説明

顕微鏡装置

【課題】暗視野照明及び明視野照明による画像を独立かつ同時に取得することにより、検査時間を短縮して、作業効率を向上させる。
【解決手段】対物レンズ41は、試料12からの光を集光する光学系41aを保持する内筒41bと、内筒41bの外壁を囲繞し且つ同心に設けられた鏡筒41cとを備える。照明光学系20は、偏光子25とリング状の1/2波長板27とを含む。検出光学系40は、一方が偏光子25と平行ニコル条件を満足し、他方が偏光子25と直交ニコル条件を満足する第1及び第2の検光子43,44を有する。撮像装置として、試料12からの光を対物レンズ41及び第1の検光子43を介して撮像する第1の撮像素子51と、暗視野照明による試料12からの光を対物レンズ41及び第2の検光子44を介して撮像する第2の撮像素子52とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造の後工程においては、半導体ウエハ、液晶表示パネル用基板といった基板等の表面を検査する工程で顕微鏡が多用される。このような検査に使用される顕微鏡装置では、基板(試料)の表面を対物レンズを介して照明して、その正反射光を受光する明視野照明観察や、基板の表面を対物レンズの開口数よりも大きな角度で照明して、基板表面からの散乱光を受光する暗視野照明観察が用いられている。
【0003】
明視野照明観察で得られた画像は、基板の構造などの観察に適しているが、微小な欠陥やゴミ・キズなどの欠陥検査には不適であり、このような欠陥検査には暗視野照明観察が用いられる。
【0004】
このように明視野照明観察と暗視野照明観察にはそれぞれ特長があり、明視野照明観察と暗視野照明観察とを切り替えてこれら両方の照明を実現する顕微鏡装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−116030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように明視野照明観察と暗視野照明観察とを切り替える観察手法によれば、試料の任意の一か所の明視野画像と暗視野画像を得るために、照明方法を切り替えて2度撮影するという操作が必要である。
【0007】
しかしながら、近年、液晶テレビ等の大型化に伴い、基板サイズが大型化している。例えば、G10と呼ばれる第10世代の液晶用ブランクは、基板サイズが約3メートル角にもなる。このように試料が大型化し、試料上に観察したい位置が複数存在する場合、観察者は、試料を載置した大型のステージ上を(従来のようにステージ側ではなく)顕微鏡を移動させて、試料上の各位置にて上記操作を行わなければならず、検査に時間がかかり、作業効率が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、暗視野照明観察及び明視野照明観察による画像を独立かつ同時に取得することにより、検査時間を短縮して、作業効率を向上させることができる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するため、本発明は、光源から出射された照明光を試料に照射する照明光学系と、対物レンズを通して前記試料からの光を集光する検出光学系と、前記検出光学系により集光された前記試料の像を撮像する撮像装置とを有する顕微鏡装置において、前記対物レンズは、前記試料からの光を集光する光学系を保持する内筒と、前記内筒の外壁を囲繞し且つ前記内筒と同心に設けられた鏡筒とを備え、前記照明光学系は、偏光子と、リング状の1/2波長板とを含み、前記偏光子及び前記1/2波長板を介した前記照明光のうち、光軸を含む中央部分を前記内筒に保持された前記光学系に集光させて前記
試料に照射する明視野照明光路と、周辺部分を前記内筒の外壁と前記鏡筒との間を通して前記対物レンズの開口数よりも大きな角度で前記試料に照射する暗視野照明光路とを有し、前記検出光学系は、一方が前記偏光子と平行ニコル条件を満足し、他方が前記偏光子と直交ニコル条件を満足する第1の検光子及び第2の検光子を有し、前記撮像装置は、前記明視野照明による前記試料からの光を前記対物レンズ及び前記第1の検光子を介して撮像する第1の撮像素子と、前記暗視野照明による前記試料からの光を前記対物レンズ及び前記第2の検光子を介して撮像する第2の撮像素子とを有する。
【0010】
なお、本発明において、前記1/2波長板は、前記暗視野照明光路に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明において、前記1/2波長板は、前記対物レンズの瞳位置又は瞳位置近傍に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明において、前記対物レンズが複数装着され、任意の対物レンズを光軸上に切り換え配置可能なレボルバを有し、前記レボルバ内に、各対物レンズに共通の前記1/2波長板が設置されることが好ましい。
【0013】
また、本発明において、以下の条件式を満足することが好ましい。
【0014】
0.8< h×β/D ≦1.0
但し、
h:前記光源の対角線の長さ、
β:前記照明光学系の光源倍率、
D:前記対物レンズの瞳径。
【0015】
また、本発明において、前記偏光子、前記第1の検光子及び前記第2の検光子は、前記それぞれ光軸を中心として回転可能に構成されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明において、前記検出光学系は、前記対物レンズにより集光された前記試料からの光を前記第1の検光子及び前記第2の検光子へと導く光分割部材を有し、前記偏光子は、光軸を中心に回転可能に構成され、前記第1の検光子及び第2の検光子は、前記光分割部材とともにユニット化されていることが好ましい。
【0017】
また、本発明において、前記光分割部材は、ビームスプリッターであってもよい。
【0018】
また、本発明において、前記光分割部材は、ハーフミラーであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、暗視野照明観察及び明視野照明観察による画像を独立かつ同時に取得することにより、検査時間を短縮して、作業効率を向上させることができる顕微鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る顕微鏡装置の概略断面図である。
【図2】本実施形態に係る1/2波長板の概要図である。
【図3】各光学素子(偏光子、1/4波長板、第1の検光子、第2の検光子)の軸方向を、顕微鏡装置の上部から見た図である。
【図4】明視野画像の取得時における光路及び偏光状態を模式的に表した図である。
【図5】暗視野画像の取得時における光路及び偏光状態を模式的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示す顕微鏡装置1は、ステージ11上に載置された試料12(例えば、半導体ウエハ、液晶表示パネル用基板等の基板など)に光源21から出射された照明光を照射する照明光学系20と、試料12からの光を集光する検出光学系40と、この検出光学系40により集光された試料12の像を撮像する第1及び第2の撮像素子51,52とを有して構成される。
【0022】
照明光学系20は、光軸に沿って順に並んだ、光源21(例えば、白色LEDやハロゲンランプなど)と、光源21からの光を平行光に変換するコリメータレンズ22と、コリメータレンズ22により変換された平行光を結像するリレーレンズ23と、視野絞りSと、リレーレンズ23と視野絞りSによって一部が遮られた光を再び平行光とするフィールドレンズ24と、偏光子25と、第1のハーフミラー(ビームスプリッターでも可)26と、図2に示すようなリング状の1/2波長板27を含む対物レンズ41とを有して構成される。
【0023】
偏光子25は、その光学軸が所定の方位に設定されており(図3参照)、入射光(本実施形態においては、フィールドレンズ24からの非偏光光)を前記光学軸に応じた方位の直線偏光にする。第1のハーフミラー26は、偏光子25を介した光源21からの照明光を反射して対物レンズ41の光軸と平行な光束とし、対物レンズ41内に導くことによって明視野照明及び暗視野照明を実現すると共に、対物レンズ41を介した試料12からの光を透過させる。リング状の1/2波長板27は、入射する直線偏光の方位が該波長板の光学軸に対してなす角度θ(本実施形態においてはθ=45°)である場合(図3参照)、元の直線偏光から2θ(本実施形態においてはθ=90°)だけ光軸を中心に回転させた直線偏光にする。
【0024】
対物レンズ41は、試料12からの光を集光する光学系41aを保持する内筒41bと、内筒41bの外壁を囲繞し且つ内筒41bと同心に設けられた鏡筒41cとを備え、内筒41bの外壁と鏡筒41cとの間に形成された空間(後述の暗視野照明光路29)の光源21側には1/2波長板27が配置されている。このとき、1/2波長板27は、前記空間内の対物レンズ41の瞳位置又は瞳位置近傍と一致するように配置されていることが好ましい。
【0025】
なお、本実施形態においては、倍率の異なる対物レンズ41を複数装着し、任意の対物レンズを光軸上に切り換え配置可能であるレボルバ(不図示)内に、各対物レンズ41に共通の1/2波長板27を設置する構成とすることも可能である。このときも、1/2波長板27は、各対物レンズ41の瞳位置又は瞳位置近傍と一致するように配置されていることが好ましい。
【0026】
このような構成の照明光学系20は、光源21から出射された照明光のうち、光軸を含む中央部分を対物レンズ41の内筒41bに保持された光学系41aに集光させて試料12に照射する明視野照明光路28(図4参照)と、照明光の周辺部分を対物レンズ41の内筒41bの外壁と鏡筒41cとの間を通して対物レンズ41の開口数よりも大きな角度で試料12に照射する暗視野照明光路29(図5参照)とを備えており、これら2つの照明光路28,29を用いて明視野照明と暗視野照明を同時に行えるようになっている。
【0027】
すなわち、照明光学系20によれば、光源21から出射された照明光は、コリメータレンズ22により平行光にされ、リレーレンズ23により結像され、視野絞りSを経て、フィールドレンズ24により再び平行光にされ、偏光子25を経て、第1のハーフミラー26で反射され、対物レンズ41へと導かれる。対物レンズ41へ導かれた照明光のうち、
光軸を含む中央部分が明視野照明光路28に入射し、周辺部分が暗視野照明光路29に入射する。平行光として明視野照明光路28に入射した照明光は、図4に示すように、対物レンズ41の内筒41bに保持された光学系41aにより集光されて、ステージ11上の試料12を明視野照明する。これと同時に、図5に示すように、平行光として暗視野照明光路29に入射した照明光は、対物レンズ41の内筒41bの外壁と鏡筒41cとの間に入射してリング状の1/2波長板27を透過した後、ステージ11上の試料12に対物レンズ41の開口数よりも大きな角度で照射されて、試料12を暗視野照明する。
【0028】
なお、照明光学系20は、上述のように光源21を明視野照明と暗視野照明とで共用しているが、明視野照明を行う際には明る過ぎる(眩し過ぎる)ことなく、暗視野照明を行う際には十分な明るさを確保するために、以下の条件式を満足することが好ましい。
【0029】
0.8< h×β/D ≦1.0
但し、
h:光源21の対角線の長さ、
β:照明光学系20の光源倍率、
D:対物レンズ41の瞳径。
【0030】
検出光学系40は、第1のハーフミラー26及び対物レンズ41を照明光学系20と共用し、光軸に沿って試料12側から順に並んだ、対物レンズ41と、第1のハーフミラー26と、第2のハーフミラー(ビームスプリッターでも可)42と、第1の検光子43と、第2の検光子44とを有して構成される。
【0031】
第2のハーフミラー42は、試料12からの反射光のうち、明視野照明によるものを透過して第1の検光子43へと導き、1/2波長板27を通過した暗視野照明によるものを反射して第2の検光子44へと導く。第1及び第2の検光子43,44は、一方が偏光子25による偏光成分と同じ成分の偏光を通過させ、他方が偏光子25による偏光成分と異なる成分の偏光を通過させる(本実施形態においては、前者が第1の検光子43、後者が第2の検光子44)。
【0032】
検出光学系40によれば、明視野照明による試料12からの反射光は、図4に示すように、対物レンズ41の内筒41bに保持された光学系41aにより集光され、第1のハーフミラー26及び第2のハーフミラー42を透過し、第1の検光子43を介して、第1の撮像素子51に結像される。これと同時に、暗視野照明による試料12からの散乱光は、図5に示すように、対物レンズ41の内筒41bに保持された光学系41aにより集光され、第1のハーフミラー26を透過し、第2のハーフミラー42により反射され、第2の検光子44を介して、第2の撮像素子52に結像される。
【0033】
第1の撮像素子51は、検出光学系40により集光された明視野照明による試料12からの光を受けて、試料12の明視野像を撮像する(図4参照)。これと同時に、第2の撮像素子52は、検出光学系40により集光された暗視野照明による試料12からの光を受けて、試料12の暗視野像を撮像する(図5参照)。このような第1及び第2の撮像素子51,52としては、例えばCCDやCMOS等を使用することが可能である。
【0034】
第1及び第2の撮像素子51,52により取得された明視野像及び暗視野像の画像データは、不図示のディスプレイ等の表示画面に表示して観察することができる。このとき、前記ディスプレイ等において、左右2分割したり、上下2分割したりして、同時に表示するようにしてもよい。
【0035】
なお、明視野照明と暗視野照明との各観察像の画像データを取り込むタイミングは、例
えば、(試料12が比較的小型である場合はステージ11を移動可能な構成とした上で)ステージ11や(試料12が大型である場合は顕微鏡装置1がステージ11上を移動可能な構成とした上で)顕微鏡装置1の移動を検出するセンサ(不図示)を設け、このセンサから出力される検出信号からステージ11や顕微鏡装置1が停止したことを検出し、この停止の検出タイミングに同期して、第1及び第2の撮像素子51,52を撮像動作させて、それらの画像データを取り込んでもよい。
【0036】
また、第1及び第2の撮像素子51,52の撮像により取得される画像から試料12の移動の有無を検出し、この停止の検出タイミングに同期して第1及び第2の撮像素子51,52を撮像動作させ、それらの画像データを取り込むように構成してもよい。
【0037】
続いて、上記構成を有する顕微鏡装置1の偏光状態について説明する。
【0038】
図3に示すように、1/2波長板27は、その光学軸が偏光子25の軸に対して45度をなすように配置されている。また、第1及び第2の検光子43,44は、一方が偏光子25と平行ニコル条件を満足し(本実施形態においては、第1の検光子43の軸が偏光子25の軸に対して平行となるように)、他方が偏光子25と直交ニコル条件を満足するように(本実施形態においては、第2の検光子44の軸が偏光子25の軸に対して直交するように)配置されている。なお、1/2波長板の軸方向は、偏光子25の軸に対して左右どちらを向いていてもよい。
【0039】
なお、偏光子25、1/2波長板27、第1及び第2の検光子43,44は、それぞれ上記条件を満足した状態が保てるように、光軸を中心として回転可能にして微調整できるように構成されていることが好ましい。
【0040】
また、偏光子25のみを光軸を中心に回転可能にして微調整できるようにし、1/2波長板27は対物レンズ41と、第1及び第2の検光子43,44は第2のハーフミラー42とユニット化する構成としてもよい。この構成によれば、上記条件を満足した状態が保てるように調整が必要な場合は偏光子25だけを回転させればよいため、観察者の負担を減らすことが可能である。
【0041】
図4、図5は、明視野画像の取得時、暗視野画像の取得時における偏光状態を模式的に示したものであり、実線の円は各光学素子における軸方向を示し、破線の円P11〜P13はいずれも光を受け取る側から見た偏光状態を示す。図4、図5に示すように、顕微鏡装置1では、非偏光光である光源1からの照明光(偏光状態P11)は、コリメータレンズ22、リレーレンズ23、視野絞りS、フィールドレンズ24を順に通過する。ここまでは照明光の偏光方向は特に変換されず、照明光は非偏光のままである(すなわち、偏光状態P11)。続いて、照明光は、偏光子25に入射して直線偏光に変換された後(偏光状態P12)、第1のハーフミラー26で反射され、明視野照明光路28と暗視野照明光路29とに導かれる。
【0042】
明視野照明光路28に入射した照明光は、図4に示すように、対物レンズ41の内筒41bに保持された光学系41aにより集光され、偏光状態P12のまま試料12に照射される。これと同時に、暗視野照明光路29に入射した照明光は、図5に示すように、対物レンズ41の内筒41bの外壁と鏡筒41cとの間に設けられた1/2波長板27に入射し、元の直線偏光(偏光状態P12)から90度光軸を中心に回転した直線偏光に変換されて(偏光状態P13)、対物レンズ41の開口数よりも大きな角度で試料12に照射される。
【0043】
明視野照明による試料12からの反射光は、図4に示すように、偏光状態P12のまま
、対物レンズ41の内筒41bに保持された光学系41aにより集光され、第1のハーフミラー26を透過し、第2のハーフミラー42により第1の検光子43と第2の検光子44とに導かれる。第1及び第2の検光子43,44に導かれる試料12からの反射光は、上記したように偏光状態がP12であり、これは第1の検光子43の偏光方向と同じ(平行)であることから、そのまま第1の検光子43を透過して、第1の撮像素子51により撮像される。これに対し、第2の検光子44の偏光方向とは直交するため、第2の検光子44でブロックされ、第2の撮像素子52に入射する(撮像される)ことはない。
【0044】
一方、暗視野照明による試料12からの散乱光は、図5に示すように、偏光状態P13のまま、対物レンズ41の内筒41bに保持された光学系41aにより集光され、第1のハーフミラー26を透過し、第2のハーフミラー42により第1の検光子43と第2の検光子44とに導かれる。第1及び第2の検光子43,44に導かれる試料12からの散乱光は、上記したように偏光状態がP13であり、これは第2の検光子44の偏光方向と同じ(平行)であることから、そのまま第2の検光子44を透過して、第2の撮像素子52により撮像される。これに対し、第1の検光子43の偏光方向とは直交するため、第1の検光子43でブロックされ、第1の撮像素子51に入射する(撮像される)ことはない。
【0045】
以上のような構成である本実施形態に係る顕微鏡装置によれば、暗視野照明及び明視野照明による画像を独立かつ同時に取得することができる。その結果、従来の明視野照明と暗視野照明とを切り替える毎に撮像する方法よりも検査時間を大幅に短縮して、作業効率を向上させることができる。
【0046】
さらに、本実施形態の顕微鏡装置によれば、絞りや、ミラー等の駆動部材を含む明視野照明と暗視野照明の切り替え機構が不要となるため、高速化だけではなく、発塵を抑制できる。このことは発塵による汚染の防止に繋がるので、特に基板検査用の顕微鏡装置にとっては大きなメリットとなる。
【0047】
なお、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0048】
例えば、上述の実施形態においては、照明方式として、落射照明を採用した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、試料の背後から照明光を照射する透過照明においても適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 顕微鏡装置
11 ステージ
12 試料
20 照明光学系
21 光源
25 偏光子
26 第1のハーフミラー
27 1/2波長板
28 明視野照明光路
29 暗視野照明光路
40 検出光学系
41 対物レンズ
41a 光学系
41b 内筒
41c 鏡筒
42 第2のハーフミラー(光分割部材)
43 第1の検光子
44 第2の検光子
51 第1の撮像素子
52 第2の撮像素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射された照明光を試料に照射する照明光学系と、対物レンズを通して前記試料からの光を集光する検出光学系と、前記検出光学系により集光された前記試料の像を撮像する撮像装置とを有する顕微鏡装置において、
前記対物レンズは、前記試料からの光を集光する光学系を保持する内筒と、前記内筒の外壁を囲繞し且つ前記内筒と同心に設けられた鏡筒とを備え、
前記照明光学系は、偏光子と、リング状の1/2波長板とを含み、前記偏光子及び前記1/2波長板を介した前記照明光のうち、光軸を含む中央部分を前記内筒に保持された前記光学系に集光させて前記試料に照射する明視野照明光路と、周辺部分を前記内筒の外壁と前記鏡筒との間を通して前記対物レンズの開口数よりも大きな角度で前記試料に照射する暗視野照明光路とを有し、
前記検出光学系は、一方が前記偏光子と平行ニコル条件を満足し、他方が前記偏光子と直交ニコル条件を満足する第1の検光子及び第2の検光子を有し、
前記撮像装置は、前記明視野照明による前記試料からの光を前記対物レンズ及び前記第1の検光子を介して撮像する第1の撮像素子と、前記暗視野照明による前記試料からの光を前記対物レンズ及び前記第2の検光子を介して撮像する第2の撮像素子とを有することを特徴とする顕微鏡装置。
【請求項2】
前記1/2波長板は、前記暗視野照明光路に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項3】
前記1/2波長板は、前記対物レンズの瞳位置又は瞳位置近傍に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の顕微鏡装置。
【請求項4】
前記対物レンズが複数装着され、任意の対物レンズを光軸上に切り換え配置可能なレボルバを有し、
前記レボルバ内に、各対物レンズに共通の前記1/2波長板が設置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
【請求項5】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
0.8< h×β/D ≦1.0
但し、
h:前記光源の対角線の長さ、
β:前記照明光学系の光源倍率、
D:前記対物レンズの瞳径。
【請求項6】
前記偏光子、前記第1の検光子及び前記第2の検光子は、前記それぞれ光軸を中心として回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
【請求項7】
前記検出光学系は、前記対物レンズにより集光された前記試料からの光を前記第1の検光子及び前記第2の検光子へと導く光分割部材を有し、
前記偏光子は、光軸を中心に回転可能に構成され、
前記第1の検光子及び第2の検光子は、前記光分割部材とともにユニット化されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
【請求項8】
前記光分割部材は、ビームスプリッターであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。
【請求項9】
前記光分割部材は、ハーフミラーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の顕微鏡装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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