説明

香り発散機構を有する折畳み式携帯端末

【課題】香り発散機構を有する折畳み式携帯端末において、電池を消耗させることなく、香りを確実且つ十分に発散できるようにする。
【解決手段】第1の筐体と第2の筐体とが開閉可能に連結された香り発散機構8を有する折畳み式携帯電話機において、第2の筐体に芳香物質9を収容すると共に、少なくとも1つの通気孔19に連通する芳香物質収容部10を設ける。ピストン11を第1の筐体と第2の筐体とを開閉する動作に伴って作動させ、芳香物質収容部10に収容された芳香物質9を含む空気を押し出して通気孔19から排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の筐体と第2の筐体とが開閉可能に連結され、香り発散機構を有する折畳み式携帯端末に関し、特に芳香物質からの香りの発散を電池等の電力を使用しないで促進するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末、特に携帯電話機は、日常生活で身近に触れるものであり、様々な機能が付加されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1の折畳み式携帯電話機では、ヒンジ機構を構成する駒部の内部に一端が開口して芳香部材を挿脱することが可能な装入室が形成され、この装入室の開口部は、着脱操作可能な栓部材によって塞がれており、駒部には、蓋体を開くことによって露出する位置に、装入室に通じる小孔が開設されている。
【0004】
また、特許文献2では、折畳み式携帯電話機のヒンジ部に噴射ノズル部を配置し、蓋部と本体部とを重ね合わせて折り畳んだ閉じた状態から、ヒンジ部が形成する回動軸を中心として蓋部と本体部を相互に回動させて開いた状態とする動作に連動して、ヒンジ部の内部に設けられた液体噴射構造によって、噴射ノズル部から液体が噴射されるように構成されている。
【0005】
また、特許文献3の携帯端末では、芳香物質を貯蔵する芳香物質貯蔵部と、この芳香物質貯蔵部に貯蔵された芳香物質に風又は機械的振動を与えて香りを発散させる香り発散手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−290525公報
【特許文献2】特開2006−19794号公報
【特許文献3】特開2007−60433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の折畳み式携帯電話機では、香りの発散を促進させる機能がなく香りが十分に広がらないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2の折畳み式携帯電話機では、液体を噴射させるようにしているので、ユーザの顔に液体が付着して不快な思いをしたり、電気回路部品が短絡したりするという問題がある。
【0009】
さらに、特許文献3の携帯端末では、着信を知らせるバイブレータのモータを回転させることで風を起こして香り成分を発散させるようにしているので、ユーザの手に不必要に振動が伝わって不快であったり、電池を早く消耗させたりする問題がある。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電池を消耗させることなく、香りを確実且つ十分に発散できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、この発明では、折畳み式携帯端末の開閉動作に伴う機構の作用により、香りを発散させるようにした。
【0012】
具体的には、第1の発明では、第1の筐体と第2の筐体とが開閉可能に連結され、香り発散機構を有する折畳み式携帯端末を前提とする。
【0013】
そして、上記香り発散機構は、
上記第1の筐体又は上記第2の筐体に形成され、芳香物質を収容すると共に、少なくとも1つの通気孔に連通する芳香物質収容部と、
上記芳香物質収容部に収容された芳香物質を含む空気を押し出して上記通気孔から排出させるピストンとを備え、
上記ピストンは、上記第1の筐体と第2の筐体とを開閉する動作に伴って作動するように構成されている。
【0014】
上記の構成によると、第1の筐体と第2の筐体とを開閉する動作に伴ってピストンが作動して芳香物質収容部内の芳香物質を含む空気が通気孔から押し出されるので、電池を消耗させることなく、効果的に芳香物質の発散が促進される。
【0015】
第2の発明では、第1の発明において、
上記第1の筐体と上記第2の筐体とを折畳み開閉可能に連結するヒンジ軸を備え、
上記ピストンは、上記ヒンジ軸の回転に伴って作動するように構成されている。
【0016】
上記の構成によると、第1の筐体と第2の筐体とを開閉するときにヒンジ軸が回転し、このヒンジ軸の回転を利用してピストンが動いて芳香物質収容部内の芳香物質が発散されるので、電池を消耗させることなく、必要なときにだけ、芳香物質の発散を促進させることができる。
【0017】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記香り発散機構は、上記第1の筐体を第2の筐体に対して開いたときに上記通気孔を開き、上記第1の筐体を第2の筐体に対して閉じたときに上記通気孔を閉じる通気孔開閉蓋を備え、該通気孔開閉蓋は、上記ピストンと連動するように構成されている。
【0018】
上記の構成によると、折畳み式携帯電話機を使用するために第1の筐体を第2の筐体に対して開いたときのみ通気孔開閉蓋が開くので、芳香物質が不必要に発散して不快な思いをしたり、芳香物質の消耗を早めたりすることはない。また、通気孔開閉蓋とピストンとが連動するので、確実に芳香物質を含む空気を通気孔から発散させることができる。
【0019】
第4の発明では、第3の発明において、
上記ヒンジ軸の外周には、長手方向中間部分が折り曲げられた帯状部材の該長手方向中間部分が連結され、
上記ピストンは、上記帯状部材の一端に設けられ、上記通気孔開閉蓋は、該帯状部材の他端に設けられている。
【0020】
上記の構成によると、簡単な構成でピストンと通気孔開閉蓋とをヒンジ軸の回転に合わせて確実に連動させることができる。また、ピストンと通気孔開閉蓋とを厚さの薄い帯状の部材で連結することができるので、発生機構の厚さを抑えることができる。
【0021】
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記ピストンが移動するピストン受圧室と、
上記ピストン受圧室と上記芳香物質収容部とを仕切り、流入孔が開口された流入側隔壁と、
上記芳香物質収容部から押し出されてきた芳香物質を含む空気が流入し、上記通気孔に連通する空気排出室と、
上記空気排出室と上記芳香物質収容部とを仕切り、排出孔が開口された排出側隔壁とを備えている。
【0022】
上記の構成によると、芳香物質収容部がピストン受圧室に対して流入側隔壁で仕切られているので、芳香物質が綿などに含浸させた液体のときでも、芳香物質そのものを押し出して通気孔から排出してしまうおそれがない。また、空気排出室と芳香物質収容部とが排出側隔壁で仕切られているので、仮に不使用時に激しい振動などで一時的に液体の芳香物質が排出孔から空気排出室へ流れ出ても通気孔が閉じられているので、液体のまま外部に流れ出るのが防止される。
【0023】
第6の発明では、第1乃至第5のいずれか1つの発明において、
折畳み式携帯電話機であり、
上記通気孔の位置は、通話時にユーザの鼻の近傍に位置するように設定されている。
【0024】
上記の構成によると、折畳み式携帯電話機で通話するときに第1の筐体を第2の筐体に対して開くと芳香物質が通話時のユーザの鼻の近くで発散されるので、芳香物質が効果的にユーザに届く。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、ピストンを第1の筐体と第2の筐体との開閉動作に伴って作動させて芳香物質収容部に収容された芳香物質を含む空気を押し出して通気孔から排出させるようにしているので、電池を消耗させることなく、香りを確実且つ十分に発散できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態の香り発散機構が芳香物質を含む空気を押し出す様子を拡大して示す断面図である。
【図2】折畳み式携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。
【図3】折畳み式携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。
【図4】香り発散機構が見える部分で切断した図2のIV−VI線断面図である。
【図5】折畳み式携帯電話機を閉じたときの図1相当図である。
【図6】折畳み式携帯電話機を用いてユーザが通話する様子を示す斜視図である。
【図7】ヒンジ軸の回転に伴ってピストンと通気孔開閉蓋とが連動する機構を示す説明図である。
【図8】折畳み式携帯電話機が開き状態へ移行するときの香り発生装置の動きを示す図1相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図2及び図3は本発明の実施形態の香り発散機構8を有する折畳み式携帯端末としての折畳み式携帯電話機1を示し、この折畳み式携帯電話機1は、受話部2を有する第1の筐体3と、送話部4を有する第2の筐体5と、これら第1の筐体3と第2の筐体5とを開閉可能に連結するヒンジ軸6とを備えている。このヒンジ軸6を中心に第2の筐体5に対して第1の筐体3が回動することで、折畳み式携帯電話機1が、図2に示す第1の筐体3が第2の筐体5に対して閉じた閉じ状態と、図3に示す第1の筐体3が第2の筐体5に対して開く開き状態とに開閉操作されるようになっている。
【0029】
そして、図4に示すように、折畳み式携帯電話機1は、例えば、第2の筐体5側に芳香物質9の拡散を促進させる香り発散機構8を備えている。芳香物質9は、第2の筐体5に設けられた芳香物質収容部10に収容されている。芳香物質9は、香水などの液体の場合、例えば綿、フェルト、不織布などに含浸させればよく、その芳香物質9を含浸させた綿等を芳香物質収容部10に収容するとよい。固形や半固形の液だれしない芳香物質9であれば、そのまま芳香物質収容部10に収容してもよい。
【0030】
図5に拡大して示すように、香り発散機構8は、第2の筐体5における芳香物質収容部10の表面側にピストン11が移動するピストン受圧室12を備えている。芳香物質収容部10は、第2の筐体5の背面側にあり、その背面側が取り出しカバー13(図5に二点鎖線で開いた状態を示す)で開閉可能に閉じられている。このことで、取り出しカバー13を開閉して芳香物質9を簡単に交換可能となっているので、ユーザは好みの芳香物質9を選択して適宜交換することができるようになっている。
【0031】
ピストン受圧室12と芳香物質収容部10とは、流入側隔壁14で仕切られている。流入側隔壁14には、複数の小さな流入孔14aが開口されている。図1に示すように、ピストン受圧室12内でピストン11がヒンジ軸6と反対側(図1で左側)へ移動することで、ピストン受圧室12内の空気が押されて流入孔14aを通って芳香物質収容部10へ流入するようになっている。
【0032】
また、ピストン受圧室12のヒンジ軸6と反対側には、中間隔壁16でピストン受圧室12と仕切られると共に、排出側隔壁17で芳香物質収容部10と仕切られた空気排出室18が設けられている。排出側隔壁17にも、複数の小さな排出孔17aが開口されている。また、この空気排出室18の表面側には、複数の小さな通気孔19が開口されている。このことで、ピストン11によって空気が流入孔14aから流入してくることにより、芳香物質9を含む空気が排出孔17aから排出されて空気排出室18に流入するようになっている。そして、通気孔19の位置は、図6に示すように、通話時にユーザPの鼻P1の近傍に位置するように設定されている。
【0033】
また、ピストン11は、上記第1の筐体3と第2の筐体5とを開閉する動作に伴って作動するように構成されている。具体的には、図7に示すように、ヒンジ軸6の外周には、長手方向中間で折り曲げられた帯状部材20の長手方向中間部分20aが回転一体に連結されている。帯状部材20は、板金や樹脂成形品で形成すればよく、長手方向中間部分20aの少なくとも一部がヒンジ軸6に連結されていればよい。その連結は、接着、嵌合などで行えばよい。ピストン11は、帯状部材20の一端20bに設けられており、ピストン受圧室12の断面に合わせ、例えば矩形板状のゴム、エラストマーなどで構成されている。帯状部材20を樹脂で構成する場合には、ピストン11を帯状部材20に一体に形成してもよい。
【0034】
そして、帯状部材20の他端20cに通気孔19を開閉する通気孔開閉蓋21が設けられている。通気孔開閉蓋21は、例えば板状のもので、通気孔19を背面側(空気排出室18側)から覆うように構成されている。例えば、帯状部材20が樹脂成形品のときは、通気孔開閉蓋21を帯状部材20に一体に成形すればよいし、板金であれば、ゴムやエラストマーなど通気孔19を密封しやすい材料で通気孔開閉蓋21を形成して他端20cに接着すればよい。第2の筐体5に設けた一対のレール部材(図示せず)の間に通気孔開閉蓋21をスライド移動させるようにすれば、通気孔19を確実に塞ぐことができるので、望ましい。帯状部材20を薄い板状のものとすることで、香り発散機構8の厚さを小さくすることができるので、第2の筐体5の厚さを増やさなくてよい。
【0035】
このように構成することで、第1の筐体3と第2の筐体5とを折畳み開閉可能に連結するヒンジ軸6が、その開閉操作に伴って回転すると、ピストン11と通気孔開閉蓋21とが互いに反対の方向にスライド移動するように構成されている。これにより、通気孔開閉蓋21によって、通気孔19は、第1の筐体3を第2の筐体5に対して開いたときに開き、第1の筐体3を第2の筐体5に対して閉じたときに閉じるように構成されている。
【0036】
なお、通気孔19は、ヒンジ軸6と反対側端部、すなわち、通気孔開閉蓋21の先端側(図5でAで示す範囲)には設けられていない。このことで、携帯時等に何かのはずみでヒンジ軸6が少しだけ回転して通気孔開閉蓋21が少し動いたとしても通気孔19を開放させることはない。
【0037】
−香り発散機構の作用−
次に、本実施形態にかかる香り発散機構8の作用について説明する。
【0038】
まず、図2に示すように、折畳み式携帯電話機1の不使用時や待機時には、第1の筐体3は第2の筐体5に対して閉じられており、香り発散機構8は図5に示すようにピストン11がヒンジ軸6側(図5の右側)に上昇し、通気孔開閉蓋21がヒンジ軸6と反対側(図5の左側)に下降している。このことで、通気孔開閉蓋21が通気孔19を内側から完全に覆っている。このため、芳香物質9が外部に漏れることはなく、携帯時に鞄の中で芳香物質9が流れ出たり、必要のないときに芳香物質9が匂ったりすることはない。また、このため、芳香物質9がすぐになくなってしまうことが避けられ、芳香物質9が長持ちする。
【0039】
そして、ユーザPが折畳み式携帯電話機1を使用するために、図3に示すように、第1の筐体3を第2の筐体5に対して開く操作を行うと、図5に示す位置にあったピストン11と通気孔開閉蓋21とが図1に示すように徐々に移動する。すなわち、第1の筐体3を第2の筐体5に対して開くと、図7に示すように、ヒンジ軸6が時計回りに回転し、その回転に合わせてピストン11がヒンジ軸6と反対側へ下降すると共に、通気孔開閉蓋21がヒンジ軸6側へ上昇する。
【0040】
すると、ピストン11の動きに伴ってピストン受圧室12内の空気が流入孔14aを通って芳香物質収容部10へ流入する。
【0041】
次いで、芳香物質収容部10内に空気が流入してくることにより、芳香物質9を含む空気が排出孔17aから排出されて空気排出室18に流入する。このとき、通気孔開閉蓋21も同時にヒンジ軸6側へ上昇して通気孔19が開放されているので、芳香物質9を含む空気が通気孔19から第2の筐体5の外部へ放出される。図1及び図5において、第1の筐体3を第2の筐体5に対して開くときに、ピストン11に押し出された空気の大まかな流れを白抜き矢印で示す。
【0042】
このようにヒンジ軸6の回転に伴ってピストン11と通気孔開閉蓋21とが互いに反対方向にスライド移動しながら、最後には図8の状態になって、通気孔19が全て開放される。
【0043】
そして、ユーザPが通話をするために図6に示すように耳P2の近くに受話部2を押し当てると、通気孔19がユーザPの鼻P1の近くに来るので、芳香物質9が効果的にユーザに届く。
【0044】
通話後に第1の筐体3を第2の筐体5に対して閉じると、逆に図7で反時計回りにヒンジ軸6が回転し、ピストン11が元の位置に上昇し、通気孔開閉蓋21が元の位置に下降して通気孔19を完全に塞ぐ。
【0045】
なお、芳香物質9を交換するときには、図5に二点鎖線で示すように、取り出しカバー13を開いて芳香物質9を取り出したり挿入したりする。
【0046】
このように、ヒンジ軸6の回転を利用してピストン11及び通気孔開閉蓋21が動いて芳香物質収容部10内の芳香物質9が発散されるので、電池を消耗させることなく、必要なときにだけ、芳香物質9の発散を促進させることができる。また、折畳み式携帯電話機1を使用するために第1の筐体3を第2の筐体5に対して開いたときのみ通気孔開閉蓋21が開くので、芳香物質9が不必要に発散して不快な思いをしたり、芳香物質9がすぐになくなったりすることはない。
【0047】
そして、帯状部材20の一端20bにピストン11を設け、他端20cに通気孔開閉蓋21を設けているので、ピストン11と通気孔開閉蓋21とを確実に連動させることができる。
【0048】
さらには、第1の筐体3の表面に突起物を設けて折畳み式携帯電話機1を閉じたときに、その突起物で表面側から通気孔19を塞ぐように構成してしまうと、少しでも第1の筐体3が第2の筐体5に対して開くと、通気孔19が開いてしまうが、本実施形態では、通気孔19をヒンジ軸6と反対側端部(図5の範囲A)には設けていないので、意図せず少しだけ第1の筐体3が第2の筐体5に対して開いたとしても、依然として通気孔開閉蓋21が通気孔19の全てを覆っているので、芳香物質9が漏れ出すことはない。
【0049】
また、芳香物質収容部10がピストン受圧室12と流入側隔壁14によって仕切られているので、芳香物質9が綿などに含浸させた液体のときでも、ピストン11が芳香物質9そのものを押し出して通気孔19から流れ出てしまうおそれがない。また、空気排出室18と芳香物質収容部10とが排出側隔壁17で仕切られているので、仮に不使用時に激しい振動などで一時的に芳香物質9が排出孔17aから空気排出室18へ流れ出ても通気孔19が通気孔開閉蓋21によって閉じられているので、外部に流れ出ることはない。
【0050】
したがって、本実施形態にかかる香り発散機構8を有する折畳み式携帯電話機1によると、ピストン11を第1の筐体3と第2の筐体5との開閉動作に伴って作動させて芳香物質収容部10に収容された芳香物質9を含む空気を押し出して通気孔19から排出させるようにしているので、電池を消耗させることなく、香りを確実且つ十分に発散できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0051】
すなわち、上記実施形態では、折畳み式携帯端末は、折畳み式携帯電話機1としたが、通話可能な折畳み式のPHS(Personal Handy-phone System )、スマートフォン等でもよく、通話可能でないPDA(Personal Digital Assistant)、パソコン、モバイルツール、電子辞書、電卓、ゲーム機等であっても折畳み式のものであればよい。
【0052】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 折畳み式携帯電話機(折畳み式携帯端末)
3 第1の筐体
5 第2の筐体
6 ヒンジ軸
8 香り発散機構
9 芳香物質
10 芳香物質収容部
11 ピストン
12 ピストン受圧室
14 流入側隔壁
14a 流入孔
17 排出側隔壁
17a 排出孔
18 空気排出室
19 通気孔
20 帯状部材
20a 長手方向中間部分
20b 一端
20c 他端
21 通気孔開閉蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とが開閉可能に連結され、香り発散機構を有する折畳み式携帯端末において、
上記香り発散機構は、
上記第1の筐体又は上記第2の筐体に形成され、芳香物質を収容すると共に、少なくとも1つの通気孔に連通する芳香物質収容部と、
上記芳香物質収容部に収容された芳香物質を含む空気を押し出して上記通気孔から排出させるピストンとを備え、
上記ピストンは、上記第1の筐体と第2の筐体とを開閉する動作に伴って作動するように構成されている
ことを特徴とする香り発散機構を有する折畳み式携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の香り発散機構を有する折畳み式携帯端末において、
上記第1の筐体と上記第2の筐体とを折畳み開閉可能に連結するヒンジ軸を備え、
上記ピストンは、上記ヒンジ軸の回転に伴って作動するように構成されている
ことを特徴とする香り発散機構を有する折畳み式携帯端末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の香り発散機構を有する折畳み式携帯端末において、
上記香り発散機構は、上記第1の筐体を第2の筐体に対して開いたときに上記通気孔を開き、上記第1の筐体を第2の筐体に対して閉じたときに上記通気孔を閉じる通気孔開閉蓋を備え、該通気孔開閉蓋は、上記ピストンと連動するように構成されている
ことを特徴とする香り発散機構を有する折畳み式携帯端末。
【請求項4】
請求項3に記載の香り発散機構を有する折畳み式携帯端末において、
上記ヒンジ軸の外周には、長手方向中間部分が折り曲げられた帯状部材の該長手方向中間部分が連結され、
上記ピストンは、上記帯状部材の一端に設けられ、上記通気孔開閉蓋は、該帯状部材の他端に設けられている
ことを特徴とする香り発散機構を有する折畳み式携帯端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の香り発散機構を有する折畳み式携帯端末において、
上記ピストンが移動するピストン受圧室と、
上記ピストン受圧室と上記芳香物質収容部とを仕切り、流入孔が開口された流入側隔壁と、
上記芳香物質収容部から押し出されてきた芳香物質を含む空気が流入し、上記通気孔に連通する空気排出室と、
上記空気排出室と上記芳香物質収容部とを仕切り、排出孔が開口された排出側隔壁とを備えている
ことを特徴とする香り発散機構を有する折畳み式携帯端末。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の香り発散機構を有する折畳み式携帯端末において、
折畳み式携帯電話機であり、
上記通気孔の位置は、通話時にユーザの鼻の近傍に位置するように設定されている
ことを特徴とする香り発散機構を有する折畳み式携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−156786(P2012−156786A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14037(P2011−14037)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】