説明

高い空間分解能および時間分解能を有する地上観測画像取得配信装置

本発明は、高い地上分解能ならびに高いグローバルカバレージを有する観測画像取得配信機器に関する。そのような機器は、衛星(4)を含む宇宙空間画像取得レイヤ(1)と、画像処理装置(5)を含む地上画像処理レイヤ(3)と、宇宙空間レイヤ(1)から地上レイヤ(3)への画像の転送を行うようになされた通信レイヤ(2)とを備え、各衛星(4)が、1メートルオーダーの空間分解能を有する少なくとも1つの固定照準式画像取得装置を備え、各画像処理装置(5)が、この画像処理装置(5)と少なくとも1つの隣接する画像処理装置を接続する少なくとも1つの通信ライン(8)と、受信画像を処理するようになされた処理ユニットと、処理された画像を記憶する手段と、デジタルネットワークへの接続部とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い地上分解能(10メートル以下、特に1メートルオーダー)ならびに高いグローバルカバレージ(2週間以下、特に1日オーダー)を有する地上観測衛星画像取得配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本文の全体にわたり、グローバルカバレージとは機器が地球全体の写真を撮ることができる頻度を指す。
【0003】
衛星搭載機器による地球の観測は、特に気象専用の機器の開発にともなって1950年代に誕生した。その後、機器は、目的とする応用例に応じて地上分解能と更新頻度に交互に重きを置きながら進化し続けてきた。
【0004】
現在、LANDSAT、MODIS、IKONOS、QUICK BIRD、EROS、SPOT−5、SPOT−4など、多数の地上観測機器が存在する。これらの機器により、農業、地図、土地台帳、防衛、環境、都市計画、通信、リスク管理、再生可能資源の管理などきわめて多彩な分野における画像処理の多数のニーズに応えることができる。
【0005】
IKONOS、QUICK BIRD、EROSなどの機器は、1メートルオーダーの地上分解能が可能な超高分解能衛星である。逆にこれらの機器の地球全体の更新頻度は1カ月を上回る。
【0006】
MODIS、MERISなどの機器は分解能は低いが、地球全体の更新頻度は3日から1週間と高い。
【0007】
言い換えれば、従来技術によると、地上観測衛星画像取得供給機器の設計は相反する制約を受ける。つまり、1メートルオーダーと空間分解能は高いが、1週間または1カ月とグローバルカバレージが低い機器か、1日とグローバルカバレージは高いが、100メートルオーダーと空間分解能は低い機器のどちらかを選択しなければならない。
【0008】
有利な空間分解能の恩恵を享受しながら、所定の特定のゾーンについて高いカバー率の恩恵を享受できるようにするための代替解決策が提案されている。この解決策とは、画像取得光学機器のディスアラインメントが可能になるようになされた画像取得光学機器を具備する単数または複数の衛星を用いるというものである。実際、衛星の通常の軌跡以外のところで画像を取得できると、衛星が連続して複数回周回する間に、同じ地理ゾーンを観測することが可能になる。
【0009】
たとえば、SPOT衛星群は、毎日地球のある決まったゾーンの画像を取得することを可能にする、取得能力および更新率を提供する。この衛星群は、極軌道、円軌道、太陽同期軌道に乗せられ、地球に対して同位相である、複数の衛星を備える。各衛星は26日の周期を有する。各衛星は光学機器、データロガー、および地上の受信ステーションへの画像送信システムを備える。光学機器は調節可能な傾斜撮影ができるようになされているので、26日の一周期中に同一地域を複数回観測することができる。衛星が地上ステーションの視界内にない場合、データロガーにより画像を衛星に保存することができる。
【0010】
したがって、この衛星群は地球の特定のゾーンについて高いカバレージを有する。しかしながらグローバルカバレージが26日未満になることはあり得ない。さらに、26日の一周期中に多数のディスアラインメントが行われるように衛星群がプログラムされる場合、地球のグローバルカバレージは26日を大きく超えることがある。
【0011】
このような解決策の別の欠点は、ディスアラインメント衛星群の製造、設置、管理、および保守のコストにある。とりわけ、このような衛星群は、相互に自律して動作し受信画像データを配信するために画像保存中央サーバに送信するようになされた複数の地上ステーションを地上に設置し管理することを必要とする。さらに各衛星の各機器は、光学機器の要求に応じてディスアラインメントを求め最適化する任務を負う専門家グループにより地上から制御される。さらに、各衛星は地上ステーションの視界が存在しないことを解消するためにロガーを備えなければならない。各衛星はさらに専用の地上への送信システムを備える。
【0012】
また、そのような解決策は実用上大きな困難に直面する。たとえば、1メートルオーダーの空間分解能と1日オーダーのグローバルカバレージを有する画像を提供する目的でのそのような衛星群により地球全体をカバーするためには、1日あたり1500テラバイト、すなわち1秒あたり170ギガバイト程度のデータを中央サーバが管理しなければならないが、これは、現在利用可能なサーバの技術およびアーキテクチャで到達可能な衛星送信能力および地上処理能力を大きく超過している。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、上記の欠点を解消し、上記の困難を克服し、それぞれ、1メートルオーダーおよび1日オーダーの高い空間分解能および高い時間分解能を有する地球観測画像を取得し供給する機器を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、光学機器のディスアラインメントを必要とせず、したがって、衛星の利用が簡単であり、低コストで、複雑な操作なしで動作できる、かかる機器を提供することも目的とする。
【0015】
本発明は、画像配信中央サーバを必要としない、かかる機器を提供することも目的とする。
【0016】
本発明は、専用の保守を必要としない、かかる機器を提供することも目的とする。
【0017】
本発明は、インターネット上で入手可能な大量情報ベクトルに供給するようになされた機器を提供することも目的とする。
【0018】
これを行うために、本発明は、平均周囲Cの地球の観測画像の取得配信機器において、
− 衛星群、いわゆる宇宙空間画像取得レイヤであって、各衛星が観測幅F、ならびに衛星が一日でORB回(ORB>1)の周回ができるような低軌道を有し、少なくとも1つの光学画像取得装置を具備するレイヤと、
− 複数の地上画像処理配信装置、いわゆる地上画像処理配信レイヤと、
− 宇宙空間画像取得レイヤによって撮影された画像を前記地上画像処理配信レイヤに伝送するようになされたデータ伝送ネットワーク、いわゆる通信レイヤと
を備え、前記通信レイヤが、
− 各衛星について、この衛星の光学画像取得装置によって画像が取得される毎に、取得した画像を前記地上画像処理配信レイヤに送信するようになされた少なくとも1つの送信モジュールと、
− 各地上画像処理配信装置について、前記宇宙空間画像取得レイヤから画像を受信するようになされた少なくとも1つの受信モジュールと
を備え、
− 前記宇宙空間画像取得レイヤが、各衛星について、高い空間分解能を有する少なくとも1つの固定照準式光学画像取得装置を備え、
− 前記地上画像処理配信レイヤが、各地上画像処理配信装置について、この地上画像処理配信装置が受信した画像と、隣接する単数または複数の地上画像処理配信装置が受信した画像との重ね合せができるように、この地上画像処理配信装置を少なくとも1つの隣接する地上画像処理配信装置とに接続する少なくとも1つの通信ラインを備え、
− 各地上画像処理配信装置が、
・ この各地上画像処理配信装置の受信モジュールが受信した画像を処理するようになされた処理ユニットと、
・ 処理ユニットによって処理された画像を記憶する手段と、
・ このデジタルネットワークに接続されたユーザに前記記憶された画像を提供することができるようにするためのデジタルネットワークへの接続部と
を備える機器に関する。
【0019】
本発明による機器は、複数の衛星を備え、各衛星は、固定照準式装置ならびに取得した画像を通信レイヤを介して処理レイヤに送信するモジュールを備える。この送信は、本発明による機器の宇宙空間レイヤの衛星が搭載データロガーを具備しなくともよいように、毎回の取得の直後に行われる。特に衛星が地上ステーションの視界に入るまで待つ必要がない。受信モジュールが送信モジュールの視界にある場合には、受信モジュールは画像を受信し処理する。逆の場合には画像はなくなる。言い換えれば、本発明による機器の衛星の固定照準式の各画像取得装置は、計画的に撮影を行い、続いて地上へ計画的に送信する。画像送信装置は送信された画像の今後、すなわち受信モジュールが受信するのか、受信に失敗するのかについて気にしない。なにがあろうとも次の画像が取得され、次に地上に送信される。
【0020】
本発明による機器により、分離不可で地球規模ではめ込んだ3つの技術的レイヤ、すなわち宇宙空間画像取得レイヤ、通信レイヤ、および地上画像処理配信レイヤを使用することにより、従来技術の技術的および経済的限界を巧みにかいくぐることが可能となる。そのような機器により、地球的規模での機器の分散化が保証されるので、取得の負荷を複数の衛星に分散し、通信を画像送信および受信モジュールの全体に分散し、画像の管理および配信を相互接続された画像処理装置に分散することが可能になる。本発明に従って機器の機能をこのように分散することにより、衛星の動作および管理を劇的に簡略化しながら、データフローを低減することが可能になる。
【0021】
本発明による機器は、高い空間分解能を有し、各画像取得装置も高い空間分解能を有する。本文の全体にわたり、「高い空間分解能」とは、100メートル未満、特に1メートルオーダーの分解能を指す。
【0022】
有利には、本発明によれば、宇宙空間画像取得レイヤの各衛星は、1メートルオーダーの空間分解能を有する少なくとも1つの固定照準式光学画像取得機器を備える。
【0023】
有利には、本発明によれば、
− 前記通信レイヤの各送信モジュールは、隣接する少なくとも1つの送信モジュールと通信するようになされている。
− 前記通信レイヤの各受信モジュールは、隣接する少なくとも1つの受信モジュールと通信するようになされている。
【0024】
本発明による機器の衛星群は、地球全体または地球の少なくとも大部分をカバーするようになされている。
【0025】
有利には、本発明によれば、前記宇宙空間画像取得レイヤの前記衛星、前記地上画像処理配信レイヤの前記地上画像処理配信装置、前記通信レイヤの前記画像送信モジュール、および前記通信レイヤの前記画像受信モジュールは地理上、地球全体に分散される。
【0026】
有利には、本発明によれば、前記宇宙空間画像取得レイヤが少なくともN個

の衛星を備え、前記地上画像処理配信レイヤが、地球表面に分散された少なくともM個の、

であり、rは地上画像処理配信装置に結合された受信モジュールの視界円の平均半径であり、αは所定の係数である、画像処理装置を備える。
【0027】
したがって、衛星は常に少なくとも1つの画像受信モジュールの視界内にある。
【0028】
特に、一日にORB回周回する衛星の場合、2回の通過の間の赤道上の距離はC/ORBである。したがって、各衛星が観測幅Fを有する場合、一日で地球全体をカバーするために必要な衛星数は少なくとも

である。実際には少なくとも

が必要である、なぜなら、ある衛星が昇軌道にある間は、地球には太陽の光が当たらず、降軌道でしか画像の取得ができないからである。
【0029】
本発明の一変形形態によれば、種々の衛星は全て、同じ太陽同期準極軌道を描き、赤道における衛星の各通過点が観測幅Fの値に等しい量だけ離れるよう時間的にずれている。
【0030】
したがって、N個の衛星からなる衛星群を備える本発明による機器は、光学機器のディスアラインメントを必要とせずに、毎日、地球の全位置の撮影を可能にする。
【0031】
本発明による機器の衛星の各光学装置は、高い空間分解能、有利には1メートルオーダーの空間分解能を有する。
【0032】
したがって、本発明による地上観測機器により、1日オーダーの高い時間分解能を達成するだけでなく、1メートルオーダーの高い空間分解能を達成することも可能になる。
【0033】
衛星数が2倍になると、再訪率を倍にすることができる。
【0034】
各画像は取得されるとすぐ、通信レイヤにより地上画像処理配信レイヤに送信される。本発明の一変形形態によれば、この通信レイヤは、受信した各画像を最も近い画像地上処理配信装置に送信するようになされている。
【0035】
この通信レイヤの各画像受信モジュールは、半径rの視野円を有する受信アンテナであるのが有利である。
【0036】
本発明の一変形形態によれば、各地上画像処理配信装置はこの地上画像処理配信装置の近傍の専用受信モジュールと組み合わされる。しかしながら、地上画像処理配信装置から離れたところに受信モジュールを設けることになんら支障はない。
【0037】

であり、αが視界円の重なりを確保することができる所定の係数であるとき、地上画像処理配信レイヤはM個の地上画像処理配信装置を備えるのが有利である。
【0038】
αは、受信モジュールと組み合わされたアンテナの種々の視野円の重なりを確保することができる係数である。実際にはαは1.1から1.25の間であるので、10%から25%の視野ゾーンのオーバーラップ率を得ることができる。
【0039】
したがって衛星は、その位置がどこであっても、少なくとも1つの画像受信アンテナの視野内にある。
【0040】
本発明の一変形形態によれば、通信レイヤは、宇宙空間画像取得レイヤから画像を受信しこれを地上の画像処理配信装置に再送信する役目をもつ中継アンテナまたは中間衛星群のように、宇宙空間レイヤと地上画像処理配信レイヤとの間に配設されるその他の装置を備えることもできる。
【0041】
本発明によれば、各画像は、地上画像処理配信レイヤのある1つの地上画像処理配信装置に送信される。この地上画像処理配信装置は、デジタルネットワークに接続されたユーザがこの画像を回収できるよう、このデジタルネットワークに接続される。各地上画像処理配信装置は、画像の重なりが行えるよう、近接する複数の地上画像処理配信装置に接続される。各地上画像処理配信装置は、半径rの視野円により画定される視野ゾーンに対応する画像しか受信することができないので、実際には、2つの隣接する地上画像処理配信装置で、隣接するゾーンを表す画像を受信する。各地上画像処理配信装置は、隣接する2つの地上画像処理配信装置間に配設された通信ラインを使用することにより、局所的モザイクを生成する。
【0042】
本発明による機器により撮影された画像は中央に集められない。画像は、全部の地上画像処理配信装置に常に配信される。
【0043】
本発明による機器は、地球表面上に分布する種々の地上画像処理配信装置を介して、画像の統合、すなわち幾何的補正、場合によっては測光補正、目印および座標値の変更、画像境界線の決定、重ね合せ、を実施する。言い換えれば、機器の一部分が地上に分散され、画像の統合を担当する機器のこの部分は地球表面上に分布する。また、本発明による機器により生成される地球画像は常に地球全体に配信される。各地上画像処理配信装置はその記憶手段内に地球画像の一部分を含む。
【0044】
さらに、各地上画像処理配信装置は、飛行する衛星からの画像のみを受信するようになされているので、地上画像処理配信装置が受信した画像は所定の地域をカバーする。
【0045】
したがって、地球のある地域について単数または複数の画像を入手することを所望するユーザは、どの地上画像処理配信装置に自身の要求を送信すべきかを決めることができる。
【0046】
全文にわたり、「ユーザ」とは、デジタルネットワークを介して処理装置との間で通信を確立するようになされたマシンまたはマン/マシン結合を指す。
【0047】
本発明による機器の宇宙空間画像取得レイヤは、少なくともN個の衛星を含む衛星群を備える。最適な衛星数は各衛星の観測幅によって異なる。
【0048】
有利には、本発明によれば、宇宙空間画像取得レイヤは少なくともN個の衛星を備え、各衛星は2500/Nキロメートルオーダーの観測幅を有する。
【0049】
本発明の一変形形態によれば、宇宙空間画像取得レイヤは少なくとも25個の衛星を備え、各衛星は100kmオーダーの観測幅を有する。
【0050】
本発明の別の変形形態によれば、宇宙空間画像取得レイヤは少なくとも250個の衛星を備え、各衛星は10kmオーダーの観測幅を有する。
【0051】
本発明による機器の宇宙空間画像取得レイヤの各衛星は、画像が前記地上画像処理配信レイヤに送信されるよう、通信レイヤが取得した画像を、毎回の画像取得後に送信するようになされた固定照準式光学装置による取得画像送信モジュールを備える。
【0052】
この送信モジュールは既知の任意のタイプのものでよい。
【0053】
有利には、本発明によれば、各衛星について、前記通信レイヤの画像送信モジュールが地上画像処理配信レイヤに向けて転送する前に画像の圧縮を行うようになされている。
【0054】
画像のこの圧縮は、たとえばソフトウェア手段など、既知のあらゆる種類の手段により行うことができる。たとえば、JPEG、MPEG、ZIP、RARなどの圧縮とすることができる。
【0055】
有利には、本発明によれば、画像送信モジュールによって行われるこの圧縮はJPEG圧縮である。
【0056】
通信レイヤは、圧縮された画像を地上画像処理配信レイヤに送信する役割をもつ。
【0057】
前記通信レイヤによる、宇宙空間画像取得レイヤから地上画像処理配信レイヤへの画像の送信は既知の任意の種類の手段により行うことができる。
【0058】
本発明の一変形形態によれば、通信レイヤは、地上画像処理配信レイヤから宇宙空間レイヤへのアップロードデータの転送を行うようになされている。これらのアップロードデータはたとえば宇宙空間画像取得レイヤの制御データである。この変形形態によれば、通信レイヤを介する、宇宙空間画像取得レイヤと地上画像処理配信レイヤとの間でのデータの交換は双方向に行われる。
【0059】
この双方向交換により、特別な追加手段を用いることなく、衛星および宇宙空間画像取得レイヤの画像取得装置の制御を行うことが可能である。地上画像処理配信レイヤは地球表面上に分布し、画像処理グリッドが形成されるようになされているので、衛星の制御は、地球の任意の地点から簡単かつ経済的に行うことができる。
【0060】
本発明の有利な一変形形態によれば、画像は、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA、Wideband Code Division Multiple Access)プロトコルにより、前記通信レイヤによって、前記宇宙空間レイヤから地上画像処理配信レイヤに送信される。
【0061】
広帯域符号分割多元接続プロトコルは、英語のW−CDMAという略語でより知られているが、これは、多数の周波数上に送信を分散させるためにスペクトル拡散を利用するデータ送信プロトコルである。
【0062】
このプロトコルはUMTS規格(Universal Mobile Telecommunications System)に基づいている。このプロトコルにより、特に、許容帯域の任意の周波数上で全てのデータを同時にランダムパケット送信することができる。受信モジュールはデータを受信し整形する。これにより高い通信速度に到達することができる。
【0063】
このように、本発明による機器は、このUMTS規格を用いる地上通信ネットワークに頼ることができるのが有利である。
【0064】
近い将来、通信レイヤは、たとえば、OFDM(直交周波数分割多重方式)技術またはHSPA(高速ダウンリンクパッケージアクセス)技術のように先進技術に基づく地上通信ネットワークを備えることもできるようになるだろう。
【0065】
有利には、本発明によれば、変形形態においては、前記通信レイヤは、双方向交換を可能にするIPv型インターネット規格または同等の規格を用いる通信プロトコルにより、画像を前記宇宙空間レイヤから前記地上画像処理配信レイヤに送信するようになされている。
【0066】
宇宙空間画像取得レイヤと地上画像処理配信レイヤとの間のこの交換プロトコルはたとえばIPv4またはIPv3規格を用いることができるので、インターネット型のネットワークとの間で簡単かつ素早い相互接続が可能になる。
【0067】
本発明の有利な一変形形態によれば、宇宙空間画像取得レイヤの全衛星の制御は、IPデータノードとしての衛星へのアップアドレシングにより行われる。
【0068】
本発明の別の有利な一変形形態によれば、衛星に関してのアップデータの管理は、LINUX上のPCコンパチブルモジュール、あるいはIPプロトコルとの間の直接な適合性を保証する他の任意の情報処理規格により行われる。
【0069】
本発明による機器は、地上画像処理配信レイヤの各画像処理装置について、デジタルネットワークに接続されたユーザに前記記憶された画像を提供することができるように、このデジタルネットワークへの接続部を備える。
【0070】
この地上デジタルネットワークは任意のタイプのものとすることができる。
【0071】
しかしながら、本発明によれば、このデジタルネットワークは公衆デジタルネットワークとするのが有利である。
【0072】
そのようなネットワークはIPコンパチブルであり、たとえばインターネットであるのが有利である。これにより、本発明による機器によって撮影された画像を容易に共有することができる。
【0073】
したがって本発明による機器により、毎日更新され、かつ1メートルオーダーの分解能を有する、地球の任意の地点の画像をユーザに提供することができる。
【0074】
本発明に記載の機器により、多くの新しい応用例を開発することが可能になる。本発明による機器を使用することにより、特に、農業、地図、土地台帳、防衛、環境、都市計画、通信、リスク管理、再生可能資源の管理などきわめて多彩な分野が、種々の分析が可能になる最新のデータを得る手段をもつことになる。言い換えれば、本発明に記載の機器により、たとえばインターネットなどデジタルネットワークへの接続をもつ任意のユーザは、古くても1日前の任意の地点の画像を1メートルオーダーの地上分解能で見ることができるようになる。
【0075】
本発明の有利な一変形形態によれば、機器は、地球上の任意の場所に位置し公衆ネットワークに接続された少なくとも1つの地上サーバ、いわゆる地上ポータルサーバを備える。ユーザは公衆ネットワークを介して地上ポータルサーバに接続し、ある所与の地域の画像の表示要求を提出することができる。地上ポータルサーバは、受信した要求に対応する地域に応じて、対応する画像を含む地上画像処理配信装置を決定するようになされたモジュールを含む。すると地上ポータルサーバは公衆ネットワークを介してこの地上画像処理配信装置に接続され、対応する画像をユーザに提供するためにこの画像を配信する。このように本発明によれば、種々の地上画像処理配信装置上の地上画像の配信はユーザから全く見えない。唯一、地上ポータルサーバのみが、画像を含む単数または複数の処理装置から受信した要求に対応する地域の座標値による決定表を備える。
【0076】
本発明の有利な一変形形態によれば、機器は、前記公衆ネットワークにより各地上画像処理配信装置に接続された地上サーバ、いわゆる地上ポータルサーバをさらに備え、前記地上ポータルサーバは、
− ユーザから送られてくる地球の所与の地域の画像の配信要求を受信する手段と、
− この要求を分析し、記憶手段内に記憶されたこの画像を有する地上画像処理配信装置を決定する手段と、
− 決定された地上画像処理配信装置から前記画像を送信する手段と、
− 送信した画像を前記ユーザに提供する手段と
を備える。
【0077】
そのような地上ポータルサーバは、機器により生成された地球の画像を、公衆ネットワークに接続された任意のユーザに簡単かつ素早く提供する能力を本発明による機器に付与する。
【0078】
こうすることにより、この変形形態による機器は、過去24時間以内の1メートルオーダーの地上分解能を有する地球の任意の地域の画像を、インターネットを有する任意のユーザに供給することなど、今日まで利用できなかったサービスを提供することができる。
【0079】
本発明はさらに、先述または後述の特徴の全てまたは一部を組み合わせることを特徴とする地上観測衛星画像取得配信機器にも関する。
【0080】
本発明の特徴、目的および長所は、非限定的な例として示し添付の図面を参照して行う本発明の一実施形態についての説明を読むことにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態による地球観測衛星画像を取得し配信する機器の略図である。
【図2】地球周回低軌道における本発明の一実施形態による機器の宇宙空間画像取得レイヤの衛星の略図である。
【図3】画像受信モジュールの視界円、ならびに隣接する地上画像処理配信装置間のリンクを示す、本発明の一実施形態による機器の地上画像処理配信レイヤおよび通信レイヤの一部の略図である。
【図4】隣接する2つの地上画像処理配信装置間のリンクを示す、本発明の一実施形態による機器の処理レイヤの略図である。
【図5】本発明の一実施形態による機器の地上画像処理配信装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
わかりやすく図示する目的から図の縮尺および比率は同一ではない。
【0083】
図1に示すように、本発明による地球観測衛星画像取得配信機器は、衛星群、いわゆる宇宙空間画像取得レイヤ1と、複数の地上画像処理配信装置、いわゆる地上画像処理配信レイヤ3と、宇宙空間画像取得レイヤ1によって撮影された画像を地上画像処理配信レイヤ3に送信するようになされたデータ送信ネットワーク、いわゆる通信レイヤ2を備える。
【0084】
本発明による機器の宇宙空間レイヤ1は複数の衛星4を備え、各衛星4は、観測幅F、ならびに衛星が一日でORB回の周回ができるような低軌道を有する。
【0085】
図2は地球の周囲の低軌道にあるそのような衛星4ならびに地球上でのこの衛星の軌跡を示している。
【0086】
好ましくは、本発明による機器の各衛星4は一日に1回以上の周回を行う。本発明の一実施形態によれば、各衛星は一日に16回の周回を行う。
【0087】
各衛星4はさらに、固定照準方式の少なくとも1つの光学画像取得装置を備える。
【0088】
そのような光学画像取得装置はたとえば、地球に向けられ、衛星4が上空を飛行する地上の地域の多重スペクトル画像を取得するようになされた、固定カメラである。
【0089】
このように本発明による機器の衛星4は特別なディスアラインメントプログラムを必要としないため、製造および保守コストが大幅に低減される。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、そのような衛星は光学パラシュートである。
【0091】
各衛星4はさらに、この衛星4の光学画像取得装置により画像が取得される毎に、取得した画像を地上画像処理配信レイヤ3に送信するようになされた少なくとも1つの画像送信モジュールを備える。そのような送信モジュールは既知の任意のタイプのものでよいので、ここでは詳細に説明しない。
【0092】
地上画像処理配信レイヤ3は複数の地上画像処理配信装置5を備える。
【0093】
各地上画像処理配信装置5は、宇宙空間画像取得レイヤ1から出力された画像を受信するようになされた少なくとも1つの画像受信モジュールを備える。
【0094】
衛星4の画像送信モジュールおよび地上画像処理配信装置5の画像受信モジュールは通信レイヤ2の一部をなす。
【0095】
この通信レイヤ2は、宇宙空間画像取得レイヤ1から地上画像処理レイヤ3まで画像の転送を行うようになされた他の送信/受信装置を備えることができる。
【0096】
実際には、送信および受信モジュールは送信アンテナおよび受信アンテナ6と組み合わされる。
【0097】
図1に示すような本発明の一実施形態によれば、受信アンテナ6は地上画像処理配信装置5から距離を置かれている。各地上画像処理配信装置5はリンク7によりアンテナ6に接続されている。このリンクは任意のタイプのものでよい。このリンク7はたとえば有線リンク、無線リンク、wifiなどとすることができる。
【0098】
図3に示すようなきわめて有利な別の実施形態によれば、各地上画像処理配信装置5はアンテナ6を局部的に備える。
【0099】
本発明によれば、諸図に示すように、地上画像処理配信レイヤ3の各地上画像処理配信装置5はさらに、この地上画像処理配信装置5と、少なくとも1つの隣接する各地上画像処理配信装置とを接続する通信ライン8を備える。
【0100】
この通信ライン8により、この地上画像処理配信装置が受信した画像を、隣接する単数または複数の地上画像処理配信装置が受信した画像と重ね合わせることができる。通信ライン8は任意のタイプのものでよい。これらの通信ライン8はたとえば有線リンクまたは無線リンクでよい。
【0101】
この地上画像処理配信装置5は、図5に示すように、地上画像処理配信装置5の受信モジュール12が受信した画像9を処理するようになされた処理ユニット11をさらに備える。
【0102】
地上画像処理配信装置5の画像処理ユニット11はたとえば、画像処理ソフトウェア手段を備えるマイクロコンピュータの処理ユニットである。
【0103】
各地上画像処理配信装置5はさらに、処理ユニット11により処理された画像の記憶手段13を備える。これらの記憶手段13は任意のタイプのものでよい。これらの記憶手段13はたとえばディスクメモリなどの大容量メモリで形成される。
【0104】
各地上画像処理配信装置5はさらに、記憶手段13に記憶されている画像をデジタルネットワーク15に接続されているユーザに提供することができるようするためのこのデジタルネットワーク15への接続部14を備える。
【0105】
本発明の好ましい一実施形態によれば、機器は少なくともN個の(

であり、Cは地球の平均外周であり、ORBは衛星4が一日に行う周回数であり、Fは観測幅である)衛星を備える。
【0106】
本発明の好ましい実施形態によれば、機器はさらに、M個の(

であり、rは地上画像処理配信装置5の受信モジュール12に結合されたアンテナ6の視界円の平均半径であり、αは視界円の重なりを確保することができる所定の係数である)地上画像処理配信装置5を備える。
【0107】
本発明の好ましい一実施形態によれば、係数αは1.2に固定されるので、20%のオーバーラップ率が得られる。
【0108】
たとえば、本発明の一実施形態によれば、Nは25に固定され、各衛星4は100kmの観測幅を有する。
【0109】
たとえば、本発明の一実施形態によれば、Nは250に固定され、各衛星は10kmの観測幅を有する。
【0110】
本発明の好ましい一実施形態によれば、地上画像処理配信レイヤ3の各地上画像処理配信装置5の数は、宇宙空間画像取得レイヤ1の衛星4の数に等しい。
【0111】
地上画像処理配信装置5の受信モジュール12に結合された受信アンテナ6は任意のタイプのものでよい。特に、アンテナ6はその仰角に応じて種々の視界円をもつことができる。本発明の一実施形態によれば、各アンテナ6は2500kmの視界円を有する。
【0112】
この実施形態によれば、本発明による機器は、地球上に分布する25台の地上画像処理配信装置5に結合された25基のアンテナ6を備えることができる。
【0113】
本発明の好ましい一実施形態によれば、2つの地上画像処理配信装置5間の各通信ライン8はデジタルネットワーク15の通信ラインである。デジタルネットワーク15がインターネットである場合には、本発明による機器の設置はきわめて容易かつ経済的である。
【0114】
さらに、受信アンテナ6が地上画像処理配信装置5から別のところに設置されている場合には、リンク7もまたデジタルネットワーク15のリンクであるのが有利である。
【0115】
言い換えれば、この実施形態による機器は、地上画像処理配信装置5と画像取得軌道上にある衛星4とで形成される複数のサーバを備えるデジタルネットワーク15であるとみることができる。
【0116】
宇宙空間画像取得レイヤ1と地上画像処理配信レイヤ3との間の通信ならびに地上画像処理配信装置5間の通信は任意のタイプのものでよい。
【0117】
しかしながら、本発明の好ましい一実施形態によれば、通信はUMTSプロトコルを用いる。
【0118】
別の実施形態によれば、通信は、他のプロトコル、たとえば、OFDM(直交周波数分割多重方式)技術またはHSPA(高速ダウンリンクパッケージアクセス)技術のような先進技術に基づくプロトコルを用いることができる。
【0119】
本発明の好ましい一実施形態によれば、画像は、地上画像処理配信レイヤ3に送信される前に圧縮される。この圧縮はたとえばJPEG圧縮など任意のタイプのものでよい。
【0120】
本発明による機器により、地球全体について毎日、測地撮影を行うことが可能となる。
【0121】
これらの撮影写真は、有資格ユーザが接続された中央サーバを介して配信されるのが有利である。
【0122】
これを行うために、本発明による機器は、公衆デジタルネットワーク15により各処理装置5に接続されたサーバ、いわゆる地上ポータルサーバを備えるのが有利である。
【0123】
このサーバは、遠隔ユーザから出された地球のある所与の地域の画像の提供要求を受信する手段と、この要求を分析し、対応する画像9を含む地上画像処理配信装置5を決定する手段と、前記ユーザに画像9を提供するための画像送信手段とを備える。
【0124】
本発明による機器により得られた地球の画像は地球上に配信される。一方、受信した要求に応じて、対応する地上画像処理配信装置5に自身を接続し、画像をユーザに提供するよう送信することを担当するのは地上ポータルサーバであるので、ユーザにとってはこの配信は全く目に見えない。
【0125】
このような地上ポータルサーバはたとえば、計算手段、記憶手段、要求分析ソフトウェアおよび要求処理手段等を備えるマイクロコンピュータである。
【0126】
本発明による機器により、特にそれぞれ1メートルオーダーおよび1日オーダーの高い空間分解能および時間分解能を有する地上観測衛星画像を取得し供給することが可能となる。
【0127】
本発明による機器は、地球上で取得した全画像を物理的に配信するので、これによりデータの送信および処理が可能になる。特に、使用する帯域幅は現在利用可能な技術に適合している。
【0128】
本発明による機器は、衛星に搭載された画像取得装置のディスアラインメントを必要としない。
【0129】
さらに、本発明による機器は、画像を記録および/または配信する中央サーバを必要とせず、中央サーバをもたない。画像は常に地球上に配信され、種々の地上画像処理配信装置の記憶手段内に記憶される。
【0130】
本発明による機器は、地球の画像をインターネット型の公衆デジタルネットワークに接続されたユーザに提供するのにきわめて適している。特に、本発明による機器により、このネットワークに接続された任意のユーザは、1メートルオーダーの分解能を有しかつ過去1日以内の、地球の一部分の画像を回収することができる。したがって、本発明による機器により、特に、農業、マッピング、安全、防衛、環境、都市計画、通信、リスク管理、再生可能資源の管理の分野など多くの新しい応用例への途が開かれる。
【0131】
本発明による機器は、特に説明はしなかったが多くの変形形態の対象となることができる。特に、本発明による機器は、他の飛行体に搭載された画像取得装置、さらにはビルなどの地上建築物の上部に配設された画像取得装置を備えることができ、また、取得した画像を通信レイヤを介して画像処理レイヤに送信することができる。この通信レイヤはまた、画像取得レイヤから地上画像処理配信レイヤまで画像を転送することができる種々の追加の装置を備えることができる。これらの追加の装置は、たとえば中継アンテナ、中間ネットワークなどである。地上画像処理配信レイヤは、地球表面上に分散したきわめて多彩な地上画像処理配信装置を備えることができる。これらの装置はインターネットなどの公衆ネットワークに接続されたマイクロコンピュータでよく、一般的には、画像を受信し処理しネットワークのユーザに提供するのに適した任意の装置でよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均周囲Cの地球の観測画像の取得配信機器であって、
衛星群(4)、いわゆる宇宙空間画像取得レイヤ(1)であって、各衛星(4)が観測幅F、ならびに衛星が一日でORB回(ORB>1)の周回ができるような低軌道を有し、少なくとも1つの光学画像取得装置を具備するレイヤと、
複数の地上画像処理配信装置(5)、いわゆる前記地上画像処理配信レイヤ(3)と、
宇宙空間画像取得レイヤ(1)によって撮影された画像を前記地上画像処理配信レイヤに伝送するようになされたデータ伝送ネットワーク、いわゆる通信レイヤ(2)と
を備え、前記通信レイヤ(2)が、
各衛星(4)について、この衛星の光学画像取得装置によって画像が取得される毎に、取得した画像(9)を前記地上画像処理配信レイヤ(3)に送信するようになされた少なくとも1つの送信モジュールと、
各地上画像処理配信装置(5)について、前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)から画像(9)を受信するようになされた少なくとも1つの受信モジュール(12)と、
を備え、
前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)が、各衛星(4)について、高い空間分解能を有する少なくとも1つの固定照準式光学画像取得装置を備え、
前記地上画像処理配信レイヤ(3)が、各地上画像処理配信装置(5)について、この地上画像処理配信装置(5)が受信した画像と、隣接する単数または複数の地上画像処理配信装置が受信した画像との重ね合せができるように、この地上画像処理配信装置(5)を少なくとも1つの隣接する地上画像処理配信装置に接続する少なくとも1つの通信ライン(8)を備え、
各地上画像処理配信装置(5)が、
各地上画像処理配信装置(5)の受信モジュール(12)が受信した画像(9)を処理するようになされた処理ユニット(11)と、
処理ユニット(11)によって処理された画像を記憶する手段(13)と、
デジタルネットワーク(15)に接続されたユーザに前記記憶された画像を提供することができるようにするためのデジタルネットワーク(15)への接続部(14)と
を備える機器。
【請求項2】
前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)の各衛星(4)が、1メートルオーダーの空間分解能を可能にする少なくとも1つの固定照準式光学画像取得機器を備えることを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記通信レイヤ(2)の各送信モジュールが、隣接する少なくとも1つの送信モジュールと通信するようになされていること
前記通信レイヤ(2)の各受信モジュール(12)が、隣接する少なくとも1つの受信モジュールと通信するようになされていること
を特徴とする請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)の前記衛星(4)、前記地上画像処理配信レイヤ(3)の前記地上画像処理配信装置(5)、前記通信レイヤ(2)の前記画像送信モジュール、および前記通信レイヤ(2)の前記画像受信モジュール(12)が、地理的に地球全体に分布していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の機器。
【請求項5】
前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)が少なくともN個

の衛星(4)を備えること
前記地上画像処理配信レイヤ(3)が、地球表面に分散された少なくともM個の、

であり、rは地上画像処理配信装置(5)の受信モジュール(12)に結合されたアンテナ(6)の視界円の平均半径であり、αは所定の係数である、地上画像処理配信装置(5)を備えること
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の機器。
【請求項6】
前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)が少なくとも25個の衛星(4)を備え、各衛星(4)が100kmオーダーの観測幅を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の機器。
【請求項7】
前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)が少なくとも250個の衛星(4)を備え、各衛星(4)が10kmオーダーの観測幅を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の機器。
【請求項8】
各衛星(4)が太陽同期準極軌道を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の機器。
【請求項9】
各衛星(4)について、前記通信レイヤ(2)の前記送信モジュールが画像(9)の圧縮を行うようになされていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の機器。
【請求項10】
各衛星(4)について、前記画像送信モジュールによって行われる前記圧縮がJPEG圧縮であることを特徴とする請求項9に記載の機器。
【請求項11】
前記通信レイヤ(2)が、UMTSプロトコルにより、前記画像(9)を前記宇宙空間画像取得レイヤ(1)から前記地上画像処理配信レイヤ(3)に送信することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の機器。
【請求項12】
前記通信レイヤ(2)が、双方向交換を可能にするIPv型インターネット規格または同等の規格を用いる通信プロトコルにより、画像を前記宇宙空間レイヤから前記地上画像処理配信レイヤに送信することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の機器。
【請求項13】
前記地上画像処理配信レイヤ(3)の前記地上画像処理配信装置(5)を接続することができる前記デジタルネットワーク(15)が、公衆デジタルネットワーク(15)であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の機器。
【請求項14】
前記公衆デジタルネットワーク(15)により各地上画像処理配信装置(5)に接続された地上サーバ、いわゆる地上ポータルサーバを備え、前記地上ポータルサーバが、
遠隔ユーザから送られてくる地球のある所与の地域の画像の配信要求を受信する手段と、
この要求を分析し、記憶手段(13)内に記憶されたこの画像を有する地上画像処理配信装置(5)を決定する手段と、
決定された地上画像処理配信装置(5)から前記画像を送信する手段と、
送信した画像を前記ユーザに提供する手段と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−538510(P2010−538510A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522414(P2010−522414)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001210
【国際公開番号】WO2009/060139
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(509181714)セントル ナショナル デチュード スパシアル (セー.エヌ.エ.エス) (7)
【Fターム(参考)】