説明

飲料自動販売機

【課題】異なる大きさのカップを使用するよう設計され且つコンパクトで製造が安価及び容易な上述の種類の飲料自動販売機を提供する。
【解決手段】飲料自動販売機(1)は、飲料生成ユニット(18)と、カップ(10a,10b)を収容する貯蔵庫(11a,11b)と、外部からアクセス可能であり且つ少なくとも2つの計量分配ステーション(15a,15b)を有する取出し区画(5)と、各カップホルダがそれぞれの計量分配ステーション(15a,15b)でカップ(10a,10b)を支持するためにある少なくとも2つのカップホルダ(9a,9b)と、飲料計量分配装置(16)とを有し、飲料計量分配装置は、飲料生成ユニット(18)の出口を定め、計量分配ステーション(15a,15b)と選択的に係合するよう操作される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料自動販売機に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、飲料生成ユニットと、カップ貯蔵庫と、外部からアクセス可能な取出し区画と、取出し区画内に配置され且つ貯蔵庫からのカップを受け取るための支持手段と、飲料生成ユニットの出口を定め且つ取出し区画内のカップ内に飲料を送り込むよう支持手段の上に配置される飲料計量分配装置とを含む種類の飲料自動販売機に関する。
【背景技術】
【0003】
上述の種類の自動販売機は、多数の異なる飲料を生成し、それらの飲料は、エスプレッソコーヒー、及び、例えば、チョコレート、ティー及びブロスのような、様々な種類の「可溶」飲料を含むのが普通である。
【0004】
生成される様々な飲料の故に、選択される飲料に依存して、異なる種類及び大きさのカップ、即ち、エスプレッソコーヒーのためには小さいカップを使用し、他の飲料のためにはより大きなカップを使用する必要が生じている。
【0005】
従って、上述の種類の自動販売機は既知であり、カップ貯蔵庫は、それぞれの種類のカップのために、2つ又はそれよりも多くの貯蔵庫を含み、支持手段は、2つ又はそれよりも多くのカップホルダを含み、各カップホルダは、それぞれの貯蔵庫からそれぞれの種類のカップを受け取り、カップホルダは、それぞれのカップ受取ステーションと、固定の計量分配装置を備える共用の計量分配ステーションとの間を移動するよう操作される。
【0006】
計量分配ステーションは、使用者取出しステーションとしても機能するのが普通であり、それは計量分配装置が外部から容易にアクセス可能であり、従って、破壊行為に晒されることを意味するので、計量分配装置は、計量分配装置を遮蔽する防護位置を往復移動するよう操作される防護材によって保護されるか、或いは、計量分配ステーションと外部からアクセス不能な休止位置との間を移動するよう取り付けられるのが普通である。
【0007】
異なる大きさのカップを使用するという課題を効果的に解決するが、上述の解決策に含まれる移動部分の大きさ及び数は、特にコンパクトな自動販売機を必要とする場合には、その解決策を不適にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
異なる大きさのカップを使用するよう設計され且つコンパクトで製造が安価及び容易な上述の種類の飲料自動販売機を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、請求項1において請求されるような、好ましくは、請求項1に直接的又は間接的に従属する請求項のうちのいずれか1項において請求されるような飲料自動販売機が提供される。
【0010】
添付の図面を参照して本発明の非限定的な実施態様を一例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従った自動販売機の好適実施態様を示す斜視図であり、明瞭性のために一部が取り除かれている。
【図2】図1における詳細に示す拡大正面図であり、明瞭性のために一部が取り除かれている。
【図3】図2における詳細を示す拡大平面図であり、明瞭性のために一部が取り除かれている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1中の番号1は、飲料自動販売機を全体的に示しており、飲料自動販売機は、ドア3によって正面で閉じられるキャビネット2を含み、ドア3は、飲料選択パネル4と、外部からアクセス可能な取出し区画5とを有し、使用者は、選択的な飲料のカップを取出し区画5から取り出す。
【0013】
取出し区画5は、2つの孔6a,6bを通じてキャビネット2の内側と連絡し、2つの孔6a,6bは、取出し区画5の頂壁7に形成され、且つ、実質的に垂直な軸8をそれぞれ有する。
【0014】
図2により詳細に示されるように、孔6a,6bは、それぞれの軸8と同軸なそれぞれの環状体9a,9bによって軸方向に係合され、異なる内径を有し、異なる大きさのそれぞれのカップ10a,10bのための2つの既知のカップホルダを定める(図示の実施例では、より大きいカップが10aで示されている)。
【0015】
より具体的には、取出し区画5の内側の直立位置に堅固に懸架されるカップ10a,10bを支持し、使用者がカップを環状体9a,9bから下向きに抜き取ることによるカップ10a,10bの容易な取外しを可能にするために、各環状体9a,9bは、それぞれの下向きに送られるカップ10a,10bを受け入れる(受け取る)よう設計される。
【0016】
図2に示されるように、カップ10a,10bは、それぞれの既知の貯蔵庫11a,11bから、それぞれの環状体9a,9bに送られる。それぞれの貯蔵庫は、取出し区画5の上でキャビネット2の内側に取り付けられ、それぞれのホッパ12a,12bを含み、各ホッパは、それぞれのカップ10a,10bの多数の積重ねを収容する。それぞれの貯蔵庫は、それぞれの解放装置13a,13bを含み、各解放装置は、カップ10a,10bのそれぞれの積重ねの底部から一度に1つのカップを取り出すためにある。
【0017】
孔6a,6bに面する側で、各解放装置13a,13bは、シュート14a,14bを有し、シュートの出口は、それぞれの軸8と同軸であり、且つ、それぞれの解放装置13a,13bによって解放されるカップ10a,10bが孔6a,6bを通じてそれぞれの環状体9a,9b内に落下するよう、それぞれの孔6a,6bの上にそれぞれの孔6a,6bから所与距離に配置される。
【0018】
上記に関連して、取出し区画5の内側でカップ10a,10bを受け取り且つ支持するために、環状体9a,9bを、既知の固定フォーク形状のカップホルダや、それぞれの孔6a,6bの下でカップ10a,10bを支持する上昇位置と下降使用者取出し位置との間を移動可能な可動支持部材のような、他の支持部材と置換し得ることが指摘されなければならない。
【0019】
従って、孔6a,6bは、カップ10a,10bが取出し区画5内でどのように支持されるかに拘わらず、取出し区画5の内側に、それぞれの固定計量分配ステーション15a,15bを定め、それぞれの固定計量分配ステーションは、計量分配装置16の直ぐ下に配置され、選択される飲料の種類、従って、使用されるカップ10a,10bの種類に依存して、計量分配装置16によって選択的に係合可能である。
【0020】
図1に示されるように、計量分配装置16は、多数のノズル17を含み、多数のノズルは、キャビネット2の内側に収容される生成ユニット18の端部分を形成し、使用者が選択する飲料の液体成分をノズルを通じて計量分配するためにある。
【0021】
図示の実施例において、生成ユニット18は、キャビネット2の後壁に適合させられ、コーヒーを生成するための既知の調合組立体19と、チョコレート、ティー、及び、ミルクのような、可溶粉末成分から飲料を生成するための組立体20とを含む。組立体20は、既知の方法において、可溶成分のための多数のホッパ21と、多数の既知のミキサ(図示せず)とを含み、可溶成分はミキサ内で水に溶解されて、それぞれの飲料を生成する。調合組立体19及びミキサ(図示せず)は、それぞれのホース22によって計量分配装置16に接続され、各ホースは、調合組立体19の出口又はそれぞれのミキサから、それぞれのノズル17の入口取付け部品に延びる。
【0022】
明らかに、添付の図面を参照して記載される生成ユニット18の構成部品の構成及び数は純粋に表示的であり、機械1の仕様及び使用意図に依存して異なり得る。
【0023】
ノズル17は、取出し区画5の頂壁7とシュート14a,14bとの間の中間位置に配置されるプレート23によって定められる支持体に適合され、プレート23は、アーム24によって、キャビネット2と一体的なブラケット25に蝶番付けされて、実質的に垂直な軸26について揺動し、実質的に水平な平面内で、ノズル17が孔6a,6bの一方又は他方に面し且つそれぞれの計量分配ステーション15a,15bと係合する2つの計量分配位置と、2つの計量分配位置の間の通常の中間休止位置との間でノズル17を移動する。
【0024】
より具体的には、図3により詳細に示されるように、休止位置にあるプレート23は、それぞれの環状体9a,9b内に送り込まれるカップ10a又は10bと干渉しないよう、孔6aと孔6bとの間の頂壁7の一部27に面する。
【0025】
頂壁7の部分27は、休止位置においてノズルを外部からアクセス不能、従って、破壊防止にすることによって、遮蔽ノズル17も提供する。
【0026】
計量分配段階の終わりに、ノズル17からの如何なる滴下(ドリップ)をも捕捉し、且つ、集められる液体を、好ましくはドレイン管(図示せず)を用いて、キャビネット2の内側の取り外し可能な容器(図示せず)内に送り込むために、トレイ28は、部分27上に形成され、或いは、部分27に適合されるのが好ましい。
【0027】
プレート23を支持するアーム24は、可逆電気アクチュエータ29によって回転され、可逆電気アクチュエータは、ブラケット25に適合され、ノズル17の計量分配位置及び休止位置を信号で知らせるために、マイクロスイッチのようなリミットストップ検出装置(図示せず)に電気的に接続される。
【0028】
図3に示されるように、飲料自動販売機1が運転休止中のとき、アーム24を軸26について完全退避(full-back)位置に手動で回転し、保守及び洗浄のために場所を空ける。
【0029】
実際の使用中、電気アクチュエータによる計量分配装置16の回転は、電気アクチュエータ29と、選択パネル4と、生成ユニット18と、解放装置13a,13bとに接続される電子中央制御装置(図示せず)によって制御される。
【0030】
使用者によって選択される飲料に依存して、中央制御装置は、カップ10a又は10bの解放を命令し、カップがそれぞれの環状体9a,9b内に位置付けられるや否や、電気アクチュエータ29が軸26についてアーム24を回転し、ノズル17を、休止位置から、カップ10a,10bによって係合される計量分配ステーション15a,15bと対応する計量分配位置に移動するよう命令する。
【0031】
計量分配段階が完了するや否や、電気アクチュエータ29は、アーム24を反対方向に回転するよう操作され、ノズル17を休止及び滴下位置に戻す。
【0032】
上記に関連して、2つ又はそれよりも多くの種類のカップ及び計量分配ステーションを備える飲料自動販売機においても計量分配装置16を使用し得ることが指摘されなければならない。
【0033】
実際、軸26と同軸な円の弧に沿って整列される2つ又はそれよりも多くの計量分配ステーションの場合(図示せず)には、ノズル17を任意の計量分配ステーション内に選択的に移動するよう、上述したアーム24の角移動を単に変更すれば十分である。軸26と同軸な円の弧とは対照的に、例えば、1つ又はそれよりも多くの列内に整列される2つ又はそれよりも多くの計量分配ステーションの場合(図示せず)には、計量分配装置16は、例えば、伸縮アームを用いて、ノズル17が軸26についてのみならず、軸26に対して横方向にも移動することを可能にするよう変更される。
【符号の説明】
【0034】
1 飲料自動販売機(beverage vending machine)
2 キャビネット(cabinet)
3 ドア (door)
4 選択パネル(selection panel)
5 取出し区画(take-out compartment)
6a,6b 孔 (hole)
7 頂壁 (top wall)
8 軸 (axis)
9a,9b 環状体(annular body)/カップホルダ (cup holder)
10a,10b カップ (cup)
11a,11b 貯蔵庫(store)
13a,13b 解放装置(release device)
14a,14b シュート(chute)
15a,15b 計量分配ステーション (dispensing station)
16 飲料計量分配装置(beverage dispensing device)
17 ノズル(nozzles)
18 飲料生成ユニット(beverage production unit)
19 調合組立体(brewing assembly)
20 組立体(assembly)
21 ホッパ(hoppers)
22 ホース(hose)
23 プレート(plate)
24 アーム (arm)
25 ブラケット(bracket)
26 軸 (axis)
27 部分(portion)
28 トレイ (tray)
29 電気アクチュエータ(electric actuator)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料生成ユニットと、
多数のカップを貯蔵するための貯蔵手段と、
外部からアクセス可能な取出し区画と、
前記貯蔵手段からカップを受け取るための支持手段と、
飲料計量分配装置とを含み、
該飲料計量分配装置は、前記生成ユニットの出口を定め、前記取出し区画の内側のカップ内に飲料を送り込むよう前記支持手段の上に配置される、
飲料自動販売機であって、
前記取出し区画は、少なくとも2つの固定的な計量分配ステーションを有し、前記支持手段は、各計量分配ステーションのために、前記計量分配ステーションでカップを支持するためのそれぞれのカップホルダを含み、前記飲料計量分配装置は、前記計量分配ステーションを選択的に係合するよう操作される、
飲料自動販売機。
【請求項2】
前記カップホルダは、それぞれの異なる大きさのカップを支持するよう設計され、前記貯蔵手段は、異なる大きさのカップを収容するよう設計され、且つ、使用者によって選択される飲料に依存して、所与の大きさのカップを前記それぞれのカップホルダに送るよう制御される、請求項1に記載の飲料自動販売機。
【請求項3】
前記取出し区画は、各計量分配ステーションに貫通開口を備える頂壁を有し、各開口は、前記取出し区画を当該飲料自動販売機の内側に接続し、且つ、カップが前記それぞれのカップホルダ内に送り込まれることを可能にする、請求項1又は2に記載の飲料自動販売機。
【請求項4】
前記飲料計量分配装置は、前記頂壁の上に配置され、多数の計量分配位置と、通常休止位置との間で移動可能であり、前記多数の計量分配位置の各々において、前記飲料計量分配装置は、前記計量分配ステーションのうちの1つに配置され、且つ、前記それぞれの開口に面して位置付けられ、前記通常休止位置において、前記飲料計量分配装置は、前記開口を通じて送られる前記カップと干渉しないよう、前記開口を避けて位置付けられる、請求項3に記載の飲料自動販売機。
【請求項5】
前記飲料計量分配装置は、前記通常休止位置において外部からアクセス不能である、請求項4に記載の飲料自動販売機。
【請求項6】
前記飲料計量分配装置から滴下を収集するための収集手段を含み、前記飲料計量分配装置は、前記通常休止位置において前記収集手段に面する、請求項4又は5に記載の飲料自動販売機。
【請求項7】
前記飲料計量分配装置は、前記生成ユニットのそれぞれの出口に流体的に接続される多数のノズルを含み、該多数のノズルは、固定の実質的に垂直な軸について揺動するよう取り付けられる共通の支持体に固定される、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の飲料自動販売機。
【請求項8】
前記飲料計量分配装置を操作するための作動手段を含み、該作動手段は、使用者によって選択される飲料の種類に依存して、前記計量分配ステーションの一方又は他方への前記飲料計量分配装置の移動を制御するよう制御される、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の飲料自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−25813(P2013−25813A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−158871(P2012−158871)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【出願人】(509099992)エヌ アンド ダブリュ グローバル ヴェンディング ソシエタ ペル アチオニ (18)
【Fターム(参考)】