説明

食品脱色装置及び食品の脱色方法

【課題】
本発明は、脱色する食品に過酸化水素が残留するのを防止することができる食品脱色装置を提供することを目的としている。
【解決手段】
食品脱色装置1は、流路中に複数の抵抗体を配設した混合器Mと、この混合器M内に過酸化水素水と水とオゾンとを導く入口側通路Pと、混合器M内で混合された液体を混合器Mの外へ導く出口側通路Dと、この出口側通路Dよりの前記液体を受け入れると共に沸騰している食品を含む加熱水を貯留する貯留槽10とを備えているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品脱色装置及び食品の脱色方法に係り、特に、脱色する食品に過酸化水素が残留するのを防止することができる食品脱色装置及び食品の脱色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本件出願人は、食品を脱色する装置として食品処理装置を提案した(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平7−110221号公報(特に、図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した食品処理装置においては、過酸化水素水と水とオゾンとを混合させているが、その混合は、単に、過酸化水素水と水とオゾンとを衝突させるものであり、オゾンが水に溶解しないため、脱色する食品に過酸化水素が残留するという問題点が生じた。
本発明は、上述した問題点を除去するようにした食品脱色装置及び食品の脱色方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記した目的を達成するための本発明の食品脱色装置は、流路中に複数の抵抗体を配設した混合器と、この混合器内に過酸化水素水と水とオゾンとを導く入口側通路と、前記混合器内で混合された液体を前記混合器の外へ導く出口側通路と、この出口側通路よりの前記液体を受け入れると共に沸騰している食品を含む加熱水を貯留する貯留槽とを備えているものである。
【0005】
また、請求項2記載の食品の脱色方法は、流路中に複数の抵抗体を配設した混合器内に過酸化水素水と水とオゾンとを流入させ、該混合器内で混合させた流体を沸騰している食品を含む加熱水の中に入れて前記食品を脱色するものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の食品脱色装置によれば、流路中に複数の抵抗体を配設した混合器内で過酸化水素水と水とオゾンとが混合し、混合した流体を沸騰している食品を含む加熱水を貯留する貯留槽内に導いて、食品を脱色することができると共に該食品に過酸化水素の残留を防止することができる。
【0007】
また、請求項2記載の食品の脱色方法によれば、流路中に複数の抵抗体を配設した混合器内に過酸化水素水と水とオゾンとを流入させ、該混合器内で混合させた流体を沸騰している食品を含む加熱水の中に入れて前記食品を脱色することができると共に該食品に過酸化水素の残留を防止することができる。
【実施例】
【0008】
本発明の一実施例の食品脱色装置及び食品の脱色方法を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、1は、食品脱色装置(例えば、しらす等を脱色する装置)で、食品脱色装置1は、流路中に複数の抵抗体を配設した混合器Mと、この混合器M内に過酸化水素水と水とオゾンとを導く入口側通路Pと、混合器M内で混合された液体を混合器Mの外へ導く出口側通路Dと、この出口側通路Dよりの前記液体を受け入れると共に沸騰している食品(例えば、しらす)を含む加熱水を貯留する貯留槽10とを備えている。
【0009】
混合器Mは、図2に示すように、流路中に複数の抵抗体M1〜M16を配設したもので、
混合器Mの内壁に抵抗体M1〜M2、抵抗体M3〜M4、抵抗体M5〜M6、抵抗体M7〜M8、抵抗体M9〜M10、抵抗体M11〜M12、抵抗体M13〜M14抵抗体M15〜M16とでそれぞれハの字になるようにして、混合器M内を流れる流体に乱流を生じさせ、通過する流体が混じり合うようにしている。
【0010】
2は過酸化水素水を貯留する過酸化水素水タンクで、P1 は過酸化水素水タンク2より過酸化水素水を排出する過酸化水素水排出通路で、3はオゾンを発生するオゾナイザーで、P2はオゾナイザー3で発生したオゾンを導くオゾン通路で、4は水タンクで、P3 は水タンク4より水を排出する水排出通路で、過酸化水素水排出通路P1 、オゾン通路P2 、水排出通路P3 は、説明を後述するポンプ20を介して入口側通路Pに連通するようになっている。
20は、過酸化水素水排出通路P1 を介して過酸化水素水を、オゾン通路P2を介してオゾンを、水排出通路P3 を介して水を、混合器Mに送り込むポンプである。
なお、場合により、過酸化水素水排出通路P1 、オゾン通路P2 、水排出通路P3 に、それぞれポンプを設けても良い。
【0011】
従って、この食品脱色装置1によれば、過酸化水素水排出通路P1 により過酸化水素水を、オゾン通路P2 によりオゾンを、水排出通路P3 により水を、入口側通路Pを介して混合器M内に導けば、流路中に複数の抵抗体M1〜M16を配設した混合器M内で過酸化水素水と水とオゾンとが混合器M内の複数の抵抗体M1〜M16による乱流により混合し、混合した流体を沸騰している食品を含む加熱水を貯留する貯留槽10内に導いて、食品を脱色することができると共に該食品に過酸化水素の残留を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施例の食品脱色装置の概略的構成図である。
【図2】図2は、図1の混合器を説明するための概略的説明図である。
【符号の説明】
【0013】
1 ・・・・・食品脱色装置
10 ・・・・・貯留槽
M ・・・・・混合器
D ・・・・・出口側通路
P ・・・・・入口側通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路中に複数の抵抗体を配設した混合器と、
この混合器内に過酸化水素水と水とオゾンとを導く入口側通路と、
前記混合器内で混合された液体を前記混合器の外へ導く出口側通路と、
この出口側通路よりの前記液体を受け入れると共に沸騰している食品を含む加熱水を貯留する貯留槽とを備えている
ことを特徴とする食品脱色装置。
【請求項2】
流路中に複数の抵抗体を配設した混合器内に過酸化水素水と水とオゾンとを流入させ、該混合器内で混合させた流体を沸騰している食品を含む加熱水の中に入れて前記食品を脱色することを特徴とする食品の脱色方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−121986(P2006−121986A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315234(P2004−315234)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(591209453)株式会社河村バーナー製作所 (8)
【Fターム(参考)】