説明

高さを減らしたバーナー、及び当該バーナーを製造する方法

自動車用ランプ10、特に高輝度放電ランプ用のバーナー12が提供される。同バーナーは、放電アークによって光を発生させるための放電容器14を有する。第1の電極16が放電容器14に終端接続している。第1の電極16と協働して放電アークを発生させるための第2の電極18が放電容器14に終端接続している。放電容器14を保護するためのガラス本体20が形成される。ガラス本体20は、ソケット24に挿入されるためのシャフト22を有する。第1の電極16がガラス本体20からシャフト22の中を基部方向32へと導かれ、第2の電極18が第1の電極16からは距離を置いて、シャフト22の外側で基部方向へと導かれる。シャフト22は、前記ソケット24のリブ36を収容するため、及び前記第1の電極16を前記ガラス本体20の外側で絶縁するための少なくとも一つの絶縁ポケット26を有する。絶縁ポケット26の存在に起因して、ガラス本体20は傘状の電気絶縁体を形成することができ、高電圧の放電アークに対して、第1の電極16の軸22の根元の覆いのない部分と第2の電極18又は他の導電部品との間の最小限必要とされる道程(絶縁距離)を増やす。絶縁ポケット26を用いることによる改善された絶縁効果に起因して、ガラス本体20のシャフト22の高さを著しく減じることができ、バーナー12の絶縁性を損なうこともなく当該バーナー12の高さを減じることに至る。このバーナー12を備えた自動車用ランプ10の全高が減じられることができ、これによって自動車用ヘッドライト56の必要組み立てスペースの更なる最適化を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車のヘッドライト用の高輝度放電ランプの光源として使うことができるバーナーの分野に関する。また、斯様なタイプのバーナーを製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のヘッドライトに用いられる図1に例示されるような周知の高輝度放電ランプ10は、放電容器14を備えたバーナー12を有し、両方の電極が同放電容器14に終端接続されていて、第1の電極16の先端部と第2の電極18先端部との間に出力された放電アークを用いて光が生成される。放電容器14はガラス本体20によって保護されている。バーナー12のガラス本体20は、ソケット24へと挿入されるシャフト22を有する。第1の電極16が、軸22の根元の部分から軸方向に引き出されている。軸22の存在に起因して、軸22の根元の部分にある第1の電極16と、同じくソケット24へと導かれる(図示されず)第2の電極18との間での高電圧の放電を回避するのに充分な絶縁性が提供される。匹敵するバーナーが米国特許公報 US 6,731,076 B1から知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動車用ヘッドライトが要する組み立てスペースを最適化することが永続的に必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの更なる最適化を可能にすることが、本発明の目的である。自動車用ランプ、特に高輝度放電(HID)ランプのバーナーを提供することが本発明の特別な目的であり、当該バーナーを用いると、自動車用ランプの全高を減じることができる。特に好ましくはバーナーの絶縁性を損なわずに、高さを減じたバーナーを提供することが本発明の目的である。
【0005】
この目的が、本発明による自動車用ランプ、特に高輝度放電ランプ用のバーナーにより実現される。バーナーは、放電アークによって光を発生させるための放電容器と、放電容器において終端接続する第1の電極と、第1の電極と協働して放電アークを発生させるために放電容器において終端接続する第2の電極と、放電容器を保護するためのガラス本体と、を有し、ガラス本体が、ソケットに挿入されるためのシャフトを有し、第1の電極がガラス本体からシャフトを通って基部方向へと導かれ、第2の電極が第1の電極からは距離を置いて、シャフトの外側で基部方向へと導かれ、シャフトは、ソケットのリブを受容し、第1の電極を前記ガラス本体の外側で絶縁するための、少なくとも一つの絶縁ポケットを有する。
【0006】
絶縁ポケットの存在に起因して、ガラス本体は傘状の電気絶縁体を形成することができ、高電圧の放電アークに対して、第1の電極の軸の根元の覆いのない部分と第2の電極又は他の導電部品との間の最小限必要とされる道程(絶縁距離)を増す。ガラス本体の材料により形成された絶縁ポケットは、対応するソケットのリップと組み合わせてラビリンス・シールを形成することができ、このラビリンス・シールによる絶縁効果は、PPS(ポリフェニレン・サルファイド(SC6H4n)のような通常プラスチック材料のソケットと比較して、ガラス本体の材料が有する一層良好な誘電係数に起因して著しく増大する。特に絶縁ポケットの壁の部分であるガラス本体の材料が、第1の電極の覆いのない部分及び最も近くにある導電部の間に提供されている。絶縁ポケットを用いることによる改善された絶縁効果に起因して、ガラス本体のシャフトの高さを著しく減じることができ、バーナーの絶縁性を損なわずに当該バーナーの高さを減じることになる。このバーナーを備えた自動車用ランプの全高が減じられることができ、これによって自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの更なる最適化を可能にする。特に自動車用ヘッドライトの、特に車の進行方向における必要組み立てスペースの減少が可能になる。除気された物質の成分、特にソケットのプラスチック材料の成分が絶縁ポケットによって収集されることができる。ソケット内部の除気された物質が光源の近くにあるバーナーのガラス本体で凝縮するリスクが低下する。これは、ランプの寿命を通じてランプの光学性能を改善する。加えて、除気された物質の成分が絶縁ポケット内で凝縮し、バーナーの寿命を通じて絶縁効果さえも増大させる。時効効果によってバーナーの絶縁性能が増す。増大した絶縁効果に起因して、EMI放射を減らすため、及び/又は除気された材料成分の漏出を更に減らすために、金属ハウジング内にソケットを配置することが特に考えられる。コスト削減に至る更なる追加の絶縁手段が確保できる。更に、絶縁ポケットがガラス本体と共に一体でもよい。絶縁ポケットに挿入するために特に設けられているリブが、ソケットと共に一体でもよい。必要とされる絶縁性が、対応する既存のパーツの設計により提供されることができるので、組立パーツの数が増すことはなく、或いは減らされることさえある。特にガラス本体のデザイン及び/又はソケットのデザインが、既に計画された製造ステップの間に提供されることができる。例えば、ガラス本体へのプレス工程を用いて絶縁ポケットが形成されることができ、一方で、ガラス本体が加熱され、絞られた領域において第1の電極をガラス本体へと封止するために、シャフトが主に基部方向に突出する場所から圧延プロセスを用いて圧延される。バーナーの製造時間が増すことはなく、短縮することさえある。
【0007】
HIDランプは、特に1MPaまでの圧力で作動するよう適応された放電容器を備えたバーナーを有する高密度放電ランプであり、放電容器はキセノン、クリプトン、及び/又はネオンのような希ガスで充填され、ハロゲン、及び/又はハロゲン化金属、及び/又は水銀を含有する。バーナーがソケットに収容され、バーナーが主に重力の方向とは反対方向を指すようソケットが地面側に配置された場合、バーナーの基部方向が重力の方向に一致し、バーナーの末端部方向が重力に対抗する方向に一致することを理解されたい。ガラス本体は主にSi02を含むか、又は10ppm乃至1000ppm(単位はmol)の考え得る不純物を含むSi02からさえ構成される。
【0008】
特に絶縁ポケットは、リング状の凹部として形成される。半径方向及び/又は軸方向の絶縁ポケットの設計値が主に一定であるので、第1の電極と第2の電極、又は他の導電部との間の絶縁効果は、バーナーの円周方向の角度位置とは無関係である。これは、末端部方向に向いている三つの基準突起のようなソケットの基準造作に対して、バーナーの正しい位置合わせを提供するのを容易にする。
【0009】
好ましくはシャフトは、特に半径方向に順次配置された複数の絶縁ポケットを有する。複数の絶縁ポケットに起因して、対応する数のリブがそれぞれの絶縁ポケットへと挿入される。これは、高圧放電に対して、最小限必要とされる道程が対応して増したラビリンス・シールとなる。第1の電極の覆われていない部分及び最も近い導電材料の間の絶縁材料の増大した体積に起因して、絶縁効果を特に高めることができる。電極の覆いのない部分がガラス本体によって覆われることはなく、ガラス本体の軸の根元部分から突出する。
【0010】
シャフトが主に半径方向に突出する突起部分を有することが更に好まれ、絶縁ポケットを形成するために、少なくとも一つの指状の突起が当該突起部分から基部方向に突出して設けられている。指状突起は軸方向の長さlFを有し、2.0mm≦lF≦14.0mm、特に3.0mm≦lF≦12.0mm、好ましくは4.0mm≦lF≦10.0mm、最も好ましくは4.5mm≦lF≦5.0mm、5.0mm≦lF≦7.0mm、又は7.0mm≦lF≦9.0mmである。絶縁ポケットは、断面図では主にU字型をしており、「U」の壁が「U」の第1の腕に対する指状突起によって、「U」の下壁に対する突起部によって、及び「U」の第2の腕に対する軸の残りの部分により提供される。第2の絶縁ポケット及び/又は更なる絶縁ポケットが、更なる突起部、及び/又は特に同じ突起部から突出している対応する数の指状突起により形成される。指状突起の長さ1Fは絶縁ポケットの数に応じて選択される。少ない数の絶縁ポケット、特に絶縁ポケットが一つだけの場合、より長い長さの1Fが選択されることができ、好ましくは軸の残りの部分の長さを超えるよう選択され、結果として指状突起が軸の残りの部分よりも基部方向に大きく突き出す。中位の数の絶縁ポケット、特に絶縁ポケットが二つの場合、中間の長さの、好ましくは軸の残りの部分と同じ長さの1Fが選択され、結果として指状突起と軸の残りの部分とが殆ど同じレベルとなる。より多数の絶縁ポケット、特に三つより多くの絶縁ポケットがある場合、より短い長さ、好ましくは軸の残りの部分の長さよりも短い1Fが選択されて、結果として軸の残りの部分が、基部方向に指状突起よりも大きく突き出す。これは電子部品、例えばバーナー用のスタータ回路をバーナーの絶縁性を損なうことなくソケット内部に配置する際の適応性が増すことになる。ランプの種々異なる構成部品を配置する際の適応性の増大は、必要組み立てスペースを最適化するための更なる可能性を与える。
【0011】
好ましくはシャフトは軸方向の長さlsを有し、2.0mm≦ls≦10.0mm、特に3.0mm≦ls≦8.0mm、好ましくは4.0mm≦ls≦6.0mm、及び最も好ましくは4.5mm≦ls≦5.5mmである。絶縁ポケットの存在に起因して、著しく減じられた軸長lsがバーナーの絶縁性を損なうことなく可能である。周知のバーナーと比較して、電子部品をランプのソケットに配置する際に大きな問題に陥ることなく、バーナーの長さを主に8mm±2mm減じることが可能である。
【0012】
ガラス本体は絞られたネック部分を特に有し、ガラス本体は封止プロセス、特に圧延プロセスによって絞られ、シャフトが絞られたネック部分から主に基部方向に突出する。絞られたネック部分は軸方向の長さlNを有し、3.0mm≦lN≦8.0mm、好ましくは3.5mm≦lN≦6.0mm、及び最も好ましくは4.0mm≦lN≦5.0mmである。ガラス本体の充分な封止は、機械的な封止プロセスを実行することによって容易に提供できる。同時に、封止プロセスにより実現される絞られたネック部分に必要とされるエリアは比較的小さい。さらに、ガラス本体の封止及び絶縁ポケットの形成がガラス本体の異なる部分で実行されることができ、互いに軸方向に離間して配置されることができる。絞られたネック部分に対して使用されるガラス本体のエリアはシャフトではなく、同部分は、ランプのソケットの対応する開口部に挿入されるよう適切に形成され且つ適応されることを理解されたい。シャフトは好ましくは円筒状に形成され、絞られたネック部分は断面図では楕円形となるか、又はその外部表面に大概は平坦部を有する。
【0013】
本発明は更に、ランプ、特に自動車ヘッドライト用の高輝度放電ランプに関する。同ランプは前述したように設計されることができ、絶縁材料、特にPPSにて製造されたソケットへと挿入されるバーナーを有し、当該ソケットは、バーナーの対応する絶縁ポケットに挿入されるリブを少なくとも有する。絶縁ポケットの存在に起因して、ガラス本体は傘状の電気絶縁体を形成することができ、高電圧の放電アークに対して、第1の電極の軸の根元の覆いのない部分と第2の電極又は他の導電部品との間の最小限必要とされる道程を増やす。絶縁ポケットを用いることによる改善された絶縁効果に起因して、ガラス本体の軸の高さを著しく減じることができ、ランプの絶縁性を損なうこともなく当該ランプの高さを減じることになる。自動車用高輝度放電ランプの全高を減じることができ、これによって自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの更なる最適化を可能にする。特に自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの減少は、特に車の進行方向における必要組み立てスペースの減少が可能になる。本ランプは、上述のバーナーに関して説明したように更に設計される。
【0014】
好ましくは少なくとも一つの金属の固定エレメント、特に金属の突起がソケットに接続しており、バーナーに固定された金属カラーを介して当該固定エレメントがバーナーに接続されている。ガラス本体とリブの間に切り込みが設けられており、シャフトの端にある第1の電極から始まり、切れ込みに沿って固定エレメントに至るまでの最小限の放電路長sは、8.0mm≦s≦50.0mmであり、好ましくは10.0mm≦s≦40.0mmであり、更に好ましくは12.0mm≦s≦30.0mmであり、最も好ましくは15.0mm≦s≦20.0mmである。高電圧放電アークに対するリスクが主に第1の電極とグランドに接地されている金属の固定エレメントとの間に与えられるよう、絶縁性の増大を提供するセラミックの入れ子中を第2の電極が導かれることができるとの知見が用いられている。さらに、第1の電極及び最も近くにある導電部の間に著しく長い高圧放電路を形成することが可能であり、同時に、比較的短い長さのガラス本体の軸が与えられる。ガラス本体とリブとの間の切れ込みは、公差に起因して生じる場合があるか、又はガラス本体とリブとの間に隙間嵌めを提供することによって生じる場合がある。しかし、リブが絶縁ポケットに押圧されることも可能であり、この結果、切れ込みがガラス本体とリブとの間の相境界に形成される。
【0015】
切れ込みが、少なくとも一つの位置で主にシリコンを含有する絶縁プラグによって少なくとも部分的に満たされることが特に好ましく、絶縁プラグは、第1の電極から固定エレメントへの方向に切れ込みの全断面を覆う。絶縁プラグは、特に熱硬化性の液体であり、同液体が切れ込みの全断面を埋め、硬化後は固体となる。絶縁プラグが空気よりも良好な絶縁性を提供できるので、絶縁効果が増す。
【0016】
特にソケットは、末端部方向を向く上面と、基部方向を向く底面とを有し、上面と底面との間の距離dは、8.0mm≦d≦22.0mm、特に10.0mm≦d≦20.0mm、好ましくは12.0mm≦d≦18.0mm、及び最も好ましくは14.0mm≦d≦16.0mmである。絶縁ポケットの存在に起因して、著しく減じられた軸長lsがバーナーの絶縁性を損なうことなく可能である。周知のバーナーと比較して、電子部品をランプのソケットに配置する際に大きな問題に陥ることなくバーナーの長さを主に8mm±2mm減じることが可能である。末端部方向を指し示す基準突起を上面に有する場合は、当該基準突起の末端と底面の根元の部分との間の距離がdとして測定される。基準突起、特に3箇所の基準突起が、バーナーをソケットに接続する際に基準突起に対してバーナーを位置合わせするために形成されることができる。基準突起を用いることによって、接続の際にバーナーの光源が基準突起に対して正確に配置されることができ、正しい位置合わせが光学的な方法によってモニタされることができる。これは次に、ヘッドライト内で自動車用ランプを組み立てた後に、自動車用ヘッドライトのリフレクタに対するバーナーの光源の正確な位置合わせを可能にする。
【0017】
本発明は更に、これまでに説明したように設計できるバーナー、及び/又は反射用ハウジングに接続された、これまでに説明したように設計できるランプを有する自動車用ヘッドライトに関する。絶縁ポケットの存在に起因して、ガラス本体は傘状の電気絶縁体を形成することができ、高電圧放電アークに対して、第1の電極の軸の根元の覆いのない部分と第2の電極又は他の導電部品との間の最小限必要とされる道程を増やす。絶縁ポケットを用いることによる改善された絶縁効果に起因して、ガラス本体の軸の高さを著しく減じることができ、バーナーの高さを減じることになり、したがって、ランプの絶縁性を損なうこともなく当該ランプの高さを減じることになる。自動車用高輝度放電ランプの全高を減じることができ、これによって自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの更なる最適化を可能にする。特に車の進行方向における自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの減少が可能になる。ランプは、上述のバーナーに関して説明したように更に設計されてもよいし、及び/又は上述のランプに関して説明したように設計されてもよい。
【0018】
本発明は更に、特に前述したように設計できる自動車用ランプ用のバーナーを製造する方法に関する。本方法は、
放電アークを用いて光を発生させるための放電容器と、放電容器において終端接続する第1の電極と、第1の電極と協働して放電アークを発生させるために放電容器において終端接続する第2の電極と、を有する事前形成されたガラス本体を提供するステップと、第1の電極をガラス本体と、特に圧延によって封止するステップと、
ソケットのリブを受容し、ガラス本体の外側で前記第1の電極を絶縁するための、少なくとも一つの絶縁ポケットをガラス本体に形成するステップと、を含む。絶縁ポケットの存在に起因して、ガラス本体は傘状の電気絶縁体を形成することができ、高電圧の放電アークに対して、第1の電極の軸の根元の覆いのない部分と第2の電極又は他の導電部品との間の最小限必要とされる道程を増す。絶縁ポケットを用いることによる改善された絶縁効果に起因して、ガラス本体の軸の高さを著しく減じることができ、バーナーの高さを減じることになり、したがって、ランプの絶縁性を損なうこともなく当該ランプの高さを減じることになる。自動車用高輝度放電ランプの全高を減じることができ、これによって自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの更なる最適化を可能にする。特に車の進行方向における自動車用ヘッドライトの必要組み立てスペースの減少が可能になる。製造が、種々異なる機械の数が増すこともなく迅速に行われ、バーナー、対応するランプ、及び/又は対応する自動車用ヘッドライトの製造を容易にする。本方法は上述のバーナーに関して説明したように更にデザインされてもよいし、及び/又は上述のランプに関して説明したようにデザインされてもよいし、及び/又は上述の自動車用ヘッドライトに関して説明したようにデザインされてもよい。
【0019】
少なくとも一つの絶縁ポケットが圧延プロセスによって形成される。ガラス本体を封止するのと同じ製造プロセスを、絶縁ポケットを形成するために使用することが可能である。
【0020】
好ましくは、封止ステップ及び形成ステップが同時に実行される。封止ステップの際に与えられる熱を、形成ステップを容易にするために使用することが可能であり、逆も同様である。バーナーの設計が追加のパーツを有するものの、製造時間が増すことはない。封止ステップ及び形成ステップを同時に実行することによって発生する熱が増すので、製造時間を減じることさえ可能である。
【0021】
本発明のこれらの態様及び他の態様が、これ以降説明されている実施例から明らかになり、当該実施例を引用して解明されることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術によるランプの概観的な側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるランプの概観的な側面断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例によるランプの概観的で簡略な側面断面図である。
【図4】図3に例示されているランプの概観的な詳細図である。
【図5】図3に例示されているランプを有する自動車用ヘッドライトの概観的な側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2に例示した、特に自動車用高輝度放電ランプであるランプ10は、図1に例示した周知のランプ10に大部分は対応しており、図2のランプは、図1のランプ10よりも短くデザインされている。図1に例示されているバーナー12とは対照的に、図2に例示されているバーナー12は、残存するシャフト34から半径方向に突出する突起部分30から基部方向32に突出している指状の突起28により形成されるリング状の絶縁ポケット26を有する。ソケット24のリブ36が絶縁ポケット26内に突出しており、リブ36とガラス本体20の軸22との間にジグザグの切れ込み38を形成している。絶縁ポケット26の存在に起因して、充分な絶縁性が、第1の電極16のガラス本体20によって覆われてはいない部分と、グランドに接地される金属の固定エレメント40との間に提供される。固定エレメント40が、ソケット24を固定する金属板として設計され、ガラス本体20に締着された金属カラー42を介してバーナー12へと接続している。固定エレメント40は、金属カラー42に溶接、特にレーザ溶接により接続される。バーナー12をソケット24に金属カラー42及び固定エレメント40を介して取り付ける前に、バーナー12は、特にソケット24により形成されている三つの基準突起44を用いて光学的方法によって正しく位置合わせされることができる。末端部方向48を指しているソケット24の上面46と、基部方向32を指しているソケット24の底面50との間の距離が、図1に例示されているランプ10と比較して減じられる。
【0024】
図3に例示されているランプ10は、図2に例示されているランプ10と同じようなデザインのバーナー12を有する。図3に例示されるランプ10は、自動車用ランプのための異なる規格に準拠するソケット24を有する。図4に例示したように、リング状の絶縁プラグ52が、切れ込み38の全断面を第1の電極16から外方向へ覆っている。当該絶縁プラグ52は、主にシリコンを含有する。ガラス本体20は絞られたネック部分54を有し、ガラス本体20は封止されている。絞られたネック部分54が、絶縁ポケット26とガラス本体20の拡がった部分との間に形成されている。
【0025】
図5に例示したように、自動車用ヘッドライト56は、ランプ10に接続している反射用ハウジング58を有する。ランプ10の高さが減少したのに起因して、ヘッドライト56の高さも特に車の進行方向60において減じられる。
【0026】
本発明が図面及びこれまでの説明において詳細に例示され且つ説明されたものの、斯様な例示及び説明は、例示目的又は典型例であると看做され、拘束するものではない。即ち、本発明が開示された実施例に限定されることはない。例えば、複数の絶縁ポケット26が設けられている実施例において本発明を運用することが可能である。開示された実施例に対する他のバリエーションが、図面、開示物、及び添付の請求項の学習から、請求された本発明を実施する際に当業者により理解されることができ且つ遂行されることができる。請求項において、単語「有する」が他のエレメント又はステップを除外することはなく、不定冠詞「a」又は「an」が複数を除外することはない。特定の手段が相互に異なる従属請求項において再引用されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有効に使われ得ないとは示していない。請求項のいかなる参照符号も、本発明の範囲を限定するものとして解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

放電アークによって光を発生させるための放電容器と、
当該放電容器において終端接続する第1の電極と、
前記第1の電極と協働して放電アークを発生させるために前記放電容器において終端接続する第2の電極と、
前記放電容器を保護するためのガラス本体と、
を有し、
前記ガラス本体がソケットに挿入されるためのシャフトを有し、
前記第1の電極が前記ガラス本体から前記シャフトを通って基部方向へと導かれ、前記第2の電極が前記第1の電極からは距離を置いて、前記シャフトの外側で基部方向へと導かれ、
前記シャフトは、前記ソケットのリブを受容し、前記第1の電極を前記ガラス本体の外側で絶縁するための、少なくとも一つの絶縁ポケットを有する、
自動車用ランプ、特に高輝度放電ランプ用のバーナー。
【請求項2】
前記絶縁ポケットがリング状の凹部として形成される請求項1に記載のバーナー。
【請求項3】
前記シャフトが、特に半径方向に順次配置された複数の絶縁ポケットを有する請求項1に記載のバーナー。
【請求項4】
前記シャフトが半径方向に突出している突起部分を有し、前記絶縁ポケットを形成するために、少なくとも一つの突起が前記突起部分から基部方向に突出して備えられている、請求項1に記載のバーナー。
【請求項5】
前記指状の突起が軸方向の長さlFを有し、2.0mm≦1F≦14.0mm、特に3.0mm≦1F≦12.0mm、好ましくは4.0mm≦1F≦10.0mm、最も好ましくは4.5mm≦1F≦5.0mm、5.0mm≦1F≦7.0mm、又は7.0mm≦1F≦9.0mmである、請求項1に記載のバーナー。
【請求項6】
前記シャフトが軸方向の長さlsを有し、2.0mm≦ls≦10.0mm、特に3.0mm≦ls≦8.0mm、好ましく4.0mm≦ls≦6.0mm、最も好ましくは4.5mm≦ls≦5.5mmである、請求項1に記載のバーナー。
【請求項7】
前記ガラス本体は絞られたネック部分を有し、当該ガラス本体が封止プロセス、特に圧延プロセスによって絞られており、前記シャフトが前記絞られたネック部分から基部方向に突出しており、前記絞られたネック部分が軸方向の長さ1Nを有し、特に3.0mm≦lN≦8.0mm、好ましくは3.5mm≦ls≦6.0mm、及び最も好ましくは4.0mm≦ls≦5.0mmである、
請求項1に記載のバーナー。
【請求項8】
絶縁材料、特にPPSから作られたソケットに挿入された請求項1に記載のバーナーを有し、当該ソケットは、前記バーナーの対応する絶縁ポケットに挿入される少なくともリブを有する、
特に自動車用ヘッドライト用の高輝度放電ランプ。
【請求項9】
少なくとも一つの金属の固定エレメント、特に金属突起が前記ソケットに接続され、前記固定エレメントが前記バーナーに締着された金属カラーを介して当該バーナーに接続され、切れ込みが前記ガラス本体と前記リブとの間に形成され、前記シャフトの端部にある前記第1の電極から始まって、前記切れ込みに沿って前記固定エレメントに至る最小限の放電路sが8.0mm≦s≦50.0mm、特に10.0mm≦s≦40.0mm、好ましくは12.0mm≦s≦30.0mm、最も好ましくは15.0mm≦s≦20.0mmである、
請求項8に記載のランプ。
【請求項10】
前記切れ込みが、少なくとも一つの位置で、特に主としてシリコンを含有する絶縁プラグで少なくとも部分的に満たされ、前記絶縁プラグが、前記第1の電極から前記固定エレメントへと向かう方向に、前記切れ込みの全断面を覆う、
請求項9に記載のランプ。
【請求項11】
前記ソケットが、末端方向を向く上面と、基部方向を向く底面とを有し、当該上面と当該底面との間の距離dは、8.0mm≦d≦22.0mm、特に10.0mm≦d≦20.0mm、好ましくは12.0mm≦d≦18.0mm、最も好ましくは14.0mm≦d≦16.0mmである、
請求項8に記載のランプ。
【請求項12】
請求項1に記載のバーナー、及び/又はリフレクタ用ハウジングへと接続された請求項8に記載のランプを有する自動車用ヘッドライト。
【請求項13】

放電アークを用いて光を発生させるための放電容器と、前記放電容器において終端接続する第1の電極と、当該第1の電極と協働して放電アークを発生させるために前記放電容器において終端接続する第2の電極と、を有する事前形成されたガラス本体を提供するステップと、
前記第1の電極を前記ガラス本体と、特に圧延によって封止するステップと、
ソケットのリブを受容し、前記ガラス本体の外側で前記第1の電極を絶縁するための、少なくとも一つの絶縁ポケットを前記ガラス本体に形成するステップと、
を含む、特に請求項1に記載の自動車用ランプのバーナーを製造する方法。
【請求項14】
少なくとも一つの前記絶縁ポケットが圧延プロセスを用いて形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記封止ステップ及び前記形成ステップが同時に遂行される、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−518381(P2013−518381A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550534(P2012−550534)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050225
【国際公開番号】WO2011/092608
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】