説明

高い水蒸気通気率を有するモノリシック熱可塑性エーテルポリウレタン

選択されたタイプのジオールによって伸長されたテトラヒドロフランベースのポリエーテルジオール中間体鎖を含有する熱可塑性ポリウレタンは、良好な水蒸気通気率を有するが、液体の水の通過に対して抵抗性であり、良好な寸法安定性、良好な軟性および弾性、良好な引張り永久ひずみを有し、そして非粘着性である。この熱可塑性ポリウレタンは、押し出し成形機におけるようなワンショットプロセスによってか、またはプレポリマー経路によってかのいずれかによって生成され得、そして屋根用メンブレン、家屋用ラップ、管、線維、創傷包帯などとしての用途のため、形成されてモノリシックシートまたはモノリシックフィルムになり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、高速で押し出してシートもしくはフィルムを形成することが可能なポリエーテル熱可塑性ポリウレタンに関し、このポリエーテル熱可塑性ポリウレタンは、良好な水蒸気通気率を有するが、液体の水の通過に対して抵抗性である。この熱可塑性ポリウレタンは、特性(例えば、軟性、弾性、結晶化度、および良好な寸法安定性)の独特の組み合わせを示す。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
従来、内部に細孔が形成された種々のポリマーが、水蒸気通気メンブレンとして使用されてきた。このようなポリマーは、液体の水の通過に対して抵抗性であるが水蒸気がそれらを通過することを許容するとされる。これらの細孔構造は、液体の水を漏出する傾向があることから、一般的に、包装に適切ではない。
【0003】
欧州特許出願第708,212 A1号(特許文献1)は:水蒸気に対して浸透性であるが、液体の水に対して抵抗性である不織布層を有する、傾斜のある断熱屋根に特に適する、下張り;および、線維層上に配置されて、結合され、そしてやはり水蒸気に対して浸透性であるが、液体の水に対して不浸透性である補強層に関する。
【特許文献1】欧州特許出願第708,212 A1号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明の熱可塑性ポリウレタンは、好ましくは、ジイソシアネートおよび少量の選択された鎖伸長剤と反応して、無孔で、固体の、結晶性シートもしくは無孔で、固体の、結晶性フィルムを形成する、テトラヒドロフランポリエーテル中間体に由来する。このポリウレタンは、高い水蒸気通気率を有するが液体の水の通過に対して非常に抵抗性であることに加えて、高速押し出し、低ショアーA硬度(軟性)、良好な弾性(マイナス30℃以下のTg)、高速押し出しに対する適切な結晶化度および非粘着性、水中24時間での良好な寸法安定性などのような、いくつかの好ましい特性を有する。
【0005】
(詳細な説明)
特性の独特の組み合わせを有する熱可塑性ポリウレタンは、テトラヒドロフランモノマー由来であるポリエーテル中間体を含み、したがって、テトラヒドロフランオキシド反復単位が、末端ヒドロキシル基をまた有するその中間体中に存在する。必要に応じて、選択されたタイプの他のアルキレンオキシドモノマーが、テトラヒドロフランモノマーに加えて利用されて、エーテルコポリマー(例えば、プロピレンオキシド、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物)を形成し得る。なぜなら、他のタイプのモノマーは、一般的に、低い寸法安定性をもたらすからである。エーテル中間体は、一般的に、ヒドロキシル末端基によって決定される場合、約500〜約4,000の数平均分子量を有し、望ましくは、約1,000〜約2,500の数平均分子量を有し、そして好ましくは、約1,500〜約2,200の数平均分子量を有する。1つ以上の任意のコモノマーの量は、一般的に、テトラヒドロフランモノマーの重量100%に対して、約15重量%〜約75重量%であり、望ましくは、約20重量%〜約30重量%である。使用される場合、エチレンオキシドモノマーの量は、一般的に、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの総重量に基づいて、約15%〜約50%であり、望ましくは、約20%〜約30%である。
【0006】
ポリエーテル中間体は、本発明の熱可塑性ウレタンを形成する3つの主要な成分の1つであり、そしてその量は、一般的に、ポリエーテル中間体、ポリイソシアネート、および鎖伸長剤の総重量に基づいて、約60重量%〜約80重量%である、望ましくは約65重量%〜約75重量%である、そして好ましくは約67重量%〜約73重量%である。ポリイソシアネートの量は、一般的に、ポリエーテル中間体、ポリイソシアネート、および鎖伸長剤の総重量に基づいて、約20重量%〜約30重量%である、そして望ましくは約22重量%〜約28重量%であり、ならびに鎖伸長剤の量は、ポリエーテル中間体、ポリイソシアネート、および鎖伸長剤の総重量に基づいて、約1重量%〜約10重量%である、そして望ましくは約2重量%〜約8重量%である。
【0007】
本発明のポリイソシアネートは、一般的に、式R(NCO)を有し、ここで、nは、一般的に2〜4であり、組成物が熱可塑性である限りは、2が非常に好ましい。したがって、3または4の官能性を有するポリイソシアネートは、それらが架橋を生じる限り、非常に少量(例えば、ポリイソシアネートの総重量に基づいて、5重量%未満、そして好ましくは2重量%未満)が用いられる。Rは、芳香族基、脂環式基および脂肪族基、またはそれらの組み合わせであり得、一般的に、全体で2〜約20個の炭素原子を有する。適切な芳香族基ジイソシアネートの例としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、H12MDI、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、フェニレン−1,4−ジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、およびジフェニルメタン−3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネート(TODI)が挙げられる。適切な脂肪族基ジイソシアネートの例としては、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,6−ジイソシアネート(diisocyanato)−2,2,4,4−テトラメチルヘキサン(TMDI)、1,10−デカンジイソシアネート、およびtrans−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)が挙げられる。非常に好ましいジイソシアネートは、約3重量%未満のオルソ−パラ(2,4)異性体を含むMDIである。
【0008】
一般的に、任意の従来の触媒が、ジイソシアネートとポリエーテル中間体もしくは鎖伸長剤とを反応させるために利用され得、同じことは、当該分野および文献で周知である。適切な触媒の例としては、ビスマスもしくはスズの種々のアルキルエーテルもしくはアルキルチオールエーテルが挙げられ、ここで、このアルキル部分は、1〜約20個の炭素原子を有し、具体的な例として、ビスマスオクトエート、ビスマスラウレートなどが挙げられる。好ましい触媒としては、種々のスズ触媒(例えば、スズオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレートなど)が挙げられる。このような触媒の量は、一般的に、少量(例えば、ポリウレタン形成モノマーの総重量に基づいて約20〜約200百万分率)である。
【0009】
選択されたタイプのポリエーテル中間体が用いられるのに加えて、本発明の熱可塑性ポリウレタンの物理特性の独特の組み合わせを実現するために、選択されたタイプの鎖伸長剤を使用することは、本発明の重要な局面である。ブタンジオールが好ましい一方で、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ジプロピレンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、および1,4−シクロヘキシリジエンジオール(cyclohexylydiene diol)もまた、利用され得る。ポリウレタンの硬いセグメントの数を少なく保ち、そして軟らかい、弾性の(elastic)、弾性の(resilient)、しかし高い水蒸気通気が可能なポリウレタンを生成するために、少量の鎖伸長剤が利用される。
【0010】
本発明の熱可塑性ポリウレタンは、好ましくは、ワンショットプロセスを介して生成され、このプロセスでは、全ての成分は、同時に、または実質的に同時に、加熱された伸長剤にともに添加され、そして反応してポリウレタンを形成する。ヒドロキシル末端化ポリエーテル中間体とジオール鎖伸長剤との総当量に対するジイソシアネートの当量比は、一般的に、約0.95〜約1.10であり、望ましくは、約0.98〜約1.05であり、そして好ましくは、約0.99〜約1.03である。ヒドロキシル末端化鎖伸長剤に対するヒドロキシル末端化ポリエーテルの当量比は、一般的に、約0.5〜約1.5であり、そして好ましくは、約0.70〜約1である。ウレタン触媒を利用した場合の反応温度は、一般的に、約75℃〜約245℃であり、好ましくは、約180℃〜約220℃である。熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量は、ポリスチレン標準に対してGPCによって測定される場合、一般的に、約10,000〜約150,000であり、そして望ましくは、約50,000〜約100,000である。
【0011】
熱可塑性ポリウレタンはまた、プレポリマープロセスを利用して調製され得る。プレポリマー経路において、ヒドロキシル末端化テトラメチレンオキシドベースのポリエーテル中間体は、一般的に、過剰当量の1つ以上のポリイソシアネートと反応して、その中に遊離ポリイソシアネートもしくは未反応ポリイソシアネートを有するプレポリマー溶液を形成する。反応は、一般的に、適切なウレタン触媒の存在下で、約80℃〜約220℃の温度で、そして好ましくは約150℃〜約200℃の温度で実行される。続いて、上記のような選択されたタイプの鎖伸長剤が、イソシアネート末端基、および遊離ポリイソシアネートもしくは未反応ポリイソシアネート化合物に対して、ほぼ等量添加される。したがって、ヒドロキシル末端化ポリエーテルと鎖伸長剤との総当量に対する総ジイソシアネートの全体的当量比は、約0.95〜約1.10であり、望ましくは、約0.98〜約1.05であり、そして好ましくは、約0.99〜約1.03である。鎖伸長剤に対するヒドロキシル末端化ポリエーテルの当量比は、一般的に、約0.5〜約1.5であり、そして望ましくは、約0.7〜約1である。鎖伸長反応温度は、一般的に、約180℃〜約250℃であり、好ましくは、約200℃〜約240℃である。代表的なプレポリマー経路は、任意の従来のデバイスで、好ましくは押し出し成形機を用いて、実行され得る。したがって、ポリエーテル中間体は、押し出し成形機の第一の部分で過剰当量のジイソシアネートと反応してプレポリマー溶液を形成し、続いて、下流部分で鎖伸長剤が添加されて、このプレポリマー溶液と反応する。任意の従来の押し出し成形機が、直径に対する長さの比が少なくとも20、そして好ましくは少なくとも25であるバリアスクリューを備えた押し出し成形機を含めて、利用され得る。
【0012】
有用な添加剤が、適切な量で利用され得、これらには、不透明顔料、着色料、鉱物充填剤、安定剤、潤滑剤、UV吸収剤、プロセシング補助剤、および他の所望の他の添加剤が挙げられる。有用な不透明顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、およびチタネートイエローが挙げられ、一方で、有用な着色剤としては、カーボンブラック、イエローオキシド(yellow oxide)、ブラウンオキシド(brown oxide)、未加工(raw)および焼いた(burnt)シエンナまたはアンバー、酸化クロムグリーン、カドミウム顔料、クロム顔料、ならびに他の金属酸化物の混合物および有機顔料が挙げられる。
有用な充填剤としては、珪藻土(スーパーフロス)、シリカ、滑石、雲母、ワロストナイト(wallostonite)、硫酸バリウム、および炭酸カルシウムが挙げられる。所望される場合、有用な安定剤(例えば、酸化防止剤)が使用され得、これらには、フェノール系酸化防止剤が挙げられ、一方で、有用な光安定剤としては、有機リン、およびオルガノチンチオレート(organotin thiolate)(メルカプチド)が挙げられる。有用な潤滑剤としては、金属ステアレート、パラフィンオイル、およびアミドワックスが挙げられる。UV吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシフェノール)ベンゾトリアゾールおよび2−ヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。
【0013】
可塑用添加剤もまた、特性に影響することなく硬度を有利に減少させるために利用され得る。
【0014】
本明細書中で上に示される選択されたモノマーを利用して生成される、本発明の熱可塑性エーテルポリウレタンは、予想外に、特性の独特の組み合わせをもたらすことが見出された。この特性は、このポリウレタンを、本明細書中で以下に示される多くの最終用途に適切であるようにする。この熱可塑性ポリウレタンは、高い結晶化度(例えば、示差走査型比色計によって測定された場合、約3J/g〜約10J/g、そして望ましくは約4J/g〜約8J/g)を有する。このような結晶化度は、高速度(4ミルのギャップにセットされた120cmのスリットダイ(die)が取付けられた120mmの押し出し成形機で、少なくとも25m/分、望ましくは約30m/分〜約60m/分、そして好ましくは、約40m/分〜約50m/分)でのフィルムおよびシートの押し出しを可能にする。このような押し出し速度は、同様の硬度およびより低い結晶化度を有する従来のポリウレタンよりも速い。より低い結晶化度を有するこの従来の、先行技術の産物は、高レベルの潤滑剤および抗粘着剤を含み、これは水蒸気通気率を減少させる。結晶化度はまた、良好な非粘着性特性をもたらし、したがってシートもしくはフィルムは固着することなくそれ自身で巻かれ得る。それでもなお、この熱可塑性エーテルポリウレタンは、一般的に軟性かつ弾性である。
【0015】
ASTM D−2240 ショアーA硬度は、一般的に約80以下であり、望ましくは約68〜約78であり、そして好ましくは、約70〜約75である。本発明のポリウレタンは、非常に弾性があり、この弾性は、その低いTg(示差走査熱量計、10℃/分の温度プログラムによって測定された場合、一般的に、約マイナス30℃未満、望ましくは約マイナス40℃未満、そして好ましくは約マイナス40℃〜約マイナス75℃)に一部起因する。弾性(resilience)もしくは弾性(elasticity)は、ゴム(その中で、ポリマーが、一般的に、約50%〜約300%もしくは500%、そして望ましくは約100%〜約200%伸長され得、そしてその元の長さに迅速に収縮し得る)とある程度同様である。
【0016】
本発明の熱可塑性ポリウレタンの別の望ましい属性は、優れた寸法安定性(水中に24時間浸漬させた後、重量増加が10重量%未満、望ましくは5重量%未満、そして好ましくは約3重量%未満もしくは約1.5%重量未満(ASTM D−471−98))である。
【0017】
この熱可塑性ポリウレタン注目すべき特性は、その優れた水蒸気通気率(Mocon Permatran−Wモデル装置によって、厚さ1〜4ミル(25〜100ミクロン)、38℃および相対湿度100%で測定された場合、大気圧で、少なくとも1,500グラム/平方メートル/24時間、望ましくは約1,500〜約2,500グラム/平方メートル/24時間、そして好ましくは約約1,700〜約2,000グラム/平方メートル/24時間)である。厚さ1ミル、23℃および相対湿度50%、大気圧でのアップライトカップ(upright cup)水蒸気通気率は、少なくとも200グラム/平方メートル/24時間、望ましくは約250〜約450グラム/平方メートル/24時間、そして好ましくは約約275〜約350グラム/平方メートル/24時間(ASTM E−96)である。
【0018】
この熱可塑性ポリウレタンの機械的特性は、ASTMD−412/D−638に準ずる引張り強度が、一般的に、少なくとも20MPaもしくは30MPa、そして好ましくは、約35MPa〜約60MPaということにおいて、良好である。ASTM D−412に準ずる200%伸長での引張り永久ひずみ(Tensile set)は、一般的に、15%未満、望ましくは10%未満、そして好ましくは約8%未満である。
【0019】
熱可塑性エラストマーが、フィルム、キャストフィルム(cast film)もしくはブロンフィルム(blown film)などになるようにシート状にされるかまたは形成される場合に固体(すなわち、いかなる穿孔も有さないモノリシックバリア)である限り、これは高い水蒸気通気率が所望されるあらゆる用途(例えば、家屋に使用されるような建築物用ラップ、屋根材に使用されるような屋根用メンブレン、人間や動物に適用するための創傷包帯層として、耐水性布地として、など)に使用され得る。他の用途としては、空気ポンプもしくは蠕動ポンプのチューブ、Spandex(登録商標)用などのための弾性繊維、ガスケット、ホース、被覆物などが挙げられる。成形された品はまた、靴紐、軟らかい感触のハンドルおよびカバーとして硬いプラスチックおよび金属を覆う被覆物(overmolding)として作製され得る。さらに、本発明のこの熱可塑性エーテルポリウレタンエラストマーの積層板が作製され得、ここで、裏の層は、織られた、もしくは不織性のポリエステル、ポリプロピレン、紙、塩化ポリビニル、ナイロンなどである。
【0020】
本発明のこのポリウレタンから形成された種々の品、層、シート、フィルムなどは固体であるため、これらは、実質的にピンホール、穿孔などを含まない。言い換えると、これらは、1%未満、0.5%、0.01%もしくは0.005%未満の穿孔面積を含む。ピンホールの存在を試験するため、メンブレンは45°の角度にセットされたフレームに取付けられ、そしてこのフレームの上に配置されたシャワーヘッドによって濡らされ、少なくとも数時間、雨を模倣する。ピンホールの存在は、メンブレンの裏面上の液滴(wet circle)として表れる。これらは、メンブレンの単位面積(m)あたりで計数され、0.001/mを超えるピンホール(漏出点として測定される)を示すメンブレンは使用されない。
【0021】
本発明は、以下の実施例を参照することによってよりよく理解される。この実施例は、本発明を説明をするが、限定しない。
【実施例】
【0022】
(実施例1(ワンショット))
分子量2,000ダルトンのポリエーテルポリオールPTMEGを、最終ポリマー重量の重量100ポイントに基づいて0.3重量%の酸化防止剤および0.3重量%のUV安定剤をブレンドした、加熱(90℃)および攪拌されたタンクに投入した。第2の予め加熱されたタンクに、鎖伸長剤の1,4−ブタンジオールを投入し、50℃に保った。第3の予め加熱され、攪拌されたタンクは、4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)を含んだ。3つのタンクの成分を、Werner&Pfleiderer Corp.,Ramsay,NJ.で製作された、40mm同時回転ツインスクリュー押し出し成形反応機ののど(throat)に正確に計り入れた。この押し出し成形機は、11のバレルセクションを有し、これらのセクションを、190℃〜205℃に加熱した。この押し出し成形機の末端を、スクリーンパックを備える6ホールダイの後、水中ペレット成形機に結合した。25.07ptsのMDI、5.82ptsの1,−4−ブタンジオール、および68.5ptsのポリオール(PTMEG)を計量することによって、以下の形成を連続的に実行した。押し出し成形機の処理応力を、150Ibs/時に調整し、一方、別の小さなタンクから、50ppm(ポリマーに基づいて)のスズオクトエート触媒を、ポリオール流に注入した。この反応産物を、105℃に加熱されたサイロ内で、水中でペレット化し、そして回収して、この反応産物を3時間乾燥した。この方法で生成された反応産物を、平らなフィルムダイを取り付けたシングルスクリュー押し出し成形機を用いて押し出し、2ミル厚の空隙のないフィルムにした。押し出し成形機の速度は、粘着性、およびごくわずかな融解温度の上昇なしに、30〜70に変動され得る。このフィルムの特性を測定し、そして表1に列挙した。そして水蒸気通気率およびDCS走査を、それぞれ図1および図2に示す。
【0023】
(表1)
(実施例1のポリマーのフィルム特性)
【0024】
【表1】

(実施例2(ワンショット))
分子量2,000ダルトンのポリエーテルポリオールPTMEGおよびジプロピレングリコール(DPG)鎖伸長剤を、68.04:1.34の重量比で、加熱(90℃)および攪拌されたタンクに投入し、最終ポリマー重量に基づいて0.3重量%の酸化防止剤および0.3重量%のUV安定剤とブレンドした。第2の予め加熱されたタンクに、鎖伸長剤の1,4−ブタンジオールを投入し、50℃に保った。第3の予め加熱され、攪拌されたタンクは、4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)を含んだ。3つのタンクの成分を、Werner&Pfleiderer Corp.,Ramsay,NJ.で製作された、40mm同時回転ツインスクリュー押し出し成形反応機ののどに正確に計り入れた。この押し出し成形機は、11のバレルセクションを有し、これらのセクションを、190℃〜205℃に加熱した。この押し出し成形機の末端を、スクリーンパックを備える6ホールダイの後、水中ペレット成形機に結合した。25.07ptsのMDI、4.94ptsの1,−4−ブタンジオール、および69.4ptsのポリオール(PTMEG)/(DPG)混合物を第1のタンクから計量することによって、以下の処方を連続的に実行した。PTMEG/DPGブレンドおよびBDOを混合し、固定ミキサー(static mixer)を通して単流を形成し、これを、MDI流とともに加熱された前反応機に送った。この前反応機は、部分的に反応した混合物を連続的に押し出し成形機ののどに送り出した。押し出し成形機の処理応力を、150Ibs/時に調整し、一方、別の小さなタンクから、50ppm(ポリマーに基づいて)のスズオクトエート触媒を、ポリオール流に注入した。この反応産物を、105℃に加熱されたサイロ内で、水中でペレット化し、そして回収して、この反応産物を3時間乾燥した。ペレット化された反応産物のメルトフローインデックス(MFI)は、200℃/3,800gmで15.6と測定された。この反応産物を、平らなフィルムダイを取り付けたシングルスクリュー押し出し成形機を用いて押し出し、2ミル厚の空隙のないフィルムにした。押し出し成形機の速度は、粘着性、およびごくわずかな融解温度の上昇なしに、30〜70RPMに変動され得る。
【0025】
(実施例3(ワンショット))
分子量1,450ダルトンのポリエーテルポリオールPTMEGを、最終ポリマー重量に基づいて、0.3重量%の酸化防止剤および0.3重量%のUV安定剤をブレンドした、加熱(90℃)および攪拌されたタンクに投入した。第2の予め加熱されたタンクに、鎖伸長剤の1,4−ブタンジオールを投入し、50℃に保った。第3の予め加熱され、攪拌されたタンクは、4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)を含んだ。3つのタンクの成分を、Werner&Pfleiderer Corp.,Ramsay,NJ.で製作された、40mm同時回転ツインスクリュー押し出し成形反応機ののどに正確に計り入れた。この押し出し成形機は、11のバレルセクションを有し、これらのセクションを、190℃〜205℃に加熱した。この押し出し成形機の末端を、スクリーンパックを備える6ホールダイの後、水中ペレット成形機に結合した。25.07ptsのMDI、4.52ptsの1,−4−ブタンジオール、および69.8ptsのポリオール(PTMEG)を計量することによって、以下の形成を連続的に実行した。PTMEGおよびBDOを混合し、固定ミキサーを通して単流を形成し、これを、MDI流とともに加熱された前反応機に送った。この前反応機は、部分的に反応した混合物を連続的に押し出し成形機ののどに送り出した。押し出し成形機の処理応力を、150Ibs/時に調整し、一方、別の小さなタンクから、50ppm(ポリマーに基づいて)のスズオクトエート触媒を、ポリオール流に注入した。この反応産物を、105℃に加熱されたサイロ内で、水中でペレット化し、そして回収して、この反応産物を3時間乾燥した。ペレット化された反応産物のメルトフローインデックス(MFI)は、200℃/3,800gmで6.2と測定された。この生成された反応産物を、平らなフィルムダイを取り付けたシングルスクリュー押し出し成形機を用いて押し出し、1〜4ミル厚の空隙のないフィルムにした。押し出し成形機の速度は、粘着性、およびごくわずかな融解温度の上昇なしに、30〜70に変動され得る。水蒸気通気率(MVT)を、Mocon Company,Minneapolis,MNによって製作されたMocon Permatran−Wモデル装置を用いて、38℃および100%相対湿度で測定して、図3にプロットし、2,800gms・m/日の値を推定した。
【0026】
(実施例4(ワンショット))
分子量2,000ダルトンのポリエーテルポリオールPTMEGを、最終ポリマー重量に基づいて0.3重量%の酸化防止剤および0.3重量%のUV安定剤をブレンドした、加熱(90℃)および攪拌されたタンクに投入した。第2の予め加熱されたタンクに、鎖伸長剤の1,4−ブタンジオールを投入し、50℃に保った。第3の予め加熱され攪拌されたタンクは、4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)を含んだ。3つのタンクの成分を、Werner&Pfleiderer Corp.,Ramsay,NJ.で製作された、40mm同時回転ツインスクリュー押し出し成形反応機ののどに正確に計り入れた。この押し出し成形機は、11のバレルセクションを有し、これらのセクションを、190℃〜205℃に加熱した。この押し出し成形機の末端を、スクリーンパックを備える6ホールダイの後、水中ペレット成形機に結合した。25.07ptsのMDI、4.52ptsの1,−4−ブタンジオール、および69.8ptsのポリオール(PTMEG)を計量することによって、以下の形成を連続的に実行した。PTMEGおよびBDOを混合し、固定ミキサーを通して単流を形成し、これを、MDI流とともに加熱された前反応機に送った。この前反応機は、部分的に反応した混合物を連続的に押し出し成形機ののどに送り出した。押し出し成形機の処理応力を、150Ibs/時に調整し、一方、別の小さなタンクから、50ppm(ポリマーに基づいて)のスズオクトエート触媒を、ポリオール流に注入した。ポリマーに基づいて2%の珪藻土(diatomecous earth)(スーパーフロス)を、非粘着性充填剤として、押し出し成形機のバレルセクション2にまた導入した。この反応産物を、105℃に加熱されたサイロ内で、水中でペレット化し、そして回収して、この反応産物を3時間乾燥した。ペレット化された反応産物のメルトフローインデックス(MFI)は、200℃/3,800gmで6.2と測定された。この生成された反応産物を、平らなフィルムダイを取り付けたシングルスクリュー押し出し成形機を用いて押し出し、1〜4ミル厚の空隙のないフィルムにした。押し出し成形機の速度は、粘着性、およびごくわずかな融解温度の上昇なしに、30〜70に変動され得る。このフィルムの特性を測定して表2に列挙し、そして押し出し産出量を表3および表4に示した。DCS走査を、図4に示し、そして水蒸気通気率(MVT)を、Mocon Company,Minneapolis,MNによって製作されたMocon Permatran−Wモデル装置を用いて、38℃および100%相対湿度で測定して、図5にプロットし、3,200gms・m/日の値を推定した。
【0027】
(表2)
(実施例4の反応産物の特性)
【0028】
【表2】

(実施例4のポリマーの押し出し産出量研究)
(表3)
(1と1/2インチAkron押し出し成形機32:1バリアスクリューSaxton Mixer、12インチ幅ダイ)
(温度設定:355°F 365°F 375°F、ダイ375°F)
【0029】
【表3】

(表4)
(2と1/2インチKillion押し出し成形機24:1バリアスクリューSaxton Mixer、18インチ幅ダイ)
(温度設定:355°F 365°F 375°F、ダイ375°F)
【0030】
【表4】

(実施例5(2工程))
22.75ptsのMDI、72.27ptsのPTMEG(2,000ダルトン)、および0.004ptsのスズオクトエートをブレンドし、200℃で2分間、500mlスチールビーカー中で激しく攪拌することによって反応させた。次いで、4.97ptsの1,4−ブタンジオールを、この部分的に反応したプレポリマーに急激に加え、さらに2分間続けて攪拌した。このポリマー融解生成物を、テフロン(登録商標)コートされた皿(pan)に注ぎ、105℃で2時間硬化させた。このポリマーのMFIインデックスを、200℃で、3,800gm負荷下で、4.4と測定した。重量平均Mw GPC分子量は、229956であり、そして数平均分子量は、66630であって、高分子量反応産物であることを示した。結晶化度を、DSCによって決定し、そして以下の図6に示した。8℃および138℃での統合的なピークは、この物質が、十分に結晶性であって、メンブレン押し出しの目的に対して非粘着性とみなされることを示す。
【0031】
特許法に従って、最良の形態および好ましい実施形態が示されたが、本発明の範囲は、それらに限定されず、むしろ添付の特許請求の範囲によって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、実施例1の組成物の水蒸気通気率を示すグラフである。
【図2】図2は、実施例1の組成物のDCS走査を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例3の組成物の水蒸気通気率を示すグラフである。
【図4】図4は、実施例4の組成物のDCS走査を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例4の組成物の水蒸気通気率を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例5の組成物のDCS走査を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリウレタン組成物であって、以下:
少なくとも1つのテトラメチレンオキシド反復単位、そして必要に応じて、プロピレンオキシド由来であるか、またはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド由来である反復単位を有する、ポリエーテル中間体;ジイソシアネート;ならびに、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジプロピレンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、もしくはシクロヘキシリジエンジオール、またはそれらの組み合わせを含有する、鎖伸長剤、の反応産物を含み、
該組成物は、1〜4ミルの厚さで、大気圧、38℃、相対湿度100%において、少なくとも1,500グラム/平方メートル/24時間の水蒸気通気率を有する、
熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項2】
前記ポリエーテル中間体が、約500〜約4,000の数平均分子量を有し、前記ジイソシアネートが、式R(NCO)を有し、ここでRは、脂肪族基、芳香族基、脂環式基、またはそれらの組み合わせであって、全体で2〜約20個の炭素原子を有し、該組成物が、ASTM D−471−98に準ずる重量増加が10%未満である寸法安定性、および約3J/g〜約10J/gの結晶化度を有する、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項3】
前記組成物が、80未満のショアーA硬度を有する、請求項2に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項4】
前記ポリエーテル中間体と前記ジイソシアネートと前記鎖伸長剤との総重量に基づいて、該ポリエーテル中間体の量が約60重量%〜約80重量%であり、該ジイソシアネートの量が約20重量%〜約30重量%であり、かつ該鎖伸長剤の量が約1重量%〜約10重量%であって、そしてここで、該組成物が、約マイナス30℃未満のTgを有する、請求項3に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項5】
前記ポリエーテル中間体の前記分子量が約1,000〜約2,500であり、前記寸法安定性が、約5%以下であり、前記水蒸気通気率が、約1,500〜約2,500である、請求項4に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項6】
前記ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であり、前記ジオールが、ブタンジオールであり、前記熱可塑性ポリウレタンが、約50,000〜約100,000の数平均分子量を有し、前記Tgが約マイナス40℃未満であり、そして前記ショアーA硬度が、約68〜約78である、請求項5に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項7】
前記組成物が、シートの形態であって、該シートが、実質的に穿孔を有さない、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項8】
前記組成物が、シートの形態であって、該シートが、0.5%未満の穿孔面積を有する、請求項4に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項9】
前記組成物が、シートの形態であって、該シートが、0.01%未満の穿孔面積を有する、請求項6に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項10】
前記組成物が、建築用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項11】
前記組成物が、建築物用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項4に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項12】
前記組成物が、建築用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項6に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項13】
前記組成物が、建築用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項8に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項14】
熱可塑性ポリウレタンであって、テトラヒドロフラン、鎖伸長剤およびジイソシアネート由来の反復単位を有するポリマーを含有し、該鎖伸長剤は、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジプロピレンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、もしくはシクロヘキシリジエンジオール、またはそれらの組み合わせを含有し、該ジイソシアネートは、式R(NCO)を有し、ここでRは、脂肪族基、芳香族基、脂環式基、またはそれらの組み合わせであって、全体で2〜約20個の炭素原子を有し、該ポリマーは、約3J/g〜約10J/gの結晶化度および約マイナス30℃未満のTgを有する、熱可塑性ポリウレタン。
【請求項15】
前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が、約10,000〜約150,000であり、該熱可塑性ウレタンが、ASTM D−471−98に準ずる重量増加が5%未満である寸法安定性、ならびに1〜4ミルの厚さで、24時間に渡って、38℃および相対湿度100%において、少なくとも1,500グラム/平方メートルの水蒸気通気率を有する、請求項14に記載の熱可塑性ポリウレタン。
【請求項16】
請求項15に記載の熱可塑性ポリウレタンであって、前記ポリマーが、前記テトラヒドロフラン由来のポリエーテル中間体を有し、該ポリエーテル中間体が、約1,000〜約2,500の数平均分子量を有し、前記熱可塑性ポリウレタンポリマーが、約50,000〜約100,000の数平均分子量、約70〜約75のショアーA硬度、および重量増加が約1.5%未満の寸法安定性を有する、熱可塑性ポリウレタン。
【請求項17】
前記ジイソシアネートがMDIであり、前記鎖伸長剤が、ブタンジオールもしくはジプロピレングリコール、またはそれらの組み合わせであり、前記Tgが、約マイナス40℃〜約マイナス75℃であり、そして前記水蒸気通気率が、約1,700〜約2,000である、請求項16に記載の熱可塑性ポリウレタン。
【請求項18】
前記ポリウレタンが、シートの形態であって、該シートが、0.1%未満の穿孔面積を有する、請求項16に記載の熱可塑性ポリウレタン。
【請求項19】
前記ポリウレタンが、建築物用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項14に記載の熱可塑性ポリウレタン。
【請求項20】
前記ポリウレタンが、建築物用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項17に記載の熱可塑性ポリウレタン。
【請求項21】
熱可塑性ポリウレタンを形成するプロセスであって、該プロセスは、以下の工程:
テトラメチレンオキシド反復単位、および必要に応じて、プロピレンオキシド由来であるか、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物由来である反復単位を含有する、ポリエーテル中間体;ジイソシアネート;およびエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジプロピレンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、もしくはシクロヘキシリジエンジオール、またはそれらの組み合わせを含有する、鎖伸長剤、を反応させる工程、ならびに
固体シートを形成する工程、
を包含し、該熱可塑性ポリウレタンは、80未満のショアーA硬度を有する、プロセス。
【請求項22】
前記成分の全てが、一工程で反応され、前記ポリエーテル中間体の数平均分子量が約500〜約4,000であり、前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が約10,000〜約150,000であり、前記ジイソシアネートが、式R(NCO)を有し、ここでRは、脂肪族基、芳香族基、脂環式基、またはそれらの組み合わせであって、全体で2〜約20個の炭素原子を有し、前記熱可塑性ポリウレタンが、1〜4ミルの厚さで、38℃および相対湿度100%において、少なくとも1,500グラム/平方メートル/24時間の水蒸気通気率を有し、そして該熱可塑性ポリウレタンが、約マイナス40℃未満のTgを有する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記ジイソシアネートが、MDIであり、前記ジオールが、ブタンジオールもしくはジプロピレンジオール、またはそれらの組み合わせであり、前記ショアーA硬度が、約68〜約78であり、そして前記熱可塑性ポリウレタンが、ASTM D−471−98に準ずる重量増加が3%未満である寸法安定性を有する、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記ポリエーテル中間体の数平均分子量が、約1,500〜約2,200であり、前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が、約50,000〜約100,000であり、前記水蒸気通気率が、約1,700〜約2,000であり、前記Tgが、約マイナス40℃〜約マイナス75℃であり、そして該熱可塑性ポリウレタンが、約4J/g〜約8J/gの結晶化度を有する、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
初めに前記ポリエーテル中間体を過剰のジイソシアネートと反応させてプレポリマー溶液を形成し、続いて該プレポリマー溶液を前記鎖伸長剤と反応させて前記熱可塑性ポリウレタンを形成する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項26】
前記熱可塑性ポリウレタンが、1〜4ミルの厚さで、38℃および相対湿度100%において、少なくとも1,500グラム/平方メートル/24時間の水蒸気通気率を有し、そして該熱可塑性ポリウレタンが、約マイナス40℃未満のTgを有する、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記ジイソシアネートが、MDIであり、前記ジオールが、ブタンジオールもしくはジプロピレンジオール、またはそれらの組み合わせであり、前記ショアーA硬度が、約68〜約78であり、そして前記熱可塑性ポリウレタンが、ASTM D−471−98に準ずる重量増加が3%未満である寸法安定性を有する、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記ポリエーテル中間体の数平均分子量が、約1,500〜約2,200であり、前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が、約50,000〜約100,000であり、前記水蒸気通気率が、約1,700〜約2,000であり、前記Tgが、約マイナス40℃〜約マイナス75℃であり、そして該熱可塑性ポリウレタンが、約4J/g〜約8J/gの結晶化度を有する、請求項27に記載のプロセス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリウレタン組成物であって、以下:
少なくとも1つのテトラメチレンオキシド反復単位、そして必要に応じて、プロピレンオキシド由来であるか、またはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド由来である反復単位を有する、65重量%〜75重量%のポリエーテル中間体;22重量%〜28重量%のジイソシアネート;ならびに、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジプロピレンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、もしくはシクロヘキシリジエンジオール、またはそれらの組み合わせを含有する、2重量%〜8重量%の鎖伸長剤、の反応産物を含み;該重量%は、該ポリエーテル中間体と該ジイソシアネートと該鎖伸長剤との総重量に基づき
該組成物は、25.4μm〜101.6μmの厚さで、大気圧、38℃、相対湿度100%において、少なくとも1,500グラム/平方メートル/24時間の水蒸気通気率、および80以下のショアーA硬度(ASTM D−2240)を有する、
熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項2】
前記ポリエーテル中間体が、500〜4,000の数平均分子量を有し、前記ジイソシアネートが、式R(NCO)を有し、ここでRは、脂肪族基、芳香族基、脂環式基、またはそれらの組み合わせであって、全体で2〜20個の炭素原子を有し、該組成物が、ASTM D−471−98に準ずる重量増加が10%未満である寸法安定性、および3J/g〜10J/gの結晶化度を有する、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項3】
前記ポリエーテル中間体の量が67重量%〜73重量%であり、前記組成物が、マイナス30℃未満のTgを有する、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項4】
前記ポリエーテル中間体の前記分子量が1,000〜2,500であり、前記寸法安定性が、5%以下であり、そして前記水蒸気通気率が、1,500〜2,500である、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項5】
前記ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であり、前記ジオールが、ブタンジオールであり、前記熱可塑性ポリウレタンが、50,000〜100,000の数平均分子量を有し、前記Tgがマイナス40℃未満であり、そして前記ショアーA硬度が、6〜78である、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項6】
前記組成物が、シートの形態であって、該シートが、実質的に穿孔を有さない、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項7】
前記組成物が、シートの形態であって、該シートが、0.5%未満の穿孔面積を有する、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項8】
前記組成物が、シートの形態であって、該シートが、0.01%未満の穿孔面積を有する、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項9】
前記組成物が、建築用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項10】
前記組成物が、建築用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項11】
前記組成物が、建築用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項12】
前記組成物が、建築用ラップ、屋根用メンブレン、創傷包帯、耐水性布地、または弾性繊維である、請求項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
【請求項13】
熱可塑性ポリウレタンを形成するプロセスであって、該プロセスは、以下の工程:
テトラメチレンオキシド反復単位、および必要に応じて、プロピレンオキシド由来であるか、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物由来である反復単位を含有する、65重量%〜75重量%のポリエーテル中間体;22重量%〜28重量%のジイソシアネート;およびエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジプロピレンジオール、エトキシル化ヒドロキノン、もしくはシクロヘキシリジエンジオール、またはそれらの組み合わせを含有する、2重量%〜8重量%の鎖伸長剤、を反応させる工程であって、該重量%は、該ポリエーテル中間体と該ジイソシアネートと該鎖伸長剤との総重量に基づく、工程、ならびに
固体シートを形成する工程、
を包含し、該熱可塑性ポリウレタンは、80以下のショアーA硬度(ASTM D−2240)を有する、プロセス。
【請求項14】
前記成分の全てが、一工程で反応され、前記ポリエーテル中間体の数平均分子量が500〜4,000であり、前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が10,000〜150,000であり、前記ジイソシアネートが、式R(NCO)を有し、ここでRは、脂肪族基、芳香族基、脂環式基、またはそれらの組み合わせであって、全体で2〜20個の炭素原子を有し、該熱可塑性ポリウレタンが、25.4μm〜101.6μmの厚さで、38℃および相対湿度100%において、少なくとも1,500グラム/平方メートル/24時間の水蒸気通気率を有し、そして該熱可塑性ポリウレタンが、マイナス40℃未満のTgを有する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記ジイソシアネートが、MDIであり、前記ジオールが、ブタンジオールもしくはジプロピレンジオール、またはそれらの組み合わせであり、前記ショアーA硬度が、6〜78であり、そして前記熱可塑性ポリウレタンが、ASTM D−471−98に準ずる重量増加が3%未満である寸法安定性を有する、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ポリエーテル中間体の数平均分子量が、1,500〜2,200であり、前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が、50,000〜100,000であり、前記水蒸気通気率が、1,700〜2,000であり、前記Tgが、マイナス40℃〜マイナス75℃であり、そして該熱可塑性ポリウレタンが、4J/g〜8J/gの結晶化度を有する、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
初めに前記ポリエーテル中間体を過剰のジイソシアネートと反応させてプレポリマー溶液を形成し、続いて該プレポリマー溶液を前記鎖伸長剤と反応させて前記熱可塑性ポリウレタンを形成する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項18】
前記熱可塑性ポリウレタンが、25.4μm〜101.6μmの厚さで、38℃および相対湿度100%において、少なくとも1,500グラム/平方メートル/24時間の水蒸気通気率を有し、そして該熱可塑性ポリウレタンが、マイナス40℃未満のTgを有する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記ジイソシアネートが、MDIであり、前記ジオールが、ブタンジオールもしくはジプロピレンジオール、またはそれらの組み合わせであり、前記ショアーA硬度が、6〜78であり、そして前記熱可塑性ポリウレタンが、ASTM D−471−98に準ずる重量増加が3%未満である寸法安定性を有する、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記ポリエーテル中間体の数平均分子量が、1,500〜2,200であり、前記熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量が、50,000〜100,000であり、前記水蒸気通気率が、1,700〜2,000であり、前記Tgが、マイナス40℃〜マイナス75℃であり、そして該熱可塑性ポリウレタンが、4J/g〜8J/gの結晶化度を有する、請求項19に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−504842(P2006−504842A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550006(P2004−550006)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/031980
【国際公開番号】WO2004/041898
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(505026538)ノベオン アイピー ホールディングス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】