説明

飲食店用テーブル及びこのテーブルを用いた電子メニュー装置

【課題】飲食物のボリューム感を客に正しく伝えられる飲食店用テーブルを提供する。
【解決手段】脚部24a〜24dによって支持された天板22に、メニュー品目の三次元画像を表示面に立体視可能に表示するための立体視ディスプレイ17を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店において、食卓として用いられる飲食店用テーブル及びこのテーブルを用いた電子メニュー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
卓上用の端末を用いた飲食店の注文システムは、既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載のシステムは、ディスプレイと入力部とを備えた端末を飲食店の各テーブル(食卓)に設置する。ディスプレイには、各メニュー品目の名称、画像等のメニューデータが表示される。客は、ディスプレイに表示されたメニューデータを見て、注文する品目を探す。そして、注文する品目を決定したならば、その品目の画像等がディスプレイに表示されているときに入力部の注文ボタンを押下する。そうすると、この品目に関する注文データが厨房端末に伝送され、受注処理される。
【特許文献1】特開平09−288772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の卓上用端末では、メニュー品目の画像が平面的な二次元画像として表示されていたので、実物のボリューム感を客が把握しづらいという問題があった。このため、卓上用端末に表示された画像から推測した量よりも少なかったり、逆に多かったりして、客に不快感を与えることがあった。また、ディスプレイはテーブルの天板上に置かれるため、料理品を配膳する際の妨げになる上、料理品を置くスペースにも制約が生じるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、飲食店で提供される飲食物のボリューム感を客に正しく伝えることができ、客の満足度を高め得る飲食店用テーブル及びこのテーブルを用いた電子メニュー装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲食店用テーブルは、天板と、この天板を支持する脚部とを備えた飲食店用テーブルにおいて、天板に、メニュー品目の三次元画像を表示面に立体視可能に表示するディスプレイを設けたものである。
【0007】
本発明の電子メニュー装置は、上記飲食店用テーブルと、この飲食店用テーブルのディスプレイに、メニュー品目のリストを表示させるリスト表示制御手段と、メニュー品目のリストの中から選択されたメニュー品目の三次元画像をディスプレイに表示させる画像表示制御手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、飲食店で提供される飲食物のボリューム感を客に正しく伝えることができ、客の満足度を高め得る飲食店用テーブル及びこのテーブルを用いた電子メニュー装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、ファミリーレストラン等の飲食店に構築される電子メニューシステムに本発明を適用した場合である。
【0010】
本実施の形態における電子メニューシステムの一構成例を図1に示す。図示するように、電子メニューシステムは、複数の電子メニュー端末1と、データベースサーバ2と、注文管理サーバ3とからなる。各電子メニュー端末1は、それぞれLAN(Local Area Network)等の通信回線4を介して、データベースサーバ2及び注文管理サーバ3に接続している。
【0011】
注文管理サーバ3は、顧客の注文データを管理するのに特化したコンピュータ機器であり、専用回線5を介して厨房端末6とPOS(Point Of Sales)端末7とを接続している。厨房端末6は、各顧客の注文データに基づいて厨房への調理指示データを生成し、表示または印字出力する。POS端末7は、会計を申し出た顧客の注文データから代金を算出し、その代金に対する支払データを処理してレシート発行等を行う。なお、注文管理サーバ3と厨房端末6及びPOS端末7とを接続する回線は専用回線5に限定されるものではなく、厨房端末6及びPOS端末7を通信回線4に接続し、この通信回線4を介して注文管理サーバ3との間でデータを送受信してもよい。
【0012】
データベースサーバ2は、カテゴリデータベース2A、品目データベース2B、画像データベース2C、画面データベース2D等の種々のデータベースを管理するのに特化したコンピュータ機器である。
【0013】
カテゴリデータベース2Aは、各種のメニュー品目を分類するためのカテゴリに関する情報を記憶する領域であり、その1レコードのデータ構造を図2に示す。図示するように、カテゴリデータベース2Aに保存されるレコードは、カテゴリコードとカテゴリ名称とを含む。カテゴリ名称は、例えばハンバーガー類、パスタ類、カレー類、ドリンク類、デザート類等のカテゴリを示す名称である。カテゴリコードは、各カテゴリを識別するためにカテゴリ毎に割り当てられた固有のコードである。
【0014】
品目データベース2Bは、各メニュー品目に関する情報を記憶する領域であり、その1レコードのデータ構造を図3に示す。図示するように、品目データベース2Bのレコードは、品目コード、属性カテゴリコード、品目名称、単価、2D画像コード、3D画像コード、を含む。
【0015】
品目コードは、各メニュー品目を識別するために品目毎に割り当てられた固有のコードである。属性カテゴリコードは、当該メニュー品目が所属するカテゴリのカテゴリコードである。品目名称及び単価は、当該メニュー品目の名称及びその1品あたりの価格である。
【0016】
2D画像コードは、当該メニュー品目の二次元画像データを識別するためのコードである。3D画像コードは、当該メニュー品目の三次元画像データを識別するためのコードである。三次元画像のデータは、後述する立体視ディスプレイ17に出力されることにより、このディスプレイの表示面に、表示対象を立体的に広がりを持つ三次元画像として表示させる。このとき、三次元画像の少なくとも平面的な広がり方向の大きさは、表示対象であるメニュー品目の実物と略同一サイズとなるように各種のパラメータが設定されている。また、高さ方向の大きさも、表示対象であるメニュー品目の実物と可能な限り同一サイズに近付くように各種のパラメータが設定されている。
【0017】
画像データベース2Cは、各種の画像データを記憶する領域であり、その1レコードのデータ構造を図4に示す。図示するように、画像データベース2Cのレコードは、画像コードと画像データとを含む。画像データは、各メニュー品目の二次元画像データや三次元画像データ等である。画像コードは、対応する画像データを識別するために画像データ毎に割り当てられた固有のコードである。
【0018】
ここに、品目データベース2Bと画像データベース2Cとは、メニュー品目毎に画像データを含むメニューデータを記憶するメニューデータ記憶部として機能する。なお、品目データベース2Bにおいて、画像コードの代わりに画像データを記憶することにより、メニューデータ記憶部を品目データベース2Bのみで実現することは可能である。
【0019】
画面データベース2Dは、各種画面に関する情報を記憶する領域であり、その1レコードのデータ構造を図5に示す。図示するように、画面データベース2Dのレコードは、画面コード、画面名称、レイアウトデータ、及び複数(1〜n:n>1)の3Dボタン画像とそのボタン名称を含む。
【0020】
画面コードは、電子メニュー端末1のディスプレイに表示される各種の画面を識別するために画面毎に割り当てられた固有のコードである。画面名称は、当該画面に設定された名称である。レイアウトデータは、当該画面を構成する各部品の割付位置、大きさ、色等を示すデータである。3Dボタン画像は、立体視可能なボタン部品の画像データである。ボタン名称は、対応する3Dボタン画像内に表示される名称である。画面の種類については後述する。
【0021】
次に、電子メニュー端末1について説明する。電子メニュー端末1は、飲食店で客に提供される複数の飲食メニュー品目の一覧を表示する電子メニュー装置としての機能と、各メニュー品目の中から客が注文したメニュー品目を注文管理サーバに伝達するオーダ入力装置としての機能とを有する。
【0022】
電子メニュー端末1の要部構成を、図6のブロック図で示す。図示するように、電子メニュー端末1は、CPU11、ROM12、RAM13を実装したコンピュータ機器であり、その他、通信インターフェイス14、表示コントローラ15、タッチパネルコントローラ16等を備えている。表示コントローラ15には、立体視ディスプレイ17を接続している。そして、この立体視ディスプレイ17の表示面にタッチパネル18を取り付け、このタッチパネル18からの信号をタッチパネルコントローラ16が取り込むように構成している。
【0023】
立体視ディスプレイ17は、三次元画像を表示面に立体視可能に表示するディスプレイであり、本実施の形態では、特殊な眼鏡が不要な裸眼式の立体視ディスプレイを使用する。裸眼式立体視ディスプレイには、2眼表示方式(ヘッドトラッキング方式、スキャナバックライト方式等)や多眼表示方式(ステップバリア方式、斜めレンチ方式等)等があるが、表示方式は特に限定されるものではない。また、眼鏡式の立体視ディスプレイを使用してもよいが、レストランにおける電子メニュー端末としての用途を考慮すると、裸眼式立体視ディスプレイのほうが好ましい。
【0024】
各電子メニュー端末1の立体視ディスプレイ17は、図7及び図8に示すように、それぞれその表示面17aを上に向けた状態で飲食店用テーブル21の天板22に埋め込まれる。さらに、表示面17aの上にタッチパネル18が配設される。このとき、タッチパネル18が配置された表示面17aは天板22の上面と略面一となる。
【0025】
図7は、略矩形状をなす天板22の対向する2辺にそれぞれ2名ずつの席23a,23b,23c,23dが用意された飲食店用テーブル21に対する立体視ディスプレイ17の取付例である。図8は、同テーブル21の斜視図である。図7及び図8に示すように、飲食店用テーブル21は、天板22と、この天板22を支持する4本の脚部24a,24b,24c,24dとを備えている。そして、各席23a〜23dの正面に立体視ディスプレイ17をそれぞれ取り付けている。こうすることにより、テーブル21に着いた客は、各席23a〜23dに腰掛けた状態で、自身の手前にある立体視ディスプレイ17の表示面17aに表示される画像を閲覧し、また、その画像情報に従い表示面17aの適所をタッチすることによって必要な情報を入力することができる。
【0026】
客は、立体視ディスプレイ17に表示される画面から、飲食店から提供される飲食メニュー品目を確認することができる。また、画面をタッチ操作することにより、所望の飲食メニュー品目を注文することができる。一人の客が、飲食メニュー品目を確認し注文を完了するまでの間に立体視ディスプレイ17に表示される画面、すなわちガイド画面40、カテゴリ画面50、品目一覧画面60、品目詳細画面70、注文確認画面80及び注文完了画面90の変遷図を図9に示す。また、各画面40〜90のレイアウト例を図10〜図15に示す。さらに、これらの画面表示機能を電子メニュー端末1に実現させるための表示制御プログラム30に従い、CPU11が実行する主要な情報処理手順を、図16〜図19の流れ図に示す。上記表示制御プログラム30は、予めROM12に記憶されている。
【0027】
以下、これらの図面を参照しながら、一人の客がメニュー品目を確認し注文を完了するまでの客の操作手順と、この操作手順に応じた電子メニュー端末1の動作について説明する。
【0028】
テーブル21のいずれかの席23a〜23dに付いた客は、注文を開始するに先立ち、ガイド画面40が表示された立体視ディスプレイ17の画面にタッチする。そうすると、カテゴリ画面50が立体視ディスプレイ17に表示される。
【0029】
すなわち、表示制御プログラム30が起動し、アイドル状態に入った電子メニュー端末1のCPU11は、図16の流れ図に示す手順を開始する。先ず、ST(ステップ)1として、CPU11は、データベースサーバ2にアクセスして、画面データベース2Dからガイド画面40に係るレコードを取り込む。そして、ST2としてこのレコードのレイアウトデータに基づいてガイド画面40を作成する。CPU11は、ST3として作成したガイド画面40を立体視ディスプレイ17に表示させる。
【0030】
ガイド画面40の一レイアウト例を図10に示す。図示するように、ガイド画面40には、皿41、ナイフ42及びフォーク43の各食器を示す画像が立体視可能な三次元画像として表示されている。皿41は、画面の略中央に配置されている。そして、この皿41の右側にナイフ42が配置され、左側にフォーク43が配置されている。
【0031】
立体視ディスプレイ17の表示面17aに表示される三次元画像は、どの位置から見ても必ず立体的に見えるというものではなく、立体視可能な範囲が存在する。本実施の形態では、テーブル21の席23a〜23dに座った客が、正面のディスプレイ17に表示されるナイフ42とフォーク43の位置に手を置くように姿勢を正すと、皿41の上に表示されるメニュー品目の三次元画像が立体的に見られるようになる。つまり、ナイフ42とフォーク43は、ディスプレイ17の表示面17aに表示される三次元画像を立体視可能な位置にユーザを導くためのガイドとして機能する。
【0032】
ガイド画面40を表示させたCPU11は、ST4としてタッチパネル18からの信号を待機する。タッチパネル18から信号が入力されると、CPU11は、立体視ディスプレイ17の画面がタッチされたものと判断する。画面がタッチされたと判断すると、CPU11は、ST5として注文品目リストメモリ31をクリアする。注文品目リストメモリ31は、RAM13に形成されている。注文品目リストメモリ31は、注文情報記憶部として機能するメモリ領域であり、客が注文をしたメニュー品目のデータが一時的に登録される。
【0033】
次いで、CPU11は、ST6としてデータベースサーバ2にアクセスして、画面データベース2Dからカテゴリ画面50に係るレコードを取り込む。そして、ST7としてこのレコードのレイアウトデータや3Dボタン画像及びそのボタン名称等の各種設定情報に基づいてカテゴリ画面50を作成する。CPU11は、ST8として作成したカテゴリ画面50を立体視ディスプレイ17に表示させる。
【0034】
カテゴリ画面50の一レイアウト例を図11に示す。図示するように、カテゴリ画面50には、カテゴリ別に用意された複数(図では6個)のカテゴリボタン51(51-1,51-2,51-3,51-4,51-5,51-6)が立体視可能な3Dボタンとして表示されている。
【0035】
カテゴリ画面50を閲覧した客は、所望のカテゴリ名が表示されているいずれか1つのカテゴリボタン51-i(1≦i≦6)にタッチして、そのカテゴリを選択する。そうすると、選択されたカテゴリに属するメニュー品目を紹介する品目一覧画面60が立体視ディスプレイ17に表示される。
【0036】
すなわちCPU11は、ST9としてカテゴリ画面50からいずれかのカテゴリが選択されるのを待機する。タッチパネル18からの信号により、いずれか1つのカテゴリボタン51-iがタッチされたことを検知すると、CPU11は、そのタッチされたカテゴリボタン51-iに割り当てられているカテゴリ名のカテゴリが選択されたものとみなす。そして、ST10として図17の流れ図で具体的に示すカテゴリ選択処理を開始する。
【0037】
先ず、CPU11は、ST11としてデータベースサーバ2にアクセスして、画面データベース2Dから品目一覧画面60に係るレコードを取り込む。また、ST12としてデータベースサーバ2にアクセスして、品目データベース2Bを検索する。そして、選択されたカテゴリに属するメニュー品目のレコードを全て取り込む。次に、CPU11は、ST13として品目データベース2Bから取り込んだメニュー品目のレコードを解析して2D画像コードを抽出する。そして、データベースサーバ2にアクセスして、この2D画像コードで特定される二次元画像データがセットされたレコードを画像データベース2Cから取り込む。しかしてCPU11は、ST14として、上記ST11〜ST13の各処理でそれぞれ取得したレコードの各種データに基づいて品目一覧画面60を作成する。CPU11は、ST15として作成した品目一覧画面60を立体視ディスプレイ17に表示させる(リスト表示制御手段)。
【0038】
品目一覧画面60の一レイアウト例を図12に示す。図示するように、品目一覧画面60には、複数(図では6個)の品目画像表示欄61(61-1,61-2,61-3,61-4,61-5,61-6)が形成されている。また、各品目画像表示欄61にそれぞれ対応して詳細ボタン62(62-1,62-2,62-3,62-4,62-5,62-6)が表示されている。さらに戻りボタン63、前頁ボタン64、次頁ボタン65及び注文ボタン66が立体視可能な3Dボタンとして表示されている。これらの画面構成要素61〜66は、品目一覧画面60に係るレコードのデータに基づいている。
【0039】
各品目画像表示欄61には、それぞれ選択されたカテゴリに属するメニュー品目の二次元画像が表示される。また、当該メニュー品目の名称も画像と対応させて表示される。二次元画像は、画像データベース2Cから取り込んだレコードの二次元画像データに基づくものであり、メニュー品目の名称は、品目データベース2Bから取り込んだレコードの品目名称データに基づくものである。
【0040】
なお、選択されたカテゴリに属するメニュー品目の数が品目画像表示欄61の数を超える場合には、品目一覧画面60が複数頁に分割されて形成される。そして、最初は1頁目が表示される。
【0041】
品目一覧画面60を表示させた後、CPU11は、画面上のいずれかのボタンが入力されるのを待機する。
【0042】
品目一覧画面60を閲覧した客は、必要に応じて、前頁ボタン64または次頁ボタン65をタッチする。CPU11は、ST16として前頁ボタン64または次頁ボタン65がタッチされたことを検知すると、ST17として品目一覧画面60の頁を切り換える。すなわち、前頁ボタン64がタッチされた場合には1頁前の頁に切り換え、次頁ボタン65がタッチされた場合には1頁後の頁に切り換える。なお、現在の頁が1頁目の場合には、前頁ボタン64は機能しない。同様に、現在の頁が最終頁の場合には、次頁ボタン65は機能しない。頁を切り換えた後、CPU11は、ST15に戻り、切換後の頁の品目一覧画面60を立体視ディスプレイ17に表示させる(リスト表示制御手段)。
【0043】
品目一覧画面60を閲覧したが、注文すべきメニュー品目が見つからなかった場合、客は、戻りボタン63をタッチする。CPU11は、ST18として戻りボタン63がタッチされたことを検知すると、ST5の処理に戻る。すなわち、立体視ディスプレイ17の画面をカテゴリ画面50に戻す。
【0044】
また、現在までの注文内容を確認したい場合には、注文ボタン66をタッチする。CPU11は、ST21として注文ボタン66がタッチされたことを検知すると、ST22として図19に具体的に示す注文確認画面表示処理を実行する。注文確認画面表示処理について後述する。
【0045】
品目一覧画面60のなかから注文すべきメニュー品目が見つかった場合、客は、そのメニュー品目の画像が表示されている品目画像表示欄61-j(1≦j≦6)に対応した詳細ボタン62-jをタッチする。CPU11は、ST19としていずれか1つの詳細ボタン62-jがタッチされたことを検知すると、その詳細ボタン62-jに対応する品目画像表示欄61-jに画像が表示されているメニュー品目が選択されたものとみなす。そして、ST20として図18に具体的に示す品目詳細画面表示処理を実行する。
【0046】
先ず、CPU11は、ST31としてデータベースサーバ2にアクセスして、画面データベース2Dから品目詳細画面70に係るレコードを取り込む。また、ST32として品目データベース2Bから選択メニュー品目のレコードを取り込む。そして、このレコードを解析して、選択メニュー品目の3D画像コードを抽出する。そして、データベースサーバ2にアクセスして、この詳細3D画像コードで特定される三次元画像データがセットされたレコードを画像データベース2Cから取り込む。しかしてCPU11は、ST33として、上記ST31〜ST32の各処理でそれぞれ取得したレコードの各種データに基づいて品目詳細画面70を作成する。CPU11は、ST34として作成した品目詳細画面70を立体視ディスプレイ17に表示させる(画面表示制御手段)。
【0047】
品目詳細画面70の一レイアウト例を図13に示す。図示するように、品目詳細画面70には、品目三次元画像表示欄71が形成されている。また、単価表示欄72、上下スピンボタン73付のエディットフィールド74及び金額表示欄75が形成されている。さらに、戻りボタン76及び注文ボタン77が立体視可能な3Dボタンとして表示されている。これらの画面構成要素71〜77は、品目詳細画面70に係るレコードのデータに基づいている。
【0048】
品目三次元画像表示欄71には、選択メニュー品目の三次元画像が表示される。三次元画像は、画像データベース2Cから取り込んだレコードの三次元画像データに基づくものである。これにより、品目三次元画像表示欄71には、平面的な広がり方向(X−Y平面の方向)の大きさが、表示対象であるメニュー品目の実物と略同一サイズであり、高さ方向(Z方向)の大きさも、同実物と可能な限り同一サイズに近付けられた三次元画像が表示される。すなわち、実物と略実寸大の三次元画像が立体視可能に表示される。したがって、品目詳細画面70を閲覧した客は、注文すべきメニュー品目の画像を立体的に目視できるので、ボリューム感を把握することができる。
【0049】
単価表示欄72には、選択メニュー品目のレコードから読み出した単価が表示される。エディットフィールド74には注文数量の初期値として“1”が表示される。金額表示欄75には、選択メニュー品目の単価に注文数量を乗算した金額が表示される。
【0050】
品目詳細画面70を閲覧した客は、注文点数を変更する場合、スピンボタン73をタッチする。CPU11は、ST35としてスピンボタン73がタッチされたことを検知すると、ST36としてエディットフィールド74の注文数量を“1”ずつ増減する。また、金額を再計算し、金額表示欄75の値を更新する。
【0051】
品目三次元画像表示欄71に三次元画像が立体視可能に表示されている選択メニュー品目を注文する場合、客は、注文ボタン77をタッチする。CPU11は、ST38として注文ボタン77がタッチされたことを検知すると、ST39として選択メニュー品目のレコードを注文メニュー品目のデータとして注文品目リストメモリ31に登録する。このとき、注文数量と金額も注文メニュー品目のデータとして登録する。しかる後、CPU11は、ST40として注文確認画面表示処理を実行する。
【0052】
一方、注文を取止める場合には、戻りボタン76をタッチする。CPU11は、ST37として戻りボタン76がタッチされたことを検知すると、注文メニュー品目のデータを登録することなくST15の処理に戻り、立体視ディスプレイ17の画面を品目一覧画面60に戻す。
【0053】
このように、品目一覧画面60から注文すべきメニュー品目を見つけた客は、そのメニュー品目の二次元画像が表示されている品目画像表示欄61-iに対応した詳細ボタン62-iをタッチする。そうすると、このメニュー品目の詳細画面70が立体視ディスプレイ17に表示されるので、その内容とボリュームを確認する。そして、注文をする場合には、注文ボタン77をタッチする。そうすると、このメニュー品目のレコードや注文数量などのデータが注文品目リストメモリ31に登録される。
【0054】
次に、ST22またはST40で実行される注文確認画面表示処理について、図19を用いて説明する。
【0055】
品目一覧画面60または品目詳細画面70において、注文ボタン66または77をタッチすると、立体視ディスプレイ17の画面が注文確認画面80に切り換わる。
【0056】
すなわちCPU11は、ST51としてデータベースサーバ2にアクセスして、画面データベース2Dから注文確認画面80に係るレコードを取り込む。そして、ST52としてこのレコードのデータに基づいて注文確認画面80を作成する。CPU11は、ST53として作成した注文確認画面80を立体視ディスプレイ17に表示させる。
【0057】
注文確認画面80の一レイアウト例を図14に示す。図示するように、注文確認画面80には、注文したメニュー品目の品名、数量及び金額からなる明細表示欄81と、合計金額表示欄82とが形成されている。明細表示欄81には、明細行毎に取消ボタン83が形成されている。また、戻りボタン84と送信ボタン85とが立体視可能な3Dボタンとして表示されている。
【0058】
CPU11は、ST54として注文品目リストメモリ31を検索して、注文メニュー品目のデータが登録されているか否かを判断する。登録されている場合には(ST54のYES)、CPU11は、ST55としてその登録データから注文メニュー品目の品目名称、注文数量,金額を取得し、合計金額を算出する。そして、ST56として注文確認画面80の明細表示欄81に、注文メニュー品目の品目名称、注文数量,金額を表示させる。また、合計金額表示欄82に合計金額を表示させる。この状態で、CPU11は、取消ボタン83、戻りボタン84、または送信ボタン85のいずれかのボタンが入力されるのを待機する。
【0059】
注文確認画面80を閲覧した客は、注文を続ける場合、戻りボタン84をタッチする。CPU11は、ST57として戻りボタン84がタッチされたことを検知すると、ST8の処理に戻る。すなわち、立体視ディスプレイ17の画面をカテゴリ画面50に戻す。
【0060】
また、注文を取消す場合には、明細表示欄81の取消すべき品目の明細が表示されている行に対応した取消ボタン83をタッチする。CPU11は、ST58としていずれかの取消ボタン83がタッチされたことを検知すると、ST59として注文品目リストメモリ31から取消が指示されたメニュー品目の登録データを削除する。しかる後、CPU11は、ST54の処理に戻る。
【0061】
注文を確定させる場合には、送信ボタン85をタッチする。CPU11は、ST60として送信ボタン85がタッチされたことを検知すると、ST61として注文品目リストメモリ31に登録されている注文メニュー品目のデータを注文管理サーバ3に伝送する。しかる後、ST62としてデータベースサーバ2にアクセスして、画面データベース2Dから注文完了画面90に係るレコードを取り込む。そして、ST63としてこのレコードのデータに基づいて注文完了画面90を作成し、立体視ディスプレイ17に表示させる。
【0062】
注文完了画面90の一レイアウト例を図15に示す。
以上で、一人の客の注文が完了する。その後、CPU11は、アイドル状態に戻り、ディスプレイ17にガイド画面40を再び表示させる。
【0063】
なお、注文品目リストメモリ31を検索した結果、注文メニュー品目のデータが登録されていない場合には(ST54のNO)、CPU11は、戻りボタン84が入力されるのを待機する。そして、ST64として戻りボタン84がタッチされたことを検知したならば、ST8の処理に戻る。
【0064】
このように、本実施の形態によれば、飲食店用テーブル21の客席23a〜23dに座った客は、メニュー品目を注文する前にそのメニュー品目の三次元画像からボリューム感を略正確に把握できるので、客は食べたい量に応じた注文を容易に行うことができる。このため、自身が推測した量よりも少なかったり、逆に多かったりして、不満に感じることがなくなり、客のオーダに関する満足度を高めることができる。
【0065】
また、メニュー品目の三次元画像が表示される立体視ディスプレイ17は、その表示面17aがテーブル21を構成する天板22の上面と面一となっている。したがって、テーブル21の天板22上には実際に注文されたメニュー品目の調理品が配膳されるが、上記ディスプレイ17が料理品を配膳する際の妨げになることはなく、また、天板22上を全て料理品を置くスペースとして有効に活用することができる。
【0066】
さらに、客自身が電子メニュー端末1を用いて注文したデータは、直接、注文管理サーバ3に伝送され、厨房端末6への調理指示や、POS端末7での会計処理に供せられるので、セルフ飲食店システムを実現することができる。
【0067】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0068】
例えば、前記実施の形態では、電子メニュー端末1のアイドル状態時の画面としてガイド画面40を例示したが、ガイド画面40を省略しても本発明の効果は十分に奏するものである。また、注文完了後にガイド画面40に戻すようにしたが、ガイド画面40以外の画面、例えば注文した料理に適した画像を表示する画面に切り換えるようにしてもよい。
【0069】
また、前記実施の形態では、ガイド画面40に表示されるガイドを、皿41、ナイフ42及びフォーク43の食器類としたが、箸、スプーン、茶碗などの他の食器類をガイドとして用いてもよい。また、食器ではなく、例えば「この位置から画面を見てください」というようなメッセージをガイドとして、天板22やディスプレイ17に表示してもよい。
【0070】
また、立体視ディスプレイ17に表示されるメニュー品目の三次元画像に関し、前記実施の形態では、平面的な広がり方向の大きさが当該メニュー品目の実物と略同一サイズであり、また、高さ方向の大きさも、実物と可能な限り同一サイズに近付くようにしたが、平面的な広がり方向の大きさのみ実物と略同一サイズとするだけでも、立体視画像によって客にボリューム感を与えることができるので、本発明の効果を奏することができる。
【0071】
また、前記実施の形態では、詳細ボタン62をタッチしたが、品目画像表示欄61に表示されている画像がタッチされたことを検知すると、その画像に対応したメニュー品目の注文を受付けるようにしてもよい。こうすることにより、品目一覧画面60から詳細ボタン62を省略することができる。
【0072】
また、前記実施の形態では、電子メニュー端末1の入力装置としてタッチパネル18を示したが、入力装置はタッチパネルに限定されるものではない。例えば、マウス等のポインティングデバイスやキーボード等を用いることもできる。
【0073】
また、前記実施の形態では、テーブル21の客席23a〜23d毎に電子メニュー端末1を設けたが、テーブル21毎に1台の電子メニュー端末1を設け、そのテーブルに着いた客が1台の電子メニュー端末1を共用するようにしてもよい。なお、天板22の客席23a〜23dの正面となる位置に、電子メニュー端末1を客席23a〜23dと1対1で対応させて設けることによって、テーブル21に着いた客のうち誰が注文したメニュー品目なのかを容易に判別できるメリットはある。
【0074】
さらに、前記実施の形態では電子メニュー端末1のROM12に発明を実施する機能である表示制御プログラム30が予め記録されているものとして説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから電子メニュー端末1にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを電子メニュー端末1にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0075】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施の形態である電子メニューシステムの一構成例を示すブロック図。
【図2】カテゴリデータベースに記憶されるレコード構造の要部を示す図。
【図3】品目データベースに記憶されるレコード構造の要部を示す図。
【図4】画像データベースに記憶されるレコード構造の要部を示す図。
【図5】画面データベースに記憶されるレコード構造の要部を示す図。
【図6】電子メニュー端末の要部構成を示すブロック図。
【図7】電子メニュー端末を構成する立体視ディスプレイの飲食店用テーブルに対する取付例を示す模式図。
【図8】立体視ディスプレイが取り付けられた飲食店用テーブルの一例を示す斜視図。
【図9】電子メニュー端末の立体視ディスプレイに表示される主要な画面の変遷図。
【図10】ガイド画面の一レイアウト例を示す平面図。
【図11】カテゴリ画面の一レイアウト例を示す平面図。
【図12】品目一覧画面の一レイアウト例を示す平面図。
【図13】品目詳細画面の一レイアウト例を示す平面図。
【図14】注文確認画面の一レイアウト例を示す平面図。
【図15】注文完了画面の一レイアウト例を示す平面図。
【図16】電子メニュー端末のCPUが実行する情報処理手順の要部を示す流れ図。
【図17】図16におけるカテゴリ選択処理の処理手順を具体的に示す流れ図。
【図18】図17における品目詳細画面表示処理の処理手順を具体的に示す流れ図。
【図19】図17または図18における注文確認画面表示処理の処理手順を具体的に示す流れ図。
【符号の説明】
【0077】
1…電子メニュー端末、2…データベースサーバ、2A…カテゴリデータベース、2B…品目データベース、2C…画像データベース、2D…画面データベース、3…注文管理サーバ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…通信インターフェイス、17…立体視ディスプレイ、18…タッチパネル、21…飲食店用テーブル、22…天板、23…脚部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、この天板を支持する脚部とを備えた飲食店用テーブルにおいて、
前記天板に、メニュー品目の三次元画像を表示面に立体視可能に表示するディスプレイ、を設けたことを特徴とする飲食店用テーブル。
【請求項2】
前記ディスプレイは、天板の客席の正面となる位置に、客席と1対1で対応させて設けたことを特徴とする請求項1記載の飲食店用テーブル。
【請求項3】
前記ディスプレイは、その表示面にタッチパネルを配設したことを特徴とする請求項1または2記載の飲食店用テーブル。
【請求項4】
前記ディスプレイは、その表示面が前記天板の上面と面一であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の飲食店用テーブル。
【請求項5】
前記表示面に表示される三次元画像を立体視可能な位置にユーザを導くためのガイド、をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の飲食店用テーブル。
【請求項6】
前記ガイドは、前記表示面に表示される食器の画像であることを特徴とする請求項5記載の飲食店用テーブル。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の飲食店用テーブルと、
前記飲食店用テーブルのディスプレイに、メニュー品目のリストを表示させるリスト表示制御手段と、
前記メニュー品目のリストの中から選択されたメニュー品目の三次元画像を前記ディスプレイに表示させる画像表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする電子メニュー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−88811(P2010−88811A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264436(P2008−264436)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】