説明

骨粗鬆症予防剤

【課題】 食用植物由来成分を有効成分とし、人体への安全性の高い骨粗鬆症予防剤、並びに骨粗鬆症予防効果を有する飲料を提供すること。
【解決手段】 ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを有効成分として含有する骨粗鬆症予防剤を提供すると共に、当該骨粗鬆症予防剤を含有する飲料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物イソプレノイドを有効成分として含有する骨粗鬆症予防剤に関し、詳しくはゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを有効成分とする骨粗鬆症予防剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
骨粗鬆症は、破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成の平衡状態の失調によって引き起こされ、骨強度の減少とこれに伴う易骨折性を特徴としている。急速に高齢化が進展しているわが国では、骨粗鬆症による骨折が高齢者のquality of life 低下の主要な要因となり、骨粗鬆症の予防が社会的に急務となっている。
骨粗鬆症の予防には、適切な食生活と適度な運動が有効である。従来から骨粗鬆症の食生活指導は、カルシウム代謝の改善を目的としたカルシウムとビタミンDの摂取を中心に行われてきた。これに加えて、大豆に含まれるゲニステインやダイゼイン、柑橘類果皮に含まれるヘスペリジン、タマネギに含まれるケルセチンなどのフラボノイドや、柑橘類果肉に含まれるカロテノイドであるβ-クリプトキサンチンの骨粗鬆症予防効果が注目されている。
【0003】
イソプレノイドは、イソプレン(CH)を構成単位とする天然有機化合物の総称で、野菜、果物、穀類などの植物性食品には、精油成分のモノテルペンやカロテノイドなど多くのイソプレノイドが含まれている。これらの植物イソプレノイドのなかで、モノテルペン類のリモネン、ぺリリルアルコール、ゲラニオールや、ジテルペン類のトコトリエノールは、メバロン酸経路の律速段階の3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase (HMGR)を阻害することにより抗腫瘍作用、血清コレステロール低下作用を示すことが報告されている(非特許文献1)。
近年、高コレステロール血症治療薬として広く用いられているHMGR阻害剤「スタチン」が、骨芽細胞の分化を促進して骨形成を促進することが報告された(非特許文献2)。
したがって、植物イソプレノイドの中にも骨形成促進作用による骨粗鬆症予防効果を奏するものがあることが推測される。
【0004】
これまで、イソプレノイドを有効成分とする骨粗鬆症治療剤としては、ゲラニルゲラノイン酸(特許文献1)、ゲラニルゲラニオール(特許文献2)などの破骨細胞形成抑制作用によるものが報告されている。また、特許文献3記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを有効成分とする骨代謝改善剤は、鎖状イソプレノイド側鎖の骨吸収抑制作用と脂肪酸側鎖の骨形成促進作用による骨代謝バランス改善を期待するものである。しかし、植物イソプレノイドであるゲラニオールおよびペリリルアルコールが骨粗鬆症予防作用を有することについては、従来知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−130670号公報
【特許文献2】特開平7−215849号公報
【特許文献3】WO2002/078689号公報
【非特許文献1】Elson CE. Suppression of mevalonate pathway activities by dietary isoprenoids; protective roles in cancer and cardiovascular disease. J Nutr. 1995;125:1666S-1672S.
【非特許文献2】Mundy, G. et. al. Stimulation of bone formation in vitro and in rodents by statins. Science. 1999;286:1946-1949.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
糖尿病や高血圧の予防を期待した清涼飲料水として、多くのお茶やジュースが開発され販売されている。しかし、骨粗鬆症予防を期待した清涼飲料水としては、カルシウムを添加したもの、ないしは腸管からのカルシウム吸収増強をねらったものが開発されているだけである。
そこで、本発明では、骨芽細胞分化促進および破骨細胞分化抑制による骨強度増加効果によって骨粗鬆症予防を図る新たな飲料(清涼飲料水など)の開発を目指している。具体的には、有効含量のゲラニオールを含むお茶や、有効含量のペリリルアルコールを含むジュース等の開発を図ることを目的としている。また、医薬品、健康食品などとしての利用も企図している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、世界で最も多く生産されている果実である柑橘類や、日常的に摂取されるお茶に含まれる植物イソプレノイドの中に骨粗鬆症予防作用を示すものが存在することを見出した。すなわち、中国茶や紅茶の香気成分であるゲラニオール、およびミントや柑橘類の香気成分であるペリリルアルコールが、骨形成作用および破骨細胞分化抑制作用を有しており、骨粗鬆症の予防・改善に有効であることをはじめて明らかにした。本発明者らは、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、請求項1記載の本発明は、ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを有効成分として含有する骨粗鬆症予防剤である。
次に、請求項2記載の本発明は、ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを0.5〜4.0mM含有する請求項1記載の骨粗鬆症予防剤である。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1記載の骨粗鬆症予防剤を含有する飲料である。
さらに、請求項4記載の本発明は、ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを0.5〜4.0mM含有する請求項3記載の飲料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、柑橘類やお茶などに含まれている成分を利用した骨粗鬆症予防剤が提供される。本発明の骨粗鬆症予防剤は、本来食用とされる食用植物に由来する成分を有効成分とするものであり、人体への安全性が高く、副作用などの問題が生じないことが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明で用いる鎖状モノテルペンのゲラニオール(geraniol)および環状モノテルペンのペリリルアルコール(perillyl alcohol)は、天然物から得られるもの、人工的に得られるもの等任意であり、特に由来を限定されるものではないが、天然には植物に比較的多く存在するので植物由来のものが好ましい。ゲラニオールは、お茶、ハーブ、バラの主要な香気成分の一つであり、茶樹(Camellia sinensis)、特に茶葉、例えば中国茶(龍井茶、烏龍茶)、紅茶などに多く含まれている。ペリリルアルコールは、柑橘類、サクランボ、ミントなどに含まれており、また柑橘類の主要な香気成分のd-リモネンからアリル酸化により生成される。
これらの植物から目的とするゲラニオールやペリリルアルコールを抽出・精製する方法については、公知の方法を用いることができる。具体的には、水蒸気蒸留法、圧搾法、抽出法などが用いられる[例えば、藤巻正生、服部達彦、林和夫、荒井綜一編、香料の科学、1980、366、朝倉書店、J Agric Food Chem. 2002;50(6):1345-9. J Pharm Biomed Anal. 2005;37(3):447-52.]。
一方、これらの物質を人工的に得る方法としては、既知の方法を採用すればよく、その他、市販品をを利用することもできる。
これらの物質は精油成分として食物中に含まれており、日常的に摂取されているので人体に対して安全といえる。さらに、ペリリルアルコールについては、結腸直腸癌や前立腺癌を対象とした抗癌剤としてすでに第2相の臨床治験が行われており、ヒトへの薬理学的レベルの大量投与の安全性は確認されている[Int J Gastrointest Cancer. 2002;32(2-3):125-8., Invest New Drugs. 2003;21(3):367-72]。
【0012】
本発明の骨粗鬆症予防剤は、ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールの有効量を含有するものであり、具体的には1日あたり0.5〜4.0mMを摂取できるように調製される。したがって、製剤によっては、該数値の下限値未満あるいは上限値を超える量のものを調製し、1日1回ないし数回に分けて適量を摂取するようにすることができる。なお、柑橘類やお茶などに含まれているこれら成分の量は、上記値よりも微量であるので、通常量の柑橘類やお茶などを摂取するだけで骨粗鬆症予防作用を期待することはできない。
このとき、ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールは、上記抽出法により得られた精製物や市販品を用いることもできるが、代わりに上記植物の粗抽出物あるいは植物粉砕物などを用いたり、或いは一部置換することも可能である。この場合、上記の有効量を考慮して、これらは1日に1回ないし数回に分けて摂取することができる。
【0013】
本発明の骨粗鬆症予防剤は、経口、又は非経口的投与製剤とすることができる。経口的投与製剤としては、例えば液剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤などの剤型をとることができる。また、非経口的投与製剤としては、軟膏、貼付剤等の外用剤、注射製剤などの剤型をとることができる。しかし、投与に伴う患者の負担を軽くするためには、経口的投与製剤とすることが好ましい。
【0014】
製剤化の際には、医学的に許容される製剤担体を用いて常法により製造することができる。すなわち、本発明の骨粗鬆症予防剤を経口製剤として製造するには、本発明にかかるゲラニオール及び/又はペリリルアルコールと賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを適宜加えた後、常法により適当な剤型とする。
【0015】
賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素などが挙げられ、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ブロックポリマー、メグルミンなどが挙げられる。
また、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等が挙げられ、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医学的に許容されているものが用いられ、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。さらに、錠剤・顆粒剤等については、所望により、糖衣、その他のコーティングを施すこともできる。
【0016】
また、本発明の骨粗鬆症予防剤を注射用製剤として製造する際には、本発明に係るゲラニオール及び/又はペリリルアルコールに、pH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤などを加えて、常法により製剤化することができる。
本発明の骨粗鬆症予防剤を外用剤として製造する際の方法は限定されず、常法により製造することができる。すなわち、製剤化にあたり使用する基材原料や副原料としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることができる。
【0017】
基材原料として具体的には、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さらに必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐剤、着色料、香料などを適宜添加することができる。また、必要に応じて他の血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合することもできる。
【0018】
上記のごとく製造された本発明の骨粗鬆症予防剤は、骨形成促進作用および破骨細胞分化抑制作用を有し、骨粗鬆症の予防剤及び/又は治療剤として使用されるものである。
本発明の骨粗鬆症予防剤の投与量は、症状、重症度、年齢などによって異なるが、例えば成人の場合は、通常1日あたりゲラニオール及び/又はペリリルアルコールの摂取量が上記値となるように設定すればよい。
【0019】
本発明の骨粗鬆症予防剤を飲料の製造時に配合することで、骨粗鬆症の予防及び/又は治療効果を有する飲料を製造することができる。飲料の種類としては特に制限はないが、例えば緑茶、紅茶、中国茶などの茶飲料の他、清涼飲料水、乳酸飲料、果汁飲料、機能性飲料、コーヒーなどが挙げられる。
【実施例】
【0020】
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
(実施例1)
1. 骨芽細胞分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALP)活性促進作用の確認
ヒト株化骨芽細胞HOSを用い、本細胞の分化に対する植物イソプレノイドの影響についてALP活性を指標として調べた。HOS 細胞は、10%ウシ胎児血清含有MEM培地 (Earle's Minimum Essential Medium, Gibco社) にて、37℃、 5% CO 存在下で培養した。35 mmディッシュに所定量のHOS 細胞を播きsubconfluent(60%程度)状態まで培養後、無血清MEM培地に交換し24時間培養した。
【0022】
その後、刺激物質を添加した無血清MEM培地に交換し48時間培養後、細胞をPBS緩衝液で洗浄しlysis buffer (10 mM Tris HCl (pH 7.4), 1 mM MgCl, 0.1% Triton X-100) で回収した。超音波処理により破砕後、遠心した上清(cell lysate)のALP活性を、合成基質p-nitorophenyl phosphateを用いた活性測定法で評価した。cell lysateの蛋白質量をBCA protein assay reagent kit(Pierce社)にて求め、ALP活性を mU / mg proteinとして表した。なお、ALP活性1U は1分間当たりに 1 μmol の p-nitorophenolを生成する酵素活性と定義している。刺激物質としては、10 μM ピタバスタチン(興和KK)、0.5〜3 mM のゲラニオール、ペリリルアルコール、ペリル酸、リモネン、β-ヨノン (以上はSigma-Aldorich社)を用い、これらの溶媒としてはdimethyl sulfoxide (DMSO)を用いた。
【0023】
結果は図1(A)〜(F)に示した通りである。各刺激物質添加時のALP活性は、対照区(DMSO)の活性に対する%表示としている。ペリリルアルコール、ペリル酸、ゲラニオールは、ピタバスタチンと同様に株化骨芽細胞のALP活性を上昇させた。しかし、リモネン、β-ヨノンにはALP活性上昇作用を認められなかった。
したがって、ペリリルアルコール、ペリル酸、ゲラニオールにはスタチンと同様に骨芽細胞分化促進作用があることが判明した。なお、図中の白抜き棒は対照区の結果を、黒色棒はイソプレノイド又はピタバスタチンの結果を示す。また、横軸はイソプレノイド又はピタバスタチンの添加量を、縦軸は対照区の結果を100%としたALP活性を示す。また、対照区の結果との有意差を示す*はp<0.05、**はp<0.01である。
【0024】
2. 骨芽細胞関連因子のmRNA発現促進作用の確認
ヒト株化骨芽細胞MG-63を用い、骨芽細胞関連因子のmRNA発現に対する植物イソプレノイドの影響について調べた。骨芽細胞関連因子としては、bone morphogenetic protein-2 (BMP-2) 、matrix Gla protein (MGP)、osteoprotegerin (OPG)について検討した。MG-63細胞は、10%ウシ胎児血清含有MEM培地 (Earle's Minimum Essential Medium, Gibco社)にて、37℃、 5% CO 存在下で培養した。60 mmディッシュに所定量のMG-63細胞を播きsubconfluent(60%程度)状態まで培養後、無血清MEM培地に交換し24時間培養した。
その後、刺激物質を添加した無血清MEM培地に交換し、48時間培養後、細胞からRNeasy Mini kit (QIAGEN社)を用いて total RNAを抽出した。total RNA 0.5 μgを鋳型とし、oligo (dT) primerを用いた逆転写反応(SuperScript First-Strand Synthesis System、Invitrogen社)によりcDNAを作成した。cDNA 2 μlを用いPCR反応を行ったが、それぞれの骨芽細胞関連因子について、定量性の得られるサイクル数で増幅した。
PCR産物を5% polyacrylamide gelで泳動し、Vistra Green (Amarsham Pharmacia Biotech社)で染色後、LAS-3000(富士フィルム社)にて測定した。内部標準物質としてglyceraldehyde-phosphate dehydrogenase (GAPDH) を用いた。
【0025】
結果は表1および表2に示した通りである。各刺激物質添加時の骨芽細胞関連因子mRNA発現量は、対照区(DMSO)の活性に対する%表示としている。ピタバスタチン (2〜10μM)はMGP、BMP-2の発現を上昇させたが、OPGの発現には影響を及ぼさなかった。ゲラニオール (0.5〜2.0 mM)はOPG、BMP-2の発現をそれぞれ上昇させたが、MGPの発現を軽度に低下させた。ペリリルアルコール (2.0 mM) はOPGとMGPの発現を上昇させたが、BMP-2の発現には影響を及ぼさなかった。ペリル酸およびリモネン(データを示さず)では、いずれの分子の発現にも影響を及ぼさなかった。
したがって、ゲラニオールとペリリルアルコールは、ともにOPG発現を上昇させ、破骨細胞の分化を抑制して骨吸収を抑制する可能性が示唆された。また、ゲラニオールはBMP-2の発現を上昇させたので、骨形成を促進する可能性が示唆された。ペリリルアルコールはMGPの発現を上昇させたことから、異所的石灰化を抑制する可能性が示唆された。
【0026】
以上のことから、検討した植物イソプレノイドのうち、鎖状モノテルペンのゲラニオールと環状モノテルペンのペリリルアルコールが骨形成促進作用と破骨細胞分化抑制作用を有することが示唆された。ペリリルアルコールの代謝産物のペリル酸には骨形成促進作用しか認められず、ペリリルアルコールと構造の類似した環状モノテルペンのリモネン(表示なし)には骨形成促進作用と破骨細胞分化抑制作用のいずれも認めなかった。なお、ペリリルアルコールについては、その抗腫瘍作用について第2相臨床治験が行われており、人体への安全性は確認されている(Liu G, Oettel K, Bailey H, Ummersen LV, Tutsch K, et al. Invest New Drugs. 2003;21(3):367-72.)。
【0027】
【表1】

表中の数値は平均値±標準偏差である。また、対照区(0mM)の結果との有意差を示す*はp<0.05、**はp<0.01である。
【0028】
【表2】

表中の数値は平均値±標準偏差である。また、対照区(0mM)の結果との有意差を示す*はp<0.05、**はp<0.01である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、柑橘類やお茶などに含まれる成分を利用した、骨形成作用および破骨細胞分化抑制作用を有する骨粗鬆症予防剤を提供することができる。本発明の骨粗鬆症予防剤は、本来食用とされる食用植物由来成分を有効成分とするものであり、人体への安全性が高く、投与に伴う患者に与える副作用などの負担を軽減することができる。また、食品加工工程において排出される柑橘類やお茶などの残渣を原料として用いることにより、産業廃棄物の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(A)〜(F) 各種イソプレノイドまたはピタバスタチンをヒト骨芽細胞に投与したときのALP活性の変化を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを有効成分として含有する骨粗鬆症予防剤。
【請求項2】
ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを0.5〜4.0mM含有する請求項1記載の骨粗鬆症予防剤。
【請求項3】
請求項1記載の骨粗鬆症予防剤を含有する飲料。
【請求項4】
ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを0.5〜4.0mM含有する請求項3記載の飲料。


【図1】
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【公開番号】特開2007−1894(P2007−1894A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182047(P2005−182047)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(300029592)学校法人中村学園 (9)
【Fターム(参考)】