説明

食用油濾過装置

【課題】使用により劣化した食用油中の劣化生成物等の不純物を可及的に少なくし、且つ、優れた脱色,脱酸効果を奏する食用油濾過装置を提供する。
【解決手段】使用済みのフライ油、天ぷら油等の食用油を濾過して再利用するための食用油濾過装置10であって、上面側に開口部を有する筒状の濾過容器本体12と、濾過容器本体12の上側に配置され、食用油の料理滓、揚げ滓、油滓等のサイズの大きな不純物を濾過する第1の濾過部30と、第1の濾過部30で濾過された食用油に、脱酸,脱色処理を施す第2の濾過部40と、第2の濾過部40で濾過された食用油中の酸化物,酸化防止剤、合成化合物、タンパク質、炭水化物、脂肪等のミクロン単位のサイズの小さな不純物を濾過する第3の濾過部80とを含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、食用油濾過装置に関し、特に、家庭、外食産業および食品製造業などで使用した後の劣化したフライ油、天ぷら油等の使用済み食用油を濾過して、当該食用油を再生、再利用するのに用いられる食用油濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明の背景となる従来技術には、例えば、油受け容器の開口部に載置される上面が開放された濾過容器の底部に、該底部に形成された中心孔に内周を一致させてドーナッツ形の濾過体を載置し、かつ、該濾過体の上面に覆板を載置して濾過体を加圧した状態において注入された使用済みの天ぷら油等の食用油を濾過するようにした油濾過器があった(例えば、特許文献1参照)。
この油濾過器では、ドーナッツ形の濾紙を多数枚積層した濾過体あるいはパルプ繊維からなるドーナッツ形に成形した濾過体を、上面が開放された濾過容器の底部に形成された中心孔に、前記濾過体の孔を一致させて載置し、該濾過体の上面に覆板を載せて濾過体を上から加圧した構造を有するものであり、濾過容器内に使用済みの油が注入されると、該油は濾過体の外周面より中心の孔を通過することにより濾過され、濾過体の孔を通過した油は濾過容器の中心孔を経て滴下されるものである。
その濾過機構は、概略的に言うと、積層された濾過体の層間隙と平行に食用油を流過させ、当該油中の不純物のブラウン運動及び分子間引力等によって不純物を濾過体の繊維に付着させて除去する濾過機構であって、当該油を濾過体の表面と直交して流過させるようにして不純物を濾過体の繊維に付着させて除去するようにしたそれ以前の従来の濾過機構よりも、濾過体の目詰まりし難いものとなっている。
濾過機構の主要部が同様の構造を有するものとしては、上記特許文献1以外にも、従来から、種々の形態のものが提案されている(例えば、特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5および特許文献6参照)。
【0003】
【特許文献1】実開平6−75341号公報
【特許文献2】実開昭57−169420号公報
【特許文献3】実開昭57−181239号公報
【特許文献4】実開昭58−166812号公報
【特許文献5】実開平5−1436号公報
【特許文献6】特開2002−58921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、家庭、外食産業および食品製造業などで使用されるフライ油、天ぷら油等の食用油は高温に曝されると共に繰り返し使用されるものであるため、当該食用油は加水分解、酸化等を受けて劣化を生じ、その結果、遊離脂肪酸の生成による酸価度(酸化値)の上昇、鉄分の増加による黄褐色,茶褐色等の着色化、色度の上昇を招くものとなっている。このことをさらに詳述すると、使用済食用油脂には、油脂の加水分解により生成する遊離脂肪酸、熱劣化反応により生成する過酸化物、臭気物質、重合物、着色物質、揚げ鍋等の調理鍋の内壁から溶出する微量金属、あるいは、料理に用いた食材から移行してくる種々の非油脂物質等の不純物としての劣化生成物が含まれている。そのため、使用済みの当該食用油の使用頻度の増加に伴って、当該劣化生成物が蓄積され、一定の使用回数を超えると、当該使用済み食用油は、健康を損なう有害物質になる恐れがある。
しかしながら、上記した例えば特許文献1〜特許文献6で示した従来技術では、単一的な濾過機構だけを有するに過ぎないので、水分、脂肪,蛋白質,澱粉等のミクロの不純物を少なくすることはできても、当該使用済みの食用油脂の加水分解により生成する遊離脂肪酸、熱劣化反応により生成する過酸化物、臭気物質、重合物、着色物質等は充分に除去することができず、当該食用油を再生、再利用するには到底満足することのできない不充分なものであった。
また、活性炭の脱酸性および脱色性を利用して、当該活性炭を濾過材(フィルター)として用いた油濾過装置も提案されているものの、活性炭では強力な脱酸性が得られないので、使用後の食用油を活性炭で濾過したとしても、当該食用油の多数回の使用には耐え得るものではなく、酸化値は使用回数の増加と共に上昇するものとなっていた。また、活性炭の脱色性について検討してみると、使用済食用油脂中の着色物質は、油脂の熱酸化、熱重合、炭化脱水素生成物であり、分子量が大きい上記した劣化生成物を選択的に吸着するには、より比表面積、細孔容積が大きく、着色物質の分子サイズに適切な細孔径を持った吸着剤が必要となるので、従来、脱色材として用いられている活性炭では、吸着性能が不十分なものであった。
すなわち、上記した特許文献1〜特許文献6に係る濾過機構、活性炭を濾過材(フィルター)とした油濾過装置のいずれの従来技術においても、所謂、不純物となる劣化生成物を充分に除去することが困難となり、使用済みの食用油を長期間再利用することができないものとなっていた。
【0005】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、使用により劣化した食用油中の劣化生成物等の不純物を可及的に少なくし、且つ、優れた脱色,脱酸効果を奏する食用油濾過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかる本願発明は、使用済みのフライ油、天ぷら油等の食用油を濾過して再利用するための食用油濾過装置であって、上面側に開口部を有する筒状の濾過容器本体と、濾過容器本体の上側に配置され、食用油中のサイズの大きな不純物を濾過する第1の濾過部と、第1の濾過部で濾過された食用油に、脱酸,脱色処理を施す第2の濾過部と、第2の濾過部で濾過された食用油中のサイズの小さな不純物を濾過する第3の濾過部とを含むことを特徴とする、食用油濾過装置である。
請求項1にかかる本願発明では、第1の濾過部によって、食用油のサイズの大きな不純物が濾過される。また、第2の濾過部によって、第1の濾過部で濾過された食用油に対して脱酸、脱色処理が施される。さらに、第3の濾過部によって、第2の濾過部で濾過された食用油中のミクロン単位のサイズの小さな不純物が濾過される。そのため、使用済みのフライ油、天ぷら油等の食用油中に含まれる料理滓,揚げ滓,油滓等の残渣,酸化物,酸化防止剤,合成化合物,タンパク質,炭水化物,脂肪等の不純物としての劣化生成物を可能な限り除去し、しかも、当該食用油の酸化値を下げることができ、且つ、当該食用油の脱色も行われるため、食用油の再使用可能回数を増やすことができる。
請求項2にかかる本願発明は、請求項1にかかる発明に従属する発明であって、第2の濾過部は、第1の濾過部で濾過された食用油に脱酸,脱色処理を施す処理剤を収納した処理剤収納体と、処理剤収納体を濾過容器本体の上下方向の中間部に水平状態に支持する支持部材と、処理剤収納体の上側に載置され、処理剤収納体をその自重で押圧する押圧部材とを含み、支持部材は、金網を含み、押圧部材は、複数の貫通穴を有する基板を含むことを特徴とする、食用油濾過装置である。
請求項2にかかる本願発明では、処理剤収納体が押圧部材の自重で上方から押圧されるため、処理剤収納体内の処理剤が全体的に均一に拡散され、また、所定の密度に圧縮されて収納される。そのため、第1の濾過部で濾過された食用油と処理剤とが、馴染んだ状態となり、第2の濾過部における濾過作用が円滑且つスムーズに行われる。また、貫通穴の数や大きさおよびその形状を適宜変更することによって、濾過する食用油の流量を調整して濾過速度を調整することが可能となる。
請求項3にかかる本願発明は、請求項1または請求項2にかかる発明に従属する発明であって、第3の濾過部は、第2の濾過部で濾過された食用油の濾過流路となる中心孔を有し、複数の濾過紙を上下方向に積層した濾過体と、濾過体を下に押圧する被覆プレートと、被覆プレートを貫通するように設けられて、被覆プレートの上面から突出する把手部および被覆プレートの下方に延びて、濾過体で濾過した食用油を下方に案内する案内部を有する挿通バーとを含むことを特徴とする、食用油濾過装置である。
請求項3にかかる本願発明では、食用油が水頭圧で濾過体の外周側面から積層された多数の濾過紙の積層間隙を通って中心の濾過流路から下部の濾液容器本体内に滴下される。この場合、把手部は、被覆プレートを容易に摘まむことができるため、当該被覆プレートの取外しが簡便となる。案内部は、濾過体で濾過した食用油を下方に案内する。
請求項4にかかる本願発明は、請求項2または請求項3にかかる発明に従属する発明であって、処理剤収納体は、シート状の不織布からなる第1の基材を縫着部により形成された袋状物を含み、袋状物は、当該袋状物が押圧部材の基板上に載置されたときに、濾過容器本体の内周面と基板の周縁端面との間に配置される折り返し部を有することを特徴とする、食用油濾過装置である。
請求項4にかかる本願発明では、押圧部材の基板を折り返し部と共に濾過容器本体内に挿入して下方へ押込むときに、折り返し部が濾過容器本体の内周端部側に押圧され、当該折り返し部は、押圧部材の周縁端面と濾過容器本体の内周面との間に密接させた状態で保持される。すなわち、袋状物の折り返し部は、濾過容器本体内に食用油を注ぎ込んだときに、当該食用油が濾過容器本体の内周面と押圧部材の周縁端面との間から下方に流れ落ちないようにするためのシール機能を有している。
請求項5にかかる本願発明は、請求項4にかかる発明に従属する発明であって、袋状物は、第1の基材に被覆されるシート状の生地からなる第2の基材をさらに含み、第1の基材が第2の基材により保護されることを特徴とする、食用油濾過装置である。
請求項5にかかる本願発明では、第1の基材が第2の基材により被覆保護されるため、外力等による第1の基材の亀裂や破損を防止することができ、見栄えも良くなる。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、使用により劣化した食用油中の劣化生成物等の不純物を可及的に少なくし、且つ、優れた脱色,脱酸効果を奏する食用油濾過装置が得られる。
【0008】
本願発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本願発明にかかる実施形態の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す実施形態例の縦断面図である。また、図3は、図1および図2に示す実施形態例の分解斜視図である。本実施形態例にかかる食用油濾過装置10は、使用した後の天ぷら油およびフライ油等の使用済み食用油を濾過して再生し再利用可能にする濾過容器12および当該濾過容器12で再生され再利用可能となった食用油を貯蔵する貯蔵容器14を含む。
【0010】
濾過容器12は、特に、図3に示すように、たとえば有底円筒状の濾過容器本体16を含む。濾過容器本体16は、ステンレス等の金属で形成されている。濾過容器本体16の上下方向(高さ方向)の下側外周面には、その円周方向に所定の間隔を隔てて、たとえば複数の係止脚部18が配設されている。複数の係止脚部18は、ステンレス等の金属で形成されるたとえば1対のL字状板18a,18bを含み、1対のL字状板18a,18b同士が略直角に連接されている。1対のL字状板18a,18bは、たとえばステンレス製の平面視T字状の小片プレートをその長手方向に延びる中心線で略直角に折り曲げることによって形成される。
【0011】
また、1対のL字状板18a,18bの短片の先端部には、当該係止脚部18を濾過容器本体16の下側外周面の所定の部位に取付けるための取付け片18c,18dがそれぞれ配設されている。複数の係止脚部18は、溶接等の固着手段で濾過容器本体16の下側外周面の所定の部位に固着される。複数の係止脚部18は、たとえば3ないし4つ程度配設されることが好ましい。
【0012】
また、濾過容器本体16の底面20は、所定の間隔を隔ててたとえば4つの平面視円形の貫通孔20a,20b,20c,20dを備えている。さらに、濾過容器本体16の上下方向(高さ方向)の上側外周面には、その直径方向に対向する位置に1対のたとえば円弧状の把手部22a,22b(22bは、図3では図示せず、図2参照。)が配設されている。
【0013】
一方、貯蔵容器14は、同じく図3に示すように、たとえば有底円筒状の貯蔵容器本体24を含み、貯蔵容器本体24の上下方向(高さ方向)の上側外周面には、その直径方向に対向する位置に1対のたとえば円弧状の把手部26a,26b(26bは、図3では図示せず、図2参照。)が配設されている。貯蔵容器本体24は、ステンレス等の金属で形成され、当該貯蔵容器本体24の直径長さは、濾過容器本体16の直径長さよりも大きく形成されている。
【0014】
貯蔵容器本体24の上部周縁端部には、当該貯蔵容器本体24の開口部14Aを略閉塞するように、濾過容器本体16が着脱自在に載置される。濾過容器本体16は、複数の係止脚部18が貯蔵容器本体24の上部周縁端部に係止されることによって、着脱自在に貯蔵容器本体24に着脱自在に載置される。この場合、複数の係止脚部18は、それぞれ、その1対のL字状板18a,18bの長片および短片間に位置する略直角の屈曲部28に貯蔵容器本体24の上部周縁端部が係止されるものとなっている。
【0015】
次に、濾過容器12に配置される3つの濾過部(第1の濾過部30、第2の濾過部40、第3の濾過部80)について、特に、たとえば図2および図3を参照しながら、以下、説明する。
すなわち、濾過容器12は、濾過容器本体16の上下方向の上端側に配置される第1の濾過部30を含む。第1の濾過部30は、第1濾過材としてのたとえば金網32と、当該金網32を平面視円形状に規定支持する規定支持枠34と、金網32を濾過容器本体16の上下方向の上端に係止して保持するためのたとえば4つの係止保持部36とを有する。金網32は、なだらかなアーチを有するすり鉢状の態様を有するものである。4つの係止保持部36は、規定支持枠34の円周方向に所定の間隔を隔てて配設される。
【0016】
この場合、金網32の下側には、規定支持枠34と協働して当該金網32を支持する、平面視十字状の支持片38が配設されている。一方、係止保持部36は、断面逆U字状のフック片36aおよび当該フック片36aを支持片38に取付けるための取付け片36bを含む。フック片36aは、濾過容器本体16の上下方向の上端周縁部に係止され、取付け片36bは、支持片38に溶接等の固着手段により固着される。
金網32(第1濾過材)は、使用した後の天ぷら油およびフライ油等の食用油中の料理滓,揚げ滓,油滓等の比較的サイズの大きな不純物をふるいに掛けて濾過する機能を有するものである。
【0017】
また、濾過容器12は、たとえば図2に示すように、濾過容器本体16の上下方向の中間部に配置される第2の濾過部40を含む。第2の濾過部40は、第2濾過材として、使用済みの劣化した食用油を再生、再利用するための処理剤42を収納した処理剤収納体44と、処理剤収納体44を濾過容器本体16の上下方向の中間部に配置して支持する支持部材46と、処理剤収納体44の上側に配置され、その自重で処理剤収納体44を押圧する押圧部材48とで構成され、処理剤収納体44は、濾過容器本体16の上下方向に略直交する方向、つまり、水平方向に配置された支持部材46および押圧部材48間に挟持された状態となっている。
【0018】
使用済みの劣化した食用油を再生、再利用するための処理剤42は、食品添加物二酸化ケイ素および食品添加物酸化マグネシウムを含み、それらをたとえば乾式混合したもので形成されている。食品添加物二酸化ケイ素および食品添加物酸化マグネシウムの配合割合としては、たとえば劣化した食用油の脱色を重視したい場合、劣化した食用油の脱色に寄与する食品添加物二酸化ケイ素の配合割合を多くすることが好ましい。
【0019】
一方、劣化した食用油の酸化値の低減を重視した場合には、劣化した食用油の酸化値低減に寄与する食品添加物酸化マグネシウムの配合割合を多くすることが好ましい。
また、当該処理剤の水分量または添加量を調整することによって、当該処理剤と劣化した食用油との接触時における脂肪酸マグネシウムの生成に起因する白濁を抑制または防止することができる。
【0020】
処理剤収納体44は、たとえば図4の(B)および図5に示すように、袋状物50を含む。袋状物50は、図5に示すように、第1の基材52および第2の基材54を含み、第1の基材52の上面に第2の基材54が重ねられた積層体56で、図4の(B)に示す平面視円形状の袋状物50に形成されている。袋状物50は、その内面側に第1の基材52が配置され、その外面側に第2の基材54が配置された態様に形成されている。この場合、第2の基材54は、第1の基材52に被覆されるため、第1の基材52を保護する保護層としての機能を有するものとなっている。そのため、外力等による第1の基材52の亀裂や破損を防止することができ、見栄えも良くなる。
【0021】
本実施形態例では、第1の基材52が、たとえばビスコースレーヨンおよび変性アクリル酸エステル共重合体ラテックスの混合物を含む化学繊維からなるシート状の不織布(第1の基材52の母材)で形成されている。また、第2の基材54は、たとえば蛍光晒からなるシート状の生地(第2の基材54の母材)で形成されている。当該生地は、たとえば、縦,横共に40番手単糸を用いたもので、密度(打込)は、縦が1インチ当り58本で、横が1インチ当り48本のものが用いられている。
【0022】
そして、第1の基材52の母材である不織布(以下、「第1母材」という。)および第2の基材54の母材である生地(以下、「第2母材」という。)は、同形同大の平面視円形状に切断されたものがそれぞれ1枚作製される。それから、第1母材の上に第2母材が重ね合わされ、たとえば図4の(B)に示すように、ミシン縫い,手縫い等で平面視円形状に縫着された縫着部58が形成されることで、袋状物50に形成される。縫着部58は、たとえば地縫いおよび必要に応じて二度縫いされて形成される。なお、本実施形態例では、縫着部58は、たとえば二度縫いされて形成されている。
また、縫着部58は、図4の(B)に示すように、その円周方向に所定の長さ分だけ、縫着されていない非縫着部60を有するもので、当該非縫着部60から、使用済みの劣化した食用油を再生、再利用するための処理剤42が収納されるものとなる。
【0023】
縫着部58は、たとえば図6に示すように、上糸58aと下糸58bとが絡み合って形成される、所謂、本縫いによる縫い目の構成を有するものとなっており、第1母材および第2母材が積層されたシート状の積層体56の縫着部58を詳細に観察してみれば、縫い目の貫通糸孔59に上糸58aと下糸58bとが絡み合った状態で挿通された態様となっている。当該貫通糸孔59は、たとえば150℃〜160℃ないし180℃の温度を有する使用済みの劣化した食用油が第2の濾過部40を通過する際に、袋状物50内部、および、第1の基材52と第2の基材54との層間の空気が当該食用油の熱により熱膨張したときの空気抜け孔としての機能を有するものとなる。
【0024】
また、濾過容器12は、たとえば図2に示すように、上記した処理剤収納体44を濾過容器本体16の上下方向の中間部に略水平に支持する支持部材46を含む。支持部材46は、たとえば図3に示すように、その上に上述した袋状物50を載置する載置部62を含む。載置部62は、たとえば平面視円形状の金網で形成されている。載置部62の円周方向には、所定の間隔を隔ててたとえば4つの脚部64が配設されている。4つの脚部64は、当該載置部62を濾過容器本体16の上下方向の中間部の所定高さ位置に配置するためのスペーサとしての機能を有するものである。
【0025】
4つの脚部64は、それぞれ、たとえば断面円形金属棒材が断面L字状に折り曲げ成形されて形成されたものであり、垂直方向に延びる長片部64aと、水平方向に延びる短片部64bとを有する。短片部64bは、載置部62の周縁端近傍に、溶接等の固着手段により固着され、長片部64aはその下端が濾過容器本体16の底面20に周縁部に当接されるものとなる。
【0026】
さらに、濾過容器12は、たとえば図2に示すように、処理剤収納体44の上側に配置され、その自重で処理剤収納体44を押圧する押圧部材48をさらに含む。押圧部材48は、たとえば図3および図4の(A)に示すように、たとえば平面視円形状の基板66を含む。基板66は、ステンレス等の金属で形成されている。基板66の直径は、濾過容器本体16の内径よりも僅かに小さく形成されている。基板66は、その全面にわたり、たとえば多数の円形の貫通穴68を有する。多数の貫通穴68は、基板66の中心点を中心にして同心円状に配列されている。また、基板66は、その周端縁近傍で且つその円周方向に所定の間隔を隔てて、たとえば4つの小穴70を備えている。さらに、基板66には、たとえば断面「コ」字状の把手部72が設けられている。把手部72は、その長手方向の両端部が、溶接等の固着手段により、基板66の主面に固着されている。
【0027】
この押圧部材48は、袋状物50の内部空気および第1の基材52と第2の基材54との層間の空気が、食用油の熱により熱膨張して、当該袋状物50が浮き上がることを防止するための重しの機能を有するものとなっている。また、押圧部材48は、多数の貫通穴68を備えているため、貫通穴の数や大きさ(穴径)およびその形状を適宜変更することによって、濾過容器12で濾過する食用油の流量を調整して濾過速度を調整する機能も有している。この場合、図3および図4の(A)に示す押圧部材48に替えて、図8に示すように、基板66に、たとえば平面視扇形状の4つの大きな貫通穴76を設けることで、図8に示す押圧部材74では、図3,図4(A)に示す押圧部材48と比べて、濾過速度を速くすることができる。
【0028】
押圧部材48のような態様を有する方が、押圧部材74の態様を有するものに比べて、袋状物50との接触面積が大きくなるため、当該押圧部材48の自重による加圧(接圧)面積も大きくなって、袋状物50の浮き上がりをより効果的に防止することができる。
しかも、押圧部材48では、多数の貫通穴68が基板66の中心点を中心にして同心円状に配列されているため、第1の濾過部30で濾過された食用油を、押圧部材48の下面側に配置された袋状物50に均等に拡散させる機能も併せ持っている。
【0029】
また、濾過容器12は、たとえば図2に示すように、濾過容器本体16の上下方向の下側に配置される第3の濾過部80を含む。第3の濾過部80は、第3濾過材として、濾過液の流路となる中心孔(以下、「濾過流路」という。)82aを有する円板状の薄い濾過紙を多数枚積層したフィルターあるいはパルプ繊維からなるリング状のフィルター等で形成される濾過体82を含む。濾過体82の上端面には、被覆プレート84が被せられ、濾過体82が被覆プレート84の自重で加圧されている。被覆プレート84は、濾過体82を下に押圧して濾過体82全体の厚みを減少させて、積層された多数の濾過紙間の間隔を小さくする適当な重量を有する。
【0030】
また、被覆プレート84は、濾過体82の直径よりも所定の径だけ大きい直径を有し、当該被覆プレート82の外周縁端が濾過体82の外周側端よりも外側に突出している。さらに、被覆プレート84は、濾過体82の中心の濾液通路82aに挿通される挿通バー86が配設されている。挿通バー86は、被覆プレート84の上面から突出し、当該被覆プレート84を容易に摘まむようにするための把手部86aと、濾過容器本体16の下部に延びて、当該濾過体82で濾過した食用油を下方に案内する案内部86bとを有する。
【0031】
濾過容器本体16の底面20に設けられた貫通孔20a,20b,20c,20dには、それぞれ、濾過体82の中心孔82aと整合されるように一致され、被覆プレート84の挿通バー86が当該中心孔82aに挿通される。
第3の濾過部80では、使用した後の劣化した食用油が水頭圧で濾過体82の外周側面から積層された多数の濾過紙の積層間隙を通って中心の濾過流路82aから下部の濾液容器本体16内に滴下する。
【0032】
なお、濾過容器12は、たとえば図2および図3に示す如く、濾過容器本体16の上端側に配置された第1の濾過部30の金網32の上側を閉塞するようにして、蓋部材90が被せられる。蓋部材90は、その上面中央部に把手部92を有するものである。本実施形態例では、濾過容器12を使用しないとき、また、濾過容器12に使用した後の劣化した食用油を第1の濾過部30に注ぎ込んだ後、当該濾過容器12で濾過している間は、空気中の塵,埃,ゴミ等が濾過容器12および貯蔵容器14内に不用意に入らないようにするために、蓋部材90が濾過容器本体16の開口部16Aに被せられて閉塞されることが好ましい。
【0033】
次に、本実施形態例にかかる食用油濾過装置10における濾過容器12、貯蔵容器14および第1の濾過部30,第2の濾過部40,第3の濾過部80の取付け方法の一例について説明する。
先ず、貯蔵容器14の上に濾過容器12が取り付けられる。この場合、図1に示すように、濾過容器12の複数の係止脚部18が、貯蔵容器本体24の上部周縁端部に係止されることによって、濾過容器12は、当該貯蔵容器本体24の開口部14Aを略閉塞するように被せられて、着脱自在に取り付けられる。
【0034】
次に、濾過容器12の濾過容器本体16の底面20の4つの貫通孔20a,20b,20cおよび20dには、図2および図3に示すように、それぞれ、第3の濾過部80が取り付けられる。この場合、4つの貫通孔20a,20b,20cおよび20dと、濾過体82の中心孔82aとが、整合されるように一致され、被覆プレート84の挿通バー86が当該中心孔82aに挿通される。
【0035】
さらに、濾過容器本体16の上下方向の中間部に第2の濾過部40が取り付けられる。この場合、先ず、濾過容器本体16の底面20側には、支持部材46が挿入され設置される。支持部材46の4つの脚部64は、その長片部64aの下端が濾過容器本体16の底面20に当接されるように、支持部材46が設置される。このとき、載置部62が濾過容器本体16の上下方向の中間部に水平状態に配置される。
【0036】
それから、載置部62の上には、処理剤が収納された袋状物50が載置される。袋状物50は、当該袋状物50を濾過容器本体16内に設置する前工程として、たとえば図4に示すように、予め、袋状物50の上面に押圧部材48を載せた状態で当該袋状物50の周縁端側を上に折り返してなる折り返し部51を押圧部材48に一時的に固定するものとする。この場合、袋状物50の上に押圧部材48を載せたときに、袋状物50内の処理剤が一部分に偏らないように、処理剤ができるだけ均一に袋状物50内に拡散されるように適宜調整される。
【0037】
本実施形態例では、袋状物50に収納される処理剤の量は、濾過対象物である使用済みの食用油の量がたとえば26リットルに対して、500g〜550g程度である。袋状物50に収納される処理剤の量が多すぎると、袋状物50が押圧部材48で押圧された際に当該袋状物50に亀裂が入ったり破損したりする恐れがある。
【0038】
袋状物50の折り返し部51を押圧部材48に一時的に固定する場合、特に、図4の(C)に示すように、袋状物50の折り返し部51を固定手段としてのたとえば複数の押しピンPによって、押圧部材48の周縁端近傍に配置された小穴70部分に仮止めするものとする。折り返し部51が小穴70の上に被さるように配置され、その上から押しピンPを小穴70に突き刺すことによって、袋状物50の周縁端側が押圧部材48に仮止めされる。複数の押しピンPは、それぞれ、その一端部が紐等の連結線材96の一端に固着され、各連結線材96の他端は、固定部98でたとえば1つに結び付けられることにより、4つの押しピンPが離散しないようにしている。
【0039】
そして、押圧部材48に仮止めされた袋状物50を支持部材46の載置部62の上に載置した後、押しピンPが取り外されて、当該袋状物50は濾過容器本体16内の上下方向の中間部の所定位置に水平状態に支持される。このとき、袋状物50の折り返し部51は、図2に示すように、押圧部材48の周縁端面と濾過容器本体16の内周面との間に配置される。つまり、折り返し部51で折り返された袋状物50の周縁部は、押圧部材48に仮止めされた状態の袋状物50を押圧部材48と共に、濾過容器本体16内に挿入して下方へ押込むときに、濾過容器本体16の内周端部側に押圧され、当該折り返し部51を押圧部材48の周縁端面と濾過容器本体16の内周面との間に密接させた状態で、保持することが可能となっている。そのため、当該折り返し部51は、濾過容器本体16内に食用油を注ぎ込んだときに、当該食用油が濾過容器本体16の内周面と押圧部材48の周縁端面との間から下方に流れ落ちないようにするためのシール機能を有することとなる。
【0040】
なお、濾過容器本体16の内周面と押圧部材48の周縁端面との間の密封性を確保するためには、ゴムパッキン製のシール部材(図示せず)の使用も考えられるが、この場合、ゴムの摩擦係数が高いため、当該ゴムパッキン製のシール部材(図示せず)を濾過容器本体16内に挿入して下方に押込む際に、ステンレス等の金属製の濾過容器本体16の内周面にスムーズにセットすることが困難となって、延いては、押圧部材48を濾過容器本体16内に水平状態に支持することができない恐れが多分にある。その場合、袋状物50も所定の位置に正確に保持することができず、第2の濾過部40における濾過作用にも支障を来たす不具合を生じてしまう。
【0041】
上述したように、袋状物50および押圧部材48をセットした後、濾過容器本体16の上端側には、第1の濾過部30の金網32が取り付けられる。この場合、金網32は、4つの係止脚部36のフック片36aにより、着脱自在に濾過容器本体16の上端周縁部に係止される。そして、最後に、蓋部材90が濾過容器本体16の上端側に被せられるものとなる。
【0042】
次に、本実施形態例にかかる食用油濾過装置10を用いて、使用済みの天ぷら油およびフライ油等の食用油の濾過工程について、特に、図2、図3および図7等を参照しながら説明する。なお、当該食用油は、通常、たとえば150℃〜160℃の温度範囲のものが多いものとなっている。
先ず、濾過容器12の金網32の上から、使用した後の劣化した天ぷら油およびフライ油等の食用油が注ぎ込まれる。食用油は、当該食用油中に混入している料理滓,揚げ滓等の大きなサイズの不純物が、第1の濾過部30の金網32により濾過され、取り除かれた後、当該食用油は、下方の第2の濾過部40へと流れ落ちる。
【0043】
そして、第2の濾過部40へと落下した食用油100Aは、押圧部材48の上面で拡散された後、当該押圧部材48の貫通穴68に導かれて、袋状物50の上面へと案内される。この場合、第1の濾過部30で濾過された食用油100Aは、袋状物50内の処理剤42によって濾過され、処理剤42に含まれる食品添加物二酸化ケイ素の脱色作用および食品添加物酸化マグネシウムの脱酸作用によって、当該食用油100Aが脱色且つ脱酸処理される。
【0044】
すなわち、食品添加物二酸化ケイ素の脱色作用により、鉄分の増加による黄褐色,茶褐色等の着色化および色度の上昇を防止することができ、また、食品添加物酸化マグネシウムの脱酸作用により、遊離脂肪酸の生成による酸価度(酸化値)の上昇を防止することができる。そのため、使用済食用油脂の加水分解により生成する遊離脂肪酸、熱劣化反応により生成する過酸化物、臭気物質、重合物、着色物質、揚げ鍋等の調理鍋の内壁から溶出する微量金属、あるいは、料理に用いた食材から移行してくる種々の非油脂物質等の不純物としての劣化生成物を効果的に除去することができる。
【0045】
この場合、第2の濾過部40では、袋状物50が、押圧部材48の自重で上方から押圧されるため、袋状物50内の処理剤は、所定の密度に圧縮され保持される。それによって、処理剤と濾過対象物である食用油100Aとが、馴染んだ状態となり、第2の濾過部40における濾過作用が円滑且つスムーズに行われることとなる。
【0046】
また、第2の濾過部40では、たとえば150℃〜160℃の食用油Aが袋状物50を通過した際に、袋状物50内部、および、当該袋状物50を構成する第1の基材52と第2の基材54との層間に含まれる空気が当該食用油Aの熱により熱膨張して、当該袋状物50を浮き上がらせる恐れがあるが、本実施形態例では、袋状物50が縫着部58を有する構成を採用しているため、たとえば図7に示すように、当該縫着部58の貫通糸孔59と上糸58a,下糸58bとの間、袋状物50を形成する第1の基材52と第2の基材54との間、および、対向する第2の基材54間から、空気が抜けるため、袋状物50が浮き上がって押圧部材48の姿勢を崩すことがない。したがって、本実施形態例では、押圧部材48および袋状物50を安定して濾過容器本体16内の所定の位置で水平状態に維持することができ、第2の濾過部40における濾過作用に支障を来たすことが無い。
【0047】
第2の濾過部40で濾過され、脱色脱酸処理された食用油100Bは、さらに、第3の濾過部80で濾過される。すなわち、第3の濾過部80では、タンパク質、炭水化物、脂肪等のミクロン単位のサイズの小さな不純物が濾過体82に付着されて除去される。この場合、食用油100Bは、濾過体82の外周側面から当該濾過体82の積層された多数の濾過紙の積層間隙に流入し、積層間隙を流過中に当該不純物自体のブラウン運動と濾過紙との間の分子間引力等によって、濾過紙の繊維に付着されて除去される。また、沈降してゆく当該不純物は、濾過体82の外周側面から所定の間隔で離間しているため、沈降する不純物が濾過体82の外周側面に付着して当該部位を閉塞することがなく、目詰まりの発生も抑制されるものとなっている。
【0048】
上述した実施形態例にかかる食用油濾過装置10では、特に、第2の濾過部40で処理剤42によって、脱酸作用および脱色作用が有効的に発揮され、さらに、第3の濾過部80で、タンパク質、炭水化物、脂肪等の不純物の除去作用が有効的に発揮されため、使用により劣化した食用油中の劣化生成物等の不純物を可及的に少なくし、且つ、優れた脱色,脱酸効果を奏する食用油濾過装置を提供することできる。そのため、従来の油濾過器および食用油濾過装置に比べて、使用済みの当該食用油を長期間再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本願発明にかかる実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態例の縦断面図である。
【図3】図1および図2に示す実施形態例の分解斜視図である。
【図4】図1,図2および図3に示す実施形態例において、処理剤収納体および押圧部材を濾過容器本体内にセットする前工程を示す斜視図であって、図4の(A)は、押圧部材を示す斜視図であり、図4の(B)は、処理剤収納体を示す斜視図であり、図4の(C)は押圧部材の下に処理剤収納体を保持させた状態を示す斜視図である。
【図5】図4の(B)に示す切断線V−Vにおける断面図である。
【図6】袋状物の縫着部を示す要部拡大断面図である。
【図7】袋状物の縫着部の空気抜け作用を示す要部拡大断面図である。
【図8】本願発明にかかる実施形態に用いられ得る押圧部材の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10 食用油濾過装置
12 濾過容器
14 貯蔵容器
14A 貯蔵容器本体の開口部
16 濾過容器本体
16A 濾過容器本体の開口部
18 係止脚部
18a,18b 1対のL字状板
18c,18d 取付け片
20a,20b,20c,20d 貫通孔
22a,22b 濾過容器の把手部
24 貯蔵容器本体
26a,26b 貯蔵容器の把手部
18 係止脚部の屈曲部
30 第1の濾過部
32 金網(第1濾過材)
34 規定支持枠
36 係止保持部
36a フック片
36b 取付け片
38 支持片
40 第2の濾過部
42 処理剤
44 処理剤収納体
46 支持部材
48 押圧部材
50 袋状物
51 折り返し部
52 第1の基材
54 第2の基材
56 積層体
58 縫着部
58a 上糸
58b 下糸
59 貫通糸孔
60 非縫着部
62 載置部
64 脚部
64a 長片部
64b 短片部
66 基板
68 貫通穴
70 小穴
72 押圧部材の把手部
74 他の押圧部材
76 他の押圧部材の貫通穴
80 第3の濾過部
82 濾過体
82a 中心孔(濾過流路)
84 被覆プレート
86 挿通バー
86a 把手部
86b 案内部
90 蓋部材
92 把手部
96 連結線材
98 固定部
100A,100B,100C 濾過された食用油
P 押しピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みのフライ油、天ぷら油等の食用油を濾過して再利用するための食用油濾過装置であって、
上面側に開口部を有する筒状の濾過容器本体、
前記濾過容器本体の上側に配置され、前記食用油中のサイズの大きな不純物を濾過する第1の濾過部、
前記第1の濾過部で濾過された食用油に、脱酸,脱色処理を施す第2の濾過部、および
前記第2の濾過部で濾過された食用油中のサイズの小さな不純物を濾過する第3の濾過部を含むことを特徴とする、食用油濾過装置。
【請求項2】
前記第2の濾過部は、
前記第1の濾過部で濾過された食用油に脱酸,脱色処理を施す処理剤を収納した処理剤収納体、
前記処理剤収納体を前記濾過容器本体の上下方向の中間部に水平状態に支持する支持部材、および
前記処理剤収納体の上側に載置され、当該処理剤収納体をその自重で押圧する押圧部材を含み、
前記支持部材は、金網を含み、
前記押圧部材は、複数の貫通穴を有する基板を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食用油濾過装置。
【請求項3】
前記第3の濾過部は、
前記第2の濾過部で濾過された食用油の濾過流路となる中心孔を有し、複数の濾過紙を上下方向に積層した濾過体、
前記濾過体を下に押圧する被覆プレート、
前記被覆プレートを貫通するように設けられて、前記被覆プレートの上面から突出する把手部と、前記被覆プレートの下方に延びて、前記濾過体で濾過した食用油を下方に案内する案内部とを有する挿通バーを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の食用油濾過装置。
【請求項4】
前記処理剤収納体は、シート状の不織布からなる第1の基材を縫着部により形成された袋状物を含み、
前記袋状物は、当該袋状物が前記押圧部材の前記基板上に載置されたときに、前記濾過容器本体の内周面と前記基板の周縁端面との間に配置される折り返し部を有することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の食用油濾過装置。
【請求項5】
前記袋状物は、前記第1の基材に被覆されるシート状の生地からなる第2の基材をさらに含み、前記第1の基材が前記第2の基材により保護されることを特徴とする、請求項4に記載の食用油濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−12408(P2010−12408A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174404(P2008−174404)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(593068096)マツモラ産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】