説明

飲食店用オーダシステム及び飲食店用オーダ方法

【課題】顧客が登録した退店時刻に合わせてラストオーダの飲食メニューを提示し、注文した飲食物を退店時刻までに提供して飲食し、退店時刻に確実に退店できるようにする。
【解決手段】飲食メニューを選択して注文するTTO端末1−1と、表示部12−1に各種情報を提示するオーダサーバ2とがLAN6を介して接続され、オーダサーバ2は、飲食メニューと、飲食メニュー毎に設定されたラストオーダの基準となるオーダ制限時間と、テーブル毎の退店時刻とを記憶する記憶部24と、テーブル毎に入力された退店時刻と飲食メニュー毎のオーダ制限時間に基づいて、飲食メニュー毎のラストオーダ時刻を算出し、記憶部24に記憶させるラストオーダ時刻算出部22と、計時部21による計時時刻が、記憶部に記憶された飲食メニュー毎のラストオーダ時刻になると、オーダ端末装置に対してメニュー毎にラストオーダであることを表示させる制御部23とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居酒屋やカラオケ店などの飲食店において、顧客が設定した退店時刻に合せてラストオーダの飲食メニューを提示し、退店時刻には余裕をもって退店できる飲食店用オーダシステム及び飲食店用オーダ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、カラオケ店などを利用する際に、飲食を伴うことから時間の観念が薄らぎ、最終電車の時刻を失念するようなことがある。そこで、カラオケ店などでは、顧客の会員情報に基づいて最終電車や最終バスの発車時刻が近づくと、それをモニタ上に表示して、顧客に注意を促すものが開示されている(特許文献1、2を参照)。
【0003】
また、最近の飲食店では、顧客がテーブルにあるオーダ端末(TTO端末)を使って、表示部に表示されたメニュー画面を見ながら飲食を注文することが行われている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−15485号公報
【特許文献2】特開2007−10998号公報
【特許文献3】特開2009−157421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献3にあっては、顧客が退店時刻を登録しオーダ端末の表示部に顧客の退店時刻を表示する機能を持っていなかった。また、仮に、特許文献1及び2に基づいて、特許文献3のオーダ端末の表示部に退店時刻まで表示させることができたとしても、顧客が飲食をしながら話していると、表示部に表示されている退店時刻を見忘れてしまい、退店時刻を過ぎてしまうという問題があった。
【0006】
さらに、顧客は、前記モニタや前記表示部に表示された退店時刻を確認できれば、退店時刻通りに店を出ることも可能である。しかし、飲食店の場合、顧客は、退店時刻前に注文していた飲食物が退店時刻到来時にまだ提供されていないか、あるいは、既に提供されているがまだ飲食し終わっていない状況では、直ちに退店することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、顧客が登録した退店時刻に合わせてラストオーダの飲食メニューを提示し、注文した飲食物が退店時刻までに提供され、飲食し終ることができ、退店時刻に確実に退店することが可能な飲食店用オーダシステム及び飲食店用オーダ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の飲食店用オーダシステムは、各テーブルに備えつけられ、表示部に表示された飲食メニューを選択して注文を行うと共に、退店時刻及び各種情報の入力が可能な入力部を有するオーダ端末装置と、前記オーダ端末装置の前記表示部に各テーブルの顧客に対して各種情報を提示するオーダ制御装置とが回線で接続された飲食店用オーダシステムであって、前記オーダ制御装置は、計時部と、前記飲食メニューと、前記飲食メニュー毎に設定されたラストオーダの基準となるオーダ制限時間と、前記オーダ端末装置から入力された前記テーブル毎の退店時刻と、を記憶する記憶部と、前記テーブル毎に入力された前記退店時刻と前記飲食メニュー毎の前記オーダ制限時間に基づいて、前記注文可能な最終時刻である前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻を算出し、前記記憶部に記憶させるラストオーダ時刻算出部と、前記計時部による計時時刻が、前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻となった場合、前記オーダ端末装置に対して前記メニュー毎にラストオーダであることを表示させる制御部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の飲食店用オーダシステムは、前記制御部は、前記計時部による計時時刻が、前記記憶部に記憶された前記退店時刻になった場合、前記オーダ端末に対して退店時刻が到来したことを表示させることが好ましい。
【0010】
また、本発明の飲食店用オーダシステムは、前記制御部は、前記飲食メニューのラストオーダ時刻が到来すると、事前に設定した退店時刻を延長するか否かを選択する選択画面を表示させると共に、延長が選択された場合には延長時間の設定を行う設定画面を前記オーダ端末装置に表示させて希望する延長時間を入力させ、前記ラストオーダ時刻算出部は、前記オーダ端末装置から入力された延長時間に基づいて、前記飲食メニューのラストオーダ時刻を算出し直すことが好ましい。
【0011】
また、本発明の飲食店用オーダシステムは、前記制御部は、前記ラストオーダ時刻算出部によって算出された前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻となった場合、前記オーダ端末に表示させる前記飲食メニューのうち、既にラストオーダ時刻が過ぎたメニューの表示を非活性化して選択できないようにすることが好ましい。
【0012】
また、本発明の飲食店用オーダ方法は、各テーブルに備えつけられ、表示部に表示された飲食メニューを選択して注文を行うと共に、退店時刻及び各種情報の入力が可能な入力部を有するオーダ端末装置と、前記オーダ端末装置の前記表示部に各テーブルの顧客に対して各種情報を提示するオーダ制御装置とが回線で接続された飲食店用オーダシステムで実行される飲食店用オーダ方法であって、前記飲食店用オーダシステムの前記オーダ制御装置は、計時部と、記憶部と、ラストオーダ時刻算出部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記オーダ端末装置から入力された前記テーブル毎の退店時刻を前記記憶部に記憶させる工程と、前記ラストオーダ時刻算出部が、前記退店時刻と前記記憶部に記憶されている前記飲食メニュー毎のラストオーダの基準となるオーダ制限時間に基づいて、前記飲食メニューの注文可能な最終時刻であるラストオーダ時刻を算出する工程と、算出された前記ラストオーダ時刻とを前記記憶部に記憶させる工程と、前記制御部は、前記計時部による計時時刻が、前記記憶部に記憶された前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻となった場合、前記オーダ端末装置に対してラストオーダであることを知らせる表示を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、オーダ端末装置とオーダ制御装置とが回線で接続され、オーダ制御装置の記憶部が、飲食メニューと、飲食メニュー毎に設定されたラストオーダの基準となるオーダ制限時間と、オーダ端末装置から入力されたテーブル毎の退店時刻とを記憶し、オーダ制御装置のラストオーダ時刻算出部が、テーブル毎に入力された退店時刻と飲食メニュー毎のオーダ制限時間とに基づき、飲食メニュー毎のラストオーダ時刻を算出して記憶部に記憶させ、オーダ制御装置の制御部が、計時部によって飲食メニュー毎のラストオーダ時刻になると、オーダ端末装置に対しメニュー毎にラストオーダであることを表示させるため、顧客が登録した退店時刻に合わせてラストオーダの飲食メニューを提示し、注文した飲食物が退店時刻までに提供され、飲食し終ることができ、退店時刻に確実に退店することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる飲食店用オーダシステムの構成を示す図である。
【図2】図2は、図1のTTO端末の表示部に表示される退店時刻登録開始画面例を示す図である。
【図3】図3は、図1のTTO端末の表示部に表示される退店時刻の登録画面例を示す図である。
【図4】図4は、図1のTTO端末の表示部に表示される飲食メニューの表示画面例を示す図である。
【図5】図5は、図1のTTO端末の表示部に表示される退店時刻の延長選択画面例を示す図である。
【図6】図6は、図1のTTO端末の表示部に表示される退店時刻の延長時間の選択画面例を示す図である。
【図7】図7は、図1のTTO端末の表示部に表示される会計画面例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態にかかる飲食店用オーダシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、図8の注文登録動作におけるサブルーチンを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる飲食店用オーダシステム及び飲食店用オーダ方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0016】
[構成説明]
図1は、本発明の一実施形態にかかる飲食店用オーダシステムの構成を示す図である。本実施例にかかる飲食店用オーダシステムのハードウェア構成としては、図1に示すように、顧客が注文等で使用するオーダ端末装置としてのテーブル・トップ・オーダ端末(以下、TTO端末という)1−1,1−2、飲食メニュー、顧客からの注文、精算などの管理を行うオーダ制御装置としてのオーダサーバ2、店舗従業員が携帯して顧客からの注文を入力するハンディ・ターミナル(以下、HTという)3、各種情報を印字するオーダプリンタ4−1〜4−3、及びオーダサーバ2からのオーダ情報に基づいて会計処理を行うレジスタPOS(以下、POSと略称する)5などを備えている。そして、上記各部は、店舗内における回線として、有線あるいは無線のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)6を介してそれぞれが接続されている。
【0017】
[TTO端末の構成]
TTO端末1−1(TTO端末1−2も同様に構成されているため、対応する符号を括弧内に記載し、重複説明を省略する。)は、居酒屋やカラオケ店等の飲食店舗内の客席である第1テーブル13−1(第2テーブル13−2)に配置され、顧客が表示された飲食メニュー画面の中から希望のメニューを選択して注文を行うものである。このTTO端末1−1(1−2)には、飲食メニュー画面等を表示する表示部12−1(12−2)と、その表示画面にタッチ(押下)することで入力を行うタッチパネルなどからなる入力部11−1(11−2)とを備えている。表示部12−1(12−2)には、後述するように、飲食メニュー画面の他、退店時刻登録画面、退店時刻の延長選択画面、延長時間の選択画面、あるいは会計画面などを表示することができる。
【0018】
[オーダサーバの構成]
オーダサーバ2は、店舗内のTTO端末1−1(1−2)、POS5、HT3、及びオーダプリンタ4−1〜4−3を管理する。オーダサーバ2は、計時部21、ラストオーダ時刻算出部22、制御部23、HDDなどを使用した記憶部24の他、表示部25と入力部26を具備している。
【0019】
計時部21は、現時刻を計時するタイマなどで構成されている。
【0020】
ラストオーダ時刻算出部22は、登録された退店時刻に基づいて、飲食メニューの注文が可能な最終時刻であるラストオーダ時刻を算出するところである。
【0021】
記憶部24は、主にオーダサーバ2とTTO端末1−1(1−2)との間で管理される情報を記憶するところである。例えば、店舗で用いられる飲食メニューの情報ファイル、入力された退店時刻が記憶されるテーブル毎の退店時刻ファイル、あるいは、ラストオーダ時刻算出部22で算出されたラストオーダ時刻ファイルなどが記憶されている。
【0022】
制御部23は、オーダサーバ2の各部の制御を行うとともに、LAN6を介してTTO端末1−1、1−2、HT3、オーダプリンタ4−1〜4−3、POS5とも連携している。そして、制御部23は、計時部21と記憶部24に記憶されたラストオーダ時刻とに基づいて、飲食メニューの注文が可能な最終時刻が到来すると、TTO端末1−1(1−2)の表示部12−1(12−2)に対してラストオーダであることを知らせる表示を行ったり、飲食メニューの画面表示、退店時刻の登録表示、退店時刻の延長表示、あるいは会計結果表示などを表示させたりする。また、制御部23は、ラストオーダ後は注文を受け付けないように制御する他、後述するように、ラストオーダ時刻を注文状況に応じて一時的にシフトさせることにより、ラストオーダ時刻の調整を行っている。
【0023】
オーダサーバ2の表示部25と入力部26とは、店舗内における現在の注文状況や顧客の来店状況といった管理情報を表示したり、店舗側から各種設定を行ったりする際に用いられる。
【0024】
[HTの構成]
HT3は、表示部31と入力部32とを備えており、LAN6に接続された無線中継器33を介して無線で接続されている。HT3は、オーダサーバ2の制御部23によって飲食メニュー画面を表示部31に表示させ、店舗従業員が顧客からの注文を聞いて入力部32から入力する他、退店時刻、あるいは、退店時刻の延長を顧客から聞いて入力部32から入力することができる。また、HT3は、表示部31にテーブル毎のラストオーダ時刻や退店時刻を表示させることで、店舗従業員がそれを見ながら、該当する顧客に対してラストオーダ時刻が到来しているメニュー、あるいは、退店時刻が到来していることなどを伝えることができる。
【0025】
本実施例におけるHT3とTTO端末1−1,1−2との関係は、飲食メニューの注文、退店時刻の登録、退店時刻の延長、退店時刻の表示、ラストオーダ時刻の表示などが行える点で機能的に同じである。しかし、HT3は、店舗従業員を介して情報を入力し、店舗従業員が顧客に対して情報を通知する必要があるのに対し、TTO端末1−1(1−2)は、顧客自身で情報を入力し、表示部に表示された情報を顧客自身で確認できる点で異なっている。以下の実施例では、主にオーダサーバとTTO端末との間の処理で説明するが、本発明はこれに限定されず、オーダサーバに対してHTとTTO端末の少なくとも一方を用いて実施することが可能である。
【0026】
[オーダプリンタの構成]
オーダプリンタ4−1〜4−3は、店舗内の飲食メニューを調理するための厨房、所定テーブル数毎に配置する他、POS5の近辺などに配置されている。厨房に設置されたオーダプリンタは、オーダサーバ2からの指示により、顧客からの注文メニューが入ると印字し、調理、配膳に利用される。厨房以外に設置されたオーダプリンタは、注文情報、退店時刻、ラストオーダ時刻、あるいは、会計結果等を用紙に印字し、顧客に渡すことができる。これにより、注文情報を印字した用紙は、顧客自身に注文内容を確認させることができ、退店時刻やラストオーダ時刻を印字した用紙は、それぞれの時刻を確実に通知することができ、さらに、会計結果を印字した用紙は、会計処理をスムーズに行うことができる。
【0027】
[POSの構成]
POS5は、会計時においてオーダサーバ2によりテーブル毎の注文情報を取得して、会計処理することができる。そして、オーダサーバ2は、記憶部24内において会計処理の済んだテーブルの注文情報、退店時刻情報、及び、ラストオーダ時刻情報等を消去することにより、退店済み(空席)となる。
【0028】
[動作説明]
以上のように構成された本実施例の飲食店用オーダシステムを用いて、以下具体的な動作を説明する。図2〜図7は、図1のTTO端末の表示部に表示される各種の表示画面例を示した図であり、図8は、飲食店用オーダシステムの動作を説明するフローチャートであり、図9は、図8の注文登録動作におけるサブルーチンを説明するフローチャートである。以下では、図8及び図9に示す動作の流れに基づいて、各動作中に表示される図2〜図7の表示画面例を引用しながら説明する。
【0029】
図1に示す飲食店用オーダシステムでは、オーダサーバ2の記憶部24内の所定領域に予めオーダ制限時間を登録しておく(ステップS100)。オーダ制限時間とは、店舗閉店時の一定時間前に設定された一般的なラストオーダとは異なる概念である。つまり、ここでいうオーダ制限時間とは、テーブル毎に顧客が退店時刻を設定した場合(ステップS101)、退店時刻から逆算して飲食メニューの注文可能な最終時刻を算出するため、各飲食メニューの調理時間と、その飲食メニューを飲食するのに必要な時間との合計時間のことである。このように、飲食メニュー毎のオーダ制限時間を予め登録しておくことで、設定された退店時刻から逆算して、どの飲食メニューを何時までに注文すれば退店時刻に合わせて飲食し終えることができるかを容易に算出することができる。これにより、顧客は、退店時刻が近づくに従って、注文できる飲食メニューが少なくなり、ある一定時刻を過ぎると飲食メニューの注文が一切できなくなることから、退店時刻が近いことを容易に理解することができる。また、顧客が既に注文した飲食物については、当該飲食メニューの調理時間と、飲食に要する時間が考慮されてラストオーダ時刻が設定されるため(ステップS102)、退店時刻までに確実に飲食を済ませることができる。ステップS100のオーダ制限時間の登録は、例えば、図1に示すオーダサーバ2の表示部25にオーダ制限時間の登録画面を表示させ(図示省略)、表示された各飲食メニューに対して、入力部26を用いてメニュー内容に応じたオーダ制限時間をセットし、登録ボタン(図示省略)を押下することで、飲食メニュー毎のオーダ制限時間を登録することができる。
【0030】
本実施例におけるオーダ制限時間の一例として、例えば、「ほっけの干物」は30分、「肉じゃが」は20分、「焼酎(米、芋、麦)のボトル」は60分、「焼酎(米、芋、麦)のグラス」、「生ビール」は20分といったように、オーダサーバ2の記憶部24内に飲食メニュー毎のオーダ制限時間を予め登録しておくものとする。
【0031】
まず、顧客が来店し、図1の第1テーブル13−1に座り、TTO端末1−1を見ると、図2に示すような画面が表示部12−1に表示されている。ここで、顧客は、終電などを考慮して「22:30」までに退店する場合は、図2に示す「はい」ボタン50を押下すると、図3に示す退店時刻の登録画面に移行し、退店時刻を登録する(ステップS101)。退店時刻の登録は、図3に示す「上矢印」ボタン52を押下すると数字54がインクリメントされ、「下矢印」ボタン53を押下すると数字54がデクリメントされる。これにより、退店時刻を任意の時刻に合わせることができる。ここでは、図3に示すように、「22:30」に時刻を合わせた後、「登録」ボタン55を押下することでオーダサーバ2の記憶部24内の退店時刻を格納する領域に登録される。この登録動作は、図1に示すオーダサーバ2の制御部23がTTO端末1−1の表示部12−1に退店時刻登録画面を表示させる。顧客が画面に従って退店時刻を入力し、「登録」ボタン55が押下されると、退店時刻登録部22は、TTO端末1−1からの入力情報を退店時刻として、オーダサーバ2の記憶部24内の退店時刻を格納する領域に登録させる。
【0032】
そして、オーダサーバ2のラストオーダ時刻算出部22は、記憶部24に格納した退店時刻と、予め登録されている飲食メニュー毎のオーダ制限時間とに基づいて、飲食メニュー毎の注文が可能な最終時刻、つまり飲食メニュー毎のラストオーダ時刻を算出し、算出されたラストオーダ時刻をオーダサーバ2の記憶部24内に格納する(ステップS102)。
【0033】
続いて、オーダサーバ2の制御部23は、計時部21による現時刻と、記憶部24に格納されている退店時刻とを照合することにより、退店時刻が到来したか否かを判断する(ステップS103)。制御部23は、退店時刻が到来していなければ(ステップS103でNo)、飲食メニューのラストオーダ時刻が1つでも到来していなければ(ステップS104でNo)、飲食メニューの注文登録が行われる(ステップS105)。
【0034】
制御部23は、飲食メニューを注文後(または、注文が行われない場合もある)、ステップS103に戻り、計時部21による現時刻と、記憶部24に格納されている退店時刻とを照合し、退店時刻が到来するまでは(現時刻<退店時刻)ステップS103とステップS105の間で処理が繰り返される。
【0035】
また、ステップS103において、オーダサーバ2の制御部23は、現時刻と退店時刻とを照合し、退店時刻になった場合(ステップS103でYes)、HT3の表示部31、及びTTO端末1−1の表示部12−1に対して退店時刻が到来したことを示す、例えば「第1テーブルのお客様、お帰りの時間になりました。退店時刻を延長されますか?」というアナウンス表示を行い、退店時刻が到来したことを顧客に知らせる。この時、図示しないスピーカからブザー音を鳴動させてもよい(ステップS106)。そして、制御部23は、退店時刻を延長するか否かを顧客に選択させる選択画面(図示しない)をTTO端末1−1の表示部12−1に表示させる(ステップS107)。
【0036】
顧客が退店時刻の延長を行わない場合(ステップS107でNo)、制御部23は、HT3の表示部31、TTO端末1−1の表示部12−1、及び最寄りのオーダプリンタ4−3に対して「第1テーブルのお客様、お忘れ物の無いよう、会計伝票をお持ちになってレジへお進み下さい。」というアナウンス表示を行い、最寄りのオーダプリンタ4−3から図7に示すような会計伝票を自動出力する(ステップS108)。この自動出力した会計伝票は、店舗従業員が顧客へ渡し、POS5のあるレジで会計処理を済ませる。
【0037】
また、上記ステップS107において、顧客が退店時刻を延長する場合(ステップS107でYes)、退店時刻をどの程度延長するかを顧客に選択させ、退店時刻を更新する(ステップS109)。ここで、退店時刻が更新されると、上記ステップS102で退店時刻に基づいて設定されたラストオーダ時刻も更新される(ステップS110)。このように、退店時刻が更新されると、ステップS103に戻り、退店時刻が到来するまで上記処理が繰り返される。
【0038】
また、上記ステップS103において、退店時刻は到来していないが(ステップS103でNo)、各飲食メニューの一つでもラストオーダ時刻が到来した場合(ステップS104でYes)、制御部23は、HT3の表示部31、及びTTO端末1−1の表示部12−1に対して「第1テーブルのお客様、ラストオーダ時刻が到来したメニューがあります。」というアナウンス表示を行い、この時図示しないスピーカからブザー音を鳴動させてもよい。そして、制御部23は、顧客に対して図4に示すような「ドリンク」ボタン56の色(ハッチング表示)を他のメニューボタンの色(白バック表示)と変えて表示することで、ラストオーダ時刻の到来したメニューがあることを知らせる(ステップS111)。
【0039】
図4に示す飲食メニューの選択画面例では、顧客が「ドリンク」ボタン56を押下すると、下欄に「生ビール、瓶ビール、(焼酎の)米グラス、(焼酎の)芋グラス、(焼酎の)麦グラス、(焼酎の)米ボトル、(焼酎の)芋ボトル、(焼酎の)麦ボトル」といった8種類のドリンクのメニューが表示される。このうち、「生ビール、瓶ビール、(焼酎の)米グラス、(焼酎の)芋グラス、(焼酎の)麦グラス」の5種類のボタンの色を変えて表示する(ハッチング表示:活性化したメニューボタンを意味する)ことで、ラストオーダであることが分かる。また、「(焼酎の)米ボトル、(焼酎の)芋ボトル、(焼酎の)麦ボトル」の3種類のメニューボタンについては、ボトル全部を飲み終えるまでに時間がかかるため、オーダ制限時間が長めに登録されている(例えば、60分)。このため、比較的短時間で飲み終える「生ビール、瓶ビール、(焼酎の)米グラス、(焼酎の)芋グラス、(焼酎の)麦グラス」など(オーダ制限時間20分)と比べると、ボトルのメニューボタンの方が先にラストオーダ時刻が到来する。その結果、「(焼酎の)米ボトル、(焼酎の)芋ボトル、(焼酎の)麦ボトル」の3種類については、ラストオーダ時刻を既に過ぎており、メニューボタンの色が変わっている(砂地表示:非活性化したボタンを意味する)ため、退店時刻の延長を行わない限り注文することができない。また、「生ビール、瓶ビール、(焼酎の)米グラス、(焼酎の)芋グラス、(焼酎の)麦グラス」の5種類については、ラストオーダ時刻が到来しているが、所定の注文可能な時間(例えば3分)を経過し、その前に退店時刻の延長を行わなかった場合(ステップS112でNo)、ステップS113でメニューボタンの色が(ハッチング表示から砂地表示に)変わると、ボタンが非活性化され、注文ができなくなる。
【0040】
ここで、顧客は、メニューボタンが既に非活性化されている「(焼酎の)米ボトル」を注文したい場合は、図4に示す飲食メニューの下段に表示された退店時刻を延長するための「延長」ボタン57を押下する。すると、オーダサーバ2の制御部23は、図5に示すように、退店時刻を延長するか否かの選択画面を表示させる(ステップS112)。顧客が「延長する」ボタン59を押下すると(ステップS112でYes)、制御部23は、図6に示すような延長時間の選択画面を表示させる。顧客は、この中から任意の延長時間を選択すれば良いが、図3に示すように、当初の退店時刻の設定が「22:30」であり、店の閉店時刻が例えば「23:30」の場合には、最大でも60分しか延長できないため、「1時間半」以上の延長時間は選択できないように非活性化表示してもよい。顧客は、「1時間」の延長ボタン61を押下すると、オーダサーバ2の退店時刻登録部22は、1時間延長したことにより、退店時刻が更新されると共に(ステップS109)、ラストオーダ時刻も更新される(ステップS110)。そして、オーダサーバ2の制御部23は、退店時刻とラストオーダ時刻が更新されたことにより、非活性化されていた「(焼酎の)米ボトル、(焼酎の)芋ボトル、(焼酎の)麦ボトル」の3種類のメニューボタンが再び活性化され(砂地表示が解除)、注文が可能となる。また、今回ラストオーダ時刻の到来したメニューボタンの色が通常の色に戻る(ハッチング表示が解除)。なお、30分延長した場合では、退店時刻までの時間が50分しかないため、「(焼酎の)米ボトル、(焼酎の)芋ボトル、(焼酎の)麦ボトル」の3種類のメニューボタンは活性化されない。
【0041】
一方、制御部23は、TTO端末1−1の表示部12−1に図5に示すような退店時刻を延長するか否かの選択画面を表示させ、顧客が「延長しない」ボタン60を押下すると(ステップS112でNo)、ラストオーダ時刻が到来したラストオーダ対象商品のメニューボタンを非活性化(ハッチング表示から砂地表示に)して注文できなくする(ステップS113)。そして、ステップS103に戻り、ラストオーダ時刻にかかっていないメニューボタンを使って、退店時刻が到来するまで上記処理が繰り返される。
【0042】
続いて、図8のステップS105における注文登録処理の動作を、図9のフローチャートを用いて説明する。オーダサーバ2の制御部23は、HT3の表示部31、及びTTO端末1−1の表示部12−1に対して図4に示すような飲食メニューを表示させる(ステップS200)。顧客は、飲食メニューを見ながら注文したいメニューボタンを押下する(ステップS201)。ここで、顧客は、図4の「ドリンク」ボタン56を押下すると、その下欄にドリンク関連の「生ビール、瓶ビール、(焼酎の)米グラス、(焼酎の)芋グラス、(焼酎の)麦グラス、(焼酎の)米ボトル、(焼酎の)芋ボトル、(焼酎の)麦ボトル」のドリンクメニューが表示される。この時、「(焼酎の)米ボトル、(焼酎の)芋ボトル、(焼酎の)麦ボトル」の3種類は、既にラストオーダ時刻が過ぎているので、注文できないように非活性化表示(砂地表示)になっている。ここで、顧客は、表示されたメニューボタンの中から「生ビールボタン」を押下したとする。この時、オーダサーバ2の制御部23は、「生ビール」の現在の注文状況に基き、生ビールの注文が集中して実際に提供されるまでに相当時間がかかり、ステップS102で設定された「生ビール」のラストオーダ時刻の変更を要するか否かを判断する(ステップS202)。ラストオーダ時刻の変更を要しない場合は(ステップS202でNo)、注文登録処理により注文を受け付けて(ステップS204)、図8に戻る。ラストオーダ時刻の変更を要する場合は(ステップS202でYes)、注文状況に応じて一時的にラストオーダ時刻を早める方向にシフトさせて(ステップS203)、図8に戻る。
【0043】
図8でステップS103に戻り、一時的にシフトさせた「生ビール」のラストオーダ時刻に基づいて、ステップS103以下の処理が行われる。ラストオーダ時刻は、注文が集中したことにより一時的にシフトさせたものであり、ラストオーダ時刻は早く到来することになる。このため、ラストオーダ時刻を一時的にシフトさせたメニューについては、図8のステップS104からステップS111に移行し、退店時刻の延長を行わないと(ステップS112)、ラストオーダ対象商品となり、メニューボタンが非活性化される(ステップS113)。このように、制御部23は、通常時であれば注文可能なメニューであっても、特定のメニューに注文が集中している状況下では退店時刻に間に合わなくなる可能性があるため、ラストオーダ時刻を注文状況に応じて一時的にシフトさせることで、メニューを非活性化させ、注文できないように調整することができる。
【0044】
このように、本実施例によれば、テーブル毎に顧客の退店時刻を登録することができ、その登録された退店時刻に基づいて、自動的に飲食メニューの注文が可能な最終時刻であるラストオーダ時刻が設定されるため、退店時刻の到来前でもラストオーダ時刻を過ぎた飲食メニューから注文できなくなるので、退店時刻までに食べ終わることができ、退店時刻に余裕をもって退店することができるという効果を奏する。
【0045】
また、本実施例によれば、テーブル毎に顧客の退店時刻が登録されているため、退店時刻が到来するのと同時に、自動的に精算処理を行うことができ、会計処理がスムーズに行われることから、登録された退店時刻に店を出ることが可能となる。
【0046】
また、本実施例によれば、テーブル毎に顧客の退店時刻が登録されているため、次に待っている客に待ち時間を正確に伝えることができると共に、店舗従業員は退店時間の到来しているテーブルを把握して退店を促すことができるという効果を奏する。
【0047】
また、本実施例によれば、当初設定したメニューのラストオーダ時刻が到来していなくても、注文が集中するなど注文対象メニューが提供されるまでに時間のかかる状況が生じた場合は、ラストオーダ時刻を注文状況に応じてシフトさせることで、実際の状況に則してラストオーダ時刻を設定することができるという効果を奏する。
【0048】
なお、上記実施例では、予め登録しておくオーダ制限時間として、各飲食メニューの調理時間に、その飲食メニューを飲食するのに要する時間を加えた合計時間としたが、必ずしもこれに限定されず、全ての飲食メニューの中から最も長い時間を要するメニューを基準として一律のオーダ制限時間を設定しても良い。また、これ以外にも、飲食メニューを飲み物と食べ物に分け、飲み物の中から最も長い時間を要するメニューを飲み物のオーダ制限時間として設定し、食べ物の中から最も長い時間を要するメニューを食べ物のオーダ制限時間として設定しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる飲食店用オーダシステム及び飲食店用オーダ方法は、飲食店の顧客が退店時刻を予め登録できる場合に有用であり、特に、店舗情報を管理するオーダサーバとHTやTTO端末との間で飲食メニューを電子的に注文することのできる飲食店用オーダシステム及び飲食店用オーダ方法に適している。
【符号の説明】
【0050】
1−1,1−2 テーブル・トップ・オーダ(TTO)端末
11−1,11−2 入力部
12−1,12−2 表示部
2 オーダサーバ
21 計時部
22 退店時刻登録部
23 ラストオーダ時刻算出部
24 表示制御部
25 制御部
26 記憶部(HDD)
27 表示部
28 入力部
3 ハンディ・ターミナル(HT)
31 表示部
32 入力部
33 無線中継器
4−1〜4−3 オーダプリンタ
5 レジスタPOS
6 LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各テーブルに備えつけられ、表示部に表示された飲食メニューを選択して注文を行うと共に、退店時刻及び各種情報の入力が可能な入力部を有するオーダ端末装置と、前記オーダ端末装置の前記表示部に各テーブルの顧客に対して各種情報を提示するオーダ制御装置とが回線で接続された飲食店用オーダシステムであって、
前記オーダ制御装置は、
計時部と、
前記飲食メニューと、前記飲食メニュー毎に設定されたラストオーダの基準となるオーダ制限時間と、前記オーダ端末装置から入力された前記テーブル毎の退店時刻と、を記憶する記憶部と、
前記テーブル毎に入力された前記退店時刻と前記飲食メニュー毎の前記オーダ制限時間に基づいて、前記注文可能な最終時刻である前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻を算出し、前記記憶部に記憶させるラストオーダ時刻算出部と、
前記計時部による計時時刻が、前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻となった場合、前記オーダ端末装置に対して前記メニュー毎にラストオーダであることを表示させる制御部と、
を備えていることを特徴とする飲食店用オーダシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記計時部による計時時刻が、前記記憶部に記憶された前記退店時刻になった場合、前記オーダ端末に対して退店時刻が到来したことを表示させることを特徴とする請求項1に記載の飲食店用オーダシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記飲食メニューのラストオーダ時刻が到来すると、事前に設定した退店時刻を延長するか否かを選択する選択画面を表示させると共に、延長が選択された場合には延長時間の設定を行う設定画面を前記オーダ端末装置に表示させて希望する延長時間を入力させ、
前記ラストオーダ時刻算出部は、
前記オーダ端末装置から入力された延長時間に基づいて、前記飲食メニューのラストオーダ時刻を算出し直すことを特徴とする請求項1または2に記載の飲食店用オーダシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記ラストオーダ時刻算出部によって算出された前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻となった場合、前記オーダ端末に表示させる前記飲食メニューのうち、既にラストオーダ時刻が過ぎたメニューの表示を非活性化して選択できないようにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の飲食店用オーダシステム。
【請求項5】
各テーブルに備えつけられ、表示部に表示された飲食メニューを選択して注文を行うと共に、退店時刻及び各種情報の入力が可能な入力部を有するオーダ端末装置と、前記オーダ端末装置の前記表示部に各テーブルの顧客に対して各種情報を提示するオーダ制御装置とが回線で接続された飲食店用オーダシステムで実行される飲食店用オーダ方法であって、
前記飲食店用オーダシステムの前記オーダ制御装置は、計時部と、記憶部と、ラストオーダ時刻算出部と、制御部とを備え、
前記制御部は、前記飲食メニューと、前記飲食メニュー毎に設定されたラストオーダの基準となるオーダ制限時間と、前記オーダ端末装置から入力された前記テーブル毎の退店時刻とを前記記憶部に記憶させる工程と、
前記ラストオーダ時刻算出部は、前記退店時刻と前記記憶部に記憶されている前記飲食メニュー毎のラストオーダの基準となるオーダ制限時間とに基づいて、前記飲食メニューの注文可能な最終時刻であるラストオーダ時刻を算出し、該算出された前記ラストオーダ時刻を前記記憶部に記憶させる工程と、
前記制御部は、前記計時部による計時時刻が、前記記憶部に記憶された前記飲食メニュー毎のラストオーダ時刻となった場合、前記オーダ端末装置に対してラストオーダであることを知らせる表示を行う工程と、
を含むことを特徴とする飲食店用オーダ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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