説明

食品の処理に適した臭素をベースにした殺生物剤

(A)および(B)から紫外線に対して安定化された抗微生物剤組成物がつくられる。(A)は(I)分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する固体状態の殺微生物性化合物;(II)(I)の水溶液またはスラリ;(III)(i)BrClまたはBrClおよびBrおよび(ii)過剰塩基性のアルキル金属のスルファミン酸塩および/またはスルファミン酸、アルキル金属の塩基、および水から誘導された溶解した活性臭素を有する濃厚な抗微生物剤水性組成物;(IV)(III)の組成物を脱水してつくられる固体である。(B)は選ばれた抗微生物剤組成物中の臭素1重量部当たり最高1重量部の紫外線による劣化を抑制する量のアスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸および/またはそれらの可食性の水溶性の塩/エステルである。このような組成物の製造および使用が記載されている。また病原菌による海産食品および海産食品製品の汚染を抑制する方法も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に改善された性質を有する新規抗微生物剤組成物、該新規抗微生物剤組成物と配合された水性媒質、および該抗微生物剤組成物を用いて微生物を抑制する方法、並びに紫外線で誘起される劣化に対しこのような抗微生物剤組成物を安定化させる方法に関する。また本発明は例えばリステリア(Listeria)、エスケリキア(Escherichia)、サルモネラ(Salmonella)、カンピュロバクテル(Campylobacter)およびその他のような種々の病原菌による海産食品および海産食品製品の汚染を抑制するための効果的な抗微生物性溶液の使用に関する。本明細書において「海産食品」と云う言葉は、淡水、塩気のある水または塩水からとれた海産物類を意味し、従って太洋、海洋、湾、湖、河川、流水、池、沼地区域などから収穫または捕獲される魚、貝、甲殻類などを含むものとする。
【発明の概要】
【0002】
本発明の第1の態様は紫外線による劣化に対する抗微生物剤の安定化を含む具体化例を包含している。第2の態様は、海産食品および海産食品製品の製造、流通または消費の種々の場所におけるバクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品および海産食品製品の汚染を抑制する新規方法を含む具体化例を包含している。
【0003】
第1の態様
本発明の一具体化例に従えば、改善された性質をもつ新規抗微生物剤組成物が提供される。本発明に従えば、
(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素また
は塩化臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性(o
verbased)のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、
アルカリ金属の塩基、および水を含んで成る成分からつくられた活性臭
素含量が少なくとも50,000ppmの濃厚な殺微生物剤水性組成物
であって、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭
素の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成物のp
Hは7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の
殺微生物剤組成物
から成る群から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分、および
(B)(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビ
ン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可
食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の任意の2種以上の混
合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤
を含んで成る成分からつくられた紫外線により誘起される劣化に対して安定化された抗微生物剤組成物が提供される。
【0004】
本発明の他の具体化例においては、殺微生物的に有効な量の本明細書に記載された抗微生物剤組成物が配合された水性媒質が提供される。
【0005】
本発明の他の具体化例は、鳥類または四足獣を食品製品として処理する際に鳥類または
四足獣の死体の微生物による汚染を抑制する方法であって、該方法は
(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素また
は塩化臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のア
ルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、お
よび水を含んで成る成分からつくられた活性臭素含量が少なくとも50
,000ppmの濃厚な殺微生物剤水性組成物であって、ここで(i)
および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93よ
り大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な
殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の
殺微生物剤組成物から成る群から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性
成分、および
(B)(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビ
ン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可
食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の任意の2種以上の混
合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤を含んで成る成分からつ
くられた紫外線により誘起される劣化に対して安定化された抗微生物剤組成物を水
性媒質に加えることによって得られる活性臭素の殺微生物的に有効な量を含む該水
性媒質と該死体とを接触させることを含み、該接触により該死体の微生物による汚
染を抑制する。鳥類または四足獣のこのような処理の好適な具体化例では、成分(
A)として(I)または(II)、或いは両方の抗微生物剤組成物を使用する。さ
らに好ましくは(I)が使用されこの際(I)はアルキル基の一つがメチル基であ
り他の一つは炭素数1〜約4のアルキル基である少なくとも1種の1,3−ジブロ
モ−5,5−ジアルキルヒダントインであるか、および/または(II)が使用さ
れこの際(II)は少なくとも1種の(I)の1,3−ジブロモ−5,5−ジアル
キルヒダントインの水溶液である。さらに好ましくは、(I)が使用されこの際(
I)は1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインであるか、および/また
は(II)が使用されこの際(II)は1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダ
ントインの溶液である。
【0006】
本発明のさらに他の具体化例は、本発明の抗微生物剤組成物を水性媒質と混合することによって生じる活性臭素を含んだ抗微生物的に有効な量の水性媒質を微生物の存在する場所に施用することを含む微生物を抑制する方法を含む。
【0007】
本発明のさらに他の具体化例は、紫外線による劣化に対して(I)、(II)、(III)、または(IV)の抗微生物剤組成物を安定化させる方法である。
【0008】
第2の態様
一具体化例に従えばバクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品または海産食品製品の汚染を抑制する方法が提供され、この方法は水、および
(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化
臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のアルカリ金属塩
および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、および水を含んで成る
成分からつくられた活性臭素含量が少なくとも50,000ppmの濃厚な殺
微生物剤水性組成物であって、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は
窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成
物のpHは7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の殺微生
物剤組成物
の少なくとも一つのグループから選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分を含んで成る成分からつくられる殺微生物剤水性組成物を海産食品または海産食品製品に施用することを含む方法である。
【0009】
好適具体化例においては、海産食品または海産食品製品に施用される殺微生物剤水性組成物は紫外線により誘起される劣化に対して安定化されている。従ってこの具体化例はバクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品または海産食品製品の汚染を抑制する方法であって、該方法は水、および
(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素また
は塩化臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のア
ルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、お
よび水を含んで成る成分からつくられた活性臭素含量が少なくとも50
,000ppmの濃厚な殺微生物剤水性組成物であって、ここで(i)
および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93よ
り大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な
殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の
殺微生物剤組成物
から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分、および
(B)(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビ
ン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可
食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の任意の2種以上の混
合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤
を含んで成る成分からつくられた紫外線により誘起される劣化に対して安定化された抗微生物剤組成物を海産食品または海産食品製品に施用することを含む。
この具体化例に使用される殺微生物剤組成物をつくるためには、選ばれた成分(A)および(B)を別々に、或いは予めつくられた混合物として水と混合することができる。
【0010】
特に好適な具体化例においては、施用される殺微生物剤水性組成物は(選ばれた成分(B)が使用されるか否かに拘わらず)殺微生物的に有効な時間の間海産食品または海産食品製品と接触したままに保たれる。この時間は約10秒〜約30分の範囲、好ましくは約30秒〜約5分の範囲である。その後で海産食品または海産食品製品を少なくとも1回随時少なくとも1種の表面活性剤を含む水で十分に洗浄する。この点に関連して一般的には使用する殺微生物剤水性組成物中の臭素の濃度が高いほど、殺微生物剤水性組成物を海産食品または海産食品製品と接触させておく時間を短くすべきである。行われる1回またはそれ以上の洗浄は処理される海産食品または海産食品製品からすべての検出し得る量の抗微生物剤組成物を少なくとも除去するほど十分に行わなければならない。このような1回またはそれ以上の洗浄に表面活性剤を使用する場合には、海産食品または海産食品製品から確実に表面活性剤を除去するために、その後で1回またはそれ以上の洗浄を行うべきである。
【0011】
本発明の上記のおよび他の具体化例および特徴は下記の説明および添付特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1および第2の具体化例のさらに詳細な説明
便宜上本発明を実施するのに使用される臭素をベースにした殺微生物剤を以後総括的に成分(A)と称することにする。成分(A)はグループ(I)、(II)、(III)、および(IV)と呼ばれる四つのグループを含む。次にこれについて詳細に説明する。
【0013】
グループ(I)の臭素をベースにした殺微生物剤
本発明を実施する際に使用される固体状態の殺微生物剤組成物の中には、分子中に少なくとも1個の臭素原子を有するものがある。このような化合物の例には(a)ハロゲン原子の両方が臭素原子であり、アルキル基の一つがメチル基であり他はC1〜4アルキル基である1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、および(b)ハロゲン原子の一つが臭素原子であって他は塩素原子であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインがある。その有効性および市販製品としての入手のし易さのために、これら(a)および(b)の固体状態の殺微生物性化合物は他の種類の固体状態の殺微生物性化合物よりも好適であり、(b)の方が優れた効果をもっているためにさらに幾分か好適であり、すべての中で1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインが最も好適である。
【0014】
タイプ(a)の本発明を限定しない例には1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−n−プロピル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−イソプロピル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−n−ブチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−イソブチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−sec−ブチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−t−ブチル−5−メチルヒダントイン、およびこれらの2種以上の任意の混合物がある。これらの殺微生物剤の中でコスト効率の立場からすれば、このグループの中で1,3−ジブロモ−5−イソブチル−5−メチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5−n−プロピル−5−メチルヒダントイン、および1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントインがそれぞれ、好適な、さらに好適な、およびもっと好適な化合物である。本発明に従って使用できる上記の殺微生物剤の混合物の中では、一つの化合物として1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを用いることが好適であり、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインと1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントインとの混合物が特に好適である。このグループの殺微生物剤の最も好適なものは1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインである。この化合物は錠剤または粒剤としてXtraBrom(R)111殺生物剤およびXtraBrom(R)111T殺生物剤(Albemarle Corporation製)の商品名で市販されている。上記1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの2種またはそれ以上の混合物を本発明に従って使用する場合、混合物中の個々の殺微生物剤の割合は互いに任意であることができる。
【0015】
タイプ(b)の本発明を限定しない化合物の例にはN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5−プロピル−5−メチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5−イソプロピル−5−メチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5−ブチル−5−メチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5−イソブチル−5−メチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5−sec−ブチル−5−メチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5−t−ブチル−5−メチルヒダントイン、N,N’−ブロモクロロ−5,5−ジエチルヒダントイン、およびこれらの任意の2種以上の混合物が含まれる。N,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインはBromicide(R)殺微生物剤(Great Lakes Chemical Corporation)の商品名で入手できる。他の適切なブロモクロロヒダントイン混合物は主としてN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインから成り、これに少量の割合の1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントインが混ざったものである。この後者のタイプの混合物はDantobrom(R)殺微生物剤(Lonza Corporation)の商品名で市販されている。このような製品の中で、市場で入手し易く本発明を実施するのに適しているためにN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインが好適な材料である。例えばN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインに対してN,N’という表示は、この化合物が(1)1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、または(2)1−クロロ−3−ブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、或いは(3)1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインと1−クロロ−3−ブロモ−5,5−ジメチルヒダントインの混合物であることができることを意味する。また若干の1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインとが(1)、(2)または(3)と混合して存在し得ることも意味している。
【0016】
上記タイプ(a)または(b)の化合物を製造する方法は公知であり、文献に報告されている。例えば米国特許第3,147,259号明細書;同第6,508,954号明細書;および同第6,809,205号明細書参照のこと。
【0017】
本発明に使用できる他の公知の固体状態の殺微生物剤には、N,N’−ジハロ−2−イミダゾリジノン、例えばl,3−ジブロモ−4,4,5,5−テトラメチル−2−イミダゾリジノン、1−ブロモ−3−クロロ−4,4,5,5−テトラメチル−2−イミダゾリジノン、l−クロロ−3−ブロモ−4,4,5,5−テトラメチル2−イミダゾリジノン、l,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン、l−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン、l−クロロ−3−ブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンが含まれる。このような化合物の製造法は米国特許第4,681,948号明細書;同第4,767,542号明細書;および同第5,057,612号明細書に記載されている。
【0018】
本発明に使用できるさらに他の固体状態の殺微生物剤はスルフォニルオキシブロモアセトアニリド、例えばm−イソブチル−スルフォニルオキシブロモアセトアニリドおよびm−フェニル−スルフォニルオキシブロモアセトアニリドである。さらに他の例およびこのような化合物の製造法は米国特許第4,081,474号明細書に記載されている。
【0019】
本発明に使用できる他のタイプの固体状態の殺微生物剤は臭素含有α−ハロピルベートオキシム、例えば米国特許第4,740,524号明細書記載の化合物である。このような化合物にはエチル3−ブロモ−2−(4−クロロベンゾイルオキシイミノ)プロパノエート、エチル3−ブロモ−2−(N’−メチルカルボモイルオキシイミノ)プロパノエート、およびエチル3−ブロモ−2−(4−メチルベンゾイルオキシイミノ)プロパノエートが含まれる。
【0020】
さらに他のタイプの使用できる臭素含有殺微生物性化合物は、米国特許第4,978,685号明細書記載の重合していない第4級アンモニウム多臭化物である。このような化合物の例には三臭化N−エチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム;三臭化N−エチル−N−メチルモルフォリニウム;二臭化塩化N−ベンジル−N,N−ジメチル−N−ミリスチルアンモニウム;三臭化N,N,N,N−テトラブチルアンモニウム;および二臭化塩化N,N,N,N−テトラブチルアンモニウムが含まれる。
【0021】
さらに他の固体状態の臭素含有殺微生物性化合物も公知であり文献に報告されている。
【0022】
グループ(II)の臭素をベースにした殺微生物剤
グループ(II)は本発明を実施するのに使用することができる臭素をベースにした殺微生物剤組成物の他のグループを構成している。これらは分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリである。グループ(I)に関連して上記に挙げた化合物を使用することができる。該溶液は、それぞれの化合物を、それらの飽和点に至る如何なる濃度においても含むことができる。より高い濃度が望まれる場合は、それぞれの飽和点を超える量を含むスラリーを形成してこれを用いることができる。かくして、グループ(II)の化合物のいくつかの非限定的な例として、グループ(I)に関する上述の例を参照のこと。
【0023】
グループ(III)の臭素をベースにした殺微生物剤
いくつかの臭素をベースにした殺微生物剤は典型的には濃厚な水溶液としてつくられて提供され、これらの濃厚な水溶液は紫外線に対して安定化された本発明に使用できる臭素をベースにした殺微生物剤のグループ(III)を構成している。このような殺微生物剤は、典型的にはそれをつくる際濃厚な溶液中における活性臭素に対して適当な安定剤化合物を生成物中に含ませることにより、活性臭素が化学的に分解したり物理的に蒸発することに対して安定化されている。このタイプの好適な液体状態の臭素をベースにした殺微生物剤は、(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素および臭素から誘導された少なくとも50,000ppm(重量/重量)、好ましくは少なくとも100,000ppm(重量/重量)の活性臭素含量を溶液中に有する水、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、および水を含んで成る殺生物剤水性組成物であり、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は0.93より大きい窒素対活性臭素の原子比を与えるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい殺生物剤水性組成物である。この種の濃厚溶液は例えばStabrom(R)909殺微生物剤(Albemarle Corporation)として市販されている。この濃厚な殺微生物剤水溶液をつくる一つの方法は2000年5月30日出願の共有米国特許第6,068,861号明細書に記載されている。この特許は引用により本明細書に包含される。本発明を実施するのに使用できる他の市販の濃厚な殺微生物剤水溶液はStabrexTM biocide(Nalco Chemical Company)の商品名で市販されている。この製品はまたスルファメートを含有させることにより活性臭素の化学的分解および物理的な蒸発に対して安定化された活性臭素を含んでいる。スルファミン酸を用いて安定化された殺微生物剤水溶液の製造に関するさらに他の詳細点については米国特許第6,007,726号明細書;同第6,156,229号明細書;および同第6,270,722号明細書を参照のこと。
【0024】
グループ(IV)の臭素をベースにした殺微生物剤
臭素をベースにした殺微生物剤のこのグループは、上記グループ(III)の活性臭素を含むスルファメートで安定化された濃厚水溶液を脱水する(即ち少なくともすべての液体状の水を除去する)ことによってつくられる固体状態の殺微生物剤組成物から成っている。このタイプの好適な固体状態の殺微生物剤組成物は、(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素および臭素から誘導された少なくとも50,000ppm(重量/重量)、好ましくは少なくとも100,000ppm(重量/重量)の活性臭素含量を溶液中に有する水、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、および水を含んで成る殺生物剤水性組成物であり、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は0.93より大きい窒素対活性臭素の原子比を与えるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい殺生物剤水性組成物を脱水することによりつくられる。上記のように、この種の濃厚溶液は例えばStabrom(R)909殺微生物剤(Albemarle Corporation)として市販されている。水の除去は、減圧下におけるフラッシュ蒸発または蒸溜、或いは好ましくは噴霧乾燥によって行うことができる。このような固体状態の生成物は典型的には粉末または小さい粒子の形をしているが、好ましくは1種またはそれ以上の結合剤を用い緻密化して大きな形にすることができる。このような方法のこれ以上の詳細点は米国公刊特許願第2004/0022874 Al号に記載されている。このような固体状態の組成物の生成に関するすべての記載についてこの特許願は引用により本明細書に包含される。この特許願には特に次のような組成物および方法が記載されている。
(a)臭素、塩化臭素または塩化臭素と臭素の混合物と、(b)スルファミン酸のアルカリ金属塩、および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基および水、或いは(1)スルファミン酸のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、(2)アルカリ金属の塩基および(3)水からつくられた水溶液を用いてつくられた活性臭素の水溶液を含んで成る濃厚な液体状の殺微生物剤組成物であって、このような活性臭素水溶液はpHが少なくとも約7であり、(a)および(b)の量は(i)活性臭素水溶液中の活性臭素の含量が約160,000ppm(重量/重量)であり、(ii)(a)および(b)から得られる窒素対活性臭素の原子比は、塩化臭素なしで臭素が使用された場合には1よりも大きく、臭素と共にまたは臭素なしで塩化臭素が使用された場合には0.93よりも大きくなるような量である殺微生物剤組成物。
【0025】
固体状態の臭素含有殺微生物剤組成物の製造法であって、該方法は(A)(i)臭素、(ii)塩化臭素、(iii)塩化臭素と臭素の混合物、(iv)Br対Clのモル比が少なくとも約1の臭素および塩素の混合物、または(v)Br対Clの全モル比が少なくとも約1の塩化臭素、臭素、および塩素の混合物、および(B)(i)スルファミン酸のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、および(ii)アルカリ金属の塩基から水中においてつくられた生成物のであり、ここでこのような水溶液またはスラリはpHが少なくとも約7であり、(A)および(B)から得られる窒素対活性臭素の原子比は0.93よりも大きい水溶液またはスラリから水を除去する方法。
【0026】
分析方法
本発明の抗微生物剤組成物を用いて処理される水性系中の活性臭素または活性ハロゲンの量を測定するためには、標準的な良く知られた分析方法を使用することができる。勿論「活性臭素」と云う言葉は殺微生物活性をもっているすべての臭素含有化学種を意味するものとする。一般に当業界においては+1の酸化状態にあるすべての臭素は殺微生物活性をもっているとされており、従って「活性臭素」の中に含まれる。当業界において公知のように、臭素、塩化臭素、次亜臭素酸、次亜臭素酸イオン、三臭素化水素、三臭素酸イオン、および有機−N−臭素化化合物は+1の酸化状態をもっている。従ってこれらの化学種、およびそれらが存在する範囲において他の化学種も本発明の組成物の活性臭素含量を構成している。例えば米国特許第4,382,799号明細書および同第5,679,239号明細書参照。溶液中の活性臭素の量を決定する当業界において確立されている方法は澱粉−ヨード滴定法であり、これによってどのような化学種が活性臭素を構成しているかには無関係に試料中のすべての活性臭素が決定される。臭素および多くの他の酸化剤を定量する古典的な澱粉−ヨード法の有用性および精度は、Willard−FurmanのElementary Quantitative Analysis,第3版,D.Van Nostrand Company,Inc.,New York発行,Copyright 1933,1935,1940年の第14章に記載されているように久しい以前から知られている。
【0027】
活性臭素を決定する典型的な澱粉−ヨード滴定法は次のように行われる:磁気撹拌機と50mlの氷酢酸をヨードフラスコの中に入れる。活性臭素を決定すべき試料(通常約0.2〜0.5g)を秤量し、酢酸を含んだフラスコの中に加える。水(50ml)およびヨー化カリウム水溶液(15%(重量/重量);25ml)をフラスコに加える。水シールを用いてフラスコに栓をする。次にこの溶液を15分間撹拌した後、フラスコの栓を取り、栓とシールの区域を水で洗浄してフラスコの中に注ぐ。自動ビューレット(Metrohm Limited)に0.1規定のチオ硫酸ナトリウムを満たす。ヨードフラスコの中の溶液を0.1規定のチオ硫酸ナトリウムで滴定する。淡い黄色が観測されたら1重量%の澱粉水溶液1mlを加える。フラスコ中の溶液の色は淡黄色から青色に変わる。青色が消失するまでチオ硫酸ナトリウムによる滴定を続ける。活性臭素の量は試料の重量および滴定されたチオ硫酸ナトリウムの容積を用いて計算される。即ち、本発明の組成物中の活性臭素の量は、実際の化学的な形の如何に拘わらず、この方法を用いて決定することができる。
【0028】
活性臭素を決定する他の方法は通常DPD試験法として知られている。この方法は水性系中の極めて少量の活性臭素を決定するのに非常に適している。少量の活性ハロゲンを決定する標準的なDPD法は1974年にPalinによって考案された古典的な試験法に基礎を置いている。A.T.Palin,「Analytical Control of Water Disinfection With Special Reference to Differential DPD Methods For Chlorine,Chlorine Dioxide,Bromine,Iodine and Ozone」,J.Inst.Water Eng.,1974年,28巻,139頁参照。Palinの方法には種々の近代化された方法があるが、この試験法の中で推奨できる方法はHach WaterのAnalysis Handbook,第3版、1997年発行に詳細に記載されている。「全塩素」(即ち活性塩素)に対する方法はこの出版物の379頁の方法8167として規定されている。簡単に述べれば、「全塩素」試験では、活性ハロゲンを含む希薄水溶液試料の中にDPD指示薬粉末(N,N’−ジエチルジフェニレンジアミン)を含んで成る粉末、KI、および緩衝液を導入する。存在する活性ハロゲン種はKIと反応してヨード種を生じ、これがDPD指示薬を赤/ピンク色に変化させる。着色の程度は試料中に存在する「全塩素」種(即ち活性酸素)の濃度に依存する。この強度を比色較正法により測定し、強度の読みをmg/L Clの値の「全塩素」の値に変換する。存在する活性ハロゲンが活性臭素の場合には、mg/L Clの結果に2.25を乗じて活性臭素のmg/L Brの値にすることができる。
【0029】
さらに詳細にはDPD試験は次のように行われる:
1.「全塩素」試験に応答する水中に存在する化学種の量を決定するためには、水の試
料は採取後数分以内、好ましくは採取直後に分析しなければならない。
2.「全塩素」試験に応答する水中に存在する化学種の量を試験するHachの方法8
167ではHach Model DR 2010の比色計が使用される。塩素を
決定するために格納されたプログラム番号はキーボードに「80」と打ち込むこと
によって呼び出される。次に測定器の側面にあるダイアルを回して吸収波長を53
0nmに設定する。二つの同一の試料セルに10mLのマークが付いたところまで
試験すべき水を満たす。片方のセルにはブランク試料として任意のものを選ぶ。第
2のセルにはDPD全塩素粉末ピロー(DPD Total Chlorine
Powder Pillow)の内容物を加える。これを10〜20秒間振盪して
混合し、ピンク/赤の色が現れた場合、DPD「全塩素」試験試薬に積極的に応答
する化学種が水中に存在することが示される。キーボード上でSHIFT TIM
ERキーを押して3分間の反応時間を開始させる。3分後、測定装置は信号音を発
する。10mLのセル持上げ器を使用してブランク試料のセルをHach Mod
el DR 2010の試料室に入れ、遮光器を閉じて迷光の効果を防ぐ。次いで
ZEROキーを押す。数秒後、ディスプレーに0.00mg/L Clが表示さ
れる。装置に0値を設定するのに使用したブランク試料をHach Model
DR 2010の試料室から取り出し、試験試料と取り換え、これにDPD「全塩
素」試験試薬を加えた。次いでブランクに対してしたように遮光器を閉じ、REA
Dキーを押す。数秒以内でmg/L Cl単位の結果がディスプレー上に示され
る。これが検査した水試料の「全塩素」の値である。この値に2.25を乗じると
水試料中の活性臭素の値が与えられる。
【0030】
第1の態様の具体化例のさらに詳細な説明
上記のように、第1の態様は紫外線による劣化に対して上記のような抗微生物剤の安定化を含んでいる。
【0031】
紫外線安定剤
第1の態様の具体化例の殺微生物剤組成物に使用される紫外線安定剤は(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、または(v)(i)〜(iv)の2種またはそれ以上の混合物から選ばれる。本明細書において「可食性」という言葉はその物質が無毒であり、人が摂取できることを意味し、また「水溶性」という言葉は、下記の「成分(A)および(B)の相対的な割合」という項目に記載されているように、成分(A)について少なくとも最低の割合が得られるのに十分な量だけ塩またはエステルが水中に溶解し得ることを意味する。紫外線安定剤が配合された水性の殺微生物剤組成物は、該組成物を紫外線に露出した際、臭素酸イオンの生成に対する抵抗性が増加することを特徴としている。
【0032】
好適な紫外線安定剤はアスコルビン酸、特にL−アスコルビン酸およびその可食性の水溶性の塩およびエステルである。
【0033】
アスコルビン酸またはデヒドロアスコルビン酸の本発明を限定しない例には、金属塩、例えばアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸亜鉛、およびアスコルビン酸の第4級アンモニウム塩、並びにデヒドロアスコルビン酸の対応する塩が含まれる。アスコルビン酸、例えばL−アスコルビン酸、またはデヒドロアスコルビン酸のエステルは有機または無機酸を用いてつくることができる。適当なエステルの本発明を限定しない例にはL−アスコルビン酸2−0−硫酸エステル、L−アスコルビン酸2−0−燐酸エステル、L−アスコルビン酸3−0−燐酸エステル、L−アスコルビン酸6−ヘキサデカノエート、L−アスコルビン酸モノスチレート(styrate)、L−アスコルビン酸ジパルミテート等が含まれる。アスコルビン酸のアルコールエステル、例えばアスコルビン酸エチル、アスコルビン酸プロピル、アスコルビン酸イソプロピル、アスコルビン酸グリセリル、および同様なアルコールエステルも使用することができる。アスコルビン酸(ビタミンC)またはビタミンC活性をもった化合物(例えばデヒドロアスコルビン酸、L−アスコルビン酸,およびその可食性の酸またはエステル)はL−スレオニンのアルドノ−ラクトン、L−キシロン酸(xylonic acid)、L−リキソニン酸(lyxonic acid),およびL−スレオニン酸、L−キシロン酸、およびL−リキソニン酸の可食性の塩から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物と組み合わせて使用することができる。米国特許第4,822,816号明細書;同第4,968,716号明細書および同第5,070,085号明細書参照。
【0034】
本便宜上明細書においては、種々の形のアスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、および/またはアスコルビン酸またはデヒドロアスコルビン酸の少なくとも1種の可食性の水溶性の塩、および/またはアスコルビン酸またはデヒドロアスコルビン酸の少なくとも1種の可食性の水溶性のエステルを、単数または複数のいずれの形においても、成分(B)と呼ぶことにする。
【0035】
成分(A)および(B)の相対的割合
固体状態の臭素をベースにした殺微生物性化合物を使用する場合、成分(A)に対する成分(B)の割合は典型的には成分(A)中の臭素1重量部当たり成分(B)が最高約1重量部の割合である。液体状態の臭素をベースにした殺微生物剤組成物を使用する場合、
成分(A)に対する成分(B)の割合は典型的には、成分(A)を水の中に導入することによってつくられる水溶液またはスラリの活性臭素含量各1重量部当たり成分(B)最高約1重量部の割合である。使用される成分(B)の最低量は、生成物の溶液に紫外線を当てた場合臭素酸塩の生成を阻止するのに十分な量である。通常この最低量は成分(A)中の臭素各1重量部当たり成分(B)約0.1重量部の量であり、また成分(A)の溶液またはスラリを含む水性媒質中の活性ハロゲン含量各1重量部当たり成分(B)0.1重量部の量である。好ましくは本発明の固体状態の組成物は、成分(A)および(B)を、成分(A)の水溶液またはスラリ中の活性ハロゲン1重量部当たり、成分(B)を約0.25〜約1重量部の範囲で含む重量比で含んでいる。同様に、本発明の液体状態の組成物は好ましくは、成分(A)および(B)を、成分(A)の水溶液またはスラリ中の活性ハロゲン1重量部当たり、成分(B)を約0.25〜約1重量部の範囲で含む重量比で含んでいる必要なまたは適切であると考えられる場合には、このような割合からずれることも許容され、本発明の範囲内に入るものとする。
【0036】
成分(A)および(B)の配合
本発明の組成物をつくるためには、成分(A)または成分(A)を水の中に導入してつくられた水溶液またはスラリと成分(B)とを適切な割合で一緒にして所望の組成物をつくる。この際使用する成分がすべて固体の場合、成分を粉末の形で緊密な混合し得ることを保証できる配合用の混合機またはミルを使用することができる。次に必要に応じ、好ましくは適当な無毒の結合剤、例えば微小化した合成ポリオレフィンをベースにした炭化水素ワックスおよび/または微小化した合成ポリフルオロ炭素ワックス、または他の適当な樹脂性のまたはワックス状の材料と組み合わせて緻密化を行うことができる。この種の市販されている材料の二三の例には微小化したポリエチレンワックス(MPP−611,Micro Powders Inc.,Tarrytown,New York);ポリプロピレンワックス(MICROPRO 400,Micro Powders Inc.,Tarrytown,New York);微小化した変性石油樹脂(Handy Tack 140,Micro Powders Inc.,Tarrytown,NY);およびフッ素化された炭化水素混合物(Polysilk 600,Micro Powders Inc.,Tarrytown,NY)が含まれる。このようにして水溶性の粒状物、小球、細片、ペレット、ウエーハ、錠剤、キャプレット、パック(puck,円盤)、練炭状物(briquettes)、または他の形の組合せ生成物をつくることができる。
【0037】
成分(B)と成分(A)の水溶液またはスラリとを配合する場合には、典型的には適当な混合容器の中で成分を一緒にし、成分(A)の水性媒質の中に成分(B)を溶解させる。必要に応じ余分に水を加えることができる。望ましくは仕上げられた溶液は、これを最終的に使用するために輸送して貯蔵を行う際、輸送のため過剰の量の水を含まないですむような十分に高い濃度をもっていなければならない。
【0038】
水性系の処理
成分(A)および(B)の固体状態のブレンド、および成分(B)と成分(A)の水溶液またはスラリとの混合物は、殺生物作用が望まれる種々の水性系に添加するのに良く適している。このような系には水泳プール、ホットタブ(hot tub、大型温水浴槽)、温泉場、渦流浴、および装飾噴水が含まれる。また工業用の冷却水、冷却塔用水、処理用水、空気洗浄機システムの水、パルプおよび製紙操作用の水、油田の用途に使用する水、および一般的な廃水は成分(A)および(B)の固体状態の配合物、または成分(B)と成分(A)の水溶液またはスラリとの混合物で処理することができる。別法として、成分(B)は固体状態であるかまたは濃厚な水溶液またはスラリとして存在することができるが、適当な割合の成分(A)および成分(B)を処理すべき水と個別的に任意の順序でブレンドすることもできる。予めつくられた成分(A)と成分(B)との固体状態のブレンド、または成分(B)と成分(A)の水溶液またはスラリとの混合物を用いることが好適である。何故ならそのほうが配合操作が簡単になり、配合の誤りを起す機会が減少するからである。
【0039】
すべての場合において、殺微生物的に有効な量の本発明の抗微生物剤組成物を処理すべき水に導入するかその水と混合する。殺微生物的に有効な量は場合によって変わり、それは例えば使用される特定の臭素をベースにした抗微生物剤、処理される水性媒質中に存在する微生物の種類および含量、および水の用途または水の使用履歴に依存する。しかし一般的に述べれば、本発明の抗微生物剤組成物の殺微生物的に有効な量は、水性媒質中の活性臭素が約0.01〜約400ppm、好ましくは約0.02〜約200ppm(重量/重量)、さらに好ましくは約0.05〜約100ppm(重量/重量)の範囲にある量であろう。約0.1〜約50ppmの範囲の量が特に好適である。
【0040】
本発明の抗微生物剤組成物の処理すべき水への導入、または本発明の抗微生物剤組成物の処理すべき水への添加は種々の方法で行うことができる。通常の一つの方法は適当な装置、例えば籠(scoop)またはシャベルを用い成分(A)および(B)の固体状態の混合物を簡単に水の上に散布するか、または成分(B)と成分(A)の水溶液またはスラリとの混合物を適当な容器から水の上に注入する方法である。この際に使用される正確な装置は操作の規模に依存する。別法として、適当な量の成分(A)および(B)の固体状態の混合物を含む分配装置の中に水を流し込む供給装置を使用することができる。単一相の液体混合物または懸濁または分散した微粉末の粒子状の物質を含む液相の適当な量を周期的に放出する分配装置を使用し、成分(B)と成分(A)の水溶液またはスラリとの混合物を処理すべき水の主要部分と接触させることができる。水の中に殺微生物性材料を放出するフローター(浮游子)を備えたフロート装置も開発されており、本発明の抗微生物剤組成物を放出させるためにこのような装置を使用することもできる。
【0041】
本発明の組成物は移動性のまたは不動性のバクテリア、例えばエスケリキア・コリ(Escherichia coli)、サルモネラ・エンテリディディス(Salmonella enteritidis)、サルモネラ・テュフィムリム(Salmonella typhimurim)、カンピュロバクテル・イェユニ(Campylobacter jejuni)、カンピュロバクテル・コリ(Campylobacter coli)、および生物膜の形のバクテリア、例えばリステリア・モノシュトゲネス(Listeria monocytogenes)、プシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、プシュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロコックス・ファエシウム(Enterococcus faecium)およびスタフィロコックス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を殺すか少なくとも抑制するのに用いることができる。本発明の組成物は、水性系の処理または鳥類または四足獣の死体を処理するのに使用される他に、希薄溶液の形で海産食品および種々の微生物、病原菌などの生息する場所を構成する種々の表面を処理するのに使用することができる。従って本発明によりつくられた水性組成物は食肉包装工場、および鳥肉処理工場に使用される装置、並びに硬い表面または物体、例えば壁、床、まな板、コンベヤベルト、掛け金、切断工具等を処理するのに用いることができる。本発明によりつくられた水性組成物を使用できる方法の詳細な説明は例えば米国特許第6,908,636号明細書および同第6,986,910号明細書を参照されたい。
【0042】
下記実施例により本発明の態様Aの実施を例示する。これらの実施例は本発明を本明細書に記述されたことだけに限定するものではない。
【実施例1】
【0043】
無水条件下において撹拌しながら1kgの1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダン
トインに616gの微粉末のアスコルビン酸を加える。10分間十分に撹拌した後、560gの臭素を含む本発明の実質的に均一な組成物が生じる。この組成物を50ppm(重量/重量)の濃度で水に加えると、台所のカウンター、流し、および台所の施設のような硬い表面を洗浄するのに適した溶液が得られる。
【実施例2】
【0044】
1L中に38重量%のアスコルビン酸ナトリウムを含む濃厚な水溶液をつくる。この濃溶液10mLを7gのN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと混合する。次いで得られた溶液をエスケリキア・コリ(Escherichia coli)で汚染された500Lの水に加えてこの水を消毒する。
【0045】
本明細書において「抗微生物剤組成物」、「抗微生物性物質」、「殺微生物性化合物」、「臭素をベースにした殺微生物剤」および同様な意味をもつ他の任意の言葉は、それが単数または複数のいずれで使用されようとも、相互に入れ替えて使用され、該組成物が微生物、バクテリア、および/または病原菌を死滅させ、或いはこのような生物体によって引き起される微生物、バクテリア、および/または病原菌の活性を少なくとも抑制し得ることを意味するものとする。本明細書において使用される場合これらの言葉の間には厳密で固定的な差は全くない。本発明の第1の態様には次のものが含まれる:
AA(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固
体状態の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固
体状態の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭
素または塩化臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の
過塩基性のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アル
カリ金属の塩基、および水を含んで成る成分からつくられた活性
臭素含量が少なくとも50,000ppmの濃厚な殺微生物剤水
性組成物であって、ここで(i)および(ii)の相対的な割合
は窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割合
であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組
成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体
状態の殺微生物剤組成物から成る群から選ばれる少なくとも1種
の殺微生物性成分、および
(B)(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アス
コルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコ
ルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の
任意の2種以上の混合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定

を含んで成る成分からつくられた紫外線により誘起される劣化に対して安定化された抗微生物剤組成物。
【0046】
AB AAにおいて(A)の該少なくとも1種の成分が少なくとも1種の固体状態の(I)の殺微生物性化合物である抗微生物剤組成物。
【0047】
AC AAにおいて(A)の該少なくとも1種の成分が(II)の水溶液またはスラリである抗微生物剤組成物。
【0048】
AD AAにおいて(A)の該少なくとも1種の成分が(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である抗微生物剤組成物。
【0049】
AE AAにおいて(A)の該少なくとも1種の成分が(IV)の少なくとも1種の固体状態の殺微生物剤組成物である抗微生物剤組成物。
【0050】
AF ABにおいて(I)の少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物が、(a)両方のハロゲン原子が臭素でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、または(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである抗微生物剤組成物。
【0051】
AG AFにおいて(I)の該少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物は、両方のハロゲン原子が臭素でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである抗微生物剤組成物。
【0052】
AH AGにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインから成る抗微生物剤組成物。
【0053】
AI AFにおいて(I)の該少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物は、一つのハロゲン原子が臭素であって他の一つは塩素であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである抗微生物剤組成物。
【0054】
AJ AIにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的にN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインから成る抗微生物剤組成物。
【0055】
AK ACにおいて(II)の該水溶液またはスラリは(a)両方のハロゲン原子が臭素でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、または(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリである抗微生物剤組成物。
【0056】
AL AKにおいて(II)の該水溶液またはスラリは両方のハロゲン原子が臭素でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリである抗微生物剤組成物。
【0057】
AM ALにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3’−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインから成る抗微生物剤組成物。
【0058】
AN AKにおいて(II)の該水溶液またはスラリは一つのハロゲン原子が臭素原子であって他の一つは塩素原子であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリである抗微生物剤組成物。
【0059】
AO ANにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダント
インは実質的にN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインから成る抗微生物剤組成物。
【0060】
AP ADにおいて、(III)の該濃厚な殺微生物剤水性組成物は、(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素および臭素から誘導される少なくとも100,000ppm(重量/重量)の活性臭素含量をその溶液中に有する水、および(ii)スルファミン酸の(a)リチウム、(b)ナトリウム、(c)カリウム、または(d)(a)、(b)、および(c)の2種またはすべてであるアルカリ金属の過塩基性アルカリ金属塩および/または(e)スルファミン酸、(f)少なくとも1種のリチウム、ナトリウムおよび/またはカリウムの塩基、および(g)水を含んで成る成分からつくられ、(i)および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい抗微生物剤組成物。
【0061】
AQ AEにおいて(IV)の該固体状態の殺微生物剤組成物は、(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素および臭素から誘導される少なくとも100,000ppm(重量/重量)の活性臭素含量をその溶液中に有する水、および(ii)スルファミン酸の(a)リチウム、(b)ナトリウム、(c)カリウム、または(d)(a)、(b)、および(c)の2種またはすべてであるアルカリ金属の過塩基性アルカリ金属塩および/または(e)スルファミン酸、(f)少なくとも1種のリチウム、ナトリウムおよび/またはカリウムの塩基、および(g)水を含んで成る成分からつくられ、(i)および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な抗微生物剤水性組成物からつくられた、脱水された濃厚な抗微生物剤水性組成物である抗微生物剤組成物。
【0062】
AR 該成分(A)および(B)は、該水性媒質に別々に導入されるかおよび/または成分(A)および(B)を含んで成る予めつくられた組成物である殺微生物的に有効な量のAA〜AQ記載の抗微生物性組成物を導入された水性媒質。
【0063】
AS ARにおいて、該媒質の中に導入される前では(A)の該少なくとも1種の成分は(A)の少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物であり、該殺微生物的に有効な量は活性臭素約0.01〜約400ppm(重量/重量)の範囲の量である水性媒質。
【0064】
AT ASにおいて、該殺微生物的に有効な量は活性臭素が約0.02〜約200ppm(重量/重量)またはそれ以下の範囲の量である水性媒質。
【0065】
AU ASにおいて、該殺微生物的に有効な量は活性臭素が約0.05〜約100ppm(重量/重量)の範囲の量である水性媒質。
【0066】
AV ASにおいて、(A)の少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物は両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである水性媒質。
【0067】
AW AVにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインから成る水性媒質。
【0068】
AX ASにおいて、(A)の少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物は一つのハロゲン原子が臭素原子であって他の一つは塩素原子であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである水性媒質。
【0069】
AY AXにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的にN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインから成る水性媒質。
【0070】
AZ AXにおいて、該殺微生物的に有効な量は活性臭素約0.02〜約200ppm(重量/重量)またはそれ以下の範囲の量である水性媒質。
【0071】
BA AXにおいて、該殺微生物的に有効な量は活性臭素約0.05〜約100ppm(重量/重量)の範囲の量である水性媒質。
【0072】
BB ARにおいて、成分(A)は該水性媒質に導入する前においては、(1)(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素および臭素から誘導された少なくとも50,000ppm(重量/重量)の活性臭素含量をその溶液中に有する水、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、および水を含んで成る殺生物性水性組成物を含む成分からつくられた(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物であって、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物であるか;または(2)(1)の濃厚な殺微生物剤水性組成物の脱水された固体状態の殺微生物剤組成物であり、その殺微生物的に有効な量は活性臭素が約0.01〜約400ppm(重量/重量)である水性媒質。
【0073】
BC BBにおいて成分(A)は(1)であり、(1)は塩素を一緒に用いないでつくられ、該活性臭素含量は少なくとも100,000ppmであり、スルファミン酸の該過塩基性のアルカリ金属塩のアルカリ金属またはアルカリ金属の塩基は(a)リチウム、(b)ナトリウム、(C)カリウム、または(d)(a)、(b)、および(c)の二つまたは三つ全部である水性媒質。
【0074】
BD BBにおいて(A)が(2)である水性媒質。
【0075】
BE BDにおいて成分(A)は(2)であり、(2)をつくるのに用いる(1)は塩素を一緒に用いないでつくられ、該活性臭素含量は少なくとも100,000ppmであり、スルファミン酸の該過塩基性のアルカリ金属塩のアルカリ金属および/またはアルカリ金属の塩基は(a)リチウム、(b)ナトリウム、(C)カリウム、または(d)(a)、(b)、および(c)の二つまたは三つ全部である水性媒質。
【0076】
BF BBにおいて該殺微生物的に有効な量は活性臭素が約0.02〜約200ppm(重量/重量)の範囲にある量である水性媒質。
【0077】
BG AAの抗微生物剤組成物を水性媒質中に含ませてつくられた殺微生物的に有効な量の活性臭素を含む水性媒質を微生物のいる場所に施用することを含む微生物を抑制する方法。
【0078】
BH BGにおいて該抗微生物剤組成物の(A)の少なくとも1種の成分は(I)の少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物である方法。
【0079】
BI BHにおいて成分(I)の該殺微生物性化合物は1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインである方法。
【0080】
BJ BHにおいて成分(I)の該殺微生物性化合物はN,N’−ブロモクロロ−5,
5−ジメチルヒダントインである方法。
【0081】
BK(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性成分;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性成分の水溶液またはスラリ;
(III)(a)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素
および臭素から誘導された少なくとも50,000ppm(重量/重量
)の活性臭素含量をその溶液中に有する水、および(b)スルファミン
酸の過塩基性のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカ
リ金属の塩基、および水を含んで成る濃厚な殺微生物剤水性組成物であ
って、ここで(a)および(b)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原
子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7
より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;および
(IV) 脱水された(III)の濃厚な抗微生物剤水性組成物である固体状態の
殺微生物剤組成物
から成る群から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分を含んで成る少なくとも1種の殺微生物剤組成物を紫外線に対して安定化させる方法であり、
該方法は該選ばれた成分(I)または(IV)中の臭素または該選ばれた成分(II)または(III)の中の活性臭素1重量部当たり最高1重量部の、紫外線による劣化に対して安定させる量の(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の2種以上の混合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤を該選ばれた成分と混合するかまたはそれに添加する方法。
【0082】
BL BKにおいて、選ばれた成分は(I)または(II)である方法。
【0083】
BM BKにおいて、選ばれた成分は(I)であり、且つ(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、またはそれからつくられた水溶液またはスラリ、または(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、またはそれからつくられた水溶液またはスラリである方法。
【0084】
BN BKにおいて、選ばれた成分は(II)であり、且つ(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリ、または(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリである方法。
【0085】
BO 鳥類または四足獣を食品製品として処理する際に鳥類または四足獣の死体の微生物による汚染を抑制する方法であって、該方法は
(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素
および臭素から誘導された少なくとも50,000ppm(重量/重量
)の活性臭素含量をその溶液中に有する水、および(ii)スルファミ
ン酸の過塩基性のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アル
カリ金属の塩基、および水を含んで成る濃厚な殺微生物剤水性組成物で
あって、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素
の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成物のpH
は7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の
殺微生物剤組成物から成る群から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性
成分、および
(B)(I)の該少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物中または(IV)の該固
体状態の殺微生物性組成物中の臭素1重量部当たり、或いは(II)の該水溶液ま
たはスラリ中の活性臭素または(III)の該水溶液またはスラリ中の活性臭素1
重量部当たり、(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(ii
i)アスコルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアス
コルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の任意
の2種以上の混合物から選ばれた、最高約1重量部の少なくとも1種の紫外線に対
する安定剤
を含んで成る成分からつくられた安定化された抗微生物剤組成物を水性媒質に添加することによって得られる殺微生物的に有効な量の活性臭素を含む水性媒質と該死体とを接触させる方法。
【0086】
第2の態様の具体化例のさらに詳細な説明
上記のように、第2の態様はバクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品および海産食品製品の汚染を、海産食品および海産食品製品の種々の製造、流通または消費場所において抑制する新規方法を含んでいる。
【0087】
臭素をベースにした殺微生物剤の濃度
海産食品または海産食品製品に施用する殺微生物剤水性組成物をつくり、その上またはその中におけるバクテリア、酵母菌、および/または黴による汚染を防ぐためには、殺微生物的に有効な量の少なくとも1種の特定の成分をグループ(I)、(II)、(III)、および(IV)として規定された少なくとも一つのグループから選び、これを水に溶解させる。殺微生物的に有効な量は種々の因子、例えばグループ(I)、(II)、(III)、および(IV)から選ばれた特定の成分の種類、抑制すべき病原菌の種類、および特定の海産食品および海産食品製品の量およびタイプに依存して変化することができる。しかし一般的に述べれば、(I)、(II)、(III)、および/または(IV)の殺微生物的に有効な量は、水に加えた場合、得られた水溶液中において約0.01〜約200ppm(重量/重量)の範囲の、好ましくは約0.05〜約100ppm(重量/重量)の範囲の、さらに好ましくは約0.05〜約50ppm(重量/重量)の範囲の活性臭素を与えるような量であろう。
【0088】
本発明の好適具体化例においては、海産食品または海産食品製品に施用される殺微生物剤水性組成物は少なくとも1種の紫外線安定剤組成物を含ませることにより紫外線による劣化に対して安定化された殺微生物剤水性組成物である。
【0089】
使用される紫外線安定剤の割合
紫外線で誘起される劣化または分解に対する安定性を賦与するために、紫外線安定剤が使用される選ばれた殺微生物剤成分中の臭素の重量部当たり最高約1重量部の量の紫外線による劣化を阻止する量で紫外線安定剤を使用する。従って少なくとも1種の固体状態のグループ(I)の殺微生物剤(例えばl,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、またはN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン)、または少なくとも1種の固体状態のグループ(IV)の殺微生物剤(例えばStabrom(R)909殺微生物剤(Albemarle Corporation)から脱水によりつくられた脱水された濃厚な水性殺微生物剤組成物を使用する場合、紫外線安定剤の割合は固体状態の殺微生物性化合物または組成物中の臭素の重量を基準にしている。グループ(II)またはグループ(III)の特定の成分から選ばれた液体成分、例えばグループ(II)の1分子中に少なくとも一つの臭素原子を有する固体状態の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ、例えばl,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、またはN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルヒダントインの水溶液、または液体のグループ(III)の濃厚な水性殺微生物剤、例えばStabrom(R)909殺微生物剤(Albemarle Corporation)、またはStabrexTM 殺微生物剤(Nalco Chemical Company)を使用する場合には、紫外線安定剤の割合は液体のグループ(II)またはグループ(III)の組成物中の活性臭素の重量を基準にしている。従って海産食品または海産食品製品に施用される殺微生物剤水性組成物は、殺微生物剤としての有効な量のグループ(I)(II)(III)および/または(IV)の個々のメンバーから選ばれた少なくとも1種の抗微生物水性組成物、および選ばれた殺微生物剤組成物中の活性臭素の重量当たり最高約1重量部の紫外線による劣化を阻止する量の紫外線安定剤を含んでいる。
【0090】
好ましくは、海産食品または海産食品製品に施用される紫外線に対して安定化された殺微生物剤水性組成物をつくるのに使用される固体状態の成分は、グループ(A)の少なくとも一つから選ばれる少なくとも1種の特定の成分、および紫外線安定剤(B)の少なくとも1種から、成分(A)中の臭素の各重量部当たり成分(B)が約0.25重量部、ないし成分(A)中の臭素の各重量部当たり成分(B)が約1重量部になるような重量比でつくられる。好ましくは海産食品または海産食品製品に施用される紫外線に対して安定化された殺微生物剤水性組成物をつくるのに使用される液体状態の成分は、成分(A)および(B)から、成分(A)中の活性臭素の各重量部当たり成分(B)が約0.25重量部、ないし成分(A)中の活性臭素の各重量部当たり成分(B)が約1重量部になるような重量比でつくられる。
【0091】
海産食品または海産食品製品に施用する紫外線に対して安定化された殺微生物剤水性組成物をつくるためには、成分(A)および(B)の固体状態の予めつくられた混合物を水に加えるか水と混合するか、或いは固体の形の成分(A)および(B)を固体の形の別の成分として水に加えるか混合することができる。成分(A)および(B)の予めつくられた固体状態の配合物を使用することは、それによって配合操作が簡単化され、誤った配合を行う機会が減少するので好適である。成分(A)および(B)の予めつくられた濃厚な水溶液またはスラリを典型的には少なくとも一つの段階において十分な水で希釈して紫外線に対して安定化された殺微生物剤組成物をつくり、これを海産食品または海産食品製品に施用する。しかしこのような用途に使用する紫外線に対して安定化された殺微生物剤組成物をつくる場合他の方法を使用することもできる。例えば予めつくられた成分(A)および(B)の濃厚な水溶液またはスラリおよびそれよりも多量の水の両方を、最初の量の水または成分(A)のグループ(II)および/または(III)から選ばれた特定の液体状態の成分の液体状態の混合物に加え、成分(A)および(B)の予めつくられた濃厚な水溶液またはスラリおよび(A)から得られる固体状態の殺微生物性化合物または組成物の両方を水に加えることができる。
【0092】
海産食品または海産食品製品に対する水溶液の施用
殺微生物的に有効な量の安定化された抗微生物剤組成物を含む水溶液を海産食品または海産食品製品に施用するには種々の方法を用いることができる。例えばこのような水溶液を含むタンクの中に海産食品または海産食品製品を浸漬するか、または海産食品または海産食品製品に対し1種またはそれ以上のこのような水溶液の噴霧または煙霧をかけること
ができる。海産食品または海産食品製品を処理する施設の大きさに依存して手で持てる噴霧器または煙霧装置を用いて施用を行うことができる。別法として、噴霧または煙霧室またはその区域の内部に配置されたノズルまたは煙霧装置から噴霧または煙霧を噴射し、この中に海産食品または海産食品製品をコンベヤベルトまたは他の自動運搬システムに乗せて運び込むことができる。
【0093】
上記のように、殺微生物剤の水溶液を海産食品または海産食品製品に施用した後、海産食品または海産食品製品を水で洗浄して海産食品または海産食品製品から殺微生物剤組成物を十分に洗浄し去る。殺微生物剤水溶液の施用と水洗の開始との間の時間は、殺微生物剤水溶液をつくるのに使用した殺微生物剤の種類、使用した殺微生物剤水溶液中の殺微生物剤の濃度、および海産食品または海産食品製品についているまたはついていそうな細菌、バクテリア、菌類、イースト菌、黴、または他の病原菌の種類および含量のような因子に依存して変化させることができる。しかし一般的に述べれば、殺微生物剤水溶液は約10秒〜約30分、好ましくは約30秒〜約5分の間海産食品または海産食品製品と接触したままでいなければならない。その後迅速に十分な水洗を始めなければならない。必要に応じ洗浄操作に適当な無毒性の表面活性剤(洗剤など)を用い、水洗操作の洗浄活性を増加させることができる。洗浄媒体としての水の中に表面活性剤を使用した場合には、その後で海産食品または海産食品製品は純水で十分に洗わなければならない。
【0094】
海産食品および海産食品製品
本明細書の冒頭部分に述べたように、「海産食品」とは淡水、塩気のある水、または塩水からとれた魚類を意味し、従って太洋、海洋、湾、湖、河川、流水、池、沼地区域などから収穫または捕獲される魚、貝、甲殻類などを含むものとする。本発明に従えば海産食品は捕獲された新鮮な状態で、或いは処理された後に、例えば鱗を落としたり、内蔵を取ったり、皮を剥いだり、汚れをとったり、調理したり、或いは食べられる部分を回収するために海産食品を切断したりした後に処理を行うことができる。この種の操作はしばしば手で行われるか、またはこのような操作を行うのに適した機械で行われる。海産食品はこれを海産食品製品、例えば生の(調理しない)切り身またはパッティ(patty)、ロブスターのはさみまたは尾、ザリガニの尾、ウナギ、帆立て貝、刺し身(調理しないマグロ、タコ、イカ、エビ等を含む)、およびカニの肉の塊などに変えた後に処理することができる。海産食品は多くの形または種類の魚、例えば鮭、タラ、オヒョウ、テラピア、ナマズ、白身の魚、マス、雄の鮭、キンメダイ、ハタ、カレイ、メカジキ、ニベ(drum)、マヒマヒ(mahimahi),シイラ、マグロ、ニシン、カタクチイワシ、ウナギ、および他の多くのものを含んでいる。海産食品または海産食品製品は、魚が捕獲され、処理され、輸送され、貯蔵され、または販売される任意の場所において本発明に従って処理することができる。このような場所の本発明を限定しない例には魚を捕獲しおよび/または処理する漁船または船舶、缶詰工場、卸売の魚市場、小売りの魚市場、魚の乾燥または脱水施設、卸しまたは小売りの調理場が含まれる。
【0095】
本発明の第2の態様の具体化例は次の通りである:
BP バクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品または海産食品製品の汚染を抑制する方法であって、該方法は水および下記の少なくとも1種の殺微生物性成分を含んで成る成分からつくられた殺微生物剤水性組成物を海産食品または海産食品製品に施用する方法であり、該殺微生物性成分は、
(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化
臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のアルカリ金属塩
および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、および水を含んで成る
成分からつくられた活性臭素含量が少なくとも50,000ppmの濃厚な殺
微生物剤水性組成物であって、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は
窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成
物のpHは7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の殺微生
物剤組成物
から選ばれる海産食品または海産食品製品の汚染を抑制する方法。
【0096】
BQ BPにおいて該成分は少なくとも1種の(I)の固体状態の殺微生物性化合物である方法。
【0097】
BR BPにおいて該成分は(II)の水溶液またはスラリである方法。
【0098】
BS BPにおいて該成分は(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である方法。
【0099】
BT BPにおいて該成分は(IV)の固体状態の殺微生物剤組成物である方法。
【0100】
BU BQにおいて、(I)の該固体状態の殺微生物性化合物は(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、または(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0101】
BV BQにおいて(I)の該固体状態の殺微生物性化合物は両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0102】
BW BVにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0103】
BX BQにおいて(I)の該固体状態の殺微生物性化合物は一つのハロゲン原子が臭素原子であり他の一つは塩素であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基であるの一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0104】
BY BXにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的にN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0105】
BZ BRにおいて、(II)の該水溶液またはスラリは(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、または(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0106】
CA BZにおいて(II)の該水溶液またはスラリは両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なく
とも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリである方法。
【0107】
CB CAにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0108】
CC BZにおいて(II)の該水溶液またはスラリはハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0109】
CD CCにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的にN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0110】
CE バクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品または海産食品製品の汚染を抑制する方法であって、該方法は水および
(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素また
は塩化臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のア
ルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、お
よび水を含んで成る成分からつくられた活性臭素含量が少なくとも50
,000ppmの濃厚な殺微生物剤水性組成物であって、ここで(i)
および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93よ
り大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な
殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の
殺微生物剤組成物から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分、およ

(B)(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビ
ン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可
食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の2種以上の混合物か
ら選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤
を含んで成る成分からつくられた紫外線により誘起される劣化に対して安定化された殺微生物剤水性組成物を海産食品または海産食品製品に施用する方法。
【0111】
CF CEにおいて該成分は少なくとも1種の(I)の固体状態の殺微生物性化合物である方法。
【0112】
CG CEにおいて該成分は(II)の水溶液またはスラリである方法。
【0113】
CH CEにおいて該成分は(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である方法。
【0114】
CI CEにおいて該成分は(IV)の固体状態の殺微生物剤組成物である方法。
【0115】
CJ CFにおいて、(I)の該固体状態の殺微生物性化合物は(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、または(
b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0116】
CK CJにおいて(I)の該固体状態の殺微生物性化合物は両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0117】
CL CKにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0118】
CM CJにおいて(I)の該固体状態の殺微生物性化合物は一つのハロゲン原子が臭素原子であり他の一つは塩素であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0119】
CN CMにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的にN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0120】
CO CGにおいて、(II)の該水溶液またはスラリは(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントイン、または(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリである方法。
【0121】
CP COにおいて(II)の該水溶液またはスラリは両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリである方法。
【0122】
CQ CPにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0123】
CR COにおいて(II)の該水溶液またはスラリはハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり、両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインである方法。
【0124】
CS CRにおいて該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的にN,N’−ブロモクロロ−5,5−ジメチルルヒダントインから成る方法。
【0125】
本明細書の任意の場所において化学名または化学式で引用された成分は、単数または複数で引用されているかどうかには拘わらず、化学名または化学的な型によって引用された他の物質(例えば他の成分、溶媒、等)と接触する前に存在したものとして認識される。得られた混合物または溶液の中でどのような化学変化、転移、および/または反応が起こっているかどうかは問題にならない。何故ならそのような変化、転移、および/または反応は本明細書の記載に従って要求される条件下において規定された成分を一緒にした当然の結果だからである。従って成分とは、所望の操作を行うかまたは所望の組成物をつくることに関連して一緒にされる要素であるとして認識される。また、以下の特許請求の範囲には現在形で物質、成分および/または要素が引用されている(「含んで成る」、「ある」等)が、物質、成分または要素は、本発明に従ってそれらが1種またはそれ以上の他の物質、成分、および/または要素と最初に接触、配合、または混合される直前の時期に存在したものとして引用されている。また、特許請求の範囲には現在形で物質が引用されている(「含んで成る」、「ある」等)が、物質は、本発明に従ってそれらが1種またはそれ以上の他の物質と最初に接触、配合、または混合される直前の時期に存在したものとして引用される。化学の専門家によって上記の説明のように操作が行われた場合、或る物質、成分または要素が、接触、配合または混合操作の際に、化学反応または転移によってその元の同一性を失うことができるという事実は実用的には何の関心もない問題である。
【0126】
特記しない限り、本明細書において使用された場合、冠詞「a」または「an」は本明細書に記載されているように、特許請求の範囲を該冠詞がつけられた単一の要素に限定するつもりはなく、またそれを限定すると考えるべきではない。そうではなく本明細書に使用された場合、および使用されているように、特記しない限り冠詞「a」または「an」は一つまたはそれ以上のこのような要素を含むものとする。
【0127】
本発明は実施する場合かなりの変形を行うことができる。従って上記の説明は本発明を上記に提示された特定の例に限定するものではなく、また限定すると考えるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状
態の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状
態の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素ま
たは塩化臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性
のアルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩
基、および水を含んで成る成分からつくられた活性臭素含量が少なく
とも50,000ppmの濃厚な殺微生物剤水性組成物であって、こ
こで(i)および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比
が0.93より大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7よ
り大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態
の殺微生物剤組成物から成る群から選ばれる少なくとも1種の殺微生
物性成分、および
(B)(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコル
ビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸
の可食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の任意の2種以
上の混合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤
を含んで成る成分からつくられた紫外線により誘起される劣化に対して安定化された抗微生物剤組成物。
【請求項2】
(A)の該少なくとも1種の成分は(I)の少なくとも1種の固体状態の殺微生物性化合物であるか、または(II)の水溶液またはスラリであることを特徴とする請求項1記載の抗微生物剤組成物。
【請求項3】
(A)の該少なくとも1種の成分は(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物であるか、または(IV)の固体状態の殺微生物剤組成物であることを特徴とする請求項1記載の抗微生物剤組成物。
【請求項4】
(A)の該成分は:
(1)(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって
他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−
ジアルキルヒダントインまたは(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つ
は塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種
の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインであるか;または
(2)上記(a)または(b)からつくられる水溶液またはスラリである
ことを特徴とする請求項2記載の抗微生物剤組成物。
【請求項5】
(1)または(2)の該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインから成ることを特徴とする請求項4記載の抗微生物剤組成物。
【請求項6】
殺微生物的に有効な量の請求項1〜5のいずれか一つに記載された抗微生物剤組成物が導入された水性媒質であって、この際該成分(A)および(B)は別々に該水性媒質に導入されているか、および/または成分(A)および(B)を含んで成る予めつくられた組成物として導入されていることを特徴とする水性媒質。
【請求項7】
請求項1記載の抗微生物剤組成物を水性媒質に含ませることによりつくられた抗微生物的に有効な量の活性臭素を含む該水性媒質を、微生物が存在する場所に施用することを特徴とする微生物を抑制する方法。
【請求項8】
紫外線による劣化に対して少なくとも1種の殺微生物剤組成物を安定化させる方法であって、該殺微生物剤組成物は
(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)(a)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化臭素および
臭素から誘導された少なくとも50,000ppm(重量/重量)の活性臭素
含量をその溶液中に有する水、および(b)スルファミン酸の過塩基性のアル
カリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、および水を
含んで成る濃厚な殺微生物剤水性組成物であって、ここで(a)および(b)
の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割
合であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の殺微生
物剤組成物
から成る群から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分を含んで成り;
該方法は、該選ばれた成分(I)または(IV)中の臭素或いは該選ばれた成分(II)または(III)中の活性臭素1重量部当たり、最高1重量部の紫外線による劣化を抑制する量の(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の任意の2種以上の混合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤を、該選ばれた成分と混合するか該成分に添加することを含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項9】
選ばれた成分は(I)または(II)であることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
選ばれた成分は(I)であり、且つ(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインまたは(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインまたはそれから作られた水溶液もしくはスラリであることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項11】
選ばれた成分は(II)であり、且つ(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインまたは(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つは塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインの水溶液またはスラリであることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項12】
鳥類または四足獣を食品製品として処理する際に鳥類または四足獣の死体の微生物による汚染を抑制する方法であって、該方法は安定化された請求項1記載の抗微生物剤組成物を添加することによって得られる殺微生物的に有効な量の活性臭素を含む水性媒質と該死体とを接触させることを特徴とする方法。
【請求項13】
バクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品または海産食品製品の汚染を抑
制する方法であって、該方法は水、および
(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態の殺微
生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素または塩化
臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のアルカリ金属塩
および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、および水を含んで成る
成分からつくられた活性臭素含量が少なくとも50,000ppmの濃厚な殺
微生物剤水性組成物であって、ここで(i)および(ii)の相対的な割合は
窒素対活性臭素の原子比が0.93より大きくなるような割合であり、該組成
物のpHは7より大きい濃厚な殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の殺微生
物剤組成物
から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分を含んで成る成分からつくられた殺微生物剤水性組成物を、海産食品または海産食品製品に施用することを特徴とする方法。
【請求項14】
バクテリア、酵母菌、および/または黴による海産食品または海産食品製品の汚染を抑制する方法であって、該方法は水、および
(A)(I) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物;
(II) 分子中に少なくとも1個の臭素原子を有する少なくとも1種の固体状態
の殺微生物性化合物の水溶液またはスラリ;
(III)水、および(i)塩素を一緒に使用したまたは使用しない塩化臭素また
は塩化臭素および臭素、および(ii)スルファミン酸の過塩基性のア
ルカリ金属塩および/またはスルファミン酸、アルカリ金属の塩基、お
よび水を含んで成る成分からつくられた活性臭素含量が少なくとも50
,000ppmの濃厚な殺微生物剤水性組成物であって、ここで(i)
および(ii)の相対的な割合は窒素対活性臭素の原子比が0.93よ
り大きくなるような割合であり、該組成物のpHは7より大きい濃厚な
殺微生物剤水性組成物;
(IV) 脱水された(III)の濃厚な殺微生物剤水性組成物である固体状態の
殺微生物剤組成物から選ばれる少なくとも1種の殺微生物性成分、およ

(B)(i)アスコルビン酸、(ii)デヒドロアスコルビン酸、(iii)アスコルビ
ン酸の可食性の水溶性の塩またはエステル、(iv)デヒドロアスコルビン酸の可
食性の水溶性の塩またはエステル、(v)(i)〜(iv)の任意の2種以上の混
合物から選ばれた少なくとも1種の紫外線に対する安定剤
を含んで成る成分からつくられた紫外線により誘起される劣化に対して安定化された抗微生物剤組成物を海産食品または海産食品製品に施用することを特徴とする方法。
【請求項15】
該少なくとも1種の殺微生物性成分は(I)および(II)から選ばれ;
(1)(a)両方のハロゲン原子が臭素原子でありアルキル基の一つがメチル基であって
他の一つがC1〜4アルキル基である少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−
ジアルキルヒダントインまたは(b)ハロゲン原子の一つが臭素であって他の一つ
は塩素であり両方のアルキル基は独立にC1〜4アルキル基である少なくとも1種
の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインであるか;または
(2)(1)の水溶液もしくはスラリである
ことを特徴とする請求項13または14のいずれか一つに記載された方法。
【請求項16】
該少なくとも1種の1,3−ジハロ−5,5−ジアルキルヒダントインは実質的に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインから成っていることを特徴とする請求項15記載の方法。

【公表番号】特表2010−515757(P2010−515757A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545709(P2009−545709)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/050898
【国際公開番号】WO2008/089086
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】