説明

飲料用ボトルキャップ

【課題】飲み口部を下にした状態で舌によって球体を押し上げて外側開口部を容易に開き飲むことが可能である。
【解決手段】飲料用ボトルキャップ1は、飲料用ボトル5の飲み口部50に取付けられる嵌合部2と、飲み口部50に連通する通路30を有する栓部3と、通路30に通路軸方向に自重により移動可能に設けられた球体4と、を含み、栓部3は、通路30に連通する内側開口部31と、外側開口部32とを有し、飲料用ボトル5の飲み口部50が、上方向の状態において球体4が内側開口部31を閉じ、一方、下方向の状態において球体4が外側開口部32を閉じ、球体4が外側開口部32を閉じた状態で、球体4を通路30の内側方向に移動して開くことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料用ボトルキャップに関し、より詳しくは、ガラス、合成樹脂等の飲料用ボトルに取付けられ、飲み口を開閉自在とした飲料用ボトルキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料用ボトルキャップは、清涼飲料などの飲料用ボトルに取り付けられ、この飲料用ボトルキャップとして、飲料用ボトルに取付けられるキャップ本体と、このキャップ本体に嵌合され、飲み口を開栓する上方の開栓位置と、飲み口を閉栓する下方の閉栓位置とに上下動可能なキャップヘッドと、このキャップヘッドに外嵌可能で、キャップ本体に取付可能な蓋とからなり、蓋をキャップヘッドに外嵌する際に、蓋の下降に応じてキャップヘッドが閉栓位置に移動するよう構成されているものがある(引用文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−171232
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の飲料用ボトルキャップにあっては、キャップヘッドが飲み口を開栓する上方の開栓位置と、飲み口を閉栓する下方の閉栓位置とに上下動可能であるが、例えば手を自由に使用することが困難な人が使用しようとする場合には、簡単にキャップヘッドを移動させることができなかった。また、病院のベットなどで寝た状態で使用しようとすると、飲み口を下にした状態では飲料が漏れ出して飲みにくいことがあった。
【0005】
この発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、飲み口部を下にした状態で舌によって球体を押し上げて外側開口部を容易に開き飲むことが可能な飲料用ボトルキャップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0007】
請求項1に記載の発明は、飲料用ボトルの飲み口部に取付けられる嵌合部と、
前記飲み口部に連通する通路を有する栓部と、
前記通路に通路軸方向に自重により移動可能に設けられた球体と、
を含み、
前記栓部は、前記通路に連通する内側開口部と、外側開口部とを有し、
前記飲料用ボトルの飲み口部が、
上方向の状態において前記球体が前記内側開口部を閉じ、
一方、下方向の状態において前記球体が前記外側開口部を閉じ、
前記球体が前記外側開口部を閉じた状態で、前記球体を前記通路の内側方向に移動して開くことが可能であることを特徴とする飲料用ボトルキャップである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記栓部は、可とう性樹脂で成形され、
前記内側開口部と、前記外側開口部に、可とう性樹脂のシール面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の飲料用ボトルキャップである。
【発明の効果】
【0009】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0010】
請求項1に記載の発明では、記飲料用ボトルの飲み口部が、上方向の状態において球体が自重により内側開口部を閉じ、一方、下方向の状態において球体が自重により外側開口部を閉じ、球体が外側開口部を閉じた状態で、球体を通路の内側方向に押すことで移動して開くことが可能である。例えば、手を自由に使用することが困難な人が使用しようとする場合に、特に病院のベットなどで寝た状態で使用しようとするときには、飲み口部を下にした状態で舌によって球体を押し上げて外側開口部を容易に開き飲むことができる。
【0011】
請求項2の発明では、栓部は、可とう性樹脂などの軟質材料で成形され、内側開口部と、外側開口部に、可とう性樹脂などの軟質材料によってシール面を形成したことで、内筒状パッキンなど特別なシール材を設けることなく、内側開口部と、外側開口部をシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】飲料用ボトルキャップの断面図である。
【図2】飲料用ボトルキャップを飲料用ボトルに取り付けた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の飲料用ボトルキャップの実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0014】
この実施の形態の飲料用ボトルキャップ1は、嵌合部2と、栓部3と、球体4と、を含み、嵌合部2と、栓部3は塩化ビニール等の可とう性樹脂で一体に成形される。嵌合部2には内壁に嵌合ねじ20が形成され、この嵌合ねじ20を飲料用ボトル5の飲み口部50に螺着して取り付ける。
【0015】
栓部3は、飲み口部50に連通する通路30を有し、さらに通路30に連通する内側開口部31と、外側開口部32とを有する。球体4は、アルミニウム、ステンレスなどの金属球、または樹脂球に金属を入れたなどの構造であり、液体より比重が大きいものが用いられ、通路30に通路軸方向に自重により移動可能に設けられている。
【0016】
この実施の形態の飲料用ボトルキャップ1は、図2に示すように、嵌合部2を飲料用ボトル5の飲み口部50に取付け、図2(a)に示すように、飲料用ボトル5の飲み口部50が、上方向の状態においては、球体4が自重により内側開口部31を閉じる。一方、図2(b)に示すように、飲料用ボトル5の飲み口部50が、下方向の状態においては、球体4が外側開口部32を閉じる。
【0017】
このように、記飲料用ボトル5の飲み口部50が、上方向の状態においては、球体4が内側開口部31を閉じ、一方、下方向の状態においては、球体4が外側開口部32を閉じ、例えば飲料用ボトル5の内部に炭酸飲料が存在する場合に、炭酸が抜けることを防止することができる。
【0018】
また、球体4が外側開口部32を閉じた状態では、球体4を通路30の内側方向に移動して開くことが可能であり、例えば手を自由に使用することが困難な人が使用しようとする場合には、特に病院のベットなどで寝た状態で使用しようとするときには、飲み口部50を下にした状態で舌によって球体4を押し上げて外側開口部32を容易に開き飲むことができる。
【0019】
また、栓部3は、可とう性樹脂などの軟質材料で成形され、内側開口部31と、外側開口部32に、可とう性樹脂などの軟質材料によってシール面を形成したことで、内筒状パッキンなど特別なシール材を設けることなく、内側開口部31と、外側開口部32をシールすることができる。
【0020】
この実施の形態では、炭酸飲料の飲料用ボトル5など人が使用する飲料用ボトルについて説明したが、犬などのペットや子牛、山羊などの動物の飼育に用いる飲料用ボトルにも用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明は、飲料用ボトルキャップに関し、より詳しくは、ガラス、合成樹脂等の飲料用ボトルに取付けられ、飲み口を開閉自在とした飲料用ボトルキャップに適用可能であり、飲み口部を下にした状態で舌によって球体を押し上げて外側開口部を容易に開き飲むことができる。
【符号の説明】
【0022】
1 飲料用ボトルキャップ
2 嵌合部
3 栓部
4 球体
5 飲料用ボトル
20 嵌合ねじ
30 通路
31 内側開口部
32 外側開口部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用ボトルの飲み口部に取付けられる嵌合部と、
前記飲み口部に連通する通路を有する栓部と、
前記通路に通路軸方向に自重により移動可能に設けられた球体と、
を含み、
前記栓部は、前記通路に連通する内側開口部と、外側開口部とを有し、
前記飲料用ボトルの飲み口部が、
上方向の状態において前記球体が前記内側開口部を閉じ、
一方、下方向の状態において前記球体が前記外側開口部を閉じ、
前記球体が前記外側開口部を閉じた状態で、前記球体を前記通路の内側方向に移動して開くことが可能であることを特徴とする飲料用ボトルキャップ。
【請求項2】
前記栓部は、可とう性樹脂で成形され、
前記内側開口部と、前記外側開口部に、可とう性樹脂のシール面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の飲料用ボトルキャップ。






【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−30878(P2012−30878A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173654(P2010−173654)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(506099982)シュウ インコーポレーション (6)
【Fターム(参考)】