要とするものもあり、携帯には不向きで外出先において手軽に使用できるものではなかった。また、従来の指圧棒は足・腰・肩等を強い力で押さえるものであるから、デリケートな顔面の肌の手入れや指圧用には不適であった。
【特許文献1】実用新案登録第3129403号公報
【特許文献2】実用新案登録第3020510号公報
【特許文献3】実用新案登録第3106586号公報
【特許文献4】実用新案登録第3131777号公報
【特許文献5】実用新案登録第3099938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、場所や時間を選ばず、顔面のマッサージを簡単に行える顔面マッサージ器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 顔面の所定部位を軽い力で指圧することでマッサージ効果を生じさせる顔面マッサージ器具であって、器具本体が略棒状で、前端部は丸みを帯びた形状に拡幅して指圧部とし、後端部は握り部とし、指圧部の内部に磁石を埋設したことを特徴とする、顔面マッサージ器具
2) 器具本体の指圧部と握り部との間の幅を湾曲し易い寸法に形成した、前記1)記載の顔面マッサージ器具
3) 握り部が、断面略楕円状に拡幅し、その一面に器具本体の長手方向に沿う平坦面を形成したものである、前記1)又は2)記載の顔面マッサージ器具
4) 器具本体の長さが60〜100mmの範囲で、指圧部の外径が6〜8mmの範囲である、前記1)〜3)いずれか記載の顔面マッサージ器具
5) 磁石を握り部の内部に埋設した、前記1)〜4)いずれか記載の顔面マッサージ器具
6) 磁石が、永久磁石又は磁化した金属体あるいはそれらの組み合わせで、且つ30〜180ミリテスラの磁力を有するものである、前記1)〜5)いずれか記載の顔面マッサージ器具
7) 遠赤外線又はマイナスイオンを発生する粉体又は粒体あるいは同粉体を含有して粒状に固化させたセラミックスを器具本体を構成する素材に混入するか、前記粉体をバインダーに混合して器具本体の表面に塗装した、前記1)〜6)いずれか記載の顔面マッサージ器具
にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、顔面マッサージ器具を握り部の位置で持ち、指圧部を顔面の部位(例えば目の周囲・額・こめかみ等)に当てて力を軽く加えることで、その刺激作用と埋設した磁石による磁気作用で、各部位の血行促進・肌の活性化・疲労回復等の効果を奏する。
【0007】
磁気作用は、磁力が血管内のヘモグロビン鉄に働きかけて血流を促すことで筋肉疲労が改善されるとともに、磁力が血液中のイオンを増やし、イオンが神経に働きかけることでマッサージ効果が発生する。また、従来の器具と比較して形状が小さいから、使用が容易で携行にも適しており、デスクワークの気分転換や目の疲れを解し、女性の肌の手入れ用具として最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明では、指圧部は丸みを帯びた形状、好ましくは球状に形成し、強く指圧しても肌を傷つけないようにする。その内部に埋設される磁石は、指圧部の外形と略同一の形状に形成するとともに、磁極(S極又はN極)が器具本体の前後を向くように指圧部の中心位置に埋設する。
【0009】
磁石としては、アルニコ磁石・フェライト磁石・ネオジム磁石等の永久磁石や、強い磁力で磁化して磁性を保持できるようにした金属体、あるいはそれらを組み合わせたものがあり、強い磁力を有するネオジム磁石が好ましい。磁力(表面磁束密度)としては30〜180ミリテスラの範囲が実用的で、30ミリテスラ以下では磁気作用の効果が低く、180ミリテスラ以上では磁力が強すぎて人体やペースメーカー等への悪影響が懸念される。
【0010】
器具本体の指圧部と握り部との間の幅を湾曲し易い寸法に形成すると、使用時に器具本体の途中部分が変形して指圧力を適度に緩和するとともに指圧力をほぼ一定にし、また、肌に沿って滑らせながら指圧し易くなる。握り部は、断面略楕円状に拡幅し、その一面に器具本体の長手方向に沿う平坦面を形成すると、その平坦面に親指を乗せ易くなり、持った状態が安定して部位に力をかけ易い。
【0011】
器具本体の素材としてはプラスチックが一般的であるが、その他硬質なゴムなども使用可能である。これらは金型による成形等で製作され、任意の色彩に着色される。表面には抗菌材を塗装して衛生に使用できるようにしてもよい。器具本体の長さは60〜100mmの範囲が携行及び使用に適した寸法で、特に指圧部の外径を6〜8mmと小さく形成することにより、従来の指圧器具や指等では指圧が困難であった目の周囲等の細かい部位への指圧が容易となる。
【0012】
握り部の内部にも磁石(永久磁石又は磁化した金属体あるいはそれらの組み合わせ)を埋設すると、指圧部より広い面積の指圧が可能で、指圧部に持ち替えて握り部を部位に当てることで、異なる部位に使い分けができて便利である。この場合、磁石は磁極が器具本体の前後に対して直交する向きに埋設する。
【0013】
遠赤外線又はマイナスイオンを発生する粉体又は粒体あるいは同粉体を含有して粒状に固化させたセラミックスを器具本体を構成する素材に混入するか、前記粉体をバインダーに混合して器具本体の表面に塗装すると、マッサージと並行してこれらの効能を得ることができる。粉体又は粒体としては、麦飯石・トルマリン石等の自然石がある。また、二酸化ケイ素・酸化アルミニウム・酸化カルシウム・酸化鉄等の成分が含有された海泥の粉体も使用できる。
【0014】
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1〜3に示す実施例1は、指圧部に永久磁石を埋め込んだ顔面マッサージ器具の例である。図1は実施例1の顔面マッサージ器具の斜視図、図2は実施例1の顔面マッサージ器具の断面図、図3は実施例1の顔面マッサージ器具の使用状態を示す説明図である。図中、1は顔面マッサージ器具、2は器具本体、3は指圧部、4は握り部、4aは平坦面、5は磁石、Hは使用者の肌である。
【0016】
実施例1の顔面マッサージ器具1は、図1,2に示すように器具本体2を全長80mm、幅3.5mmの略棒状に形成している。指圧部3は外径7mmの球状に拡幅し、握り部4は長さ25mm、幅8mmの断面略楕円状に拡幅し、全体をプラスチックで一体成形している。握り部4は、その一面に器具本体2の長手方向に沿う平坦面4aを形成している。
【0017】
指圧部3の内部には、100ミリテスラ(1000ガウス)の磁力を有する外径3mmの球状のネオジム磁石からなる磁石5をその磁極が器具本体2の前後を向くように中心位置に埋設し、プラスチックと一体成形している。また、磁石5に代えて磁化した金属体を用いてもよく、磁石5と磁化した金属体を組み合わせてもよい。
【0018】
この顔面マッサージ器具1を握り部4の位置で持ち、図3に示すように指圧部3を例えば目の周囲・額・こめかみ等の各部位に当てて力を軽く加えると、その刺激作用と埋設した磁石5の磁気作用で、各部位の血行促進・肌の活性化・疲労回復等の効果を奏する。このとき、握り部4の平坦面4aに親指を乗せ易くなっているから、持った際に安定して部位に力をかけやすい。また、器具本体2の途中部分が変形して指圧力を適度に緩和するとともに指圧力をほぼ一定にし、また、使用者の肌Hに沿って滑らせながら指圧し易い。
【実施例2】
【0019】
図4に示す実施例2は、握り部の内部にも磁石を埋設した顔面マッサージ器具の例である。図4は実施例2の顔面マッサージ器具の断面図である。実施例2の顔面マッサージ器具1は、図4に示すように握り部4の内部にも指圧部3の磁石5と同程度の磁力を有する磁石5を埋設している。握り部4の磁石5は、その磁極が器具本体2の前後に対して直交する向きにしている。指圧部3の磁石5及び握り部4の磁石5の磁力はそれぞれ100ミリテスラである。
【0020】
実施例2では、実施例1と同様に顔面マッサージ器具1を握り部4の位置で持ち、指圧部3を目の周囲・額・こめかみ等の各部位に当てて軽く力を加えて使用する。広い面積の指圧が求められる部位に使用する場合は、指圧部3に持ち替え、握り部4を部位に当てて使用する。例えば目の周囲などの細かい部位は小径の指圧部3を当て、それ以外の部位は指圧部3に持ち替えて大径の握り部4を当てるなどして使い分けする。その他、符号、構成は実施例1と同じである。
【実施例3】
【0021】
図5に示す実施例3は、器具本体を構成する素材に海泥の粉末を混入した顔面マッサージ器具の例である。図5は実施例3の顔面マッサージ器具の部分断面図である。図中、6は粉体である。実施例3の顔面マッサージ器具1は、図5に示すように5〜10ミクロンの海泥の粉体6を樹脂100重量%に対して5〜10重量%混入している。したがって、指圧中に粉体6から遠赤外線やマイナスイオンが放射され、マッサージと並行してこれらの効能を得ることができる。その他、符号、構成は実施例1と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の顔面マッサージ器具は、やや大きめに形成すると、顔面だけでなく足・腰・肩等をマッサージするための指圧棒としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例の顔面マッサージ器具の斜視図である。
【図2】実施例1の顔面マッサージ器具の断面図である。
【図3】実施例1の顔面マッサージ器具の使用状態を示す説明図である。
【図4】実施例2の顔面マッサージ器具の断面図である。
【図5】実施例3の顔面マッサージ器具の部分断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 顔面マッサージ器具
2 器具本体
3 指圧部
4 握り部
4a 平坦面
5 磁石
6 粉体
H 使用者の肌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面の所定部位を軽い力で指圧することでマッサージ効果を生じさせる顔面マッサージ器具であって、器具本体が略棒状で、前端部は丸みを帯びた形状に拡幅して指圧部とし、後端部は握り部とし、指圧部の内部に磁石を埋設したことを特徴とする、顔面マッサージ器具。
【請求項2】
器具本体の指圧部と握り部との間の幅を湾曲し易い寸法に形成した、請求項1記載の顔面マッサージ器具。
【請求項3】
握り部が、断面略楕円状に拡幅し、その一面に器具本体の長手方向に沿う平坦面を形成したものである、請求項1又は2記載の顔面マッサージ器具。
【請求項4】
器具本体の長さが60〜100mmの範囲で、指圧部の外径が6〜8mmの範囲である、請求項1〜3いずれか記載の顔面マッサージ器具。
【請求項5】
磁石を握り部の内部に埋設した、請求項1〜4いずれか記載の顔面マッサージ器具。
【請求項6】
磁石が、永久磁石又は磁化した金属体あるいはそれらの組み合わせで、且つ30〜180ミリテスラの磁力を有するものである、請求項1〜5いずれか記載の顔面マッサージ器具。
【請求項7】
遠赤外線又はマイナスイオンを発生する粉体又は粒体あるいは同粉体を含有して粒状に固化させたセラミックスを器具本体を構成する素材に混入するか、前記粉体をバインダーに混合して器具本体の表面に塗装した、請求項1〜6いずれか記載の顔面マッサージ器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−28520(P2009−28520A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162761(P2008−162761)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(592158545)
【Fターム(参考)】