説明

食品にオラック値を付与する香料組成物

【課題】食品に1μmolTE/g以上のオラック値を付与することのできる香料組成物を提供すること。
【解決手段】オラック値を有する天然精油、香料化合物を混合した香料組成物を調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品に1μmolTE/g以上のオラック値を付与することのできる香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、食品の抗酸化物質の含有量を示す指標としてオラック値(ORAC、以後、本発明ではオラック、オラック値を用いる)という新しい概念が提唱され、世界的に普及しつつある。ORACはOxygen Radical Absorbance Capacityの頭文字を取ったもので、活性酸素吸収能力とも呼ばれ、測定法も確立されている。この概念を開発したのは米国農務省(USDA)と米国国立老化研究所(National Institute on Aging)であり、既に食品やサプリメントでは注目がされており、米国ではオラック値を表記した食品もかなり上市されている。
【0003】
食品などに含まれる抗酸化物質である、カテキン、アントシアニン、プロアントシアニジン、クロロゲン酸、イソフラボン、クルクミン、ルチンその他のポリフェノール、ビタミンC、ビタミンEなどがオラック値を示す物質であるとされ、種々の食品のオラック値が測定されている(非特許文献1)。オラック値は、測定を行う食品等の活性酸素吸収能力をビタミンE様物質であるTrolox(6-Hydroxy-2,5,7,8-tetramethylchroman-2-carboxylic acid)に換算して表わされ、単位はμmolTE/gである(ただしTE=Trolox Equivalent)。親油性のオラック値はL−ORAC、親水性のオラック値はH−ORACと呼ばれ、別々に測定することが可能である。一方だけの測定値あるいはその合計値をオラック値として採用する(非特許文献1)。
【0004】
これらの測定結果はデータベースとして良くまとめられている(非特許文献1)。これによれば、ナッツ、豆類、野菜類、果実類、スパイス類のオラック値が測定されており、ナッツ、豆類、野菜類、果実類のオラック値はおおよそ、5〜100(μmolTE/g)の範囲内の数値、スパイス類は50〜3000(μmolTE/g)の範囲内の数値が示されている。
【0005】
一方、日本では厚生労働省の国民健康・栄養調査報告に「健康日本21」の目標値(2010年)野菜摂取量成人350gであり、これはオラック値に換算すると4000〜5000(μmolTE)程度になる。しかしながら、現代人の生活習慣においてこれら食品をバランス良く摂取し、上記オラック値の達成を実現することは、容易ではないと言わざるを得ない。
【0006】
そこで、これらを補う手段の一つとして、これまでは、野菜・果実ジュースなどを飲用することが行われているが、いかにその嗜好性を高めるとしても毎日、摂取を続けるには個人差が大きく、過剰な糖分の摂取等を考慮すれば、自ずと摂取にも限界があった。
【0007】
一方、別の方法として、カテキン、アントシアニン、プロアントシアニジン、クロロゲン酸、イソフラボン、クルクミン、ルチンその他のポリフェノール、ビタミンC、ビタミンEなどを単離または濃縮して食品に加えたり、サプリメントとして補助的に摂取することも行われている。しかしながら、これらを含有する食品、あるいはサプリメントの摂取には、味覚の問題、特定の天然成分の過剰摂取の問題などがあり、やはり、摂取に限界があった。したがって、オラック値の摂取に関してこれらに代わる良い解決方法が求められていた。
【0008】
オラック値は新しい概念であり、これに関する提案はまだ少ない。例えば、(1)水、大豆タンパク質、ならびにエンドペプチターゼ活性およびエキソペプチターゼ活性の両方を有する酵素もしくは酵素の混合物を含む加水分解混合物を調製するステップと、(2)大豆タンパク質を十分な時間加水分解させて、少なくとも約15パーセントの可溶性大豆タンパク質を含有する大豆タンパク質加水分解物を作製するステップと、(3)大豆タンパク質加水分解物中で苦い風味が顕著になる前に、大豆タンパク質加水分解物中の酵素もしくは酵素の混合物を不活性化させるステップにより、可溶性大豆タンパク質材料を得る提案中の請求項14に示された、グラム当たり約50〜約500の全ORAC単位の抗酸化力を有する可溶性大豆タンパク質材料の提案(特許文献1)、約350μmolTE/g総質量より大きいORAC値を有する、高い抗酸化能及びシクロオキシゲナーゼ阻害活性を伴うアサイ果実及びジュカラ果実の組成物、並びにそれらを使用する栄養補助食品の提案(特許文献2)がある。
【0009】
しかしながら、上記提案は大豆、アサイ果実及びジュカラ果実などから得られるオラック値の高い組成物を利用する技術であり、香料などの揮発性物質を利用する提案ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−80668号公報
【特許文献2】特表2006−520804号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Antioxidant Unit研究会ホームページ、www.antioxidant-unit.com
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、食品に添加した際に、食品に1μmolTE/g以上のオラック値を付与することのできる香料組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
通常、食品から摂取できる抗酸化物質と言えば、不揮発性物質を意味し、専らその研究も不揮発性物質に限定されていた。揮発性物質であれば、流通過程、あるいは加熱などの調理の過程で空気中に散逸するか、分解等により、人が摂取する可能性が低いと考えられることもその一因である。したがって、揮発性物質についてオラック値を報告したものは本発明者が調べる限り見つかっていない。まして、揮発性物質のうち、天然の食品中に微量に存在する香料成分について、オラック値を測定するという発想はもちろんなく、報告した文献もない。
【0014】
本発明者らは、これまで、食品から摂取できる抗酸化物質と言えば、具体的には、カテキン、アントシアニン、プロアントシアニジン、クロロゲン酸、イソフラボン、クルクミン、ルチンその他のポリフェノール、ビタミンC、ビタミンEなどであり、抗酸化力の指標であるオラック値の研究もこれらの不揮発性物質を対象に行われた事実を認識した上で、これまで注目されることのなかった、食品あるいはその他の天然物中に存在する揮発性物質も抗酸化力を有する可能性があり、オラック値を持っているのではないかと考え、種々の香料のオラック値を測定した。
【0015】
その結果、驚くべきことに、天然精油、あるいはこれら中に存在する香料成分は、これまでオラック値が測定された食品に比べ、非常に高いオラック値(100〜41000μmolTE/g)を有することを見出すと共に、これらを香料組成物とした場合、オラック値について相乗効果が認められ、食品に添加することにより、食品に実質的にオラック値を付与または増強することができることを確認し、本発明を完成させた。
【0016】
かくして、本発明は、食品に1μmolTE/g以上のオラック値を付与する香料組成物を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、1つ以上の天然精油類を含有する前記の香料組成物を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、香料組成物のオラック値が100μmolTE/g以上である前記の香料組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、本来の目的である食品への香気付与とともに、食品に1μmolTE/g以上のオラック値、すなわち、実質的に食品のオラック値を増加させる目的で香料組成物を使用することができ、香料の新たな切り口、利用の可能性を拡げることが可能である。また、香料組成物の添加量は他の食品成分に比べ、はるかに少ない量ですみ利便性が高いため、新規加工食品の開発が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1オラック法のサンプル調製法の説明図である。(実施例1)
【図2】図2はオラック法の測定法の説明図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0022】
本発明で使用するオラック値の測定方法について説明する。天然精油、合成香料などの香料は、親油性のものもあれば、親水性のものもある。したがって、以下に示すような2通りの測定法を用いる。ただし、一般には親油性のオラック値であるL−ORACの測定結果をオラック値とする場合が多い。
【0023】
まず、親油性のオラック値であるL−ORACの測定法の手順は、以下の通りである。
すなわち、96穴プレートに各試料の7%RMCD(Random methylated cyclodextrin)アセトン水溶液による希釈液を25μl 分注する。さらに、94.4nMフルオロセイン溶液を150μl添加し、37℃に10分間保持した後、蛍光強度(励起波長:845nm近傍、検出波長:520nm近傍)を測定する。200mMのAAPH(2,2'-Azobis(2-amidinopropane)dihydrochloride)溶液を25μl添加し、1分置きに90分後まで蛍光プレートリーダーにて蛍光強度をプロットし、曲線下面積(AUC:Area Under the Curve)を計算する。試料存在下のAUCから非存在下のAUCを差し引いたnet AUCは試料の抗酸化能に比例して増大する。濃度既知のTroloxのnet AUCから検量線を作成し、試料の抗酸化能をTrolox等量で算出する(以下、L−ORAC測定法と呼ぶ)。
【0024】
次に、親水性のオラック値であるH−ORACの測定法の手順は、以下の通りである。まず、96穴プレートに各試料の75mMリン酸緩衝液(pH7.0)希釈溶液を20μl 分注する。さらに、94.4nMフルオロセイン溶液を200μl添加し、37℃に10分間保持した後、蛍光強度(励起波長:845nm近傍、検出波長:520nm近傍)を測定する。31.7mMのAAPH(2,2'-Azobis(2-amidinopropane) dihydrochloride)溶液を75μl添加し、2分置きに90分後まで蛍光プレートリーダーにて蛍光強度をプロットし、曲線下面積(AUC:Area Under the Curve)を計算する。試料存在下のAUCから非存在下のAUCを差し引いたnet AUCは試料の抗酸化能に比例して増大する。濃度既知のTroloxのnet AUCから検量線を作成し、試料の抗酸化能をTrolox等量で算出する(以下、H−ORAC測定法と呼ぶ)。
【0025】
本発明で使用するオラック値を有する原料は、上記の測定法で測定し、オラック値を有するものなら何でも良いが、例えば、天然香料としては、クローブリーフ油、クローブ油、ベイ油、ユーカリ油、ジンジャー油、シトロネラ油、タイム油、オニオン油、シソ油、ナツメグ油、キャラウェーシード油、ヒノキ油、サンショ油、ガーリック油、ローズマリー油、カシア油、カモミール油、マスタード油、コリアンダー油などのスパイス精油またはハーブ精油;ローズ油、ラベンダー油、ジャスミン油、イランイラン油などの花精油;ライム油、オレンジ油、タンジェリン油、レモン油、マンダリン油、ユズ油などの柑橘油およびこれらの天然香料から蒸留、液液抽出、その他の物理手段を用いて得られる処理品;チモ−ル、p−クレゾール、p−アリルフェノール、オイゲノール、クレオソール、グアイアコール、イソオイゲノール、2,6−ジメトキシ−4−メチルフェノール、デヒドロジクレオソール、2,6−ジメトキシフェノールなどのフェノール化合物;ピネン、ミルセン、テルピネン、テルピノレン、リナロール、ボルネオール、テルピネオール、リモネン、シトラール、シトロネラール、cis−3−ヘキセノール、1,3,7−ウンデカトリエン、メチル N−メチルアントラニレート、メチルジャスモネート、シネンザールなどの香料化合物;および以上の成分の任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
【0026】
上記の天然香料の一般的なオラック値の範囲としては、スパイス精油またはハーブ精油:150〜42000(μmolTE/g)、その多くは1000〜42000(μmolTE/g)、花精油:2600〜5500(μmolTE/g)、柑橘油:500〜2700(μmolTE/g)、香料化合物:1700〜25000(μmolTE/g)を挙げることができるが、使用する香料原料のオラック値を測定して、所望のオラック値を有する香料組成物を調製するのに適切な原料とその配合割合を決定すればよい。
【0027】
上記の香料原料を混合した香料組成物のオラック値は、香料原料をそれぞれ単独に測定し、合計して得られるオラック値に比べ、20〜40%高い値を示す。科学的な理由は判明していないが、単独成分に比べ香料組成物とした場合、単独のオラック値の合計値より高い抗酸化力を発揮する、すなわち、相乗効果が見られることが判明している。
また、得られる香料組成物のオラック値の範囲は、目的とする香料の香りの質、強度によっても左右されるが、一般には100〜10000(μmolTE/g)、好ましくは1000〜5000(μmolTE/g)程度とすれば、食品に添加した場合、食品のオラック値を実質的に増加させることができる。
【0028】
上記以外のオラック値が0以上〜100未満の香料原料も、上記原料との配合量を考慮すれば使用することができ、製品の香気香味のプロフィールを所望のものとするために自在に調合(配合)することが可能である。また、これらの香料原料の添加によるオラック値の相乗効果も期待できる。
【0029】
上記の香料原料以外の香料原料としては、例えば、「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、P88−131、平成12年1月14日発行」に記載されている天然精油、天然香料、合成香料のうち、上記の香料原料を除いたものを挙げることができる。具体的には、コーラナッツエキストラクト、コーヒーエキストラクト、ワニラエキストラクト、ココアエキストラクト、紅茶エキストラクトなどの油性のエキストラクト、レジノイドおよびこれらのオレオレジン類など天然香料;“合成香料 化学と商品知識”(2005年3月22日増補改訂版発行 印藤元一著 化学工業日報社)等に記載のエステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、炭化水素類、含窒素及び/又は含硫化合物類、酸類の群から選ばれる少なくとも1種以上の合成香料などが挙げられる。
【0030】
さらに、香料原料以外の原料を配合することも可能である。例えば、各種の油脂類、色素類、ビタミン類、機能性物質、酸化防止剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ヘキシレングリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレート、ハーコリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸ジグリセリド等の香料保留剤;前記以外の乳化剤、増粘剤、安定剤などを例示することができる。
【0031】
さらに、上記香料組成物を種々の形態の製剤として使用することができる。すなわち、香料の製造における適切な方法を用いることにより、エッセンス、油性香料、粉末香料、乳化香料、その他の形態の製剤として使用することができる。
【0032】
本発明の香料組成物を、一般的には各種の飲食品、例えば、チューインガム、キャンディー、スープ、即席麺、各種飲料、酒類、その他の飲食品、あるいはサプリメントに添加することにより、製品の香気香味の付与と同時にオラック値を増加させることができ、従来の野菜、果実等の飲食によるオラック値の摂取を十分補助、代替することが可能である。その結果、食品の付加価値を著しく増大させると共に、新規食品の開発が可能となる。
【0033】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。
【実施例】
【0034】
[実施例1]各種精油のオラック値の測定
図1および図2の手順にしたがって、各種精油のオラック値(L−ORAC)を測定した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1の結果から明らかな通り、スパイス・ハーブ精油のオラック値は、56〜41683(μmolTE/g)の範囲内の数値であり、今回の測定では、100(μmolTE/g)未満のものはマスタード油のみであった。1000(μmolTE/g)以上のオラック値を有するものはスパイス・ハーブ精油全体の約63.0%を占めていた。また、3000以上のものも44.4%であった。
【0037】
次に花精油も2638〜5520(μmolTE/g)の範囲内の数値と非常に高いオラック値を有することが確認された。
【0038】
次に柑橘精油は、515〜2668(μmolTE/g)の範囲内の数値を示していた。
【0039】
いずれも、食品の一般的なオラック値である5〜100(μmolTE/g)に比べるときわめて高い値であった。
【0040】
[実施例2]各種フェノールのオラック値の測定
図1および図2の手順にしたがって、各種フェノールのオラック値(H−ORACおよびL−ORAC)を測定した。
【0041】
結果を表2に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
表2の結果より、各種フェノールのL−ORACは1684〜24496(μmolTE/g)、H−ORACが2500〜21881(μmolTE/g)であることが確認された。これらの数値は食品の一般的なオラック値である5〜100(μmolTE/g)に比べるときわめて高い値であった。
【0044】
[実施例3]香料組成物の測定
表3の配合量で天然精油を混合し、発明品1〜3の香料組成物を調製した。得られた香料組成物を図1および図2の手順にしたがって、各種精油のオラック値(L−ORAC)を測定した。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】

【0046】
表3の結果から明らかな通り、発明品1(シトラスフローラル)のオラック測定値は912(μmolTE/g)であった。一方、発明品1の各成分のオラック値を表3に示したが、その合計値は700(μmolTE/g)であり、オラック測定値は合計値に比べ、30.3%数値が高く、調合による高い相乗効果が認められた。
【0047】
次に、発明品2(スパイシーライム)のオラック測定値は5061(μmolTE/g)であった。一方、発明品2の各成分のオラック値の合計値は4082(μmolTE/g)であり、オラック測定値は合計値に比べ、24.0%数値が高く、発明品1と同様に調合による高い相乗効果が認められた。
【0048】
次に、発明品3(スパイスミックス)のオラック測定値は10337(μmolTE/g)であった。一方、発明品3の各成分のオラック値の合計値は7657(μmolTE/g)であり、オラック測定値は合計値に比べ、35.0%数値が高く、発明品1、発明品2と同様に調合による高い相乗効果が認められた。
【0049】
以上の結果を総合すると、天然精油を混合することにより得られる香料組成物(発明品1〜3)のオラック値は、食品の一般的なオラック値である5〜100(μmolTE/g)に比べるときわめて高い値(912〜6405(μmolTE/g))を有すること、成分の混合により高い相乗効果が得られることが示された。
【0050】
また、上記香料組成物は飲食品向けに香気が調整されており、食品に添加した際に表3に示した香気の特徴を付与することができる。また、飲食品に添加することにより、食品のオラック値を十分増加させることができる。例えば、香料の添加率が高いガム類に発明品1を0.5〜5%程度添加することにより、オラック値を4.6〜46(μmolTE/g)程度高くすることが可能である。また、1回の飲食の量が多い飲料に発明品2を0.05〜0.5%程度添加することにより、オラック値をそれぞれ、2.5〜250(μmolTE/g)程度高くすることが可能である。また、肉製品に発明品3を0.05〜0.5%程度添加することにより、オラック値をそれぞれ、3.2〜320(μmolTE/g)程度高くすることが可能である。さらに、実質的に食品成分を含まない香料組成物のみで構成される飲食物でもオラック値の摂取が十分可能であり、新規の食品開発の幅が広がる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品に1μmolTE/g以上のオラック値を付与することを特徴とする香料組成物。
【請求項2】
1以上の天然精油類を含有することを特徴とする請求項1の香料組成物。
【請求項3】
香料組成物のオラック値が100μmolTE/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の香料組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−36231(P2012−36231A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174739(P2010−174739)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000214537)長谷川香料株式会社 (176)
【Fターム(参考)】