説明

食塩供給具

【課題】 まったく新たな食塩供給具を提供する。
【解決手段】 長手方向に貫通孔111が開設された棒状の岩塩柱110と、この岩塩柱110を切削可能で、前記貫通孔111に貫通可能な棒状の切削用具120と、岩塩柱110を立てて保持することができるスタンド130とを有している。岩塩柱110を把持して、岩塩柱110の外側に切削用具120を矢印方向に往復させることで擦りつけて岩塩柱110から食塩を切削する。切削用具120は岩塩柱110の貫通孔111に挿入した状態で保管される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理時や飲食時に食塩を供給する食塩供給具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自然志向、健康志向から塩化ナトリウム以外のミネラル分を多量に含んだ岩塩が見直されている。この岩塩は塊として供されるため、調理に使用する場合には、予め粉状、粒状に粉砕されたものを用いることが多い。
しかし、使用時に粉状、粒状に粉砕して使用することもある。
【0003】
使用時に粉状、粒状に粉砕して使用するために、特表2007−519453記載の『少量の物質を供給する装置』が創案されている。
【0004】
【特許文献1】特表2007−519453
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる装置は穴の中から削られた食塩等が出てくるものであって、それほど面白みに富んだものではない。
【0006】
本発明は、まったく新たな食塩供給具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る食塩供給具は、棒状の岩塩柱と、この岩塩柱を切削することができる切削用具と有している。
【0008】
また、この食塩供給具は、長手方向に貫通孔が開設された棒状の岩塩柱と、この岩塩柱を切削可能で、前記貫通孔に貫通可能な棒状の切削用具とを有している。
【0009】
さらに、岩塩柱を立てて保持することができるスタンドを有することも可能である。
【0010】
前記スタンドは、岩塩柱の端部が嵌まり込む凹部を有している。
【0011】
この食塩供給具は、岩塩柱を立てて保持することができるスタンドを具備しており、このスタンドには切削用具の一端が挿入可能な孔部が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る食塩供給具の概略的分解斜視図である。
【図2】本発明に係る食塩供給具の使用状態を示す概略的説明図である。
【図3】本発明に係る他の食塩供給具に用いられるスタンドの概略的斜視図である。
【図4】シート材でカバーされた岩塩柱の概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係る食塩供給具100は、長手方向に貫通孔111が開設された棒状の岩塩柱110と、この岩塩柱110を切削可能で、前記貫通孔111に貫通可能な棒状の切削用具120とを有してる。
【0014】
岩塩柱110は、岩塩を切り出して形成されたものであって、例えば、底面が30mm×30mmの正方形で、高さが150mmの細長い四角柱状に形成されている。この岩塩柱110の長手方向には、直径7mmの貫通孔111が開設されている。
【0015】
一方、切削用具120は、例えば、粗目の棒やすりである。この切削用具120は、直径が7mm未満であり、長さが150mm以上のものを使用する。また、この切削用具120は、岩塩によって錆びないようにステンレス製のものが好適である。なお、この切削用具120は、やすりとしての目が設けらていない握り部121がある。
【0016】
このような岩塩柱110と切削用具120からなる食塩供給具100は、次のようにして使用される。
すなわち、岩塩柱110を把持して、岩塩柱110の外側に切削用具120を矢印方向に往復させることで擦りつけて岩塩柱110から食塩を切削するのである(図2参照)。
例えば、予め粉状になった食塩を貯蔵容器から振り出すと、思いがけず多量の食塩が振り出されることがあるが、この食塩供給具100を使用すると、切削用具120を動かした量に応じて食塩が供給されるので、思いがけず多量の食塩が供給されることはない。
【0017】
また、切削用具120は岩塩柱110の貫通孔111に挿入した状態で保管される。切削用具120が岩塩柱110より長いと、保管している切削用具120の一部が岩塩柱110から必ず突出するので、切削用具120の存在が一目瞭然であり便利である。
【0018】
なお、上述した岩塩柱110のサイズに限定されることはない。例えば、もっと大きなサイズ、例えば、長さ500mm程度のものであれば、客前でステーキ等を見せながらを焼くいわゆる鉄板焼きの店舗で使用すると、食塩を振りかける行為がアトラクション的な面白さを延出することもできる。
また、岩塩柱110がたばこ程度のスティック状のものであれば、飲食店で客に使用させ、使用後はお持ち帰り可能なものとして提供することも可能であろう。この場合の切削用具120としては、耳掻き程度の大きさの粗目の棒やすりであることが望ましい。
特に小さなサイズの岩塩柱110の場合には、岩塩柱110に貫通孔111を設けなくてもよい。
【0019】
また、切削用具としては、粗目の棒やすりであるとしたが、多数の突起が形成された板状の用具、例えば、大根おろし器のような形状のものであってもよい。なお、この大根おろし器のような切削用具を用いる場合には、岩塩柱110に貫通穴111を設ける必要はない。
【0020】
次に、岩塩柱110を立てることができるスタンド130について図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、このスタンド130は、底面部131と、この底面部131から立ち上がった立ち壁部132とが一体に形成されたものである。前記立ち壁部132は、岩塩柱110の端部の形状に対応した形状になっている。岩塩柱110が上述したような細長い四角柱である場合には、平面視正方形状の立ち壁部132となる。この立ち壁部132の内側が岩塩柱110の端部が嵌まり込む凹部として機能するのである。
なお、スタンド130で立てて保持された岩塩柱110の貫通孔111には切削用具120が挿入保持される。
【0021】
このようなスタンド130を用いた場合、不使用時には岩塩柱110を立てて保持することができるので、衛生面からも優れているし、見た目にもよい。
【0022】
上述したスタンド130のみならず、図3に示すようなスタンド140もある。
このスタンド140は、前記立ち壁部132に相当するものが存在せず、底面部141の中央に、切削用具120の一端が挿入可能な孔部143が開設されている。
すなわち、岩塩柱110の貫通孔111に挿入した切削用具120の先端を前記孔部143に挿入することで、岩塩柱110をスタンド140に立てて保持するのである。
なお、このスタンド140であると、岩塩柱110を確実に立てて保持するために、上述したスタンド130より底面部141を厚めに形成する必要がある。
【0023】
かかるスタンド140であると、岩塩柱110が削られて端部が小さくなったとしてもスタンド140に確実に立てて保持することが可能になる。
【0024】
なお、上述の説明では、岩塩柱110は四角柱状であるとしたが、細長いものであれば円柱状でも他の形状、例えば、六角柱状であってもよいことはいうまでもない。
【0025】
さらに、スタンドではなく、箸箱状の箱体に岩塩柱110と切削用具120とを収納するようにしてもよい。
【0026】
また、岩塩柱110の周囲を、図4に示すようなシート材150で一端を露出させてカバーすることも可能である。
このシート材150は、例えば、透湿性のないセロファンシートからなり、段階的に剥離可能なように、一定間隔で切断用カットテープ151が設けられている。
このようなシート材150で岩塩柱110をカバーすることで、岩塩柱110を濡れた手で持っても岩塩柱110が湿気ることを防止することができるし、衛生的である。
岩塩柱110が切削されて短くなった場合には、切断用カットテープ151でシート材150を切断し、岩塩柱110の新たな部分を露出させるのである。
また、シート材150には、一定方向(この場合は岩塩柱110の幅方向)にのみ切断可能な異方向性カートシートを用いてもよい。
【符号の説明】
【0027】
100 食塩供給具
110 岩塩柱
111 貫通孔
120 切削用具
130 スタンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削用具で切削可能な棒状の岩塩柱。
【請求項2】
棒状の岩塩柱と、この岩塩柱を切削することができる切削用具とを具備したことを特徴とする岩塩供給具。
【請求項3】
長手方向に貫通孔が開設された棒状の岩塩柱と、この岩塩柱を切削可能で、前記貫通孔に貫通可能な棒状の切削用具とを具備したことを特徴とする食塩供給具。
【請求項4】
前記岩塩柱を立てて保持することができるスタンドを具備したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の食塩供給具。
【請求項5】
前記スタンドは、岩塩柱の端部が嵌まり込む凹部を有していることを特徴とする請求項4記載の食塩供給具。
【請求項6】
前記岩塩柱を立てて保持することができるスタンドを具備しており、このスタンドには切削用具の一端が挿入可能な孔部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の食塩供給具。
【請求項7】
前記岩塩柱と切削用具とをともに収納することができる箱体を具備したことを特徴とする請求項2又は3記載の食塩供給具。
【請求項8】
前記岩塩柱は、周囲を段階的に剥離可能なシート材でカバーされていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の食塩供給具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−239717(P2011−239717A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114073(P2010−114073)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(510137238)株式会社エコ・サービス・ジャパン (2)
【Fターム(参考)】