説明

飲料用容器のキャップ

【課題】 特に人工乳首の付いたペットボトル用の替えキャップは、携行時、装着時、取り外し時に、乳幼児が口に入れる乳首部分が人の手やその他の物に触れてしまうことが多く、衛生的に良くない状態にあるという点である。
【解決手段】 フレキシブルな素材で成形された人工乳首を有し、その人工乳首の下端に大径とした円筒部を一体に形成し、その円筒部の内面に硬質素材によるリング状のスクリュー部を一体的に備えると共に、前記人工乳首の上方から被冠され、裾部分が前記円筒部の外面に密に嵌合される上方カバーを備え、かつ、その上方カバーの嵌合部に下方より密に嵌装される下方カバーを備えていることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料用容器のキャップ、特に市販されている飲料入りのペットボトルに対し、止栓されている既設のスクリューキャップを外した後に、そのペットボトルの開口部分に装着し、主に乳幼児に水やジュース等の飲料をそのまま飲ませることができる飲料用容器のキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の替えキャップとして複数のものが知られており、ストローが付いたものや人工乳首が付けられたものも知られている。しかしながら、この従来の替えキャップにあって、特に人工乳首の付いたものは乳幼児用として使用されるものであるが、携行時あるいは装着時、取り外し時に乳幼児が口にする人工乳首部分が露呈されているため、人の手やその他の物に触れ、衛生的に良くないものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−41543号公報
【特許文献2】特開2001−301785号公報
【特許文献3】特開2001−46476号公報
【特許文献4】特開2000−217890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は従来、特に人工乳首の付いたペットボトル用の替えキャップは、携行時、装着時、取り外し時に、乳幼児が口に入れる乳首部分が人の手やその他の物に触れてしまうことが多く、衛生的に良くない状態にあるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る飲料用容器のキャップは、フレキシブルな素材で成形された人工乳首を有し、その人工乳首の下端に大径とした円筒部を一体に形成し、その円筒部の内面に硬質素材によるリング状のスクリュー部を一体的に備えると共に、前記人工乳首の上方から被冠され、裾部分が前記円筒部の外面に密に嵌合される上方カバーを備え、かつ、その上方カバーの嵌合部に下方より密に嵌装される下方カバーを備えていることを特徴としている。
【0006】
また、本発明に係る飲料用容器のキャップは、前記したリング状のスクリュー部の上縁には内方に向けて断面L字状に突出された突出部を一体に備え、その突出部を人工乳首の内面に形成された係合片と係合させてあることを特徴とし、前記した飲料用容器はペットボトルとしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る飲料用容器のキャップは上記のように構成されている。そのため、特にペットボトルの既設の止栓を外し、本発明に係るキャップを取り付け、取り外すに際し、人工乳首部分には作業者の手や指、そしてその他の物も接触することがほとんどなくなり、非常に衛生的な状態を保持して、乳幼児にペットボトル内の飲料を飲ませることができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る飲料用容器のキャップを上側カバーと下側カバーを外して分離した状態を示す斜視図である。
【図2】キャップ本体を示す縦断面図である。
【図3】ペットボトルに装着し、上部カバーが付いている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面として示し、実施例で説明したように構成することで実現した。
【実施例1】
【0010】
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図にあって1は本発明を実施した飲料用容器のキャップ本体を示している。このキャップ本体1はフレキシブル性を保有したエラストマーで成形された人工乳首2を有しており、この人工乳首2の頂部には複数個の飲料通過用の透孔3が穿設されている。
【0011】
また、前記した人工乳首2の下端には、その人工乳首2よりも大径とした円筒部4が一体に延設して備えられている。そして、この円筒部4の内部で人工乳首2の直下部分には後述するスクリュー5の上部突出部(フランジ)8を係合して抜け止め止着する係合片6が一体に形成されており、円筒部4の下方開口縁にも、このスクリュー5の下端を抑え、止着する係止フランジ7が一体に形成されている。
【0012】
スクリュー5は、内面に、ペットボトルPの開口縁に形成された螺溝と螺合する螺条が一体に形成されたリング状のものとなっており、硬質のプラスチックによって成形されている。このスクリュー5はその外壁面を円筒部4の内壁面に密に嵌合され、その上部の内方へ向けた突出部(フランジ)8が係合片6によって止着され、下端を係止フランジ7によって止着されて、キャップ本体1と一体化されたものとなっている。
【0013】
一方、図中9はキャップ本体1に対し、上方から被冠される上方カバーを示している。この上方カバー9は硬質のプラスチックで全体が成形されており、下方が開口されたものとなっており、上方は閉塞状態となっている。
【0014】
この上方カバー9の裾部分には前記したキャップ本体1の円筒部4の外面に密に嵌合する円筒状とした嵌合部10が一体に設けられている。また、この嵌合部10の上方には、円筒部4の上端を当接させ、受けるストッパ部11が形成されている。
【0015】
また、この上方カバー9の外面で、嵌合部10とストッパ部11の間位置には後述する下方カバー13の開口上端縁を受け、気密性を保つためのフランジ12が一体に形成されている。
【0016】
さらに、図中13は下方カバーを示し、この下方カバー13も硬質のプラスチックによって成形されている。この下方カバー13は断面をコ字状とした皿状のものとなっている。この下方カバー13は上方カバー9の嵌合部10に対して、下方から気密に嵌装されるもので、立壁部分の上端縁は上方カバー9のフランジ12に当接される。
【0017】
本実施例に係る飲料容器用のキャップは上記のように構成されている。ここで、その使用方法を説明する。まず、目的とする飲料が入ったペットボトルPの既設のスクリューキャップを外し、そこに、第一段階として下方カバー13を取り外し、上方カバー9が被冠されたままのキャップ本体1をスクリュー5によって螺合する(図3の状態)。そして、この状態から、スクリュー5とペットボトルPとの螺合力を支えとして、気密にキャップ本体1の円筒部4に嵌合されている嵌合部10を外し、それによって上方カバー9を取り外し、使用に供することとなる。
【0018】
また、使用後はペットボトルPに装着されているキャップ本体1に対し、上方カバー9を装着し、スクリュー5を回してペットボトルPからキャップ本体1を外し、再び下方カバー13を装着する。
【0019】
上記のように使用されるので、携行時には人工乳首2は気密に保たれ、使用する時の装着や取り外しについても、人工乳首2には一切手や指、その他の物が接触することがなく、非常に衛生的なものとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明に係る飲料容器用のキャップは上記のように構成されている。そのため、スクリュー5の口径を変更することで、あらゆる口径をしたペットボトルに対応でき、また、飲料容器はペットボトルに限らず、ガラス製や金属製のボトルにも対応することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 キャップ本体
2 人工乳首
3 透孔
4 円筒部
5 スクリュー
6 係合片
7 係止フランジ
8 突出部(フランジ)
9 上方カバー
10 嵌合部
11 ストッパ部
12 フランジ
13 下方カバー
P ペットボトル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルな素材で成形された人工乳首を有し、その人工乳首の下端に大径とした円筒部を一体に形成し、その円筒部の内面に硬質素材によるリング状のスクリュー部を一体的に備えると共に、前記人工乳首の上方から被冠され、裾部分が前記円筒部の外面に密に嵌合される上方カバーを備え、かつ、その上方カバーの嵌合部に下方より密に嵌装される下方カバーを備えていることを特徴とする飲料用容器のキャップ。
【請求項2】
前記したリング状のスクリュー部の上縁には内方に向けて断面L字状に突出された突出部を一体に備え、その突出部を人工乳首の内面に形成された係合片と係合させてあることを特徴とする請求項1に記載の飲料用容器のキャップ。
【請求項3】
前記した飲料用容器はペットボトルとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の飲料用容器のキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−102126(P2011−102126A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256847(P2009−256847)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(504131552)株式会社ネス・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】