説明

顧客応対システムおよび顧客応対データ登録プログラム

【課題】顧客に対する対応から顧客及び商品に関するマイナス要因を迅速に把握する。
【解決手段】入力端末6から送信されてくる顧客応対データ21を顧客応対データ・データベース2に順次登録していく顧客応対データ登録装置3は、複数の危険用語24を記憶する危険用語指定メモリ33と、各入力端末6から顧客応対データ21が入力される毎に、当該顧客応対データ21に含まれる危険用語24を検出する危険用語検出手段39と、検出された危険用語24の個数Nに応対する数を出現ポイント数Pとして計数する危険出現ポイント数カウンタ34と、この危険出現ポイント数カウンタの計数値Pが予め定められた上限値に達すると、当該顧客12と当該顧客応対データ21とを含む警報報告28を外部の管理者端末4へ出力する報告出力手段41,42とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客と電話で応対する担当者にて入力端末へ操作入力された顧客応対データを顧客対応データ登録装置の顧客応対データ・データベースに登録する顧客応対システム、および、顧客応対データ・データベースへ顧客対応データを登録する顧客対応データ登録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各企業や団体等においては、自己が不特定多数の顧客に対して物やサービスを有償、無償で提供した場合において、各顧客からの提供された物やサービスの各商品に対する質問、苦情、感想、関連商品の開発、販売予定等のあらゆる顧客からの用件を電話で受付けるコールセンターと称される顧客応対システムが設けられている。
【0003】
このような顧客応対システムにおいては、顧客に対する応対業務を行う各担当者の席には、外部の公衆電話回線網に接続された構内交換機(PBX)に接続された電話端末と、電話端末を介して顧客が述べた各商品に対するあらゆる用件とこれら用件に対する担当者の応答とを、担当者が操作入力するための入力端末とが配設されている。
【0004】
各担当者にて各入力端末へ操作入力された顧客が述べた用件からなる顧客データと担当者の応答からなる担当者データとを含む顧客応対データは、この各入力端末に対して例えばLANの伝送路を介して接続された顧客応対データ登録装置に送信されて、この顧客応対データ登録装置内に設けられた顧客応対データ・データベースに、例えば、商品別、又は商品と顧客との組合せ毎に登録される。
【0005】
各企業や団体の開発担当者、販売担当者、品質保証担当者は、後日、この顧客応対データ・データベースに登録された多数の顧客応対データを例えば統計処理を行うことにより、業務に必要な情報を取得するようにしている。
【0006】
品質保証担当者にとっては、「顧客が該当商品によって怪我等を受けて病院に運ばれた」、「該当商品に火災が発生した」、「該当商品を食べて中毒を起こした」、「該当商品から異臭が生じている」等の緊急を有する情報をこの顧客応対データ・データベースからいち早く抽出する必要がある。
【0007】
なお、特許文献1には、入力部から入力された文章における主語と述語との間に存在する単語の数を計数し、単語の数が所定数以上の場合は、該当文書は悪文であるとして、警告メッセージを表示し、文書作成者に対して前記文章の修正を促す技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002―278954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような緊急を要する情報であっても、この情報処理を、商品開発、販売戦略(マーケッチング解析)と同じタイミングで例えば業務時間外におけるバッチ処理にて実施していた。
【0009】
したがって、当該顧客、又は当該商品に対する対策が遅れてしまい、当該顧客に不快感を与える問題が乗じる懸念がある。また、商品欠陥の場合は対策が遅れると同一仕様の他の商品に同様な問題が生じる懸念がある。
【0010】
さらに、顧客対応データに急を必要とする情報が含まれているか否かの明確な判断基準が設定されていないので、解析担当者によって実施される対応策が異なる不都合が生じる懸念もある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、顧客応対データに顧客や商品に対して危険であると考えられる情報が含まれているか否かを、当該顧客応対データが登録された時点で客観的に判断でき、前記顧客対応データに含まれる危険用語に関連する顧客又は商品に対する不都合が再発することが未然に防止でき、システムの信頼性を大幅に向上できる顧客応対システム、および、この顧客応対システムで用いる顧客応対データ登録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、順次操作入力される各顧客の用件に含まれる用語を入力画面上に顧客応対データとして表示していき、一つの用件の入力終了操作に応じて入力画面に表示された顧客応対データを出力する複数の入力端末と、この各入力端末から出力される各顧客応対データを入力して用件毎に顧客応対データ・データベースに順次登録していく顧客応対データ登録装置とを備えた顧客応対システムにおいて、
顧客応対データ登録装置は、予め指定された複数の危険用語を記憶する危険用語指定メモリと、各入力端末から顧客応対データが入力される毎に、当該顧客応対データに含まれる危険用語を検出する危険用語検出手段と、この危険用語検出手段で検出された危険用語の個数に応対する数を出現ポイント数として計数する危険出現ポイント数カウンタと、この危険出現ポイント数カウンタの計数値が予め定められた上限値に達すると、当該顧客と当該顧客応対データとを含む警報報告を外部へ出力する報告出力手段とを有する。
【0013】
このように構成された顧客応対システムにおいては、顧客応対データ登録装置内には、予め指定された複数の危険用語を記憶する危険用語指定メモリが設けられている。そして、顧客応対データが顧客応対データ登録装置に入力されたタイミングで、顧客応対データに、怪我、病院、治療等の危険用語指定メモリに記憶された危険用語が予め定められた上限数に達すると、自動的に顧客応対データを含む警告報告が出力される。
【0014】
したがって、顧客応対データに顧客や商品に対して危険であると考えられる情報が含まれているか否かを、当該顧客応対データが登録された時点で客観的に判断でき、前記顧客対応データに含まれる危険用語に関連する顧客又は商品に対する異常が再発することが未然に防止できる。
【0015】
また、別の発明は、上述した発明の顧客応対システムにおける顧客応対データ登録装置は、危険用語検出手段にて検出された危険用語を顧客応対データに含まれる他の用語に対して強調表示する強調表示指示を当該顧客応対データの送出元の入力端末へ送出する強調表示指示送出手段を有する。さらに、各入力端末は、顧客応対データ登録装置から強調表示指示を入力すると、入力画面上に表示中の顧客応対データに含まれる危険用語を強調表示する危険用語強調表示手段を有する。
【0016】
このように構成された顧客応対システムにおいては、例えば顧客と電話応対している担当者が、入力端末へ顧客応対データを入力して、入力終了操作を行うと、この顧客応対データが顧客応対データ登録装置に送信されるとともに、この顧客応対データに危険用語が含まれると、入力画面上に表示中の顧客応対データに含まれる危険用語が強調表示される。したがって、担当者も今回応対した顧客に顧客自身、又は該当顧客が所持する商品に異常が生じたことを確認できる。
【0017】
また、別の発明は、上述した発明の顧客応対システムにおける危険用語指定メモリは、予め指定された複数の危険用語を記憶するとともに、各危険用語毎に、前記出現ポイントに対する重み付けを記憶している。さらに、危険出現ポイント数カウンタにおける前記危険用語の個数に応対する数は、各危険用語の個数を当該危険用語の重み付けで補正した数を加算した数である。
【0018】
このように構成された顧客応対システムにおおいては、危険用語指定メモリに記憶された各危険用語相互間に重み付けがされているので、例えば「死亡」等の危険度の高い危険用語が顧客応対データに含まれると、出現ポイント数が一気に上昇して、警報報告が直ちに出力される。
【0019】
また、別の発明は顧客応対データ登録プログラムである。すなわち、この発明の顧客応対データ登録プログラムは、順次操作入力される各顧客の用件に含まれる用語を入力画面上に顧客応対データとして表示していき、一つの用件の入力終了操作に応じて入力画面に表示された顧客応対データを出力する複数の入力端末に接続され、各入力端末から出力される各顧客応対データを入力して用件毎に顧客応対データ・データベースに順次登録していくコンピュータを、予め指定された複数の危険用語を記憶する危険用語記憶手段、各入力端末から顧客応対データが入力される毎に、危険用語記憶手段に記憶された危険用語に一致する危険用語を検出する危険用語検出手段、この危険用語検出手段で検出された危険用語の個数に応対する数を出現ポイント数として計数する危険出現ポイント数計数手段、この危険出現ポイント数数計数手段の計数値が予め定められた上限値に達すると、当該顧客と当該顧客応対データとを含む警報報告を外部へ出力する報告出力手段として機能させる。
【0020】
このように構成された顧客応対データ登録プログラムにおいては、前述した顧客応対システムとほぼ同じ作用効果を奏する。
【0021】
さらに別の発明においては、上記発明の顧客応対データ登録プログラムに対して、コンピュータを、危険用語検出手段にて検出された危険用語を顧客応対データに含まれる他の用語に対して入力端末における入力画面上で強調表示する強調表示指示を当該顧客応対データの送出元の入力端末へ送出する強調表示指示送出手段として機能させることを付加している。
【0022】
さらに別の発明においては、上記発明の顧客応対データ登録プログラムにおける危険用語記憶手段は、予め指定された複数の危険用語を記憶するとともに、各危険用語毎に、前記出現ポイントに対する重み付けを記憶している。さらに、危険出現ポイント数計数手段における危険用語の個数に応対する数は、各危険用語の個数を当該危険用語の重み付けで補正した数を加算した数である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、顧客応対データに顧客や商品に対して危険であると考えられる情報が含まれているか否かを、当該顧客応対データが登録された時点で客観的に判断でき、顧客対応データに含まれる危険用語に関連する顧客又は商品に対する不都合が再発することが未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わる、物やサービスの商品を不特定多数の人に有償又は無償で提供する各企業や団体内に構築された顧客応対システムの概略構成図である。例えばLAN等の伝送路1に、内部に顧客応対データ・データベース2が設けられた顧客応対データ登録装置3、管理者端末4、警告灯5、複数の入力端末6が接続されている。例えばコンピュータで構成された前記顧客応対データ登録装置3は内部の記憶部に記憶されている顧客応対データ登録プログラムによって各種の処理動作を行う。
【0026】
各入力端末6は、顧客12と電話で応対する担当者7の机上に置かれ、同一机上には構内交換機(PBX)9に接続された電話端末8が置かれている。構内交換機9は外部の公衆電話回線網10に接続されている。前述した商品を購入した顧客12は自己の電話(顧客電話11)で顧客応対システムの代表電話番号を呼出せば、待ち状態の担当者7の電話端末8の呼び出し音が鳴り、待ち状態の担当者7がハンドセットを取上げ、担当者7は顧客12と通話が可能となる。
【0027】
図2は、コンピュータからなる各入力端末6の概略図である。この入力端末6内には、担当者7がキーボード等の入力部13を用いて操作入力された用件(顧客データ)や担当者の応答(担当者データ)を表示部14の表示画面上で入力するための入力画面を記憶する入力画面メモリ15が設けられている。
【0028】
図3は、入力画面メモリ15から読出されて表示部14に表示された入力画面16を示す図である。この入力画面16には、受付番号、担当者、顧客名、顧客住所、商品名、日付等の書誌的事項17を入力するための領域17a、顧客12が述べた用件の各用語を担当者7がそのまま話し用語で顧客データ18として入力するための顧客データ領域18a、担当者7が顧客12へ述べた応答の各用語を担当者7自体が担当者データ19として入力するための担当者データ領域19aが形成されている。
【0029】
したがって、担当者7の顧客12との応対時間が長くなると、顧客データ18、担当者データ19のデータ量が長くなる。表示部14に表示された入力画面16を用いて入力された各データは入力バッファ20にも並列して書込まれる。
【0030】
担当者7は、顧客12との応対が終了すると、入力部13で入力終了操作を行う。顧客応対データ送信部22は、表示部14に表示され、入力バッファ20に記憶されている書誌的事項17、顧客データ18、担当者データ19を顧客応対データ21として、伝送路1を介して顧客応対データ登録装置3へ送信する。
【0031】
強調表示指示入力部23へ顧客応対データ登録装置3から危険用語24を指定した強調表示指示27が入力されると、図4(a)に示すように、強調表示部25が現在表示部14の顧客データ領域18aに表示中の顧客データ18に含まれる危険用語24を他の用語に比較して拡大文字で表示する。又は、図4(a)に示すように、強調表示部25が現在表示部14の顧客データ領域18aに表示中の顧客データ18に含まれる危険用語24を下線(アンダーライン)で表示する。
【0032】
図5は各入力端末6の動作を示す流れ図である。電源が投入され、担当者7がログイン操作を行う(ステップS1)。そして、担当者7が電話端末8に応答して顧客12と応対が開始されると、表示部14に図3に示す新規の入力画面16を表示する(ステップS2)。そして、担当者、顧客名、顧客住所、商品名、日付等の書誌的事項17が入力されると(ステップS3)、この書誌的事項17を入力画面16に表示するとともに入力バッファ20に書込む(ステップS4)。
【0033】
担当者7によって入力部13から1つの用語が入力されると(ステップS5)、その用語が顧客12の場合は(ステップ6)、顧客データ領域18aへ書込み(ステップS7)、担当者7の場合は(ステップ6)、担当者データ領域19aへ書込む(ステップS8)。
【0034】
入力部13から入力終了指示が入力されないと(ステップS9)、ステップS5へ戻り、次の1つの用語が入力されるのを待つ。
【0035】
入力部13から入力終了指示が入力されると(ステップS9)、入力バッファ20に記憶されている顧客応対データ21を顧客応対データ登録装置3へ送信する(ステップS10)。
【0036】
危険用語24を指定した強調表示指示27が入力されると(ステップS11)、現在表示部14の顧客データ領域18aに表示中の顧客データ18に含まれる危険用語24を強調表示する(ステップS12)。そして、担当者7の確認操作が実施されると(ステップS13)、一人の顧客12に対する応対処理を終了して、ステップS2へ戻る。
【0037】
このように各入力端末6は、顧客12に対する顧客応対データ21を対応が終了した時点で顧客応対データ登録装置3へ送信する。
【0038】
図6は、顧客応対データ登録装置3の概略構成を示すブロック図である。このコンピュータからなる顧客応対データ登録装置3内には、各入力端末6から送信されてきた各顧客応対データ21を受信する受信部26、各入力端末6へ危険用語24を指定した強調表示指示27を送信するとともに、管理者端末4へ警報報告28を送出し、管理者端末4の近傍位置に配設された警報灯5に点灯指示29を送出する送信部30が設けられている。
【0039】
また、補助記憶装置としてのHDD31には、顧客応対データ・データベース2、危険用語指定メモリ33、危険出現ポイント数カウンタ34、報告条件メモリ35、報告テンプレート36、表示条件メモリ37が設けられている。
【0040】
顧客応対データ・データベース2内には、図7に示すように、各入力端末6から受信した、書誌的事項17、顧客データ18、担当者データ19からなる顧客応対データ21が順次書込まれる。書誌的事項17は、前述したように、受付番号、担当者、商品名、顧客氏名、日付等で構成される。
【0041】
危険用語指定メモリ33内には、図8に示すように、顧客12が担当者7と応対している間に述べる顧客12に対する危害、不安等、および商品に対する欠陥、事故、欠点、中傷等を意味する複数の危険用語24が記憶されている。なお、顧客データ18を検索するときに、文字列で検索するので、各動詞の語尾変化もそれぞれ、独立した危険用語24として設定されている。
【0042】
危険出現ポイント数カウンタ34は、図9に示すように、各入力端末6から受信して顧客応対データ・データベース2に書込まれた各顧客応対データ21毎に、より具体的には、受付番号毎に、顧客データ18に含まれる危険用語24の数Nから求めた出現ポイント数P、当該出現ポイント数Pに対して設定される危険状態フラグが設定される。
【0043】
なお、この第1実施形態の顧客応対システムにおいては、顧客データ18の出現ポイント数Pは、顧客データ18に含まれる危険用語24の数Nに等しく設定している(P=N)。
【0044】
危険状態フラグは、危険度ランクに応じて、注意フラグ、重要フラグ、緊急フラグとの3種類存在するが、各フラグの設定条件は、図10に示す報告条件メモリ35に予め定められている。
【0045】
報告条件メモリ35内には、図10に示すように、管理者端末4へ送出する「注意報告」、「重要報告」、「緊急報告」の3種類の警告報告28の報告条件を危険用語24の出現ポイント数Pで定義している。注意報告は出現ポイント数Pが最初に3又は4に達した時点で送出される。重要報告は出現ポイント数Pが最初に5以上9以下の値に達した時点で送出される。緊急報告は出現ポイント数Pが最初に10以上になった時点で送出される。
【0046】
なお、図9の注意フラグ、重要フラグ、緊急フラグの各設定タイミングは、「注意報告」、「重要報告」、「緊急報告」の各送出タイミングに一致している。
【0047】
さらに、報告条件メモリ35内には、「注意報告」、「重要報告」、「緊急報告」の各報告先情報が記憶されている。報告先情報として、氏名、各管理端末4のアドレス、URL等が設定されている。
【0048】
報告テンプレート36は、図11に示すように、「注意報告」、「重要報告」、「緊急報告」に記載する内容の各項目が記憶されている。具体的には、報告対象の顧客応対データ21の受付番号、担当者、商品、顧客、出現ポイント数P、日付、注意,重要,緊急の危険度ランク、危険用語24が識別できる顧客データ18、担当者データ19とで構成されている。
【0049】
表示条件メモリ37には、図12に示すように、危険用語24を含む顧客データ18を入力端末6の表示部14に表示する場合における危険用語24の表示形態が記憶されている。図12においては、危険用語24を拡大文字で表示する。その他に、危険用語24を下線(アンダーライン)で表示することもある。
【0050】
さらに、図6の顧客応対データ登録装置3内には、アプリケーション・プログアム上に形成された、顧客応対データ登録部38、危険用語検出部39、危険度ランク判定部40、報告作成部41、報告送出部42、危険用語強調表示指示送出部43等が設けられている。
【0051】
顧客応対データ登録部38は、各入力端末6から受信部26へ入力した顧客応対データ21における書誌的事項17の商品と顧客との組合せ[商品+顧客]で図7の顧客応対データ・データベース2に既に記憶されている各顧客応対データ21を検索して、同一組合せが存在すれば、この新規に入力した顧客応対データ21における顧客データ18および担当者データ19を既に書込まれている同一組合せの顧客応対データ21における顧客データ18、担当者データ19にそれぞれ書き加える。また、日付は重複記載とする。同一組合せが存在しなければ、この新規に入力した顧客応対データ21を新規の欄に書込む。
【0052】
危険用語検出部39は、顧客応対データ・データベース2に一つの入力端末6から入力した顧客応対データ21が書込まれた時点で、この顧客応対データ21が書込まれた欄の顧客応対データ21の顧客データ18に含まれる危険用語指定メモリ33で指定された危険用語24を検出して、危険用語24の数Nを出現ポイント数Pに変換して、図9の危険出現ポイント数カウンタ34の対応する顧客応対データ21(受付番号)の領域に書込む。
【0053】
なお、既に、同一顧客応対データ21(受付番号)の領域に出現ポイント数Pが書込まれていた場合は、この前回の出現ポイント数Pを今回の出現ポイント数Pに書換える。また、前述したように、この第1実施形態の顧客応対システムにおいては、顧客データ18の出現ポイント数Pは、顧客データ18に含まれる危険用語24の数Nに等しく設定している(P=N)。
【0054】
危険度ランク判定部40は、危険出現ポイント数カウンタ34の危険用語検出部39で更新された欄の出現ポイント数Pが報告条件メモリ35に設定された「注意報告」、「重要報告」、「緊急報告」のどの危険度ランクに対応するかを判定して、危険状態フラグを設定する。さらに、危険度ランク判定部40は判定した危険度ランクを報告作成部41へ送出する。
【0055】
報告作成部41は、顧客応対データ・データベース2に書込まれている顧客応対データ21の判定された危険度ランクの警報報告28を図11の報告テンプレート36を用いて作成して、報告送信部42へ送出する。さらに、報告作成部41は、今回の顧客応対データ21の顧客データ18に含まれる危険用語24を危険用語強調表示指示送出部43へ送出する。
【0056】
報告送信部42は、送信部30を介して、警報報告28を報告条件メモリ35に危険度ランクで指定された報告先の管理者端末4へ送信する。さらに、報告送信部42は、送信部30を介して、警報報告28の報告先の管理者端末4の近傍に設けられた警告灯5へ点灯指示29を送出する。
【0057】
危険用語強調表示指示送出部43は、表示所条件メモリ37で指定された強調方式の強調表示指示27を危険用語24を付して、送信部30を介して、顧客応対データ21の送信元の入力端末6へ送出する。
【0058】
図13は、顧客応対データ登録装置3の全体動作を示す流れ図である。受信部26に、入力端末6から顧客応対データ21が受信すると(ステップQ1)、入力した顧客応対データ21を顧客応対データ・データベース2の新規の欄に書込む。なお、入力した顧客応対データ21における商品と顧客との組合せ[商品+顧客]で顧客応対データ・データベース2を検索して、同一組合せ[商品+顧客]がある場合は、担当者7が、過去に、同一商品に対して同一顧客12と応対しているので、今回の顧客応対データ21は前回の顧客応対データ21の追加であると見なす。したがって、前回と同一の欄へ書込む(ステップQ2)。
【0059】
顧客応対データ・データベース2の該当欄の顧客応対データ21における顧客データ18に危険用語24があるかを検索する(ステップQ3)。危険用語24が含まれる場合(ステップQ4)、危険出現ポイント数カウンタ34に該当顧客応対データ21(受付番号)の出現ポイント数Pが設定済みかを調べる(ステップQ5)。出現ポイント数Pが設定されていない場合は(ステップQ6)、危険出現ポイント数カウンタ34の新規の欄に受付番号および出現ポイント数Pを設定する(ステップQ7)。そして、この設定した出現ポイント数Pが報告条件メモリ35に定められた「注意報告」、「重要報告」、「緊急報告」のいずれかの報告条件(危険度ランク)を満たす場合にのみ(ステップQ8)、対応する危険状態フラグを設定する(ステップQ9)。
【0060】
ステップQ6にて、出現ポイント数Pが既に設定されていた場合は、この出現ポイント数Pを今回の出現ポイント数Pに書き換える(ステップQ10)。そして、この書き換えた出現ポイント数Pが報告条件メモリ35に定められた「注意報告」、「重要報告」、「緊急報告」のいずれかの報告条件(危険度ランク)を満たす場合(ステップQ11)で、かつ書き換える前の出現ポイント数Pの報告条件(危険度ランク)と異なる(更新された)場合(ステップQ12)に、対応する危険状態フラグを設定する(ステップQ13)。なお、前回と同じ報告条件(危険度ランク)の場合は、同じ危険度ランクの警報報告28が送出されることを防止するために、なにもせずにステップQ1へ戻る。
【0061】
そして、図14のステップQ14にて、顧客応対データ・データベース2に書込まれている該当顧客応対データ21の危険状態フラグに対応する危険度ランクの警報報告28を作成する。この作成した警報報告28を報告条件メモリ35に指定された報告先の管理者端末4へ送信する(ステップQ15)。その後、報告先の管理者端末4の近傍に設けられた警告灯5へ点灯指示29を送出する(ステップQ16)。さらに、危険用語24を指定した強調表示指示27を顧客応対データ21の送信元の入力端末6へ送出する(ステップQ17)。
【0062】
このように構成された第1実施形態の顧客応対システムにおいては、担当者7が顧客12と応対したときの顧客応対データ21を入力する複数の入力端末6から各顧客応対データが送信されてくる顧客応対データ登録装置3内には、予め指定された複数の危険用語24を記憶する危険用語指定メモリ33が設けられている。
【0063】
そして、顧客応対データ21が顧客応対データ登録装置3に入力されたタイミングで、顧客応対データ21に含まれる、怪我、病院、治療等の危険用語指定メモリ33に記憶された危険用語24の数Nに対応する出現ポイントPが報告条件メモリ35で予め定められた各報告条件(危険度ランク)に達すると、自動的に危険用語24が識別表示された顧客応対データ18を含む警告報告28が管理者端末4へ送信される。
【0064】
したがって、管理者端末4を監視している管理者は、顧客応対データ21に顧客や商品に対して危険であると考えられる情報としての危険用語24が含まれているか否かを、当該顧客応対データ21が顧客応対データ登録装置3の顧客応対データ・データベース2に登録された時点で客観的に判断でき、顧客対応データ21に含まれる危険用語24に関連する顧客又は商品に対する異常が再発することが未然に防止できる。
【0065】
さらに、顧客12と電話応対している担当者7が、入力端末6の入力画面16上で顧客応対データ21を入力して、入力終了操作を行うと、この顧客応対データ21が顧客応対データ登録装置3に送信されるとともに、この顧客応対データ21に危険用語24が含まれると、図4に示すように、入力画面16上に表示中の顧客応対データ21の顧客データ18に含まれる危険用語24が例えば拡大文字や下線で強調表示される。したがって、担当者7も今回応対した顧客12に顧客自身、又は該当顧客が所持する商品に異常が生じたことを確認できる。
【0066】
(第2実施形態)
図15は本発明の第2実施形態に係わる顧客応対システムを構成する顧客応対データ登録装置3のHDD31内に形成された危険用語指定メモリ33aの記憶内容を示す図である。また、図16は同第2実施形態の顧客応対データ登録装置3のHDD31内に形成された表示条件メモリ37aの記憶内容を示す図である。その他の構成は図1、図6に示した第1実施形態に係わる顧客応対システム及び顧客応対データ登録装置3の構成とほぼ同じであるので説明を省略する。
【0067】
この第2実施形態の危険用語指定メモリ33a内には図15に示すように、複数の危険用語24が、互いに関連するものどうしで複数のグループにグループ分けされている。例えばAグル−プには「切れる」「切れた」「切った」の3つの危険用語24が所属し、Bグル−プには「病院」「治療」「入院」の3つの危険用語24が所属している。
【0068】
さらに、図16に示す表示条件メモリ37a内には、図17に示すように、危険用語24を含む顧客データ18を入力端末6の表示部14に表示する場合における危険用語24の表示形態が記憶されている。図16においては、(1)危険用語24を拡大文字で表示する。(2)Aグル−プの危険用語を赤色表示する。(3)Bグル−プの危険用語を青色表示する。と指定されている。
【0069】
したがって、図6の危険用語強調表示指示送出部43は、危険用語24を指定した図16に示す表示条件メモリ37aの内容の表示指示27を作成して、入力端末6へ送信する。その結果、図17に示すように、入力端末6の表示部14の入力画面16の顧客データ18におけるAグループの「切れた」の危険用語24は、15文字ポイントで拡大表示されるとともに赤色表示される。また、顧客データ18におけるBグループの「病院」「治療」「入院」の3つの危険用語24は、15文字ポイント拡大表示されるとともに青色表示される。
【0070】
このように構成された第2実施形態に係わる顧客応対システムにおいては、入力画面16上に表示中の顧客応対データ21の顧客データ18に含まれる危険用語24が例えば拡大文字で強調表示されるとともにグループ分け表示される。
【0071】
したがって、担当者7も今回応対した顧客12に顧客自身、又は該当顧客が所持する商品に異常が生じたことを確認できるとともに、異常の傾向を把握することが可能である。
【0072】
(第3実施形態)
図18は本発明の第3実施形態に係わる顧客応対システムを構成する顧客応対データ登録装置3のHDD31内に形成された危険用語指定メモリ33bの記憶内容を示す図である。図15に示す第2実施形態の危険用語指定メモリ33aと同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。さらに、その他の構成は図1、図6に示した第1実施形態に係わる顧客応対システム及び顧客応対データ登録装置3の構成とほぼ同じであるので説明を省略する。
【0073】
この第3実施形態の危険用語指定メモリ33b内には図18に示すように、第2実施形態の危険用語指定メモリ33aと同じように、複数の危険用語24が、互いに関連するものどうしで複数のグループにグループ分けされている。例えばAグル−プには「切れる」「切れた」「切った」の3つの危険用語24が所属し、Bグル−プには「病院」「治療」「入院」の3つの危険用語24が所属している。さらに、この第3実施形態の危険用語指定メモリ33bにおいては、Aグル−プおよびBグル−プに所属する各危険用語24には、危険度に応じた重み付けWが設定されている。なお、重み付けWが設定されていないグループもある。
【0074】
この重み付けWは、図6の危険用語検出部39において、顧客データ18に含まれる各危険用語24の数を出現ポイント数Pに変換するときに用いる。すなわち、検出された各危険用語24毎の数n1、n2、n3、n4、…に対して各危険用語24毎の重み付けW1、W2、W3、W4、…をそれぞれ乗算した値を加算した値を出現ポイント数Pとしている。
【0075】
1・W1+n2・W2+n3・W3+n4・W4+…=P
そして、この出現ポイント数Pに基づいて顧客データ18の危険度ランクを判定している。
【0076】
したがって、例えば「入院」等の危険度の高い危険用語24が顧客応対データ21に含まれると、出現ポイント数Pが一気に上昇して、警報報告28が直ちに出力されるので、管理者端末4を監視している企業や団体の管理者は即座に対策を講じることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる顧客応対システムの概略構成図。
【図2】同実施形態に係わる顧客応対システムに組込まれた入力端末の概略構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の入力端末における表示部に表示された入力画面を示す図。
【図4】同実施形態の入力端末における表示部に表示された入力画面における顧客データを示す図。
【図5】同実施形態の入力端末における顧客応対データの入力処理動作を示す流れ図。
【図6】同実施形態に係わる顧客応対システムに組込まれた顧客応対データ登録装置の概略構成を示すブロック図。
【図7】同実施形態の顧客応対データ登録装置内に形成された顧客応対データ・データベースの記憶内容を示す図。
【図8】同実施形態の顧客応対データ登録装置内に形成された危険用語指定メモリの記憶内容を示す図。
【図9】同実施形態の顧客応対データ登録装置内に形成された危険出現ポイント数カウンタの記憶内容を示す図。
【図10】同実施形態の顧客応対データ登録装置内に形成された報告条件メモリの記憶内容を示す図。
【図11】同実施形態の顧客応対データ登録装置内に形成された報告テンプレートの記憶内容を示す図。
【図12】同実施形態の顧客応対データ登録装置内に形成された表示条件メモリの記憶内容を示す図。
【図13】同実施形態の顧客応対データ登録装置における顧客応対データの登録処理動作を示す流れ図。
【図14】同じく同実施形態の顧客応対データ登録装置における顧客応対データの登録処理動作を示す流れ図。
【図15】本発明の第2実施形態に係わる顧客応対システムの顧客応対データ登録装置内に形成された危険用語指定メモリの記憶内容を示す図。
【図16】同実施形態の顧客応対データ登録装置内に形成された表示条件メモリの記憶内容を示す図。
【図17】同実施形態の入力端末における表示部に表示された入力画面における顧客データを示す図。
【図18】本発明の第3実施形態に係わる顧客応対システムの顧客応対データ登録装置内に形成された危険用語指定メモリの記憶内容を示す図。
【符号の説明】
【0078】
1…伝送路、2…顧客応対データ・データベース、3…顧客応対データ登録装置、4…管理者端末、5…警告灯、6…入力端末、7…担当者、8…電話端末、12…顧客、14…表示部、16…入力画面、17…書誌的事項、18…顧客データ、19…担当者データ、21…顧客応対データ、24…危険用語、33,33a,33b…危険用語指定メモリ、34…危険出現ポイント数カウンタ、35…報告条件メモリ、36…報告テンプレート、37,37a…表示条件メモリ、38…顧客応対データ登録部、39…危険用語検出部、40…危険度ランク判定部、41…報告作成部、42…報告送出部、43…危険用語強調表示指示送出部、44…重み付け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次操作入力される各顧客の用件に含まれる用語を入力画面上に顧客応対データとして表示していき、一つの用件の入力終了操作に応じて前記入力画面に表示された顧客応対データを出力する複数の入力端末と、この各入力端末から出力される各顧客応対データを入力して用件毎に顧客応対データ・データベースに順次登録していく顧客応対データ登録装置とを備えた顧客応対システムにおいて、
前記顧客応対データ登録装置は、
予め指定された複数の危険用語を記憶する危険用語指定メモリと、
前記各入力端末から顧客応対データが入力される毎に、当該顧客応対データに含まれる危険用語を検出する危険用語検出手段と、
この危険用語検出手段で検出された危険用語の個数に応対する数を出現ポイント数として計数する危険出現ポイント数カウンタと、
この危険出現ポイント数カウンタの計数値が予め定められた上限値に達すると、当該顧客と当該顧客応対データとを含む警報報告を外部へ出力する報告出力手段とを有する
ことを特徴とする顧客応対システム。
【請求項2】
前記顧客応対データ登録装置は、前記危険用語検出手段にて検出された危険用語を前記顧客応対データに含まれる他の用語に対して強調表示する強調表示指示を当該顧客応対データの送出元の入力端末へ送出する強調表示指示送出手段を有し、
前記各入力端末は、前記顧客応対データ登録装置から強調表示指示を入力すると、前記入力画面上に表示中の顧客応対データに含まれる危険用語を強調表示する危険用語強調表示手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載の顧客応対システム。
【請求項3】
前記危険用語指定メモリは、予め指定された複数の危険用語を記憶するとともに、各危険用語毎に、前記出現ポイントに対する重み付けを記憶し、
前記危険出現ポイント数カウンタにおける前記危険用語の個数に応対する数は、各危険用語の個数を当該危険用語の重み付けで補正した数を加算した数である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の顧客応対システム。
【請求項4】
順次操作入力される各顧客の用件に含まれる用語を入力画面上に顧客応対データとして表示していき、一つの用件の入力終了操作に応じて前記入力画面に表示された顧客応対データを出力する複数の入力端末に接続され、前記各入力端末から出力される各顧客応対データを入力して用件毎に顧客応対データ・データベースに順次登録していくコンピュータを、
予め指定された複数の危険用語を記憶する危険用語記憶手段、
前記各入力端末から顧客応対データが入力される毎に、前記危険用語記憶手段に記憶された危険用語に一致する危険用語を検出する危険用語検出手段、
この危険用語検出手段で検出された危険用語の個数に応対する数を出現ポイント数として計数する危険出現ポイント数計数手段、
この危険出現ポイント数数計数手段の計数値が予め定められた上限値に達すると、当該顧客と当該顧客応対データとを含む警報報告を外部へ出力する報告出力手段
として機能させるための顧客応対データ登録プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記危険用語検出手段にて検出された危険用語を前記顧客応対データに含まれる他の用語に対して前記入力端末における入力画面上で強調表示する強調表示指示を当該顧客応対データの送出元の入力端末へ送出する強調表示指示送出手段
として機能させるための請求項4記載の顧客応対データ登録プログラム。
【請求項6】
前記危険用語記憶手段は、予め指定された複数の危険用語を記憶するとともに、各危険用語毎に、前記出現ポイントに対する重み付けを記憶し、
前記危険出現ポイント数計数手段における前記危険用語の個数に応対する数は、各危険用語の個数を当該危険用語の重み付けで補正した数を加算した数である
ことを特徴とする請求項4又は5記載の顧客応対データ登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−141163(P2007−141163A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337426(P2005−337426)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】