説明

風洞において使用するオートパイロットシステム

車両(13)のための車道システム(10)と、車道システム(10)上で車両(13)を試験するための方法が、提供される。車道システム(10)および/または方法は、車両(13)を支持するように構成される少なくとも1つの可動エンドレスベルト(22)を有する、プラットフォーム(16)を含む。センサアセンブリ(36;42;44)は、少なくとも1つの基準軸に対するベルト(22)上の車両(13)の位置、変位、速度、および/または加速を示す、出力信号を提供するように構成される。オートパイロットシステム(28;40)は、出力信号に基づいて、基準軸に対してベルト(22)上の車両(13)を制御するために、車両(13)の構成要素を操作するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の議論は、一般的背景技術情報のために提供されるものにすぎず、請求される主題の範囲を判定する際の補助として使用されることを意図するものではない。
【0002】
本発明の側面は、車道上を進行するあらゆる種類の車両等、表面上を移動する車体の実験試験の際に使用される、機器および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一例として、自動車等の車両を参照すると、シミュレーションされた車道の使用が、車両設計の開発において重要となりつつある。これらの車道シミュレータは、概して、は、車両の下方に設置され、1つ以上の車輪に係合する、および/または車両の他の車体パネルの下方に位置付けられる、1つ以上の個々のエンドレスベルトを備える。ベルトは、道路上における車両の運転をシミュレートするように駆動される。一般に、車道シミュレータは、空力特性を測定するように、風洞内に配置される。概して、車道シミュレータは、流量特性の現実性を改善し、空力特性の測定の向上をもたらす。
【0004】
車両は、典型的には、縦方向(前後)、横方向(側側)、およびヨー(操縦運動)における移動から、車両を拘束する連結具を通して、シミュレーションされた車道に対して拘束される。一般に、車両拘束部は、受動的拘束部であって、車両の動態に影響を及ぼすことはないが、所望に応じて、拘束の異なる方向において、負荷を測定するために使用可能である。車両は、ロール、ピッチ、および垂直方向における自由な移動が維持されており、所望に応じて、ロール、ピッチ、および垂直方向における空気力学的力に対して、力の入力が、試験車両に追加され、車両に及ぼすスピード上昇の影響、コーナリング等をシミュレート可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両のための車道システムと、車道システム上で車両を試験するための方法が、提供される。車道システムおよび/または方法は、車両を支持するように構成される少なくとも1つの可動エンドレスベルトを有する、プラットフォームを含む。センサアセンブリは、少なくとも1つの基準軸に対するベルト上の車両の位置、変位、速度、および/または加速を示す、出力信号を提供するように構成される。オートパイロットシステムは、出力信号に基づいて基準軸に対してベルト上の車両を制御するために、車両の構成要素を操作するように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車道システムおよび/または方法の第1の実施形態では、センサアセンブリは、車両に近接するベルトの運動方向に対して直角の方向にベルトを横断する、車両の横方向位置、変位、速度、および/または加速度を感知するように配置され、オートパイロットシステムは、車両の操縦を制御するように構成される。
【0007】
さらに別の実施形態では、車道システムおよび/または方法は、車両に近接するベルトの運動方向において、ベルトに沿って、車両の縦方向の位置、変位、速度、および/または加速度を感知するように配置される。オートパイロットシステムは、車両のスピードを制御するように構成される。また、本実施形態は、所望に応じて、上述のように、車両の感知および操縦を含むことが可能である。
【0008】
さらなる実施形態では、ファンは、エンドレスベルト上に空気を吹き込むように構成され、プラットフォームは、ファンに対して、エンドレスベルトを選択的に配向し、車両がベルト上を移動の間、少なくとも部分的横風をシミュレートするように可動である。プラットフォームは、所望に応じて、空気が吹き込んでいる間、および/またはベルトが移動している間、転動可能である。
【0009】
別の実施形態では、車道システムおよび/または方法は、車両に連結された拘束部を含む。拘束部は、ベルトの運動方向に、および/またはベルトの運動に対して直角の運動方向に、車両を拘束するように構成可能である。拘束部は、拘束の方向に継続的にアクティブであるか、または加速、速度、および/または変位等、選択されたパラメータを超過する場合のみ、アクティブとなることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の1つ以上の側面を有する、車両試験設備の例示的実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の1つ以上の側面を有する、オートパイロットシステムの第1の実施形態の略図である。
【図3】図3は、本発明の1つ以上の側面を有する、車両試験設備の第2の例示的実施形態の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の1つ以上の側面を有する、オートパイロットシステムの第2の実施形態の略図である。
【図5】図5は、本発明の1つ以上の側面を有する、車両試験設備の第2の例示的実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、本発明の1つ以上の側面を有する、車両拘束部9およびシミュレーションシステム10が、例証される。例証される実施形態では、車両13は、自動車であるが、しかしながら、車両の一例にすぎず、オートバイ、トラック等を含むが、それらに限定されない、他の車両も、本発明の側面から利益を享受可能であることを理解されたい。
【0012】
例証される実施形態では、システム10は、概して、12として示されるピットを有する、大型コンクリート構造を備える、支持ベース11を含み、主要車道機構14は、試験される車両13が、ピット12を囲む表面のレベルにほぼくるように設置される。多くの事例では、システム10は、ファン(図示されないが、矢印17によって表される)を有する風洞の一部を形成する。車両13および主要車道機構14は、プラットフォーム16を含むことが可能であって、例証される実施形態では、回転可能であって、ファンによって発生される気流に対して、車両13を選択的に位置付けることが可能である。
【0013】
プラットフォーム16および主要車道機構14は、必須ではないが、20として図式的に例証され、車両13にかかる種々の力を測定可能である、平衡アセンブリ上に設置され得る。多くの形態をとることが可能である、そのような平衡アセンブリは、当技術分野において周知であって、本願の目的のために、さらに論じられる必要はない。しかしながら、好適な平衡アセンブリの1つは、米国特許出願公開第2007/0039400号に記載されており、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。代替として、当技術分野において周知のように、ベルト測定を通して、種々の力の測定を求めることが可能である。
【0014】
また、本明細書に例証される車道機構14は、車両13が支持される、単一エンドレスベルト22を含むことに留意されたい。当業者によって理解されるように、本発明の側面は、車両13を支持するために使用される、2つ以上のベルトを備える、および/または車両13のパネルの種々の部分下あるいはそれに近接して位置付けられる、車道機構に適用可能である。ベルトはすべて、2つ以上が存在する場合、好適なモータおよびローラによって駆動されるが、その詳細は周知であって、本発明の側面の理解のためには必要ではない。
【0015】
次に、車両拘束部9を参照すると、ある形態では、車両拘束部9は、縦方向(車両13に近接するベルト22の移動方向)に、車両を拘束し、横方向(ベルト22の横断方向)における拘束またはヨーモーメント(操縦方向)における拘束をほとんど提供しない。参照の目的のために、縦方向、横方向は、一式の3つの直交軸のうちの2つの軸を備え、垂直方向は、縦方向および横方向の両方に対して直角である。ロール、ピッチ、およびヨーは、それぞれ、縦、横、および垂直方向(軸)を中止とする旋回運動を備える。
【0016】
例証される実施形態では、拘束部9は、一端において、車両13と、試験設備内の定常物体、例えば、プラットフォーム16(存在する場合)等の定常構造(可動ベルトに対して)とに取着される、ケーブル24を備える。本明細書では、ケーブルとして例示されるが、車両拘束部9は、ケーブル9が、車両の移動を後方にのみ拘束するのに対して、拘束部に、車両13の前方および後方移動の両方を提供可能である、剛体牽引棒等、多くの異なる形態をとることが可能であることを理解されたい。また、車両拘束部9は、車両13の正面部分に取着されるだけではなく、本実施形態では、残りの自由度において、ほとんど拘束を伴わず(少なくともベルト22上の車両13のある程度の横方向移動に対して)、縦方向拘束が提供されているが、他の場所ならびに試験設備の他の部分においても、車両13に取着可能であることを理解されたい。横方向拘束部は所望に応じて、そのような拘束を選択的に提供するために含むことが可能である。例えば、好適な機構(ケーブル、連結具、支柱等)は、車両13が、ベルト22上に留まり、したがって、例えば、移動の限界または閾値が超過される場合のみ、作用することを保証するように存在することが可能である。また、これらの種類の拘束部は、ケーブルおよび/または支柱48(図5に例証される)の形態をとることも可能である。
【0017】
また、図2を参照すると、本実施形態では、車両拘束部9に加え、車両13は、ベルト22上を転動する間、車両を操縦するように、車両13の操縦システム(ハンドル30によって、図式的に表される)に協働しうるように連結される、遠隔操縦システム28を具備する。遠隔操縦システム28は、事実上、車両13を操縦するという単一機能を行う、オートパイロットシステムである。そのようなシステムの供給業者として、Stahle Gmbh of Neuhausen−Steinegg, Germanay and Anthony Best Dynamics Ltd. of Wiltshire Englandを含む。例証されるような一実施例では、遠隔操縦システム28は、車両13のハンドル30に協働しうるように連結される。しかしながら、これは限定としてみなされるべきではなく、遠隔操縦システム28が、車両操縦システム内に一般的に見られる操縦シャフトまたは他の連結具等、車両の操縦システムの他の構成要素にも連結可能である。車両操縦システムの構成要素に連結される場合、遠隔操縦システム28は、好適なアクチュエータ31(電気、空気圧、および/または油圧)、例えば、回転型アクチュエータを備え、コントローラ32の指図の下、操作される。コントローラ32は、試験設備コントローラ34と通信可能にする、無線受信機または送受信機を含むことが可能である。代替として、コントローラ32は、好適な有線または直接接続によって、試験設備コントローラ34に接続可能である。コントローラ32および34は、当技術分野において周知のように、ハードウェアおよび/またはソフトウェア内に構成される、後述のモデル、制御アルゴリズム、ならびに他の操作プロセスを伴う、アナログおよび/またはデジタル回路によって構築可能であることに留意されたい。
【0018】
ここで、遠隔操縦システム28は、車両13の操縦システムを操作するために、付加的アクチュエータを常に含む必要はないことに留意されたい。例えば、現在または予見可能な未来において、いくつかの車両は、ハンドル30と、タイヤおよびホイールアセンブリを回動させるために使用される構成要素との間に、直接連結接続を有さない。代わりに、搭載コントローラ42がセンサに協働しうるように連結され、該センサは、ハンドル30の位置を感知し、次いで、操縦を行うアクチュエータ(製造業者によって、車両上に提供される)に出力制御信号を提供する。そのような場合、コントローラ32は、ハンドルの位置を感知するセンサの代わりに、搭載コントローラ42への入力である出力信号を提供するように構成されるであろう。
【0019】
センサ36(図式的に図示される)は、車両13に協働しうるように連結され、測定し、ベルト22上の車両13の横方向変位および/または位置を示す、出力信号を提供する。センサ出力信号は、コントローラ32および/または試験設備コントローラ34に提供可能である。センサ36は、当業者によって理解されるように、多数の形態をとることが可能である。一例示的実施形態では、センサ36は、車両13の一部とプラットフォーム16との間の距離を測定する、光学センサである。他の形態の機械、光学、および/または電気系センサも、使用可能である。所望に応じて、付加的センサは、車両の縦方向変位、垂直変位および/またはロール、ヨー、ならびにピッチ運動等、付加的測定をもたらすようにも提供可能であって、また、その測定は、速度または加速度の指標を提供するためにも使用可能である。上述の測定のいずれも、所望に応じて、車両13に対して直接、および/または拘束システム9の構成要素あるいは採用され得る他の拘束システムに対して、測定可能である。
【0020】
また、所望に応じて、車両またはその構成要素にかかる力も、測定可能である。例えば、車両13によって経験される縦方向力は、センサ45によって、拘束システム9を介して測定可能である一方、さらなる力、モーメント、または振動周波数(それに限定されない)等の他の負荷特性は、例えば、上述の平衡アセンブリによって測定可能である。
【0021】
他の力、モーメント、または振動周波数(それに限定されない)等の他の負荷特性は、運転者によって、例えば、ハンドル30を通して経験されるものであって、以前は、風洞施設では測定されていなかったが、車両設計において非常に有用であり得る。一実施形態では、遠隔操縦システム28は、測定し、力、モーメント、または他の負荷特性を示す、出力を提供するために、ハンドル30(例えば、アクチュエータ31内に組み込まれる)に協働しうるように連結される、好適なセンサを含む。遠隔操縦システム28は、実際の運転者をシミュレートするように構成可能である。例えば、アクチュエータの剛性は、運転者をシミュレートするように調節可能である。同様に、他の力、モーメント、または振動周波数(それに限定されない)等の車両13またはその構成要素にかかる他の負荷特性は、車両製造業者によって提供され、例えば、搭載安定制御システムのために提供されるセンサによって感知可能であるか、または、運転者および/または同乗者の感覚を測定するための解剖学的ダミー内に提供されるセンサ等、所望に応じて車両13に追加可能であるそのようなセンサによって感知可能である。センサからの出力は、記録のために、および/または車両13の制御のためのフィードバック入力として、コントローラ32ならびに/あるいは試験設備コントローラ34に提供可能である。
【0022】
操作時、車道ベルト22が駆動される間、風が、車両13に向けられる。遠隔操縦システム28は、所望の行われる試験に基づいて操作される。例えば、スピードの変化、あるいは車両13に指向される風の他の特性、および/またはプラットフォーム16の転動等による風に対する車両13の位置決め等、上述の測定のいずれかまたは他の測定が観察される間、操作は、ベルト22上の車両13の所望の位置を単に維持する遠隔操縦システム28に基づき得る。しかしながら、現在採用されている遠隔操縦システム28では、車両13の操縦システムは、以前に利用可能ではなかったが、試験手順毎に行うことが可能である。例えば、空気渦が、正常操作下の車両から離脱され得ること、特に、車両が横風の中で操作される場合に離脱され得ることは一般的である。そのような渦の離脱は、車両またはその構成要素に力を付与する可能性があり、その一部は、運転者によって経験され得る。特に、そのような渦は、気流と車両13下のベルトの移動とが非平行である場合に、回転板16を介した選択された位置への気流17に対する車両13の転動によってシミュレーションされる横風を含む、風洞内でシミュレーション可能である。回転板移動は、空気が吹き込まれている間、および/またはベルトが移動している間に行うことが可能である。先行技術の風洞では、車両拘束部は、そのような力および変位の測定を阻害する。しかしながら、上述のセンサを使用して、質的および/または定量的データが、運転者および/または車両の他の部分によって経験される、力ならびに/あるいは変位に対して得られることが可能である。
【0023】
さらに別の実施例では、コントローラ32および/または試験施設コントローラ34は、車両13内の変化または他の操作条件に対して、正確に繰り返され得る、所定または選択された試験手順毎に、遠隔操縦システム28を操作可能である。さらに、コントローラ32および/または試験施設コントローラ34は、当技術分野において周知のモデルおよび/または制御アルゴリズムを採用し、運転者応答遅延または過剰補正(それらに限定されない)等、人の運転者の応答または作用をシミュレート可能である。車両13へのこれらの試験操作は、適宜、本明細書に記載の実施形態のいずれかに基づいて行うことが可能であって、図1の実施形態に限定されないことに留意されたい。
【0024】
図3は、本発明の1つ以上の側面を有する、車両試験設備の第2の実施形態を例証する。本実施形態では、オートパイロットシステムは、車両13の遠隔操縦を行うためのそれらの構成要素または任意の構成要素を含む。しかしながら、車両拘束部9は、ベルト22上の車両13の縦方向位置の位置を維持するために使用されない。代わりに、オートパイロットシステムはまた、車両13のホイールの駆動および/または制動を制御するために使用される、遠隔スピード制御40システムを含む。言い換えると、遠隔スピード制御システム40を使用して、試験の際、ベルト22上の車両13の縦方向位置を維持する。
【0025】
図4の略図を参照すると、遠隔操縦システム28に類似する、遠隔スピード制御システム40は、車両のエンジンを操作する、あるいは別様に、電気またはハイブリッド車両内の電気モータ等、車両を駆動する、構成要素に協働しうるように連結されるアクチュエータに、制御信号を提供可能なコントローラ32を含む。例えば、第1のアクチュエータ35は、アクセルペダル37に協働しうるように連結可能である一方、第2のアクチュエータ39は、所望に応じて、ブレーキペダル41に協働しうるように連結可能である。これらのペダルの一方または両方が、エンジン、モータ、および/または制動システムを操作するように直接接続されず、センサが、製造業者によって提供され、ペダルの操作を感知する場合、遠隔スピード制御システム40は、車両13の搭載コントローラ42に好適な入力を提供可能である。
【0026】
センサ44(図式的に図示される)は、車両13に協働しうるように連結され、測定し、ベルト22上の車両13の縦方向変位および/または位置を示す、出力信号を提供する。センサ出力信号は、コントローラ32および/または試験設備コントローラ34に提供可能である。センサ44は、当業者によって理解されるように、多数の形態をとることが可能である。一例示的実施形態では、センサ44は、車両13の一部とプラットフォーム16との間の距離を測定する、光学センサである。他の形態の機械、光学、および/または電気系センサも、使用可能である。2つのセンサ36および44が例証されるが、しかしながら、本略図は、理解の目的のためであって、2つ以上の方向において感知する、単一センサまたはセンサアセンブリもまた、本明細書に記載される本例示的実施形態またはそのいずれかに使用可能である点から、限定としてみなされるべきではないことに留意されたい。
【0027】
さらに、上述のセンサまたはセンサアセンブリのいずれも、そのような出力の任意の形態を使用して、ベルト22上の車両の位置、変位、速度、および/または加速度を示す出力を提供可能であって、本明細書に記載されるオートパイロットシステムを使用して、ベルト22上の車両の所望の位置、変位、速度、および/または加速度に従って、ベルト上の車両13の構成要素を制御可能であることを理解されたい。
【0028】
縦方向拘束部は、ベルト22上の車両13の縦方向位置を積極的に制御するために、本実施形態では提供されないが、拘束部は、所望に応じて、そのような拘束を選択的に提供するために含むことが可能である。例えば、好適な機構(ケーブル、連結具、支柱等)は、車両13が、ベルト22上に留まり、したがって、例えば、移動の限界または閾値が超過される場合のみ、作用することを保証するように存在することが可能である。
【0029】
操作時、車道ベルト22が駆動される間、風が、車両13に向けられる。オートパイロットシステム(遠隔スピード制御システム40および遠隔操縦システム28を備える)は、所望の行われる試験に基づいて操作される。例えば、スピードの変化、あるいは車両13に向けられる風の他の特性、および/またはプラットフォーム16の転動等による風に対する車両13の位置決め等、上述の測定のいずれかまたは他の測定が観察され得る間、操作は、ベルト22上の車両13の所望の位置を単に維持するオートパイロットシステム28に基づき得る。しかしながら、現在採用されているオートパイロットシステムでは、車両13のスピードおよび操縦システムは、以前に利用可能ではなかったが、試験手順毎に行うことが可能である。例えば、コントローラ32および/または試験施設コントローラ34は、車両内の変化または操作条件に対して、正確に繰り返され得る、所定または選択された試験手順毎に、オートパイロットシステムを操作可能である。さらに、コントローラ32および/または試験施設コントローラ34は、当技術分野において周知のモデルおよび/または制御アルゴリズムを採用し、運転者応答遅延または過剰補正(それらに限定されない)等、人の運転者の応答または作用をシミュレート可能である。
【0030】
さらなる実施形態では、オートパイロットシステムは、遠隔操縦システム28ではなく、スピード制御システム40を備えることが可能である。上述のように、センサ44は、縦方向変位または位置を示す信号をコントローラ32および/または試験施設コントローラ34に提供する。本実施形態では、車両拘束システム46は、横方向拘束を提供する。図5に例証される例示的実施形態では、車両拘束システム46は、ベルト22上の車両13を横方向に拘束するが、車両の縦方向運動を可能にする、1つ以上の支柱48を含む。例えば、1つ以上の支柱48が、二重矢印50によって示されるように、限定縦方向運動のために、プラットフォーム16に連結可能である。また、当業者によって理解されるように、ケーブルおよび/または支柱を使用する、他の形態の拘束部も、使用可能である。そのような拘束部は、上述のように受動的であることが可能である、あるいは横方向拘束と縦方向の追従とをもたらす、モータまたはアクチュエータ等の積極的に制御された構成要素を含むことが可能である。
【0031】
本発明は、好ましい実施形態を参照して記載されたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に変更を加えてもよいことを認識するであろう。例えば、上述の実施形態はそれぞれ、車両の両側に2つの別個の支持体を含むが、これは、限定とみなされるべきではない。さらなる実施形態では、1つ以上の支持体が、車両のそれぞれの側に提供可能である。加えて、各支持体は、車両上の1つ以上の点に接続し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のための車道システムであって、
車両を支持するように構成されている少なくとも1つの可動エンドレスベルトを有するプラットフォームと、
少なくとも1つの基準軸に対する、該ベルト上の車両の位置、変位、速度、および/または加速度を示す出力信号を提供するように構成されているセンサアセンブリと、
該出力信号に基づいて該ベルト上の車両を該基準軸に対して制御するために、該車両の構成要素を操作するように構成されているオートパイロットシステムと
を備えている、車道システム。
【請求項2】
前記センサアセンブリは、前記車両に近接する前記ベルトの運動方向に対して直角の方向に該ベルトを横断する、該車両の横方向の位置、変位、速度、および/または加速度を感知するように配置されている、請求項1に記載の車道システム。
【請求項3】
前記オートパイロットシステムは、前記車両の操縦を制御するように構成されている、請求項2に記載の車道システム。
【請求項4】
前記車両を前記ベルトの運動方向において拘束するために、該車両と前記プラットフォームとに連結されている拘束部をさらに備えている、請求項3に記載の車道システム。
【請求項5】
前記ベルト上で横方向に、前記車両の選択された変位を超過した場合に、該ベルトの運動に対して直角の運動方向に、前記ベルト上で横方向に、該車両を選択的に拘束するために、該車両と前記プラットフォームとに連結されている横方向拘束部をさらに備えている、請求項4に記載の車道システム。
【請求項6】
前記センサアセンブリは、前記車両に近接する前記ベルトの運動方向において、該ベルトに沿って、該車両の縦方向の位置、変位、速度、および/または加速度を感知するように配置されている、請求項1に記載の車道システム。
【請求項7】
前記オートパイロットシステムは、前記車両のスピードを制御するように構成されている、請求項6に記載の車道システム。
【請求項8】
前記センサアセンブリは、前記車両に近接する前記ベルトの運動方向に対して直角の方向に該ベルトを横断する、該車両の横方向の位置、変位、速度、および/または加速度を感知するように配置されている、請求項7に記載の車道システム。
【請求項9】
前記オートパイロットシステムは、前記車両の操縦を制御するように構成されている、請求項8に記載の車道システム。
【請求項10】
前記車両を前記ベルトの運動方向において拘束するために、該車両と前記プラットフォームとに連結されている拘束部をさらに備えている、請求項9に記載の車道システム。
【請求項11】
前記拘束部は、前記ベルト上で横方向の前記車両の選択された変位が超過した場合に、該ベルトの運動に対して直角の運動方向において、前記ベルト上で横方向に、該車両を選択的に拘束するために、該車両と前記プラットフォームとに連結されている横方向拘束部を備えている、請求項10に記載の車道システム。
【請求項12】
前記エンドレスベルト上に空気を吹き込むように構成されているファンをさらに備え、前記プラットフォームは、該エンドレスベルトを該ファンに対して選択的に配向するように移動可能である、請求項1に記載の車道システム。
【請求項13】
可動エンドレスベルトを有する風洞において車両を試験する方法であって、
存在する該車両とともに、該エンドレスベルトを転動させることと、
少なくとも1つの基準軸に対する、該ベルト上の車両の位置、変位、速度、および/または加速度を感知し、それらに従う出力信号を提供することと、
該車両の構成要素を操作するように構成されているオートパイロットシステムにおいて、入力として該出力信号を受信し、該出力信号に基づいて該基準軸に対して該ベルト上の車両を制御するために、該車両の構成要素を操作することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記感知することは、前記車両に近接する前記ベルトの運動方向に対して直角の方向に、該ベルトを横断する、該車両の横方向の位置、変位、速度、および/または加速度を感知することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記操作することは、前記車両を操縦することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記感知することは、前記車両に近接する前記ベルトの運動方向において、該ベルトに沿って、該車両の縦方向の位置、変位、速度、および/または加速度を感知することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記操作することは、前記車両のスピードを制御することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記感知することは、前記車両に近接する前記ベルトの運動方向に対して直角の方向に、該ベルトを横断する、該車両の横方向の位置、変位、速度、および/または加速度を感知することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記操作することは、前記車両を操縦することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ファンからの空気に対して、前記エンドレスベルトおよび前記車両を選択的に配向することと、前記空気の移動と該車両の下のベルトの一部分とが非平行である場合に、該車両および該エンドレスベルトの上に空気を吹き込むこととをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
例証および/または説明される特徴のうちの1つ以上を有する試験の方法。
【請求項22】
本願明細書に記載される1つ以上の特徴を有する車道システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−502302(P2012−502302A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527018(P2011−527018)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/056800
【国際公開番号】WO2010/030974
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(505383383)エムティーエス システムズ コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】