説明

駐車装置と昇降装置

【課題】 簡易な構成で、安定して運転ができる駐車装置と昇降装置とを提供しようとする。
【解決手段】
従来の駐車装置にかわって、複数の格納棚と、昇降台車と、前記昇降台車に回転自在に各々に支持された左側補助遊動輪と右側補助遊動輪と、前記昇降台車を吊る主ケーブルと、前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間にたすき状に掛け渡され上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第一補助ケーブルと、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間にたすき状に掛け渡され上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第二補助ケーブルと、前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備えるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置と対象物を昇降させる昇降装置とに係る。特に、車両または対象物を昇降させる構成に特徴のある駐車装置と昇降装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
機械式の駐車装置が、車両を駐車させるのに利用される。
対象物を昇降させるのに昇降装置が用いられる。
例えば、駐車装置は、複数のパレット台車と主構造体と昇降台車と主ケーブルと巻上装置とで構成される。
昇降台車と主ケーブルと巻上装置とが、昇降装置に該当する。
パレット台車は、車両を載せることをできる構造体である。
主構造体は、上下方向に並んだ複数の格納棚を設けられる。
格納棚は、車両を載せたパレット台車を格納できる構造体である。
昇降台車は、車両をのせことをできる台車である。
主ケーブルは、昇降台車を昇降路の中で吊ることをできるケーブルである。
巻上装置は、主ケーブルを巻上げ、または巻き下げて、昇降台車を入出庫スペースと格納棚との間で往復移動させることをできる機構である。ここで、入出庫スペースは、車両がパレットの上に乗りまたは降りるためのスペースであり、昇降路の一部に設けられる。
【0003】
以下では、機械式駐車装置の一例を、図を基に、より具体的に説明する。
図8は、従来の駐車装置の斜視図である。
一例の駐車装置は、パレット台車10と主構造体20と昇降台車30と主ケーブル40と巻上装置50とで構成される。
【0004】
パレット台車10は、車両の前後左右の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた複数のパレット台車長手部材12を有する台車である。
主構造体20は、複数の格納棚21と横行案内部材23と横行駆動装置24とで構成される。
格納棚21は、上下方向に並んで車両を載せた複数のパレット台車10を各々に格納できる。
横行案内部材23は、格納棚21に格納されるパレット台車10を昇降路Hの中に引きだすための案内部材である。
横行駆動装置24は、パレット台車10を横行させて、格納棚21と昇降路Hの中とで往復させる装置である。
【0005】
昇降台車30は、左側昇降台車30Lと右側昇降台車30Rとで構成される。左側昇降台車30Lは、昇降路Hの中の左側を昇降する。右側昇降台車30Rは、昇降路Hの中の右側を昇降する。
左側昇降台車30Lは、左側昇降台車構造部材31Lと複数の左側昇降台車長手部材32Rとで構成される。左側昇降台車構造部材31Lは、前後方向に長い梁部材と梁部材の端部に固定される一対の縦部材とで構成される。左側昇降台車長手部材32Lは、左端部を昇降台車構造部材に固定され、右端部を右側に水平に延ばして、車両の左側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた部材である。
右側昇降台車30Rは、右側昇降台車構造部材31Rと複数の右側昇降台車長手部材32Rとで構成される。右側昇降台車構造部材31Rは、前後に長い梁部材と梁部材の端部に固定される一対の縦部材とで構成される。右側昇降台車長手部材32Rは、右端部を昇降台車構造部材に固定され、左端部を左側に水平に延ばして、車両の右側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた部材である。
【0006】
主ケーブル40は、昇降台車30を格納棚21に沿って上下に延びる昇降路Hの中に吊ることをできる機械要素である。
巻上装置50は、主ケーブル40を外周に巻き掛けられた駆動シーブ51と駆動シーブ51を回転駆動できる駆動機構55とカウンタウエイト57とで構成される。
主ケーブル40が、前後一対の左側主ケーブル40Lと前後一対の右側主ケーブル40Rとで構成される。主ケーブル40は、下方に降ろされた一方の端部を昇降台車の構造部材の縦部材に連結され、下方に降ろされた他方の端部をカウンタウエイト57に連結される。
【0007】
巻上げ装置50が主ケーブルを巻上げると、昇降台車30が昇降路を上昇する。巻上げ装置50が主ケーブルを巻下げると、昇降台車30が昇降路を下降する。
【0008】
駐車装置は、入庫工程と出庫工程とを実施する。
(入庫工程)
車両を駐車装置に入庫させる場合の作動を説明する。
車両が、入出庫スペースSに置かれた昇降台車30に自走して入る。
巻上装置50が、主ケーブル40を巻き上げて、複数の格納棚21のうちの一つの格納棚の横の上方に昇降台車30を停止させる。
横行駆動装置24が、パレット台車10を、格納棚21から昇降路Hの中へ移動させる。パレット台車10が昇降台車30の下側に位置する。
巻上装置50が、主ケーブル40を巻き下げて、昇降台車30を下降させる。
車両が、昇降台車30からパレット台車10へ乗り移る。
横行駆動装置24が、車両の載せたパレット台車10を、昇降路Hの中から格納棚21へ移動させる。
【0009】
(出庫工程)
車両を駐車装置から出庫させる場合の作動を説明する。
横行駆動装置24が、車両の載せたパレット台車10を、格納棚21から昇降路Hの中へ移動させる。
巻上装置50が、主ケーブル40を巻き上げて、昇降台車30を昇降路Hの中で昇降させる。
昇降台車30が昇降路Hの中をパレット台車10の下方から上方へ移動すると、車両がパレット台車10から昇降台車30へ移動する。
横行駆動装置24が、空のパレット台車10を、昇降路Hの中から格納棚21へ移動させる。
巻上装置50が主ケーブル40を巻き下げて、昇降台車30を入出庫スペースSに降ろす。
車両が、入出庫スペースSから自走して出る。
【0010】
上記の巻上げ装置において、駆動シーブ51に摩擦車を使用したい場合がある。
摩擦車は、巻き掛けられた主ケーブル40に摩擦力を作用させて、主ケーブルを巻上げ、または巻き下げする輪である。
例えば4組の主ケーブルが昇降台車の四隅を各々に吊る。
巻上装置41が昇降台車を昇降させている際に、急停止等をすると、主ケーブルが摩擦車の外周を滑ることがある。
その際に、4組の主ケーブルの滑り距離に差異が生ずると、昇降台車の主ケーブルの吊り位置にばらつきが発生し、昇降台車が傾いて、昇降台車に支持された車両が傾いてしまう恐れがある。
従って、昇降台車を傾かせないための何らかの工夫が必要である。
特に、昇降台車が、左側昇降台車と右側昇降台車とに分離している場合に、その現象が顕著に出現する。
【0011】
【特許文献1】特開昭63−1184466号
【特許文献2】特開平2−311674号
【特許文献3】特開2002−326778号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で、安定して運転ができる駐車装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、車両を各々に格納できる複数の格納棚を有する主構造体と、車両を載せることをできる昇降台車と、前記昇降台車に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持された左側補助遊動輪と右側補助遊動輪と、前記昇降台車を前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる主ケーブルと、前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第一補助ケーブルと、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第二補助ケーブルと、前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。
【0014】
上記本発明の構成により、主構造体の複数の格納棚が、車両を各々に格納できる。昇降台車が、車両を載せることをできる。左側補助遊動輪と右側補助遊動輪とが、前記昇降台車に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持される。主ケーブルが、前記昇降台車を前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる。第一補助ケーブルが、前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定される。第二補助ケーブルが、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定される。巻上装置が、前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する。前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。
その結果、前記第一補助ケーブルの張力が昇降台車を時計周りに回転するのを抑制し、前記第二補助ケーブルの張力が昇降台車を反時計周りに回転するのを抑制し、前記駆動機構が前記駆動シーブを回転駆動すると、前記主ケーブルを巻上げまたは巻き下げて、昇降台車に支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、車両の前後左右の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた複数の長手部材を有する複数のパレット台車と、上下方向に並んで車両を載せた複数のパレット台車を各々に格納できる複数の格納棚を有する主構造体と、構造部材と前記構造部材に車両の左側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定された複数の左側長手部材と前記構造部材に車両の右側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定された複数の右側長手部材とを有する昇降台車と、前記構造部材に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持される左側補助遊動輪と右側補助遊動輪と、前記昇降台車を前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる主ケーブルと、前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第一補助ケーブルと、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第二補助ケーブルと、前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。
【0016】
上記本発明の構成により、複数のパレット台車が、車両の前後左右の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた複数の長手部材を有する。主構造体の複数の格納棚が、上下方向に並んで車両を載せた複数のパレット台車を各々に格納できる。前記昇降台車が、構造部材と前記構造部材に車両の左側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定された複数の左側長手部材と前記構造部材に車両の右側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定された複数の右側長手部材とを有する。左側補助遊動輪と右側補助遊動輪とが、前記構造部材に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持される。前記主ケーブルが、前記昇降台車を前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる。前記第一補助ケーブルが、前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定される。前記第二補助ケーブルが、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定される。前記巻上装置が、前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する。前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。
その結果、車両が、前後左右の車輪を昇降台車の複数の左側長手部材と複数の右側長手部材とに支持され、前記第一補助ケーブルの張力が昇降台車を時計周りに回転するのを抑制し、前記第二補助ケーブルの張力が昇降台車を反時計周りに回転するのを抑制し、前記駆動機構が前記駆動シーブを回転駆動すると、前記主ケーブルを巻上げまたは巻き下げて、昇降台車に支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
【0017】
以下に、本発明の実施形態に係るいくつかの駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0018】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記昇降台車が左右に分離した左側昇降台車と右側昇降台車とを有し、前記左側昇降台車が前後に延びた左側構造部材と前記左側構造部材に固定された複数の前記左側長手部材とを持ち、前記右側昇降台車が前後に延びた右側構造部材と前記右側構造部材に固定された複数の前記右側長手部材とを持ち、前記左側補助遊動輪が前記左側構造部材に水平軸まわりに回転自在に支持され、前記右側補助遊動輪が前記右側構造部材に水平軸まわりに回転自在に支持され、前記主ケーブルが、前記左側昇降台車を前記昇降路の中の左側に吊ることをできる左側主ケーブルと、前記右側昇降台車を前記昇降路の中の右側に吊ることをできる右側主ケーブルとを有し、前記右側主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記右側昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、前記左側主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記左側昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。
【0019】
上記本発明の構成により、昇降台車の前記左側昇降台車と前記右側昇降台車とが左右に分離する。複数の前記左側長手部材が、前後に延びた左側構造部材に固定される。前記左側補助遊動輪が、前記左側構造部材に水平軸まわりに回転自在に支持される。複数の前記右側長手部材が、前後に延びた右側構造部材に固定される。前記右側補助遊動輪が、前記右側構造部材に水平軸まわりに回転自在に支持される。左側主ケーブルが、前記左側昇降台車を前記昇降路の中の左側に吊ることをできる、下方に降ろされた一方の端部を前記左側昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。右側主ケーブルとが、前記右側昇降台車を前記昇降路の中の右側に吊ることをでき、下方に降ろされた一方の端部を前記右側昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。
その結果、車両の左側が、複数の前記左側長手部材に支持される。車両の右側が、複数の前記右側長手部材に支持される。前記第一補助ケーブルの張力が右側昇降台車が左側昇降台車より下がるのを抑制し、前記第二補助ケーブルの張力が左側昇降台車が右側昇降台車より下がるのを抑制し、前記駆動機構が前記駆動シーブを回転駆動すると、前記左側主ケーブルと右側主ケーブルとを巻上げまたは巻き下げて、右側昇降台車と左側昇降台車とに支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
【0020】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、昇降台車に乗った車両が傾いていないときに、前記第一補助ケーブルの端部の位置を第一変位原点とし、前記第二補助ケーブルの端部の位置を第二変位原点とし、前記第一補助ケーブルの端部が縮む方向に移動したときに前記第一補助ケーブルの端部と前記第一変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を前記第一補助ケーブルの作用させる第一引張機器と、前記第二補助ケーブルの端部が縮む方向に移動したときに前記第二補助ケーブルの端部と前記第二変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を前記第二補助ケーブルの作用させる第二引張機器と、を備える。
【0021】
上記本発明の構成により、第一変位原点が、昇降台車に乗った車両が傾いていないときに、前記第一補助ケーブルの端部の位置である。第二変位原点が、昇降台車に乗った車両が傾いていないときに、前記第二補助ケーブルの端部の位置である。前記第一補助ケーブルの端部が縮む方向に移動したときに、第一引張機器が、前記第一補助ケーブルの端部と前記第一変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を前記第一補助ケーブルの作用させる。前記第二補助ケーブルの端部が縮む方向に移動したときに、第二引張機器が前記第二補助ケーブルの端部と前記第二変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を前記第二補助ケーブルの作用させる。
その結果、昇降台車に支持された車両が右側に傾こうとすると、第一引張機器が第一補助ケーブルの縮む向きに変位した量に応じて増加する張力を第一補助ケーブルに作用させて、昇降台車に支持された車両が左側に傾こうとすると、第二引張機器が第二補助ケーブルの縮む向きに変位した量に応じて増加する張力を第二補助ケーブルに作用させて、車両の左右の車両を水平にしようとする。
【0022】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で、安定して運転ができる昇降装置を提供しようとする。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を上下方向に延びる昇降路のなかで昇降させる昇降装置を、対象物を載せることをできる昇降台車と、前記昇降台車に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持された左側補助遊動輪と右側補助遊動輪と、前記昇降台車を昇降路の中に吊ることをできる主ケーブルと、前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第一補助ケーブルと、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第二補助ケーブルと、前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。
【0024】
上記本発明の構成により、昇降台車が、対象物を載せることをできる。左側補助遊動輪と右側補助遊動輪とが、前記昇降台車に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持される。主ケーブルが、前記昇降台車を昇降路の中に吊ることをできる。第一補助ケーブルが、前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定される。
第二補助ケーブルが、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定される。巻上装置が、前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する。前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。
その結果、前記第一補助ケーブルの張力が昇降台車を時計周りに回転するのを抑制し、前記第二補助ケーブルの張力が昇降台車を反時計周りに回転するのを抑制し、前記駆動機構が前記駆動シーブを回転駆動すると、前記主ケーブルを巻上げまたは巻き下げて、昇降台車に支持された対象物をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明に係る車両を駐車させる駐車装置と対象物を昇降させる昇降装置は、その構成により、以下の効果を有する。
昇降路を上下にならべた前記格納棚に沿って設け、駆動シーブに巻き掛けられた主ケーブルにより昇降台車を昇降路の中に吊り、昇降台車に左右一対の前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪とを設け、第一補助ケーブルを前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡し、前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛け、前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛け、上方に向いた一方の端部を固定し、下方に向いた他方の端部を固定する様にし、第二補助ケーブルを、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡し、前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛け、前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛け、上方に向いた一方の端部を固定し、下方に向いた他方の端部を固定する様にしたので、前記第一補助ケーブルの張力が昇降台車を時計周りに回転するのを抑制し、前記第二補助ケーブルの張力が昇降台車を反時計周りに回転するのを抑制し、前記駆動機構が前記駆動シーブを回転駆動すると、前記主ケーブルを巻上げまたは巻き下げて、昇降台車に支持された車両を傾けない状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
格納棚に前記パレット台車を格納し、昇降台車の左側長手部材が車両の左側の車輪を支持し、昇降台車の右側長手部材が車両の右側の車輪を支持し、昇降路を上下にならべた前記格納棚に沿って設け、駆動シーブに巻き掛けられた主ケーブルにより昇降台車を昇降路の中に吊り、昇降台車に左右一対の前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪とを設け、第一補助ケーブルを前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡し、前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛け、前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛け、上方に向いた一方の端部を固定し、下方に向いた他方の端部を固定する様にし、第二補助ケーブルを、前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡し、前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛け、前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛け、上方に向いた一方の端部を固定し、下方に向いた他方の端部を固定する様にしたので、車両が、前後左右の車輪を昇降台車の複数の左側長手部材と複数の右側長手部材とに支持され、前記第一補助ケーブルの張力が昇降台車を時計周りに回転するのを抑制し、前記第二補助ケーブルの張力が昇降台車を反時計周りに回転するのを抑制し、前記駆動機構が前記駆動シーブを回転駆動すると、前記主ケーブルを巻上げまたは巻き下げて、昇降台車に支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
また、前記昇降台車を左右に分離した左側昇降台車と右側昇降台車とし、左側昇降台車が左側補助遊動輪を支持し、右側昇降台車が右側補助遊動輪を支持し、
右側主ケーブルが右側昇降台車を昇降路の中の右側に支持し、左側主ケーブルが左側昇降台車を昇降路の中の左側に支持する様にしたので、車両の左側が、左側昇降台車の複数の左側長手部材に支持される。車両の右側が、右側昇降台車の複数の右側長手部材に支持される。前記第一補助ケーブルの張力が右側昇降台車が左側昇降台車より下がるのを抑制し、前記第二補助ケーブルの張力が左側昇降台車が右側昇降台車より下がるのを抑制し、前記駆動機構が前記駆動シーブを回転駆動すると、前記左側主ケーブルと右側主ケーブルとを巻上げまたは巻き下げて、右側昇降台車と左側昇降台車とに支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
また、端部の位置が第一変位原点より縮む向きに移動したときにその移動量の増加に応じて増加する張力を前記第一補助ケーブルに作用させる第一引張機器を設け、端部の位置が第一変位原点より縮む向きに移動したときにその移動量の増加に応じて増加する張力を前記第二補助ケーブルに作用させる第一引張機器を設けたので、昇降台車に支持された車両が右側に傾こうとすると、第一引張機器が第一補助ケーブルの縮む向きに変位した量に応じて増加する張力を第一補助ケーブルに作用させて、昇降台車に支持された車両が左側に傾こうとすると、第二引張機器が第二補助ケーブルの縮む向きに変位した量に応じて増加する張力を第二補助ケーブルに作用させて、車両の左右の車両を水平にしようとする。
従って、簡易な構成で、安定して運転ができる駐車装置と昇降装置とを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0027】
本発明の実施形態に係る駐車装置の構成を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る駐車装置の斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る引張機器の断面図である。
以下では、説明の便宜上、駐車した車両の前後を前後方向とし、車両の左右を左右方向とする。
【0028】
駐車装置は、車両1を駐車させる装置であり、複数のパレット台車10と主構造体20と昇降台車30と主ケーブル40と巻上装置50と左側補助遊動輪60Lと右側補助遊動輪60Rと第一補助ケーブル61と第二補助ケーブル62と第一引張機器63と第二引張機器64と固定機器65とで構成される。
昇降台車30と主ケーブル40と巻上装置50と左側補助遊動輪60Lと右側補助遊動輪60Rと第一補助ケーブル61と第二補助ケーブル62と第一引張機器63と第二引張機器64と固定機器65とが昇降装置に該当する。
【0029】
パレット台車10は、車両1を乗せることをできる台車である。
パレット台車10は、後述する格納棚21と横行案内部材23とに左右方向に横行自在に案内される。
パレット台車10は、パレット台車構造部材11と複数のパレット台車長手部材12とで構成されてもよい。
パレット台車構造部材は、車両の前後方向に沿って伸びるパレット台車梁部材11aと車両の前後に配され梁部材の端部に直交して固定されるパレット台車端部部材11bとで構成される。
パレット台車端部部材11bは、後述する格納棚21と横行案内部材23に設けられた車輪に支持される。
複数のパレット台車長手部材12は、車両の前後左右の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた部材である。
2組のパレット台車長手部材12の中間部が、パレット台車梁部材11aに固定される。
1組のパレット台車長手部材12は、何本かの長手部材12で構成される。
前方の1組のパレット台車長手部材12が、車両の左右の前輪を下から支持できる。
後方の1組のパレット台車長手部材12が、車両の左右の後輪を下から支持できる。
【0030】
パレット台車10が、後述する横行案内部材23に支持されて昇降路Hの中に位置するときに、パレット台車梁部材11aが昇降路Hの中の中央を前後方向に延びて位置し、一対のパレット台車端部部材11bが昇降路Hの中の前側と後側に左右方向に延びて位置する。
【0031】
図2は、前後方向に延びる2本のパレット台車梁部材11aとパレット台車梁部材11aの端部に固定された前後一対のパレット台車端部部材11bとで構成されたパレット台車構造部材11を示している。
4本のパレット台車長手部材12が、所定のピッチで車両の前輪の位置に配され、中央部をパレット台車梁部材11aに固定される。
10本のパレット台車長手部材12が、所定のピッチで車両の後輪の位置に配され、中央部をパレット台車梁部材11aに固定される。
パレット台車10は、格納棚21と横行案内部材23と設けられた車輪に案内されて横行し、昇降路Hの中と格納棚21との間で往復できる。
車両1を駐車する際には、パレット台車10は、車両1を乗せて、格納棚21に格納される。
【0032】
主構造体20は、駐車装置の建屋の骨格であり、2N個の格納棚21と柱22と梁(図示せず。)とN個の横行案内部材23とN個の横行駆動機器24とで構成される。
複数の格納棚21は、昇降路Hの左右に各々に配置される。格納棚21は、パレット台車10を格納することをできる棚である。
例えば、格納棚21は、車両の前後方向に配され左右方向に延びた一対の部材とその部材に回転自在に支持された複数の車輪とでできている。パレット台車10は、車輪に案内されて左右方向に移動できる。
柱22は、格納棚21を支持する構造部材である。
梁は、柱22を左右に繋ぐ構造部材である。
横行案内部材23は、昇降路Hの前後に配置され、パレット台車10を横行自在に案内し、昇降路Hの中央に支持する。
例えば、横行案内部材23は、昇降路Hの中の前後方向に配され左右方向に延びた一対の部材とその部材に回転自在に支持された複数の車輪とでできている。パレット台車10は、車輪に案内されて左右方向に移動できる。
格納棚21と横行案内部材23とは、隙間をあけて左右方向に並ぶ。後述する昇降台車30の構造部材31は、昇降路Hを昇降する際に、格納棚21と横行案内部材23との隙間を通り抜け出きる。
横行駆動機器24は、格納棚21の車輪と横行案内部材23の車輪を回転駆動できる機器である。
横行駆動機器24が、格納棚21の車輪と横行案内部材23の車輪を時計回りまたは反時計回りに回転駆動すると、複数の車輪に支持されたパレット台車10が格納棚21から横行案内部材23へ、または横行案内部材23から格納棚21へ移動する。
【0033】
昇降台車30は、車両1を乗せることをできる構造部材を有するものである。
昇降台車30は、昇降台車構造部材31と複数の左側昇降台車長手部材(左側長手部材に相当する。)32Lと複数の右側昇降台車長手部材(右側長手部材に相当する。)32Rとで構成される。左側昇降台車長手部材32Lは、昇降台車構造部材31に車両の左側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定される長手部材である。右側昇降台車長手部材32Rは、昇降台車構造部材31に車両の右側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定された長手部材である。
【0034】
昇降台車30は、左右に分離した左側昇降台車30Lと右側昇降台車30Rとで構成されてもよい。
例えば、左側昇降台車30Lは、左側昇降台車構造部材31Lと複数の左側昇降台車長手部材32Rとで構成される。左側昇降台車構造部材31Lは、前後に長い左側昇降台車梁部材33Lと左側昇降台車梁部材33Lの端部に各々に固定される一対の左側昇降台車縦部材35Lとで構成される。左側昇降台車長手部材32Lは、左端部を左側昇降台車梁部材33Lに固定され、右端部を右側に向けて、水平に延ばして、車両の左側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた部材である。
例えば、右側昇降台車30Rは、右側昇降台車構造部材31Rと複数の右側昇降台車長手部材32Rとで構成される。右側昇降台車構造部材31Rは、前後に長い右側昇降台車梁部材33Rと右側構昇降台車梁部材33Rの端部に各々に固定される一対の右側昇降台車縦部材34Rとで構成される。右側昇降台車長手部材32Rは、右端部を右側昇降台車梁部材33Rに固定され、左端部を左側に向けて、水平に延ばして、車両の右側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた部材である。
【0035】
図2に示した昇降台車30をより具体的に説明する。
左側昇降台車梁部材33Lが昇降路Hの中の左側に位置して前後方向に延びる。一対の左側昇降台車縦部材34Lが左側昇降台車梁部材33Lの両端に各々に固定されている。左側昇降台車縦部材34Lの上端が、後述する左側主ケーブル40Lの下端に連結される。
5本の左側昇降台車長手部材32Lが、車両の左側の前輪を支持する様に配され、左端部を左側昇降台車梁部材33Lの側面に固定され、右端部を右側にむけて、水平に延ばしている。
10本の左側昇降台車長手部材32Lが、車両の左側の後輪を支持する様に配され、左端部を左側昇降台車梁部材33Lの側面に固定され、右端部を右側に向けて、水平に延ばしている。
右側昇降台車梁部材33Rが昇降路Hの中の右側に位置して前後方向に延びる。一対の右側昇降台車縦部材34Rが右側昇降台車梁部材33Rの両端に各々に固定される。右側昇降台車縦部材34Rの上端が、後述する右側主ケーブル40Rの下端に連結される。
5本の右側昇降台車長手部材32Rが、車両の右側の前輪を支持する様に配され、右端部を右側昇降台車梁部材33Rの側面に固定され、左端部を左側に向けて、水平に延ばしている。
10本の右側昇降台車長手部材32Rが、車両の右側の後輪を支持する様に配され、右端部を右側昇降台車梁部材33Rの側面に固定され、左端部を左側に向けて、水平に延ばしている。
【0036】
パレット台車10が横行案内部材23に支持されて昇降路Hの中央に位置する際のパレット台車と昇降台車の関係を説明する。
左側昇降台車構造部材31Lが昇降路Hの左側に配される。
前方の一組の左側昇降台車長手部材32Lが、車両の左側の前輪の位置に配される。
後方の一組の左側昇降台車長手部材32Lが、車両の左側の後輪の位置に配される。
右側昇降台車構造部材31Rが、昇降路Hの右側に配される。
前方の一組の右側昇降台車長手部材32Rが、車両の右側の前輪の位置に配される。
後方の一組の右側昇降台車長手部材32Rが、車両の右側の後輪の位置に、配される。
パレット台車梁部材11aが、昇降路Hの中央部に前後方向に沿って位置する。
一対のパレット台車端部部材11bが、昇降路Hの中の前側と後側との左方向に沿って位置する。
前方の1組のパレット台車長手部材12が、車両の左右の前輪の位置に配される。
後方の1組のパレット台車長手部材12が、車両の左右の後輪の位置に配される。
【0037】
上からみて、前方の一組の左側昇降台車長手部材32Lと、前方の1組のパレット台車長手部材12の左側とが、前後方向に交互に隙間を空けて位置する。
上からみて、後方の一組の左側昇降台車長手部材32Lと、後方の1組のパレット台車長手部材12の左側とが、前後方向に交互に隙間を空けて位置する。
上からみて、前方の一組の右側昇降台車長手部材32Rと、前方の1組のパレット台車長手部材12の右側とが、前後方向に交互に隙間を空けて位置する。
上からみて、後方の一組の右側昇降台車長手部材32Rと、後方の1組のパレット台車長手部材12の右側とが、前後方向に交互に隙間を空けて位置する。
従って、昇降台車30を昇降路Hの中で昇降させると、昇降台車30は、昇降路Hの中に置かれたパレット台車10に干渉することなく、パレット台車の位置する箇所を通り抜けることをできる。
【0038】
主ケーブル40は、昇降台車30を昇降路Hの中に吊ることをできる機械要素である。
昇降路Hは、格納棚21に沿って上下に延びる空間である。
昇降路Hは、入出庫スペースSを含んで上下方向に延びる空間である。
例えば、地上に据付けられる駐車装置では、入出庫スペースSは地面に設けられ、 昇降路Hが、入出庫スペースSの上方に設けられる。
主ケーブル40は、下方に降ろされた一方の端部を昇降台車30に連結され、下方に降ろされた他方の端部を後述するカウンタウエイト57に連結される。
主ケーブル40は、前後一対の左側主ケーブル40Lと前後一対の右側主ケーブル40Rとで構成されてもよい。
例えば、左側主ケーブル40Lは、左側昇降台車30Lを昇降路Hの中の左側に吊ることをできるケーブルである。左側主ケーブル40Lの一方の端部が、昇降路Hのなかを上下方向に移動できる。
左側主ケーブル40Lは、下方に降ろされた一方の端部を左側昇降台車30Lに連結され、下方に降ろされた他方の端部をカウンタウエイトに連結される。
例えば、右側主ケーブル40Rは、右側昇降台車30Rを昇降路Hの中の左側に吊ることをできるケーブルである。右側主ケーブル40Rはの一方の端部が、昇降路Hのなかを上下方向に移動できる。
右側主ケーブル40Rは、下方に降ろされた一方の端部を右側昇降台車30Rに連結され、下方に降ろされた他方の端部をカウンタウエイトに連結される。
【0039】
巻上装置50は、昇降路Hの中を主ケーブル40の巻き上げと巻き下げとをできる装置である。巻上装置50は、駆動シーブ51とアイドルシーブ52と巻上シーブ53と転向シーブ54と駆動機構55と減速機56とカウンタウエイト57とで構成される。
駆動シーブ51と巻上シーブ53と転向シーブ54とが昇降路Hの上方に設けられる。
【0040】
駆動シーブ51は、駆動機構55により回転駆動され、巻き掛けられた主ケーブル40を摩擦力により巻き上げ、または巻き下げるための摩擦輪である。
例えば、駆動シーブは、主ケーブルがくい込むV溝を円周に設けられた摩擦輪である。
例えば、複数のV溝が駆動シーブに設けられる。一対の左側主ケーブル40Lと一対の右側主ケーブル40Rとが、駆動シーブ51に巻き掛けられる。
アイドルシーブ52は、駆動シーブ51の斜め下側に置かれ、主ケーブル40の駆動シーブ51に対する巻き掛け角度を大きくするための遊動輪である。
【0041】
巻上シーブ53は、昇降路の上方の複数箇所に配置される滑車である。
主ケーブル40は、巻上シーブ53に巻き掛けられて、一方の端部が昇降路の中を昇降する昇降台車30に連結する。
例えば、4個の巻上シーブ53が、昇降路Hの上部の四隅に配される。
一対の左側主ケーブル40Lが、前後に配された2個の巻上シーブ53に各々に巻き掛けられる。
一対の右側主ケーブル40Rが、前後に配された2個の巻上シーブ53に各々に巻き掛けられる。
【0042】
転向シーブ54は、主ケーブルの向きを変更するための滑車である。
例えば、転向シーブ54は、主ケーブル40がくい込むV溝を円周に設けられた滑車である。
主ケーブル40は、巻上シーブ53と駆動シーブ51との間を、転向シーブ54を介して、掛け渡される。
【0043】
駆動機構55は、駆動シーブ51を回転駆動する機構である。
例えば、駆動機構55は、電動機である。
【0044】
減速機56は、駆動機構55の回転速度を減速して駆動シーブ51に伝達する機構である。
【0045】
カウンタウエイト57は、駆動機構に作用する昇降台車の重量によるトルクを減殺するためのトルクを作用させるための重しである。
【0046】
主ケーブル40が、下方に向いた一方の端部を昇降台車30の上部に固定される。
主ケーブル40が、下方に向いた他方の端部をカウンタウエイト57に連結される。
昇降台車30の重量により駆動シーブ51に作用するトルクの向きとカウンタウエイト57の重量により駆動シーブ51に作用するトルクの向きとが反対である。
【0047】
左側補助遊動輪60Lと右側補助遊動輪60Rとは、昇降台車構造部材31に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持された遊動輪である。
昇降台車30の支持する車両が傾いていないときに、左側補助遊動輪60Lの回転中心と右側補助遊動輪60Rの回転中心は、同一水平面に含まれる。
例えば、左側補助遊動輪60Lが左側昇降台車構造部材31Lに水平軸まわりに回転自在に支持され、右側補助遊動輪60Rが右側昇降台車構造部材31Rに水平軸まわりに回転自在に支持される。
左側昇降台車構造部材31Lと右側昇降台車構造部材31Rとに支持された車両が傾いていないときに、左側補助遊動輪60Lの回転中心と右側補助遊動輪60Rの回転中心は、同一水平面に含まれる。
【0048】
第一補助ケーブル61が、右側補助遊動輪60Rと左側補助遊動輪60Lとの間に掛け渡され、右側補助遊動輪60Rの下側に巻き掛けられ、左側補助遊動輪60Lの上側に巻き掛けられ、右側補助遊動輪60Rの右側から上方に向いた一方の端部を固定され、左側補助遊動輪60Lの左側から下方に向いた他方の端部を固定される。
例えば、第一補助ケーブル61が、一方の端部を固定機器65に固定し、他方の端部を第一引張機器63に固定する。
第二補助ケーブル62が、左側補助遊動輪60Lと右側補助遊動輪60Rとの間に掛け渡され、左側補助遊動輪60Lの下側に巻き掛けられ、右側補助遊動輪60Rの上側に巻き掛けられ、左側補助遊動輪60Lの左側から上方に向いた一方の端部を固定され、右側補助遊動輪60Rの右側から下方に向いた他方の端部を固定される。
例えば、第二補助ケーブル62が、一方の端部を固定機器65に固定し、他方の端部を第一引張機器64に固定する。
【0049】
第一引張機器63は、第一補助ケーブル61の端部が縮む方向に移動したときに第一補助ケーブル61の端部と第一変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を第一補助ケーブル61に作用させる機器である。ここで、第一変位原点は、昇降台車に乗った車両が傾いていないときに、第一補助ケーブル61の端部の位置である。
例えば、第一引張機器63は、第一補助ケーブル61の下端部が第一変位原点より上向きに移動したときに、その下端部の変位量の増加に応じて増加する張力を第一補助ケーブル61に作用させる。ここで、第一変位原点は、昇降台車30に乗った車両が傾かないときに、第一補助ケーブル61の下端部の位置である。
【0050】
第二引張機器64は、第二補助ケーブル62の端部が縮む方向に移動したときに第二補助ケーブル62の端部と第二変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を第二補助ケーブル62に作用させる機器である。ここで、第二変位原点は、昇降台車に乗った車両が傾いていないときに、第二補助ケーブル62の端部の位置である。
例えば、第二引張機器64は、第二補助ケーブル62の下端部が第二変位原点より上向きに移動したときに、その下端部の変位量の増加に応じて増加する張力を第二補助ケーブル62に作用させる。ここで、第二変位原点は、昇降台車30に乗った車両が傾かないときに、第二補助ケーブル62の下端部の位置である。
【0051】
例えば、第一引張機器63は、第一弾性部材63aと第一ケーブル端部部材63bと第一引張機器本体63cとで構成される。
第一弾性部材63aは、第一補助ケーブルに張力を作用させる機械要素である。例えば、第一弾性部材63aが、圧縮ばねである。圧縮ばねが、予圧縮される。圧縮ばねの下端が、後述する第一ケーブル端部63bに当たる。圧縮ばねの上端が、第一引張機器本体63cに当接する。
第一ケーブル端部部材63bは、第一補助ケーブルの下端に連結した部材である。通常は、第一ケーブル端部部材63bは、後述する第一引張機器本体63cに下方に当接する。
第一引張機器本体63cは、第一弾性部材63aを内蔵するケースである。
第一ケーブル端部部材63bの下端が第一引張機器本体63cに当接すると、第一弾性部材の発生する弾性力に無関係に、第一補助ケーブルの自由長と上端から下端までの経路距離との差とケーブルの弾性係数に対応した張力が、第一補助ケーブルに発生する。
第一ケーブル端部部材63bの下端が第一引張機器本体63cから浮くと、第一弾性部材の圧縮される距離に対応して発生する弾性力が、第一補助ケーブルに発生する。
【0052】
第二引張機器64は、第二弾性部材64aと第二ケーブル端部部材64bと第二引張機器本体64cとで構成される。
第二弾性部材64aと第二ケーブル端部部材64bと第二引張機器本体64cの構造は、第一引張機器63のものと同じなので、説明を省略する。
【0053】
固定機器65は、第一補助ケーブル61の上端と第二補助ケーブル62の上端と固定する機器である。
例えば、固定機器65は、第一補助ケーブル61の上端の位置と第二補助ケーブル62の上端の位置とを微調整し、第一補助ケーブル61の張力と第二補助ケーブル62の張力を所定の値に設定できる。
【0054】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置の作用を、図を基に、説明する。
図4〜6は、本発明の実施形態に係る駐車装置の運用方法の手順図である。
出庫工程を、以下に、説明する。
出庫工程は、特定の格納棚に格納されたパレット台車に乗った車両を、入出庫ステーションSへ移動し、車両が自走して駐車装置から出す工程である。
【0055】
(出庫工程その1)
出庫対象の車両の乗ったパレット台車10を横行させて、横行案内部材23に載せ、パレット台車10を昇降路Hの中央に位置させる。
空の昇降台車30を入庫ステーションSから上昇させる、
図4は、昇降台車30が、主出庫ステーションSと特定の車両の乗ったパレット台車10の間に位置して、上昇する様子を示している。
【0056】
(出庫工程その2)
昇降台車が上昇して、パレット台車10の位置する箇所を通過する。車両が、パレット台車10から昇降台車30に移る。
昇降台車30を停止させ、空のパレット台車10を格納棚21に移す。
昇降台車3を下降させる。
図5は、昇降台車30が下降して、入出庫ステーションSに接近する様子を示す。
【0057】
(出庫工程その3)
車両を載せた昇降台車30を入出庫ステーションSに停止させ、車両を自走させて駐車装置を出庫させる。
図6は、昇降台車30が入出庫ステーションSに停止して、車両が旋回装置により90度向きを変更させられた様子を示している。
【0058】
入庫工程は、自走して駐車装置に入った車両を特定の格納棚に格納されるパレット台車へ移動させる工程である。
入庫工程では、上述の出庫工程の手順を逆におこなう。
【0059】
以下に、遊動輪と補助ケーブルの働きを、図を基に、説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図である。
理解の容易のために、第一補助ケーブルを実線で、第二補助ケーブルを二点鎖線で表した。
【0060】
出庫工程またはは出庫工程で、通常の運用をしているときには、駆動シーブと主ケーブルとの間の摩擦力が所定の値より小さくなるので、主ケーブル40が駆動シーブ51のケーブル溝に安定してくい込んで、左側主ケーブル40Lと右側主ケーブル40Rとが安定して巻上げ、また巻き下げられる。
従って、常に左側昇降台車30Lの高さと右側昇降台車30Rの高さが等しくなり、車両が傾かない。
運用をしている際に、非常停止信号が入ると、駆動シーブ51の回転が急に停止する。
左側主ケーブル40Lまたは右側主ケーブル40Rと駆動シーブ51との間に伝達される力が、最大摩擦力を越えてしまうことがある。その様な事態になると、左側主ケーブル40Lまたは右側主ケーブル40Rと駆動シーブ51との間に滑りが発生する。
左側主ケーブル40Lと駆動シーブ51との間の滑りと右側主ケーブル40Rと駆動シーブ51との間の滑りとに差が生ずると、左側主ケーブル40Lと左側昇降台車30Lとの連結部の移動距離と右側主ケーブル40Rと右側昇降台車30Rとの連結部の移動距離とに差が生じようとする。
【0061】
相対的に、右側補助遊動輪60Rが左側補助遊動輪60Lより下がると、第一ケーブル端部部材63bの下端が第一引張機器本体63cから浮いて、第一補助ケーブル61に第一引張機器の発生する引張力が作用する。第二補助ケーブル62が弛んで、第二補助ケーブル62の張力が小さくなる。
その結果、右側補助遊動輪60Rに上向きの力が作用し、左側補助遊動輪60Lに下向きの力が作用し、相対的に、右側補助遊動輪60Rが上がり、左側補助遊動輪60Lが下がる。側補助遊動輪60Rと左側補助遊動輪60Lとが水平に並ぶと、第一補助ケーブル61の張力と第二補助ケーブル62の張力がほぼ等しくなる。
【0062】
相対的に、左側補助遊動輪60Lが右側補助遊動輪60Rより下がると、第二ケーブル端部部材64bの下端が第二引張機器本体64cから浮いて、第二補助ケーブル62に第二引張機器64の発生する引張張力が作用する。第一補助ケーブル61が弛Lで、第一補助ケーブル61の張力が小さくなる。
その結果、左側補助遊動輪60Lに上向きの力が作用し、右側補助遊動輪60Rに下向きの力が作用し、相対的に、左側補助遊動輪60Lが上がり、右側補助遊動輪60Rが下がる。側補助遊動輪60Rと左側補助遊動輪60Lとが水平に並ぶと、第一補助ケーブル61の張力と第二補助ケーブル62の張力がほぼ等しくなる。
【0063】
上述の様に、左側昇降台車30Lの高さと右側昇降台車30Rの高さにアンバランスを生じようとする力が発生すると、第一補助ケーブル61の張力と第二補助ケーブル62との張力が、左側昇降台車30Lの高さと右側昇降台車30Rの高さを一致させる様に働く。
【0064】
上述した作用により、正常な出庫工程と入庫工程とを実施しているときも、非常停止信号等が入力され非常モードになったときでも、左側昇降装置30Lの高さと右側昇降台車30Rの高さが常に一定になり、昇降台車30に支持される車両が傾くおそれがない。
【0065】
上述の実施形態の駐車装置と昇降装置とを用いれば、以下の効果を発揮する。
昇降路Hを上下にならべた格納棚21に沿って設け、駆動シーブ51に巻き掛けられた主ケーブル40により昇降台車30を昇降路Hの中に吊る。昇降台車30に左右一対の右側補助遊動輪60Rと左側補助遊動輪60Lとを設ける。第一補助ケーブル61を、右側補助遊動輪60Rと左側補助遊動輪60Lとの間に掛け渡し、右側補助遊動輪60Rの下側に巻き掛け、左側補助遊動輪60Lの上側に巻き掛け、右側補助遊動輪60Rの右側から上方に向いた一方の端部を固定し、左側補助遊動輪60Lの左側から下方に向いた他方の端部を固定する様にし、第二補助ケーブル62を、左側補助遊動輪60Lと右側補助遊動輪60Rとの間に掛け渡し、左側補助遊動輪60Lの下側に巻き掛け、右側補助遊動輪60Rの上側に巻き掛け、左側補助遊動輪60Lの左側から上方に向いた一方の端部を固定し、右側補助遊動輪60Rの右側から下方に向いた他方の端部を固定する様にしたので、第一補助ケーブル61の張力が昇降台車30を時計周りに回転するのを抑制し、第二補助ケーブル62の張力が昇降台車30を反時計周りに回転するのを抑制し、駆動機構55が駆動シーブ51を回転駆動すると、主ケーブル40を巻上げまたは巻き下げて、昇降台車30に支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
また、格納棚21にパレット台車10を格納し、左側昇降台車長手部材32Lが車両の左側の車輪を支持し、右側昇降台車長手部材32Rが車両の右側の車輪を支持し、昇降路Hを上下にならべた格納棚21に沿って設け、駆動シーブ51に巻き掛けられた主ケーブル40により昇降台車を昇降路の中に吊る。昇降台車30に左右一対の右側補助遊動輪60Rと左側補助遊動輪60Lとを設ける。第一補助ケーブル61を、右側補助遊動輪60Rと左側補助遊動輪60Lとの間に掛け渡し、右側補助遊動輪60Rの下側に巻き掛け、左側補助遊動輪60Lの上側に巻き掛け、右側補助遊動輪60Rの右側から上方に向いた一方の端部を固定し、左側補助遊動輪60Lの左側から下方に向いた他方の端部を固定する様にし、第二補助ケーブル62を、左側補助遊動輪60Lと右側補助遊動輪60Rとの間に掛け渡し、左側補助遊動輪60Lの下側に巻き掛け、右側補助遊動輪60Rの上側に巻き掛け、左側補助遊動輪60Lの左側から上方に向いた一方の端部を固定し、右側補助遊動輪60Rの右側から下方に向いた他方の端部を固定する様にしたので、車両が、前後左右の車輪を複数の左側昇降台車長手部材32Lと複数の右側昇降台車長手部材32Rとに支持され、第一補助ケーブル61の張力が昇降台車30を時計周りに回転するのを抑制し、第二補助ケーブル62の張力が昇降台車30を反時計周りに回転するのを抑制し、駆動機構55が駆動シーブ51を回転駆動すると、主ケーブル40を巻上げまたは巻き下げて、昇降台車に支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
また、昇降台車30を左右に分離した左側昇降台車30Lと右側昇降台車30Rとし、左側昇降台車30Lが左側補助遊動輪60Lを支持し、右側昇降台車30Rが右側補助遊動輪60Rを支持する。右側主ケーブル40Rが右側昇降台車30Rを昇降路Hの右側に支持し、左側主ケーブル40Lが左側昇降台車30Lを昇降路Hの左側に支持する様にしたので、車両の左側が、複数の左側昇降台車長手部材32Lに支持される。車両の右側が、複数の右側昇降台車長手部材32Rに支持される。第一補助ケーブル61の張力が右側昇降台車30Rが左側昇降台車30Lより下がるのを抑制し、第二補助ケーブル62の張力が左側昇降台車30Lが右側昇降台車30Rより下がるのを抑制し、駆動機構55が駆動シーブ51を回転駆動すると、左側主ケーブル40Lと右側主ケーブル40Rとを巻上げまたは巻き下げて、右側昇降台車30Lと左側昇降台車30Rとに支持された車両をその姿勢を安定させた状態で昇降路の中を昇降させることをできる。
また、端部の位置が第一変位原点より縮む向きに移動したときにその移動量の増加に応じて増加する張力を前記第一補助ケーブル61に作用させる第一引張機器63を設け、端部の位置が第一変位原点より縮む向きに移動したときにその移動量の増加に応じて増加する張力を前記第二補助ケーブル62に作用させる第一引張機器64を設けたので、昇降台車30に支持された車両が右側に傾こうとすると、第一引張機器63が第一補助ケーブル61の縮む向きに変位した量に応じて増加する張力を第一補助ケーブルに作用させて、昇降台車30に支持された車両が左側に傾こうとすると、第二引張機器64が第二補助ケーブル62の縮む向きに変位した量に応じて増加する張力を第二補助ケーブル62に作用させて、車両の左右の車両を水平にしようとする。
【0066】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
引張機構を備えた駐車装置を例に説明したが、補助ケーブル自身の弾性を利用し、引張機構を省略してもよい。
また、昇降台車が左側昇降台車と右側昇降台車とに分離された例で説明したがこれに限定されず、例えば、連結部材で側昇降台車と右側昇降台車とが繋がっていてもよい。
また、左側昇降台車と右側昇降台車とがそれぞれ一体である例で説明したが、これえに限定されず、例えば、左側昇降台車が前部左側昇降台車と後部左側昇降台車に分離し、右側昇降台車が前部右側昇降台車と後部右側昇降台車に分離していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る駐車装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る引張機器の断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る駐車装置の運用方法の手順図である。
【図5】本発明の実施形態に係る駐車装置の運用方法の手順図である。
【図6】本発明の実施形態に係る駐車装置の運用方法の手順図である。
【図7】本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図である。
【図8】従来の駐車装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
S 入出庫スペース
H 昇降路
1 車両
10 パレット台車
11 パレット台車構造部材
11a パレット台車梁部材
11b パレット台車端部部材
12 パレット台車長手部材
20 主構造体
21 格納棚
22 柱
23 横行案内部材
24 横行駆動装置
30 昇降台車
30L 左側昇降台車
31L 左側昇降台車構造部材
32L 左側昇降台車長手部材
33L 左側昇降台車梁部材
34L 左側昇降台車縦部材
30R 右側昇降台車
31R 右側昇降台車構造部材
32R 右側昇降台車長手部材
33R 右側昇降台車梁部材
34R 右側昇降台車縦部材
40 主ケーブル
40L 左側主ケーブル
40R 右側主ケーブル
50 巻上装置
51 駆動シーブ
52 アイドルシーブ
53 巻上シーブ
54 転向シーブ
55 駆動機構
56 減速機
57 カウンタウエイト
60L 左側補助遊動輪
60R 右側補助遊動輪
61 第一補助ケーブル
62 第二補助ケーブル
63 第一引張機器
63a 第一弾性部材
63b 第一ケーブル端部部材
63c 第一引張機器本体
64 第二引張機器
64a 第二弾性部材
64b 第二ケーブル端部部材
64c 第二引張機器本体
65 固定機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車させる駐車装置であって、
車両を各々に格納できる複数の格納棚を有する主構造体と、
車両を載せることをできる昇降台車と、
前記昇降台車に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持された左側補助遊動輪と右側補助遊動輪と、
前記昇降台車を前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる主ケーブルと、
前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第一補助ケーブルと、
前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第二補助ケーブルと、
前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、
を備え、
前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
車両を駐車させる駐車装置であって、
車両の前後左右の車輪を支持できる様に櫛歯状に設けられた複数の長手部材を有する複数のパレット台車と、
上下方向に並んで車両を載せた複数のパレット台車を各々に格納できる複数の格納棚を有する主構造体と、
構造部材と前記構造部材に車両の左側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定された複数の左側長手部材と前記構造部材に車両の右側の前後の車輪を支持できる様に櫛歯状に固定された複数の右側長手部材とを有する昇降台車と、
前記構造部材に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持される左側補助遊動輪と右側補助遊動輪と、
前記昇降台車を前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる主ケーブルと、
前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第一補助ケーブルと、
前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第二補助ケーブルと、
前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、
を備え、
前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項3】
前記昇降台車が左右に分離した左側昇降台車と右側昇降台車とを有し、
前記左側昇降台車が前後に延びた左側構造部材と前記左側構造部材に固定された複数の前記左側長手部材とを持ち、
前記右側昇降台車が前後に延びた右側構造部材と前記右側構造部材に固定された複数の前記右側長手部材とを持ち、
前記左側補助遊動輪が前記左側構造部材に水平軸まわりに回転自在に支持され、
前記右側補助遊動輪が前記右側構造部材に水平軸まわりに回転自在に支持され、
前記主ケーブルが、前記左側昇降台車を前記昇降路の中の左側に吊ることをできる左側主ケーブルと、前記右側昇降台車を前記昇降路の中の右側に吊ることをできる右側主ケーブルとを有し、
前記右側主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記右側昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
前記左側主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記左側昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
昇降台車に乗った車両が傾いていないときに、前記第一補助ケーブルの端部の位置を第一変位原点とし、前記第二補助ケーブルの端部の位置を第二変位原点とし、
前記第一補助ケーブルの端部が縮む方向に移動したときに前記第一補助ケーブルの端部と前記第一変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を前記第一補助ケーブルに作用させる第一引張機器と、
前記第二補助ケーブルの端部が縮む方向に移動したときに前記第二補助ケーブルの端部と前記第二変位原点との離間距離の増加に応じて増加する張力を前記第二補助ケーブルに作用させる第二引張機器と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項5】
対象物を上下方向に延びる昇降路のなかで昇降させる昇降装置であって、
対象物を載せることをできる昇降台車と、
前記昇降台車に左右に配された一対の水平軸まわりに回転自在に各々に支持された左側補助遊動輪と右側補助遊動輪と、
前記昇降台車を昇降路の中に吊ることをできる主ケーブルと、
前記右側補助遊動輪と前記左側補助遊動輪との間に掛け渡され前記右側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記左側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第一補助ケーブルと、
前記左側補助遊動輪と前記右側補助遊動輪との間に掛け渡され前記左側補助遊動輪の下側に巻き掛けられ前記右側補助遊動輪の上側に巻き掛けられ上方に向いた一方の端部を固定され下方に向いた他方の端部を固定された第二補助ケーブルと、
前記主ケーブルを外周に巻き掛けられた駆動シーブと前記駆動シーブを回転駆動できる駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、
を備え、
前記主ケーブルが、下方に降ろされた一方の端部を前記昇降台車に連結され、下方に降ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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