説明

食品スライサー

食品スライサーが、開口を有する食品受容プラットフォームを備えたフレームを含んでいる。両面使用式切断ブレードが、第1と第2の切断刃を有し、選択的にフレーム上の第1位置と第2位置とに取り外し可能に取り付け可能であり、それによりプラットフォームに沿って移動する食品と接触できるように、それぞれ第1と第2の切断刃を開口内に配置することができる。支持脚が揺動可能にフレームに担持されることで、側壁内面間で完全にフレーム内に収まる収納位置とフレームから引き出されて側壁内面の横方向外方へ傾斜する使用位置との間を移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、食品のカット兼スライス装置、特に事実上定置の切断又はスライス用のブレードのところを通過する食品を処理する種類の装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の種類の食品スライス装置が、これまで提供されてきた。これらの装置の多くは、かさ高で、かなりの保管スペースを必要とする。保管時には折り重ね可能又は折りたたみ可能な食品スライス装置も公知だが、あまりコンパクトなものではない。
また異なる種類のパターンで食品を切断又はスライスするために、複数ブレードを組み合わせた食品スライス装置も公知である。そのような一装置は、食品の通路内へ選択的に旋回可能な複数群の細切りブレードを担持する回動可能な取り付け具と、細切りブレードの下流に位置して、細切りされた食品部分をスライスする定置スライスブレードとを有している。このスライスブレードは、通常、装置内に固定され、この種のブレードは1個だけ備えられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本出願は、先行食品スライス装置の欠点が除去されている一方、構造上、操作上の利点が付加された改良型食品スライサーを開示するものである。
特に、ここに説明される食品スライサーは、コンパクトな構成を有し、特にコンパクトな保管形状に折りたたみ可能である。
別の態様によれば、ここに提供する種類の食品スライス装置は、両面使用式スライスブレードを有していることで、装置の融通性及び実現可能な異なるスライスパターンの数が大幅に増大する。
【0004】
特に、ここに開示された食品スライサーは、フレームと、フレームにより担持され開口を有する食品受容プラットフォームと、第1及び第2の切断刃を有しかつ選択的に第1と第2の位置でフレームに取り外し可能に取り付け可能な両面使用式切断ブレードとを含んでいる。切断ブレードが第1位置に置かれた場合は、開口内の第1切断刃が、プラットフォームに沿って予め決められた方向にスライドする食品と切断接触する位置を占め、切断ブレードが第2位置に置かれた場合は、開口内の第2切断刃が、プラットフォームに沿って予め決められた方向にスライドする食品と切断接触する位置を占める。
ここに保護を請求する客体の理解を容易にするために、本発明の一実施例が添付図面に示されており、以下の説明と関連してこの実施例を検討することで、請求対象の客体、その構成及び操作、その利点の多くが、容易に理解され、評価されるはずである。
【実施例1】
【0005】
図1〜図6を見ると、全体を符号10で示された食品スライサーが示されている。この食品スライサーは、概して長方形状の開放フレーム11を含み、開放フレーム11は、互に対向する各内面14,15をそれぞれ有する事実上平行な1対の側壁12,13を含んでいる。側壁12,13は、後端近くでは後部ビーム16によって相互結合され、前端近くでは前部ビーム(図示せず)によって相互結合されている。前端からは、側壁12,13とそれぞれ一体に形成された短脚18が下方前方へ斜めに延びている。側壁13の両端の中間には、側壁を貫通して細長の長方形状の開口19が形成されている。側壁12,13の各々には、後端近くに横方向内方に突出したカム突起20(図4)が備えられ、該カム突起が、傾斜カム面21と、関連側壁の隣接内面14又は15と事実上平行の平らな支承面22とを有している。カム突起20のそれぞれ直下の内面14,15には、各各浅い円筒形の凹部23が形成されている。
【0006】
図6を見ると、側壁12,13は、長方形状の開口19のすぐ後方に横方向内方へ突出するストッパ突起25を各々備え、また凹部23の下の直ぐ後方にそれぞれ位置し横方向内方へ突出するストッパ突起26をも備えている。後部ビーム16の前方には、揺動突起27が側壁12,13の各々から横方向内方へ突出している。側壁12の上縁部には、側壁両端の中間に、長方形状の回動体用切欠き28が形成され、この切欠きの下には回動体の開口(図示せず)が設けられている。いずれも後で十分に説明する目的のためである。切欠き28に隣接する側壁12,13の下縁部間には、事実上半円筒形の保護部材29が掛け渡されている。また、長方形状の開口19の直下のところで、平らな事実上長方形の支持体30が側壁12,13を相互結合しており、該支持体は、支持体からカットした可とう性かつ弾性的なフィンガ30aを有することができる。以上に挙げたすべての部材がフレーム11部分を形成しており、かつ適当なプラスチック材料で形成できる。
【0007】
フレーム11に担持されたプラットフォーム組み立て体31は、長方形の供給板32を含み、この供給板には、長手方向に延び、かつ横方向に間隔をおいたリブ32aが設けられている。供給板32は、側壁12,13間及び後部ビーム16と長方形開口19との間にはめ込み得るよう寸法付けられ、その後端部にハンドルパッド33を備えている。供給板32の両側縁に沿って供給板と一体に側部フランジ34が垂設され、該フランジは、各々側壁12,13の内面14,15と平行であり、各々フランジの後部両端に垂設された脚部34aを有し、各々揺動突起27のところで側壁12,13に揺動可能に結合されている。
【0008】
供給板32は、使用時、側壁12,13と事実上直角に位置する直線状の前縁を有し、これにより該前縁が、使用時、プラットフォーム組み立て体31の概して長方形のギャップ又は開口37の後端を限界付け、ギャップ又は開口37の前端は排出板38によって限界付けられる。排出板38は、また長方形状であり、側壁12,13間のスペースを占め、その前端が適当な手段で側壁に固定されている。排出板38は、横方向に間隔をおいて長手方向に延在するリブ38aを備え、使用時には、側壁12,13に対し事実上直角に位置する直線状の後縁39を有している。排出板38の前端は、前部ビーム17を覆い隠す垂設フランジを有することができる。
【0009】
特に図1、図2、図8を見ると、食品スライサー10は、細長で長方形の概して平らな胴部41を有する両面使用式ブレード40を含み、該胴部は、一体に構成され、一端に拡大された取手42を備えている。胴部41は金属薄板で形成され、該薄板が折り曲げられて、断面が概してZ字形にされており、一方の面には、長手方向に延びる肩43が形成され、反対側の面には、肩44が形成されている。胴部41には、その一方の側に沿って長手方向に延びる第1ブレード刃45が形成され、反対側に沿って第2ブレード刃46が形成されており、ブレード刃46は、複数の溝又はセレーション47を含んでいる。
【0010】
少なくとも1つの長方形の開口48が、胴部41を貫通して形成されることができる。両面使用式ブレード40は、図1及び図2に示されているように、長方形の開口19に受容可能な寸法にされており、支持体30に載置され支持されてブレード遠位端が側壁12に接触するまで挿入されると、フィンガ30aが開口48にスナップばめされ、両面使用式ブレード40は所定位置に拘束される。取手42は、開口19を通過できないだけの寸法を有しているのが好ましい。図1と図2から分かるように、ブレード40は両面使用式なので、ブレード刃45(図1)又はブレード刃46(図2)を後方に向けて配置できる。
【0011】
フレーム11は、折りたたみ可能な後部支持脚組み立て体50を備え、該組み立て体が細長の軸51(図3、図4、図6)を含み、該軸は、その長さの大部分にわたって事実上円形の横断面を有することができ、かつ傾斜端面、つまり斜角をなす端面52を備え、該端面は、互いの方向へ傾斜しているので、軸51の軸線に対し直角をなしていない。傾斜端面52の各々からは、事実上方形の横断面を有する延長部53が軸線方向に突出し、各延長部53が、また軸線方向に突出する事実上円筒形の揺動軸部54を備え、側壁12,13の揺動凹部23のうちの関連する1つが、揺動軸部54を同心的かつ揺動可能に受容するようにされている(図4)。延長部53の各々には、延長部を貫通して円筒形のピン穴55が形成されている。
【0012】
軸51の両端には、それぞれ細長の支持脚60が取り付けられ、各支持脚が細長の胴部61を有し、該胴部は事実上長方形の横断面輪郭を有し、その遠位端に長方形の足62を備えている。各支持脚60は、軸51の隣接方形延長部53を受容するための事実上方形の貫通穴64を備えた取り付け端部63を有している。また各取り付け端部63を貫通して、ピン穴65が形成されており、該ピン穴は、適当な取り付けピン68を受容するため、関連軸延長部53のピン穴55と整合するように配置される。各取り付け端部63からは横方向外方へ、概して長方形の従節突起67が突出し、該従節突起が、側壁12,13のうちの隣接する一方の側壁の関連カム突起20の支承面22とカム面21とにカム接触するように配置される。
【0013】
特に図1、図2、図4、図7を見ると、食品スライサー10は、また全体を符号70で示された回動体組み立て体を含んでおり、該組み立て体が、側壁12,13間に延在し、保護部材29によって覆われている。回動体組み立て体70は細長の胴部71を有し、該胴部71は、互に約100°の角度で傾斜し隣接する平らな側面72,73を有している。平らな側面72,73は、延びの大部分に沿ってアーチ形のカム面74によって相互に結合されている。胴部71には、概して楔形の複数の切欠き75が長手方向に間隔をおいて設けられている。平らな側面72からは、長手方向に間隔をおいて複数の比較的長いブレード76が横方向に突出しており、各ブレードが、その遠位端の前縁(回動方向で)に沿って面取りされた面76aを有している。
【0014】
平らな側面73からは、長手方向に間隔をおいた複数の比較的短いブレード77が横方向に突出しており、各ブレードが、その遠位端の前縁に沿って面取りされた面77aを有している。ブレード77の長手方向間隔はブレード76の間隔より事実上狭いので、ブレード77はブレード76より多く備えられている。しかし、ブレード76,77の数、間隔、長さは、所望に応じて変更可能であることは理解されよう。平らな側面72とカム面74との間の接続部は、支持棚状部78を形成する一方、平らな側面73の、側面72に隣接する部分は、後述する目的のために、支持棚状部79を形成する。胴部71は、その両端に、長手方向に延びる同軸線的な軸部79a,79bを備えており(図4)、これらの軸部の一方が、側壁13の相補的な円筒形凹部に受容され、他方が、切欠き28直下の、側壁12内の相補的な開口(図示せず)を貫通して延びるようにされている。
【0015】
また図9を見ると、回動体組み立て体70が、全体を符号80で示されたノブ組み立て体を含んでいる。ノブ組み立て体80は、円筒形のハブ82で囲まれた中心貫通穴を有する円形基板81を含んでいる。ハブ82と事実上同軸線的な、基板81の円筒形フランジの内面に沿って周方向に間隔をおいて複数の戻り止め切欠き83が形成されている。ハブ82とは反対の側からは、軸線方向及び半径方向に突出して基板81と一体に取り付けブロック84が備えられており、該取り付けブロックが、側壁12内の回動体切欠き28に受容されるように寸法付けされている(図4)。そのように取り付けられた場合、ハブ82は、回動体組み立て体の軸部79bを受容するための、側壁12内の回動体開口と同軸線的となる。基板81の外周部の上に載るように取り付けブロック84から軸線方向に指示突起85が突出している。
【0016】
ノブ組み立て体80は、また概してカップ状のカバー86を含み、該カバーが、円筒形ハブ88に取り囲まれた中心貫通穴を備えた凹状円形端壁87を有している。ハブ88の半径方向の直ぐ外方には、長方形の開口89が端壁87を貫通して形成されている。ノブ組み立て体80は、また中心貫通穴を中央で取り囲む円筒形のハブ91を有する円形の制御板90と、制御板の外周部に隣接し外周部から軸線方向に突出して戻り止めばねフィンガ93を担持する概して長方形の支持アーム92とを含んでいる。制御板90には支持アーム92と事実上整合する位置に位置決めスロット94が形成されている。カバー86の側壁の外面には、周方向に間隔をおいて表示溝95が形成されている。
【0017】
組み立て時には、制御板90が、カバー86の凹状端面87の外面に対してはめ込まれ、制御板のハブ91と支持アーム92とが、それぞれカバー86のハブ88と開口89とに受容される。次いで、基板81が、カバー/制御板組み立て体の後部に対しはめ込まれ、ハブ82が、ハブ91と同一軸線上に整合するように位置決めされ、戻り止めばねフィンガ93が戻り止め溝83に係合するように位置づけられる。取り付けブロック84が、次いで切欠き28及びフレーム側壁12内へはめ込まれ、回動体組み立て体70の軸部79bがハブ82と整合するように受容される。次いで、ねじ96が、整合されたハブ82,88,91を貫通して挿入され、軸部79b内でねじ止めされ、ノブ組み立て体80のカバー86と制御板90とを一緒に回動体組み立て体70と固定し、これによりノブ組み立て体80と回動体組み立て体70とが、単一のユニットとして一緒に基板81に対して回動できる。
【0018】
ノブ組み立て体80のカバー86が回動すると、表示溝95がそのつど支持突起5と整合せしめられるので、戻り止めばねフィンガ93が、戻り止め切欠き83の対応する1つと係合し、選択した位置に到達したことが触覚で指示され、その位置に組み立て体が弾性的に拘束される。広い間隔をおいた指示溝95のうちの2つは、それぞれ、図1及び図2に示した回動体組み立て体位置に対応し、異なる細切りブレードを使用位置に設定し、狭い間隔の指示溝は、それぞれ、回動体組み立て体70のカム面74により供給複数の戻り止め位置板32の調節高さに対応する。
【0019】
次に図10及び図11を見ると、食品スライサー10と一緒に使用するようにされた食品ホルダー100が示されている。食品ホルダー100は、基部102を含む本体部分101を有し、該基部には、その周縁を取り囲んで横方向外方へ延びる底壁103が備えられ、該底壁は、概して長方形状であり、かつまたその外縁には直立する周フランジ104を備えている。食品ホルダー100には、また本体部分101に結合され、本体部分から上方へ凸出し、本体部分に対して可動のアクチュエータ部分105を含んでいる。本体部分101は、垂設された複数スパイク107を保持する内部補強格子96を備えている。アクチュエータ部分105は、基板108aを有するプランジャ108を含み、該基板は、補強格子96の直下に配置され、スパイク107を各々貫通受容する複数の穴109を備えている。アクチュエータ部分95は、上方へ付勢され図示のノーマル位置を占めることができ、その場合、基板108aは補強格子106に押し当てられる。
【0020】
使用時、図示のノーマル位置で、スパイク107は、基板108aの下方へ十分に突出し、スライスされる関連食品に接触し突き刺され、通常、食品は、底壁103の底面より十分に下方に突出する。これによって、後述するように、食品が食品スライサーに対し移動する間、食品の保持が容易になる。食品の複数片がスライスされ除去されると、アクチュエータ部分95は、スパイク107に沿って下方へ食品を押し下げ、残りの食品部分を接触させ、最後には、食品がスパイク107から離れる。これらすべては公知形式で行われる。
【0021】
使用時、後部の支持脚組み立て体50は、図1、図2、図4、図5に示す引き起こした使用位置と、図3に示す引込めた収納位置との間を揺動可能である。図6は、使用位置と収納位置との中間状態を示している。これらの位置間を移動するさい、軸51と支持脚60とは、1つのユニットとして軸51の軸線を中心として揺動する。しかし、本発明の重要な1つの態様は、支持脚60が、またピン68の軸線を中心として軸51に対し限られた揺動運動ができる点である。支持脚60は、収納位置では側壁12,13の間に、それぞれ内面14,15に沿って完全に収められ、ストッパ25に当て付けられる。
【0022】
支持脚60が収納位置から使用位置へ移動するさい、支持脚60の従節突起67が、それぞれカム突起20(図4)カム面21に係合し、このため、支持脚60の取り付け端部63がピン68の軸線を中心として横方向内方へ傾斜し、それによって、同時に、長方形の足62が横方向外方へ傾斜する。この取り付け端部63の傾斜運動は、軸51の傾斜端面52に順応する(図3及び図4)。支持脚60は、図4の使用位置に到達すると、ストッパ突起26に当て付けられ、従節突起67がカム突起20の支承面22上に乗り上げ、使用位置に支持脚60を摩擦保持する。この位置では、支持脚60が僅かに後方へ傾斜し、その遠位端62が拡開されて、側壁12,13に重なり、より安定的な足場が得られることが分かる。
【0023】
この使用位置での後部支持脚組み立て体50により、食品スライサー10が、その支持脚18,60の事実上水平の支持底面に支えられる場合、食品スライサーのフレーム11は、該支持底面に対し傾斜しよう。なぜなら、支持脚60のほうが支持脚18より事実上長いからである。
両面使用式ブレード40が所定位置に設置されると、プラットフォーム組み立て体31の供給板32と排出板38との間のギャップが事実上架橋され、排出板38の供給縁部の後部が、両面使用式ブレード40の肩43に対して当て付けられることで、排出板38の上面がブレード本体41の上面と整合することになるのが分かるだろう。
【0024】
回動体組み立て体70は、3つの基本状態の間を回動可能であり、図1に示した第1状態では、長いブレード76が、両面使用式ブレード40の後方向きの刃の直ぐ上流、つまり後方に、ギャップ37から突出し直立する。この状態では、供給板32の前縁は、ブレード76の後縁に直ぐ隣接する、回動体組み立て体胴部71の支持棚状部78上に載ることになる。回動体組み立て体70は、図1、図2、図7に矢印で示した方向に回動するようにされている。回動体組み立て体70を図1に示した状態から回動させると、カム面74が前縁35に隣接する供給板32の下面と接触する。
【0025】
カム面74は、回動体組み立て体70の回動が続くにつれて供給板32の前縁35が徐々に上昇し、それにより供給板32の前縁35が排出板38の後縁、つまり供給縁39より高くなるように付形されており、こうすることによって両面使用式ブレード40の露出した刃によって生じるスライスの厚さを変更できる。図9に見られるように、複数の戻り止め位置は、予め決められた異なる厚さ設定に対応するように設けられている。回動体組み立て体70の回動を続けることにより、該組み立て体は図2に示す状態になり、この状態では、短い刃がギャップ37から上方へ突出する。この状態では、また供給板32の前縁35が、ブレード77の直ぐ後方の、回動体組み立て体本体部分71の支持棚状部79上に載ることになる。
【0026】
ブレード76又は77が使用時に露出されると、両面使用式ブレード40の露出した刃と協働することで、食品が2つの異なる平面内で切断され、ブレード76又は77がスライスした食品が、次いで両面使用式ブレード40の露出した刃によりスライスされることが分かる。その点から、プラットフォーム組み立て体31が、両面使用式ブレード40と協働して、事実上連続的に傾斜する台を形成し、この傾斜する台に沿って食品が、すべて公知の形式により、反復的にスライドし、反復的にスライスされることが理解されよう。
【0027】
この構成により、スライス作業の十分な融通性が得られることが分かる。その場合、両面使用式ブレード40の刃45又は46の一方は可変厚のスライスを得るのにのみ使用され、他方は、細切りブレード76又は77のいずれかと組み合わされて使用できる。また、供給板32が揺動突起27の軸線を中心として上昇又は傾斜することで、器具の掃除が容易になり、ハンドルパッド33により掃除のための器具の取り扱いが容易になることが分かるだろう。プラットフォーム組み立て体31上のリブ32a,38aにより、リブに沿って食品の移動が容易になり、停滞が防止される。
【0028】
食品スライサーの一構成モデルの場合、供給板と排出板32,38、両面使用式ブレード胴部41、細切りブレード76,77、戻り止めばねフィンガ93、ピン68、食品ホルダースパイク97は、適当な金属で形成でき、残りの構造部分は適当なプラスチック材料で形成できる。
前述のことから分かることは、両面使用式の主スライスブレードによりスライスの十分な融通性が与えられる改良型食品スライサーが得られ、かつ保管に場所をとらず、使用範囲が広い構成の改良型収納式支持脚組み立て体が得られることである。
前述の説明及び添付図面に開示された事柄は、説明目的のもので、本発明を制限するものではない。具体的な実施例が図示され説明されたが、当業者には出願人の寄与の広い観点を逸脱することなしに変化形や変更態様を得ることができよう。請求対象の保護の実際の範囲は、先行技術に基づく適切な見方で見た場合、特許請求の範囲で定義されるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】食品スライサーの一実施例の斜視図。第1配向の取り外し可能なブレードが完全に引き出され、かつ回動体組み立て体が第1位置にある状態で示されている。
【図2】一部を除去して示す図1同様の斜視図。第2配向の取り外し可能なブレードが部分的に引き出され、かつ回動体組み立て体が第2位置にある状態で示されている。
【図3】図1の食品スライサーの部分平面図。支持脚を収納した状態で示されている。
【図4】図1の食品スライサーの拡大部分平面図。取り外し可能なブレードと排出板とが除去され、回動体組み立て体が第3位置にあり、供給板が上昇した状態で示されている。
【図5】図1の食品スライサーの拡大後面図。
【図6】図1の食品スライサーの部分底面図。取り外し可能なブレードが取り付けられ、後部の支持脚が途中まで起こされた状態で示されている。
【図7】図4の概して7−7線に沿って回動体組み立て体を截断して示す別の拡大断面図。
【図8】図1の食品スライサーの両面使用可能なブレードの拡大端面図。
【図9】図1に示した食品スライサーの回動体組み立て体のノブ組み立て体を拡大して示す分解斜視図。
【図10】図1の食品スライサーと一緒に使用する食品ホルダーの斜視図。
【図11】図10の食品ホルダーの拡大斜視断面図。
【符号の説明】
【0030】
10 食品スライサー
11 フレーム
12,13 側壁
14,15 側壁内面
16 後部ビーム
18 前部支持脚
19 長方形の開口
20 カム突起
21 カム面
22 平らな支承面
23 円筒形凹部
25 ストッパ突起
27 揺動突起
28 回動体用切欠き
30 支持体
31 プラットフォーム組み立て体
32 供給板
32a リブ
33 ハンドルパッド
34 側部フランジ
34a 脚
35 前縁
37 開口
38 排出板
38a リブ
39 後縁
40 両面使用可能なブレード
41 胴部
42 拡大ハンドル
43,44 肩
45 ブレードの第1の刃
46 ブレードの第2の刃
47 セレーション
48 開口
50 後部支持脚組み立て体
51 細長の軸
52 傾斜端面
53 延長部
55 ピン穴
60 後部支持脚
61 支持脚の胴部
62 支持脚の足
63 支持脚の取り付け端
64 方形開口
65 ピン穴
67 従節突起
68 取り付けピン
70 回動体組み立て体
71 胴部
72,73 平らな面
74 カム面
75 楔形切欠き
76 長いほうのブレード
77 短いほうのブレード
78,79 支持部
80 ノブ組み立て体
81 基板
82 円筒形ハブ
84 取り付けブロック
86 カップ形カバー
87 凹状端壁
89 長方形の開口
90 制御板
91 円筒形ハブ
92 支持アーム
93 戻り止めばねフィンガ
94 位置決めスロット
95 指示溝
100 食品ホルダー
101 本体部分
102 基部
103 底壁
104 周縁フランジ
105 アクチュエータ部分
107 スパイク
108 プランジャ
109 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品スライサーにおいて、
フレームと、
フレームに担持され、開口を有する食品受容プラットフォームと、
第1と第2の切断刃を有し、取り外し可能にフレーム上の第1と第2の位置に選択的に取り付け可能な両面使用式切断ブレードとが含まれ、
前記切断ブレードが、第1位置にある場合には、第1切断刃がプラットフォームに沿って予め決められた方向にスライドされる食品と切断接触するように開口内に配置され、
前記切断ブレードが、第2位置にある場合には、第2切断刃がプラットフォームに沿って予め決められた方向にスライドされる食品と切断接触するように開口内に配置される、食品スライサー。
【請求項2】
前記フレームが、両面使用式切断ブレードを第1位置と第2位置とに受容するための開口を有している、請求項1に記載された食品スライサー。
【請求項3】
前記切断ブレードが事実上長方形であり、第1と第2の切断刃がそれぞれ切断ブレードの両側に備えられている、請求項1に記載された食品スライサー。
【請求項4】
前記第1と第2の切断刃が、それぞれ異なる形状構成を有している、請求項1に記載された食品スライサー。
【請求項5】
更に、両面使用式切断ブレードの上流にフレームにより担持された複数の細切りブレードが含まれ、これにより、両面使用式プラットフォーム上を予め決められた方向へ移動する食品が、切断ブレードに到達する前に細切りされる、
請求項1に記載された食品スライサー。
【請求項6】
更に、フレームに配置され、細切りブレードを担持し、細切りブレード群をプラットフォームに対し細切り位置へ選択的に移動させるように回動可能な取り付け組み立て体が含まれる、請求項5に記載された食品スライサー。
【請求項7】
更に、フレームにより保持され、収納位置と拡開位置との間を可動である支持脚を含む請求項1に記載された食品スライサー。
【請求項8】
前記切断ブレードが、概してZ字形の断面を有している、請求項1に記載された食品スライサー。
【請求項9】
前記プラットフォームが、開口の下流に、開口に隣接する遠位縁部を有する排出部を含み、前記切断ブレードが、第1と第2の位置にされた場合、遠位縁部をそれぞれ受容するための肩を形成する、請求項8に記載された食品スライサー。
【請求項10】
食品スライサーにおいて、
対向する内面を備えた両側壁を有するフレームと、
前記フレームにより担持された食品スライス組み立て体と、
側壁の両内面間にフレームに対し収納される位置と、フレームから引き出されて側壁の内面から横方向外方へ伸ばされる使用位置との間を移動できるように、フレームにより保持された2個の支持脚とを含む、食品スライサー。
【請求項11】
前記支持脚が収納位置と使用位置との間で揺動運動できるように取り付けられている、請求項10に記載された食品スライサー。
【請求項12】
更に、収納位置と使用位置との間を2個の支持脚が同時運動できるように、両支持脚を連結する構造物が含まれている、請求項10に記載された食品スライサー。
【請求項13】
前記連結構造物が側壁間に延在する軸を含む、請求項12に記載された食品スライサー。
【請求項14】
更に、使用位置への支持脚の移動に応じて傾斜する構造物が含まれ、これにより支持脚が軸に対し事実上直角の軸線を中心として傾斜でき、それにより支持脚の遠位端が末広がりになる、請求項13に記載された食品スライサー。
【請求項15】
前記傾斜構造物がフレームに設けられたカム構造物と支持脚に設けられた従節構造物とを含む、請求項14に記載された食品スライサー。
【請求項16】
更に、フレームが担持するストッパ構造物が含まれ、該ストッパ構造物が支持脚に接触して収納位置及び使用位置での支持脚の動きを制限する、請求項10に記載された食品スライサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−525124(P2006−525124A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571704(P2004−571704)
【出願日】平成15年9月17日(2003.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/029487
【国際公開番号】WO2004/098844
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(504322183)ヘレン オブ トロイ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】