食品成形装置
【課題】本発明は、内材を生地シートで包み込む場合に生地シートを内材に密着させて内部に空気の入る隙間をできるだけ少なくすることができる食品成形装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】パレット上に取り付け固定された正方形状の成形マットにほぼ同じ正方形状の生地シートを載置して間欠搬送する。生地シートの中心部には内材が配置されている。パレットの下方には、4つのトングレバー駆動機構20Aから20Dが搬送方向に配列されており、トングレバーをパレットの長孔から順次突出させて成形マットを屈曲させ、生地シートの4つの角部を順次折畳んでいくことで内材を四つ折りした生地シートにより包み込むように成形する。その際に、マット押え機構300及び320において押圧板306及び307,326及び327が成形マットの屈曲部分を押圧して内材の側面に生地シートを密着させるようにする。
【解決手段】パレット上に取り付け固定された正方形状の成形マットにほぼ同じ正方形状の生地シートを載置して間欠搬送する。生地シートの中心部には内材が配置されている。パレットの下方には、4つのトングレバー駆動機構20Aから20Dが搬送方向に配列されており、トングレバーをパレットの長孔から順次突出させて成形マットを屈曲させ、生地シートの4つの角部を順次折畳んでいくことで内材を四つ折りした生地シートにより包み込むように成形する。その際に、マット押え機構300及び320において押圧板306及び307,326及び327が成形マットの屈曲部分を押圧して内材の側面に生地シートを密着させるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーム、ジャム、餡や挽肉といった内材を薄い生地シートにより折畳んで包み込むように成形する食品成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上述したクリーム等の内材を薄い生地シートで包み込んで成形された食品が開発されてきており、本発明者らは、こうした食品の成形装置の開発を進めてきている。例えば、特許文献1では、レバー動作口が開設された多数のパレットを配列したパレットコンベヤを設置し、パレットのレバー動作口を覆うようにフレキシブルマットをそれぞれのパレットに止着し、トングレバーをレバー動作口から突出させて内材が載置された薄い生地シートをフレキシブルマットとともに折り曲げて成形する成形装置が記載されており、こうした成形装置を用いることで、生地シートFにより内材を包み込んだ食品を成形することができる旨記載されている。第10図から第13図には、矩形状の生地シートの対向する角部を内材の上方で重ね合わせるように折り曲げ成形する場合、生地シートの4つの角部を中心部に寄せ集めるように折り曲げて、対向する角部がそれぞれ重ね合わせるように成形する場合、生地シートの4つの角部を中心部に向かって折り重なるように内材の上面に密着した状態として、いわゆる四つ折りに成形する場合、対向する二辺が重なるように二つ折りに成形する場合が挙げられている。
【0003】
また、特許文献2では、特許文献1に記載された成形装置において、生地シートで包み込む内材が生地シートの折り曲げ成形時に移動しないようにバランスレバー、プレスロッド、ストップレバー、プレスレバーといった部材を用いて折り曲げた生地シートや内材を押さえ付けるようにした点が記載されている。特許文献2では、矩形状の生地シートを四つ折りに成形する具体例が記載されているが、図33に示すように、対向する二辺が互いに折り重なるように三つ折りに成形したり、対向する二辺が重なるように二つ折りに成形することもできる旨記載されている。
【0004】
また、特許文献3では、成形マットのトングレバーによる屈曲幅を設定する幅設定手段を備えることで、パレット上に配置する成形マット及び生地シートの位置を変更することなく種々の折り方により生地シートを成形することを可能する点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭57−45545号公報
【特許文献2】特公平8−8830号公報
【特許文献3】特開2008−167682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したこれまでの成形装置では、パレット上に配置した成形マットをトングレバーで屈曲させて生地シートを折り曲げるように成形させているが、成形マットが屈曲すると曲面状に湾曲した状態となるため、生地シートも成形マットに沿って曲面状に湾曲するようになる。そのため、生地シートで包み込む内材が直方体状に角ばった形状に形成されている場合、内材の平面状の側面と曲面状の生地シートとの間が密着せずに隙間が空いた状態で成形されるようになる。
【0007】
このように内材と生地シートとの間に空気が入った状態で成形された食品を加熱調理すると、内部の空気か膨張して生地シートを変形させたり最悪の場合には破裂させるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、内材を生地シートで包み込む場合に生地シートを内材に密着させて内部に空気の入る隙間をできるだけ少なくすることができる食品成形装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る食品成形装置は、搬送コンベヤの搬送方向に配列されるとともに複数の長孔が形成された複数のパレットと、前記パレットの上面に載置されるとともに可撓性材料からなる成形マットと、前記成形マット上に生地シートを載置する生地載置手段と、前記成形マット上に載置された前記生地シート上に内材を配置する内材配置手段と、前記パレットの下方に配設されるとともに前記長孔にトングレバーを挿入して突出させるように上下動させるレバー駆動手段とを備え、前記トングレバーを前記長孔から突出させて前記成形マットを折り返すように屈曲させることで前記生地シートを折り曲げて前記内材を包み込むように成形する食品成形装置において、前記トングレバーにより折り返された前記成形マットの屈曲部分を押圧して前記生地シートを前記内材に密着させる押圧手段を備えていることを特徴とする。前記トングレバーにより折り返された前記成形マットを押圧して前記生地シートの縁部の少なくとも一部を前記内材の表面に沿うように密着させる密着手段を備えていることを特徴とする。さらに、前記成形マットに載置する前記生地シートを複数の異なるサイズに対応して切断する切断手段を備え、異なるサイズの前記生地シートを前記押圧手段及び前記密着手段により前記内材に密着させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような構成を有することで、トングレバーにより折り返された成形マットの屈曲部分を押圧して生地シートを内材に密着させる押圧手段を備えているので、成形マットとともに折り返された生地シートが成形マットの屈曲部分を押圧することで内材に確実に密着するようになり、最も隙間が空きやすい成形マットの屈曲部分と内材との間を密着させて内部に空気の入る隙間をできるだけ少なくすることができる。
【0011】
また、成形マットに載置する生地シートを食品のサイズに合わせて切断して用いる場合、食品のサイズの異なると成形マットを屈曲させた際に生地シートと内材との間の隙間が空きやすくなるが、押圧手段により成形マットの屈曲部分を押圧することで生地シートを確実に内材に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る食品成形装置に関する全体構成図である。
【図2】パレット部分に関する平面図及び断面図である。
【図3】パレット部分に関する分解斜視図である。
【図4】成形マットに関する底面図である。
【図5】トングレバー駆動機構に関する概略構成図である。
【図6】トングレバーの一連の作動過程を示す説明図である。
【図7】押え機構の配列に関する構成図である。
【図8】マット押え機構に関する構成図である。
【図9】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図10】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図11】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図12】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図13】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図14】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図15】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図16】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図17】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図18】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図19】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図20】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図21】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図22】変形例に関する全体構成図である。
【図23】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する平面図である。
【図24】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する側面図である。
【図25】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する平面図である。
【図26】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、食品成形装置1に関する全体構成図である。食品成形装置1は、機枠台2内に無端状の搬送コンベヤ3が搬送ローラ4により張架されており、駆動モータ5によりクランク6を介して搬送ローラ4が間歇的に回転駆動されることで、搬送コンベヤ3は、矢印方向に間歇的に搬送されるようになっている。搬送コンベヤ3には、搬送方向に沿って平面視矩形状のパレット7が多数配列されて固定されている。
【0015】
クランク6は、下側が駆動モータ5の駆動軸5aに固定されており、駆動モータ5の駆動軸5aが回転駆動されると、クランク6が上下方向に往復駆動される。クランク6の上側は、搬送ローラ4の回転軸4aに回動自在に軸支されているが、クランク6に図示せぬ送り爪が搬送ローラ4の回転軸4aに係合可能に付設されている。そして、クランク6が下降時には送り爪が搬送ローラ4の回転軸4aに係合して搬送ローラ4を回転させ、クランク6の上昇時には送り爪の係合が解除されて搬送ローラ4の回転が停止される。そのため、クランク6の上下方向の往復運動により搬送ローラ4が間歇的に回転駆動されるようになる。
【0016】
図2は、1枚のパレット7部分に関する平面図であり、図3は、パレット7への成形マット8の取付状態を示す分解斜視図であり、図4は、成形マット8の底面図である。
【0017】
パレット7は、厚い金属製又は樹脂製板状体からなり、成形マット8とほぼ同じ大きさの載置部7a及び取付部7bから構成され、載置部7aには、成形マット8の対角線S1及びS2に沿って4つの長孔70から73が形成されている。これら4つの長孔70〜73は、所定幅に形成されてパレット7を貫通している。これらの長孔に囲まれた中心部分には、成形マット8のネジ棒83a及び83bを挿着するための取付孔74a及び74bが貫通して形成されている。取付部7bには、搬送コンベヤ3に取り付けるためのネジ穴75が形成されており、パレット7を搬送コンベヤ3の所定位置に配列した後ネジをネジ穴75に挿入して締付固定する。
【0018】
成形マット8は、可撓性の樹脂材料からなる薄板状のマット本体80を備え、上面に向かって折り曲げるように容易に屈曲させることができ、また屈曲させた状態から元の状態に速やかに復元する復元特性を備えている。マット本体80の底面には、対角線S1及びS2に沿って、4つの角部から中心に向かう4つのガイド部82が設けられており、各ガイド部82は、一対の線状突起部により形成されている。そして、ガイド部82で囲まれた中心部には、金属製の取付プレート81が配設されている。
【0019】
取付プレート81の底面には、一対の長いネジ棒83a及び83bが突設しており、マット本体80に穿設された穴部に挿着されてマット本体の底面側に突出している。そして、突出した一対のネジ棒83a及び83bに固定プレート85が嵌め込まれてマット本体80の底面側に圧接されており、ネジ棒83a及び83bをパレット7の取付孔74a及び74bに挿入してナット84a及び84bにより締付固定することで、マット本体80の上面側及び下面側にそれぞれ取付プレート81及び固定プレート85が圧接固定されるようになる。
【0020】
成形マット8は平面視略正方形に形成されており、取付プレート81及び固定プレート85は成形マット8と中心が一致する略正方形の同一形状に形成されている。そして、取付プレート81及び固定プレート85の辺部は対角線S1及びS2に平行に設定されており、成形マット8に対して角部を持ち上げるように屈曲動作する場合には、取付プレート81の辺部を起点として屈曲動作が行われるようになる。
【0021】
後述するように、生地シートは略正方形状に切断されて成形マット8上に中心が一致するように配置されるので、上述した対角線S1及びS2は生地シートの対角線に合致するように位置決めされる。
【0022】
搬送方向に配列されたパレット7の列の搬送方向上流側には、薄く延ばされた生地シートFを搬送する搬送ベルト9、搬送される生地シートFをパレット7の幅に対応させて帯状に切断する円形カッタ10が配設されており、生地シートFを搬送ベルト9で搬送しながら円形カッタ10を回転させることで生地シートFの両側を切断して帯状に形成する。切断された帯状の生地シートFが搬送されてパレット列の搬送と同期してパレット7の上面に取り付けた成形マット8に移送されていく。
【0023】
パレット列に載置された生地シートFは、パレット7とともに搬送されて、ガス抜き用穴を形成するための複数の突起が設けられた穴形成部材11を図示せぬ駆動手段で押圧して生地シートFの表面に複数の穴を形成した後、カッタ12を図示せぬ駆動手段で上下動させて成形マット8の搬送方向の長さずつ生地シートFを切断する。パレット7の側部には樹脂板が貼り付けられており、カッタ12が樹脂板の上面に当接することで生地シートFが切断される。切断された生地シートFは、成形マット8とほぼ同じ正方形状に形成されて、各成形マット8に載置された状態で搬送されていく。
【0024】
各パレット7により搬送される矩形状の生地シートFの上方には、生地シートFの上面に水分を与えるスプレー13、内材が投入されたホッパ14、ホッパ14から供給される内材を吐出するノズル15及び吐出された内材を所定量ずつ分割する分割器16が配設されている。分割器16は、例えば、細い線材を用いて吐出された棒状の内材を横断するように移動させて所定量ずつ切断分割する。分割された内材は、搬送される生地シートFの上面の所定位置に配置される。
【0025】
パレット7の列の下方には、トングレバー駆動機構20が複数配置されており、上方には、トングレバー駆動機構20に対向して押え機構30が配置されている。
【0026】
図5は、トングレバー駆動機構20に関する概略構成図を示しており、この例では搬送方向に2列のパレット列がある場合に各列の同じ並びのパレットに対してそれぞれトングレバーを突出させて作動させるように設定されている。図5(a)は、トングレバー200a及び200bが上昇した作動状態を示す構成図であり、図5(b)は、トングレバー200a及び200bが下降した待機状態を示す構成図である。
【0027】
トングレバー駆動機構20は、駆動モータ5から駆動力が伝達される駆動軸21に固定されたカム22を備えており、カム22に形成されたカム溝22aには、駆動レバー24に回転自在に取り付けられたカムローラ23が挿入されている。駆動レバー24は、一端部24aを回動自在に軸支されており、カム22の回転によりカムローラ23がカム溝22aに追随して上下動することで、上下方向に回動するようになる。
【0028】
駆動レバー24の他端部には連結部材25aの一端部が回動自在に取り付けられており、連結部材25aの他端部にはL字形の連結部材25bの一端部が回動自在に取り付けられている。連結部材25bは、折れ曲り部分においてフレーム27に軸支されており、駆動レバー24の上下方向の回動動作に連動して左右方向に往復揺動するようになる。連結部材25bの他端部には連結部材25cの一端部が回動自在に取り付けられており、連結部材25cの他端部には、上下方向に作動レバー26a及び26bが配置されている。上部に配置された作動レバー26aの下端部及び下部に配置された作動レバー26bの上端部が連結部材25cの他端部に同軸に回動自在に取り付けられている。
【0029】
作動レバー26aの上端部は、作動台201の底面に回動自在に取り付けられており、作動レバー26bの下端部はフレーム27に回動自在に取り付けられている。したがって、駆動レバー24の回動動作に連動して連結部材25bが左右方向に往復揺動すると、連結部材25cが左右方向に進退動作を行なうようになり、連結部材25cの進退動作に連動して作動レバー26a及び26bが上下方向に延びた状態から折れ曲った状態に動作するようになる。そのため、作動台201が上下動するようになる。
【0030】
作動台201は、左右一対の支持部202a及び202bに支持されている。図5では、支持部202aの部分を一部断面図で示している。支持部202aには、作動台201に穿設された穴部に挿着された円筒状の作動部材203a及び作動部材203aの内部に摺動可能に挿着された作動ロッド204aを備えている。
【0031】
作動部材203aの上部の外周にはフランジ部205aが形成されており、フランジ部205aの下面が作動台201の上面に当接している。作動部材203aの下部は、フレーム27に立設する支持筒部27a内に収容されている。作動ロッド204aの上端部は支持台206の下面に固定されており、その下部には内部に取付穴が軸方向に形成されており、取付穴にフレーム27の取付部27bに立設されたコイルバネ28が収容されている。また、作動ロッド204aの下端部にはリング状のストッパ207aが取り付けられており、作動ロッド204aが上昇すると、ストッパ207aが支持筒部27aの下端に当接してそれ以上の上昇を制限するようになっている。また、作動部材203aのフランジ部205aの上面と支持台206aの下面との間には、作動ロッド204aを取り巻くようにコイルバネ29が配設されている。コイルバネ28は、常時作動ロッド204aを上方に付勢しており、コイルバネ29は、フランジ部205aと支持台206とを離間させるように付勢しており、コイルバネ29の付勢力がコイルバネ28の付勢力よりも大きくなるように設定されている。
【0032】
以上支持部202aについて説明したが、支持部202bについても同様の構成を備えている。そして、支持部202a及び202bにより作動台201及び支持台206が支持されている。
【0033】
トングレバー200a及び200bの作動機構として、作動台201及び支持台206を貫通して取り付けられた昇降ロッド208a及び208b、昇降ロッド208a及び208bの先端部に左右方向に突設した支持バー209a及び210a並びに209b及び210b、支持バー209a及び209bの先端部に下端部を回動自在に取り付けられた作動リンク212a及び212bが配設されている。作動リンク212a及び212bの上端部は、作動バー213a及び213bの一端部にそれぞれ回動自在に取り付けられており、作動バー213a及び213bの他端部は、支持台206の上面に設けられた支持突起部206a及び206bの頂部に回動自在に取り付けられている。トングレバー200a及び200bは、それぞれ作動バー213a及び213bの一端部側に下端部を固定して立設されている。そして、支持バー210a及び210bの先端部には、バランスレバー211a及び211bが立設されている。
【0034】
昇降ロッド208a及び208bは、その下部が作動台201を貫通して固定されており、その上部が支持台206を貫通して摺動可能に取り付けられている。そのため、作動台201が上下動すると、昇降ロッド208a及び208bが上下動するようになる。また、支持台206は、コイルバネ29により作動台201に対して付勢力が付与されて支持バー209a及び210a並びに209b及び210bに圧接された状態となり、作動台201とともに上下動するようになる。しかしながら、支持台206が所定の高さまで上昇すると、支持台206の下面に固定された作動ロッド204aの下端部のストッパ207aにより上昇が制限されるようになる。支持台206の上昇が制限された状態でさらに作動台201が上昇すると、コイルバネ29が圧縮されながら昇降ロッド208a及び208bが上昇するようになる。そのため、支持バー209a及び210a並びに209b及び210bが上昇して、作動バー213a及び213bの一端部並びにバランスレバー211a及び211bが上昇するようになる。その際に、作動バー213a及び213bの他端部は、上昇が制限された支持台206の支持突起部206a及び206bに取り付けられているので、上昇に伴い一端部側が上方に回動するようになってトングレバー200a及び200bは、回動動作を行なうようになる。
【0035】
図6は、トングレバー200aの一連の作動過程を示す説明図である。作動台201が下降した段階では、トングレバー200aも下降して待機状態となる(図6(a))。待機状態では、作動台201及び支持台206はコイルバネ29により付勢されて間隔が拡がった状態とされ、昇降ロッド208aも下降した状態となってトングレバー200aは傾いた状態に設定されている。
【0036】
作動台201が上昇すると、作動台201及び支持台206がコイルバネ29に付勢された状態で全体が上昇し、トングレバー200aも傾いた状態のまま上昇してその先端部の作動爪が上方に突出する。また、バランスレバー211aも同様に上昇するようになる。図6(b)では、支持台206が上昇を制限されるまで上昇した場合を示している。
【0037】
支持台206が上昇制限された状態でさらに作動台201を上昇させると、コイルバネ29を圧縮しながら作動台201のみが上昇して昇降ロッド208aが支持台206から抜け出るように上昇する。そのため、トングレバー200aの作動爪が傾いた状態から回動する作動状態となる(図6(c))。その際に、バランスレバー211aはさらに上昇する。
【0038】
作動台201が最高位置まで上昇して下降に転じると、まずコイルバネ29の圧縮状態が解除されるように作動台201のみが下降するようになるため、昇降ロッド208aが支持台206に対して下降するようになり、トングレバー200aが再び傾いた状態になる(図6(d))。そして、昇降ロッド208aが下降して支持バー209a及び210aが支持台206に当接すると、コイルバネ29の付勢力によって作動台201と支持台206が一体となってさらに下降し、トングレバー200aは下降して待機状態に設定される(図6(e))。
【0039】
図7は、押え機構30に関する構成図である。生地シートの4つの角部を中心部に向かって折畳むために、4つのトングレバー駆動機構20Aから20Dが搬送方向に配列されている。
【0040】
押え機構30としては、トングレバー駆動機構20A及び20Bにより成形マット8の対向する2つの角部を折り返し屈曲させて生地シートを折り畳んだ際に成形マット8を押圧して内材の側面及び上面に生地シートを密着させるマット押え機構300、折畳まれた生地シートの折り目を押える折り目押え機構310、トングレバー駆動機構20C及び20Dにより成形マット8の対向する残りの2つの角部を折り返し屈曲させて生地シートを折り畳んだ際に成形マット8を押圧して内材の側面及び上面に生地シートを密着させるマット押え機構320、折り畳まれた生地シートの角部が重なり合った内材の上面を圧接して密着させる生地押え機構330が配列されている。
【0041】
図8は、マット押え機構300に関する正面図である。マット押え機構300は、内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる矩形状の押圧板301及び302、並びに内材の側面に生地シートを密着させる矩形状の押圧板306及び307を備えている。そして、押圧板301及び306がトングレバー駆動機構20Aに対向配置され、押圧板302及び307がトングレバー駆動機構20Bに対向配置されている。
【0042】
押圧板301及び302は、それぞれ駆動ロッド303及び304の下端部に固定されており、エアシリンダ305により駆動ロッド303及び304を駆動して押圧板301及び302を上下動させる。押圧板301及び302は、下降して内材の上面を圧接するように作用することで、内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる。また、押圧板301及び302には、上昇したトングレバーに接触しないように切欠きが形成されている。この例では、押圧板301及び302が生地シートの縁部を内材の表面に沿って密着させる密着手段として機能する。
【0043】
押圧板306及び307は、エアシリンダ308の両側に水平に延設された駆動ロッド308a及び308bに固定された支持体308c及び308dに取り付けられており、エアシリンダ308を駆動することで成形マット8の中心に向かって水平移動するようになっている。また、押圧板306及び307は、押圧板301及び302の外側に所定間隔を空けて配置されて成形マット8の対角線S2(図2参照)に平行となるように設定されている。押圧板306及び307の中心部には下辺部から上方に向かって溝状の切欠き306a及び307aが形成されている。
【0044】
エアシリンダ308は、上方に配設されたエアシリンダ309から下方に延設された駆動ロッド309aの下端部に固定されており、エアシリンダ309が駆動することで押圧板306及び307が上下動するようになっている。押圧板306及び307は、エアシリンダ309を駆動して上方の待機位置から下降しエアシリンダ308を駆動して成形マット8の中心に向かって移動することで、内材の側面に生地シートを密着させる。その際に、上昇したトングレバーが切欠き306a及び307aを通過するように押圧板306及び307を移動させることで、トングレバーに接触することなく生地シートを押圧板306及び307により押圧することができる。この例では、押圧板306及び307が成形マット8の屈曲部分を押圧して生地シートを内材に密着させる押圧手段として機能する。
【0045】
折り目押え機構310は、折り畳まれた生地シートに対して内材の両側の折り目部分を圧接する棒状の押え部材311及び312、並びに折り畳まれた生地シートが重なり合った内材の上面に圧接する円板状の押圧板315を備えている。
【0046】
押え部材311及び312はそれぞれ支持ロッド313及び314の下端部に固定されており、支持ロッド313及び314の上端部は支持体317の両側に取り付けられている。また、押圧板315は支持ロッド316の下端部に固定されており、支持ロッド316の上端部は支持体317の中央部分に取り付けられている。
【0047】
支持体317は、エアシリンダ318から下方に延設された駆動ロッド318aの下端部に固定されており、エアシリンダ318が駆動することで押え部材311及び312並びに押圧板315が同時に上下動するようになっている。押圧板315が下降して内材の上面の重なり合った生地シートに圧接してずれないように設定し、押え部材311及び312が下降して折畳まれた生地シートの折り目部分を線状に圧接するように作用することで、次の生地シートの折り畳みをきれいに仕上げるとともに生地シートを内材に密着させることができる。
【0048】
マット押え機構320は、マット押え機構300と同様な構成を備えており、マット押え機構300において折り畳まれた生地シートの対向する2つの角部以外の残りの2つの角部を折り畳む際に内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる矩形状の押圧板321及び322、並びに内材の側面に生地シートを密着させる矩形状の押圧板326及び327を備えている。そして、押圧板321及び326がトングレバー駆動機構20Cに対向配置され、押圧板322及び327がトングレバー駆動機構20Dに対向配置されている。
【0049】
押圧板321及び322は、それぞれ駆動ロッド323及び324の下端部に固定されており、エアシリンダ325により駆動ロッド323及び324を駆動して押圧板321及び322を上下動させる。押圧板321及び322は、下降して内材の上面を圧接するように作用することで、内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる。また、押圧板321及び322には、上昇したトングレバーに接触しないように切欠きが形成されている。なお、押圧板321及び322は、押圧板301及び302と同様に生地シートの縁部を内材の表面に沿って密着させる密着手段として機能する。
【0050】
押圧板326及び327は、エアシリンダ328の両側に水平に延設された駆動ロッド328a及び328bに固定された支持体328c及び328dに取り付けられており、エアシリンダ328を駆動することで成形マット8の中心に向かって水平移動するようになっている。また、押圧板326及び327は、押圧板321及び322の外側に所定間隔を空けて配置されて成形マット8の対角線S1(図2参照)に平行となるように設定されている。押圧板326及び327の中心部には下辺部から上方に向かって溝状の切欠き326a及び327aが形成されている。
【0051】
エアシリンダ328は、上方に配設されたエアシリンダ329から下方に延設された駆動ロッド329aの下端部に固定されており、エアシリンダ329が駆動することで押圧板326及び327が上下動するようになっている。押圧板326及び327は、エアシリンダ329を駆動して上方の待機位置から下降しエアシリンダ328を駆動して成形マット8の中心に向かって移動することで、内材の側面に生地シートを密着させる。その際に、上昇したトングレバーが切欠き326a及び327aを通過するように押圧板326及び327を移動させることで、トングレバーに接触することなく生地シートを押圧板326及び327により押圧することができる。なお、押圧板326及び327は、押圧板306及び307と同様に成形マット8の屈曲部分を押圧して生地シートを内材に密着させる押圧手段として機能する。
【0052】
生地押え機構330は、上方に配設されたエアシリンダ332から下方に延設された駆動ロッド332aの下端部に固定された矩形状の押圧板331を備えており、エアシリンダ332が駆動することで押圧板331が上下動するようになっている。押圧板331が下降して内材の上面の重なり合った生地シートに圧接することで、折り畳まれた生地シートを内材に密着させて外れないようにしっかり固定することができる。
【0053】
以上説明した各部材の駆動動作は、駆動モータ5の回転動作を検知するエンコーダ(図示せず)からの検知信号に基づいて制御される。駆動モータ5の1回転のうち半回転の期間中に搬送コンベヤ3がパレット7の1つ分の長さだけ搬送されそれと同期して搬送ベルト9の搬送動作が行なわれる。そして、残りの半回転の期間中は搬送コンベヤ3が停止し、エンコーダからの検知信号に基づいて、穴形成部材11及びカッタ12が下降動作し、分割器16が分割動作を行ない、押え機構30の各エアシリンダが駆動動作される。エンコーダからの検知信号に基づいて押え機構30の各エアシリンダの駆動タイミングをきめ細かく設定することができるので、押え機構30の各部材の動作タイミングを調整して生地シートを折り畳んで内材に確実に密着するように動作させることが可能となる。
【0054】
図9から図21は、生地シートの4つの角部を中心部に向かって折畳む四つ折りによる成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。各図面の(a)図は1枚のパレットを上面から見た図であり、理解を容易にするためパレットの対角線が上下方向となるように設定している。また、各図面の(b)図は、パレットの側面から見た図であり、トングレバー駆動機構及び押え機構の動作を示している。
【0055】
図9では、正方形状の生地シートFのほぼ中心部に平面視矩形状に分割された内材Gが配置された状態で成形マット8に載置され、パレット7がトングレバー駆動機構20Aの上方に間欠搬送される。図10では、上方に搬送されたパレット7に向かってトングレバー200Aが上昇してパレット7の対角線に沿った長孔から突出するように上昇して作動状態となり、トングレバー200Aが回動して成形マット8の1つの角部を持ち上げて中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。その際に、バランスレバー211Aがトングレバー200Aとともに上昇し、トングレバー200Aにより屈曲される成形マット8の角部と対向する角部を持ち上げてほぼ直角に折り曲げる。
【0056】
成形マット8の角部がトングレバー200Aにより屈曲されることで、生地シートFも成形マット8とともに折り畳まれて内材Gの1つの側面から上面にかけて覆うようになる。また、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Aにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Aの動作によりずれることがない。
【0057】
そして、図11では、トングレバー200Aが作動状態となっている間に、エアシリンダ305を駆動して押圧板301を下降させ、内材の上面を覆う成形マット8の角部に押圧板301を圧接させる。その際に、押圧板301には溝状の切欠き301aが形成されているので、上昇したトングレバー200Aに対して切欠き301aを通過させることでトングレバー200Aに接触することなく成形マット8の角部に押圧板301を圧接させることができる。
【0058】
また、エアシリンダ309を駆動して押圧板306をその下縁をパレット7上面の近傍に到達するまで下降させた後、エアシリンダ308を駆動して押圧板306を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Aによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。その際に、押圧板306には上下方向に溝状の切欠き306aが形成されているので、上昇したトングレバー200Aに対して切欠き306aを通過させることでトングレバー200Aに接触することなく成形マット8の屈曲部分に押圧板306を圧接させることができる。
【0059】
成形マット8の屈曲部分は湾曲状に形成されているため内材Gの側面との間に隙間が生じているが、押圧板306を屈曲部分に圧接することで、内材Gの側面に生地シートFを確実に密着させることができる。また、内材Gの上面に対しても押圧板301を圧接して生地シートFを確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0060】
内材Gの1つの側面及び上面に生地シートFを密着させた後、図12に示すように、エアシリンダ308及び309を動作させて押圧板306を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Aを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ305を動作させて押圧板301を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。図13に示すように、生地シートFは内材Gの1つの側面及び上面に密着した状態のまま、搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次のトングレバー駆動機構20Bの上方位置に位置決めされる。
【0061】
図14では、搬送されたパレット7の対角線に沿った長孔からトングレバー200Bを突出させて作動状態とし、トングレバー200Bが回動することで、トングレバー200Aにより折畳まれた角部に対向する生地シートFの角部を折畳むように成形マット8の角部を中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。その際に、バランスレバー211Bがトングレバー200Bとともに上昇し、トングレバー200Bにより屈曲される成形マット8の角部と対向する角部を持ち上げてほぼ直角に折り曲げる。
【0062】
成形マット8の角部がトングレバー200Bにより屈曲されることで、生地シートFも成形マット8とともに折り畳まれ、トングレバー200Aにより被覆された内材Gの側面と対向する側面から上面にかけて覆うようになる。内材Gの上面には、すでに生地シートFの角部により覆われているが、それに重ね合わせるように生地シートFの対向する角部で覆うようになる。その際に、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Bにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Bの動作によりずれることがない。
【0063】
そして、図15では、図11と同様に、トングレバー200Bが作動状態となっている間に、エアシリンダ305を駆動して押圧板302を下降させ、内材Gの上面を覆う成形マット8の角部に押圧板302を圧接させ、エアシリンダ309を駆動して押圧板307を下降させた後、エアシリンダ308を駆動して押圧板307を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Bによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。押圧板307を成形マット8の屈曲部分に圧接させて内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、内材Gの上面に対しても押圧板302を圧接して生地シートFを重ね合わせて確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0064】
内材Gの2つ目の側面に生地シートFを密着させ内材Gの上面に生地シートFの角部を重ね合わせて密着させた後、図16に示すように、エアシリンダ308及び309を動作させて押圧板307を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Bを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ305を動作させて押圧板302を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。図17に示すように、生地シートFは内材Gの対向する2つの側面及び上面に密着した状態のまま、搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次の折り目押え機構310の下方位置に位置決めされる。
【0065】
図18では、エアシリンダ318を駆動して、押え部材311及び312並びに押圧板315を下降させる。そして、押え部材311及び312は、生地シートFの折畳まれていない角部の折り目に対応する箇所を線状に圧接して次のマット押え機構320での折畳み動作を容易に行なえるようにする。その際、押圧板315は、内材Gの上面に圧接されて重なり合った生地シートFの角部がずれないように作用する。押え部材311及び312並びに押圧板315による圧接動作後エアシリンダを動作させてこれらの部材を上昇させる。
【0066】
次に、搬送コンベヤ3をパレット1つ分だけ搬送して次のトングレバー駆動機構20Cの上方位置に位置決めする。なお、図19以降の(a)図では、理解を容易にするためパレット7をそれ以前の(a)図に対して90度時計回りに回転した図となっている。図19では、搬送されたパレット7の対角線に沿った長孔からトングレバー200Cを突出させて作動状態とし、トングレバー200Cが回動することで、折畳まれていない生地シートFの一方の角部を折畳むように成形マット8の角部を中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。折畳まれた生地シートFの角部は、既に折畳まれた角部の上にさらに重ね合される。その際に、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Cにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Cの動作によりずれることがない。
【0067】
図19では、図11に示すマット押え機構300と同様に、マット押え機構320が作動して、トングレバー200Cが作動状態となっている間に、エアシリンダ325を駆動して押圧板321を下降させ、内材Gの上面を覆う成形マット8の角部に押圧板321を圧接させ、エアシリンダ329を駆動して押圧板326を下降させた後、エアシリンダ328を駆動して押圧板326を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Cによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。押圧板326を成形マット8の屈曲部分に圧接させて内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、内材Gの上面に対しても押圧板321を圧接して生地シートFを重ね合わせて確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0068】
内材Gの3つ目の側面に生地シートFを密着させ内材Gの上面に生地シートFの角部を重ね合わせて密着させた後、エアシリンダ328及び329を動作させて押圧板326を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Cを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ325を動作させて押圧板321を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。そして、生地シートFは内材Gの対向する3つの側面及び上面に密着した状態のまま、搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次のトングレバー駆動機構20Dの上方位置に位置決めされる。
【0069】
図20では、搬送されたパレット7の対角線に沿った長孔からトングレバー200Dを突出させて作動状態とし、トングレバー200Dが回動することで、折畳まれていない生地シートFの残りの角部を折畳むように成形マット8の角部を中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。折畳まれた生地シートFの角部は、既に折畳まれた角部の上にさらに重ね合される。その際に、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Dにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Dの動作によりずれることがない。
【0070】
図20では、図15に示すマット押え機構300と同様に、マット押え機構320が作動して、トングレバー200Dが作動状態となっている間に、エアシリンダ325を駆動して押圧板322を下降させ、内材Gの上面を覆う成形マット8の角部に押圧板322を圧接させ、エアシリンダ329を駆動して押圧板327を下降させた後、エアシリンダ328を駆動して押圧板327を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Dによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。押圧板327を成形マット8の屈曲部分に圧接させて内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、内材Gの上面に対しても押圧板322を圧接して生地シートFを重ね合わせて確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0071】
内材Gの4つ目の側面に生地シートFを密着させ内材Gの上面に生地シートFの角部を重ね合わせて密着させた後、エアシリンダ328及び329を動作させて押圧板327を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Dを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ325を動作させて押圧板322を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。そして、生地シートFを内材Gのすべての側面及び上面に密着させた状態で搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次の生地押え機構330の下方位置に位置決めされる。
【0072】
図21では、エアシリンダ332を駆動して押圧板331を下降させ、生地シートFの4つの角部が重なり合った内材Gの上面に押圧板331を圧接させてしっかりと生地シートFを内材Gに密着させて成形品Hに仕上げる。
【0073】
以上説明したように、トングレバーにより持ち上げられた成形マット8の屈曲部分を押圧板により圧接することで、内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、また内材Gの上面に対して押圧板を圧接することで重ね合わされた生地シートFの角部を密着させて、内部に空気の入る隙間ができるだけ生じないように成形品Hを成形することが可能となる。
【0074】
以上説明した例では、内材に対して生地シートの角部を折り畳んで四つ折りしているが、これ以外の生地シートの折り畳み方でも本発明を用いることができる。例えば、矩形状の生地シートの対向する辺部を中央に向かって三つ折りに折り畳む場合にも成形マットの屈曲部分を押圧して内材に生地シートを密着させれば、内部に空気の入る隙間ができるだけ生じないようにすることが可能となる。
【0075】
図22は、複数サイズの成形品を成形する変形例に関する概略正面図である。なお、図1に示す実施形態と同一部分については同一符号が付されており、その詳細な説明は省略する。この例では、長尺状の生地シートを搬送ベルト9により搬送しながら円形カッタ10により搬送方向に沿って分割し、分割された生地シートを幅方向の所定位置にガイドするガイド部材100及び101を備えている。また、所定位置に設定されて搬送される生地シートを搬送方向の所定長さ毎に切断するカッタ102がガイド部材100及び101の搬送方向下流側に設置されている。
【0076】
図23及び図24は、長尺状の生地シートを成形マット8とほぼ同じ大きさのサイズに切断するための構成を示す平面図及び側面図である。円形カッタ10は、切断するサイズの幅に合わせて生地シートを分割するために3枚の円形カッタ10a〜10cを備えている。両側の円形カッタ10a及び10cは、生地シートの耳部分を除去するように切断し、中央の円形カッタ10bが生地シートを同じ幅に2分割するように切断する。両側の円形カッタ10a及び10cの搬送方向下流側にはそれぞれガイド部材101が配設されており、ガイド部材101は、切断された耳部分を生地シートから分離させて除去する。2分割された生地シートの幅は成形マット8の幅とほぼ同じサイズとなっており、搬送ベルト9により搬送されてパレット7に移送する際に成形マット8とほぼ合致する位置になるように生地シートの幅方向の位置がガイド部材101により設定される。
【0077】
パレット7に移送された生地シートは、成形マット8に載置された状態でカッタ12により成形マット8とほぼ同じ長さ毎に切断されていき、成形マット8とほぼ同じサイズの生地シートに切断される。
【0078】
図25及び図26は、長尺状の生地シートを成形マット8より小さいサイズに切断するための構成を示す平面図及び側面図である。この例では、3枚の円形カッタ10a〜10cにより両側の耳部分が除去されて2分割された後、ガイド部材100により2分割された生地シートの幅方向の位置合わせが行われる。この場合、2分割された生地シートの幅は成形マット8の幅よりも小さくなるため、成形マット8の幅方向の中心線に生地シートの中心線が合致するように、生地シートを両側に移動させるように位置合わせする必要がある。そのため、中央の円形カッタ10bに対応してガイド部材100bが配設され、ガイド部材100bの幅方向の厚みの分だけ2分割した生地シートを両側に移動させる。また、円形カッタ10a及び10cに対応してガイド部材100a及び100cが配設されており、ガイド部材100a及び100bの配置並びにガイド部材100b及び100cの間の配置が成形マット8の中心線と合致した位置となるように設定されている。
【0079】
ガイド部材100の搬送方向下流側に配設されたカッタ102は、幅方向に位置合わせされた生地シートをサイズに合わせた長さ毎に切断していき、所定のサイズに切断された生地シートは搬送ベルト9により搬送されて搬送コンベヤ3のパレット7に移送されていく。移送する際に、切断された生地シートの中心が成形マット8の中心に合致するように位置合わせする必要があるため、搬送ベルト9を搬送コンベヤ3と同期して搬送させずに搬送コンベヤ3の搬送開始タイミングよりわずかに遅れて搬送開始するように制御する。搬送開始が遅れた分だけ成形マット8に対して生地シートが搬送方向にサイズが小さい分だけずれて配置されるようになり、成形マット8及び生地シートの中心位置及び対角線位置が合致するように設定することが可能となる。
【0080】
こうした搬送ベルト9の搬送開始タイミングの調整は、駆動モータ5の回転を検知するエンコーダからの検知信号に基づいて制御すれば、タイミング制御をきめ細かく正確に調整することができる。
【0081】
また、上述したように内材の側面及び上面を押圧板により圧接して生地シートを確実に密着させることができるので、生地シート及び内材のサイズが異なる場合でも、内部に空気の入る隙間をできるだけ少なくした成形品に仕上げることが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
F 生地シート
G 内材
H 成形品
1 成形装置
3 搬送コンベヤ
7 パレット
8 成形マット
20 トングレバー駆動機構
30 押え機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーム、ジャム、餡や挽肉といった内材を薄い生地シートにより折畳んで包み込むように成形する食品成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上述したクリーム等の内材を薄い生地シートで包み込んで成形された食品が開発されてきており、本発明者らは、こうした食品の成形装置の開発を進めてきている。例えば、特許文献1では、レバー動作口が開設された多数のパレットを配列したパレットコンベヤを設置し、パレットのレバー動作口を覆うようにフレキシブルマットをそれぞれのパレットに止着し、トングレバーをレバー動作口から突出させて内材が載置された薄い生地シートをフレキシブルマットとともに折り曲げて成形する成形装置が記載されており、こうした成形装置を用いることで、生地シートFにより内材を包み込んだ食品を成形することができる旨記載されている。第10図から第13図には、矩形状の生地シートの対向する角部を内材の上方で重ね合わせるように折り曲げ成形する場合、生地シートの4つの角部を中心部に寄せ集めるように折り曲げて、対向する角部がそれぞれ重ね合わせるように成形する場合、生地シートの4つの角部を中心部に向かって折り重なるように内材の上面に密着した状態として、いわゆる四つ折りに成形する場合、対向する二辺が重なるように二つ折りに成形する場合が挙げられている。
【0003】
また、特許文献2では、特許文献1に記載された成形装置において、生地シートで包み込む内材が生地シートの折り曲げ成形時に移動しないようにバランスレバー、プレスロッド、ストップレバー、プレスレバーといった部材を用いて折り曲げた生地シートや内材を押さえ付けるようにした点が記載されている。特許文献2では、矩形状の生地シートを四つ折りに成形する具体例が記載されているが、図33に示すように、対向する二辺が互いに折り重なるように三つ折りに成形したり、対向する二辺が重なるように二つ折りに成形することもできる旨記載されている。
【0004】
また、特許文献3では、成形マットのトングレバーによる屈曲幅を設定する幅設定手段を備えることで、パレット上に配置する成形マット及び生地シートの位置を変更することなく種々の折り方により生地シートを成形することを可能する点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭57−45545号公報
【特許文献2】特公平8−8830号公報
【特許文献3】特開2008−167682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したこれまでの成形装置では、パレット上に配置した成形マットをトングレバーで屈曲させて生地シートを折り曲げるように成形させているが、成形マットが屈曲すると曲面状に湾曲した状態となるため、生地シートも成形マットに沿って曲面状に湾曲するようになる。そのため、生地シートで包み込む内材が直方体状に角ばった形状に形成されている場合、内材の平面状の側面と曲面状の生地シートとの間が密着せずに隙間が空いた状態で成形されるようになる。
【0007】
このように内材と生地シートとの間に空気が入った状態で成形された食品を加熱調理すると、内部の空気か膨張して生地シートを変形させたり最悪の場合には破裂させるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、内材を生地シートで包み込む場合に生地シートを内材に密着させて内部に空気の入る隙間をできるだけ少なくすることができる食品成形装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る食品成形装置は、搬送コンベヤの搬送方向に配列されるとともに複数の長孔が形成された複数のパレットと、前記パレットの上面に載置されるとともに可撓性材料からなる成形マットと、前記成形マット上に生地シートを載置する生地載置手段と、前記成形マット上に載置された前記生地シート上に内材を配置する内材配置手段と、前記パレットの下方に配設されるとともに前記長孔にトングレバーを挿入して突出させるように上下動させるレバー駆動手段とを備え、前記トングレバーを前記長孔から突出させて前記成形マットを折り返すように屈曲させることで前記生地シートを折り曲げて前記内材を包み込むように成形する食品成形装置において、前記トングレバーにより折り返された前記成形マットの屈曲部分を押圧して前記生地シートを前記内材に密着させる押圧手段を備えていることを特徴とする。前記トングレバーにより折り返された前記成形マットを押圧して前記生地シートの縁部の少なくとも一部を前記内材の表面に沿うように密着させる密着手段を備えていることを特徴とする。さらに、前記成形マットに載置する前記生地シートを複数の異なるサイズに対応して切断する切断手段を備え、異なるサイズの前記生地シートを前記押圧手段及び前記密着手段により前記内材に密着させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような構成を有することで、トングレバーにより折り返された成形マットの屈曲部分を押圧して生地シートを内材に密着させる押圧手段を備えているので、成形マットとともに折り返された生地シートが成形マットの屈曲部分を押圧することで内材に確実に密着するようになり、最も隙間が空きやすい成形マットの屈曲部分と内材との間を密着させて内部に空気の入る隙間をできるだけ少なくすることができる。
【0011】
また、成形マットに載置する生地シートを食品のサイズに合わせて切断して用いる場合、食品のサイズの異なると成形マットを屈曲させた際に生地シートと内材との間の隙間が空きやすくなるが、押圧手段により成形マットの屈曲部分を押圧することで生地シートを確実に内材に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る食品成形装置に関する全体構成図である。
【図2】パレット部分に関する平面図及び断面図である。
【図3】パレット部分に関する分解斜視図である。
【図4】成形マットに関する底面図である。
【図5】トングレバー駆動機構に関する概略構成図である。
【図6】トングレバーの一連の作動過程を示す説明図である。
【図7】押え機構の配列に関する構成図である。
【図8】マット押え機構に関する構成図である。
【図9】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図10】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図11】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図12】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図13】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図14】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図15】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図16】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図17】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図18】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図19】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図20】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図21】成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。
【図22】変形例に関する全体構成図である。
【図23】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する平面図である。
【図24】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する側面図である。
【図25】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する平面図である。
【図26】生地シートを所定のサイズに切断するための構成に関する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、食品成形装置1に関する全体構成図である。食品成形装置1は、機枠台2内に無端状の搬送コンベヤ3が搬送ローラ4により張架されており、駆動モータ5によりクランク6を介して搬送ローラ4が間歇的に回転駆動されることで、搬送コンベヤ3は、矢印方向に間歇的に搬送されるようになっている。搬送コンベヤ3には、搬送方向に沿って平面視矩形状のパレット7が多数配列されて固定されている。
【0015】
クランク6は、下側が駆動モータ5の駆動軸5aに固定されており、駆動モータ5の駆動軸5aが回転駆動されると、クランク6が上下方向に往復駆動される。クランク6の上側は、搬送ローラ4の回転軸4aに回動自在に軸支されているが、クランク6に図示せぬ送り爪が搬送ローラ4の回転軸4aに係合可能に付設されている。そして、クランク6が下降時には送り爪が搬送ローラ4の回転軸4aに係合して搬送ローラ4を回転させ、クランク6の上昇時には送り爪の係合が解除されて搬送ローラ4の回転が停止される。そのため、クランク6の上下方向の往復運動により搬送ローラ4が間歇的に回転駆動されるようになる。
【0016】
図2は、1枚のパレット7部分に関する平面図であり、図3は、パレット7への成形マット8の取付状態を示す分解斜視図であり、図4は、成形マット8の底面図である。
【0017】
パレット7は、厚い金属製又は樹脂製板状体からなり、成形マット8とほぼ同じ大きさの載置部7a及び取付部7bから構成され、載置部7aには、成形マット8の対角線S1及びS2に沿って4つの長孔70から73が形成されている。これら4つの長孔70〜73は、所定幅に形成されてパレット7を貫通している。これらの長孔に囲まれた中心部分には、成形マット8のネジ棒83a及び83bを挿着するための取付孔74a及び74bが貫通して形成されている。取付部7bには、搬送コンベヤ3に取り付けるためのネジ穴75が形成されており、パレット7を搬送コンベヤ3の所定位置に配列した後ネジをネジ穴75に挿入して締付固定する。
【0018】
成形マット8は、可撓性の樹脂材料からなる薄板状のマット本体80を備え、上面に向かって折り曲げるように容易に屈曲させることができ、また屈曲させた状態から元の状態に速やかに復元する復元特性を備えている。マット本体80の底面には、対角線S1及びS2に沿って、4つの角部から中心に向かう4つのガイド部82が設けられており、各ガイド部82は、一対の線状突起部により形成されている。そして、ガイド部82で囲まれた中心部には、金属製の取付プレート81が配設されている。
【0019】
取付プレート81の底面には、一対の長いネジ棒83a及び83bが突設しており、マット本体80に穿設された穴部に挿着されてマット本体の底面側に突出している。そして、突出した一対のネジ棒83a及び83bに固定プレート85が嵌め込まれてマット本体80の底面側に圧接されており、ネジ棒83a及び83bをパレット7の取付孔74a及び74bに挿入してナット84a及び84bにより締付固定することで、マット本体80の上面側及び下面側にそれぞれ取付プレート81及び固定プレート85が圧接固定されるようになる。
【0020】
成形マット8は平面視略正方形に形成されており、取付プレート81及び固定プレート85は成形マット8と中心が一致する略正方形の同一形状に形成されている。そして、取付プレート81及び固定プレート85の辺部は対角線S1及びS2に平行に設定されており、成形マット8に対して角部を持ち上げるように屈曲動作する場合には、取付プレート81の辺部を起点として屈曲動作が行われるようになる。
【0021】
後述するように、生地シートは略正方形状に切断されて成形マット8上に中心が一致するように配置されるので、上述した対角線S1及びS2は生地シートの対角線に合致するように位置決めされる。
【0022】
搬送方向に配列されたパレット7の列の搬送方向上流側には、薄く延ばされた生地シートFを搬送する搬送ベルト9、搬送される生地シートFをパレット7の幅に対応させて帯状に切断する円形カッタ10が配設されており、生地シートFを搬送ベルト9で搬送しながら円形カッタ10を回転させることで生地シートFの両側を切断して帯状に形成する。切断された帯状の生地シートFが搬送されてパレット列の搬送と同期してパレット7の上面に取り付けた成形マット8に移送されていく。
【0023】
パレット列に載置された生地シートFは、パレット7とともに搬送されて、ガス抜き用穴を形成するための複数の突起が設けられた穴形成部材11を図示せぬ駆動手段で押圧して生地シートFの表面に複数の穴を形成した後、カッタ12を図示せぬ駆動手段で上下動させて成形マット8の搬送方向の長さずつ生地シートFを切断する。パレット7の側部には樹脂板が貼り付けられており、カッタ12が樹脂板の上面に当接することで生地シートFが切断される。切断された生地シートFは、成形マット8とほぼ同じ正方形状に形成されて、各成形マット8に載置された状態で搬送されていく。
【0024】
各パレット7により搬送される矩形状の生地シートFの上方には、生地シートFの上面に水分を与えるスプレー13、内材が投入されたホッパ14、ホッパ14から供給される内材を吐出するノズル15及び吐出された内材を所定量ずつ分割する分割器16が配設されている。分割器16は、例えば、細い線材を用いて吐出された棒状の内材を横断するように移動させて所定量ずつ切断分割する。分割された内材は、搬送される生地シートFの上面の所定位置に配置される。
【0025】
パレット7の列の下方には、トングレバー駆動機構20が複数配置されており、上方には、トングレバー駆動機構20に対向して押え機構30が配置されている。
【0026】
図5は、トングレバー駆動機構20に関する概略構成図を示しており、この例では搬送方向に2列のパレット列がある場合に各列の同じ並びのパレットに対してそれぞれトングレバーを突出させて作動させるように設定されている。図5(a)は、トングレバー200a及び200bが上昇した作動状態を示す構成図であり、図5(b)は、トングレバー200a及び200bが下降した待機状態を示す構成図である。
【0027】
トングレバー駆動機構20は、駆動モータ5から駆動力が伝達される駆動軸21に固定されたカム22を備えており、カム22に形成されたカム溝22aには、駆動レバー24に回転自在に取り付けられたカムローラ23が挿入されている。駆動レバー24は、一端部24aを回動自在に軸支されており、カム22の回転によりカムローラ23がカム溝22aに追随して上下動することで、上下方向に回動するようになる。
【0028】
駆動レバー24の他端部には連結部材25aの一端部が回動自在に取り付けられており、連結部材25aの他端部にはL字形の連結部材25bの一端部が回動自在に取り付けられている。連結部材25bは、折れ曲り部分においてフレーム27に軸支されており、駆動レバー24の上下方向の回動動作に連動して左右方向に往復揺動するようになる。連結部材25bの他端部には連結部材25cの一端部が回動自在に取り付けられており、連結部材25cの他端部には、上下方向に作動レバー26a及び26bが配置されている。上部に配置された作動レバー26aの下端部及び下部に配置された作動レバー26bの上端部が連結部材25cの他端部に同軸に回動自在に取り付けられている。
【0029】
作動レバー26aの上端部は、作動台201の底面に回動自在に取り付けられており、作動レバー26bの下端部はフレーム27に回動自在に取り付けられている。したがって、駆動レバー24の回動動作に連動して連結部材25bが左右方向に往復揺動すると、連結部材25cが左右方向に進退動作を行なうようになり、連結部材25cの進退動作に連動して作動レバー26a及び26bが上下方向に延びた状態から折れ曲った状態に動作するようになる。そのため、作動台201が上下動するようになる。
【0030】
作動台201は、左右一対の支持部202a及び202bに支持されている。図5では、支持部202aの部分を一部断面図で示している。支持部202aには、作動台201に穿設された穴部に挿着された円筒状の作動部材203a及び作動部材203aの内部に摺動可能に挿着された作動ロッド204aを備えている。
【0031】
作動部材203aの上部の外周にはフランジ部205aが形成されており、フランジ部205aの下面が作動台201の上面に当接している。作動部材203aの下部は、フレーム27に立設する支持筒部27a内に収容されている。作動ロッド204aの上端部は支持台206の下面に固定されており、その下部には内部に取付穴が軸方向に形成されており、取付穴にフレーム27の取付部27bに立設されたコイルバネ28が収容されている。また、作動ロッド204aの下端部にはリング状のストッパ207aが取り付けられており、作動ロッド204aが上昇すると、ストッパ207aが支持筒部27aの下端に当接してそれ以上の上昇を制限するようになっている。また、作動部材203aのフランジ部205aの上面と支持台206aの下面との間には、作動ロッド204aを取り巻くようにコイルバネ29が配設されている。コイルバネ28は、常時作動ロッド204aを上方に付勢しており、コイルバネ29は、フランジ部205aと支持台206とを離間させるように付勢しており、コイルバネ29の付勢力がコイルバネ28の付勢力よりも大きくなるように設定されている。
【0032】
以上支持部202aについて説明したが、支持部202bについても同様の構成を備えている。そして、支持部202a及び202bにより作動台201及び支持台206が支持されている。
【0033】
トングレバー200a及び200bの作動機構として、作動台201及び支持台206を貫通して取り付けられた昇降ロッド208a及び208b、昇降ロッド208a及び208bの先端部に左右方向に突設した支持バー209a及び210a並びに209b及び210b、支持バー209a及び209bの先端部に下端部を回動自在に取り付けられた作動リンク212a及び212bが配設されている。作動リンク212a及び212bの上端部は、作動バー213a及び213bの一端部にそれぞれ回動自在に取り付けられており、作動バー213a及び213bの他端部は、支持台206の上面に設けられた支持突起部206a及び206bの頂部に回動自在に取り付けられている。トングレバー200a及び200bは、それぞれ作動バー213a及び213bの一端部側に下端部を固定して立設されている。そして、支持バー210a及び210bの先端部には、バランスレバー211a及び211bが立設されている。
【0034】
昇降ロッド208a及び208bは、その下部が作動台201を貫通して固定されており、その上部が支持台206を貫通して摺動可能に取り付けられている。そのため、作動台201が上下動すると、昇降ロッド208a及び208bが上下動するようになる。また、支持台206は、コイルバネ29により作動台201に対して付勢力が付与されて支持バー209a及び210a並びに209b及び210bに圧接された状態となり、作動台201とともに上下動するようになる。しかしながら、支持台206が所定の高さまで上昇すると、支持台206の下面に固定された作動ロッド204aの下端部のストッパ207aにより上昇が制限されるようになる。支持台206の上昇が制限された状態でさらに作動台201が上昇すると、コイルバネ29が圧縮されながら昇降ロッド208a及び208bが上昇するようになる。そのため、支持バー209a及び210a並びに209b及び210bが上昇して、作動バー213a及び213bの一端部並びにバランスレバー211a及び211bが上昇するようになる。その際に、作動バー213a及び213bの他端部は、上昇が制限された支持台206の支持突起部206a及び206bに取り付けられているので、上昇に伴い一端部側が上方に回動するようになってトングレバー200a及び200bは、回動動作を行なうようになる。
【0035】
図6は、トングレバー200aの一連の作動過程を示す説明図である。作動台201が下降した段階では、トングレバー200aも下降して待機状態となる(図6(a))。待機状態では、作動台201及び支持台206はコイルバネ29により付勢されて間隔が拡がった状態とされ、昇降ロッド208aも下降した状態となってトングレバー200aは傾いた状態に設定されている。
【0036】
作動台201が上昇すると、作動台201及び支持台206がコイルバネ29に付勢された状態で全体が上昇し、トングレバー200aも傾いた状態のまま上昇してその先端部の作動爪が上方に突出する。また、バランスレバー211aも同様に上昇するようになる。図6(b)では、支持台206が上昇を制限されるまで上昇した場合を示している。
【0037】
支持台206が上昇制限された状態でさらに作動台201を上昇させると、コイルバネ29を圧縮しながら作動台201のみが上昇して昇降ロッド208aが支持台206から抜け出るように上昇する。そのため、トングレバー200aの作動爪が傾いた状態から回動する作動状態となる(図6(c))。その際に、バランスレバー211aはさらに上昇する。
【0038】
作動台201が最高位置まで上昇して下降に転じると、まずコイルバネ29の圧縮状態が解除されるように作動台201のみが下降するようになるため、昇降ロッド208aが支持台206に対して下降するようになり、トングレバー200aが再び傾いた状態になる(図6(d))。そして、昇降ロッド208aが下降して支持バー209a及び210aが支持台206に当接すると、コイルバネ29の付勢力によって作動台201と支持台206が一体となってさらに下降し、トングレバー200aは下降して待機状態に設定される(図6(e))。
【0039】
図7は、押え機構30に関する構成図である。生地シートの4つの角部を中心部に向かって折畳むために、4つのトングレバー駆動機構20Aから20Dが搬送方向に配列されている。
【0040】
押え機構30としては、トングレバー駆動機構20A及び20Bにより成形マット8の対向する2つの角部を折り返し屈曲させて生地シートを折り畳んだ際に成形マット8を押圧して内材の側面及び上面に生地シートを密着させるマット押え機構300、折畳まれた生地シートの折り目を押える折り目押え機構310、トングレバー駆動機構20C及び20Dにより成形マット8の対向する残りの2つの角部を折り返し屈曲させて生地シートを折り畳んだ際に成形マット8を押圧して内材の側面及び上面に生地シートを密着させるマット押え機構320、折り畳まれた生地シートの角部が重なり合った内材の上面を圧接して密着させる生地押え機構330が配列されている。
【0041】
図8は、マット押え機構300に関する正面図である。マット押え機構300は、内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる矩形状の押圧板301及び302、並びに内材の側面に生地シートを密着させる矩形状の押圧板306及び307を備えている。そして、押圧板301及び306がトングレバー駆動機構20Aに対向配置され、押圧板302及び307がトングレバー駆動機構20Bに対向配置されている。
【0042】
押圧板301及び302は、それぞれ駆動ロッド303及び304の下端部に固定されており、エアシリンダ305により駆動ロッド303及び304を駆動して押圧板301及び302を上下動させる。押圧板301及び302は、下降して内材の上面を圧接するように作用することで、内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる。また、押圧板301及び302には、上昇したトングレバーに接触しないように切欠きが形成されている。この例では、押圧板301及び302が生地シートの縁部を内材の表面に沿って密着させる密着手段として機能する。
【0043】
押圧板306及び307は、エアシリンダ308の両側に水平に延設された駆動ロッド308a及び308bに固定された支持体308c及び308dに取り付けられており、エアシリンダ308を駆動することで成形マット8の中心に向かって水平移動するようになっている。また、押圧板306及び307は、押圧板301及び302の外側に所定間隔を空けて配置されて成形マット8の対角線S2(図2参照)に平行となるように設定されている。押圧板306及び307の中心部には下辺部から上方に向かって溝状の切欠き306a及び307aが形成されている。
【0044】
エアシリンダ308は、上方に配設されたエアシリンダ309から下方に延設された駆動ロッド309aの下端部に固定されており、エアシリンダ309が駆動することで押圧板306及び307が上下動するようになっている。押圧板306及び307は、エアシリンダ309を駆動して上方の待機位置から下降しエアシリンダ308を駆動して成形マット8の中心に向かって移動することで、内材の側面に生地シートを密着させる。その際に、上昇したトングレバーが切欠き306a及び307aを通過するように押圧板306及び307を移動させることで、トングレバーに接触することなく生地シートを押圧板306及び307により押圧することができる。この例では、押圧板306及び307が成形マット8の屈曲部分を押圧して生地シートを内材に密着させる押圧手段として機能する。
【0045】
折り目押え機構310は、折り畳まれた生地シートに対して内材の両側の折り目部分を圧接する棒状の押え部材311及び312、並びに折り畳まれた生地シートが重なり合った内材の上面に圧接する円板状の押圧板315を備えている。
【0046】
押え部材311及び312はそれぞれ支持ロッド313及び314の下端部に固定されており、支持ロッド313及び314の上端部は支持体317の両側に取り付けられている。また、押圧板315は支持ロッド316の下端部に固定されており、支持ロッド316の上端部は支持体317の中央部分に取り付けられている。
【0047】
支持体317は、エアシリンダ318から下方に延設された駆動ロッド318aの下端部に固定されており、エアシリンダ318が駆動することで押え部材311及び312並びに押圧板315が同時に上下動するようになっている。押圧板315が下降して内材の上面の重なり合った生地シートに圧接してずれないように設定し、押え部材311及び312が下降して折畳まれた生地シートの折り目部分を線状に圧接するように作用することで、次の生地シートの折り畳みをきれいに仕上げるとともに生地シートを内材に密着させることができる。
【0048】
マット押え機構320は、マット押え機構300と同様な構成を備えており、マット押え機構300において折り畳まれた生地シートの対向する2つの角部以外の残りの2つの角部を折り畳む際に内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる矩形状の押圧板321及び322、並びに内材の側面に生地シートを密着させる矩形状の押圧板326及び327を備えている。そして、押圧板321及び326がトングレバー駆動機構20Cに対向配置され、押圧板322及び327がトングレバー駆動機構20Dに対向配置されている。
【0049】
押圧板321及び322は、それぞれ駆動ロッド323及び324の下端部に固定されており、エアシリンダ325により駆動ロッド323及び324を駆動して押圧板321及び322を上下動させる。押圧板321及び322は、下降して内材の上面を圧接するように作用することで、内材の上面に載置された生地シートを内材に密着させる。また、押圧板321及び322には、上昇したトングレバーに接触しないように切欠きが形成されている。なお、押圧板321及び322は、押圧板301及び302と同様に生地シートの縁部を内材の表面に沿って密着させる密着手段として機能する。
【0050】
押圧板326及び327は、エアシリンダ328の両側に水平に延設された駆動ロッド328a及び328bに固定された支持体328c及び328dに取り付けられており、エアシリンダ328を駆動することで成形マット8の中心に向かって水平移動するようになっている。また、押圧板326及び327は、押圧板321及び322の外側に所定間隔を空けて配置されて成形マット8の対角線S1(図2参照)に平行となるように設定されている。押圧板326及び327の中心部には下辺部から上方に向かって溝状の切欠き326a及び327aが形成されている。
【0051】
エアシリンダ328は、上方に配設されたエアシリンダ329から下方に延設された駆動ロッド329aの下端部に固定されており、エアシリンダ329が駆動することで押圧板326及び327が上下動するようになっている。押圧板326及び327は、エアシリンダ329を駆動して上方の待機位置から下降しエアシリンダ328を駆動して成形マット8の中心に向かって移動することで、内材の側面に生地シートを密着させる。その際に、上昇したトングレバーが切欠き326a及び327aを通過するように押圧板326及び327を移動させることで、トングレバーに接触することなく生地シートを押圧板326及び327により押圧することができる。なお、押圧板326及び327は、押圧板306及び307と同様に成形マット8の屈曲部分を押圧して生地シートを内材に密着させる押圧手段として機能する。
【0052】
生地押え機構330は、上方に配設されたエアシリンダ332から下方に延設された駆動ロッド332aの下端部に固定された矩形状の押圧板331を備えており、エアシリンダ332が駆動することで押圧板331が上下動するようになっている。押圧板331が下降して内材の上面の重なり合った生地シートに圧接することで、折り畳まれた生地シートを内材に密着させて外れないようにしっかり固定することができる。
【0053】
以上説明した各部材の駆動動作は、駆動モータ5の回転動作を検知するエンコーダ(図示せず)からの検知信号に基づいて制御される。駆動モータ5の1回転のうち半回転の期間中に搬送コンベヤ3がパレット7の1つ分の長さだけ搬送されそれと同期して搬送ベルト9の搬送動作が行なわれる。そして、残りの半回転の期間中は搬送コンベヤ3が停止し、エンコーダからの検知信号に基づいて、穴形成部材11及びカッタ12が下降動作し、分割器16が分割動作を行ない、押え機構30の各エアシリンダが駆動動作される。エンコーダからの検知信号に基づいて押え機構30の各エアシリンダの駆動タイミングをきめ細かく設定することができるので、押え機構30の各部材の動作タイミングを調整して生地シートを折り畳んで内材に確実に密着するように動作させることが可能となる。
【0054】
図9から図21は、生地シートの4つの角部を中心部に向かって折畳む四つ折りによる成形動作に関する一連の成形過程を示す説明図である。各図面の(a)図は1枚のパレットを上面から見た図であり、理解を容易にするためパレットの対角線が上下方向となるように設定している。また、各図面の(b)図は、パレットの側面から見た図であり、トングレバー駆動機構及び押え機構の動作を示している。
【0055】
図9では、正方形状の生地シートFのほぼ中心部に平面視矩形状に分割された内材Gが配置された状態で成形マット8に載置され、パレット7がトングレバー駆動機構20Aの上方に間欠搬送される。図10では、上方に搬送されたパレット7に向かってトングレバー200Aが上昇してパレット7の対角線に沿った長孔から突出するように上昇して作動状態となり、トングレバー200Aが回動して成形マット8の1つの角部を持ち上げて中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。その際に、バランスレバー211Aがトングレバー200Aとともに上昇し、トングレバー200Aにより屈曲される成形マット8の角部と対向する角部を持ち上げてほぼ直角に折り曲げる。
【0056】
成形マット8の角部がトングレバー200Aにより屈曲されることで、生地シートFも成形マット8とともに折り畳まれて内材Gの1つの側面から上面にかけて覆うようになる。また、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Aにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Aの動作によりずれることがない。
【0057】
そして、図11では、トングレバー200Aが作動状態となっている間に、エアシリンダ305を駆動して押圧板301を下降させ、内材の上面を覆う成形マット8の角部に押圧板301を圧接させる。その際に、押圧板301には溝状の切欠き301aが形成されているので、上昇したトングレバー200Aに対して切欠き301aを通過させることでトングレバー200Aに接触することなく成形マット8の角部に押圧板301を圧接させることができる。
【0058】
また、エアシリンダ309を駆動して押圧板306をその下縁をパレット7上面の近傍に到達するまで下降させた後、エアシリンダ308を駆動して押圧板306を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Aによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。その際に、押圧板306には上下方向に溝状の切欠き306aが形成されているので、上昇したトングレバー200Aに対して切欠き306aを通過させることでトングレバー200Aに接触することなく成形マット8の屈曲部分に押圧板306を圧接させることができる。
【0059】
成形マット8の屈曲部分は湾曲状に形成されているため内材Gの側面との間に隙間が生じているが、押圧板306を屈曲部分に圧接することで、内材Gの側面に生地シートFを確実に密着させることができる。また、内材Gの上面に対しても押圧板301を圧接して生地シートFを確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0060】
内材Gの1つの側面及び上面に生地シートFを密着させた後、図12に示すように、エアシリンダ308及び309を動作させて押圧板306を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Aを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ305を動作させて押圧板301を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。図13に示すように、生地シートFは内材Gの1つの側面及び上面に密着した状態のまま、搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次のトングレバー駆動機構20Bの上方位置に位置決めされる。
【0061】
図14では、搬送されたパレット7の対角線に沿った長孔からトングレバー200Bを突出させて作動状態とし、トングレバー200Bが回動することで、トングレバー200Aにより折畳まれた角部に対向する生地シートFの角部を折畳むように成形マット8の角部を中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。その際に、バランスレバー211Bがトングレバー200Bとともに上昇し、トングレバー200Bにより屈曲される成形マット8の角部と対向する角部を持ち上げてほぼ直角に折り曲げる。
【0062】
成形マット8の角部がトングレバー200Bにより屈曲されることで、生地シートFも成形マット8とともに折り畳まれ、トングレバー200Aにより被覆された内材Gの側面と対向する側面から上面にかけて覆うようになる。内材Gの上面には、すでに生地シートFの角部により覆われているが、それに重ね合わせるように生地シートFの対向する角部で覆うようになる。その際に、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Bにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Bの動作によりずれることがない。
【0063】
そして、図15では、図11と同様に、トングレバー200Bが作動状態となっている間に、エアシリンダ305を駆動して押圧板302を下降させ、内材Gの上面を覆う成形マット8の角部に押圧板302を圧接させ、エアシリンダ309を駆動して押圧板307を下降させた後、エアシリンダ308を駆動して押圧板307を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Bによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。押圧板307を成形マット8の屈曲部分に圧接させて内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、内材Gの上面に対しても押圧板302を圧接して生地シートFを重ね合わせて確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0064】
内材Gの2つ目の側面に生地シートFを密着させ内材Gの上面に生地シートFの角部を重ね合わせて密着させた後、図16に示すように、エアシリンダ308及び309を動作させて押圧板307を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Bを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ305を動作させて押圧板302を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。図17に示すように、生地シートFは内材Gの対向する2つの側面及び上面に密着した状態のまま、搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次の折り目押え機構310の下方位置に位置決めされる。
【0065】
図18では、エアシリンダ318を駆動して、押え部材311及び312並びに押圧板315を下降させる。そして、押え部材311及び312は、生地シートFの折畳まれていない角部の折り目に対応する箇所を線状に圧接して次のマット押え機構320での折畳み動作を容易に行なえるようにする。その際、押圧板315は、内材Gの上面に圧接されて重なり合った生地シートFの角部がずれないように作用する。押え部材311及び312並びに押圧板315による圧接動作後エアシリンダを動作させてこれらの部材を上昇させる。
【0066】
次に、搬送コンベヤ3をパレット1つ分だけ搬送して次のトングレバー駆動機構20Cの上方位置に位置決めする。なお、図19以降の(a)図では、理解を容易にするためパレット7をそれ以前の(a)図に対して90度時計回りに回転した図となっている。図19では、搬送されたパレット7の対角線に沿った長孔からトングレバー200Cを突出させて作動状態とし、トングレバー200Cが回動することで、折畳まれていない生地シートFの一方の角部を折畳むように成形マット8の角部を中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。折畳まれた生地シートFの角部は、既に折畳まれた角部の上にさらに重ね合される。その際に、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Cにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Cの動作によりずれることがない。
【0067】
図19では、図11に示すマット押え機構300と同様に、マット押え機構320が作動して、トングレバー200Cが作動状態となっている間に、エアシリンダ325を駆動して押圧板321を下降させ、内材Gの上面を覆う成形マット8の角部に押圧板321を圧接させ、エアシリンダ329を駆動して押圧板326を下降させた後、エアシリンダ328を駆動して押圧板326を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Cによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。押圧板326を成形マット8の屈曲部分に圧接させて内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、内材Gの上面に対しても押圧板321を圧接して生地シートFを重ね合わせて確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0068】
内材Gの3つ目の側面に生地シートFを密着させ内材Gの上面に生地シートFの角部を重ね合わせて密着させた後、エアシリンダ328及び329を動作させて押圧板326を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Cを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ325を動作させて押圧板321を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。そして、生地シートFは内材Gの対向する3つの側面及び上面に密着した状態のまま、搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次のトングレバー駆動機構20Dの上方位置に位置決めされる。
【0069】
図20では、搬送されたパレット7の対角線に沿った長孔からトングレバー200Dを突出させて作動状態とし、トングレバー200Dが回動することで、折畳まれていない生地シートFの残りの角部を折畳むように成形マット8の角部を中心部に向かって折り曲げるように屈曲させる。折畳まれた生地シートFの角部は、既に折畳まれた角部の上にさらに重ね合される。その際に、成形マット8の対向する角部がバランスレバー211Dにより折り曲げられているので、内材Gがトングレバー200Dの動作によりずれることがない。
【0070】
図20では、図15に示すマット押え機構300と同様に、マット押え機構320が作動して、トングレバー200Dが作動状態となっている間に、エアシリンダ325を駆動して押圧板322を下降させ、内材Gの上面を覆う成形マット8の角部に押圧板322を圧接させ、エアシリンダ329を駆動して押圧板327を下降させた後、エアシリンダ328を駆動して押圧板327を成形マット8の中心に向かって水平移動させ、トングレバー200Dによる成形マット8の屈曲部分に圧接させる。押圧板327を成形マット8の屈曲部分に圧接させて内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、内材Gの上面に対しても押圧板322を圧接して生地シートFを重ね合わせて確実に密着させ、生地シートFにより内材Gの側面及び上面を隙間なく覆うことが可能となる。
【0071】
内材Gの4つ目の側面に生地シートFを密着させ内材Gの上面に生地シートFの角部を重ね合わせて密着させた後、エアシリンダ328及び329を動作させて押圧板327を成形マット8の屈曲部分から離間させて上昇させ、元の待機位置に戻す。また、トングレバー200Dを成形マット8から離間させて下降させる。そして、エアシリンダ325を動作させて押圧板322を上昇させ、成形マット8の角部から離間させることで、成形マット8は屈曲状態から解放されて元の平板状態に復元し、パレット7の上面に載置された状態となる。そして、生地シートFを内材Gのすべての側面及び上面に密着させた状態で搬送コンベヤ3がパレット1つ分だけ搬送されて次の生地押え機構330の下方位置に位置決めされる。
【0072】
図21では、エアシリンダ332を駆動して押圧板331を下降させ、生地シートFの4つの角部が重なり合った内材Gの上面に押圧板331を圧接させてしっかりと生地シートFを内材Gに密着させて成形品Hに仕上げる。
【0073】
以上説明したように、トングレバーにより持ち上げられた成形マット8の屈曲部分を押圧板により圧接することで、内材Gの側面に生地シートFを隙間なく密着させ、また内材Gの上面に対して押圧板を圧接することで重ね合わされた生地シートFの角部を密着させて、内部に空気の入る隙間ができるだけ生じないように成形品Hを成形することが可能となる。
【0074】
以上説明した例では、内材に対して生地シートの角部を折り畳んで四つ折りしているが、これ以外の生地シートの折り畳み方でも本発明を用いることができる。例えば、矩形状の生地シートの対向する辺部を中央に向かって三つ折りに折り畳む場合にも成形マットの屈曲部分を押圧して内材に生地シートを密着させれば、内部に空気の入る隙間ができるだけ生じないようにすることが可能となる。
【0075】
図22は、複数サイズの成形品を成形する変形例に関する概略正面図である。なお、図1に示す実施形態と同一部分については同一符号が付されており、その詳細な説明は省略する。この例では、長尺状の生地シートを搬送ベルト9により搬送しながら円形カッタ10により搬送方向に沿って分割し、分割された生地シートを幅方向の所定位置にガイドするガイド部材100及び101を備えている。また、所定位置に設定されて搬送される生地シートを搬送方向の所定長さ毎に切断するカッタ102がガイド部材100及び101の搬送方向下流側に設置されている。
【0076】
図23及び図24は、長尺状の生地シートを成形マット8とほぼ同じ大きさのサイズに切断するための構成を示す平面図及び側面図である。円形カッタ10は、切断するサイズの幅に合わせて生地シートを分割するために3枚の円形カッタ10a〜10cを備えている。両側の円形カッタ10a及び10cは、生地シートの耳部分を除去するように切断し、中央の円形カッタ10bが生地シートを同じ幅に2分割するように切断する。両側の円形カッタ10a及び10cの搬送方向下流側にはそれぞれガイド部材101が配設されており、ガイド部材101は、切断された耳部分を生地シートから分離させて除去する。2分割された生地シートの幅は成形マット8の幅とほぼ同じサイズとなっており、搬送ベルト9により搬送されてパレット7に移送する際に成形マット8とほぼ合致する位置になるように生地シートの幅方向の位置がガイド部材101により設定される。
【0077】
パレット7に移送された生地シートは、成形マット8に載置された状態でカッタ12により成形マット8とほぼ同じ長さ毎に切断されていき、成形マット8とほぼ同じサイズの生地シートに切断される。
【0078】
図25及び図26は、長尺状の生地シートを成形マット8より小さいサイズに切断するための構成を示す平面図及び側面図である。この例では、3枚の円形カッタ10a〜10cにより両側の耳部分が除去されて2分割された後、ガイド部材100により2分割された生地シートの幅方向の位置合わせが行われる。この場合、2分割された生地シートの幅は成形マット8の幅よりも小さくなるため、成形マット8の幅方向の中心線に生地シートの中心線が合致するように、生地シートを両側に移動させるように位置合わせする必要がある。そのため、中央の円形カッタ10bに対応してガイド部材100bが配設され、ガイド部材100bの幅方向の厚みの分だけ2分割した生地シートを両側に移動させる。また、円形カッタ10a及び10cに対応してガイド部材100a及び100cが配設されており、ガイド部材100a及び100bの配置並びにガイド部材100b及び100cの間の配置が成形マット8の中心線と合致した位置となるように設定されている。
【0079】
ガイド部材100の搬送方向下流側に配設されたカッタ102は、幅方向に位置合わせされた生地シートをサイズに合わせた長さ毎に切断していき、所定のサイズに切断された生地シートは搬送ベルト9により搬送されて搬送コンベヤ3のパレット7に移送されていく。移送する際に、切断された生地シートの中心が成形マット8の中心に合致するように位置合わせする必要があるため、搬送ベルト9を搬送コンベヤ3と同期して搬送させずに搬送コンベヤ3の搬送開始タイミングよりわずかに遅れて搬送開始するように制御する。搬送開始が遅れた分だけ成形マット8に対して生地シートが搬送方向にサイズが小さい分だけずれて配置されるようになり、成形マット8及び生地シートの中心位置及び対角線位置が合致するように設定することが可能となる。
【0080】
こうした搬送ベルト9の搬送開始タイミングの調整は、駆動モータ5の回転を検知するエンコーダからの検知信号に基づいて制御すれば、タイミング制御をきめ細かく正確に調整することができる。
【0081】
また、上述したように内材の側面及び上面を押圧板により圧接して生地シートを確実に密着させることができるので、生地シート及び内材のサイズが異なる場合でも、内部に空気の入る隙間をできるだけ少なくした成形品に仕上げることが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
F 生地シート
G 内材
H 成形品
1 成形装置
3 搬送コンベヤ
7 パレット
8 成形マット
20 トングレバー駆動機構
30 押え機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送コンベヤの搬送方向に配列されるとともに複数の長孔が形成された複数のパレットと、前記パレットの上面に載置されるとともに可撓性材料からなる成形マットと、前記成形マット上に生地シートを載置する生地載置手段と、前記成形マット上に載置された前記生地シート上に内材を配置する内材配置手段と、前記パレットの下方に配設されるとともに前記長孔にトングレバーを挿入して突出させるように上下動させるレバー駆動手段とを備え、前記トングレバーを前記長孔から突出させて前記成形マットを折り返すように屈曲させることで前記生地シートを折り曲げて前記内材を包み込むように成形する食品成形装置において、前記トングレバーにより折り返された前記成形マットの屈曲部分を押圧して前記生地シートを前記内材に密着させる押圧手段を備えていることを特徴とする食品成形装置。
【請求項2】
前記トングレバーにより折り返された前記成形マットを押圧して前記生地シートの縁部の少なくとも一部を前記内材の表面に沿うように密着させる密着手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の食品成形装置。
【請求項3】
前記成形マットに載置する前記生地シートを複数の異なるサイズに対応して切断する切断手段を備え、異なるサイズの前記生地シートを前記押圧手段及び前記密着手段により前記内材に密着させることを特徴とする請求項2に記載の食品成形装置。
【請求項1】
搬送コンベヤの搬送方向に配列されるとともに複数の長孔が形成された複数のパレットと、前記パレットの上面に載置されるとともに可撓性材料からなる成形マットと、前記成形マット上に生地シートを載置する生地載置手段と、前記成形マット上に載置された前記生地シート上に内材を配置する内材配置手段と、前記パレットの下方に配設されるとともに前記長孔にトングレバーを挿入して突出させるように上下動させるレバー駆動手段とを備え、前記トングレバーを前記長孔から突出させて前記成形マットを折り返すように屈曲させることで前記生地シートを折り曲げて前記内材を包み込むように成形する食品成形装置において、前記トングレバーにより折り返された前記成形マットの屈曲部分を押圧して前記生地シートを前記内材に密着させる押圧手段を備えていることを特徴とする食品成形装置。
【請求項2】
前記トングレバーにより折り返された前記成形マットを押圧して前記生地シートの縁部の少なくとも一部を前記内材の表面に沿うように密着させる密着手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の食品成形装置。
【請求項3】
前記成形マットに載置する前記生地シートを複数の異なるサイズに対応して切断する切断手段を備え、異なるサイズの前記生地シートを前記押圧手段及び前記密着手段により前記内材に密着させることを特徴とする請求項2に記載の食品成形装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−246480(P2010−246480A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100562(P2009−100562)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【特許番号】特許第4322959号(P4322959)
【特許公報発行日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(390013941)株式会社コバード (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【特許番号】特許第4322959号(P4322959)
【特許公報発行日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(390013941)株式会社コバード (30)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]