説明

食品廃棄物の発酵処理方法及び装置

【課題】 食品廃棄物を短期間で効率よく減容化し、かつ、取り扱い易い処理物(堆肥)を得る。
【解決手段】食品棄物を攪拌槽10に投入するとともに、戻し堆肥を加え水分を調整して攪拌・混合し、ついで、攪拌・混合物を移送・造粒して第1発酵槽11に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵させ、その後、発酵物を移送・造粒して次の発酵槽に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵させる工程を1回又は複数回繰り返して行った後、発酵物を最終処理槽15に移送し、乾燥ペレット化して、一部を前記戻し堆肥として攪拌槽10に循環し、残りを処理物として排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテル、レストラン、スーパーマーケット、ショッピングセンター等から排出される調理残渣、生ごみ等の有機性廃棄物である食品廃棄物の複槽循環型の発酵処理方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の大量生産、大量消費、大量廃棄型の生活様式や、限りある資源、エネルギーの浪費から様々な環境問題が発生し、将来にわたる持続的発展のためには、環境と経済が統合された循環型経済社会システムへの変貌が望まれている。さらに、食品リサイクル法により削減が義務付けられた食品廃棄物については、その再資源化(堆肥化)による循環型経済社会システムの形成に、より一層の社会要望が高まり、食品廃棄物の効率のよい発酵処理装置の開発が望まれている。
【0003】
従来、食品廃棄物の処理においては、一般的に、ロータリーキルンなどを用いた処理機に廃棄物を投入して泥状とした後、焼却場に運搬して焼却処理している。
また、従来、食品廃棄物を好気性発酵により減容化又はコンポスト化(堆肥化)する方法として、時間をかけてゆっくりと行う自然発酵方式と、食品廃棄物を乾燥させてバイオ発酵させる方式とが行われている。なお、自然発酵方式では約90日後に重量は約1/10になり、乾燥・バイオ方式では約90日後に重量は約1/3になる。
【0004】
従来から、生ごみ等の有機性廃棄物の発酵処理装置として、ヒーターを備え、投入された有機性廃棄物を所定の温度及び水分率条件に調整するための発酵調整槽と、発酵調整槽からの移送された有機性廃棄物を自然発酵させるための自然発酵槽と、さらにヒーターを備え、自然発酵槽から移送された有機性廃棄物を乾燥させて排出するための乾燥槽とを順に備えた構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、生ごみ処理装置として、処理室に上部空間を設けて複数の隔壁を介在させ、処理室を投入槽、複数の発酵槽及び貯留槽に区分してなり、これら各槽に攪拌移送羽根を備えた回転軸を貫通させるとともに、前記複数の発酵槽に加温空気の供給パイプを配設した構成のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−204616号公報(第1頁、図2)
【特許文献2】特開平7−16558号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の自然発酵方式は、適正な水分濃度、副資材による通気性改善で発酵処理が成立し、地方で実施されているが、自然環境下での処理のため発酵完了までに長い期間が必要である。また、自然環境下で長期間処理するため大きな容積が必要な上、さらに、副資材を利用するため装置が大型化する。また、副資材の貯留が必要になるなど、都市部オンサイトでの実施に課題がある。また、従来の乾燥・バイオ発酵方式においては、減質量率が約70%であり、減容化の点で十分とは言えない。また、上記の特許文献1、2の方式においては、処理する食品廃棄物の量が増減すると、十分対処することができず、かつ、得られる処理物は堆肥として容易に取り扱いし難いものである。
【0007】
解決しようとする問題点は、従来の方式が、発酵期間が長い上に、多量の食品廃棄物を効率的に処理できず、装置も容積も増大し、処理物がコンポスト(堆肥)として取り扱い易い形状になっていない点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、食品廃棄物処理に要する処理エネルギー、作業の煩雑さを低減し、かつ、多量の食品廃棄物を大幅に減量、効率的に処理し得る発酵処理方法及び装置を提供せんとするものである。すなわち、発酵最適環境(水分、通気、温度、戻し堆肥)を満足する都市部オンサイトに設置できる発酵処理装置を開発し、発酵最適環境で発酵を最大限に促進、発酵期間を短縮、装置の省容積化を図ろうとするものである。
このため、本発明は、食品廃棄物の投入装置、攪拌槽、複数の発酵槽、最終処理槽及びそれらを連結する搬送装置、通気装置を備え、発酵槽内の温度、水分、通気量を制御して食品廃棄物を発酵処理し、堆肥としての取扱いの容易な乾燥ペレットを得るようにしたことを最も主要な特徴としている。
【0009】
本発明の食品廃棄物の発酵処理方法は、食品廃棄物を攪拌槽に投入するとともに、戻し堆肥を加え水分を調整して攪拌・混合し、ついで、攪拌・混合物を移送・造粒して第1発酵槽に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵させ、その後、発酵物を移送・造粒して次の発酵槽に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵させる工程を少なくとも1回(1回又は複数回)繰り返して行った後、発酵物を最終処理槽に移送し、乾燥ペレット化して、一部を前記戻し堆肥として攪拌槽に循環し、残りを処理物(堆肥)として排出することを特徴としている。
【0010】
この発酵処理法において、各発酵槽内の温度、水分、通気量を制御する。この場合、各発酵槽内の温度が30〜40℃、水分が40〜60%となるように制御される。
また、発酵槽から発生するガスを、腐熟度の異なる発酵物を貯留する発酵槽に供給して、発酵物のpHを調整する。また、各発酵槽への排気量が、給気量を上回るように制御して、槽内を常に負圧に保つようにする。
【0011】
本発明の食品廃棄物の発酵処理装置は、食品廃棄物の投入装置を備えた攪拌槽と、この攪拌槽の下流側に連結されて設けられた複数の発酵槽と、各発酵槽に接続され加温通気を行うための通気ラインと、各発酵槽に接続された水分調整手段と、最下流の発酵槽の下流側に連結されて設けられた最終処理槽と、攪拌槽の底部と各発酵槽の上部及び最終処理槽の上部とを接続する発酵対象物搬送装置と、この搬送装置に設けられた造粒機と、最終処理槽の下部に設けられたペレット化装置と、このペレット化装置の出口と攪拌槽の上部とを接続する戻し堆肥循環手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
この発酵処理装置において、各発酵槽内の温度を制御するための温度制御手段、各発酵槽内の水分を制御するための水分調整手段、各発酵槽内への通気量を制御するための通気量制御手段が備えられている。
また、連結された発酵槽がそれぞれ貯留する発酵対象物を指定の発酵槽又は最終処理槽に移動する搬送装置を備え、さらに、移動先をそれぞれの槽の温度から演算する移動先演算手段を備えている。また、連結された発酵槽に腐熟度の異なる発酵対象物をそれぞれ貯留し、それぞれの槽から発生するガスを、腐熟度の異なる発酵対象物を貯留する槽に供給して対象物のpHを調整するようにした通気手段を備えている。
【0013】
また、連結された発酵槽に腐熟度の異なる発酵対象物をそれぞれ貯留し、対象物を腐熟度の異なる対象物に投入して対象物のpHを調整するようにした搬送手段を備えている。さらに、連結された発酵槽の1つに脱臭器を備えた1系統の排ガスラインを接続し、排ガスラインの排ガスの排熱で対象物を乾燥させるようにした乾燥手段を備えている。また、最終処理槽から上流に1槽目の発酵槽(最下段の発酵槽)に排ガスラインが接続されている。
【0014】
通気ラインの最も冷却される部分には、凝縮水タンクを接続され、発酵対象物の水分調整のために、各発酵槽の上部に設けられた水散布管を介して発酵槽の上部から滴下させるようにして水分調整手段を構成されている。また、連結された発酵槽に対し1系統の給排気機構が備えられ、排気量が給気量を上回る流量に制御し連結された槽の中を常時負圧に保つようにした演算手段が備えられている。また、最終処理槽にペレット化装置が備えられ、このペレット化装置で乾燥ペレット化した最終処理物の一部を戻し堆肥として発酵対象物と混合し、残りを排出するようにした処理物搬送機構が備えられている。本発明の装置は、攪拌槽、発酵槽、最終処理槽を水平方向に連結し、要求される処理能力の増減に、連結する発酵槽の組合せ数の増減で対応する構造となっている。
【0015】
上記のように、本発明の装置は複槽循環型の発酵装置であり、最適発酵条件は以下の通りである。
(1)水分 40〜60%に調整する。すなわち発酵に必要な水分を保持しつつ、 造粒でブロック状に加工できる水分とする。水分が40%未満の場合 は菌が活性化せず、水分が60%を超える場合は廃棄物が泥状となっ て処理し難くなる。
(2)通気温度 30〜40℃に調整する。槽内の温度が30℃未満の場合及び槽内の 温度が40℃を超える場合は、発酵が十分に行われなくなる。
(3)通気量 インバータで最適循環量に制御する。
(4)通気条件 造粒機でブロック状にしたもので通気性を改善する。
(5)菌の添加 戻し堆肥で分解菌を循環する。
(6)処理物pH 菌が活発となる中性に維持できるように、腐熟度の異なる発酵槽の発 生ガスをお互いの槽に通気することで中和を行う。
(7)処理物油分 高油分(15%)での発酵に対応し分解処理する。
(8)減質量率 90%以上が得られる。
【0016】
また、機器構造の基本設計として、それぞれ発酵条件を満たす発酵槽を複数連結し、槽間で処理物を循環させるようにする。脱臭システムとしては、発酵槽内が負圧となるように給排気量を制御する、一例として、白金触媒式脱臭装置とする。また、処理物を、堆肥の散布装置に対応可能な直径5〜10mmの乾燥ペレット化して、取扱い性を改善する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1)図3に示すように、従来の自然発酵方式では約90日で減質量率が約90%であり、従来の乾燥・バイオ発酵方式では約90日で減質量率が約70%であが、本発明の発酵装置では約30日で減質量率を約90%とすることができる。
(2)高速発酵処理を行うことにより、装置の省容積化(コンパクト化)、低コスト化を図ることができ、ホテル等の現機械室に設置可能となる。
(3)発酵槽を増減することにより、能力の増減に容易に対応することができる。
(4)処理物は乾燥ペレットであるので、堆肥の散布装置により、容易に散布することができ、取扱いがきわめて容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
短期間で効率よく減容化し、かつ、取り扱い易い処理物(堆肥)を得るという目的を、食品廃棄物の投入装置、攪拌槽、複数の発酵槽、最終処理槽及びそれらを連結する搬送装置、通気装置を備え、発酵槽内の温度、水分、通気量を制御し食品廃棄物を発酵処理し、最終処理槽下部にペレット化装置を設ける構成とすることにより実現した。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
図1は、本発明の実施の第1形態による食品廃棄物の発酵処理装置の概略構成を示し、図2は図1における装置の工程を示している。本例の装置においては、発酵に必要な切り返しの工程(下にあった物を上にあげる工程)を、処理物を装置内の槽から槽に移し変えることで行う。また、各槽をユニット化し、処理能力に応じて槽の数を変えることで、基本構造を変えることなく要求能力に対応する基本構造としている。さらに、各槽内を発酵に最適な環境(通気温度、水分、通気量)に制御し、高速発酵を行う機構としている。
【0020】
本例の発酵処理装置は、図1に示すように食品廃棄物の投入装置16を備えた攪拌槽10と、この攪拌槽10の下流側に連結されて設けられた複数の発酵槽(本例では一例として、第1発酵槽11、第2発酵槽12、第3発酵槽13、第n発酵槽14)と、各発酵槽に接続され加温通気を行うための通気手段40と、各発酵槽に接続された水分調整手段46と、最下流の発酵槽14の下流側に連結されて設けられた最終処理槽15と、攪拌槽10の底部と各発酵槽11、12、13、14の上部及び最終処理槽15の上部とを接続する発酵対象物搬送装置18と、この搬送装置18に設けられた造粒機20と、最終処理槽15の下部に設けられたペレット化装置22と、このペレット化装置22の出口と攪拌槽10の上部とを接続する戻し堆肥循環手段24とを備えている。
【0021】
26は処理物(堆肥)抜出ライン(処理物搬送機構)、28は排ガスライン、30はこの排ガスラインに設けられた脱臭器、32は空気加熱器(熱交換器)、34は排ガスファン、36は吸気ファン、38は循環ファン、40は通気手段、42は凝縮水タンク、44は水散布管、46は水分調整手段、48は凝縮板、50は酸素計、52は制御器、54はバイパスライン、56はバイパス弁、58、60は通気口、62は吸気管である。
【0022】
このように構成された発酵処理装置において、図2に示すように食品廃棄物(生ごみ等)を攪拌槽10に投入するとともに、ペレット化装置22からの戻し堆肥の一部を加え水分を調整して攪拌・混合し、ついで、攪拌・混合物を移送・造粒して第1発酵槽11に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵させ、その後、発酵物を移送・造粒して次の発酵槽(第2発酵槽12)に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵さる工程を第3発酵槽13、第n発酵槽14にて繰り返して行った後、発酵物を最終処理槽15に移送し、ペレット化装置22で乾燥ペレット化して、一部を前記戻し堆肥として攪拌槽10に循環し、残りを処理物として排出する。
【0023】
ペレット化装置22の乾燥ペレットの一部を戻し堆肥として攪拌槽10に循環することにより、投入物の水分調整と発酵菌の添加を行うことができる。また、発酵初期の酸性の対象物から発生する酸性のガスと水蒸気を、下流の発酵槽の凝縮板48に当てて酸性化した凝縮水として散水する。
【0024】
最終処理槽15から上流に1槽目の発酵槽、すなわち、第n発酵槽14から排気し、排ガスライン28の途中に脱臭器30を設けている。そして、この脱臭器30出口の排ガスの排熱を空気加熱器32で熱回収して加熱した供給空気を、最終処理槽15の底部に供給して、最終処理槽15の対象物を乾燥させ、上部にある吸込み口(通気口60)から通気手段40の通気管を通し各槽に通気する。また、最終処理槽15に隣接する発酵槽14内の酸素濃度を酸素計50で測定し、酸素濃度を基準の範囲に制御しつつ、槽内が負圧になるように給排気量を演算、制御する機構を持つ給排気機構が構成されている。すなわち、酸素計50は制御器52を介してファン34、36に接続されている。
【0025】
最終処理槽15に接続される通気手段40の通気管の下部に、自然凝縮した凝縮水を溜めるタンク42が配置され、タンク42内の凝縮水は上流の発酵槽への散水に使用され、余剰分は排水として排出される。また、各発酵槽の槽内温度から通気温度、ファン38の通気量が演算される。すなわち、各発酵槽に温度計64が接続され、これらの温度計64が制御器66を介して循環ファン38に接続されている。
【0026】
攪拌槽10及び各発酵槽の底部にはスクリューコンベア等の切出し装置68が設けられ、各槽と共通のベルトコンベア、スクリューコンベア等の搬送装置18で造粒機20に搬送される。この造粒機20において、発酵槽内、切出し装置68の圧力により形状が崩れた処理物を、5〜20mmのブロック状に造粒・加工し、発酵槽内での通気促進を確保する。また、最終処理槽15における発酵処理で性状が安定化された処理物を、ペレット化装置22で取り扱いやすい乾燥ペレットに加工し、一部を攪拌槽10へ送り、残部をペレット状堆肥として取り出す。
【0027】
排ガスライン28と吸気管62とは、バイパス弁56を備えたバイパスライン54で接続されており、吸気温度が設定温度より低い時は、バイパス弁56を開として高温の排ガスを吸気へ混入させるように構成されている。なお、図1においては、ダンパー、バイパス弁56以外のバルブ等を省略している。
本実施形態は、一例として発酵槽が4基以上のn基の場合について説明したが、食品廃棄物の処理量により、発酵槽を2基、3基、4基以上とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の第1形態による食品廃棄物の発酵処理装置の系統的概略構成図である。
【図2】図1に示す装置における処理の流れを示す工程説明図である。
【図3】従来の発酵処理方式及び本発明の発酵処理方法における処理日数と処理物重量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0029】
10 攪拌槽
11 第1発酵槽
12 第2発酵槽
13 第3発酵槽
14 第n発酵槽
15 最終処理槽
16 投入装置
18 発酵対象物搬送装置
20 造粒機
22 ペレット化装置
24 戻し堆肥循環手段
26 処理物(堆肥)抜出ライン(処理物搬送機構)
28 排ガスライン
30 脱臭器
32 空気加熱器(熱交換器)
34 排ガスファン
36 吸気ファン
38 循環ファン
40 通気手段
42 凝縮水タンク
44 水散布管
46 水分調整手段
48 凝縮板
50 酸素計
52 制御器
54 バイパスライン
56 バイパス弁
58、60 通気口
62 吸気管
64 温度計
66 制御器
68 切出し装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品廃棄物を攪拌槽に投入するとともに、戻し堆肥を加え水分を調整して攪拌・混合し、ついで、攪拌・混合物を移送・造粒して第1発酵槽に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵させ、その後、発酵物を移送・造粒して次の発酵槽に移送し通気により加温しつつ水分を添加して発酵させる工程を1回又は複数回繰り返して行った後、発酵物を最終処理槽に移送し、乾燥ペレット化して、一部を前記戻し堆肥として攪拌槽に循環し、残りを処理物として排出することを特徴とする食品廃棄物の発酵処理方法。
【請求項2】
各発酵槽内の温度、水分、通気量を制御する請求項1記載の食品廃棄物の発酵処理方法。
【請求項3】
各発酵槽内の温度が30〜40℃、水分が40〜60%となるように制御する請求項1又は2記載の食品廃棄物の発酵処理方法。
【請求項4】
発酵槽から発生するガスを、腐熟度の異なる発酵物を貯留する発酵槽に供給して、発酵物のpHを調整する請求項1、2又は3記載の食品廃棄物の発酵処理方法。
【請求項5】
各発酵槽への排気量が、給気量を上回るように制御して、槽内を常に負圧に保つ請求項1〜4のいずれかに記載の食品廃棄物の発酵処理方法。
【請求項6】
食品廃棄物の投入装置を備えた攪拌槽と、この攪拌槽の下流側に連結されて設けられた複数の発酵槽と、各発酵槽に接続され加温通気を行うための通気手段と、各発酵槽に接続された水分調整手段と、最下流の発酵槽の下流側に連結されて設けられた最終処理槽と、攪拌槽の底部と各発酵槽の上部及び最終処理槽の上部とを接続する発酵対象物搬送装置と、この搬送装置に設けられた造粒機と、最終処理槽の下部に設けられたペレット化装置と、このペレット化装置の出口と攪拌槽の上部とを接続する戻し堆肥循環手段とを備えたことを特徴とする食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項7】
各発酵槽内の温度を制御するための温度制御手段、各発酵槽内の水分を制御するための水分調整手段、各発酵槽内への通気量を制御するための通気量制御手段を備えた請求項6記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項8】
連結された発酵槽がそれぞれ貯留する発酵対象物を指定の発酵槽又は最終処理槽に移動する搬送装置を備え、さらに、移動先をそれぞれの槽の温度から演算する移動先演算手段を備えた請求項6又は7記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項9】
連結された発酵槽に腐熟度の異なる発酵対象物をそれぞれ貯留し、それぞれの槽から発生するガスを、腐熟度の異なる発酵対象物を貯留する槽に供給して対象物のpHを調整するようにした通気手段を備えた請求項6、7又は8記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項10】
連結された発酵槽に腐熟度の異なる発酵対象物をそれぞれ貯留し、対象物を腐熟度の異なる対象物に投入して対象物のpHを調整するようにした搬送手段を備えた請求項6〜9のいずれかに記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項11】
連結された発酵槽の1つに脱臭器を備えた1系統の排ガスラインを接続し、排ガスラインの排ガスの排熱で対象物を乾燥させるようにした乾燥手段を備えた請求項6〜10のいずれかに記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項12】
最終処理槽から上流に1槽目の発酵槽に排ガスラインが接続された請求項11記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項13】
通気ラインの最も冷却される部分に凝縮水タンクを接続し、発酵対象物の水分調整のために、各発酵槽の上部に設けられた水散布管を介して発酵槽の上部から滴下させるようにして水分調整手段を構成した請求項6〜12のいずれかに記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項14】
連結された発酵槽に対し1系統の給排気機構が備えられ、排気量が給気量を上回る流量に制御し連結された槽の中を常時負圧に保つようにした演算手段を備えた請求項6〜13のいずれかに記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項15】
最終処理槽にペレット化装置が備えられ、このペレット化装置で乾燥ペレット化した最終処理物の一部を戻し堆肥として発酵対象物と混合し、残りを排出するようにした処理物搬送機構を備えた請求項6〜14のいずれかに記載の食品廃棄物の発酵処理装置。
【請求項16】
攪拌槽、発酵槽、最終処理槽を水平方向に連結し、要求される処理能力の増減に、連結する発酵槽の組合せ数の増減で対応する構造としてなる請求項6〜15のいずれかに記載の食品廃棄物の発酵処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−245045(P2007−245045A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−74014(P2006−74014)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000199887)川重冷熱工業株式会社 (59)
【Fターム(参考)】