説明

駐車場管理システム

【課題】適切な位置への車両の駐車を可能とし、ひいてはユーザにとっての利便性を向上させることができる駐車場管理システムを提供すること。
【解決手段】複数の車両25の駐車が可能なガレージ15には、ガレージコントローラ31と車両検出センサ32とが設けられており、今回の駐車車両にはETC車載機が搭載されている。ガレージコントローラ31では、車両検出センサ32の検出結果に基づいてガレージ側情報が取得されるとともにETC車載機から車両側情報が取得され、ガレージ側情報及び車両側情報に基づいて目標駐車エリアが設定される。ガレージ15には表示装置35が設けられており、表示装置35は、ガレージ床面36に埋め込まれているライン表示部35aを複数備えている。そして、いずれかのライン表示部35aが点灯することで目標駐車エリアが教示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車庫等の駐車場では、駐車される車両を管理するために駐車場管理システムが適用されることがある。駐車場管理システムとして、車両が具備するETC(Electronic Toll Collection)機能や、携帯電話等の無線通信機能を利用して車両の駐車場管理が行われるものがある。例えば、特許文献1では、駐車場側には管理装置が設けられており、管理装置では、車両のETC車載端末から取得した車両情報や車両の入出庫時間に基づいて、駐車料金を算出するなどの駐車場管理が行われる。
【特許文献1】特開2006−72728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術では、車両の入出庫時間の管理や駐車車両台数の管理などが行われるものの、駐車場内スペースの管理はなされていない。そのため、駐車場内にスペース不足の場所ができたり、スペース余剰の場所ができたりする。それゆえに、改善の余地があると考えられる。例えば、実際に車両が駐車された後において、ユーザの乗降に必要なスペースが小さく乗降に不便であったり、駐車場内に不要な余剰スペース(デッドスペース)ができてしまったりすることが考えられる。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、適切な位置への車両の駐車を可能とし、ひいてはユーザにとっての利便性を向上させることができる駐車場管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
【0006】
手段1.車両側から車両側情報を取得する第1取得手段と、
駐車場側から駐車場側情報を取得する第2取得手段と、
車両の駐車に際し、今回の駐車車両について前記第1取得手段により取得した車両側情報、及び前記第2取得手段により取得した都度の駐車場側情報の少なくとも一方に基づいて、前記駐車車両の目標駐車エリアを設定するエリア設定手段と、
前記エリア設定手段により設定した目標駐車エリアを車両側に教示する教示手段と、
を備えることを特徴とする駐車場管理システム。
【0007】
手段1によれば、都度の駐車車両に関する車両側情報、及び車両駐車時(駐車場への車両進入時)に得られる駐車場側情報の少なくとも一方に基づいて、今回の駐車車両の目標駐車エリアが設定される。そして、その目標駐車エリアが車両側に対して、すなわち車両のドライバや同車両の運転制御システム等に対して教示される。このため、駐車車両を、その車両にとって適した位置であり且つ駐車場にとって適した位置に駐車させることが可能となる。また、車両が駐車される都度、エリア設定手段により目標駐車エリアが設定されるため、その都度の駐車場側の状況や車両の大きさ等に適した目標駐車エリアを設定することが可能となる。この場合、常に一定の位置に目標駐車エリアが設定される構成とは異なり、車両周辺には適切な大きさのスペースが確保されることになるため、ユーザの乗降を容易なものとしつつ駐車場内でのデッドスペースの大きさが低減されることになり、駐車場内スペースを有効に活用することができる。故に、駐車場における適切な位置への車両の駐車を可能とし、ひいては、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0008】
手段2.複数の車両を駐車可能とする駐車場に適用される駐車場管理システムであって、
前記エリア設定手段は、今回の駐車車両の目標駐車エリアを、既に駐車されている駐車済み車両及び今後駐車予定の駐車予定車両の少なくとも一方との相互関係に基づいて設定することを特徴とする手段1に記載の駐車場管理システム。
【0009】
複数の車両を駐車させる駐車場では、車両の大きさ等がまちまちであり、車両出入り(進入又は退出)の時間もまちまちであることが考えられる。かかる場合、手段2のように、駐車済み車両及び駐車予定車両の少なくとも一方との相互関係に基づいて、今回の駐車車両の目標駐車エリアが設定されるとよい。これにより、車両の大きさや車両出入り時間等がまちまちであっても、適切な位置に車両を駐車させることができる。つまり、今回の駐車車両の目標駐車エリアは他車両に対して相対的に設定されることになり、今回の駐車車両と他車両との間で互いの車両が障害となること等を抑制できる。
【0010】
手段3.前記第2取得手段は、前記駐車場側情報として、車両の駐車時において、既に駐車されている駐車済み車両の駐車位置を取得することを特徴とする手段1又は2に記載の駐車場管理システム。
【0011】
手段3によれば、都度の駐車車両の目標駐車エリアが、駐車場側情報としての駐車済み車両の駐車位置を基準として設定されることになる。この場合、今回の駐車車両と駐車済み車両との相対的な位置関係を適正化できる。例えば、車両間の間隔を一定間隔として各車両を駐車させる場合において、駐車済み車両に近すぎたり離れすぎたりすることなくその駐車済み車両との間に適度な間隔を確保して車両を駐車させることが可能となる。
【0012】
手段4.前記第2取得手段は、前記駐車場側情報として、駐車済み及び駐車予定の他車両についての当該駐車場への出入りスケジュール情報を取得することを特徴とする手段1乃至3のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0013】
手段4によれば、都度の駐車車両の目標駐車エリアが、駐車場側情報としての他車両の出入りスケジュール情報に基づいて設定されることになる。この場合、他車両の出入りに際して支障となる位置への車両の駐車を回避することが可能となる。したがって、複数の車両が駐車されている場合でも、車両を入れ替えるといった手間をかけることなく各車両を出入りさせることが可能となり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0014】
手段5.前記第1取得手段は、前記車両側情報として、今回の駐車車両から少なくとも車両サイズを含む車両種別情報を取得することを特徴とする手段1乃至4のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0015】
手段5によれば、都度の駐車車両の目標駐車エリアが、車両側情報としての車両種別情報に基づいて設定されることになる。この場合、都度の駐車車両の大きさや用途に見合う位置に車両が駐車されることになる。例えば、車幅の大小や、当該車両が福祉車両であることなどが考慮されるとよい。したがって、駐車が容易になるとともに、ユーザの乗降や物品の出し入れ等を容易に行うことが可能になり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0016】
手段6.前記第1取得手段は、前記車両側情報として、今回の駐車車両のドライバに関するドライバ情報を取得することを特徴とする手段1乃至5のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0017】
手段6によれば、都度の駐車車両の目標駐車エリアが、車両側情報としてのドライバ情報に基づいて設定されることになる。この場合、目標駐車エリアを、ドライバの運転熟練度や年齢に応じて設定することが可能となる。したがって、運転初心者や高齢者にとっての駐車操作の負担を軽減させることが可能となり、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0018】
手段7.前記第1取得手段は、前記車両側情報として、あらかじめ登録された登録車両であることを示す登録情報を取得し、
駐車場への車両の進入を規制する規制状態、及び該進入を規制しない非規制状態のいずれかに移行可能な進入規制手段と、
車両の駐車に際し、前記登録情報に基づいて登録車両か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により今回の駐車車両が登録車両であると判定された場合に前記進入規制手段を非規制状態に移行させる制御手段と
を備えることを特徴とする手段1乃至6のいずれか1項に規制の駐車場管理システム。
【0019】
手段7によれば、都度の駐車車両が登録車両である場合に進入規制手段が非規制状態に移行されるため、事前に登録されている車両だけを駐車させることが可能となる。換言すれば、非登録車両が勝手に駐車場内に駐車されることが抑制される。この場合、駐車場内スペースが非登録車両に使われることなく、登録車両を適切な位置に駐車させることができる。
【0020】
手段8.駐車場内での車両の移動を規制する規制状態、及び該移動を規制しない非規制状態のいずれかに移行可能な移動規制手段と、
前記第1取得手段により取得した車両側情報に基づいて、前記駐車場内での車両の移動を規制すべく前記移動規制手段を規制状態に移行させる制御手段と
を備えることを特徴とする手段1乃至7のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0021】
手段8によれば、駐車場内での駐車完了後において移動規制手段が規制状態に移行されるため、車両の意図しない移動(駐車場の出入り)を規制することができる。したがって、車両の防犯効果などを期待することができる。
【0022】
手段9.車両の駐車に際し、前記第1取得手段により取得した車両側情報に基づいて、当該駐車車両の駐車料金を設定する料金設定手段を備えることを特徴とする手段1乃至8のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0023】
手段9によれば、車両の駐車時には、車両側情報の取得によって当該車両の駐車料金の設定が行われる。したがって、駐車場が有料駐車場として使用される場合に、駐車料金に関する管理を容易に行うことが可能となる。また、本発明では、上記のとおり駐車場内スペースを有効に活用することができるため、有料駐車場を効率良く運用することが可能となる。
【0024】
手段10.駐車場の床部に、車両駐車位置を可変表示できる位置表示手段を設け、
前記教示手段は、前記目標駐車エリアに応じて前記位置表示手段による表示位置を変更することで、前記目標駐車エリアを車両側に教示することを特徴とする手段1乃至9のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0025】
手段10によれば、目標駐車エリアが都度異なる位置に設定されても、その目標駐車エリアが位置表示手段により明確に教示できる。したがって、ユーザは目標駐車エリアに容易に車両を駐車させることできる。例えば、位置表示手段として、発光、変色、画像表示、出没等による表示を行うものが採用されるとよい。
【0026】
手段11.駐車場の特定位置に、車両に対して接続可能とされ、当該車両との間で送電又は受電を行う電力装置を設け、
前記エリア設定手段は、前記第1取得手段により取得した車両側情報から、今回の駐車車両が前記電力装置との接続が可能な車両であると判定した場合に、前記電力装置との接続が可能となる位置に前記目標駐車エリアを設定することを特徴とする手段1乃至10のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0027】
手段11によれば、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等を、電力装置との接続が可能な特定位置に駐車させることができる。これにより、ハイブリッド自動車や電気自動車に対する充電等を確実に行わせることが可能となる。
【0028】
手段12.車両に搭載されるETC車載機との間で無線通信を可能とする通信手段を備え、
前記第1取得手段は、前記車両側情報として、ETC車載機に記憶されているETC情報を前記通信手段を介して取得することを特徴とする手段1乃至11のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【0029】
手段12によれば、都度の駐車車両の目標駐車エリアが、ETC車載機に記憶されているETC情報に基づいて設定されることになる。この場合、ノンストップ自動料金収受システム等に使用されるETC車載機には、車両情報、ユーザ情報などが記憶されており、これらの情報を車両側情報として利用する。これにより、ETC情報の多岐の活用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、一階部分にガレージ(車庫)が一体に設けられたガレージ付き建物(車庫付き建物)について具体化しており、そのガレージについての詳細を以下に説明する。
図1は、建物の一階部分における構成の一部を示す平面図である。
【0031】
図1に示すように、戸建住宅や集合住宅等の建物10には、地上1階に駐車場としてのガレージ15が設けられている。ガレージ15は、平面視矩形状のガレージ内スペースを有しており、ガレージ内スペースはガレージ壁面21により囲まれて形成されている。ガレージ15の一側面にはガレージ開口部22が形成されており、ガレージ開口部22を通じてガレージ15に対する車両25や人の出入りが可能となっている。なお、ガレージ15には、ガレージ開口部22の他に、人が出入りするための出入口が設けられていてもよい。
【0032】
ガレージ15は、図の左右方向を車両進退方向として自動車等の車両25が入庫されるようになっており、複数の車両25が横並びで駐車可能となる横幅を有している。したがって、ガレージ15では、ガレージ開口部22から見て左右(換言すれば、車両進退方向に直交する方向)に並んだ状態で複数の車両25が駐車されることになる。
【0033】
ガレージ15には、ガレージコントローラ31が設けられている。ガレージコントローラ31は、例えばガレージ壁面21に取り付けられており、入庫管理システムの中枢をなしている。ガレージコントローラ31は、目標駐車エリアの可変設定機能を有しており、その都度のガレージ15側の状況や今回駐車される車両25の大きさ等に適した目標駐車エリアを適宜設定する。
【0034】
ここで、ガレージ15においては、ガレージ内スペースに車両25が駐車される都度、その駐車される車両25に対して目標駐車エリアが設定される。目標駐車エリアは、車両25がその目標駐車エリア内に駐車された場合に、扉の開閉やユーザの乗降が可能なスペースが各駐車車両25の周囲にそれぞれ確保されるように、且つ各駐車車両25の距離が小さすぎたり大きすぎたりしないように、ガレージコントローラ31により設定される。
【0035】
ガレージ15には、ガレージ内スペースに既に駐車されている車両25の有無やその駐車位置を検出する車両検出センサ32が複数設けられている。車両検出センサ32は、例えば超音波センサにより構成されており、検出範囲内に存在する車両25の位置(特に、車幅方向の位置)が検出可能になっている。車両検出センサ32は、ガレージ15の奥側におけるガレージ壁面21に所定間隔をおいて横並びで取り付けられており、例えば駐車される車両25に対応することが可能な配置となっている。
【0036】
また、ガレージ15には、車両25が駐車される度に目標駐車エリアを表示する表示装置35が設けられている。表示装置35はライン表示部35aを複数備えており、それらライン表示部35aは、互いに平行となるように一定の間隔で横並びに配置されている。ライン表示部35aは、直線状に形成されており、車両進退方向に延びるようにしてガレージ床面36に埋め込まれている。ライン表示部35aにはLED等の発光手段が設けられており、発光手段が発光することでライン表示部35aが点灯するようになっている。そして、それぞれのライン表示部35aが点灯状態又は消灯状態に移行されることで、目標駐車エリアが表示されるようになっている。
【0037】
なお、ライン表示部35aの上部は、透明性を有するガラスや合成樹脂等により形成されたカバーにより覆われており、発光手段の発光が上方から視認できるようになっている。また、ライン表示部35aの上面とガレージ床面36とは同等のレベルとなっており、ライン表示部35a上を車両25が段差なく走行できるようになっている。ここで、ライン表示部35aのカバーは、車両25の重量に耐え得る強度を有しており、その上に車両25が乗ってもライン表示部35aに異常が発生しないようになっている。
【0038】
次に、入庫管理システムの構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、入庫管理システムの概略を示す全体構成図である。
【0039】
図2において、ガレージコントローラ31は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを有しており、ガレージコントローラ31では、そのマイクロコンピュータにより入庫管理制御が行われる。ガレージコントローラ31には車両検出センサ32が接続されており、車両検出センサ32からガレージコントローラ31に対して検出信号が出力されることで、ガレージコントローラ31では、ガレージ内スペースに存在する車両25の有無やその位置が取得される。すなわち、ガレージ15側の状況がガレージ側情報(駐車場側情報)として取得される。
【0040】
ガレージコントローラ31には、車両25側との無線通信を可能とするガレージ通信装置38が接続されており、車両25側から送信された信号をガレージコントローラ31にて受信することが可能となっている。
【0041】
また、ガレージコントローラ31には、表示装置35が接続されており、ガレージコントローラ31から表示装置35に対して制御信号が出力されることで、表示装置35の表示制御が行われるようになっている。より詳しくは、ガレージコントローラ31から表示装置35に対して表示信号が出力されることで、その表示信号に応じていずれかのライン表示部35aが点灯する。また、非表示信号が出力されることでライン表示部35aが消灯する。そして、ガレージコントローラ31により、点灯させるライン表示部35aが選択されることで、目標駐車エリアが可変表示されるようになっている。
【0042】
さらに、ガレージコントローラ31には、ガレージ開口部22の開閉が可能なシャッタ装置41が接続されており、ガレージコントローラ31からシャッタ装置41に対して制御信号が出力されることで、ガレージコントローラ31によりシャッタ装置41の開閉制御が行われるようになっている。
【0043】
シャッタ装置41は、昇降可能なシャッタカーテン42と、シャッタカーテン42を収容可能なシャッタケース43とを有しており、シャッタケース43はガレージ開口部22の上方に取り付けられている。シャッタカーテン42は、巻かれた状態でシャッタケース43に収容されるようになっており、シャッタカーテン42が巻き取られることでガレージ開口部22の開放され、シャッタカーテン42が繰り出されることでガレージ開口部22の閉鎖される。そして、シャッタ装置41は、ガレージコントローラ31から出力される制御信号に従ってガレージ開口部22の開閉を行う。
【0044】
ガレージコントローラ31には、ユーザにより操作可能な操作装置45が接続されており、操作装置45に対して所定操作が行われることでシャッタ装置41を開閉させることができるようになっている。すなわち、ガレージコントローラ31による開閉制御とは別に、ユーザの意思によりガレージ開口部22の開閉を行うことができるようになっている。
【0045】
ガレージ15に入庫される車両25には、車両コントローラとしてECU51が備えられており、ECU51は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを有している。ECU51には、ETC車載機52が接続されており、ETC車載機はETCカードから情報を読み取ることが可能となっている。なお、ETC車載機52は、車両25が高速道路などの有料道路を走行するに際して料金の精算に使用されるETCシステムの端末である。ETCカードには、車両25のID情報,大きさ,用途など車両25に関する情報がETC情報として登録されており、そのETC情報はECU51に取得されるようになっている。ちなみに、ETC情報には、少なくとも車両サイズを含む車両種別情報が含まれており、車両種別情報には、車両サイズの他に用途に関する情報が含まれている。例えば車両25が福祉車両である場合、この情報は車両種別情報に含まれている。
【0046】
ETC車載機52は、無線通信機能を有しており、ガレージ15に設けられたガレージ通信装置38との無線通信が可能になっている。そして、ETC車載機52からガレージ通信装置38に対してETC情報が送信されることで、そのETC情報は車両側情報としてガレージコントローラ31に取得される。
【0047】
ここで、ガレージコントローラ31はID認証機能を有しており、ガレージ15に車両25が入庫される都度、ガレージコントローラ31では、ETC情報に含まれているID情報に基づいてID認証処理が行われる。ID認証処理の結果、その車両25がガレージコントローラ31に事前に登録されている登録車両であることが確認された場合、ガレージコントローラ31によりシャッタ装置41の開放制御が行われる。この場合、ガレージ開口部22が開放され、登録車両としての車両25の入庫が可能となる。一方、ID認証処理の結果、車両25が登録車両でないことが確認された場合、シャッタカーテン42によるガレージ開口部22の閉鎖状態が保持され、車両25の入庫が規制される。この場合、ユーザの承認を受けていない非登録車両としての車両25のガレージ15への勝手な入庫が抑制される。
【0048】
車両25が目標駐車エリアに駐車された場合、エンジン停止等をトリガとして駐車完了を示す信号がETC車載機52からガレージコントローラ31に対して出力され、その信号に基づいてガレージコントローラ31では駐車完了の情報が取得される。この場合、ガレージコントローラ31によりシャッタ装置41の閉鎖制御が行われ、ガレージ開口部22が閉鎖されるようになっている。この場合、単に車両25が目標駐車エリアSに駐車されることで防犯効果などを期待することができる。なお、車両25の駐車完了後、ガレージ開口部22が閉鎖されるまでに所定のタイムラグを設定することで、ユーザがガレージ15に閉じ込められるといった不都合の発生を抑制することができる。
【0049】
また、車両25は、イモビライザシステムを有しており、エンジン始動に際して電子キーと車両25との間でイモビ認証が行われるようになっている。イモビ認証の結果、正規の手順でのエンジン始動が確認された場合、その旨を示すエンジン始動信号がECU51からガレージコントローラ31に送信される。この場合、さらに、車両25が登録車両であることが確認されると、ガレージコントローラ31によりシャッタ装置41の開放制御が行われる。これにより、ガレージ開口部22が開放されて車両25の出庫が可能となる。一方、ECU51からガレージコントローラ31にエンジン始動信号が送信されない場合、シャッタカーテン42によるガレージ開口部22の閉鎖状態が保持され、車両25の出庫が規制される。これにより、意図しない車両25の出庫が制限され、防犯効果などを期待することができる。
【0050】
次いで、ガレージコントローラ31が有する目標駐車エリアSの可変設定機能について、図3、図4を参照しつつ説明する。なお、図3、図4では、目標駐車エリアSを表示しているライン表示部35aだけを図示している。
【0051】
図3(a)に示すように、ガレージ15において、既に同サイズの2台の車両25が駐車済み車両25aとして横並びで駐車されており、別の車両25が今回の駐車車両25bとして駐車済み車両25aと横並びで駐車される場合、ガレージコントローラ31は、ガレージ側情報及び車両側情報を取得するとともに、それら情報に基づいて目標駐車エリアSを設定する。
【0052】
より詳しくは、ガレージコントローラ31は、駐車時のガレージ側情報に基づいて駐車済み車両25aの駐車位置を取得する。そして、隣接する駐車済み車両25aの駐車位置を基準として、その駐車済み車両25aとの距離を、今回の駐車車両25bに対する目標駐車エリアSである離間距離L1に設定する。離間距離L1は、駐車済み車両25a及び今回の駐車車両25bに対するユーザの乗降が容易に行われ且つそれら車両25a,25bの間隔が小さすぎたり大きすぎたりしないような大きさになっている。ちなみに、駐車済み車両25aが駐車されている領域は、今回の駐車車両25bを駐車させることができない領域となっており、その駐車不可領域の幅はL2となっている。また、ガレージコントローラ31は、今回の駐車車両25bについて車両側情報から車体の大きさを取得し、その車体幅を見合うように目標駐車エリアSの幅をエリア幅L3に設定する。エリア幅L3は、今回の駐車車両25bの駐車が容易となり且つ駐車車両25bに対するユーザの乗降や物品の出し入れ等が容易となるような大きさになっている。
【0053】
目標駐車エリアSの大きさ及び位置が設定されると、ガレージコントローラ31により表示装置35の表示制御が行われることで、今回の駐車車両25bに対応した目標駐車エリアSだけが表示される。より詳しくは、ガレージコントローラ31により、目標駐車エリアSの境界部又は境界付近に位置する(図3(a)における)ライン表示部35aが点灯状態とされ、他のライン表示部35aが消灯状態とされることで目標駐車エリアSが表示される。これにより、今回の駐車車両25bの運転者等に対して目標駐車エリアSが明確に教示され、駐車車両25bを目標駐車エリアSに駐車させることが可能となる。なお、点灯状態とされたライン表示部35aは、駐車完了後に消灯状態に切り替えられる。
【0054】
一方、図3(b)に示すように、図3(a)とは駐車済み車両25aのサイズが異なる場合、それら駐車済み車両25aの車体幅や駐車位置等が異なることで、駐車不可領域の幅L2’が幅L2とは異なっている。この場合、ガレージコントローラ31は、隣接する駐車済み車両25aと目標駐車エリアSとの距離を離間距離L1’に設定する。離間距離L1’は、非駐車幅L2’にかかわらず、駐車済み車両25a及び今回の駐車車両25bに対するユーザの乗降が容易に行われ且つそれら車両25a,25bの間隔が小さすぎたり大きすぎたりしないような大きさになっている。
【0055】
また、今回の駐車車両25bのサイズが図3(a)とは異なる場合、ガレージコントローラ31は、目標駐車エリアSの幅をエリア幅L3ではなくエリア幅L3’に設定する。エリア幅L3’は、今回の駐車車両25bの駐車が容易となり且つ駐車車両25bに対するユーザの乗降や物品の出し入れ等が容易となるような大きさになっている。
【0056】
さらに、目標駐車エリアSが図3(a)とは異なる位置及び大きさであっても、図3(b)に示すように、ガレージコントローラ31により表示制御が行われることで目標駐車エリアSが可変表示される。これにより、上記のように、駐車済み車両25aの大きさや駐車位置がまちまちであったり今回の駐車車両25bの大きさ等がまちまちであったりしても、今回の駐車車両25bの運転者等に対して目標駐車エリアSが明確に教示され、駐車車両25bを目標駐車エリアSに駐車させることが可能となる。
【0057】
また、図4(a)に示すように、既に駐車されている2台の駐車済み車両25aの間に、幅がエリア幅L4である目標駐車エリアSを設定することが可能である場合、エリア幅L4が今回の駐車車両25bの駐車に適した大きさであれば、その駐車車両25bに対して目標駐車エリアSが設定される。そして、表示装置35により目標駐車エリアSが表示されることで、今回の駐車車両25bを2台の駐車済み車両25aの間に駐車させることが可能となる。これにより、ガレージ15におけるスペースを有効に活用することができる。
【0058】
これに対して、図4(b)に示すように、エリア幅L4が今回の駐車車両25bの駐車に適した大きさでなければ、目標駐車エリアSは2台の駐車済み車両25aの間には設定されない。例えば、今回の駐車車両25bに適した目標駐車エリアSの幅がエリア幅L4より大きいエリア幅L5である場合、目標駐車エリアSは、2台の駐車済み車両25aの間には設定されず、エリア幅L5を確保することができる他の場所(例えば、駐車済み車両25aを挟んで反対側)に設定される。この場合でも、表示装置35により目標駐車エリアSが表示されることで、今回の駐車車両25bを2台の駐車済み車両25aの間とは別の場所に駐車させることが可能となる。すなわち、今回の駐車車両25bを適した位置に駐車させることができる。
【0059】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0060】
ガレージ15において、今回駐車される車両25に対して、その車両25についての車両側情報と、都度のガレージ側情報に基づいて目標駐車エリアSの位置及び大きさが設定され、表示装置35により目標駐車エリアSが表示される。したがって、目標駐車エリアSが一定の位置及び大きさとして設定される構成とは異なり、駐車済み車両25aの大きさや駐車位置がまちまちであったり今回の駐車車両25bの大きさ等がまちまちであったりしても、駐車済み車両25aと今回の駐車車両25bとの相互関係に基づいて、ガレージ内スペースにおける適切な位置に各車両25を駐車させることができる。これにより、車両25の周囲に確保されるスペースが小さすぎたり大きすぎたりすることが抑制される。すなわち、ドアの開閉やユーザの乗降が行いにくくなったりガレージ内スペースでの余剰スペースが増加したりするといった不都合の発生を抑制することができる。故に、ユーザの乗降や物品の出し入れを容易なものとしつつ、ガレージ内スペースを有効に活用することができる。故に、ガレージ15における適切な位置への車両25の駐車を可能とし、ひいては、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0061】
ガレージ15に車両25が入庫される都度、既に駐車されている車両25の駐車位置を基準として、その駐車済み車両25aに対して横並びとなるように目標駐車エリアSが設定される。このため、駐車済み車両25aと今回の駐車車両25bとの相対的な位置関係を適正化することができる。例えば、それら車両25a,25b間の間隔を所定間隔となるように今回の駐車車両25bと駐車させる場合、その駐車車両25bが駐車済み車両25aに対して近すぎたり遠すぎたりすることなく、各車両25a,25bの間に適度なスペースを確保することができる。すなわち、各車両25a,25bの位置に関する相互関係に基づいて目標駐車エリアSが設定されるため、各車両25a,25bが相互間で入庫やユーザの乗降に支障となることが抑制される。
【0062】
ガレージコントローラ31によりシャッタ装置41の開閉制御が行われる。この場合、今回の駐車車両25bを対象としてID認証処理が行われることで、ガレージ15への登録車両の入庫だけを許可するとともに、ガレージ15への非登録車両の勝手な入庫を規制することができる。したがって、ガレージ内スペースが非登録車両に使用されることなく、登録車両を適切な位置に駐車させることが可能となる。また、ガレージ内スペースに駐車されている車両25を対象としてイモビ認証が行われることで、車両25の意図しない移動を規制することができる。すなわち、駐車済み車両25aが勝手に出庫されることを規制できる。故に、車両25の防犯効果などを期待することができるようになる。
【0063】
ガレージコントローラ31により表示装置35の表示制御が行われることで、目標駐車エリアSが可変表示されるようになっている。このため、目標駐車エリアSが設定される都度その大きさや位置が異なっていても、その目標駐車エリアSを表示装置35により明確に教示することができる。これにより、ユーザは、目標駐車エリアSに今回の駐車車両25bを容易に駐車させることができる。
【0064】
ガレージコントローラ31とETC車載機52との無線通信を可能な構成としたため、ETC情報を車両側情報としてガレージコントローラ31にて取得することが可能となる。これにより、ノンストップ自動料金収受システム等に使用されるETC車載機やそれに記憶されているETC情報を多岐に亘って活用することができる。また、ガレージコントローラ31とETC車載機52との通信システムを新たに構築する必要がないため、システム構築に伴うコスト増加を抑制しつつ、入庫管理システムを構築することができる。
【0065】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0066】
・ガレージ15に対する車両25の入出庫順序に関する情報がガレージ側情報としてガレージコントローラ31に取得され、その入出庫順序に基づいて目標駐車エリアSが設定される構成としてもよい。例えば、ガレージコントローラ31を、各車両25がガレージ15に対して出入りするスケジュールやユーザのスケジュール等の情報が記憶され、その情報に基づいて車両25の入出庫順序に関する情報が取得される構成とする。この場合、図5に示すように、ガレージ15が、複数の車両25が縦並びに駐車されるガレージ内スペースを有していても、各車両25を、それぞれの入出庫順序を考慮して適切な位置に駐車させることが可能となる。
【0067】
例えば、目標駐車エリアSとして、第1目標駐車エリアS1と、第1目標駐車エリアS1の横並び位置となる第2目標駐車エリアS2と、第1目標駐車エリアS1の奥方に縦並びとなる第3目標駐車エリアS3とが設定されており、駐車済み車両25aが第1目標駐車エリアS1及び第3目標駐車エリアS3に駐車されている場合、今回の駐車車両25bが第2目標駐車エリアS2に駐車されると、第2目標駐車エリアS2から車両25が出庫されない限り第3目標駐車エリアS3の駐車車両25を出庫させることができない。この場合、第3目標駐車エリアS3の駐車車両25を出庫させるには、前後の車両25を入れ替えるといった手間がかかることになる。
【0068】
これに対して、車両25の入出庫順序に基づいて目標駐車エリアS1〜S3が設定される構成であれば、車両25の入れ替えを行うことなく車両25を出入りさせることが可能となる。例えば、出庫予定が最初の車両25が今回の駐車車両25bとして最初に入庫される場合、その車両25aの入庫に際して第1目標駐車エリアS1が設定されれば、各目標駐車エリアS1〜S3に車両25が駐車された後でも、車両25の入れ替えを行うことなく第1目標駐車エリアS1から車両25を最初に出庫させることができる。この場合、各車両25の位置に関する相互関係だけでなく、各車両25の入出庫に関する相互関係も加味して目標駐車エリアSが設定されることになり、ユーザにとっての利便性をより一層向上させることができる。
【0069】
・上記実施形態において、ライン表示部35aを、車両進退方向に延びるようにして設け、2つのライン表示部35aの間にて目標駐車エリアSを教示したが、ライン表示部35aを車両進退方向と交差する方向に延びるようにして設け、その長さにより目標駐車エリアSを教示してもよい。例えば、図5に示すように、各目標駐車エリアS4〜S6に対してそれぞれライン表示部35aが車両進入側に設けられている構成とする。また、目標駐車エリアSにおけるガレージ床面36の略全体にライン表示部35aが設けられていてもよい。これらの場合でも、ライン表示部35aが点灯状態又は消灯状態に切り替えられることで、目標駐車エリアSを明確に教示することができる。
【0070】
・上記実施形態では、目標駐車エリアSが表示される構成として、ライン表示部35aが点灯される構成としたが、ライン表示部35aの点灯色が変化する構成としてもよい。また、ガレージ床面36に埋め込まれた画像パネルにて画像表示が行われる構成としてもよく、ガレージ床面36と識別可能な色により着色された着色部が移動可能な構成としてもよい。さらに、出没可能な突出部が目標駐車エリアSの境界部又は境界付近にて突出される構成としてもよい。いずれの構成によっても、目標駐車エリアSを教示することが可能となる。
【0071】
・上記実施形態において、目標駐車エリアSは、運転者等に対して表示される構成としたが、車両25に対して教示される構成としてもよい。例えば、駐車支援機能が搭載された車両25が今回の駐車車両25bである場合、ガレージコントローラ31からETC車載機52に対して目標駐車エリアSを示す信号が出力される構成とする。この場合でも、今回の駐車車両25bをガレージ15における適切な位置に駐車させることが可能となる。
【0072】
・上記実施形態では、目標駐車エリアSの大きさが、車両25の大きさに基づいて設定される構成としたが、車両25の車種や用途に基づいて設定される構成としてもよい。例えば、ガレージコントローラ31により、車両側情報としてETC情報に含まれている車両種別情報に基づいて、車椅子の乗降を可能とした福祉車両が今回の駐車車両25bである旨の情報が取得された場合、車椅子の乗降が可能な大きさのスペースを車両25の周囲に確保するように目標駐車エリアSが設定される構成とする。これにより、車両25の用途に合わせた位置にその車両25を駐車させることが可能となり、ユーザにとっての利便性をより一層向上させることができる。
【0073】
・ガレージ15に、車両25との電気的に接続されることで送電及び受電が可能となる電力装置が設置されていてもよい。例えば、ガレージコントローラ31により、車両側情報に基づいて今回の駐車車両25bが電気自動車やハイブリッド自動車である旨の情報が取得された場合、その駐車車両25bと電力装置との接続が可能な目標駐車エリアSが設定される構成とする。この場合、駐車済み車両25aが支障となって駐車車両25bと電力装置とを接続することができないといった不都合の発生を抑制することができるため、電気自動車やハイブリッド自動車の車載バッテリに対する充電等を確実に行わせることが可能となる。
【0074】
・車両側情報としてのETC情報には、ユーザの個人情報がユーザ情報として含まれていてもよい。例えば、車両運転に対するユーザの熟練度や年齢がユーザ情報としてETC情報に含まれていれば、今回の駐車車両25bが運転初心者や高齢者により運転されている場合に、運転操作が比較的容易となる位置(例えば、ガレージ内スペースにおける端部等)に目標駐車エリアSを設定することが可能となる。これにより、ユーザにとっての利便性をより一層向上させることができる。
【0075】
・上記実施形態では、目標駐車エリアSが、ガレージ側情報及び車両側情報に基づいて設定される構成としたが、いずれか一方の情報に基づいて設定される構成としてもよい。例えば、常に同一の車両25が今回の駐車車両25bとしてガレージ15に入庫される場合、ガレージ側情報だけに基づいて目標駐車エリアSが設定される構成であっても、ガレージ15における適切な位置に車両25を駐車させることが可能となる。また、常にガレージ15側の状況が同一である場合、車両側情報だけに基づいて目標駐車エリアSが設定される構成であっても、ガレージ15における適切な位置に車両25を駐車させることが可能となる。
【0076】
・上記実施形態では、車両25の入出庫がシャッタ装置41により規制される構成としたが、輪止め部により規制される構成としてもよい。例えば、図6に示すように、建物10から独立して設けられた駐車場71に、床面に対して出没可能な輪止め部72が設けられている構成とする。なお、駐車場71は、建物10から独立して設けられた車庫であってもよい。
【0077】
輪止め部72は、突出状態及び没入状態に移行可能な構成となっており、突出状態に移行することで車両25の入庫又は出庫を規制し、没入状態に移行することで車両25の入庫又は出庫を許可するようになっている。また、輪止め部72は、ガレージコントローラ31に接続されており、ガレージコントローラ31により輪止め部72の出没制御が行われるようになっている。したがって、この場合、駐車場71に対する非登録車両の勝手な進入を規制することができるとともに、駐車されている車両25が勝手に移動されることを規制でき、ひいては、車両25の防犯効果などを期待することができる。
【0078】
・ガレージ側情報又は車両側情報がホームサーバ等から取得される構成としてもよい。例えば、ホームサーバとして、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを有するパソコン75が設けられており、パソコン75にはインターネット76が接続されている構成とする。この場合、ガレージコントローラ31は、車両25に関する詳細な情報を車両側情報としてインターネット76から取得することが可能となるため、車両25に対する目標駐車エリアSの設定をより一層きめ細かく行うことができる。
【0079】
・ガレージ側情報又は車両側情報が通信衛星から取得される構成としてもよい。例えば、ETC車載機52と通信衛星77との通信が可能な構成とする。この場合、車両25に関する詳細な情報を車両側情報として通信衛星77から取得することが可能となるため、車両25に対する目標駐車エリアSの設定をきめ細かく行うことができる。
【0080】
・目標駐車エリアSに駐車されている車両25に対して駐車料金が設定される構成としてもよい。例えば、ガレージコントローラ31により、車両側情報に基づいて、車両25の種類や大きさ、駐車時間などに応じて駐車料金が設定される構成とする。したがって、ガレージ15が有料駐車場として利用される場合でも、入庫管理とともに駐車料金管理を容易に行うことが可能となる。また、ガレージ内スペースにおける適した位置に車両25を駐車させることができるため、ガレージ内スペースを有効に活用することでより多くの車両25をガレージ15に駐車させることができる。したがって、有料駐車場としてのガレージ15を効率よく運用することができる。
【0081】
・上記実施形態では、車両25に、通信手段としてETC車載機52が搭載されている構成としたが、他の通信手段が搭載されていてもよい。要は、車両25側とガレージ15側との無線通信が可能な構成であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施形態における建物の一階部分における構成の一部を示す平面図。
【図2】入庫管理システムの概略を示す全体構成図。
【図3】目標駐車エリアの可変設定機能について説明する説明図。
【図4】目標駐車エリアの可変設定機能について説明する説明図。
【図5】別の目標駐車エリアの一例を示す図。
【図6】別の入庫管理システムの概略を示す全体構成図。
【符号の説明】
【0083】
10…建物、15…ガレージ、25…車両、25a…駐車済み車両、25b…今回の駐車車両、31…ガレージコントローラ、32…車両検出センサ、35…表示装置、38…ガレージ通信装置、41…シャッタ装置、52…ETC車載機、71…駐車場、72…輪止め部、S…目標駐車エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側から車両側情報を取得する第1取得手段と、
駐車場側から駐車場側情報を取得する第2取得手段と、
車両の駐車に際し、今回の駐車車両について前記第1取得手段により取得した車両側情報、及び前記第2取得手段により取得した都度の駐車場側情報の少なくとも一方に基づいて、前記駐車車両の目標駐車エリアを設定するエリア設定手段と、
前記エリア設定手段により設定した目標駐車エリアを車両側に教示する教示手段と、
を備えることを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】
複数の車両を駐車可能とする駐車場に適用される駐車場管理システムであって、
前記エリア設定手段は、今回の駐車車両の目標駐車エリアを、既に駐車されている駐車済み車両及び今後駐車予定の駐車予定車両の少なくとも一方との相互関係に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記第2取得手段は、前記駐車場側情報として、車両の駐車時において、既に駐車されている駐車済み車両の駐車位置を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記第2取得手段は、前記駐車場側情報として、駐車済み及び駐車予定の他車両についての当該駐車場への出入りスケジュール情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記第1取得手段は、前記車両側情報として、今回の駐車車両から少なくとも車両サイズを含む車両種別情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記第1取得手段は、前記車両側情報として、今回の駐車車両のドライバに関するドライバ情報を取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項7】
前記第1取得手段は、前記車両側情報として、あらかじめ登録された登録車両であることを示す登録情報を取得し、
駐車場への車両の進入を規制する規制状態、及び該進入を規制しない非規制状態のいずれかに移行可能な進入規制手段と、
車両の駐車に際し、前記登録情報に基づいて登録車両か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により今回の駐車車両が登録車両であると判定された場合に前記進入規制手段を非規制状態に移行させる制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項8】
駐車場内での車両の移動を規制する規制状態、及び該移動を規制しない非規制状態のいずれかに移行可能な移動規制手段と、
前記第1取得手段により取得した車両側情報に基づいて、前記駐車場内での車両の移動を規制すべく前記移動規制手段を規制状態に移行させる制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項9】
車両の駐車に際し、前記第1取得手段により取得した車両側情報に基づいて、当該駐車車両の駐車料金を設定する料金設定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項10】
駐車場の床部に、車両駐車位置を可変表示できる位置表示手段を設け、
前記教示手段は、前記目標駐車エリアに応じて前記位置表示手段による表示位置を変更することで、前記目標駐車エリアを車両側に教示することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項11】
駐車場の特定位置に、車両に対して接続可能とされ、当該車両との間で送電又は受電を行う電力装置を設け、
前記エリア設定手段は、前記第1取得手段により取得した車両側情報から、今回の駐車車両が前記電力装置との接続が可能な車両であると判定した場合に、前記電力装置との接続が可能となる位置に前記目標駐車エリアを設定することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
【請求項12】
車両に搭載されるETC車載機との間で無線通信を可能とする通信手段を備え、
前記第1取得手段は、前記車両側情報として、ETC車載機に記憶されているETC情報を前記通信手段を介して取得し、
前記エリア設定手段は、前記ETC情報に基づいて前記目標駐車エリアを設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−139983(P2009−139983A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312211(P2007−312211)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】