説明

飲料の原料を含み、注入側の膜を有する密封カプセル

本発明は、使い切りカプセル1への液体の注入によってカプセル1に入った食品物質から飲料を調製するシステムを提案する。このシステムは、受け入れ室16内のカプセル1を選択的に囲う閉鎖機構21に接続された少なくとも1つの包囲部材13a、13bを有する装置50を備え、この装置は、カプセル1に液体を供給するポンプ70と、カプセル1の第1の注入面3aと第2の放出面3bを開口する開口手段15、16と、装置の少なくともポンプ70を制御する制御ユニット80とをさらに備えており、開口手段15、16が、ポンプ70から受け入れた液体をカプセル1の内部に供給するよう設けられており、カプセル1が、剛性の本体2と、本体2の一体構成部分として形成されたくぼみ部分4とをさらに備えており、くぼみ部分4が、カプセルの注入面3aに形成されているとともに、複数の小孔6a、6bを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、カプセルに入った原料をベースにした飲料や他の液体食品の製造の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
対応する飲料製造機(例えば、コーヒーマシン)に挿入されるカプセルは知られている。飲料製造機の抽出室内に設置された後、カプセルに水が注入される。水は、カプセルに入った原料と相互に作用する。相互作用の結果として、その後カプセルから得られる飲料や他の食品が製造される。
【0003】
本発明は、好ましくは、生産場所で密封され、なおも密封状態のまま飲料製造機の抽出室に挿入されるカプセルを使用する。カプセルは、カプセルに加圧水を注入するための水注入面と飲料を送出するための飲料放出面の両方で開口される。両側の開口は、製造機の専用部材によって形成される場合もある。なお、これらの部材は、手動で、例えばレバー機構によって、あるいはモーターによって自動的に、あるいはカプセル内に蓄積する内圧による変形の作用によって駆動させることができる。
【0004】
使用者の便宜のためには、手動による密封カプセルの開口は不要である。
【0005】
欧州特許第0512468号は、切頭形の本体と、破れ膜とを備えた気密カプセルであって、液体がカプセルの注入面を通して注入された時に、カプセル内に蓄積される内圧の作用で破れ膜が機械の穿孔ホルダに当たって破れるものに関する。
【0006】
欧州特許出願第870457号および国際公開第94/02059号は、実質的に左右対称のカプセル用の同様の抽出方法と抽出機を開示している。
【0007】
国際公開第94/01344号も、左右対称のカプセルについて記載している。
【0008】
欧州特許出願第1772081号は、液体用の注入口と飲料用の放出口の両方を形成する底部を備えたカートリッジを使って浸出液を調製する装置に関する。底部は、さらに凹陥され、カートリッジ内への液体注入用の孔を備えている。カプセルの同じ側が液体注入口と飲料放出口の両方を形成するように使用されるので、カートリッジ内の液体の流れが最適化されない。カートリッジが液体の圧力下に置かれる場合には、液体は、より短い進路をとることで区画内を素通りする傾向になる。一般に、そのようなカートリッジは低圧で使用され、液体は流動層におけるように原料の中を通されるだけである。このカプセルは、高圧の液体の下で飲料を提供するのに適していない。
【0009】
独国特許第2255552号は、くぼみ内の分流器と、カプセル本体の側壁に設けられたスロットとを有する飲料カプセルに関する。やはり、原料を通過する液体の流れが最適ではなく、液体がスロットに向かう過程で原料を素通りする可能性がある。
【0010】
欧州特許第1344722号は、浮上り部と溝とを有するインサートをそれぞれ形成する分流器と集流器を備えるカートリッジであって、分流器と集流器が物質とカートリッジの上部膜または底壁との間にそれぞれ配置されたカートリッジに関する。
【0011】
水がカプセル内に注入される際、特に原料として挽いたコーヒー粉を使用する場合には、水が原料全体にわたって均一に分配されるように保証されなければならない。原料に対する水の流れの分配が不均一であると、製造される飲料の品質が粗悪になったり、不安定になったりする。特に、液体は、十分に濡れていない物質層の領域から出て行く間に、物質層を通る特権的な流路を形成しようとする傾向がある。
【0012】
既知の解決策の1つは、水がカプセルの横断面全域にわたって均一に分布するように、カプセルを貫通する複数の孔を穿孔することと、その孔からカプセルの内部に水を浸入させることにある。しかしながら、この場合、複数の穿孔/注水部材を設けなければならないかなり複雑な機械となる。さらに、複数の孔を形成するには、注水のためにカプセルを正確に穿孔することが可能な相対的に高い密封力が必要である。
【0013】
さらに、半剛性または剛性のプラスチックから形成されたカプセルの場合、プラスチックが、例えば刃などの穿孔要素の圧力で変形する傾向があるとともに、穿孔要素の切れ味がカプセルごとに鈍くなる傾向があるので、正確かつ繰り返し穿孔することが困難になる可能性がある。
【0014】
別の問題点は、特に、挽いたコーヒー粉が入ったカプセルからコーヒーを抽出する際に、カプセルの内部を通る通常加圧された高温水の流量を制御することである。製造されるコーヒーの種類に応じて、カプセル内の様々な流量と圧力が保証されなければならない。流量は、カプセル内のコーヒーの平均粒度と緻密度に依存することがある。例えば、大カップコーヒー(「ルンゴ」)を送出するためのコーヒーカプセル内の流量は、小カップコーヒー(「エスプレッソ」)を送出するための流量より高いほうがよい。
【0015】
原料室内に個別のインサートが配置されたカートリッジ、例えば、欧州特許第1344722号に記載されたカートリッジが存在する。インサートは、いくつかの不利益をもたらす。特に、製造と運搬をより複雑にする。これにより、カートリッジ内でのインサートの取扱い、配置および固定が必要になる。ほとんどの場合、インサートがカプセル内に完全には固定されず、このことが物質層の厚みの変動と流量の大きな変動に至る恐れがある。
【0016】
もう1つの問題点は、「大カップ」飲料(例えば、110mL以上)が要求された際に、その解決法は、通常、より多量の水を原料に通すことにあるということである。しかしながら、このことは、原料の過度の抽出および最終飲物の苦味の問題を結果として生じる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明は、原料が入った密封カプセルから確かな品質で飲料を製造する、改良された水流分配技術を提供するという目的を有する。
【0018】
1つの目的は、製造がより容易で、製造する際に別々の要素を扱って組み立てることをあまり要求しないカプセルを提供することである。
【0019】
もう1つの目的は、特に、カプセルが半剛性または剛性のプラスチックなどの材料から構成される形状安定性の部品から構成される場合であっても、カプセルの注入面を貫通する、信頼できる孔を容易に形成することである。したがって、それにより、カプセルの必須部品を作るための材料の選択により高い自由度がもたらされる。また、それによって、カプセルの注入面を開口するための選択可能な解決法も提供される。
【0020】
本発明は、上述の問題に対処しようとするものである。また、本発明は、他の目的、特に本明細書の後の部分に現れる他の問題の解決も目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の態様では、本発明は、密封された飲料カプセルであって、カプセル内を通される液体用の第1の注入面を有する剛性の本体と、カプセルから送出する飲料用の第2の放出面と、第1の注入面と第2の放出面との間で原料を含んだ少なくとも1つの区画と、カプセルの本体の注入面において複数の注入用孔を有するくぼみ部分とを備え、上記くぼみ部分は、本体の一体構成部分であって、上記くぼみ部分は、カプセルの本体に接続された追加のカバー部材によってカプセルの外部に対して気密に封止されている、密封された飲料カプセルを提案する。
【0022】
本発明によれば、カプセル本体の注入面における有孔のくぼみ部分により、カプセル内の流量と圧力条件の確実な制御を達成することができる。さらに、カプセルの注入面における液体分配を調整することができる。
【0023】
好ましい実施形態では、カプセルのくぼみ部分は、環状壁と横方向の底面とを備える剛性の管状部材である。したがって、底面は、液体がカプセル内をその注入面から放出面に通過させられるときの液体流路に対して横方向に配置されている。しかしながら、底面は円錐形状やカップ形状であってもよい。
【0024】
好ましくは、くぼみ部分の環状壁と底面の両方が注水用孔を備えている。したがって、カプセルに入る水の流れは、原料が入った少なくとも1つの室の中でほぼ軸方向にもほぼ径方向にも分配させることができる。流れ分配場所における軸方向流路と径方向流路の組合せにより、物質のすべての部分が、特に浸入側において、適切に濡れることが保証される。物質を通る液体の流れのパターンと流量も、くぼみ部分における注入用孔の位置(径方向/軸方向)、数および断面に応じて、より柔軟に制御することができる。
【0025】
したがって、くぼみ部分の注入用孔は、底面と環状壁とで異なる。その相異は、例えば、孔の断面および/または孔の密度(すなわち、1平方センチメートルあたりの注入用孔の数)の相異であってもよい。
【0026】
好ましくは、くぼみ部分以外では、カプセルの本体には、液体注入口や飲料放出口を構成するいかなる小孔もない。実際は、液体流路が、放出面に向かう過程で、上述したように、原料を通り抜ける近道をとることなく原料内に通されることが重要である。
【0027】
カプセルの本体は、好ましくは、カプセルの安定したケーシングとなるために、形状安定性のプラスチックまたは金属、例えばアルミニウムから構成される。くぼみ部分はカプセルの本体の一体構成部分であるので、くぼみ部分と本体の両方が、好ましくは一工程で製造される。したがって、くぼみ部分は、好ましくはカプセルの本体と同じ材料から構成される。しかしながら、くぼみ部分が異なる材料から構成されることも可能である。それに従い、上記カプセルのくぼみ部分と本体は、追加の製造工程で接合される。例えば、くぼみ部分は、後にカプセル本体を形成するために射出成形法によって覆われる、アルミニウムなどの金属からなっていてもよい。
【0028】
管状部材の平らな底面の注水用孔が原料用区画の中心部に向いていることが理解されるべきである。それにより、これらの孔を通される液体は、カプセルの中心部に向かって方向付けられる。それに従い、管状部材の環状壁内に設けられた複数の孔を通過される液体は、カプセルの側面に向かって方向付けられる。したがって、孔が区画の中心部と区画の境界部分の両方に向いているので、有孔のくぼみ部分を通される液体は、カプセルの原料区画内に均一に分配させることができる。これにより、カプセル内部での液体の均一な分配が達成される。
【0029】
したがって、くぼみ部分の注水用孔が、その環状壁と横方向底面とで異なる場合がある。注入用孔は、形状と大きさで異なっていてもよい。さらに、環状壁に形成された注入用孔の密度(すなわち、名目表面積内の注入用孔の数)が、底面内に形成された密度と異なっていてもよい。それにより、注入用孔を通る流量を適合させるように、様々な形状、大きさおよび密度の注入用孔を使用することができる。したがって、底面を通過する流量と環状壁を通過する流量とで異なる流量を得ることができる。これにより、カプセル本体内の原料区画の中心部と側部とに供給される液体の量を制御することができる。
【0030】
くぼみ部分の注入用孔は、底面によってもたらされる流れ抵抗がその中心領域よりもその周辺部において小さくなるように設計されてもよい。例えば、注入用孔の数および/または断面が、くぼみ部分の底面よりも環状部分において大きくなっていてもよい。この構成により、中心部から注入された液体をカプセルの原料区画の断面全域により均一に分配させることができる。
【0031】
くぼみ部分の注入用孔は、射出成形法または一般的な打抜き加工技術を使って製造されてもよい。
【0032】
好ましい実施形態では、カプセルの注入面のくぼみ部分をその外部から封止する追加のカバー部材は、カプセルの本体に気密に接続されるのに適した薄膜である。そのような接続は、例えば、半田付けまたは接着の技術を使って確立されてもよい。好ましくは、カバー部材は、カプセルに液体を注入するために、カプセルが接続されようとする装置によって提供される専用の開口手段によって穿孔されるのに適した薄い金属膜である。別の好ましい実施形態では、カバー部材は、カプセルに液体を注入できるように、加熱手段によって融解または溶解されるのに適した薄いプラスチック膜である。
【0033】
別の好ましい実施形態では、カプセルは、カプセル本体の注入面から放出面まで延びるバイパス流路を備えていてもよい。したがって、バイパス流路は、好ましくは、原料区画の中心に配置されている管状部材である。好ましくは、バイパス流路は、少なくともくぼみ部分の底に接続されている。したがって、好ましくは、液体がカプセル内に通される場合にくぼみ部分とバイパス流路との間で流体接続を確立させるため、底面に開口部が形成されている。
【0034】
バイパス流路は、くぼみ部分と一体的に形成されてもよいし、半田付けまたは接着剤によって接続されてもよい。
【0035】
したがって、カプセルの注入側に注入された液体は、くぼみ部分の環状側面に設けられた小孔を通ってカプセルの原料区画に入ることができる。しかしながら、バイパス流路がくぼみ部分の底面内に形成された少なくとも1つの開口部または小孔に接続されているので、液体は、封入された原料と相互に作用することなく原料区画を素通りすることもできる。「大カップ飲料」が要求される場合に、この実施形態は特に有利である。したがって、分配された液体の一部がカプセル内の原料と相互に作用していないので、原料の過度の抽出とその結果生じる最終飲物の苦味の問題を効果的に防止することができる。それにより、バイパス流路を通される液体の量が、くぼみ部分の底面においてバイパス流路に接続される小孔または孔によって調整されてもよい。したがって、バイパス流路内の流量を効果的に修正することができ、原料を素通りする液体の量を調整することができる。
【0036】
バイパス流路を通る流量をさらに調整するため、バイパス流路が、導管や弁などの流量調整手段を備えていてもよい。さらに、別の好ましい実施形態では、液体をバイパス流路から原料区画の中心部に直接分配するために、バイパス流路が、流路の周面に小孔を備えていてもよい。
【0037】
バイパス流路は、好ましくは数ミリの一定の直径を有する。バイパス流路が様々な直径を有することも可能である。例えば、バイパス流路は、より大きな直径を有し、それによって原料用の追加の区画を形成してもよい。それに従い、カプセルの第1の原料区画の内部と、バイパス流路によって形成される第2の原料区画の内部とに、同種または異種の原料が封入されてもよい。
【0038】
したがって、本発明に係るくぼみ部分内の様々な注入用孔によって、第1および第2の原料区画への液体の分配を効果的に調整することができる。
【0039】
第2の態様では、本発明は、カプセル内への液体の注入によってカプセルに入った食品物質から飲料を調製するシステムであって、上記システムが、受け入れ室内のカプセルを選択的に囲う閉鎖機構に接続された少なくとも1つの包囲部材を有する装置を備え、上記装置が、カプセルに液体を供給するポンプと、カプセルの第1の注入面と第2の放出面を開口する開口手段と、装置の少なくともポンプを制御する制御ユニットとをさらに備え、開口手段が、ポンプから受け入れた液体をカプセルの内部に供給するよう設けられており、カプセルが、閉じた剛性の本体と、本体の一体構成部分として形成されたくぼみ部分とをさらに備えており、上記くぼみ部分が、カプセルの注入面に形成されているとともに、複数の小孔を備えているシステムを提案する。注入面は、くぼみ部分以外では、飲料用の放出口となるような小孔を有していない。飲料用の放出口は、原料の入った区画によって隔てられたカプセルの放出面に限って設けられている。したがって、放出面は、区画に対して注入面とは反対側に配置されている。結果として、カプセルを通る液体の流路は、区画内の原料の均一な濡れを保証するように適切に制御される。
【0040】
「くぼみ部分」は、側面図で見ると、カプセルの本体の輪郭に対してくぼんだ部分として理解されるべきである。
【0041】
本発明に係る装置の場合、この装置によって、より具体的にはこの装置のポンプによって供給される液体と装置に供給されたカプセルに含まれている原料との間の相互作用を可能にすることができる。カプセルへの液体供給のせいで蓄積された密封カプセル内の内圧により、カプセルの下面が開口され、それにより、調製される飲料を送出させることができる。したがって、装置によってもたらされる液体の注入は、装置の開口手段によって開口されるカプセルの上面で起こる。既に述べたように、調製される飲料の送出は、カプセルの下面で起こり、それにより、液体の正流が可能になる。したがって、調製される飲料を受けるために、カップなどの容器をカプセルの下に置くことができる。
【0042】
装置の閉鎖機構は、開いた状態と閉じた状態を有する。閉鎖機構が開いた状態のときは、カプセルを装置に差し込むか、装置から引き出すことしかできない。閉鎖機構は、カプセルを開口する開口手段に接続されているので、開口手段とカプセルの相対的移動を引き起こす。したがって、閉鎖機構の使用により、装置の受け入れ室に供給されたカプセルを効果的に開口し、それにより、カプセルの液体供給源に連通させることができる。
【0043】
好ましい実施形態では、装置の上記少なくとも1つの包囲部材によって包囲されるのに適したカプセルは、円錐形状であり、剛性の本体を有する。上記カプセルは、第1の注入面と第2の放出面をさらに備え、上記注入面からカプセルに液体が注入される。カプセルには、1つ以上の原料が入っている。カプセルへの液体の注入後に、液体とカプセルに入っている原料との相互作用のために十分な時間を与えるため、カプセルからの注出が遅延されてもよい。調製される飲料をカプセルから注出させるため、カプセルの放出面を開口させる、放出膜に当接する浮出しなどの開口手段が設けられてもよい。これらの開口手段は、液体が注入された時のカプセル内の昇圧と相互に作用する。カプセルは、とりわけ、飲料が「相互汚染」なく調製される、すなわち、調製される最初の飲料が、味、色および/または香りなどの1つ以上の望ましくない特性を最初の飲料の後に配される次の飲料に移さないという利点を有している。本発明は、飲料装置において調合、溶解または希釈される原料が入った他のいかなる食物または飲料のカートリッジ、ポッドまたは小袋に適用されてもよい。
【0044】
好ましい実施形態では、カプセルは、その注入面に、カプセルを気密に封止するのに適した薄膜などのカバー部材によって覆われた開口部を備える。さらに、カバー部材の下方に、くぼみ部分が形成されてもよい。上記くぼみ部分は、好ましくは、カプセルの本体と一体的に形成されている。さらに、上記くぼみ部分は、カプセルが接続されようとする装置の開口手段を受け入れるのに適している。したがって、くぼみ部分は、管状または円錐形状を有していてもよい。好ましくは、くぼみ部分は、カプセルを通る液体の流量を調整するために複数の小孔を備えている。
【0045】
放出面は、好ましくは、閉じた破断可能な膜である。カプセルの放出面は、好ましくはアルミニウム薄膜である。膜は、装置に設けられた開口手段によって開口されるのに適していることが好ましい。そのような開口手段は、例えば、好ましくはカプセルが接続されようとする装置の下側包囲部材に設けられた、突出した隆条などであってもよい。液体の注入によってカプセルの内部に圧力が加えられると、カプセルの放出面は、上記開口手段と相互作用し、それによって破断する。したがって、液体食品をカプセルから注出させることができる。放出膜は、好ましくは20μmと100μmの間の厚みである。
【0046】
カプセルの本体とくぼみ部分は、好ましくはアルミニウムまたはプラスチックから構成される。
【0047】
カプセルの注入面の開口部を覆うカバー部材は、好ましくはアルミニウム薄膜である。しかしながら、カバー部材はプラスチック材料であってもよい。
【0048】
カプセルの開口を可能にするために装置に設けられる開口手段は、カバー部材を壊すのに適したいかなる手段であってもよい。開口手段は、例えば、カバー部材に刺して孔を開けるのに適した針要素であってもよい。別の好ましい実施形態では、開口手段は、カバーを穿孔する間に、カバーを融解、燃焼または軟化させる加熱手段を備えていてもよい。それにより、カバーをより確実に開口させることができる。このことは、カプセルのカバー部材がプラスチック材料から構成される場合に特に有利である。
【0049】
さらに、カプセルは、好ましくは、専用の装置に接続されている時にカプセルの少なくとも一面を封止する封止手段を備えている。それにより、カプセルは、閉鎖機構によって囲われている時に効果的に封止させることができる。したがって、カプセルに注入された液体がカプセルから出て行くことが防止される。
【0050】
第3の態様では、本発明は、受け入れ室内のカプセルを選択的に囲う閉鎖機構に接続された少なくとも1つの包囲部材を有する飲料調製装置であって、
カプセルに液体を供給するポンプと、
カプセルの注入面と放出面を開口する開口手段と、
装置の少なくともポンプを制御する制御ユニットとをさらに備え、
開口手段が、カプセルの注入面の少なくとも一部を軟化または融解させることによって少なくとも1つの孔を形成する加熱要素を備える飲料調製装置に関する。
【0051】
本発明は、また、上述の装置と、この装置に挿入されるようになっており、軟化可能または融解可能な部分から形成された注入面を備えた使い切りカプセルとを備える飲料調製システムに関する。
【0052】
第4の態様では、本発明は、剛性の本体を有する使い切りカプセルに液体を供給する方法であって、カプセルの注入側を気密に封止しているカバー部材を開口するステップと、液体をカプセルのくぼみ部分に通すステップとを備え、くぼみ部分がカプセルの本体の一体構成部分であり、くぼみ部分が複数の注入用孔を備える方法を提案する。
【0053】
第5の態様では、本発明は、本体を有する使い切り飲料カプセルに液体を供給する方法であって、カプセルの注入面を開口するステップと、飲料の原料が入った少なくとも1つの区画に液体を通すステップとを備え、液体を注入面に通すためのカプセルの開口が、カプセルの注入面の少なくとも一部を軟化または融解させることによって実行される方法に関する。
【0054】
本発明のさらなる特徴、利点および目的は、同封図面の図と併せて本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者にとって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る飲料調製装置を側面図で示す。
【図2】カプセルの受け入れ室を側断面図で示す。
【図3】本発明に係るカプセルの好ましい実施形態を側断面図で示す。
【図4】内部にバイパス流路が設けられた、本発明に係るカプセルの別の好ましい実施形態を側断面図で示す。
【図5】原料用の2つの区画を備える、本発明に係るカプセルの別の好ましい実施形態を側断面図で示す。
【図6】バイパス流路が原料用の独立した区画を形成している、本発明に係るカプセルの別の好ましい実施形態を側断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、本発明に係る飲料調製装置50を側面図で示す。装置50は、少なくともヒータ60、ポンプ70および制御手段80を収容するハウジング50aを備えている。さらに、装置は、この装置に接続された(任意に外部の液体供給源に置き換え可能な)液体タンク40と、抽出ヘッド20と、ベース50fを備えている。装置は、カップなどの容器が置かれるグリッド50gが設けられた上面50eを有する、容器用のスタンド50dをさらに備えている。
【0057】
タンク40は、ヒータ60およびポンプ70に、したがって装置50の抽出ヘッド20に水などの液体を供給するために設けられている。好ましくは、タンク40は、装置に取り外し可能に接続されており、液体を注入するために注入口40bを有する。好ましくはタンク40の底に配置される放出口40cが、タンク40と装置50との間の接続を可能にしている。
【0058】
装置の抽出ヘッド20は、装置50に供給されたカプセル1を選択的に囲う閉鎖機構21と、抽出ヘッド20に対して、したがってカプセル1に対して選択的に給水する任意の制御機構27(レバー、スイッチなど)とを備えている。したがって、制御レバー27は、少なくとも装置50の制御手段80に接続されている。
【0059】
装置は、メインスイッチ50bと、装置50の動作状態を使用者に知らせる複数の制御表示器50cとをさらに備えている。制御手段80は、液体供給を制御するため、少なくとも装置のポンプ70に接続されている。
【0060】
図1で分かるように、装置50の抽出ヘッド20には、抽出ヘッドの受け入れ室16にアクセスするため、開口部22が設けられている。開口部22は、装置50の閉鎖機構21によって選択的に開閉させることができる。そのため、閉鎖機構21は、閉鎖機構21の動作、したがって開口部22の開閉に応えて動かされる少なくとも1つの包囲部材13aに接続されている。したがって、閉鎖機構21が開いた状態であれば、上記受け入れ室16にカプセル1を供給することができる。カプセルは、受け入れ室16に手で供給されても、装置に接続されるカプセルホルダを用いて供給されてもよい。好ましくは、そのようなカプセルホルダは、抽出ヘッドに設けられた開口部22に嵌合する。
【0061】
装置50は、メインスイッチ50bと、装置50の動作状態を使用者に知らせることができる複数の制御表示器50cをさらに備えている。
【0062】
図2は、装置50の抽出ヘッド20の側断面図を示す。受け入れ室16は、好ましくは第1および第2の包囲部材13a、13bによって包囲されている。上記包囲部材の少なくとも1つは、包囲部材13a、13bの相対的移動を可能にするため、閉鎖機構21に接続されている。したがって、閉鎖機構21が開いた状態の時にカプセル1が受け入れ室16に挿入された後、包囲部材13a、13bが互いに向かって相対的に近づくように、閉鎖機構21を閉じた状態にさせることができる。これにより、図2に示すように、受け入れ室16内に配置されるカプセル1を包囲部材13a、13bによって効果的に包囲させることができる。
【0063】
受け入れ室16内の密封カプセル1に液体を供給するため、第1の包囲部材13aに、注入手段14が設けられている。上記注入手段14は、装置50のポンプ70に接続されている。これにより、液体をタンク40から受け入れ室16に効果的に供給することができる。注入手段14は、閉鎖機構21が閉じた状態の時に装置50の受け入れ室16に突出している開口手段15を備えている。したがって、受け入れ室16内に入ったカプセル1を上記開口手段15によって効果的に開口させることができる。したがって、カプセル1を注入手段14に効果的に連通させることができ、それにより、ポンプ70によって注入手段14に供給された液体をカプセル1に注入させることができる。
【0064】
後述するように、開口手段は、カプセルのカバー部材5に少なくとも1つの孔を設けるのに適したいかなる手段であってもよい。
【0065】
好ましい実施形態では、上記カバー部材5は、好ましくは、例えばアルミニウムなどの金属および/またはポリマーから構成される薄膜である。好ましくは、カバー部材5は、本体の材料よりも穿孔抵抗が低い材料から構成される。したがって、開口手段15は、カバー部材5に刺して孔を開けるのに適した、尖って突出する針要素であってもよい。「針」という用語には、様々な形状の刃やスパイクなどの穿孔手段が包含される。
【0066】
別の好ましい実施形態では、カプセルの上記カバー部材5は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレンなどの熱可塑性プラスチックのような融解可能なまたは熱軟化性の材料から構成される。したがって、開口手段15は、カプセル1を開口してその中に液体を注入するためにカバー部材5を融解または燃焼させるのに適した発熱体であってもよい。もちろん、開口手段15は、穿孔要素と加熱軟化要素の両方であってもよい。例えば、開口手段15は、カバーの軟化点または融点に達する温度まで加熱される1本以上の針であってもよい。それにより、針の加熱条件下で穿孔抵抗が下げられるので、非加熱針では容易に穿孔されないが加熱針では容易に開口できる特定のプラスチックを使用することができる。例えば、針は、注入ヘッドに埋め込まれた電線を使った熱伝達によって加熱することができる。開口手段は、ランプや電熱線などの非接触放熱手段であってもよい。
【0067】
下側包囲部材13bには、カプセル1の放出面3bと相互に作用する開口手段16が設けられている。上記開口手段16は、好ましくは、カプセル1の放出面3bに刺して孔を開けるのに適した、小さな角錐や針などの突出要素17bを備える板である。それにより、カプセル1に注入された液体を上記放出面3bによって放出させることができる。さらに、開口手段16は、好ましくは、開口部材16の上面をその下面と連通させる液体流路17aを備えている。したがって、カプセル1から注出された液体を、開口手段16の上面から、液体流路17aに連通されている放出口18に効果的に案内することができる。
【0068】
さらに、カプセル1は、好ましくは、カプセル1への液体の注入の間に受け入れ室16を封止するのに適した封止手段10を備えている。封止手段は、好ましくは、カプセル1の放出面3bに円周方向に配置されている。より好ましくは、封止手段は、カプセル1の本体2のフランジ2aに円周方向に配置されている。これにより、閉鎖機構21が閉じた状態にされ、それによって包囲部材13a、13bを接近させると、図2に示すように、封止手段10が包囲部材13a、13bの間に圧縮される。これにより、受け入れ室16の効果的な封止が得られる。
【0069】
図3は、本発明に係るカプセル1の好ましい実施形態を側断面図で示す。この図から分かるように、カプセル1は、円錐形状であって、注入面3aを有する本体と、放出面3bを画成する膜とを備えている。カプセルの本体2は、好ましくは、プラスチックまたは金属、例えば、アルミニウムから構成される剛性または少なくとも形状安定性の本体である。
【0070】
放出面3bは、好ましくは、剛性本体2のフランジ2aに接続された、例えばアルミニウム膜などの薄膜である。放出面3bは、好ましくは、上記フランジ2aへの溶接および/または圧着によって封止されている。
【0071】
カプセル1は、剛性本体2とカプセル1の放出面3bによって囲まれた、原料用の少なくとも1つの区画7を備えている。
【0072】
カプセル1の注入面3aには、本体2の一体構成部分としてくぼみ部分4が形成されている。「くぼんだ」とは、さもなくばほぼ凸状の本体の外面に対してくぼんでいることと理解されるべきである。
【0073】
くぼみ部分4は、本体を製造する際に、本体のために使用される板材を変形させることによって形成することができる。くぼみ部分4が配水器の役割を果たすことができるので(後述の詳細を参照)、本体の壁と一体的に、したがって別個の部品を設けることを要求することなく、配水器を実現することができる。
【0074】
図に示すように、上記くぼみ部分4は、好ましくは、環状筒型の壁4aと横方向の底面4bとを備えている。しかしながら、底面4bは、円錐形状やカップ形状であってもよい。環状壁4aは、好ましくは壁4aの表面にわたって均一に配置された複数の小孔6bを備えている。しかしながら、壁4aの表面にわたって不均一に小孔6bを設けることが特に重要である場合もある。さらに、小孔に通される液体の流量を調整するため、小孔の大きさ、形状および量が環状壁4aのさまざまな部分で変更されてもよい。したがって、小孔は、円形や四角形など、いかなる幾何学形状であってもよい。
【0075】
くぼみ部分4以外に、本体2には孔が設けられていない。
【0076】
くぼみ部分4の底面4bは、好ましくは、環状壁4aに設けられた小孔6bとは好ましくは異なる小孔6aを備えている。小孔は、大きさ、形状および底面4bにおける小孔6bの設置数が異なっていてもよい。したがって、環状壁4aの小孔6aを通される液体と底面4bの小孔6bを通される液体とで異なる流量が達成されてもよい。
【0077】
図から分かるように、くぼみ部分の底面4bは、原料を受け入れる区画7の中心部分に面している。環状壁4aは、それと対照に、カプセル1の本体2の側壁に面している。したがって、カプセル1内の原料用の区画7内への液体の好ましい分配を得るために、環状壁4aの小孔と底面4bの小孔をそれぞれ通過する流量を調整することができる。
【0078】
もちろん、くぼみ部分4は、図3に示す実施形態と比較して、原料用の区画7の中心に向かってさらにくぼんでいてもよい。それにより、カプセル1内への液体分配のさらなる調整も達成することができる。
【0079】
カプセルの注入面3aを覆うため、注入面3aを気密に封止するカバー部材5が設けられている。カバー部材5は、好ましくは、本体2に対して別個の部品として、例えば溶接や接着の技術によって取り付けられた薄膜である。カバー部材5は、カバー部材5がくぼみ部分4を取り囲んでいる本体2の閉じた壁と重なり合うように、くぼみ部分4より大きな直径を有する。
【0080】
本体2およびくぼみ部分4とは別個の部品であるカバー部材5は、本体2用に使用される材料とは異なる材料から構成されることもある。したがって、例えば、本体が、その弾性のゆえに機械的に開口が容易ではないプラスチックから構成される一方で、カバー部材5が、より穿孔が容易な金属膜(例えば、アルミニウム)から構成されることもある。
【0081】
反対に、本体が金属から構成される場合に、カバー部材が、熱(融解)による開口を可能にするため、プラスチックから構成されることもある。
【0082】
図に示すように、カバー部材5は、好ましくはドーム形をしている。しかしながら、カバー部材5は、平坦な表面あるいはカップ形の表面を呈していてもよい。さらに、カバー部材5は、好ましくはアルミニウムなどの金属から構成される。別の好ましい実施形態では、カバー部材5はプラスチック材料から構成される。したがって、カプセル1の効果的な封止をカバー部材5によって達成することができる。
【0083】
加えて、カプセル本体2のフランジ2aは、好ましくは封止手段10を備えている。これにより、カプセル1が専用の装置に接続されると、装置の動作中に効果的な封止を達成することができる。
【0084】
図4は、本発明に係るカプセル1の別の好ましい実施形態を側断面図で示す。この実施形態では、入口開口部11aと出口開口部11bを備えるバイパス流路8が設けられている。好ましくは、入口開口部11aは、カプセル1のくぼみ部分4に接続されている。出口開口部11bは、好ましくは、カプセル1の放出面3bの近傍に配置されている。バイパス流路は、好ましくは円筒形状であって、一定の直径d1を有している。好ましくは、直径d1は0.5mmと3mmの間である。したがって、カプセル1内部の液体分配を調整するため、カプセル1に注入された液体を小孔6a、6bとバイパス流路の入口開口部11aを通して案内することができる。
【0085】
別の好ましい実施形態では、バイパス流路は、導管や弁など、流路内の流量を制御する追加の手段を備えていてもよい。さらに、バイパス流路は、流路8に供給された液体を原料の区画7の中心部に供給するため、流路の周面に任意には小孔9を備えていてもよい。
【0086】
図4に示すように、カバー部材5は、好ましくは、カプセル1の注入面3aに注入面3aの周面12で接続されている。表面12の輪郭とカバー部材5の輪郭は、好ましくは円形部分d2で重なり合う。したがって、カプセル1の効果的な封止がカバー部材5によって得られる。
【0087】
図5は、本発明に係るカプセルの別の好ましい実施形態を示す。この実施形態において、カプセル1は、好ましくは薄い壁または膜である隔離部材19を備えており、隔離部材19は、その両側に原料用の少なくとも2つの区画7、7’が対称的または非対称的に形成されるように、カプセル1の内部を分割している。それにより、隔離部材19は、2つの等しい区画7、7’を提供してもよい。しかしながら、容積に関して異なる2つの区画7、7’を提供することも可能である。この実施形態によれば、2つの同種または異種の原料をこれらの区画内に収容することができる。
【0088】
隔離部材19は、好ましくは、金属またはプラスチック材料から構成される薄い壁である。隔離部材19は、その一方の側でくぼみ部分4に、他方の側でカプセル1の放出面3bに接続されている。好ましくは、隔離部材19は、くぼみ要素4の一体構成部分である。
【0089】
この実施形態に関して、くぼみ部材4が、第1および第2の区画7、7’と流体接続状態になるためにそれぞれ異なる小孔を備えていることが理解されるべきである。そのため、カプセルの注入側3aを第1の原料区画7に連通させている、環状壁4aおよび底面4bに形成された小孔6aおよび6bは、好ましくは、第2の原料区画7’に通じる対応する小孔6a’および6b’と異なっている。したがって、これらの小孔6a、6b、6a’、6b’の流量を、設けられた原料区画7、7’ごとに効果的に調整することができる。
【0090】
図6は、隔離部材19が円形状で、原料区画7内に管状部材を提供する本発明の別の好ましい実施形態を示す。したがって、上記管状部材19によって第2の原料区画7’が形成されている。
【0091】
この実施形態において、小孔6aおよび6bは、図3に係る実施形態の小孔に相当する。しかしながら、カプセルの注入側3aを第2の原料区画7’に連通させている、くぼみ部分4の底面4bの中心部に設けられた小孔6cは、好ましくは、注入側3aと第1区画7とを連通させている、底面4bの環状部分に形成された小孔6aとは異なる。それにより、カプセル1に注入された液体の流量と分配を第1および第2の区画7、7’のために効果的に調整することができる。
【0092】
本発明をその好ましい実施形態に基づいて記述してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義されるこの発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形および変更が当業者によってなされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封型の飲料カプセル(1)であって、
開口後に当該飲料カプセルに液体を導入させるための注入面(3a)を有する形状安定性の本体(2)と、
当該飲料カプセル(1)から飲料を送出するための放出面(3b)と
を備え、
当該飲料カプセルは、さらに、
当該飲料カプセル(1)の前記本体(2)の前記注入面(3a)に配置されるくぼみ部分(4)と、
当該飲料カプセル(1)の前記本体(2)の前記注入面(3a)と前記放出面(3b)との間に配置される原料用の少なくとも1つの区画(7、7’)と
を備え、
前記くぼみ部分(4)が、前記本体(2)の一体構成部分であって、複数の注入用孔を備えており、
前記くぼみ部分(4)が、当該飲料カプセル(1)の前記本体(2)とは別個の部品として接続された追加のカバー部材(5)によって当該飲料カプセル(1)の外部に対して気密に封止されている、飲料カプセル。
【請求項2】
前記カプセル(1)の前記くぼみ部分(4)が、環状壁(4a)と、当該飲料カプセル(1)を通る液体の主要な流路に対して横方向に配置された底面(4b)とを備える形状安定性の管状部材である、請求項1に記載の飲料カプセル。
【請求項3】
前記環状壁(4a)と前記底面(4b)との両方が注入用孔を備える、請求項2に記載の飲料カプセル。
【請求項4】
前記くぼみ部分(4)の前記注入用孔(6a、6b)が、前記底面(4b)のものと前記環状壁(4a)のものとで異なる、請求項3に記載の飲料カプセル。
【請求項5】
前記カバー部材(5)が、前記本体の材料よりも穿孔抵抗が低い材料から構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料カプセル。
【請求項6】
当該飲料カプセルの前記本体(2)と前記くぼみ部分(4)とが、形状安定性のプラスチックまたは任意でプラスチック層を有するアルミニウムから一体的に作られている、請求項5に記載の飲料カプセル。
【請求項7】
前記放出面が閉じた破断可能な膜である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料カプセル。
【請求項8】
前記カバー部材(5)が、プラスチックまたはアルミニウムなどの金属から構成される、前記本体(2)より薄い膜である、請求項6または7に記載の飲料カプセル。
【請求項9】
当該飲料カプセルが、前記本体(2)の前記注入面(3a)から前記放出面(3b)まで延びるバイパス流路(8)をさらに備え、前記バイパス流路(8)が、前記注入面(3a)において前記くぼみ部分(4)に接続されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料カプセル。
【請求項10】
前記くぼみ部分(4)の前記注入用孔(6a、6b、11a)が、形状、大きさおよび/または量に関して異なっている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の飲料カプセル。
【請求項11】
当該飲料カプセル(1)が、第1の原料用区画(7)及び第2の原料用区画(7’)を備え、当該飲料カプセル(1)が、前記第1の原料用区画(7)及び前記第2の原料用区画(7’)に対する分配を調整する手段および/または流量を調整する手段(6a、6b、6c、11)をさらに備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の飲料カプセル。
【請求項12】
受け入れ室(16)内の飲料カプセル(1)を選択的に囲う閉鎖機構(21)に接続された少なくとも1つの包囲部材(13a、13b)を有する飲料調製装置(50)であって、
前記飲料カプセル(1)に液体を供給するポンプ(70)と、
前記飲料カプセル(1)の注入面(3a)と放出面(3b)を開口する開口手段(15、16)と、
当該飲料調製装置の少なくとも前記ポンプ(70)を制御する制御ユニット(80)と
を備え、
前記開口手段(15、16)が、前記飲料カプセルの前記注入面(3a)の少なくとも一部を軟化または融解させることによって少なくとも1つの孔を形成する加熱要素を備える、飲料調製装置。
【請求項13】
請求項13に記載の飲料調製装置と、前記飲料調製装置に挿入されるようになっており、軟化可能または溶解可能な部分から形成された注入面を備えた使い切りカプセルとを備える、飲料調製システム。
【請求項14】
本体(2)を有する使い切り飲料カプセル(1)に液体を供給する方法であって、
前記使い切り飲料カプセルの注入面を開口するステップと、
飲料の原料が入った少なくとも1つの区画に液体を通すステップと
を備え、
液体を前記注入面に通すための前記使い切り飲料カプセルの開口が、該使い切り飲料カプセルの前記注入面の少なくとも一部を軟化または融解させることによって実行される、方法。
【請求項15】
形状安定性の本体(2)を有する使い切りカプセル(1)に液体を供給する方法であって、
前記使い切りカプセル(1)の注入側を気密に封止しているカバー部材(5)を開口するステップと、
液体を前記使い切りカプセル(1)のくぼみ部分(4)に通すステップと
を備え、
前記くぼみ部分(4)が、前記使い切りカプセル(1)の前記本体(2)の一体構成部分であり、前記くぼみ部分(4)が、複数の注入用孔(6a、6b、6c、11)を備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−519602(P2011−519602A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506702(P2011−506702)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055184
【国際公開番号】WO2009/133134
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】