高レートパケットデータ伝送の方法および装置
【課題】データ通信に関し、高レートパケットデータ伝送の新規かつ改良された方法および装置を提供する。
【解決手段】可変率伝送の可能なデータ通信システムにおいて、高レートパケットデータ伝送が順方向リンクの利用を改善し、かつ伝送遅れを減少する。順方向リンクでのデータ伝送は時間多重化され、基地局は1つの移動局へ各タイムスロットで順方向リンクにより支持された最高のデータレートで伝送する。データレートは移動局で測定されるとき順方向リンク信号の最も大きいC/I測定により決定される。誤って受信されたデータパケットの決定で、移動局は基地局に戻すNACKメッセージを伝送する。NACKメッセージは誤って受信されたデータパケットの再伝送をもたらす。データパケットはデータパケット内の各データユニットを確認するシーケンス数の使用によりシーケンスの外へ伝送され得る。
【解決手段】可変率伝送の可能なデータ通信システムにおいて、高レートパケットデータ伝送が順方向リンクの利用を改善し、かつ伝送遅れを減少する。順方向リンクでのデータ伝送は時間多重化され、基地局は1つの移動局へ各タイムスロットで順方向リンクにより支持された最高のデータレートで伝送する。データレートは移動局で測定されるとき順方向リンク信号の最も大きいC/I測定により決定される。誤って受信されたデータパケットの決定で、移動局は基地局に戻すNACKメッセージを伝送する。NACKメッセージは誤って受信されたデータパケットの再伝送をもたらす。データパケットはデータパケット内の各データユニットを確認するシーケンス数の使用によりシーケンスの外へ伝送され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ通信に関する。なお特に、本発明は高レートパケットデータ伝送の新規かつ改良された方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の通信システムは応用の多様性を支持することを要求される。かかる通信システムの1つは“2重モード広帯域スペクトラム拡散セルラーシステムのTIA/EIA/IS-95移動局−基地局互換性標準”以下IS-95標準として参照される、に適合する符号分割多元接続(CDMA)システムである。CDMAシステムは地上リンクでユーザ間の音声およびデータ通信を許容する。多元接続通信システムにおけるCDMA技術の使用は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“サテライトまたは地上中継器を使用するスペクトラム拡散多元接続通信システム”と題するU.S.特許No.4,901,307、および“CDMAセルラー電話システムにおける波形発生のシステムおよび方法”と題するU.S.特許No.5,103,459に開示される。
【0003】
この明細書において、基地局は移動局が通信するハードウエアと解釈する。セルは用語が使用される文脈に依存して、ハードウエアまたは地理学上のカバー領域と解釈する。セクタはセルの区分である。CDMAシステムのセクタがセルの属性を有するので、セルの用語に記述された教示はセクタに難なく拡張される。
【0004】
CDMAシステムにおいて、ユーザ間の通信は1つまたはそれ以上の基地局を通して伝えられる。1つの移動局の第1のユーザは基地局へ逆方向リンクでデータを伝送することにより第2移動局の第2ユーザと通信する。基地局はデータを受信し、他の基地局へデータを送ることができる。データは同じ基地局、または第2基地局の順方向リンクで第2移動局へ伝送される。順方向リンクは基地局から移動局への伝送を意味し、逆方向リンクは移動局から基地局への伝送を意味する。IS-95システムにおいて、順方向リンクおよび逆方向リンクは別々の周波数を割り当てられる。
【0005】
移動局は通信中少なくとも1つの基地局と通信する。CDMA移動局はソフトハンドオフ中多数の基地局と同時に通信することができる。ソフトハンドオフは先の基地局とリンクを切る前に新しい基地局とリンクを確立するプロセスである。ソフトハンドオフは落とされる呼びの可能性を最少にする。ソフトハンドオフプロセス中1つ以上の基地局を通して移動局と通信を提供する方法およびシステムは、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“CDMAセルラー電話システムにおける移動援助ソフトハンドオフ”と題するU.S.特許No.5,267,261に開示される。ソフトハンドオフは、それによって通信が同じ基地局によりサービスされる多元セクタを越えて起るプロセスである。ソフトハンドオフのプロセスは本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた、1996年12月11日申請された“共通基地局のセクタ間でハンドオフを実行する方法および装置”と題する継続中のU.S.特許出願No.08/763,498に詳細に記述される。
【0006】
無線データ応用の与えられた増大している需要のため、非常に高レート的な無線データ通信システムの必要が重要性を増してきた。IS-95標準はトラヒックデータおよび音声データを順方向および逆方向リンクで伝送することが可能である。固定されたサイズのコードチャンネルフレームにトラヒックデータを伝送する方法は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“伝送のためのデータの形式化の方法および装置”と題するU.S.特許No.5,504,773に詳細に記述される。IS-95標準に従って、トラヒックデータおよび音声データは、14.4Kbps高さのデータレートで20msec幅であるコードチャンネルフレームに区分される。
【0007】
音声サービスおよびデータサービス間の重要な違いは前者が厳正かつ固定された遅れ要求を課すということである。典型的に、会話フレームの全体のワンウエイ遅れは100msec以下でなくてはならない。対称的に、データ遅れはデータ通信システムの効率を最適化するように使用される可変パラメタになることができる。特に、音声サービスにより寛大に扱われ得る遅れよりも暗示的により大きい遅れを要求するより効率的な誤り訂正コード化技術が利用され得る。データの例示的効率的なコード化の概要は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた、1996年11月6日申請された“たたみ込み的にコード化されたコード語を解読するソフト決定出力デコーダ”と題するU.S.特許出願No.08/743,688に記述される。
【0008】
音声サービスおよびデータサービス間の他の重要な違いは前者が全てのユーザのために固定されかつ共通のサービスの程度(GOS)を要求することである。典型的に、音声サービスを提供するディジタルシステムのため、これは全てのユーザについて固定されかつ等しい伝送レート、および会話フレームの誤り率について最大許容値に中継する。対称的にデータサービスのため、GOSはユーザからユーザへ異なることができ、データ通信システムの全体の効率を増加するためパラメタ最適化され得る。データ通信システムのGOSは、予定のデータ量の伝送で増加された全遅れとして典型的に定義され、以後データパケットとして引用される。
【0009】
音声サービスおよびデータサービス間のもうひとつの重要な違いは、例示的CDMA通信システムにおいて、前者がソフトハンドオフにより提供される信頼できる通信リンクを要求することである。ソフトハンドオフは信頼性を増加するため2つまたはそれ以上の基地局から重複した伝送をもたらす。しかし、この付加的な信頼性は、誤りで受信されたデータパケットが再伝送されるので、データ伝送のためには要求されない。データサービスのため、ソフトハンドオフを支持するために使用される伝送パワーは付加的データを伝送するためにより効率的に使用され得る。
【0010】
データ通信システムの質および効果を測定するパラメタはデータパケットを伝送するために要求される伝送遅れおよびシステムの平均スループット率である。伝送遅れは、それが音声通信のためにするようにデータ通信において同じインパクトをもたないが、データ通信システムの質を測定するために重要な尺度である。平均スループット率は通信システムのデータ伝送能力の効率のメジャーである。
【0011】
セルラーシステムにおいて任意の与えられたユーザの信号対ノイズおよび干渉比C/Iはカバー領域内でユーザの位置の関数であることがよく知られている。与えられたサービスのレベルを維持するために、TDMAおよびFDMAシステムは周波数再使用技術にたより、即ち全部ではない周波数チャンネルおよび/またはタイムスロットが各基地局で使用される。CDMAシステムにおいて、同じ周波数割り当てがシステムの各セルに再使用され、それにより全体の効率を改善している。任意の与えられたユーザの移動局が達成するC/Iは、基地局からユーザの移動局へこの特定のリンクのため支持され得る情報率を決定する。本発明がデータ伝送の最大化を探求する伝送のために使用される特定の変調および誤り訂正方法があるとすれば、性能の与えられたレベルはC/Iの対応しているレベルで達成される。6角形のセルレイアウトを有し各セルに共通周波数を利用している理想的なセルラーシステムのため理想的セル内で達成されるC/Iの分布は計算され得る。
【0012】
任意の与えられたユーザにより達成されるC/Iは経路損失の関数であり、それは地上セルラーシステムについてr3からr5として増加し、ここにrは放射源への距離である。されに、経路損失はラジオ波の経路内の人工物または自然の障害物によるランダム変化を受けやすい。これらのランダム変化は8dBの標準偏差を有する対数正規分布のシャドウイングランダムプロセスとして典型的にモデルにされる。総方向基地局アンテナで理想的な6角形セルラーレイアウトのために達成された結果としてのC/I分布、r4伝播法則、および8dBの標準偏差を有するシャドウイングプロセスは図18に示される。
【0013】
得られたC/I分布がもし時間の任意の瞬間および任意の位置でのみ達成され得るなら、移動局は各基地局への物理的距離に無関係に、最も大きいC/I値を達成しているとして定義された最良の基地局により供給される。上述されたように経路損失のランダム特質のため、最も大きいC/I値を有する信号は移動局から最小物理的距離とは他であるものであり得る。対称的に、もし移動局が最小距離の基地局を経てのみ通信することであったなら、C/Iは実質的に降下され得る。それ故移動局にとって、全ての時間に最大限のC/I値を達成している最良の供給基地局へおよびから通信することが有利である。上記理想化されたモデルにおいておよび図18に示されたように、達成されたC/Iの値の範囲は、最高および最低値間の差が10,000と同じ大きさであり得るようであることがまた観察され得る。実際の実行において、範囲は典型的に略1:100または20dBに制限される。それ故CDMA基地局のために以下の関係を保つので、100の係数だけ多く変化出来る情報ビットレートで移動局に供給することが可能であり:
【数1】
【0014】
ここに、Rbは特定の移動局への情報率を表わし、Wはスペクトラム拡散信号により占められる全帯域幅であり、Eb/Ioは性能の与えられたレベルを達成するために要求される干渉密度を超えるビット毎のエネルギーである。事例として、もしスペクトラム拡散信号が1. 2288MHzの帯域幅Wを占め、信頼できる通信が3dBに等しい平均Eb/Ioを要求するなら、最良の基地局で3dBのC/I値を達成する移動局は1.2288Mbpsと同じ高さのデータレートで通信できる。他方もし移動局が隣接基地局から実質的な干渉を受け、−7dBのC/Iのみ達成できるなら、信頼できる通信は122.88Kbpsより大きいレートで支持されることが出来ない。平均スループットを最大にするために設計された通信システムは、それ故最良供給基地局から遠隔ユーザが信頼して支持できる最も高いデータレートRbで各遠隔ユーザに供給することを試みるであろう。本発明のデータ通信システムは、上に引用された特徴を利用し、CDMA基地局から移動局へデータスループットを最大にする。
【発明の概要】
【0015】
本発明はCDMAシステムにおける高レートパケットデータ伝送の新規かつ改良された方法および装置である。本発明は順方向および逆方向リンクのデータ伝送の手段を提供することによりCDMAシステムの効率を改善する。各移動局は1つまたはそれ以上の基地局と通信し、基地局との通信の持続のため制御チャンネルを監視する。制御チャンネルは、特定の移動局にアドレスされたページングメッセージであるデータの少量を伝送するため基地局により使用されることができ、全ての移動局にメッセージを放送する。ページングメッセージは基地局が移動局に伝送するための大量のデータを有することを移動局に通知する。
【0016】
本発明の目的はデータ通信システムにおいて順方向および逆方向リンク容量の利用を改善することにある。1つまたはそれ以上の基地局からのページングメッセージの受信で、移動局はタイムスロット毎に順方向リンク信号(例えば順方向リンクパイロット信号)の信号対ノイズおよび干渉比(C/I)を測定し、現在および前のC/I測定を含み得る一組のパラメタを使用している最良の基地局を選択する。例示的実施例において、タイムスロット毎に、移動局は、測定されたC/Iが信頼して支持できる最高のデータレートでの伝送の要求を、専用データ要求(DRC)チャンネル上で選択された基地局に伝送する。選択された基地局は移動局から受信されたデータレートを超えないデータレートで、DRCチャンネル上にデータパケットのデータを伝送する。タイムスロット毎に最良の基地局からの伝送により、改良されたスループットおよび伝送遅れが達成される。
【0017】
本発明の他の目的は、1つまたはそれ以上のタイムスロットの持続のためピーク伝送パワーで選択された基地局から移動局へ、移動局により要求されたデータレートで伝送することにより性能を改善することにある。例示的CDMA通信システムにおいて、基地局は使用法における変化の理由のため利用可能な伝送パワーから予定のバックオフ(例えば3dB)で運転する。かくして、平均伝送パワーはピークパワーの半分である。しかし本発明においては、高速データ伝送が予定されかつパワーが典型的に分割(例えば伝送間で)されないので、利用可能なピーク伝送パワーからバックオフすることを必要としない。
【0018】
本発明の他の目的は、基地局がタイムスロットの可変数として各移動局にデータパケットを伝送することを許容することにより効率を高めることにある。タイムスロットからタイムスロットへ異なる基地局から伝送する能力は、本発明のデータ通信システムが運転環境における変化に速やかに適応することを許容する。加えて、隣接しないタイムスロットに亘ってデータパケットを伝送する能力は、データパケット内のデータユニットを確認するためシーケンス数の使用により本発明において可能である。
【0019】
本発明の他の目的は、中央制御器から移動局の活動的な組のメンバーである全ての基地局へ、特定の移動局にアドレスされたデータパケットを転送することにより柔軟性を増すことにある。本発明において、データ伝送は各タイムスロットで移動局の活動的な組における任意の基地局から起り得る。各基地局は移動局へ伝送されるべきデータを含む待ち行列を含むので、効率的な順方向リンク伝送が最小処理遅れで起り得る。
【0020】
本発明の他の目的は、誤って受信されたデータユニットのため再伝送メカニズムを提供することである。例示的実施例において、各データパケットはシーケンス数により確認された各データユニットを有するデータユニットの予定数を含む。1つまたはそれ以上のデータユニットの不正確な受信で、移動局は基地局からの再伝送のため、逆方向リンクデータチャンネルに捕らえ損ねたデータユニットのシーケンス数を示している否定応答(NACK)を送る。基地局はNACKメッセージを受信し、誤って受信されたデータユニットを再伝送することができる。
【0021】
本発明の他の目的は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1997年1月29日に申請された、“無線通信システムにおけるソフトハンドオフを実行するための方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/790,497に記述された手順に基づいた通信の最良な基地局候補を移動局のために選択することである。例示的実施例において、基地局は、もし受信されたパイロット信号が予定の加算閾値を超えるなら移動局の活動的な組に加えられ、もしパイロット信号が予定の落下閾値以下であるなら活動的な組から落されることができる。代わりの実施例において、基地局は、もし基地局の付加的なエネルギー(例えばパイロット信号により測られる)および既に活動的な組にある基地局のエネルギーが予定の閾値を超えるなら活動的な組に加えられ得る。この代わりの実施例を使用すると、伝送されたエネルギーが移動局で受信されたエネルギー全体の実質のない量を含む基地局は活動的な組に加えられない。
【0022】
本発明の他の目的は、移動局と通信にある基地局間の選択された基地局のみがDRCメッセージを区別することができ、それによって任意の与えられたタイムスロットにおける順方向リンク伝送が選択された基地局からであることを確実にするような方法で、移動局のためにDRCチャンネル上でデータレート要求を伝送することである。例示的実施例において、移動局と通信にある各基地局は1つしかないウォルシュ(Walsh)コードを割り当てられる。移動局は選択された基地局に対応しているウォルシュコードでDRCメッセージをカバーする。他のコードがDRCメッセージをカバーするために使用されることができ、直交コードが典型的に利用されるけれどもウォルシュコードが好ましい。
【0023】
本発明の特徴、目的および利点は、同様な参照記号が図を通して対応的に同じものである図と組合せてとらえられるとき、以下に示される詳細な記述からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】複数のセル、複数の基地局および複数の移動局を含む本発明のデータ通信システムの図である。
【図2】本発明のデータ通信システムのサブシステムの例示的ブロック図である。
【図3】本発明の例示的順方向リンクアーキテクチュアのブロック図である。
【図4】本発明の例示的順方向リンクアーキテクチュアのブロック図である。
【図5】本発明の例示的順方向リンクフレーム構造の図である。
【図6】例示的順方向トラヒックチャンネルおよびパワー制御チャンネルの図である。
【図7】例示的順方向トラヒックチャンネルおよびパワー制御チャンネルの図である。
【図8】本発明のパンクチャされたパケットの図である。
【図9】2つの例示的データパケットフォーマットと制御チャンネルカプセルの図である。
【図10】2つの例示的データパケットフォーマットと制御チャンネルカプセルの図である。
【図11】2つの例示的データパケットフォーマットと制御チャンネルカプセルの図である。
【図12】順方向リンクの高レートパケット伝送を示している例示的タイミング図である。
【図13】本発明の例示的逆方向リンクアーキテクチュアのブロック図である。
【図14】本発明の例示的逆方向リンクフレーム構造の図である。
【図15】例示的逆方向リンク接続チャンネルの図である。
【図16】逆方向リンクの高レートデータ伝送を示している例示的タイミング図である。
【図17】移動局の種々の運転状態間の移行を示す例示的状態図である。
【図18】理想的な6角形セルラーレイアウトにおけるC/I分布の累積的な分布関数(CDF)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のデータ通信システムの例示的実施例に従って、順方向リンクデータ伝送は順方向リンクおよびシステムにより支持され得る最大またはそれに近いデータレートで1つの基地局から1つの移動局へ(図1参照)起る。逆方向リンクデータ通信は1つの移動局から1つまたはそれ以上の基地局へ起り得る。順方向リンク伝送の最大データの計算は以下に詳細に記述される。データはデータパケット内で区切られ、各データパケットは1つまたはそれ以上のタイムスロット(即ちスロット)に亘って伝送される。各タイムスロットで、基地局は基地局と通信にある任意の移動局へ直接データ伝送できる。
【0026】
最初に、移動局は予定の接続手順を使用して基地局と通信を確立する。この接続状態において、移動局は基地局からデータおよび制御メッセージを受信でき、データおよび制御メッセージを基地局へ伝送することができる。移動局はそれから移動局の活動的な組にある基地局から伝送のための順方向リンクを監視する。活動的な組は移動局と通信にある基地局のリストを含む。特に、移動局は、移動局で受信されたとき、活動的な組の基地局からの順方向リンクパイロットの信号対ノイズおよび干渉比(C/I)を測定する。もし受信されたパイロット信号が予定の加算閾値以上であるか、予定の落下閾値以下であるなら、移動局はこれを基地局へ報告する。基地局からの次のメッセージはそれぞれその活動的な組へまたは組から基地局を加算しまたは削除するため移動局に向ける。移動局の種々な運転状態は以下に記述される。
【0027】
もし送るデータがないなら、移動局は遊び状態に戻り、基地局へのデータレート情報の伝送を中断する。移動局が遊び状態にある間、移動局はページングメッセージのため活動的な組の1つまたはそれ以上の基地局からの制御チャンネルを監視する。
【0028】
もし移動局に伝送されるべきデータがあるなら、データは中央制御器により活動的な組の全ての基地局に送られ、各基地局で待ち行列に記憶される。ページングメッセージはそれから、1つまたはそれ以上の基地局によりそれぞれの制御チャンネル上で移動局に送られる。移動局が基地局間を切り換えている時でさえ受信を確保するため、基地局は複数の基地局を横切って同じ時間に全てのかかるページングメッセージを伝送してもよい。移動局はページングメッセージを受信するため、1つまたはそれ以上の制御チャンネルの信号を復調しかつ解読する。
【0029】
ページングメッセージの解読で、かつデータ伝送が完了されるまで各タイムスロットについて、移動局は移動局で受信されたとき、活動的な組の基地局からの順方向リンク信号のC/Iを測定する。順方向リンク信号のC/Iはそれぞれのパイロット信号を測定することにより得られ得る。移動局はそれから一組のパラメタに基づいて最良基地局を選択する。パラメタのその組は現在および前のC/I測定、およびビット誤り率またはパケット誤り率を含み得る。例えば、最良の基地局は最も大きいC/I測定に基づいて選択され得る。移動局はそれから最良の基地局を確認し、データ要求チャンネル(以後DRCチャンネルとして引用される)にデータ要求メッセージ(以後DRCメッセージとして引用される)を選択された基地局に伝送する。DRCメッセージは要求されたデータレート、あるいは代わりに順方向リンクチャンネルの質の表示(例えばC/I測定それ自身、ビット誤り率、またはパケット誤り率)を含み得る。例示的実施例において、移動局は基地局を1つしかなく識別するウォルシュコードの使用により、特定の基地局にDRCメッセージの伝送を向け得る。DRCメッセージ記号は1つしかないウォルシュコードで排他的OR(XOR)される。移動局の活動的な組にある各基地局が1つしかないウォルシュコードにより確認されるので、正確なウォルシュコードで移動局により実行されるように同一なXOR演算を実行する選択された基地局のみがDRCメッセージを正確に解読できる。基地局は順方向リンクデータを最高の可能なレートで効率的に伝送するため、各移動局からのレート制御情報を使用する。
【0030】
各タイムスロットで、基地局はデータ伝送のため呼出された移動局の幾つかを選択できる。基地局はそれから、移動局から受信されたDRCメッセージの最近の値に基づいて選択された移動局へデータを伝送するためのデータレートを決定する。加えて、基地局はその移動局に1つしかない拡散コードを使用することにより特定の移動局への伝送を1つしかなく確認する。例示的実施例において、この拡散コードはIS-95標準により定義された長い擬似ノイズ(PN)コードである。
【0031】
データパケットが意図されるため、移動局はデータ伝送を受信し、データパケットを解読する。各データパケットは複数のデータユニットを含む。例示的実施例において、データユニットは8つの情報ビットを含み、異なるデータユニットサイズが定義され得るけれども本発明の範囲内である。例示的実施例において、各データユニットはシーケンス数と連合され、移動局は誤ったまたは複製伝送の何れかを確認することができる。かかる結果において、移動局は逆方向リンクデータチャンネルを経て、間違っているデータユニットのシーケンス数を通信する。移動局からデータメッセージを受信する基地局制御器はそれから、データユニットが移動局により受信されなかったこの特定の移動局と通信している全ての基地局に指示する。基地局はそれからかかるデータユニットの再伝送を予定する。
【0032】
データ通信システムにおける各移動局は逆方向リンク上の多元基地局と通信できる。例示的実施例において、本発明のデータ通信システムは複数の理由のため逆方向リンクのソフトハンドオフおよびソフター(softer)ハンドオフを支持する。第1にソフトハンドオフは逆方向リンクの付加的な容量を消費せず、むしろ移動局は少なくとも1つの基地局が信頼してデータを解読できるような最小のパワーレベルでデータを伝送することを許容する。第2に、より多くの基地局による逆方向リンク信号の受信は、伝送の信頼性を増大し、基地局における付加的なハードウエアのみを必要とする。
【0033】
例示的実施例において、本発明のデータ伝送システムの順方向リンク容量は移動局のレート要求により決定される。順方向リンク容量における付加的な利得は指向性アンテナおよび/または適応性空間周波数フィルタにより達成され得る。方向性伝送を提供する例示的方法および装置は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1995年12月20日申請の“多元ユーザ通信システムにおける伝送データレートを決定する方法および装置”と題する継続中のU.S.特許出願No.08/575,049、および1997年9月8日申請の“直交スポットビーム、セクタおよびピコセルを提供する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/925,521に記述される。
【0034】
(1)システムの記述
図を参照すると、図1は多数のセル2a−2gを含む本発明の例示的データ通信システムを表わす。各セル2は対応している基地局4によりサービスされる。種々の移動局6がデータ通信システムを通して伝播される。例示的実施例において、各移動局6は各タイムスロットで順方向リンクのせいぜい1つの基地局4と通信するが、移動局6がソフトハンドオフにあるか否かに依存して、逆方向リンクの1つまたはそれ以上の基地局4と通信にあり得る。例えば、基地局4aは移動局6aに排他的にデータを伝送し、基地局4cはタイムスロットnで順方向リンクの移動局6cに排他的データを伝送する。図1において、矢の実線は基地局4から移動局6へのデータ伝送を示す。矢の破線は移動局6がパイロット信号を受信しているが、基地局4からのデータ伝送はない。逆方向リンク通信は単純化のため図1に示されない。
【0035】
図1に示されるように、各基地局4はなるべく任意の与えられた瞬間に1つの移動局6へデータを伝送する。移動局6、特にセル境界に近く位置したそれらは多数の基地局4からパイロット信号を受信し得る。もしパイロット信号が予定の閾値以上であるなら、移動局6は基地局4が移動局6の活動的な組に加えられることを要求し得る。例示的実施例において、移動局6は活動的な組のゼロまたは1つのメンバーからデータ伝送を受信できる。
【0036】
本発明のデータ通信システムの基本サブシステムを示すブロック図が図2に示される。基地局制御器10はパケットネットワークインターフェイス24、PSTN30、およびデータ通信システムにおける全ての基地局4(単純化のためただ1つの基地局4のみが図2に示される)と接する。基地局制御器10はデータ通信システムにおける移動局6およびパケットネットワークインターフェイス24およびPSTN30間の通信を整合する。PSTN30は標準電話ネットワーク(図2に示されない)を通してユーザと接する。
【0037】
基地局制御器10は、単純化のため図2に1つだけが示されたけれども、多くの選択器要素14を含む。1つの選択器要素14は1つまたはそれ以上の基地局4および1つの移動局6間の通信を制御するために割り当てられる。もし選択器要素14が移動局6に割り当てられなかったなら、セル制御処理装置16は移動局6を呼出す必要を通知される。セル制御処理装置16はそれから移動局6を呼出すために基地局4を指示する。
【0038】
データ源20は移動局6に伝送されるべきデータを含む。データ源20はパケットネットワークインターフェイス24にデータを供給する。パケットネットワークインターフェイス24はデータを受け、選択要素14にデータを発送する。選択器要素14は移動局6と通信にある各基地局4へデータを送る。各基地局4は移動局6へ伝送されるべきデータを含むデータ待ち行列40を維持する。
【0039】
例示的実施例において、順方向リンク上で、データパケットはデータレートから独立しているデータの予定の量を引用する。データパケットは他の制御およびコード化するビットで形式化されかつ符号化される。もしデータ伝送が多数のウォルシュチャンネルに亘って起るなら、符号化されたパケットは並行なストリームに非多重化され、各ストリームは1つのウォルシュチャンネルによって伝送される。
【0040】
データはデータパケットでデータ待ち行列40からチャンネル要素42へ送られる。各データパケットのため、チャンネル要素42は必要な制御欄を挿入する。データパケット、制御欄、フレームチェックシーケンスビットおよびコード末尾ビットが形式化されたパケットを含む。チャンネル要素42はそれから、1つまたはそれ以上の形式化されたパケットを符号化し、かつ符号化されたパケット内に記号をインターリーブ(または再順序付け)する。次に、インターリーブされたパケットはスクランブリングシーケンスでスクランブルされ、ウォルシュカバーでカバーされ、長いPNコードおよび短いPNIおよびPNQコードで拡散される。拡散されたデータはRFユニット44内の送信機により直角変調され、濾波され、かつ増幅される。順方向リンク信号はアンテナ46を通して順方向リンク50に空中を越えて伝送される。
【0041】
移動局6で、順方向リンク信号はアンテナ60により受信され、フロントエンド62内の受信機へ発送される。受信機は信号を濾波し、増幅し、直角復調しかつ量子化する。ディジタル化された信号は復調器(DEMOD)64に供給され、そこでそれは長いPNコードおよび短いPNIおよびPNQコードで逆拡散され、ウォルシュカバーでデカバーされ、かつ同一のスクランブリングシーケンスでデスクランブルされる。復調されたデータは基地局4でなされた信号処理機能の逆、特にデインターリーブ、解読およびフレームチェック機能を実行するデコーダ66へ供給される。解読されたデータはデータシンク68へ供給される。上述されたように、ハードウエアは順方向リンク上でデータ、メッセージ、音声、ビデオ、および他の通信を支持する。
【0042】
システム制御およびスケジュール機能は多くの手段により達成され得る。チャンネルスケジューラ48の設置は中央化または分散化制御/スケジュール処理が望まれるか否かに依存する。例えば、分散化処理のため、チャンネルスケジューラ48は各基地局4内に設置され得る。逆に、中央化処理のため、チャンネルスケジューラ48は基地局制御器10内に設置され、多数の基地局4のデータ伝送を調整するように設計され得る。上記記述された機能の他の手段は熟考され得、本発明の範囲内である。
【0043】
図1に示されるように、移動局6はデータ通信システムを通して伝播され、順方向リンクでゼロまたは1つの基地局4と通信にあり得る。例示的実施例において、チャンネルスケジューラ48は1つの基地局4の順方向リンクデータ伝送を調整する。例示的実施例において、チャンネルスケジューラ48は基地局4内のデータ待ち行列40およびチャンネル要素42に接続し、移動局6に伝送するデータの量を示す待ち行列サイズ、および移動局6からのDRCメッセージを受ける。チャンネルスケジューラ48は最大データスループットおよび最小伝送遅れのシステム目標が最適化されるように高レートデータ伝送をスケジュールする。
【0044】
例示的実施例において、データ伝送は通信リンクの質に一部基づいてスケジュールされる。リンク質に基づいた伝送レートを選択する例示的な通信システムは、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1996年9月11日申請の“セルラー環境における高速データ通信を提供する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/741,320に開示される。本発明において、データ通信をスケジュールすることはユーザのGOS、待ち行列サイズ、データの型、既に経験された遅れの量、およびデータ伝送の誤り率のような付加的な考慮に基礎を置かれ得る。これらの考慮は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1997年2月11日申請の“順方向リンクレートスケジューリングの方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/798,951、および1997年8月20日申請の“逆方向リンクリンクレートスケジューリングの方法および装置”と題するU.S.特許出願No. に詳細に記述される。他の要因がデータ伝送スケジューリングに考慮され、本発明の範囲内である。
【0045】
本発明のデータ通信システムは逆方向リンクのデータおよびメッセージ伝送を支持する。移動局6内に、制御器76がデータおよびメッセージをエンコーダ72に発送することによりデータおよびメッセージ伝送を処理する。制御器76はマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ディジタル信号処理(DSP)チップ、またはここに記述されたような機能を実行するためにプログラムされたASICで実施され得る。
【0046】
例示的実施例において、エンコーダ72は前述のU.S.特許No.5,504,773に記述されたブランクおよびバースト信号データ形式と矛盾しないでメッセージを符号化する。エンコーダ72はそれから、一組のCRCビットを発生および添付し、一組のコード末尾ビットを添付し、データおよび添付されたビットを符号化し、かつ符号化されたデータ内に記号を再順序付けする。インターリーブされたデータは変調器(MOD)74に供給される。
【0047】
変調器74は多くの実施例で実施され得る。例示的実施例(図13参照)において、インターリーブされたデータはウォルシュコードでカバーされ、長いPNコードで拡散され、さらに短いPNコードで拡散される。拡散されたデータはフロントエンド62内の送信機に供給される。送信機は変調し、濾波し、増幅し、かつ逆方向リンク信号をアンテナ46を通して逆方向リンク52で空中に伝送する。
【0048】
例示的実施例において、移動局6は長いPNコードに従って逆方向リンクデータを拡散する。各逆方向リンクチャンネルは共通の長いPNシーケンスの時間的なオフセットに従って定義される。2つの異なるオフセットで、結果としての変調シーケンスが相互関係をなくされる。移動局6のオフセットは移動局6の1つしかない数字識別に従って決定され、IS-95の例示的実施例において、移動局6が移動局特定識別数字である。かくして、各移動局6は、その1つしかない電子的連続数字に従って決定される1つの相関のない逆方向リンクチャンネルに伝送する。
【0049】
基地局4で、逆方向リンク信号はアンテナ46により受信され、RFユニット44に供給される。RFユニット44は濾波し、増幅し、復調し、信号を量子化し、ディジタル化された信号をチャンネル要素42へ供給する。チャンネル要素42は短いPNコードと長いPNコードでディジタル化された信号を逆拡散する。チャンネル要素42はまたウォルシュコードでデカバー、およびパイロットおよびDRC抜き取りを実行する。チャンネル要素42はそれから、復調されたデータを再順序付けし、デインターリーブされたデータを解読し、かつCRCチェック機能を実行する。解読されたデータ、例えばデータまたはメッセージは選択器要素14に供給される。選択器要素14はデータおよびメッセージを適当な行き先へ発送する。チャンネル要素42はまた逆方向データパケットの状態を表わす質指示を選択器要素14へ転送してもよい。
【0050】
例示的実施例において、移動局6は3つの運転状態の1つにあり得る。移動局6の種々の運転状態間の移行を示す例示的状態図が図17に示される。アクセス状態902において、移動局6は接続プローブを送り、基地局4によるチャンネル割り当てを待つ。チャンネル割り当てはパワー制御チャンネルおよび周波数割り当てのような資源の割り当てを含む。もし移動局6が呼出され、やがて来るデータ伝送に変えられるなら、あるいはもし移動局6が逆方向リンクにデータを伝送するなら、移動局6はアクセス状態902から接続状態904へ移行できる。接続状態904において、移動局6はデータを交換(例えば送信または受信)し、ハンドオフ運転を実行する。リリース手順の完了で、移動局6は接続状態904から遊び状態906へ移行する。移動局6はまた、基地局4との接続を拒絶されると、アクセス状態902から遊び状態906へ移行できる。遊び状態906において、移動局6は受信しおよび順方向制御チャンネルのメッセージを解読することによりオーバヘッドおよびページングメッセージを聞き、遊びハンドオフ手順を実行する。移動局6は手順を開始することによりアクセス状態902へ移行できる。図17に示された状態図は説明のため示された例示的状態定義のみである。他の状態図がまた利用され得、本発明の範囲内である。
【0051】
(2)順方向リンクデータ伝送
例示的実施例において、移動局6および基地局4間の通信の開始はCDMAシステムのためのそれと似た方法で起る。呼び設定の完成の後、移動局6はページングメッセージの制御チャンネルを監視する。接続状態にある間、移動局6は逆方向リンクにパイロット信号の伝送を始める。
【0052】
本発明の順方向リンク高レートデータ伝送の例示的流れ図が図12に示される。もし基地局4が移動局6へ伝送するデータを有するなら、基地局4はブロック502で制御チャンネルに移動局6へアドレスされたページングメッセージを送る。ページングメッセージは移動局6のハンドオフ状態に依存して1つまたは多数の基地局4から送られ得る。ページングメッセージの受信で、移動局6はブロック504によりC/I測定プロセスを始める。順方向リンク信号のC/Iは以下に記述される方法の1つまたは組合せから計算される。移動局6はそれから、最良のC/I測定に基づいた要求されたデータレートを選択し、ブロック506でDRCチャンネルにDRCメッセージを伝送する。
【0053】
同じタイムスロット内で、基地局4はブロック508によりDRCメッセージを受信する。もし次のタイムスロットがデータ伝送のために利用可能なら、基地局4はブロック510により要求されたデータレートで移動局6へデータを伝送する。移動局6はブロック512でデータ伝送を受信する。もし次のタイムスロットが利用可能であるなら、基地局4はブロック514でパケットの残りを伝送し、移動局6はブロック516でデータ伝送を受信する。
【0054】
本発明において、移動局6は1つまたはそれ以上の基地局4と同時に通信し得る。行動は移動局6がソフトハンドオフにあるかないかに依存された移動局6により取られる。これらの2つの場合は以下に別々に議論される。
【0055】
(3)ハンドオフのない場合
ハンドオフのない場合に、移動局6は1つの基地局4と通信する。図2を参照すると、特定の移動局6のために予定されたデータは、その移動局6との通信を制御するために割り当てられた選択器要素14に供給される。選択器要素14は基地局4内のデータ待ち行列40にそのデータを転送する。基地局4はデータを待ち行列にし、制御チャンネルにページングメッセージを伝送する。基地局4はそれから、移動局6からのDRCメッセージのため逆方向リンクDRCチャンネルを監視する。もしDRCチャンネルで信号が検出されなかったなら、基地局4はDRCメッセージが検出されるまでページングメッセージを再伝送できる。再伝送試みの予定回数の後に、基地局4は移動局6を呼ぶプロセスまたは再開始を終了できる。
【0056】
例示的実施例において、移動局6はDRCチャンネルで基地局4に要求されたデータレートをDRCメッセージの形で伝送する。代わりの実施例において、移動局6は順方向リンクチャンネルの質の表示(例えばC/I測定)を基地局4へ伝送する。例示的実施例において、3ビットDRCメッセージが基地局4によりソフト決定で解読される。例示的実施例において、DRCメッセージは各タイムスロットの始めの半分以内に伝送される。もしそのタイムスロットがこの移動局6へデータ伝送するために利用可能であるなら、基地局4はそれから、DRCメッセージを解読するためタイムスロットの残りの半分を有し、次の引き続くタイムスロットでデータ伝送のためのハードウエアを形作る。もし次の引き続くタイムスロットが利用可能でないなら、基地局4は次の利用可能なタイムスロットを待ち、新しいDRCメッセージのためDRCチャンネルを監視することを続ける。
【0057】
第1の実施例において、基地局4は要求されたデータレートで伝送する。この実施例はデータレート選択の重要な決定を移動局6に相談する。常に要求されたデータレートで伝送することは、移動局6が期待するデータレートを知る利点を有する。かくして、移動局6は要求されたデータレートに従ってトラヒックチャンネルを復調および解読のみをする。基地局4は、データレートが基地局4により使用されていることを表示するメッセージを移動局6へ伝送しなくてはならないことはない。
【0058】
第1の実施例において、ページングメッセージの受信の後、移動局6は要求されたデータレートでデータを復調することを連続的に試みる。移動局6は順方向トラヒックチャンネルを復調し、デコーダにソフト決定記号を供給する。デコーダは記号を解読し、パケットが正確に受信されたか否かを決定するため、解読されたパケットのフレームチェックを実行する。もしパケットが誤って受信されたか、もしパケットが他の移動局6へ向けられたなら、フレームチェックはパケット誤りを表示するであろう。第1の実施例の代わりに、移動局6はスロット基準によりスロットのデータを復調する。例示的実施例において、移動局6は、以下に記述されるように、各伝送されたデータパケット内に組込まれたプリアンブルに基づいてデータ伝送がそれに向けられたか否かを決定することができる。かくして、もし伝送が他の移動局6へ向けられることが決定されたなら、移動局6は解読プロセスを終了できる。何れの場合においても、移動局6はデータユニットの不正確な受信を認めるため、基地局4へ否定応答(NACK)メッセージを伝送する。NACKメッセージの受信で、誤って受信されたデータユニットは再伝送される。
【0059】
NACKメッセージの伝送はCDMAシステムにおいて誤り表示ビット(EIB)の伝送に似た方法で実施され得る。EIB伝送の実施および使用は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“伝送のためのデータの形式化の方法および装置”と題するU. S.特許No.5,568,483に記述される。代わりに、NACKがメッセージと共に伝送され得る。
【0060】
第2の実施例において、データレートは移動局6からの入力で基地局4により決定される。移動局6はC/I測定を実行し、リンク質の表示(例えばC/I測定)を基地局4へ伝送する。基地局4は、待ち行列サイズおよび利用可能な伝送パワーのような、基地局4に利用可能な資源に基づいて要求されたデータレートを調節できる。調節されたデータレートは、調節されたデータレートでのデータ伝送に先立って、あるいは同時に移動局6へ伝送され得、またはデータパケットの符号化に暗に含まれ得る。移動局6がデータ伝送の前に調節されたデータレートを受信する第1の場合において、移動局6は第1の実施例において記述された方法で受信されたパケットを復調しかつ解読する。調節されたデータレートがデータ伝送と同時に移動局6へ伝送される第2の場合において、移動局6は順方向トラヒックチャンネルを復調し、復調されたデータを記憶する。調節されたデータレートの受信で、移動局6は調節されたデータレートに従ってデータを解読する。そして調節されたデータレートが符号化されたデータパケットに暗に含まれる第3の場合において、移動局6は全ての候補レートを復調および解読し、解読されたデータの選択のため伝送レートを帰納的に決定する。レート決定を行なう方法および装置は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1996年10月18日申請の“可変レート通信システムにおける受信データのレートを決定する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/730,863、およびまた 年 月 日申請の“可変レート通信システムにおける受信データのレートを決定する方法および装置”と題する特許申込みNo.PA436に詳細に記述される。上に記述された全ての場合について、もしフレームチェックの結果が否定であるなら、移動局6は上述されたようにNACKメッセージを伝送する。
【0061】
以後の議論は、さもなければ表示されるときを除いて、移動局6が要求されたデータレートのDRCメッセージ表示を基地局4へ伝送する第1の実施例に基づいている。しかし、ここに開示された発明の概念は移動局6がリンク質の表示を基地局4へ伝送する第2の実施例に等しく適用可能である。
【0062】
(4)ハンドオフの場合
ハンドオフの場合に、移動局6は逆方向リンクで多数の基地局4と通信する。例示的実施例において、特定の移動局6への順方向リンクのデータ伝送は1つの基地局4から起る。しかし、移動局6は多数の基地局4からのパイロット信号を同時に受信する。もし基地局4のC/I測定が予定の閾値以上なら、基地局4は移動局6の活動的な組に加えられる。ソフトハンドオフ指示メッセージ中、新しい基地局4は以下に記述される逆方向パワー制御(RPC) ウォルシュチャンネルへ移動局6を割り当てる。移動局6とソフトハンドオフにある各基地局4は逆方向リンク伝送を監視し、それらのそれぞれのRPCウォルシュチャンネルにRPCビットを送る。
【0063】
図2を参照すると、移動局6との通信を制御するために割り当てられた選択器要素14は移動局6の活動的な組にある全ての基地局4へデータを転送する。選択器要素14からデータを受信する全ての基地局4はそれらのそれぞれの制御チャンネルで移動局6へページングメッセージを伝送する。移動局6が制御状態にあるとき、移動局6は2つの機能を実行する。第1に、移動局6は最良のC/I測定であり得るパラメタの組に基づいて最良の基地局4を選択する。移動局6はそれからC/I測定に対応しているデータレートを選択し、選択された基地局4へDRCメッセージを伝送する。移動局6はその特定の基地局4へ割り当てられたウォルシュカバーでDRCメッセージをカバーすることにより、特定の基地局4へDRCメッセージを直接伝送できる。第2に、移動局6は各次のタイムスロットで要求されたデータレートに従って順方向リンク信号を復調することを試みる。
【0064】
ページングメッセージの伝送後、活動的な組にある全ての基地局4は移動局6からのDRCメッセージのためDRCチャンネルを監視する。再び、DRCメッセージがウォルシュコードでカバーされるので、同一のウォルシュカバーで割り当てられた選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができる。DRCメッセージの受信で、選択された基地局4は次の利用可能なタイムスロットで移動局6へデータを伝送する。
【0065】
例示的実施例において、基地局4は要求されたデータレートで複数のデータユニットを含んでいるパケットのデータを移動局6へ伝送する。もしデータユニットが移動局6により不正確に受信されたなら、NACKメッセージが活動的な組にある全ての基地局4へ逆方向リンクで伝送される。例示的実施例において、NACKメッセージが基地局4により復調されかつ復号化され、処理のため選択器要素14に転送される。NACKメッセージで、データユニットは上に記述されたような手順を使用して再伝送される。例示的実施例において、選択器要素14は全ての基地局4から受信されたNACK信号を1つのNACKメッセージに結合し、NACKメッセージを活動的な組の全ての基地局4へ送る。
【0066】
例示的実施例において、移動局6は最良のC/I測定における変化を検出でき、効率を改善するため各タイムスロットで異なる基地局4からデータ伝送を動的に要求する。例示的実施例において、データ伝送は任意の与えられたタイムスロットで1つの基地局4のみから起るので、活動的な組の他の基地局4は、たとえあったとしてもデータユニットが移動局6へ伝送されたことに気づかないかもしれない。例示的実施例において、伝送している基地局4はデータ伝送を選択器要素14に報告する。選択器要素14はそれから活動的な組の全ての基地局4へメッセージを送る。例示的実施例において、伝送されたデータは移動局6により正確に受信されたと仮定する。それ故、もし移動局6活動的な組の異なる基地局4からのデータ伝送を要求するなら、新しい基地局4は残っているデータユニットを伝送する。例示的実施例において、新しい基地局4は選択器要素14からの最後の伝送更新に従って伝送する。代わりに、新しい基地局4は、平均伝送レートおよび選択器要素14からの先の更新のような尺度に基づいた予言的な体系を使用して伝送するため次のデータユニットを選択する。これらの機構は、効率の損失をもたらす、異なるタイムスロットで多数の基地局4により同じデータユニットの繰返しの再伝送を最小限にする。もし前の伝送が誤りで受信されたなら、各データユニットが以下に記述されるように1つしかないシーケンス数字により識別されるので、基地局4はこれらのデータユニットをシーケンス外で再伝送することができる。例示的実施例において、もしホール(即ち伝送されなかったデータユニット)が作られる(例えば、1つの基地局4と他の基地局4との間のハンドオフの結果として)なら、捕らえ損ねたデータユニットは誤って受信されたかのように考慮される。移動局6は捕らえ損ねたデータユニットに対応しているNACKメッセージを伝送し、これらのデータユニットは再伝送される。
【0067】
例示的実施例において、活動的な組にある各基地局4は移動局6へ伝送されるべきデータを含む独立なデータ待ち行列を維持する。選択された基地局4は、誤って受信されたデータユニットの再伝送のためおよび信号で知らせるメッセージを除いて、そのデータ待ち行列40に存在しているデータをシーケンス順序に伝送する。例示的実施例において、伝送されたデータユニットは伝送後待ち行列40から削除される。
【0068】
(5)順方向リンクデータ伝送の他の考慮
本発明のデータ通信システムにおいて重要な考慮すべき問題は、将来の伝送のデータレートを選択するためのC/I算定の精度である。例示的実施例において、C/I測定は、基地局4がパイロット信号を伝送する時間間隔中パイロット信号で実行される。例示的実施例において、このパイロット時間間隔中、パイロット信号のみが伝送されるので、多重経路および干渉の影響が最小である。
【0069】
パイロット信号がIS-95システムのそれに似て、直交コードチャンネル上に連続的に伝送される本発明の他の手段において、多重経路および干渉の影響はC/I測定を歪め得る。同様に、パイロット信号の代わりにデータ伝送でC/I測定を実行するとき、多重経路および干渉はまたC/I測定を降下させ得る。これらの場合の両方で、1つの基地局4が1つの移動局6へ伝送しているとき、他の干渉信号が存在しないので、移動局6は順方向リンク信号のC/Iを正確に測定することができる。しかし、移動局6がソフトハンドオフにありかつ多数の基地局4からパイロット信号を受信するとき、移動局6は基地局4がデータを伝送していたかどうか識別することができない。最も悪い場合のシナリオにおいて、基地局4が任意の移動局6へデータを伝送していなかったときに、移動局6が第1のタイムスロットで高いC/Iを測定でき、全ての基地局4が同じタイムスロットでデータを伝送しているとき、第2のタイムスロットでデータ伝送を受信する。全ての基地局4が遊びにあるとき、データ通信システムの状態が変わったので、第1タイムスロットでのC/I測定は第2タイムスロットにおける順方向リンク信号質の誤った表示を与える。実際に、第2タイムスロットでの実際のC/Iは、要求されたデータレートで解読する信頼性が不可能である点で降下され得る。
【0070】
反対に極端なシナリオは移動局6によるC/I算定が最大限の干渉に基づかされるときに存在する。しかし実際の伝送は選択された基地局のみが伝送しているときに起る。この場合C/I算定および選択されたデータレートは控え目であり、伝送は信頼して解読され得るレートより低いレートで起こり、かくして伝送効率を減少する。
【0071】
C/I測定が連続パイロット信号またはトラヒック信号で実行される手段において、第1タイムスロットでのC/Iの測定に基づいた第2タイムスロットでのC/Iの予言は3つの実施例によりさらに正確に作られ得る。第1の実施例において、基地局4からのデータ伝送は、基地局4が連続するタイムスロットにおいて伝送および遊び状態間で絶え間なくトグルしないように制御される。これは移動局6への実際のデータ伝送の前に十分なデータ(例えば情報ビットの予定数)を待ち行列することにより達成され得る。
【0072】
第2の実施例において、各基地局4は、伝送が次の半フレームで起るか否かを表示する順方向活動ビット(以後FACビットとして引用する)を伝送する。FACビットの使用は以下に詳細に記述される。移動局6は各基地局4から受信されたFACビットを考慮してC/I測定を実行する。
【0073】
リンク質の表示が基地局4へ伝送される体系に対応し、かつ中央化されたスケジュール体系を使用する第3の実施例において、1つの基地局4が各タイムスロットでデータを伝送したスケジュール情報表示がチャンネルスケジューラ48に利用可能に作られる。チャンネルスケジューラ48は移動局6からC/I測定を受信し、データ通信システムにおける各基地局4からのデータ伝送の存在または不在のその知識に基づいてC/I測定を調節できる。例えば、移動局6は隣接しない基地局4が伝送しているとき、第1タイムスロットでC/Iを測定できる。測定されたC/Iはチャンネルスケジューラ48に供給される。チャンネルスケジューラ48により何もスケジュールされなかったので、チャンネルスケジューラ48は、隣接しない基地局4が第1タイムスロットにデータを伝送したことを知る。第2タイムスロットでのスケジュールデータ伝送において、チャンネルスケジューラ48は1つまたはそれ以上の隣接基地局4がデータを伝送するかどうかを知る。チャンネルスケジューラ48は、移動局6が隣接基地局4によるデータ伝送により第2のタイムスロットで受けるであろう付加的な干渉を考慮して第1タイムスロットで測定されたC/Iを調節することができる。代わりに、隣接基地局4伝送しておりかつこれらの隣接基地局4が第2タイムスロットで伝送していないとき、もしC/Iが第1タイムスロットで測定されるなら、チャンネルスケジューラ48は付加的な情報を考慮してC/I測定を調節できる。
【0074】
他の重要な考慮すべき問題は重複した再伝送を最少化することである。重複した再伝送は、移動局6が連続したタイムスロットで異なる基地局4からのデータ伝送を選択することを許容することからもたらされ得る。もし移動局6がこれらの基地局4のために略等しいC/Iを測定するなら、最良のC/I測定は連続したタイムスロットに亘って2つまたはそれ以上の基地局4間でトグルできる。トグルすることはC/I測定における逸脱および/またはチャンネル状態における変化によりあり得る。連続したタイムスロットで異なる基地局4からのデータ伝送は効率に損失をもたらし得る。
【0075】
トグル問題はヒステリシスの使用により処理され得る。ヒステリシスは信号レベル体系、タイミング体系、または信号レベルとタイミング体系との組合せで実施され得る。例示的信号レベル体系において、活動的な組にある異なる基地局4のより良いC/I測定は、それが少なくともヒステリシス量により現に伝送している基地局4のC/I測定を超えるまで選択されない。例として、ヒステリシスが1.0dB、第1タイムスロットで第1基地局4のC/I測定が3.5dBおよび第2基地局4のC/I測定が3.0dBであると仮定する。次のタイムスロットで、第2基地局4はそのC/I測定が第1基地局4のそれより少なくとも1.0dB高くなるまで選択されない。かくして、もし第1基地局4のC/I測定が次のタイムスロットでまだ3.5dBであるなら、第2基地局4はそのC/I測定が少なくとも4.5dBになるまで選択されない。
【0076】
例示的タイミング体系において、基地局4はタイムスロットの予定の数について移動局6へデータパケットを伝送する。移動局6は異なった伝送している基地局4をタイムスロットの予定の数内で選択することを許されない。移動局6は各タイムスロットで現に伝送している基地局4のC/Iを測定し続け、C/I測定に応答してデータレートを選択する。
【0077】
もう1つの重要な考慮すべき問題はデータ伝送の効率である。図9および10を参照すると、各データパケットフォーマット410および430がデータおよびオーバヘッドビットを含む。例示的実施例において、オーバヘッドビットの数は全てのデータレートのために固定される。最高のデータレートで、オーバヘッドのパーセントはパケットサイズに関して小さく、効率が高い。より低いデータレートで、オーバヘッドビットパケットのより大きなパーセントを含み得る。より低いデータレートでの非効率は移動局6へ伝送している可変長データパケットにより改善され得る。可変長データパケットは区切られ、多数のタイムスロットに亘って移動局6へ伝送され得る。好ましくは、可変長データパケットは、処理を簡単にするため連続したタイムスロットに亘って移動局6へ伝送される。本発明は全体の伝送効率を改善するため、種々の支持されたデータレートについて可変パケットサイズの使用に向けられる。
【0078】
(6)順方向リンクアーキテクチュア
例示的実施例において、基地局4は、基地局4に利用可能な最大パワーで、かつ任意の与えられたスロットで単一の移動局6へデータ通信システムにより支持された最大データレートで伝送する。支持され得る最大データレートは動的であり、移動局6により測定されたような順方向リンク信号のC/Iに依存する。好ましくは、基地局4は任意の与えられたタイムスロットでただ1つの移動局6へ伝送する。
【0079】
データ伝送を容易にするため、順方向リンクは4つの時間多重化されたチャンネル、パイロットチャンネル、パワー制御チャンネル、制御チャンネル、およびトラヒックチャンネルを含む。これらのチャンネルの各々の機能と手段は以下に記述される。例示的実施例において、トラヒックおよびパワー制御チャンネルは各々幾らかの直交的に拡散されたウォルシュチャンネルを含む。本発明において、トラヒックチャンネルは移動局6へトラヒックデータおよびページングメッセージを伝送するために使用される。ページングメッセージを伝送するために使用されるとき、トラヒックチャンネルはまたこの明細書において制御チャンネルとして引用される。
【0080】
例示的実施例において、順方向リンクの帯域幅は1.2288MHzに選択される。この帯域幅はIS-95標準に順応するCDMAシステムのために設計される現存しているハードウエア構成要素を使用することを許容する。しかし、本発明のデータ通信システムは容量を改善するためおよび/またはシステム要求に順応するために異なる帯域幅で使用のため採用され得る。例えば、5 MHz帯域幅が容量を増すために利用され得る。さらに、順方向リンクおよび逆方向リンクの帯域幅が需要でリンク容量をより密集して釣り合わせるために異なる(例えば、順方向リンクの帯域幅5 MHzおよび逆方向リンクの帯域幅1.2288MHz)ようにできる。
【0081】
例示的実施例において、短いPNIおよびPNQコードはIS-95標準により特定された同じ長さ215PNコードである。1.2288MHzチップレートで、短いPNシーケンスは26.67msec毎に繰り返す{26.67msec=215/1.2288x106}。例示的実施例において、同じ短いPNコードがデータ通信システム内の全ての基地局4により使用される。しかし、各基地局4は基本的な短いPN系列の1つしかないオフセットにより識別される。例示的実施例において、オフセットは64チップの増分内にある。他の帯域幅およびPNコードが利用され得、本発明の範囲内である。
【0082】
(7)順方向リンクトラヒックチャンネル
本発明の例示的順方向リンクアーキテクチュアのブロック図が図3に示される。データはデータパケットに分割され、CRCエンコーダ112に供給される。各データパケットのため、CRCエンコーダ112はフレームチェックビット(例えばCRCパリティビット)を発生し、コード末尾ビットを挿入する。CRCエンコーダ112からの形式化されたパケットはデータ、フレームチェックおよびコード末尾ビット、および以下に記述される他のオーバヘッドビットを含む。形式化されたパケットはエンコーダ114に供給され、例示的実施例において、それは前述されたU.S.特許出願No.08/743,688に記述された符号化フォーマットにしたがってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットも使用され得、本発明の範囲内である。エンコーダ114からの符号化されたパケットはパケット内でコード記号を再順序するインターリーバ116へ供給される。インターリーブされたパケットは以下に記述された方法でパケットの少数部を除去するフレームパンクチャ要素118に供給される。パンクチャされたパケットはスクランブラ122からのスクランブルシーケンスでデータをスクランブルする乗算器120に供給される。パンクチャ要素118およびスクランブラ122は以下に詳細に記述される。乗算器120からの出力はスクランブルされたパケットを含む。
【0083】
スクランブルされたパケットは、パケットをK並列同相および直角チャンネルにデマルチプレックスする可変レート制御器130に供給され、ここにKはデータレートに依存する。例示的実施例において、スクランブルされたパケットは、始めに同相(I)および直角(Q)のストリームにデマルチプレックスされる。例示的実施例において、Iストリームは偶数の索引付き記号を含み、Qストリームは奇数の索引付き記号を含む。各ストリームはさらに、各チャンネルの記号率が全てのデータレートについて固定されるようにK並列チャンネルにデマルチプレックスされる。各ストリームれのKチャンネルは直行チャンネルを提供するためウォルシュ機能で各チャンネルをカバーするウォルシュカバー要素132へ供給される。直行チャンネルデータは、全てのデータレートについて一定のチップごと全体エネルギー(およびそれ故一定出力パワー)を維持するためにデータをスケール合わせする利得要素134へ供給される。利得要素134からのスケール合わせされたデータはプリアンブルでデータを多重化するマルチプレクサ(MUX)160へ供給される。プリアンブルは以下に詳細に記述される。MUX160からの出力はトラヒックデータ、パワー制御ビット、およびパイロットデータを多重化するマルチプレクサ(MUX)162へ供給される。MUX162の出力はIウォルシュチャンネルおよびQウォルシュチャンネルを含む。
【0084】
データを変調するために使用される例示的変調器のブロック図が図4に示される。IウォルシュチャンネルおよびQウォルシュチャンネルはそれぞれ合計器212aおよび212bへ供給され、それはそれぞれIsumおよびQsumを提供するためKウォルシュチャンネルを合計する。IsumおよびQsum信号は複素数乗算器214へ供給される。複素数乗算器214はまた、それぞれ乗算器236aおよび236bからのPN−IおよびPN−Q信号を受け、以下の数式にしたがって2つの複素数入力を乗算する:
【数2】
【0085】
ここに、ImultおよびQmultは複素数乗算器214からの出力であり、jは複素数表示である。ImultおよびQmult信号はそれぞれ信号を濾波するフィルタ216aおよび216bへ供給される。フィルタ216aおよび216bからの濾波された信号はそれぞれ乗算器218aおよび218bへ供給され、それはそれぞれ同相正弦COS(wct)および直角正弦SIN(wct)で信号を乗算する。I変調およびQ変調された信号は順方向の変調された波形S(t)を提供するため信号を合計する合計器220へ供給される。
【0086】
例示的実施例において、データパケットは長いPNコードおよび短いPNコードで拡散される。長いPNコードは、パケットが定められた移動局6のみがパケットをデスクランブルできるようにパケットをスクランブルする。例示的実施例において、パイロットおよびパワー制御ビットおよび制御チャンネルパケットは、全ての移動局6がこれらのビットを受信することを許されるように長いPNコードではなく短いPNコードで拡散される。長いPNシーケンスは長いコード発生器232により発生され、マルチプレクサ(MUX)234へ供給される。長いPNマスクは長いPNシーケンスのオフセットを決定し、行き先移動局6へ1つしかなく割り当てられる。MUX234からの出力は伝送のデータ部分およびさもなくばゼロ(例えばパイロットおよびパワー制御部分の間中)の間中長いPNシーケンスである。MUX234からゲートされた長いPNシーケンスおよび短いコード発生器238からの短いPNIおよびPNQシーケンスはそれぞれ乗算器236aおよび236bへ供給され、それはそれぞれPN−IおよびPN−Qを形成するため2組の系列を乗算する。PN−IおよびPN−Q信号は複素数乗算器214へ供給される。
【0087】
図3および4に示された例示的トラヒックチャンネルのブロック図は順方向リンクのデータ符号化および変調を支持する多数のアーキテクチュアの1つである。IS-95標準に適合するCDMAシステムにおける順方向リンクトラヒックチャンネルのアーキテクチュアのような他のアーキテクチュアがまた利用され得、本発明の範囲内である。
【0088】
例示的実施例において、基地局4により支持されるデータレートが決定され、各支持されたデータレートが1つしかないレート索引に割り当てられる。移動局6はC/I測定に基づいた支持されたデータレートの1つを選択する。要求されたデータレートが、要求されたデータレートでデータを伝送するため、その基地局4へ向けるため基地局4へ送られることが必要であるので、支持されたデータレートの数と要求されたデータレートを確認するために必要とされるビットの数との間でトレイドオフが作られる。例示的実施例において、支持されたデータレートの数は7であり、3ビットレート索引が要求されたデータレートを確認するために使用される。支持されたデータレートの例示的定義が表1に示される。支持されたデータレートの異なった定義が熟考され得、本発明の範囲内である。
【0089】
例示的実施例において、最小のデータレートは38.4Kbpsであり、最大データレートは2. 4576Mbpsである。最小データレートは、システムにおけるより悪い場合のC/I測定、システムの処理利得、誤り訂正コードの設計、および性能の所望のレベルに基づいて選定される。例示的実施例において、支持されるデータレートは、連続した支持されたデータレート間の差が3dBであるように選ばれる。3dB増分は移動局6により達成され得るC/I測定の精度、C/I測定に基づいたデータレートの量子化からもたらされる損失(または非効率)、および移動局6から基地局4へ要求されたデータレートを伝送するために必要なビットの数(またはビットレート)を含む複数の要因間の妥協である。より大きな支持されたデータレートは要求されたデータレートを確認するためにより多くのビットを要求するが、計算された最大データレートと支持されたデータレートとの間のより小さな量子化誤差のため、順方向リンクのより効率的な使用を許容する。本発明は支持されたデータレートの任意の数および表1にリストされたデータより他のデータレートの使用に向けられる。
【0090】
トラヒックチャンネルパラメタ、注:16−QAM変調
【表1】
【0091】
本発明の例示的順方向リンクフレーム構造の図が図5に示される。トラヒックチャンネル伝送はフレーム内で区切られ、例示的実施例において、それは短いPNシーケンスの長さと同じ、あるいは26.67msecに定義される。各フレームは全ての移動局6へアドレスされた制御チャンネル情報(制御チャンネルフレーム)、特定の移動局6へアドレスされたトラヒックデータ(トラヒックフレーム)を伴うことができ、または空(遊びフレーム)であり得る。各フレームの内容は伝送している基地局4により実行されるスケジュールにより決定される。例示的実施例において、各フレームは16タイムスロットを含み、各タイムスロットは1.667msecの持続を有する。1.667msecのタイムスロットは順方向リンク信号のC/I測定を実行するために移動局6を可能にするに十分である。1.667msecのタイムスロットはまた効率的なパケットデータ伝送のために十分な時間の量を表わす。例示的実施例において、各タイムスロットはさらに4つのクォータスロットに分割される。
【0092】
本発明において、各データパケットは表1に示された1つまたはそれ以上のタイムスロットに亘って伝送される。例示的実施例において、各順方向リンクデータパケットは1024または2048ビットを含む。かくして、各データパケットを伝送するために要求されるタイムスロットの数は、38.4Kbpsレートの16タイムスロットから1.2288Mbpsレートおよびより高い1タイムスロットのデータレートおよび範囲に依存する。
【0093】
本発明の順方向リンクスロット構造の例示的図が図6に示される。例示的実施例において、各スロットは4つの時間多重化されたチャンネル、トラヒックチャンネル、制御チャンネル、パイロットチャンネル、およびパワー制御チャンネルの3つを含む。例示的実施例において、パイロットおよびパワー制御チャンネルは、各タイムスロットにおいて同じ位置に配置された2つのパイロットおよびパワー制御バースト内で伝送される。パイロットおよびパワー制御バーストは以下に詳細に記述される。
【0094】
例示的実施例において、インターリーバ116からのインターリーブされたパケットはパイロットおよびパワー制御バーストに従ってパンクチャされる。例示的実施例において、各インターリーブされたパケットは4096コード記号を含み、図8に示されたように最初の512コード記号がパンクチャされる。残りのコード記号はトラヒックチャンネル伝送間隔に時間に対し一列にスキューされる。
【0095】
パンクチャされたコード記号は直交ウォルシュカバーを適用する前にデータをランダム化するためにスクランブルされる。ランダム化することは変調された波形S(t)のピークから平均エンベロープを制限する。スクランブルシーケンスは、技術において知られた方法の内、直線帰還シフトレジスタで発生され得る。例示的実施例において、スクランブラ122は各スロットの開始にLC状態で負荷される。例示的実施例において、スクランブラ122のクロックはインターリーバ116のクロックと同期しているが、パイロットおよびパワー制御バースト中停止される。
【0096】
例示的実施例において、順方向ウォルシュチャンネル(トラヒックチャンネルおよびパワー制御チャンネルについて)は1.2288Mbpsの固定チップレートで16ビットウォルシュカバーにより直交的に拡散される。同相および直角信号ごとの並行直交チャンネルKの数は、表1に示されたようにデータレートの関数である。例示的実施例において、低いデータレートのため、同相および直角ウォルシュカバーは、復調器位相推定誤差に対する混信を最小限にするため直交設定されるように選ばれる。例えば、16ウォルシュチャンネルについて、例示的ウォルシュ割り当ては同相信号のためにW0からW7および直角信号のためにW8からW15である。
【0097】
例示的実施例において、QPSK変調が1.2288Mbpsおよびより低いデータレートのために使用される。QPSK変調のため、各ウォルシュチャンネルは1ビットを含む。例示的実施例において、2.4576Mbpsの最高のデータレートにおいて、16QAMが使用され、スクランブルされたデータは各2ビット幅である32並行ストリーム、同相信号について16並行ストリームおよび直角信号について16並行ストリームにデマルチプレックスされる。例示的実施例において、各2ビット記号のLSBはインターリーバ116から出力されたより早い記号である。例示的実施例において、(0,1,3,2)のQAM変調入力はそれぞれ(+3,+1,−1,−3)の変調値にマップする。m−アレイ位相シフトキーイングPSKのような他の変調体系の使用が熟考され、本発明の範囲内である。
【0098】
同相および直角ウォルシュチャンネルは、データレートに依存しない一定全体伝送パワーを維持するために変調の前にスケール合わせされる。利得設定は変調されないBPSKに等価な単一参照に正規化される。ウォルシュチャンネル(またはデータレート)の数の関数として正規化されたチャンネル利得Gは表2に示される。全体正規化パワーが単一に等しいようなウォルシュチャンネルごとの平均パワー(同相または直交)も表2にリストされる。16-QAMのチャンネル利得は、ウォルシュチップごとの正規化されたエネルギーがQPSKについて1および16-QAMについて5であるという事実を説明することに注意を要す。
【0099】
トラヒックチャンネル直交チャンネル利得
【表2】
【0100】
本発明において、プリアンブルは各可変レート伝送の最初のスロットと同期して移動局6を援助するため各トラヒックフレームにパンクチャされる。例示的実施例において、プリアンブルは全てゼロシーケンスであり、それはトラヒックフレームについては長いPNコードで拡散されるが、制御チャンネルフレームについては長いPNコードで拡散されない。例示的実施例において、プリアンブルはウォルシュカバーW1で直交的に拡散された変調されないBPSKである。信号直交チャンネルの使用はピーク対平均エンベロープを最小化する。また、ゼロでないウォルシュカバーW1の使用は間違ったパイロット検出を最少化し、なぜならトラヒックフレームについて、パイロットがウォルシュカバーW0で拡散され、パイロットとプリアンブルが長いPNコードで拡散されないからである。
【0101】
プリアンブルは、データレートの関数である持続のためパケットの開始でトラヒックチャンネルストリームに多重化される。プリアンブルの長さは、間違い検出の可能性を最小にする間、プリアンブルオーバヘッドが全てのデータレートについて略一定であるようにする。プリアンブルの合計はデータレートの関数として表3に示される。プリアンブルがデータパケットの3.1パーセントまたはそれ以下を含むことに注意を要す。
【0102】
プリアンブルパラメタ
【表3】
【0103】
(8)順方向リンクトラヒックフレームフォーマット
例示的実施例において、各データパケットはフレームチェックビット、コード末尾ビット、および他の制御フィールドの付加により形式化される。この明細書において、オクテットは8情報ビットとして定義され、データユニットは単一オクテットでありかつ8情報ビットを含む。
【0104】
例示的実施例において、順方向リンクは図9および10に示された2つのデータパケットフォーマットを支持する。パケットフォーマット410は5つのフィールドを含み、パケットフォーマット430は9つのフィールドを含む。パケットフォーマット410は、移動局6に伝送されるべきデータパケットがDATAフィールド418において全て利用可能なオクテットで完全に満たすため十分なデータを含むとき使用される。もし伝送されるべきデータの量がDATAフィールド418において利用可能なオクテットよりも少ないなら、データパケット430が使用される。使用されないオクテットは全てゼロで詰められ、PADDINGフィールド446として示される。
【0105】
例示的実施例において、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールド412および432は、予定の発生器多項式にしたがってCRC発生器112(図3参照)により発生されたCRCパリティビットを含む。例示的実施例において、CRC多項式はg(x)=x16+x12+x5+1であるが、他の多項式が使用され得、本発明の範囲内である。例示的実施例において、CRCビットはFMT、SEQ、LEN、DATA、およびPADDINGフィールドに関して計算される。これは順方向リンクのトラヒックチャンネル上を伝送されたTAILフィールド420および448におけるコード末尾ビットを除いて全てのビットについて誤り検出を提供する。代わりの実施例において、CRCビットはDATAフィールドにのみ計算される。例示的実施例において、FCSフィールド412および432は16のCRCパリティビットを含むが、異なる数のパリティビットを提供する他のCRC発生器が使用され得、本発明の範囲内である。本発明のFCSフィールド412および432はCRCパリティビットに関連して記述されたが、他のフレームチェックシーケンスが使用され得、本発明の範囲内である。例えば、チェック合計はパケットのために計算され、FCSフィールドに供給され得る。
【0106】
例示的実施例において、フレームフォーマット(FMT)フィールド414および434は、データフレームがデータオクテット(パケットフォーマット410)のみ、またはデータおよびパッディングおよびゼロあるいはそれ以上のメッセージ(パケットフォーマット430)を含むかを示す1つの制御ビットをふくむ。例示的実施例において、FMTフィールド414の低い値はパケットフォーマット410に対応する。代わりに、FMTフィールド434の高い値はパケットフォーマット430に対応する。
【0107】
シーケンス数(SEQ)フィールド416および442はそれぞれデータフィールド418および444の最初のデータユニットを識別する。シーケンス数はデータがシーケンスの外で移動局6へ伝送されること、例えば誤りで受信されたパケットの再伝送を許容する。データユニットレベルにおけるシーケンス数の割り当ては再伝送のフレーム断片化プロトコルの必要を除去する。シーケンス数はまた移動局6が複製データユニットを検出することを許容する。FMT、SEQおよびLENの受信で、移動局6は、データユニットが特別な信号メッセージの使用なく各タイムスロットで受信されたことを決定することができる。シーケンス数を表わすために割り当てられたビットの数は、1つのタイムスロットおよびより悪い場合データ再伝送遅れで伝送され得るデータユニットの最大数に依存する。例示的実施例において、各データユニットは24ビットシーケンス数により識別される。2.4576Mbpsデータレートにおいて、各スロットで伝送され得るデータユニットの最大数は略256である。データユニットの各々を識別するために8つのビットが要求される。さらに、より悪い場合のデータ再伝送遅れが500msecより小さいことが計算され得る。再伝送遅れは移動局6によるNACKメッセージのため、データの再伝送、およびより悪い場合のバースト誤り実行により起こされる再伝送試みに必要な時間を含む。それ故、24ビットは移動局6が不明瞭さなく受信されたデータユニットを適切に識別することを許容する。SEQフィールド416および442のビット数はDATAフィールド418のサイズおよび再伝送遅れに依存して増減できる。SEQフィールド416および442の異なるビット数の使用は本発明の範囲内である。
【0108】
基地局4がDATAフィールド418の利用可能な空間より少ない移動局6への伝送データを有するとき、パケットフォーマット430が使用される。パケットフォーマット430は基地局4が移動局6へ利用可能なデータユニットの最大数まで、任意の数のデータユニットを伝送することを許容する。例示的実施例において、FMTフィールド434の高い値は基地局4がパケットフォーマット430を伝送していることを示す。パケットフォーマット430内で、LENフィールド440はそのパケットで伝送されているデータユニットの数の値を含む。例示的実施例において、DATAフィールド444が0から255まで配列できるので、LENフィールド440は長さ8ビットである。
【0109】
DATAフィールド418および444は移動局6へ伝送されるべきデータを含む。例示的実施例において、パケットフォーマット410について、各データパケットは992がデータビットである1024ビットを含む。しかし、可変長データパケットが情報ビットの数を増加するために使用され得、本発明の範囲内である。パケットフォーマット430について、DATAフィールド444のサイズがLENフィールド440により決定される。
【0110】
例示的実施例において、パケットフォーマット430はゼロまたはそれ以上の信号メッセージを伝送するために使用され得る。信号長さ(SIG LEN)フィールド436はオクテットで次の信号メッセージの長さを含む。例示的実施例において、SIG LENフィールド436は8ビット長である。SIGNALINGフィールド438は信号メッセージを含む。例示的実施例において、各信号メッセージは、メッセージ識別(MESSAGE ID)フィールド、メッセージ長さ(LEN)フィールド、および以下に記述されるようなメッセージ実行荷重を含む。
【0111】
PADDINGフィールド446はパッディングオクテットを含み、例示的実施例において、それは0x00(hex)に設定される。基地局4がDATAフィールド418において利用可能なオクテットの数より少ない移動局6への伝送データオクテットを有してもよいと言う理由でPADDINGフィールド446は使用される。このオクテットのとき、PADDINGフィールド446は使用されないデータフィールドを満たすために十分なパッディングオクテックを含む。PADDINGフィールド446は可変長であり、DATAフィールド444の長さに依存する。
【0112】
パケットフォーマット410および430の最後のフィールドはそれぞれTAILフィールド420および448である。TAILフィールド420および448は、エンコーダ114(図3参照)を各データパケットの終りで知られた状態に附勢するために使用されるゼロ(0x0)コード末尾ビットを含む。コード末尾ビットは、1つのパケットからのビットのみがコード化プロセスに使用されるように、エンコーダ114がパケットを簡潔に区分することを許容する。コード末尾ビットはまた、移動局6内のデコーダが解読プロセス中パケット境界を決定することを許容する。TAILフィールド420および448のビット数はエンコーダ114の設計に依存する。例示的実施例において、TAILフィールド420および448はエンコーダ114を知られた状態に附勢するに十分長い。
【0113】
上記2つのパケットフォーマットは、データおよび信号メッセージの伝送を容易にするために使用され得る例示的フォーマットである。種々の他のパケットフォーマットが特定の通信システムの使用に合うように創造され得る。また、通信システムは上述された2つのパケットフォーマットよりさらに適応するように設計され得る。
【0114】
(9)順方向リンク制御チャンネルフレーム
本発明において、トラヒックチャンネルがまた基地局4から移動局6へメッセージを伝送するために使用される。伝送されるメッセージの型は:(1)ハンドオフ指示メッセージ、(2)ページングメッセージ(例えば、その移動局6のための待ち行列にデータがある特定の移動局6を呼出すこと)、(3)特定の移動局6のための短いデータパケット、および(4)逆方向リンクデータ伝送(ここに後で記述される)用のACKまたはNACKメッセージを含む。他の型のメッセージがまた制御チャンネル上で伝送され得、本発明の範囲内である。呼び設定段階の完成で、移動局6はページングメッセージのため制御チャンネルを監視し、逆方向リンクパイロット信号の伝送を始める。
【0115】
例示的実施例において、制御チャンネルは図5に示されるように、トラヒックチャンネルにトラヒックデータと時間多重化される。移動局6は、同じく予定のPNコードでカバーされたプリアンブルを検出することにより制御メッセージを識別する。例示的実施例において、制御メッセージは、取得中移動局6により決定された固定レートで伝送される。好ましい実施例において、制御チャンネルのデータレートは76.8Kbpsである。
【0116】
制御チャンネルは制御チャンネルカプセルでメッセージを伝送する。例示的制御チャンネルカプセルの図が図11に示される。例示的実施例において、各カプセルはプリアンブル462、制御実行荷重、およびCRCパリティビット474を含む。制御実行荷重は1つまたはそれ以上のメッセージを含み、もし必要ならパッディングビット472を含む。各メッセージはメッセージ識別(MSG ID)464、メッセージ長さ(LEN)466、選択的アドレス(ADDR)468(例えばもしメッセージが特定の移動局6へ向けられるなら)、およびメッセージ実行荷重470を含む。例示的実施例において、メッセージはオクテット境界に整列される。図11に示された例示的制御チャンネルカプセルは全ての移動局6へ意図された2つの放送メッセージおよび特定の移動局6に向けられた1つのメッセージを含む。MSG IDフィールド464は、メッセージがアドレスフィールドを要求するか否か(例えばそれが放送または特定のメッセージであるか否か)を決定する。
【0117】
(10)順方向リンクパイロットチャンネル
本発明において、順方向リンクパイロットチャンネルは、最初の取得、位相回復、時間回復およびレート結合のため移動局6により使用されるパイロット信号を提供する。これらの使用はIS-95標準に適合するCDMA通信システムのそれに似ている。例示的実施例において、パイロット信号はまたC/I測定を実行するために移動局6により使用される。
【0118】
本発明の順方向リンクパイロットチャンネルの例示的ブロック図が図3に示される。パイロットデータは乗算器156へ供給される全てゼロ(或いは全て1)のシーケンスを含む。乗算器156はパイロットデータをウォルシュコードW0でカバーする。ウォルシュコードW0が全てゼロのシーケンスであるので、乗算器156の出力はパイロットデータである。パイロットデータはMUX162により時間多重化され、複素数乗算器214(図4参照)内で短いPNIコードにより拡散されたIウォルシュチャンネルへ供給される。例示的実施例において、パイロットデータは、全ての移動局6により受信を許容するため、MUX234によりパイロットバースト中ゲートを閉じられる長いPNコードで拡散されない。かくしてパイロット信号は変調されないBPSK信号である。
【0119】
パイロット信号を示す図が図6に示される。例示的実施例において、各タイムスロットは、タイムスロットの第1および第3の4分の1の端に起る2つのパイロットバースト306aおよび306bを含む。例示的実施例において、各パイロットバースト306は持続において64チップである(Tp=64チップ)。トラヒックデータまたは制御チャンネルデータの不在で、基地局4は1200Hzの周期率で非連続波形バーストをもたらしているパイロットおよびパワー制御バーストのみを伝送する。パイロット変調パラメタは表4に一覧表にされる。
【0120】
(11)逆方向リンクパワー制御
本発明において、順方向リンクパワー制御チャンネルは、遠隔局6からの逆方向リンク伝送の伝送パワーを制御するために使用されるパワー制御命令を送るために使用される。逆方向リンクで、各伝送している移動局6はネットワークで他の全ての移動局6へ干渉源として作用する。逆方向リンクの干渉を最小限にし、容量を最大限にするため、各移動局6の伝送パワーは2つのパワー制御ループにより制御される。例示的実施例において、パワー制御ループは、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“CDMAセルラー移動電話システムにおける伝送パワーを制御するための方法および装置”と題するU.S.特許No.5,056,109に詳細に記述されたCDMAシステムのそれに似ている。他のパワー制御メカニズムがまた熟考され、本発明の範囲内である。
【0121】
第1のパワー制御ループは、逆方向リンク信号質が設定レベルに維持されるように移動局6の伝送パワーを調節する。信号質は基地局4で受信された逆方向リンクのビットごとエネルギー対ノイズプラス干渉比Eb/I0として測定される。設定レベルはEb/I0設定点として引用される。第2のパワー制御ループは、フレーム誤り率(FER)により測定されるような性能の所望なレベルが維持されるような設定点を調節する。各移動局6の伝送パワーが通信システムの他の移動局6に干渉であるので、パワー制御は逆方向リンクにクリティカルである。逆方向リンク伝送パワーを最小限にすることは干渉を減少し逆方向リンク容量を増大する。
【0122】
第1のパワー制御ループ内で、逆方向リンク信号のEb/I0は基地局4で測定される。基地局4はそれから測定されたEb/I0を設定点と比較する。もし測定されたEb/I0が設定点より大きいなら、基地局4は移動局6へ伝送パワーを減少するようパワー制御メッセージを伝送する。代わりに、もし測定されたEb/I0が設定点以下なら、基地局4は移動局6へ伝送パワーを増大するようパワー制御メッセージを伝送する。例示的実施例において、パワー制御メッセージは1つのパワー制御ビットで実施される。例示的実施例において、パワー制御ビットの高い値はその伝送パワーを増大することを移動局6に命令し、低い値はその伝送パワーを減少することを移動局6に命令する。
【0123】
本発明において、各基地局4と通信にある全ての移動局6のパワー制御ビットはパワー制御チャンネルで伝送される。例示的実施例において、パワー制御チャンネルは16ビットウォルシュカバーで拡散された32直交チャンネルまで含む。各ウォルシュチャンネルは周期的な間隔で1つの逆方向パワー制御(RPC)ビットまたは1つのFACビットを伝送する。各活動的な移動局6は、その移動局6のために予定されたRPCビットストリームの伝送について、ウォルシュカバーおよびQPSK変調位相(例えば同相または直角)を定義するRPC索引を割り当てられる。例示的実施例において、0のRPC索引はFACビットのために保持される。
【0124】
パワー制御チャンネルの例示的ブロック図が図3に示される。RPCビットは時間の予定の数各RPCビットを反復する記号中継器150へ供給される。反復されたRPCビットはRPC索引に対応しているウォルシュカバーでビットをカバーするウォルシュカバー要素152へ供給される。カバーされたビットは一定の全体伝送パワーを維持するように変調に先立ってビットをスケール合わせする利得要素154へ供給される。例示的実施例において、RPCウォルシュチャンネルの利得は、全体のRPCチャンネルパワーが全体の利用可能な伝送パワーに等しいように正規化される。ウォルシュチャンネルの利得は、全ての活動的な移動局6への信頼できるRPC伝送を維持している間、全体の基地局伝送パワーの効率的な利用のため時間の関数として変化され得る。例示的実施例において、活動的でない移動局6のウォルシュチャンネル利得がゼロに設定される。RPCウォルシュチャンネルの自動パワー制御は移動局6からの対応しているDRCチャンネルから順方向リンク質測定の推定を使用することが可能である。利得要素154からのスケール合わせされたRPCビットはMUX162へ供給される。
【0125】
例示的実施例において、0から15のRPC索引はウォルシュカバーW0からW15にそれぞれ割り当てられ、スロット内で第1パイロットバースト(図7のRPCバースト304)を周囲に伝送される。16から31のRPC索引はそれぞれウォルシュカバーW0からW15割り当てられ、スロット内で第2パイロットバースト(図7のRPCバースト308)を周囲に伝送される。例示的実施例において、RPCビットは同相信号に変調された偶数ウォルシュカバー(例えばW0、W2、W4等)および直角信号に変調された奇数ウォルシュカバー(例えばW1、W3、W5等)でBPSK変調される。ピーク対平均エンベロープを減少するため、同相と直角パワーをバランスすることが好ましい。さらに、復調位相推定誤差による漏話を最小化するため、同相と直角信号に直交カバーを割り当てることが好ましい。
【0126】
例示的実施例において、31RPCビットまでが各タイムスロットで31RPCウォルシュチャンネルに伝送され得る。例示的実施例において、15RPCビットが第1の半分のスロットで伝送され、16RPCビットが第2の半分のスロットで伝送される。RPCビットは合計器212(図4参照)により結合され、図7に示されるようなパワー制御チャンネルの波形を含む。
【0127】
パワー制御チャンネルのタイミング図が図6に示される。例示的実施例において、RPCビットレートは600bps、あるいはタイムスロットごとに1つのRPCビットである。各RPCビットは時間多重化され、図6および7に示されるように、2つのRPCバースト(例えばRPCバースト304aおよび304b)上に伝送される。例示的実施例において、各RPCバーストは幅(Tpc=32チップ)として32PNチップ(即ち2ウォルシュ記号)であり、各RPCビットの全体の幅は64PNチップ(即ち4ウォルシュ記号)である。他のRPCビットレートが記号反復の数を変更することにより得られ得る。例えば、1200bpsのRPCビットレート(63移動局6まで同時に支持するため、またはパワー制御率を増加するため)は、第1組の31RPCビットをRPCバースト304aおよび304bで、第2組の32RPCビットをRPCバースト308aおよび308bで伝送することにより得られ得る。この場合、全てのウォルシュカバーは同相および直角信号に使用される。RPCビットの変調パラメタは表4に要約される。
【0128】
パイロットおよびパワー制御変調パラメタ
【表4】
【0129】
各基地局4と通信にある移動局6の数が利用可能なRPCウォルシュチャンネルの数より少ないので、パワー制御チャンネルはバースト的な特質を有する。この状態において、あるRPCウォルシュチャンネルは利得要素154の利得の適当な調節によりゼロに設定される。
【0130】
例示的実施例において、RPCビットは処理遅れを最少化するためコード化およびインターリーブすることなく移動局6へ伝送される。さらに、誤りがパワー制御ループにより次のタイムスロットで訂正され得るので、パワー制御ビットの誤った受信は本発明のデータ通信システムに有害ではない。
【0131】
本発明において、移動局6は逆方向リンクにおいて多数の基地局4とソフトハンドオフにあり得る。ソフトハンドオフにある移動局6の逆方向リンクパワー制御の方法および装置は前述のU.S.特許No.5,056,109に開示される。ソフトハンドオフにある移動局6は、活動的な組にある各基地局4のRPCウォルシュチャンネルを監視し、前述のU.S.特許No.5,056, 109に開示された方法に従ってRPCビットを結合する。第1の実施例において、移動局6は降下パワー命令の論理ORを実行する。もし受信されたRPCビットのいずれか1つが伝送パワーを減少するように移動局6に命令するなら、移動局6は伝送パワーを減少する。第2の実施例において、ソフトハンドオフにある移動局6は、ハード判定を成す前にRPCビットのソフト判定を結合することができる。受信されたRPCビットを処理する他の実施例が熟考され得、本発明の範囲内である。
【0132】
本発明において、FACビットは、構成されたパイロットチャンネルのトラヒックチャンネルが次の半分のフレームで伝送しているであろうか否かを移動局6へ表示する。FACビットの使用は移動局6によるC/I推定、およびそれ故干渉活動の知識を放送することによりデータレート要求を改善する。例示的実施例において、FACビットは半分のフレーム境界でのみ変化し、75bpsのビットレートをもたらす8つの連続したタイムスロットで反復される。FACビットのパラメタは表4に一覧表示される。
【0133】
FACビットの使用で、移動局6は以下のようにC/I測定を計算できる:
【数3】
【0134】
ここに(C/I)iはi番目の順方向リンク信号のC/I測定であり、Ciはi番目の順方向リンク信号の全体の受信されたパワーであり、Cjはj番目の順方向リンク信号の受信されたパワーであり、Iは全ての基地局4が伝送しているとするときの全体の干渉であり、αjはj番目の順方向リンク信号のFACビットでありFACビットに依存して0または1であり得る。
【0135】
(12)逆方向リンクデータ伝送
本発明において、逆方向リンクは可変レートデータ伝送を支持する。可変レートは柔軟性を提供し、移動局6が基地局4へ伝送されるべきデータの量に依存して複数のデータレートの1つで伝送することを許容する。例示的実施例において、移動局6は任意の時間に最も低いデータレートでデータを伝送できる。例示的実施例において、より高いデータレートでのデータ伝送は基地局4による許可を必要とする。この実行は逆方向リンク資源の効率的な利用を提供している間、逆方向リンク伝送遅れを最小限にする。
【0136】
本発明の逆方向リンクデータ伝送の流れ図の例示的図が図16に示される。ブロック802で逆方向リンクに最も遅いレートのデータチャンネルを確立するため、前述のU.S.特許No.5,289,527に記述されたように、移動局6は最初にスロットnで、アクセスプローブを実行する。同じスロットnにおいて、基地局4はアクセスプローブを復調し、ブロック804でアクセスメッセージを受信する。基地局4がデータチャンネルのため要求を許可し、スロットn+2で、ブロック806により制御チャンネルの許可および割り当てられたRPC索引を伝送する。スロットn+2で、移動局6は許可を受信し、ブロック808で基地局4によりパワーを制御される。スロットn+3の始めに、移動局6はパイロット信号の伝送を開始し、逆方向リンクの最も低いデータチャンネルへの直接アクセスを有する。
【0137】
もし移動局6がトラヒックデータを有し、高いレートのデータチャンネルを要求するなら、移動局6はブロック810で要求を開始できる。スロットn+3において、基地局4はブロック812で高速データ要求を受信する。スロットn+5において、基地局4はブロック814で制御チャンネルに許可を伝送する。スロットn+5において、移動局6はブロック816で許可を受信し、スロットn+6において開始している逆方向リンクに、ブロック818で高速データ伝送を開始する。
【0138】
(13)逆方向リンクアーキテクチュア
本発明のデータ通信システムにおいて、逆方向リンク伝送は幾つかの方法で順方向リンク伝送から異なる。順方向リンクにおいては、データ伝送は典型的に1つの基地局4から1つの移動局6へ起る。しかし、逆方向リンクにおいては、各基地局4は多数の移動局6から同時にデータ伝送を受信できる。例示的実施例において、各移動局6は基地局4へ伝送されるべきデータの量に依存している複数のデータレートの1つで伝送できる。このシステム設計はデータ通信の非対称特性を反映する。
【0139】
例示的実施例において、逆方向リンクの時間ベースユニットは順方向リンクの時間ベースユニットと同一である。例示的実施例において、順方向リンクおよび逆方向リンクデータ伝送は1.667msec持続であるタイムスロット上で起る。しかし、逆方向リンク上のデータ伝送が典型的により低いデータレートで起るので、より長い時間ベースユニットが効率を改善するために使用され得る。
【0140】
例示的実施例において、逆方向リンクは2つのチャンネル:パイロット/DRCチャンネルおよびデータチャンネルを支持する。これらの各チャンネルの機能と実行は以下に記述される。パイロット/DRCチャンネルはパイロット信号およびDRCメッセージを伝送するために使用され、データチャンネルはトラヒックデータを伝送するために使用される。
【0141】
本発明の例示的逆方向リンクフレーム構造の図が図14に示される。例示的実施例において、逆方向リンクフレーム構造は図5に示された順方向リンクレーム構造に似ている。しかし、逆方向リンクにおいてはパイロット/DRCデータおよびトラヒックデータが同相および直角チャンネルに同時に伝送される。
【0142】
例示的実施例において、移動局6は、移動局6が高速データ伝送を受信しているときはいつも各タイムスロットでパイロット/DRCチャンネルにDRCメッセージを伝送する。代わりに、移動局6が高速データ伝送を受信していないときは、パイロット/DRCチャンネルの一連のスロットはパイロット信号を含む。パイロット信号は、幾つかの機能のため:最初の取得の助けとして、パイロット/DRCおよびデータチャンネルの位相基準として、および閉ループ逆方向リンクパワー制御の源として、受信基地局4により使用される。
【0143】
例示的実施例において、逆方向リンクの帯域幅は1.2288MHzに選択される。この帯域幅はIS-95標準に適合するCDMAシステムのため設計された現存のハードウエアの使用を許容する。しかし、たの帯域幅が容量を増加するためおよび/またはシステム要求に適合するために利用され得る。例示的実施例において、IS-95標準により特定されたそれらのように同じ長いPNコードおよび短いPNIおよびPNQコードが逆方向リンク信号を拡散するために使用される。例示的実施例において、逆方向リンクチャンネルはQPSK変調を使用して伝送される。代わりに、QPSK変調は、改良された性能をもたらし得る変調信号のピーク対平均振幅変化を最小化するために使用され得る。異なるシステム帯域幅、PNコード、および変調の試みが熟考され得、本発明の範囲内である。
【0144】
例示的実施例において、パイロット/DRCチャンネルおよびデータチャンネル上の逆方向リンク伝送の伝送パワーは、基地局4で測定されるような逆方向リンク信号のEb/I0が、前述のU.S.特許No.5,506,109に記述されたような予定のEb/I0設定点に維持される。パワー制御は移動局6と通信にある基地局4により維持され、命令は上述されたようにRPCビットとして伝送される。
【0145】
(14)逆方向リンクデータチャンネル
本発明の例示的逆方向リンクアーキテクチュアのブロック図が図13に示される。データはデータパケットに区分され、エンコーダ612へ供給される。各データパケットについて、エンコーダ612はCRCパリティビットを発生し、コード末尾ビットを挿入し、データを符号化する。例示的実施例において、エンコーダ612は前述のU.S.特許出願No.08/743,688に記述された符号化フォーマットに従ってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットがまた使用され得、本発明の範囲内である。エンコーダ612からの符号化されたパケットはパケット内でコード記号を再順序付けするブロックインターリーバ614へ供給される。インターリーブされたパケットはウォルシュカバーでデータをカバーしかつカバーされたデータを利得要素618へ供給する乗算器616へ供給される。利得要素618はデータレートと無関係なビットEbにつき一定エネルギーを維持するためデータをスケール合わせする。利得要素618からのスケール合わせされたデータは、それぞれPN−QおよびPN−I系列でデータを拡散する乗算器650bおよび650dへ供給される。乗算器650bおよび650dからの拡散されたデータは、それぞれデータを濾波するフィルタ652bおよび652dへ供給される。フィルタ652aおよび652bからの濾波された信号は合計器654aへ供給され、フィルタ652cおよび652dからの濾波された信号は合計器654bへ供給される。合計器654はデータチャンネルからの信号とパイロット/DRCチャンネルからの信号とを合計する。合計器654aおよび654bの出力は、それぞれ(順方向リンクとして)同相正弦COS(Wct)および直角正弦SIN(Wct)で変調されかつ合計される(図13に示されない)IOUTおよびQOUTをそれぞれ含む。例示的実施例においてトラヒックデータは正弦の同相および直角位相の両方で伝送される。
【0146】
例示的実施例において、データは長いPNコードおよび短いPNコードで拡散される。長いPNコードは、受信している基地局4が伝送している移動局6を識別できるようにデータをスクランブルする。短いPNコードはシステム帯域幅の信号を拡散する。長いPNシーケンスは長いコード発生器642により発生され、乗算器646へ供給される。短いPNIおよびPNQシーケンスは短いコード発生器644により発生され、またそれぞれPN−IおよびPN−Q信号を形成するため2組のシーケンスを乗算する乗算器646aおよび646bへそれぞれ供給される。タイミング/制御回路640はタイミング基準を提供する。
【0147】
図13に示されたようなデータチャンネルアーキテクチュアの例示的ブロック図は逆方向リンクのデータ符号化および変調を支持する多くのアーキテクチュアの1つである。高レートデータ伝送のため、アーキテクチュアは順方向リンク利用多重直交チャンネルのそれがまた使用され得ることに似ている。IS-95標準に適合するCDMAシステムにおける逆方向リンクトラヒックチャンネルのアーキテクチュアのような、他のアーキテクチュアがまた熟考され得、本発明の範囲内である。
【0148】
例示的実施例において、逆方向リンクデータチャンネルは表5に作表された4つのデータレートを支持する。付加的なデータレートおよび/または異なるデータレートが支持され得、本発明の範囲内である。例示的実施例において、逆方向リンクのパケットサイズは表5に示されたようにデータレートに依存している。前述されたU.S.特許出願No.08/743,688に記述されたように、改良されたデコーダ性能はより大きいパケットサイズのために得られ得る。かくして、表5に表示されたこれらより異なるパケットサイズが性能を改良するために利用され得、本発明の範囲内である。加えて、パケットサイズはデータレートに依存しないパラメタで作られ得る。
【0149】
パイロットおよびパワー制御変調パラメタ
【表5】
【0150】
表5に示されるように、逆方向リンクは複数のデータレートを支持する。例示的実施例において、9.6Kbpsの最も低いデータレートが基地局4で登録上各移動局6に割り当てられる。例示的実施例において、移動局6は基地局4からの許可を必要とすることなく任意のタイムスロットで最も低いレートのデータチャンネルにデータを伝送できる。例示的実施例において、より高いデータレートでの伝送は、システム負荷、公正および全体のスループットのような一組のシステムパラメタに基礎を置いた選択された基地局4により許可される。高速データ伝送の例示的スケジューリング機構は前述のU.S.特許出願No.08/798,951に詳細に記述される。
【0151】
(15)逆方向リンクパイロット/DRCチャンネル
パイロット/DRCチャンネルの例示的ブロック図が図13に示される。DRCメッセージは予定のコーディングフォーマットに従ってメッセージを符号化するDRCエンコーダ626へ供給される。間違った順方向リンクデータレート決定がシステムスループット性能に強い影響を与えるので、DRCメッセージの符号化はDRCメッセージの誤りの可能性を十分に低くする必要のため重要である。例示的実施例において、DRCエンコーダ626は、3ビットDRCメッセージを8ビットコード語に符号化するレート(8、4)CRCブロックエンコーダである。符号化されたDRCメッセージは、DRCメッセージが向けられる行き先基地局4を1つしかなく識別するウォルシュコードでメッセージをカバーする乗算器628へ供給される。ウォルシュコードはウォルシュ発生器624により供給される。カバーされたDRCメッセージは、メッセージをパイロットデータと乗算する乗算器(MUX)630へ供給される。DRCメッセージおよびパイロットデータはそれぞれPN−IおよびPN−Q信号でデータを拡散する乗算器650aおよび650cへ供給される。かくして、パイロットおよびDRCメッセージは正弦の同相および直角位相の両方で伝送される。
【0152】
例示的実施例において、DRCメッセージは選択された基地局4へ伝送される。これは選択された基地局4を識別するウォルシュコードでDRCメッセージをカバーすることにより達成される。例示的実施例において、ウォルシュコードは128チップ長である。128チップウォルシュコードの由来は技術において知られている。1つの唯一のウォルシュコードが移動局6と通信にある各基地局4に割り当てられる。各基地局4はその割り当てられたウォルシュコードでDRCチャンネルの信号をデカバーする。選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができ、それに応答して順方向リンクで要求している移動局6へデータを伝送する。これらの基地局4が異なるウォルシュコードを割り当てられるので、他の基地局4は要求されたデータレートがそれらに向けられないことを決定することができる。
【0153】
例示的実施例において、データ通信システムにおける全ての基地局4について逆方向リンクの短いPNコードは同じであり、異なる基地局4を識別するために短いPNシーケンスにオフセットがない。本発明のデータ通信システムは逆方向リンク上でソフトハンドオフを支持する。オフセットのない同じ短いPNコードの使用は、ソフトハンドオフ中多くの基地局4が移動局6からの同じ逆方向リンク伝送を受信することを許容する。短いPNコードはスペクトラル拡散を提供するが、基地局4の識別を許容しない。
【0154】
例示的実施例において、DRCメッセージは移動局6により要求されたデータレートを運ぶ。例示的実施例において、DRCメッセージは順方向リンクの質(例えば移動局6により測定されたようなC/I情報)の表示を運ぶ。移動局6は1つまたはそれ以上の基地局4から順方向リンクパイロット信号を同時に受信でき、各受信されたパイロット信号のC/I測定を実行する。移動局6はそれから、現在および前のC/I測定と比較出来る一組のパラメタに基づいた最良の基地局4を選択する。レート制御情報は複数の実施例の1つにおいて基地局4へ伝えられ得るDRCメッセージ内に形式化される。
【0155】
第1の実施例において、移動局6は要求されたデータレートに基づいてDRCメッセージを伝送する。要求されたデータレートは移動局6により測定されたC/Iで満足な性能を生じる最高の支持されたデータレートである。C/I測定から、移動局6は最初に満足な性能を生じる最大データレートを計算する。最大データレートはそれから1つの支持されたデータレートに量子化され、要求されたデータレートとして指定される。要求されたデータレートに対応しているデータレート索引が選択された基地局4へ伝送される。例示的な支持されたデータレートの組および対応しているデータレート索引が表1に示される。
【0156】
第2の実施例において、移動局6は選択された基地局4へ順方向リンク質の表示を伝送し、移動局6はC/I測定の量子化された値を表わすC/I索引を伝送する。C/I測定は表にマップされ得、C/I索引と連合される。C/I索引を表わすためより多くのビットを使用することはC/I測定のより細かい量子化を許容する。また、マップすることは直線にできあるいは予め歪められ得る。直線マッピングについて、C/I索引における各増分はC/I測定における対応している増加を表わす。例えば、C/I索引の各段階がC/I測定の2.0dB増加を表わすことができる。予め歪められたマッピングについて、C/I索引における各増分はC/I測定における異なる増加を表わすことができる。例として、予め歪められたマッピングは、図18に示されるようなC/I分布の累積分布関数(CDF)曲線に合致するようにC/I測定を量子化するために使用され得る。
【0157】
移動局6から基地局4へレート制御情報を伝える他の実施例は熟考され、本発明の範囲内である。さらに、レート制御情報を表わすため異なる数のビットの使用はまた本発明の範囲内である。多くの明細書をとおして、本発明は簡素化のため、要求されたデータレートを伝えるためにDRCメッセージを使用する第1の実施例の環境で記述される。
【0158】
例示的実施例において、C/I測定はCDMAシステムに使用されるそれに似た方法で順方向リンクパイロット信号で実行され得る。C/I測定を実行する方法および装置は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1996年9月27日申請の“スペクトラム拡散通信システムにおけるリンク質を測定する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/722,763に記述される。要約すると、パイロット信号のC/I測定は短いPNコードで受信された信号を逆拡散することにより得られ得る。もしC/I測定のときと実際のデータ伝送のときとの間でチャンネル状態が変化したなら、パイロット信号のC/I測定は不正確さを含む。本発明においては、FACビットの使用は、要求されたデータレートを決定するとき、移動局6が順方向リンク活動を考慮に取り入れることを許容する。
【0159】
代わりの実施例において、C/I測定は順方向リンクトラヒックチャンネルで実行され得る。トラヒックチャンネル信号は最初に長いPNコードおよび短いPNコードで脱拡散され、ウォルシュコードで脱カバーされる。データチャンネルの信号のC/I測定は、伝送されたパワーのより大きいパーセンテージがデータ伝送に割り当てられるので、より正確であり得る。移動局6により受信された順方向リンク信号のC/Iを測定する他の方法はまた熟考され得、本発明の範囲内である。
【0160】
例示的実施例において、DRCメッセージはタイムスロット(図14参照)の始めの半分で伝送される。例示的タイムスロット1.667msecのため、DRCメッセージはタイムスロットの1024チップまたは0.83msec を含む。時間の残りの1024チップはメッセージを復調および解読するために基地局4により使用される。タイムスロットの早い部分におけるDRCメッセージの伝送は、基地局4が同じタイムスロット内でDRCメッセージを解読し、直ぐに続くタイムスロットにおいて要求されたデータレートでデータをおそらく伝送することを許容する。短い処理遅れは本発明の通信システムが運転環境の変化に速やかに適応することを許容する。
【0161】
代わりの実施例において、要求されたデータレートは絶対的基準および相対的基準の使用により基地局4へ伝えられる。この実施例において、要求されたデータレートを含んでいる絶対的基準は周期的に伝送される。絶対的基準は基地局4が移動局6により要求された正確なデータレートを決定することを許容する。絶対的基準の伝送間の各タイムスロットのために、移動局6は、近く起るタイムスロットの要求されたデータレートが前のタイムスロットの要求されたデータレートより高いか、低いか、または同じかを示す相対的基準を基地局4へ伝送する。移動局6は周期的に絶対的基準を伝送する。データレート索引の周期的な伝送は、要求されたデータレートが知られた状態に設定され、相対的な基準の間違った受信が蓄積しないことを確保することを許容する。絶対的基準および相対的基準の使用は、移動局6へのDRCメッセージの伝送レートを減少できる。要求されたデータレートを伝送するための他のプロトコルが熟考され、本発明の範囲内である。
【0162】
(16)逆方向リンクアクセスチャンネル
アクセスチャンネルは登録位相中、基地局4へメッセージを伝送するために移動局6により使用される。例示的実施例において、アクセスチャンネルは移動局6によりランダムにアクセスされる各スロットを有するスロットされた構成を使用して実行される。例示的実施例において、アクセスチャンネルはDRCチャンネルと時間多重化される。
【0163】
例示的実施例において、アクセスチャンネルはアクセスチャンネルカプセル内にメッセージを伝送する。例示的実施例において、アクセスチャンネルフレームフォーマットは、タイミングがIS-95標準により特定された20msecフレームの代わりに26.67msecであることを除いて、IS-95標準により特定されたものと同一である。例示的アクセスチャンネルカプセルの図が図15に示される。例示的実施例において、各アクセスチャンネルカプセル712はプリアンブル722、1つまたはそれ以上のメッセージカプセル724、およびパッディングビット726を含む。各メッセージカプセル724はメッセージ長さ(MSG LEN)フィールド732、メッセージ本体734、およびCRCパリティビット736を含む。
【0164】
(17)逆方向リンクNACKチャンネル
本発明において、移動局6はデータチャンネルにNACKメッセージを伝送する。NACKメッセージは移動局6により誤りで受信された各パケットとして発生される。例示的実施例において、NACKメッセージは、前述されたU.S.特許No.5,504,773に記述されたように、ブランクおよびバースト信号データフォーマットを使用して伝送され得る。
【0165】
本発明はNACKプロトコルの文脈で記述されたが、ACKプロトコルの使用は熟考され得、本発明の範囲内である。
【0166】
好ましい実施例の上記記述は技術に熟練したどんな者にも本発明を作りまたは使用することを可能にするように提供された。これらの実施例に対する種々な変形が技術に熟練した者に既に明らかであり、ここに定義された基本的な原理は発明の能力を使用することなく他の実施例に適用されるかもしれない。かくして、本発明はここに示された実施例に限定されることを意図されず、ここに開示された原理および新規な特徴と合致した最も広い範囲に従わされるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ通信に関する。なお特に、本発明は高レートパケットデータ伝送の新規かつ改良された方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の通信システムは応用の多様性を支持することを要求される。かかる通信システムの1つは“2重モード広帯域スペクトラム拡散セルラーシステムのTIA/EIA/IS-95移動局−基地局互換性標準”以下IS-95標準として参照される、に適合する符号分割多元接続(CDMA)システムである。CDMAシステムは地上リンクでユーザ間の音声およびデータ通信を許容する。多元接続通信システムにおけるCDMA技術の使用は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“サテライトまたは地上中継器を使用するスペクトラム拡散多元接続通信システム”と題するU.S.特許No.4,901,307、および“CDMAセルラー電話システムにおける波形発生のシステムおよび方法”と題するU.S.特許No.5,103,459に開示される。
【0003】
この明細書において、基地局は移動局が通信するハードウエアと解釈する。セルは用語が使用される文脈に依存して、ハードウエアまたは地理学上のカバー領域と解釈する。セクタはセルの区分である。CDMAシステムのセクタがセルの属性を有するので、セルの用語に記述された教示はセクタに難なく拡張される。
【0004】
CDMAシステムにおいて、ユーザ間の通信は1つまたはそれ以上の基地局を通して伝えられる。1つの移動局の第1のユーザは基地局へ逆方向リンクでデータを伝送することにより第2移動局の第2ユーザと通信する。基地局はデータを受信し、他の基地局へデータを送ることができる。データは同じ基地局、または第2基地局の順方向リンクで第2移動局へ伝送される。順方向リンクは基地局から移動局への伝送を意味し、逆方向リンクは移動局から基地局への伝送を意味する。IS-95システムにおいて、順方向リンクおよび逆方向リンクは別々の周波数を割り当てられる。
【0005】
移動局は通信中少なくとも1つの基地局と通信する。CDMA移動局はソフトハンドオフ中多数の基地局と同時に通信することができる。ソフトハンドオフは先の基地局とリンクを切る前に新しい基地局とリンクを確立するプロセスである。ソフトハンドオフは落とされる呼びの可能性を最少にする。ソフトハンドオフプロセス中1つ以上の基地局を通して移動局と通信を提供する方法およびシステムは、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“CDMAセルラー電話システムにおける移動援助ソフトハンドオフ”と題するU.S.特許No.5,267,261に開示される。ソフトハンドオフは、それによって通信が同じ基地局によりサービスされる多元セクタを越えて起るプロセスである。ソフトハンドオフのプロセスは本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた、1996年12月11日申請された“共通基地局のセクタ間でハンドオフを実行する方法および装置”と題する継続中のU.S.特許出願No.08/763,498に詳細に記述される。
【0006】
無線データ応用の与えられた増大している需要のため、非常に高レート的な無線データ通信システムの必要が重要性を増してきた。IS-95標準はトラヒックデータおよび音声データを順方向および逆方向リンクで伝送することが可能である。固定されたサイズのコードチャンネルフレームにトラヒックデータを伝送する方法は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“伝送のためのデータの形式化の方法および装置”と題するU.S.特許No.5,504,773に詳細に記述される。IS-95標準に従って、トラヒックデータおよび音声データは、14.4Kbps高さのデータレートで20msec幅であるコードチャンネルフレームに区分される。
【0007】
音声サービスおよびデータサービス間の重要な違いは前者が厳正かつ固定された遅れ要求を課すということである。典型的に、会話フレームの全体のワンウエイ遅れは100msec以下でなくてはならない。対称的に、データ遅れはデータ通信システムの効率を最適化するように使用される可変パラメタになることができる。特に、音声サービスにより寛大に扱われ得る遅れよりも暗示的により大きい遅れを要求するより効率的な誤り訂正コード化技術が利用され得る。データの例示的効率的なコード化の概要は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた、1996年11月6日申請された“たたみ込み的にコード化されたコード語を解読するソフト決定出力デコーダ”と題するU.S.特許出願No.08/743,688に記述される。
【0008】
音声サービスおよびデータサービス間の他の重要な違いは前者が全てのユーザのために固定されかつ共通のサービスの程度(GOS)を要求することである。典型的に、音声サービスを提供するディジタルシステムのため、これは全てのユーザについて固定されかつ等しい伝送レート、および会話フレームの誤り率について最大許容値に中継する。対称的にデータサービスのため、GOSはユーザからユーザへ異なることができ、データ通信システムの全体の効率を増加するためパラメタ最適化され得る。データ通信システムのGOSは、予定のデータ量の伝送で増加された全遅れとして典型的に定義され、以後データパケットとして引用される。
【0009】
音声サービスおよびデータサービス間のもうひとつの重要な違いは、例示的CDMA通信システムにおいて、前者がソフトハンドオフにより提供される信頼できる通信リンクを要求することである。ソフトハンドオフは信頼性を増加するため2つまたはそれ以上の基地局から重複した伝送をもたらす。しかし、この付加的な信頼性は、誤りで受信されたデータパケットが再伝送されるので、データ伝送のためには要求されない。データサービスのため、ソフトハンドオフを支持するために使用される伝送パワーは付加的データを伝送するためにより効率的に使用され得る。
【0010】
データ通信システムの質および効果を測定するパラメタはデータパケットを伝送するために要求される伝送遅れおよびシステムの平均スループット率である。伝送遅れは、それが音声通信のためにするようにデータ通信において同じインパクトをもたないが、データ通信システムの質を測定するために重要な尺度である。平均スループット率は通信システムのデータ伝送能力の効率のメジャーである。
【0011】
セルラーシステムにおいて任意の与えられたユーザの信号対ノイズおよび干渉比C/Iはカバー領域内でユーザの位置の関数であることがよく知られている。与えられたサービスのレベルを維持するために、TDMAおよびFDMAシステムは周波数再使用技術にたより、即ち全部ではない周波数チャンネルおよび/またはタイムスロットが各基地局で使用される。CDMAシステムにおいて、同じ周波数割り当てがシステムの各セルに再使用され、それにより全体の効率を改善している。任意の与えられたユーザの移動局が達成するC/Iは、基地局からユーザの移動局へこの特定のリンクのため支持され得る情報率を決定する。本発明がデータ伝送の最大化を探求する伝送のために使用される特定の変調および誤り訂正方法があるとすれば、性能の与えられたレベルはC/Iの対応しているレベルで達成される。6角形のセルレイアウトを有し各セルに共通周波数を利用している理想的なセルラーシステムのため理想的セル内で達成されるC/Iの分布は計算され得る。
【0012】
任意の与えられたユーザにより達成されるC/Iは経路損失の関数であり、それは地上セルラーシステムについてr3からr5として増加し、ここにrは放射源への距離である。されに、経路損失はラジオ波の経路内の人工物または自然の障害物によるランダム変化を受けやすい。これらのランダム変化は8dBの標準偏差を有する対数正規分布のシャドウイングランダムプロセスとして典型的にモデルにされる。総方向基地局アンテナで理想的な6角形セルラーレイアウトのために達成された結果としてのC/I分布、r4伝播法則、および8dBの標準偏差を有するシャドウイングプロセスは図18に示される。
【0013】
得られたC/I分布がもし時間の任意の瞬間および任意の位置でのみ達成され得るなら、移動局は各基地局への物理的距離に無関係に、最も大きいC/I値を達成しているとして定義された最良の基地局により供給される。上述されたように経路損失のランダム特質のため、最も大きいC/I値を有する信号は移動局から最小物理的距離とは他であるものであり得る。対称的に、もし移動局が最小距離の基地局を経てのみ通信することであったなら、C/Iは実質的に降下され得る。それ故移動局にとって、全ての時間に最大限のC/I値を達成している最良の供給基地局へおよびから通信することが有利である。上記理想化されたモデルにおいておよび図18に示されたように、達成されたC/Iの値の範囲は、最高および最低値間の差が10,000と同じ大きさであり得るようであることがまた観察され得る。実際の実行において、範囲は典型的に略1:100または20dBに制限される。それ故CDMA基地局のために以下の関係を保つので、100の係数だけ多く変化出来る情報ビットレートで移動局に供給することが可能であり:
【数1】
【0014】
ここに、Rbは特定の移動局への情報率を表わし、Wはスペクトラム拡散信号により占められる全帯域幅であり、Eb/Ioは性能の与えられたレベルを達成するために要求される干渉密度を超えるビット毎のエネルギーである。事例として、もしスペクトラム拡散信号が1. 2288MHzの帯域幅Wを占め、信頼できる通信が3dBに等しい平均Eb/Ioを要求するなら、最良の基地局で3dBのC/I値を達成する移動局は1.2288Mbpsと同じ高さのデータレートで通信できる。他方もし移動局が隣接基地局から実質的な干渉を受け、−7dBのC/Iのみ達成できるなら、信頼できる通信は122.88Kbpsより大きいレートで支持されることが出来ない。平均スループットを最大にするために設計された通信システムは、それ故最良供給基地局から遠隔ユーザが信頼して支持できる最も高いデータレートRbで各遠隔ユーザに供給することを試みるであろう。本発明のデータ通信システムは、上に引用された特徴を利用し、CDMA基地局から移動局へデータスループットを最大にする。
【発明の概要】
【0015】
本発明はCDMAシステムにおける高レートパケットデータ伝送の新規かつ改良された方法および装置である。本発明は順方向および逆方向リンクのデータ伝送の手段を提供することによりCDMAシステムの効率を改善する。各移動局は1つまたはそれ以上の基地局と通信し、基地局との通信の持続のため制御チャンネルを監視する。制御チャンネルは、特定の移動局にアドレスされたページングメッセージであるデータの少量を伝送するため基地局により使用されることができ、全ての移動局にメッセージを放送する。ページングメッセージは基地局が移動局に伝送するための大量のデータを有することを移動局に通知する。
【0016】
本発明の目的はデータ通信システムにおいて順方向および逆方向リンク容量の利用を改善することにある。1つまたはそれ以上の基地局からのページングメッセージの受信で、移動局はタイムスロット毎に順方向リンク信号(例えば順方向リンクパイロット信号)の信号対ノイズおよび干渉比(C/I)を測定し、現在および前のC/I測定を含み得る一組のパラメタを使用している最良の基地局を選択する。例示的実施例において、タイムスロット毎に、移動局は、測定されたC/Iが信頼して支持できる最高のデータレートでの伝送の要求を、専用データ要求(DRC)チャンネル上で選択された基地局に伝送する。選択された基地局は移動局から受信されたデータレートを超えないデータレートで、DRCチャンネル上にデータパケットのデータを伝送する。タイムスロット毎に最良の基地局からの伝送により、改良されたスループットおよび伝送遅れが達成される。
【0017】
本発明の他の目的は、1つまたはそれ以上のタイムスロットの持続のためピーク伝送パワーで選択された基地局から移動局へ、移動局により要求されたデータレートで伝送することにより性能を改善することにある。例示的CDMA通信システムにおいて、基地局は使用法における変化の理由のため利用可能な伝送パワーから予定のバックオフ(例えば3dB)で運転する。かくして、平均伝送パワーはピークパワーの半分である。しかし本発明においては、高速データ伝送が予定されかつパワーが典型的に分割(例えば伝送間で)されないので、利用可能なピーク伝送パワーからバックオフすることを必要としない。
【0018】
本発明の他の目的は、基地局がタイムスロットの可変数として各移動局にデータパケットを伝送することを許容することにより効率を高めることにある。タイムスロットからタイムスロットへ異なる基地局から伝送する能力は、本発明のデータ通信システムが運転環境における変化に速やかに適応することを許容する。加えて、隣接しないタイムスロットに亘ってデータパケットを伝送する能力は、データパケット内のデータユニットを確認するためシーケンス数の使用により本発明において可能である。
【0019】
本発明の他の目的は、中央制御器から移動局の活動的な組のメンバーである全ての基地局へ、特定の移動局にアドレスされたデータパケットを転送することにより柔軟性を増すことにある。本発明において、データ伝送は各タイムスロットで移動局の活動的な組における任意の基地局から起り得る。各基地局は移動局へ伝送されるべきデータを含む待ち行列を含むので、効率的な順方向リンク伝送が最小処理遅れで起り得る。
【0020】
本発明の他の目的は、誤って受信されたデータユニットのため再伝送メカニズムを提供することである。例示的実施例において、各データパケットはシーケンス数により確認された各データユニットを有するデータユニットの予定数を含む。1つまたはそれ以上のデータユニットの不正確な受信で、移動局は基地局からの再伝送のため、逆方向リンクデータチャンネルに捕らえ損ねたデータユニットのシーケンス数を示している否定応答(NACK)を送る。基地局はNACKメッセージを受信し、誤って受信されたデータユニットを再伝送することができる。
【0021】
本発明の他の目的は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1997年1月29日に申請された、“無線通信システムにおけるソフトハンドオフを実行するための方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/790,497に記述された手順に基づいた通信の最良な基地局候補を移動局のために選択することである。例示的実施例において、基地局は、もし受信されたパイロット信号が予定の加算閾値を超えるなら移動局の活動的な組に加えられ、もしパイロット信号が予定の落下閾値以下であるなら活動的な組から落されることができる。代わりの実施例において、基地局は、もし基地局の付加的なエネルギー(例えばパイロット信号により測られる)および既に活動的な組にある基地局のエネルギーが予定の閾値を超えるなら活動的な組に加えられ得る。この代わりの実施例を使用すると、伝送されたエネルギーが移動局で受信されたエネルギー全体の実質のない量を含む基地局は活動的な組に加えられない。
【0022】
本発明の他の目的は、移動局と通信にある基地局間の選択された基地局のみがDRCメッセージを区別することができ、それによって任意の与えられたタイムスロットにおける順方向リンク伝送が選択された基地局からであることを確実にするような方法で、移動局のためにDRCチャンネル上でデータレート要求を伝送することである。例示的実施例において、移動局と通信にある各基地局は1つしかないウォルシュ(Walsh)コードを割り当てられる。移動局は選択された基地局に対応しているウォルシュコードでDRCメッセージをカバーする。他のコードがDRCメッセージをカバーするために使用されることができ、直交コードが典型的に利用されるけれどもウォルシュコードが好ましい。
【0023】
本発明の特徴、目的および利点は、同様な参照記号が図を通して対応的に同じものである図と組合せてとらえられるとき、以下に示される詳細な記述からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】複数のセル、複数の基地局および複数の移動局を含む本発明のデータ通信システムの図である。
【図2】本発明のデータ通信システムのサブシステムの例示的ブロック図である。
【図3】本発明の例示的順方向リンクアーキテクチュアのブロック図である。
【図4】本発明の例示的順方向リンクアーキテクチュアのブロック図である。
【図5】本発明の例示的順方向リンクフレーム構造の図である。
【図6】例示的順方向トラヒックチャンネルおよびパワー制御チャンネルの図である。
【図7】例示的順方向トラヒックチャンネルおよびパワー制御チャンネルの図である。
【図8】本発明のパンクチャされたパケットの図である。
【図9】2つの例示的データパケットフォーマットと制御チャンネルカプセルの図である。
【図10】2つの例示的データパケットフォーマットと制御チャンネルカプセルの図である。
【図11】2つの例示的データパケットフォーマットと制御チャンネルカプセルの図である。
【図12】順方向リンクの高レートパケット伝送を示している例示的タイミング図である。
【図13】本発明の例示的逆方向リンクアーキテクチュアのブロック図である。
【図14】本発明の例示的逆方向リンクフレーム構造の図である。
【図15】例示的逆方向リンク接続チャンネルの図である。
【図16】逆方向リンクの高レートデータ伝送を示している例示的タイミング図である。
【図17】移動局の種々の運転状態間の移行を示す例示的状態図である。
【図18】理想的な6角形セルラーレイアウトにおけるC/I分布の累積的な分布関数(CDF)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のデータ通信システムの例示的実施例に従って、順方向リンクデータ伝送は順方向リンクおよびシステムにより支持され得る最大またはそれに近いデータレートで1つの基地局から1つの移動局へ(図1参照)起る。逆方向リンクデータ通信は1つの移動局から1つまたはそれ以上の基地局へ起り得る。順方向リンク伝送の最大データの計算は以下に詳細に記述される。データはデータパケット内で区切られ、各データパケットは1つまたはそれ以上のタイムスロット(即ちスロット)に亘って伝送される。各タイムスロットで、基地局は基地局と通信にある任意の移動局へ直接データ伝送できる。
【0026】
最初に、移動局は予定の接続手順を使用して基地局と通信を確立する。この接続状態において、移動局は基地局からデータおよび制御メッセージを受信でき、データおよび制御メッセージを基地局へ伝送することができる。移動局はそれから移動局の活動的な組にある基地局から伝送のための順方向リンクを監視する。活動的な組は移動局と通信にある基地局のリストを含む。特に、移動局は、移動局で受信されたとき、活動的な組の基地局からの順方向リンクパイロットの信号対ノイズおよび干渉比(C/I)を測定する。もし受信されたパイロット信号が予定の加算閾値以上であるか、予定の落下閾値以下であるなら、移動局はこれを基地局へ報告する。基地局からの次のメッセージはそれぞれその活動的な組へまたは組から基地局を加算しまたは削除するため移動局に向ける。移動局の種々な運転状態は以下に記述される。
【0027】
もし送るデータがないなら、移動局は遊び状態に戻り、基地局へのデータレート情報の伝送を中断する。移動局が遊び状態にある間、移動局はページングメッセージのため活動的な組の1つまたはそれ以上の基地局からの制御チャンネルを監視する。
【0028】
もし移動局に伝送されるべきデータがあるなら、データは中央制御器により活動的な組の全ての基地局に送られ、各基地局で待ち行列に記憶される。ページングメッセージはそれから、1つまたはそれ以上の基地局によりそれぞれの制御チャンネル上で移動局に送られる。移動局が基地局間を切り換えている時でさえ受信を確保するため、基地局は複数の基地局を横切って同じ時間に全てのかかるページングメッセージを伝送してもよい。移動局はページングメッセージを受信するため、1つまたはそれ以上の制御チャンネルの信号を復調しかつ解読する。
【0029】
ページングメッセージの解読で、かつデータ伝送が完了されるまで各タイムスロットについて、移動局は移動局で受信されたとき、活動的な組の基地局からの順方向リンク信号のC/Iを測定する。順方向リンク信号のC/Iはそれぞれのパイロット信号を測定することにより得られ得る。移動局はそれから一組のパラメタに基づいて最良基地局を選択する。パラメタのその組は現在および前のC/I測定、およびビット誤り率またはパケット誤り率を含み得る。例えば、最良の基地局は最も大きいC/I測定に基づいて選択され得る。移動局はそれから最良の基地局を確認し、データ要求チャンネル(以後DRCチャンネルとして引用される)にデータ要求メッセージ(以後DRCメッセージとして引用される)を選択された基地局に伝送する。DRCメッセージは要求されたデータレート、あるいは代わりに順方向リンクチャンネルの質の表示(例えばC/I測定それ自身、ビット誤り率、またはパケット誤り率)を含み得る。例示的実施例において、移動局は基地局を1つしかなく識別するウォルシュコードの使用により、特定の基地局にDRCメッセージの伝送を向け得る。DRCメッセージ記号は1つしかないウォルシュコードで排他的OR(XOR)される。移動局の活動的な組にある各基地局が1つしかないウォルシュコードにより確認されるので、正確なウォルシュコードで移動局により実行されるように同一なXOR演算を実行する選択された基地局のみがDRCメッセージを正確に解読できる。基地局は順方向リンクデータを最高の可能なレートで効率的に伝送するため、各移動局からのレート制御情報を使用する。
【0030】
各タイムスロットで、基地局はデータ伝送のため呼出された移動局の幾つかを選択できる。基地局はそれから、移動局から受信されたDRCメッセージの最近の値に基づいて選択された移動局へデータを伝送するためのデータレートを決定する。加えて、基地局はその移動局に1つしかない拡散コードを使用することにより特定の移動局への伝送を1つしかなく確認する。例示的実施例において、この拡散コードはIS-95標準により定義された長い擬似ノイズ(PN)コードである。
【0031】
データパケットが意図されるため、移動局はデータ伝送を受信し、データパケットを解読する。各データパケットは複数のデータユニットを含む。例示的実施例において、データユニットは8つの情報ビットを含み、異なるデータユニットサイズが定義され得るけれども本発明の範囲内である。例示的実施例において、各データユニットはシーケンス数と連合され、移動局は誤ったまたは複製伝送の何れかを確認することができる。かかる結果において、移動局は逆方向リンクデータチャンネルを経て、間違っているデータユニットのシーケンス数を通信する。移動局からデータメッセージを受信する基地局制御器はそれから、データユニットが移動局により受信されなかったこの特定の移動局と通信している全ての基地局に指示する。基地局はそれからかかるデータユニットの再伝送を予定する。
【0032】
データ通信システムにおける各移動局は逆方向リンク上の多元基地局と通信できる。例示的実施例において、本発明のデータ通信システムは複数の理由のため逆方向リンクのソフトハンドオフおよびソフター(softer)ハンドオフを支持する。第1にソフトハンドオフは逆方向リンクの付加的な容量を消費せず、むしろ移動局は少なくとも1つの基地局が信頼してデータを解読できるような最小のパワーレベルでデータを伝送することを許容する。第2に、より多くの基地局による逆方向リンク信号の受信は、伝送の信頼性を増大し、基地局における付加的なハードウエアのみを必要とする。
【0033】
例示的実施例において、本発明のデータ伝送システムの順方向リンク容量は移動局のレート要求により決定される。順方向リンク容量における付加的な利得は指向性アンテナおよび/または適応性空間周波数フィルタにより達成され得る。方向性伝送を提供する例示的方法および装置は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1995年12月20日申請の“多元ユーザ通信システムにおける伝送データレートを決定する方法および装置”と題する継続中のU.S.特許出願No.08/575,049、および1997年9月8日申請の“直交スポットビーム、セクタおよびピコセルを提供する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/925,521に記述される。
【0034】
(1)システムの記述
図を参照すると、図1は多数のセル2a−2gを含む本発明の例示的データ通信システムを表わす。各セル2は対応している基地局4によりサービスされる。種々の移動局6がデータ通信システムを通して伝播される。例示的実施例において、各移動局6は各タイムスロットで順方向リンクのせいぜい1つの基地局4と通信するが、移動局6がソフトハンドオフにあるか否かに依存して、逆方向リンクの1つまたはそれ以上の基地局4と通信にあり得る。例えば、基地局4aは移動局6aに排他的にデータを伝送し、基地局4cはタイムスロットnで順方向リンクの移動局6cに排他的データを伝送する。図1において、矢の実線は基地局4から移動局6へのデータ伝送を示す。矢の破線は移動局6がパイロット信号を受信しているが、基地局4からのデータ伝送はない。逆方向リンク通信は単純化のため図1に示されない。
【0035】
図1に示されるように、各基地局4はなるべく任意の与えられた瞬間に1つの移動局6へデータを伝送する。移動局6、特にセル境界に近く位置したそれらは多数の基地局4からパイロット信号を受信し得る。もしパイロット信号が予定の閾値以上であるなら、移動局6は基地局4が移動局6の活動的な組に加えられることを要求し得る。例示的実施例において、移動局6は活動的な組のゼロまたは1つのメンバーからデータ伝送を受信できる。
【0036】
本発明のデータ通信システムの基本サブシステムを示すブロック図が図2に示される。基地局制御器10はパケットネットワークインターフェイス24、PSTN30、およびデータ通信システムにおける全ての基地局4(単純化のためただ1つの基地局4のみが図2に示される)と接する。基地局制御器10はデータ通信システムにおける移動局6およびパケットネットワークインターフェイス24およびPSTN30間の通信を整合する。PSTN30は標準電話ネットワーク(図2に示されない)を通してユーザと接する。
【0037】
基地局制御器10は、単純化のため図2に1つだけが示されたけれども、多くの選択器要素14を含む。1つの選択器要素14は1つまたはそれ以上の基地局4および1つの移動局6間の通信を制御するために割り当てられる。もし選択器要素14が移動局6に割り当てられなかったなら、セル制御処理装置16は移動局6を呼出す必要を通知される。セル制御処理装置16はそれから移動局6を呼出すために基地局4を指示する。
【0038】
データ源20は移動局6に伝送されるべきデータを含む。データ源20はパケットネットワークインターフェイス24にデータを供給する。パケットネットワークインターフェイス24はデータを受け、選択要素14にデータを発送する。選択器要素14は移動局6と通信にある各基地局4へデータを送る。各基地局4は移動局6へ伝送されるべきデータを含むデータ待ち行列40を維持する。
【0039】
例示的実施例において、順方向リンク上で、データパケットはデータレートから独立しているデータの予定の量を引用する。データパケットは他の制御およびコード化するビットで形式化されかつ符号化される。もしデータ伝送が多数のウォルシュチャンネルに亘って起るなら、符号化されたパケットは並行なストリームに非多重化され、各ストリームは1つのウォルシュチャンネルによって伝送される。
【0040】
データはデータパケットでデータ待ち行列40からチャンネル要素42へ送られる。各データパケットのため、チャンネル要素42は必要な制御欄を挿入する。データパケット、制御欄、フレームチェックシーケンスビットおよびコード末尾ビットが形式化されたパケットを含む。チャンネル要素42はそれから、1つまたはそれ以上の形式化されたパケットを符号化し、かつ符号化されたパケット内に記号をインターリーブ(または再順序付け)する。次に、インターリーブされたパケットはスクランブリングシーケンスでスクランブルされ、ウォルシュカバーでカバーされ、長いPNコードおよび短いPNIおよびPNQコードで拡散される。拡散されたデータはRFユニット44内の送信機により直角変調され、濾波され、かつ増幅される。順方向リンク信号はアンテナ46を通して順方向リンク50に空中を越えて伝送される。
【0041】
移動局6で、順方向リンク信号はアンテナ60により受信され、フロントエンド62内の受信機へ発送される。受信機は信号を濾波し、増幅し、直角復調しかつ量子化する。ディジタル化された信号は復調器(DEMOD)64に供給され、そこでそれは長いPNコードおよび短いPNIおよびPNQコードで逆拡散され、ウォルシュカバーでデカバーされ、かつ同一のスクランブリングシーケンスでデスクランブルされる。復調されたデータは基地局4でなされた信号処理機能の逆、特にデインターリーブ、解読およびフレームチェック機能を実行するデコーダ66へ供給される。解読されたデータはデータシンク68へ供給される。上述されたように、ハードウエアは順方向リンク上でデータ、メッセージ、音声、ビデオ、および他の通信を支持する。
【0042】
システム制御およびスケジュール機能は多くの手段により達成され得る。チャンネルスケジューラ48の設置は中央化または分散化制御/スケジュール処理が望まれるか否かに依存する。例えば、分散化処理のため、チャンネルスケジューラ48は各基地局4内に設置され得る。逆に、中央化処理のため、チャンネルスケジューラ48は基地局制御器10内に設置され、多数の基地局4のデータ伝送を調整するように設計され得る。上記記述された機能の他の手段は熟考され得、本発明の範囲内である。
【0043】
図1に示されるように、移動局6はデータ通信システムを通して伝播され、順方向リンクでゼロまたは1つの基地局4と通信にあり得る。例示的実施例において、チャンネルスケジューラ48は1つの基地局4の順方向リンクデータ伝送を調整する。例示的実施例において、チャンネルスケジューラ48は基地局4内のデータ待ち行列40およびチャンネル要素42に接続し、移動局6に伝送するデータの量を示す待ち行列サイズ、および移動局6からのDRCメッセージを受ける。チャンネルスケジューラ48は最大データスループットおよび最小伝送遅れのシステム目標が最適化されるように高レートデータ伝送をスケジュールする。
【0044】
例示的実施例において、データ伝送は通信リンクの質に一部基づいてスケジュールされる。リンク質に基づいた伝送レートを選択する例示的な通信システムは、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1996年9月11日申請の“セルラー環境における高速データ通信を提供する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/741,320に開示される。本発明において、データ通信をスケジュールすることはユーザのGOS、待ち行列サイズ、データの型、既に経験された遅れの量、およびデータ伝送の誤り率のような付加的な考慮に基礎を置かれ得る。これらの考慮は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1997年2月11日申請の“順方向リンクレートスケジューリングの方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/798,951、および1997年8月20日申請の“逆方向リンクリンクレートスケジューリングの方法および装置”と題するU.S.特許出願No. に詳細に記述される。他の要因がデータ伝送スケジューリングに考慮され、本発明の範囲内である。
【0045】
本発明のデータ通信システムは逆方向リンクのデータおよびメッセージ伝送を支持する。移動局6内に、制御器76がデータおよびメッセージをエンコーダ72に発送することによりデータおよびメッセージ伝送を処理する。制御器76はマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ディジタル信号処理(DSP)チップ、またはここに記述されたような機能を実行するためにプログラムされたASICで実施され得る。
【0046】
例示的実施例において、エンコーダ72は前述のU.S.特許No.5,504,773に記述されたブランクおよびバースト信号データ形式と矛盾しないでメッセージを符号化する。エンコーダ72はそれから、一組のCRCビットを発生および添付し、一組のコード末尾ビットを添付し、データおよび添付されたビットを符号化し、かつ符号化されたデータ内に記号を再順序付けする。インターリーブされたデータは変調器(MOD)74に供給される。
【0047】
変調器74は多くの実施例で実施され得る。例示的実施例(図13参照)において、インターリーブされたデータはウォルシュコードでカバーされ、長いPNコードで拡散され、さらに短いPNコードで拡散される。拡散されたデータはフロントエンド62内の送信機に供給される。送信機は変調し、濾波し、増幅し、かつ逆方向リンク信号をアンテナ46を通して逆方向リンク52で空中に伝送する。
【0048】
例示的実施例において、移動局6は長いPNコードに従って逆方向リンクデータを拡散する。各逆方向リンクチャンネルは共通の長いPNシーケンスの時間的なオフセットに従って定義される。2つの異なるオフセットで、結果としての変調シーケンスが相互関係をなくされる。移動局6のオフセットは移動局6の1つしかない数字識別に従って決定され、IS-95の例示的実施例において、移動局6が移動局特定識別数字である。かくして、各移動局6は、その1つしかない電子的連続数字に従って決定される1つの相関のない逆方向リンクチャンネルに伝送する。
【0049】
基地局4で、逆方向リンク信号はアンテナ46により受信され、RFユニット44に供給される。RFユニット44は濾波し、増幅し、復調し、信号を量子化し、ディジタル化された信号をチャンネル要素42へ供給する。チャンネル要素42は短いPNコードと長いPNコードでディジタル化された信号を逆拡散する。チャンネル要素42はまたウォルシュコードでデカバー、およびパイロットおよびDRC抜き取りを実行する。チャンネル要素42はそれから、復調されたデータを再順序付けし、デインターリーブされたデータを解読し、かつCRCチェック機能を実行する。解読されたデータ、例えばデータまたはメッセージは選択器要素14に供給される。選択器要素14はデータおよびメッセージを適当な行き先へ発送する。チャンネル要素42はまた逆方向データパケットの状態を表わす質指示を選択器要素14へ転送してもよい。
【0050】
例示的実施例において、移動局6は3つの運転状態の1つにあり得る。移動局6の種々の運転状態間の移行を示す例示的状態図が図17に示される。アクセス状態902において、移動局6は接続プローブを送り、基地局4によるチャンネル割り当てを待つ。チャンネル割り当てはパワー制御チャンネルおよび周波数割り当てのような資源の割り当てを含む。もし移動局6が呼出され、やがて来るデータ伝送に変えられるなら、あるいはもし移動局6が逆方向リンクにデータを伝送するなら、移動局6はアクセス状態902から接続状態904へ移行できる。接続状態904において、移動局6はデータを交換(例えば送信または受信)し、ハンドオフ運転を実行する。リリース手順の完了で、移動局6は接続状態904から遊び状態906へ移行する。移動局6はまた、基地局4との接続を拒絶されると、アクセス状態902から遊び状態906へ移行できる。遊び状態906において、移動局6は受信しおよび順方向制御チャンネルのメッセージを解読することによりオーバヘッドおよびページングメッセージを聞き、遊びハンドオフ手順を実行する。移動局6は手順を開始することによりアクセス状態902へ移行できる。図17に示された状態図は説明のため示された例示的状態定義のみである。他の状態図がまた利用され得、本発明の範囲内である。
【0051】
(2)順方向リンクデータ伝送
例示的実施例において、移動局6および基地局4間の通信の開始はCDMAシステムのためのそれと似た方法で起る。呼び設定の完成の後、移動局6はページングメッセージの制御チャンネルを監視する。接続状態にある間、移動局6は逆方向リンクにパイロット信号の伝送を始める。
【0052】
本発明の順方向リンク高レートデータ伝送の例示的流れ図が図12に示される。もし基地局4が移動局6へ伝送するデータを有するなら、基地局4はブロック502で制御チャンネルに移動局6へアドレスされたページングメッセージを送る。ページングメッセージは移動局6のハンドオフ状態に依存して1つまたは多数の基地局4から送られ得る。ページングメッセージの受信で、移動局6はブロック504によりC/I測定プロセスを始める。順方向リンク信号のC/Iは以下に記述される方法の1つまたは組合せから計算される。移動局6はそれから、最良のC/I測定に基づいた要求されたデータレートを選択し、ブロック506でDRCチャンネルにDRCメッセージを伝送する。
【0053】
同じタイムスロット内で、基地局4はブロック508によりDRCメッセージを受信する。もし次のタイムスロットがデータ伝送のために利用可能なら、基地局4はブロック510により要求されたデータレートで移動局6へデータを伝送する。移動局6はブロック512でデータ伝送を受信する。もし次のタイムスロットが利用可能であるなら、基地局4はブロック514でパケットの残りを伝送し、移動局6はブロック516でデータ伝送を受信する。
【0054】
本発明において、移動局6は1つまたはそれ以上の基地局4と同時に通信し得る。行動は移動局6がソフトハンドオフにあるかないかに依存された移動局6により取られる。これらの2つの場合は以下に別々に議論される。
【0055】
(3)ハンドオフのない場合
ハンドオフのない場合に、移動局6は1つの基地局4と通信する。図2を参照すると、特定の移動局6のために予定されたデータは、その移動局6との通信を制御するために割り当てられた選択器要素14に供給される。選択器要素14は基地局4内のデータ待ち行列40にそのデータを転送する。基地局4はデータを待ち行列にし、制御チャンネルにページングメッセージを伝送する。基地局4はそれから、移動局6からのDRCメッセージのため逆方向リンクDRCチャンネルを監視する。もしDRCチャンネルで信号が検出されなかったなら、基地局4はDRCメッセージが検出されるまでページングメッセージを再伝送できる。再伝送試みの予定回数の後に、基地局4は移動局6を呼ぶプロセスまたは再開始を終了できる。
【0056】
例示的実施例において、移動局6はDRCチャンネルで基地局4に要求されたデータレートをDRCメッセージの形で伝送する。代わりの実施例において、移動局6は順方向リンクチャンネルの質の表示(例えばC/I測定)を基地局4へ伝送する。例示的実施例において、3ビットDRCメッセージが基地局4によりソフト決定で解読される。例示的実施例において、DRCメッセージは各タイムスロットの始めの半分以内に伝送される。もしそのタイムスロットがこの移動局6へデータ伝送するために利用可能であるなら、基地局4はそれから、DRCメッセージを解読するためタイムスロットの残りの半分を有し、次の引き続くタイムスロットでデータ伝送のためのハードウエアを形作る。もし次の引き続くタイムスロットが利用可能でないなら、基地局4は次の利用可能なタイムスロットを待ち、新しいDRCメッセージのためDRCチャンネルを監視することを続ける。
【0057】
第1の実施例において、基地局4は要求されたデータレートで伝送する。この実施例はデータレート選択の重要な決定を移動局6に相談する。常に要求されたデータレートで伝送することは、移動局6が期待するデータレートを知る利点を有する。かくして、移動局6は要求されたデータレートに従ってトラヒックチャンネルを復調および解読のみをする。基地局4は、データレートが基地局4により使用されていることを表示するメッセージを移動局6へ伝送しなくてはならないことはない。
【0058】
第1の実施例において、ページングメッセージの受信の後、移動局6は要求されたデータレートでデータを復調することを連続的に試みる。移動局6は順方向トラヒックチャンネルを復調し、デコーダにソフト決定記号を供給する。デコーダは記号を解読し、パケットが正確に受信されたか否かを決定するため、解読されたパケットのフレームチェックを実行する。もしパケットが誤って受信されたか、もしパケットが他の移動局6へ向けられたなら、フレームチェックはパケット誤りを表示するであろう。第1の実施例の代わりに、移動局6はスロット基準によりスロットのデータを復調する。例示的実施例において、移動局6は、以下に記述されるように、各伝送されたデータパケット内に組込まれたプリアンブルに基づいてデータ伝送がそれに向けられたか否かを決定することができる。かくして、もし伝送が他の移動局6へ向けられることが決定されたなら、移動局6は解読プロセスを終了できる。何れの場合においても、移動局6はデータユニットの不正確な受信を認めるため、基地局4へ否定応答(NACK)メッセージを伝送する。NACKメッセージの受信で、誤って受信されたデータユニットは再伝送される。
【0059】
NACKメッセージの伝送はCDMAシステムにおいて誤り表示ビット(EIB)の伝送に似た方法で実施され得る。EIB伝送の実施および使用は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“伝送のためのデータの形式化の方法および装置”と題するU. S.特許No.5,568,483に記述される。代わりに、NACKがメッセージと共に伝送され得る。
【0060】
第2の実施例において、データレートは移動局6からの入力で基地局4により決定される。移動局6はC/I測定を実行し、リンク質の表示(例えばC/I測定)を基地局4へ伝送する。基地局4は、待ち行列サイズおよび利用可能な伝送パワーのような、基地局4に利用可能な資源に基づいて要求されたデータレートを調節できる。調節されたデータレートは、調節されたデータレートでのデータ伝送に先立って、あるいは同時に移動局6へ伝送され得、またはデータパケットの符号化に暗に含まれ得る。移動局6がデータ伝送の前に調節されたデータレートを受信する第1の場合において、移動局6は第1の実施例において記述された方法で受信されたパケットを復調しかつ解読する。調節されたデータレートがデータ伝送と同時に移動局6へ伝送される第2の場合において、移動局6は順方向トラヒックチャンネルを復調し、復調されたデータを記憶する。調節されたデータレートの受信で、移動局6は調節されたデータレートに従ってデータを解読する。そして調節されたデータレートが符号化されたデータパケットに暗に含まれる第3の場合において、移動局6は全ての候補レートを復調および解読し、解読されたデータの選択のため伝送レートを帰納的に決定する。レート決定を行なう方法および装置は、共に本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1996年10月18日申請の“可変レート通信システムにおける受信データのレートを決定する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/730,863、およびまた 年 月 日申請の“可変レート通信システムにおける受信データのレートを決定する方法および装置”と題する特許申込みNo.PA436に詳細に記述される。上に記述された全ての場合について、もしフレームチェックの結果が否定であるなら、移動局6は上述されたようにNACKメッセージを伝送する。
【0061】
以後の議論は、さもなければ表示されるときを除いて、移動局6が要求されたデータレートのDRCメッセージ表示を基地局4へ伝送する第1の実施例に基づいている。しかし、ここに開示された発明の概念は移動局6がリンク質の表示を基地局4へ伝送する第2の実施例に等しく適用可能である。
【0062】
(4)ハンドオフの場合
ハンドオフの場合に、移動局6は逆方向リンクで多数の基地局4と通信する。例示的実施例において、特定の移動局6への順方向リンクのデータ伝送は1つの基地局4から起る。しかし、移動局6は多数の基地局4からのパイロット信号を同時に受信する。もし基地局4のC/I測定が予定の閾値以上なら、基地局4は移動局6の活動的な組に加えられる。ソフトハンドオフ指示メッセージ中、新しい基地局4は以下に記述される逆方向パワー制御(RPC) ウォルシュチャンネルへ移動局6を割り当てる。移動局6とソフトハンドオフにある各基地局4は逆方向リンク伝送を監視し、それらのそれぞれのRPCウォルシュチャンネルにRPCビットを送る。
【0063】
図2を参照すると、移動局6との通信を制御するために割り当てられた選択器要素14は移動局6の活動的な組にある全ての基地局4へデータを転送する。選択器要素14からデータを受信する全ての基地局4はそれらのそれぞれの制御チャンネルで移動局6へページングメッセージを伝送する。移動局6が制御状態にあるとき、移動局6は2つの機能を実行する。第1に、移動局6は最良のC/I測定であり得るパラメタの組に基づいて最良の基地局4を選択する。移動局6はそれからC/I測定に対応しているデータレートを選択し、選択された基地局4へDRCメッセージを伝送する。移動局6はその特定の基地局4へ割り当てられたウォルシュカバーでDRCメッセージをカバーすることにより、特定の基地局4へDRCメッセージを直接伝送できる。第2に、移動局6は各次のタイムスロットで要求されたデータレートに従って順方向リンク信号を復調することを試みる。
【0064】
ページングメッセージの伝送後、活動的な組にある全ての基地局4は移動局6からのDRCメッセージのためDRCチャンネルを監視する。再び、DRCメッセージがウォルシュコードでカバーされるので、同一のウォルシュカバーで割り当てられた選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができる。DRCメッセージの受信で、選択された基地局4は次の利用可能なタイムスロットで移動局6へデータを伝送する。
【0065】
例示的実施例において、基地局4は要求されたデータレートで複数のデータユニットを含んでいるパケットのデータを移動局6へ伝送する。もしデータユニットが移動局6により不正確に受信されたなら、NACKメッセージが活動的な組にある全ての基地局4へ逆方向リンクで伝送される。例示的実施例において、NACKメッセージが基地局4により復調されかつ復号化され、処理のため選択器要素14に転送される。NACKメッセージで、データユニットは上に記述されたような手順を使用して再伝送される。例示的実施例において、選択器要素14は全ての基地局4から受信されたNACK信号を1つのNACKメッセージに結合し、NACKメッセージを活動的な組の全ての基地局4へ送る。
【0066】
例示的実施例において、移動局6は最良のC/I測定における変化を検出でき、効率を改善するため各タイムスロットで異なる基地局4からデータ伝送を動的に要求する。例示的実施例において、データ伝送は任意の与えられたタイムスロットで1つの基地局4のみから起るので、活動的な組の他の基地局4は、たとえあったとしてもデータユニットが移動局6へ伝送されたことに気づかないかもしれない。例示的実施例において、伝送している基地局4はデータ伝送を選択器要素14に報告する。選択器要素14はそれから活動的な組の全ての基地局4へメッセージを送る。例示的実施例において、伝送されたデータは移動局6により正確に受信されたと仮定する。それ故、もし移動局6活動的な組の異なる基地局4からのデータ伝送を要求するなら、新しい基地局4は残っているデータユニットを伝送する。例示的実施例において、新しい基地局4は選択器要素14からの最後の伝送更新に従って伝送する。代わりに、新しい基地局4は、平均伝送レートおよび選択器要素14からの先の更新のような尺度に基づいた予言的な体系を使用して伝送するため次のデータユニットを選択する。これらの機構は、効率の損失をもたらす、異なるタイムスロットで多数の基地局4により同じデータユニットの繰返しの再伝送を最小限にする。もし前の伝送が誤りで受信されたなら、各データユニットが以下に記述されるように1つしかないシーケンス数字により識別されるので、基地局4はこれらのデータユニットをシーケンス外で再伝送することができる。例示的実施例において、もしホール(即ち伝送されなかったデータユニット)が作られる(例えば、1つの基地局4と他の基地局4との間のハンドオフの結果として)なら、捕らえ損ねたデータユニットは誤って受信されたかのように考慮される。移動局6は捕らえ損ねたデータユニットに対応しているNACKメッセージを伝送し、これらのデータユニットは再伝送される。
【0067】
例示的実施例において、活動的な組にある各基地局4は移動局6へ伝送されるべきデータを含む独立なデータ待ち行列を維持する。選択された基地局4は、誤って受信されたデータユニットの再伝送のためおよび信号で知らせるメッセージを除いて、そのデータ待ち行列40に存在しているデータをシーケンス順序に伝送する。例示的実施例において、伝送されたデータユニットは伝送後待ち行列40から削除される。
【0068】
(5)順方向リンクデータ伝送の他の考慮
本発明のデータ通信システムにおいて重要な考慮すべき問題は、将来の伝送のデータレートを選択するためのC/I算定の精度である。例示的実施例において、C/I測定は、基地局4がパイロット信号を伝送する時間間隔中パイロット信号で実行される。例示的実施例において、このパイロット時間間隔中、パイロット信号のみが伝送されるので、多重経路および干渉の影響が最小である。
【0069】
パイロット信号がIS-95システムのそれに似て、直交コードチャンネル上に連続的に伝送される本発明の他の手段において、多重経路および干渉の影響はC/I測定を歪め得る。同様に、パイロット信号の代わりにデータ伝送でC/I測定を実行するとき、多重経路および干渉はまたC/I測定を降下させ得る。これらの場合の両方で、1つの基地局4が1つの移動局6へ伝送しているとき、他の干渉信号が存在しないので、移動局6は順方向リンク信号のC/Iを正確に測定することができる。しかし、移動局6がソフトハンドオフにありかつ多数の基地局4からパイロット信号を受信するとき、移動局6は基地局4がデータを伝送していたかどうか識別することができない。最も悪い場合のシナリオにおいて、基地局4が任意の移動局6へデータを伝送していなかったときに、移動局6が第1のタイムスロットで高いC/Iを測定でき、全ての基地局4が同じタイムスロットでデータを伝送しているとき、第2のタイムスロットでデータ伝送を受信する。全ての基地局4が遊びにあるとき、データ通信システムの状態が変わったので、第1タイムスロットでのC/I測定は第2タイムスロットにおける順方向リンク信号質の誤った表示を与える。実際に、第2タイムスロットでの実際のC/Iは、要求されたデータレートで解読する信頼性が不可能である点で降下され得る。
【0070】
反対に極端なシナリオは移動局6によるC/I算定が最大限の干渉に基づかされるときに存在する。しかし実際の伝送は選択された基地局のみが伝送しているときに起る。この場合C/I算定および選択されたデータレートは控え目であり、伝送は信頼して解読され得るレートより低いレートで起こり、かくして伝送効率を減少する。
【0071】
C/I測定が連続パイロット信号またはトラヒック信号で実行される手段において、第1タイムスロットでのC/Iの測定に基づいた第2タイムスロットでのC/Iの予言は3つの実施例によりさらに正確に作られ得る。第1の実施例において、基地局4からのデータ伝送は、基地局4が連続するタイムスロットにおいて伝送および遊び状態間で絶え間なくトグルしないように制御される。これは移動局6への実際のデータ伝送の前に十分なデータ(例えば情報ビットの予定数)を待ち行列することにより達成され得る。
【0072】
第2の実施例において、各基地局4は、伝送が次の半フレームで起るか否かを表示する順方向活動ビット(以後FACビットとして引用する)を伝送する。FACビットの使用は以下に詳細に記述される。移動局6は各基地局4から受信されたFACビットを考慮してC/I測定を実行する。
【0073】
リンク質の表示が基地局4へ伝送される体系に対応し、かつ中央化されたスケジュール体系を使用する第3の実施例において、1つの基地局4が各タイムスロットでデータを伝送したスケジュール情報表示がチャンネルスケジューラ48に利用可能に作られる。チャンネルスケジューラ48は移動局6からC/I測定を受信し、データ通信システムにおける各基地局4からのデータ伝送の存在または不在のその知識に基づいてC/I測定を調節できる。例えば、移動局6は隣接しない基地局4が伝送しているとき、第1タイムスロットでC/Iを測定できる。測定されたC/Iはチャンネルスケジューラ48に供給される。チャンネルスケジューラ48により何もスケジュールされなかったので、チャンネルスケジューラ48は、隣接しない基地局4が第1タイムスロットにデータを伝送したことを知る。第2タイムスロットでのスケジュールデータ伝送において、チャンネルスケジューラ48は1つまたはそれ以上の隣接基地局4がデータを伝送するかどうかを知る。チャンネルスケジューラ48は、移動局6が隣接基地局4によるデータ伝送により第2のタイムスロットで受けるであろう付加的な干渉を考慮して第1タイムスロットで測定されたC/Iを調節することができる。代わりに、隣接基地局4伝送しておりかつこれらの隣接基地局4が第2タイムスロットで伝送していないとき、もしC/Iが第1タイムスロットで測定されるなら、チャンネルスケジューラ48は付加的な情報を考慮してC/I測定を調節できる。
【0074】
他の重要な考慮すべき問題は重複した再伝送を最少化することである。重複した再伝送は、移動局6が連続したタイムスロットで異なる基地局4からのデータ伝送を選択することを許容することからもたらされ得る。もし移動局6がこれらの基地局4のために略等しいC/Iを測定するなら、最良のC/I測定は連続したタイムスロットに亘って2つまたはそれ以上の基地局4間でトグルできる。トグルすることはC/I測定における逸脱および/またはチャンネル状態における変化によりあり得る。連続したタイムスロットで異なる基地局4からのデータ伝送は効率に損失をもたらし得る。
【0075】
トグル問題はヒステリシスの使用により処理され得る。ヒステリシスは信号レベル体系、タイミング体系、または信号レベルとタイミング体系との組合せで実施され得る。例示的信号レベル体系において、活動的な組にある異なる基地局4のより良いC/I測定は、それが少なくともヒステリシス量により現に伝送している基地局4のC/I測定を超えるまで選択されない。例として、ヒステリシスが1.0dB、第1タイムスロットで第1基地局4のC/I測定が3.5dBおよび第2基地局4のC/I測定が3.0dBであると仮定する。次のタイムスロットで、第2基地局4はそのC/I測定が第1基地局4のそれより少なくとも1.0dB高くなるまで選択されない。かくして、もし第1基地局4のC/I測定が次のタイムスロットでまだ3.5dBであるなら、第2基地局4はそのC/I測定が少なくとも4.5dBになるまで選択されない。
【0076】
例示的タイミング体系において、基地局4はタイムスロットの予定の数について移動局6へデータパケットを伝送する。移動局6は異なった伝送している基地局4をタイムスロットの予定の数内で選択することを許されない。移動局6は各タイムスロットで現に伝送している基地局4のC/Iを測定し続け、C/I測定に応答してデータレートを選択する。
【0077】
もう1つの重要な考慮すべき問題はデータ伝送の効率である。図9および10を参照すると、各データパケットフォーマット410および430がデータおよびオーバヘッドビットを含む。例示的実施例において、オーバヘッドビットの数は全てのデータレートのために固定される。最高のデータレートで、オーバヘッドのパーセントはパケットサイズに関して小さく、効率が高い。より低いデータレートで、オーバヘッドビットパケットのより大きなパーセントを含み得る。より低いデータレートでの非効率は移動局6へ伝送している可変長データパケットにより改善され得る。可変長データパケットは区切られ、多数のタイムスロットに亘って移動局6へ伝送され得る。好ましくは、可変長データパケットは、処理を簡単にするため連続したタイムスロットに亘って移動局6へ伝送される。本発明は全体の伝送効率を改善するため、種々の支持されたデータレートについて可変パケットサイズの使用に向けられる。
【0078】
(6)順方向リンクアーキテクチュア
例示的実施例において、基地局4は、基地局4に利用可能な最大パワーで、かつ任意の与えられたスロットで単一の移動局6へデータ通信システムにより支持された最大データレートで伝送する。支持され得る最大データレートは動的であり、移動局6により測定されたような順方向リンク信号のC/Iに依存する。好ましくは、基地局4は任意の与えられたタイムスロットでただ1つの移動局6へ伝送する。
【0079】
データ伝送を容易にするため、順方向リンクは4つの時間多重化されたチャンネル、パイロットチャンネル、パワー制御チャンネル、制御チャンネル、およびトラヒックチャンネルを含む。これらのチャンネルの各々の機能と手段は以下に記述される。例示的実施例において、トラヒックおよびパワー制御チャンネルは各々幾らかの直交的に拡散されたウォルシュチャンネルを含む。本発明において、トラヒックチャンネルは移動局6へトラヒックデータおよびページングメッセージを伝送するために使用される。ページングメッセージを伝送するために使用されるとき、トラヒックチャンネルはまたこの明細書において制御チャンネルとして引用される。
【0080】
例示的実施例において、順方向リンクの帯域幅は1.2288MHzに選択される。この帯域幅はIS-95標準に順応するCDMAシステムのために設計される現存しているハードウエア構成要素を使用することを許容する。しかし、本発明のデータ通信システムは容量を改善するためおよび/またはシステム要求に順応するために異なる帯域幅で使用のため採用され得る。例えば、5 MHz帯域幅が容量を増すために利用され得る。さらに、順方向リンクおよび逆方向リンクの帯域幅が需要でリンク容量をより密集して釣り合わせるために異なる(例えば、順方向リンクの帯域幅5 MHzおよび逆方向リンクの帯域幅1.2288MHz)ようにできる。
【0081】
例示的実施例において、短いPNIおよびPNQコードはIS-95標準により特定された同じ長さ215PNコードである。1.2288MHzチップレートで、短いPNシーケンスは26.67msec毎に繰り返す{26.67msec=215/1.2288x106}。例示的実施例において、同じ短いPNコードがデータ通信システム内の全ての基地局4により使用される。しかし、各基地局4は基本的な短いPN系列の1つしかないオフセットにより識別される。例示的実施例において、オフセットは64チップの増分内にある。他の帯域幅およびPNコードが利用され得、本発明の範囲内である。
【0082】
(7)順方向リンクトラヒックチャンネル
本発明の例示的順方向リンクアーキテクチュアのブロック図が図3に示される。データはデータパケットに分割され、CRCエンコーダ112に供給される。各データパケットのため、CRCエンコーダ112はフレームチェックビット(例えばCRCパリティビット)を発生し、コード末尾ビットを挿入する。CRCエンコーダ112からの形式化されたパケットはデータ、フレームチェックおよびコード末尾ビット、および以下に記述される他のオーバヘッドビットを含む。形式化されたパケットはエンコーダ114に供給され、例示的実施例において、それは前述されたU.S.特許出願No.08/743,688に記述された符号化フォーマットにしたがってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットも使用され得、本発明の範囲内である。エンコーダ114からの符号化されたパケットはパケット内でコード記号を再順序するインターリーバ116へ供給される。インターリーブされたパケットは以下に記述された方法でパケットの少数部を除去するフレームパンクチャ要素118に供給される。パンクチャされたパケットはスクランブラ122からのスクランブルシーケンスでデータをスクランブルする乗算器120に供給される。パンクチャ要素118およびスクランブラ122は以下に詳細に記述される。乗算器120からの出力はスクランブルされたパケットを含む。
【0083】
スクランブルされたパケットは、パケットをK並列同相および直角チャンネルにデマルチプレックスする可変レート制御器130に供給され、ここにKはデータレートに依存する。例示的実施例において、スクランブルされたパケットは、始めに同相(I)および直角(Q)のストリームにデマルチプレックスされる。例示的実施例において、Iストリームは偶数の索引付き記号を含み、Qストリームは奇数の索引付き記号を含む。各ストリームはさらに、各チャンネルの記号率が全てのデータレートについて固定されるようにK並列チャンネルにデマルチプレックスされる。各ストリームれのKチャンネルは直行チャンネルを提供するためウォルシュ機能で各チャンネルをカバーするウォルシュカバー要素132へ供給される。直行チャンネルデータは、全てのデータレートについて一定のチップごと全体エネルギー(およびそれ故一定出力パワー)を維持するためにデータをスケール合わせする利得要素134へ供給される。利得要素134からのスケール合わせされたデータはプリアンブルでデータを多重化するマルチプレクサ(MUX)160へ供給される。プリアンブルは以下に詳細に記述される。MUX160からの出力はトラヒックデータ、パワー制御ビット、およびパイロットデータを多重化するマルチプレクサ(MUX)162へ供給される。MUX162の出力はIウォルシュチャンネルおよびQウォルシュチャンネルを含む。
【0084】
データを変調するために使用される例示的変調器のブロック図が図4に示される。IウォルシュチャンネルおよびQウォルシュチャンネルはそれぞれ合計器212aおよび212bへ供給され、それはそれぞれIsumおよびQsumを提供するためKウォルシュチャンネルを合計する。IsumおよびQsum信号は複素数乗算器214へ供給される。複素数乗算器214はまた、それぞれ乗算器236aおよび236bからのPN−IおよびPN−Q信号を受け、以下の数式にしたがって2つの複素数入力を乗算する:
【数2】
【0085】
ここに、ImultおよびQmultは複素数乗算器214からの出力であり、jは複素数表示である。ImultおよびQmult信号はそれぞれ信号を濾波するフィルタ216aおよび216bへ供給される。フィルタ216aおよび216bからの濾波された信号はそれぞれ乗算器218aおよび218bへ供給され、それはそれぞれ同相正弦COS(wct)および直角正弦SIN(wct)で信号を乗算する。I変調およびQ変調された信号は順方向の変調された波形S(t)を提供するため信号を合計する合計器220へ供給される。
【0086】
例示的実施例において、データパケットは長いPNコードおよび短いPNコードで拡散される。長いPNコードは、パケットが定められた移動局6のみがパケットをデスクランブルできるようにパケットをスクランブルする。例示的実施例において、パイロットおよびパワー制御ビットおよび制御チャンネルパケットは、全ての移動局6がこれらのビットを受信することを許されるように長いPNコードではなく短いPNコードで拡散される。長いPNシーケンスは長いコード発生器232により発生され、マルチプレクサ(MUX)234へ供給される。長いPNマスクは長いPNシーケンスのオフセットを決定し、行き先移動局6へ1つしかなく割り当てられる。MUX234からの出力は伝送のデータ部分およびさもなくばゼロ(例えばパイロットおよびパワー制御部分の間中)の間中長いPNシーケンスである。MUX234からゲートされた長いPNシーケンスおよび短いコード発生器238からの短いPNIおよびPNQシーケンスはそれぞれ乗算器236aおよび236bへ供給され、それはそれぞれPN−IおよびPN−Qを形成するため2組の系列を乗算する。PN−IおよびPN−Q信号は複素数乗算器214へ供給される。
【0087】
図3および4に示された例示的トラヒックチャンネルのブロック図は順方向リンクのデータ符号化および変調を支持する多数のアーキテクチュアの1つである。IS-95標準に適合するCDMAシステムにおける順方向リンクトラヒックチャンネルのアーキテクチュアのような他のアーキテクチュアがまた利用され得、本発明の範囲内である。
【0088】
例示的実施例において、基地局4により支持されるデータレートが決定され、各支持されたデータレートが1つしかないレート索引に割り当てられる。移動局6はC/I測定に基づいた支持されたデータレートの1つを選択する。要求されたデータレートが、要求されたデータレートでデータを伝送するため、その基地局4へ向けるため基地局4へ送られることが必要であるので、支持されたデータレートの数と要求されたデータレートを確認するために必要とされるビットの数との間でトレイドオフが作られる。例示的実施例において、支持されたデータレートの数は7であり、3ビットレート索引が要求されたデータレートを確認するために使用される。支持されたデータレートの例示的定義が表1に示される。支持されたデータレートの異なった定義が熟考され得、本発明の範囲内である。
【0089】
例示的実施例において、最小のデータレートは38.4Kbpsであり、最大データレートは2. 4576Mbpsである。最小データレートは、システムにおけるより悪い場合のC/I測定、システムの処理利得、誤り訂正コードの設計、および性能の所望のレベルに基づいて選定される。例示的実施例において、支持されるデータレートは、連続した支持されたデータレート間の差が3dBであるように選ばれる。3dB増分は移動局6により達成され得るC/I測定の精度、C/I測定に基づいたデータレートの量子化からもたらされる損失(または非効率)、および移動局6から基地局4へ要求されたデータレートを伝送するために必要なビットの数(またはビットレート)を含む複数の要因間の妥協である。より大きな支持されたデータレートは要求されたデータレートを確認するためにより多くのビットを要求するが、計算された最大データレートと支持されたデータレートとの間のより小さな量子化誤差のため、順方向リンクのより効率的な使用を許容する。本発明は支持されたデータレートの任意の数および表1にリストされたデータより他のデータレートの使用に向けられる。
【0090】
トラヒックチャンネルパラメタ、注:16−QAM変調
【表1】
【0091】
本発明の例示的順方向リンクフレーム構造の図が図5に示される。トラヒックチャンネル伝送はフレーム内で区切られ、例示的実施例において、それは短いPNシーケンスの長さと同じ、あるいは26.67msecに定義される。各フレームは全ての移動局6へアドレスされた制御チャンネル情報(制御チャンネルフレーム)、特定の移動局6へアドレスされたトラヒックデータ(トラヒックフレーム)を伴うことができ、または空(遊びフレーム)であり得る。各フレームの内容は伝送している基地局4により実行されるスケジュールにより決定される。例示的実施例において、各フレームは16タイムスロットを含み、各タイムスロットは1.667msecの持続を有する。1.667msecのタイムスロットは順方向リンク信号のC/I測定を実行するために移動局6を可能にするに十分である。1.667msecのタイムスロットはまた効率的なパケットデータ伝送のために十分な時間の量を表わす。例示的実施例において、各タイムスロットはさらに4つのクォータスロットに分割される。
【0092】
本発明において、各データパケットは表1に示された1つまたはそれ以上のタイムスロットに亘って伝送される。例示的実施例において、各順方向リンクデータパケットは1024または2048ビットを含む。かくして、各データパケットを伝送するために要求されるタイムスロットの数は、38.4Kbpsレートの16タイムスロットから1.2288Mbpsレートおよびより高い1タイムスロットのデータレートおよび範囲に依存する。
【0093】
本発明の順方向リンクスロット構造の例示的図が図6に示される。例示的実施例において、各スロットは4つの時間多重化されたチャンネル、トラヒックチャンネル、制御チャンネル、パイロットチャンネル、およびパワー制御チャンネルの3つを含む。例示的実施例において、パイロットおよびパワー制御チャンネルは、各タイムスロットにおいて同じ位置に配置された2つのパイロットおよびパワー制御バースト内で伝送される。パイロットおよびパワー制御バーストは以下に詳細に記述される。
【0094】
例示的実施例において、インターリーバ116からのインターリーブされたパケットはパイロットおよびパワー制御バーストに従ってパンクチャされる。例示的実施例において、各インターリーブされたパケットは4096コード記号を含み、図8に示されたように最初の512コード記号がパンクチャされる。残りのコード記号はトラヒックチャンネル伝送間隔に時間に対し一列にスキューされる。
【0095】
パンクチャされたコード記号は直交ウォルシュカバーを適用する前にデータをランダム化するためにスクランブルされる。ランダム化することは変調された波形S(t)のピークから平均エンベロープを制限する。スクランブルシーケンスは、技術において知られた方法の内、直線帰還シフトレジスタで発生され得る。例示的実施例において、スクランブラ122は各スロットの開始にLC状態で負荷される。例示的実施例において、スクランブラ122のクロックはインターリーバ116のクロックと同期しているが、パイロットおよびパワー制御バースト中停止される。
【0096】
例示的実施例において、順方向ウォルシュチャンネル(トラヒックチャンネルおよびパワー制御チャンネルについて)は1.2288Mbpsの固定チップレートで16ビットウォルシュカバーにより直交的に拡散される。同相および直角信号ごとの並行直交チャンネルKの数は、表1に示されたようにデータレートの関数である。例示的実施例において、低いデータレートのため、同相および直角ウォルシュカバーは、復調器位相推定誤差に対する混信を最小限にするため直交設定されるように選ばれる。例えば、16ウォルシュチャンネルについて、例示的ウォルシュ割り当ては同相信号のためにW0からW7および直角信号のためにW8からW15である。
【0097】
例示的実施例において、QPSK変調が1.2288Mbpsおよびより低いデータレートのために使用される。QPSK変調のため、各ウォルシュチャンネルは1ビットを含む。例示的実施例において、2.4576Mbpsの最高のデータレートにおいて、16QAMが使用され、スクランブルされたデータは各2ビット幅である32並行ストリーム、同相信号について16並行ストリームおよび直角信号について16並行ストリームにデマルチプレックスされる。例示的実施例において、各2ビット記号のLSBはインターリーバ116から出力されたより早い記号である。例示的実施例において、(0,1,3,2)のQAM変調入力はそれぞれ(+3,+1,−1,−3)の変調値にマップする。m−アレイ位相シフトキーイングPSKのような他の変調体系の使用が熟考され、本発明の範囲内である。
【0098】
同相および直角ウォルシュチャンネルは、データレートに依存しない一定全体伝送パワーを維持するために変調の前にスケール合わせされる。利得設定は変調されないBPSKに等価な単一参照に正規化される。ウォルシュチャンネル(またはデータレート)の数の関数として正規化されたチャンネル利得Gは表2に示される。全体正規化パワーが単一に等しいようなウォルシュチャンネルごとの平均パワー(同相または直交)も表2にリストされる。16-QAMのチャンネル利得は、ウォルシュチップごとの正規化されたエネルギーがQPSKについて1および16-QAMについて5であるという事実を説明することに注意を要す。
【0099】
トラヒックチャンネル直交チャンネル利得
【表2】
【0100】
本発明において、プリアンブルは各可変レート伝送の最初のスロットと同期して移動局6を援助するため各トラヒックフレームにパンクチャされる。例示的実施例において、プリアンブルは全てゼロシーケンスであり、それはトラヒックフレームについては長いPNコードで拡散されるが、制御チャンネルフレームについては長いPNコードで拡散されない。例示的実施例において、プリアンブルはウォルシュカバーW1で直交的に拡散された変調されないBPSKである。信号直交チャンネルの使用はピーク対平均エンベロープを最小化する。また、ゼロでないウォルシュカバーW1の使用は間違ったパイロット検出を最少化し、なぜならトラヒックフレームについて、パイロットがウォルシュカバーW0で拡散され、パイロットとプリアンブルが長いPNコードで拡散されないからである。
【0101】
プリアンブルは、データレートの関数である持続のためパケットの開始でトラヒックチャンネルストリームに多重化される。プリアンブルの長さは、間違い検出の可能性を最小にする間、プリアンブルオーバヘッドが全てのデータレートについて略一定であるようにする。プリアンブルの合計はデータレートの関数として表3に示される。プリアンブルがデータパケットの3.1パーセントまたはそれ以下を含むことに注意を要す。
【0102】
プリアンブルパラメタ
【表3】
【0103】
(8)順方向リンクトラヒックフレームフォーマット
例示的実施例において、各データパケットはフレームチェックビット、コード末尾ビット、および他の制御フィールドの付加により形式化される。この明細書において、オクテットは8情報ビットとして定義され、データユニットは単一オクテットでありかつ8情報ビットを含む。
【0104】
例示的実施例において、順方向リンクは図9および10に示された2つのデータパケットフォーマットを支持する。パケットフォーマット410は5つのフィールドを含み、パケットフォーマット430は9つのフィールドを含む。パケットフォーマット410は、移動局6に伝送されるべきデータパケットがDATAフィールド418において全て利用可能なオクテットで完全に満たすため十分なデータを含むとき使用される。もし伝送されるべきデータの量がDATAフィールド418において利用可能なオクテットよりも少ないなら、データパケット430が使用される。使用されないオクテットは全てゼロで詰められ、PADDINGフィールド446として示される。
【0105】
例示的実施例において、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールド412および432は、予定の発生器多項式にしたがってCRC発生器112(図3参照)により発生されたCRCパリティビットを含む。例示的実施例において、CRC多項式はg(x)=x16+x12+x5+1であるが、他の多項式が使用され得、本発明の範囲内である。例示的実施例において、CRCビットはFMT、SEQ、LEN、DATA、およびPADDINGフィールドに関して計算される。これは順方向リンクのトラヒックチャンネル上を伝送されたTAILフィールド420および448におけるコード末尾ビットを除いて全てのビットについて誤り検出を提供する。代わりの実施例において、CRCビットはDATAフィールドにのみ計算される。例示的実施例において、FCSフィールド412および432は16のCRCパリティビットを含むが、異なる数のパリティビットを提供する他のCRC発生器が使用され得、本発明の範囲内である。本発明のFCSフィールド412および432はCRCパリティビットに関連して記述されたが、他のフレームチェックシーケンスが使用され得、本発明の範囲内である。例えば、チェック合計はパケットのために計算され、FCSフィールドに供給され得る。
【0106】
例示的実施例において、フレームフォーマット(FMT)フィールド414および434は、データフレームがデータオクテット(パケットフォーマット410)のみ、またはデータおよびパッディングおよびゼロあるいはそれ以上のメッセージ(パケットフォーマット430)を含むかを示す1つの制御ビットをふくむ。例示的実施例において、FMTフィールド414の低い値はパケットフォーマット410に対応する。代わりに、FMTフィールド434の高い値はパケットフォーマット430に対応する。
【0107】
シーケンス数(SEQ)フィールド416および442はそれぞれデータフィールド418および444の最初のデータユニットを識別する。シーケンス数はデータがシーケンスの外で移動局6へ伝送されること、例えば誤りで受信されたパケットの再伝送を許容する。データユニットレベルにおけるシーケンス数の割り当ては再伝送のフレーム断片化プロトコルの必要を除去する。シーケンス数はまた移動局6が複製データユニットを検出することを許容する。FMT、SEQおよびLENの受信で、移動局6は、データユニットが特別な信号メッセージの使用なく各タイムスロットで受信されたことを決定することができる。シーケンス数を表わすために割り当てられたビットの数は、1つのタイムスロットおよびより悪い場合データ再伝送遅れで伝送され得るデータユニットの最大数に依存する。例示的実施例において、各データユニットは24ビットシーケンス数により識別される。2.4576Mbpsデータレートにおいて、各スロットで伝送され得るデータユニットの最大数は略256である。データユニットの各々を識別するために8つのビットが要求される。さらに、より悪い場合のデータ再伝送遅れが500msecより小さいことが計算され得る。再伝送遅れは移動局6によるNACKメッセージのため、データの再伝送、およびより悪い場合のバースト誤り実行により起こされる再伝送試みに必要な時間を含む。それ故、24ビットは移動局6が不明瞭さなく受信されたデータユニットを適切に識別することを許容する。SEQフィールド416および442のビット数はDATAフィールド418のサイズおよび再伝送遅れに依存して増減できる。SEQフィールド416および442の異なるビット数の使用は本発明の範囲内である。
【0108】
基地局4がDATAフィールド418の利用可能な空間より少ない移動局6への伝送データを有するとき、パケットフォーマット430が使用される。パケットフォーマット430は基地局4が移動局6へ利用可能なデータユニットの最大数まで、任意の数のデータユニットを伝送することを許容する。例示的実施例において、FMTフィールド434の高い値は基地局4がパケットフォーマット430を伝送していることを示す。パケットフォーマット430内で、LENフィールド440はそのパケットで伝送されているデータユニットの数の値を含む。例示的実施例において、DATAフィールド444が0から255まで配列できるので、LENフィールド440は長さ8ビットである。
【0109】
DATAフィールド418および444は移動局6へ伝送されるべきデータを含む。例示的実施例において、パケットフォーマット410について、各データパケットは992がデータビットである1024ビットを含む。しかし、可変長データパケットが情報ビットの数を増加するために使用され得、本発明の範囲内である。パケットフォーマット430について、DATAフィールド444のサイズがLENフィールド440により決定される。
【0110】
例示的実施例において、パケットフォーマット430はゼロまたはそれ以上の信号メッセージを伝送するために使用され得る。信号長さ(SIG LEN)フィールド436はオクテットで次の信号メッセージの長さを含む。例示的実施例において、SIG LENフィールド436は8ビット長である。SIGNALINGフィールド438は信号メッセージを含む。例示的実施例において、各信号メッセージは、メッセージ識別(MESSAGE ID)フィールド、メッセージ長さ(LEN)フィールド、および以下に記述されるようなメッセージ実行荷重を含む。
【0111】
PADDINGフィールド446はパッディングオクテットを含み、例示的実施例において、それは0x00(hex)に設定される。基地局4がDATAフィールド418において利用可能なオクテットの数より少ない移動局6への伝送データオクテットを有してもよいと言う理由でPADDINGフィールド446は使用される。このオクテットのとき、PADDINGフィールド446は使用されないデータフィールドを満たすために十分なパッディングオクテックを含む。PADDINGフィールド446は可変長であり、DATAフィールド444の長さに依存する。
【0112】
パケットフォーマット410および430の最後のフィールドはそれぞれTAILフィールド420および448である。TAILフィールド420および448は、エンコーダ114(図3参照)を各データパケットの終りで知られた状態に附勢するために使用されるゼロ(0x0)コード末尾ビットを含む。コード末尾ビットは、1つのパケットからのビットのみがコード化プロセスに使用されるように、エンコーダ114がパケットを簡潔に区分することを許容する。コード末尾ビットはまた、移動局6内のデコーダが解読プロセス中パケット境界を決定することを許容する。TAILフィールド420および448のビット数はエンコーダ114の設計に依存する。例示的実施例において、TAILフィールド420および448はエンコーダ114を知られた状態に附勢するに十分長い。
【0113】
上記2つのパケットフォーマットは、データおよび信号メッセージの伝送を容易にするために使用され得る例示的フォーマットである。種々の他のパケットフォーマットが特定の通信システムの使用に合うように創造され得る。また、通信システムは上述された2つのパケットフォーマットよりさらに適応するように設計され得る。
【0114】
(9)順方向リンク制御チャンネルフレーム
本発明において、トラヒックチャンネルがまた基地局4から移動局6へメッセージを伝送するために使用される。伝送されるメッセージの型は:(1)ハンドオフ指示メッセージ、(2)ページングメッセージ(例えば、その移動局6のための待ち行列にデータがある特定の移動局6を呼出すこと)、(3)特定の移動局6のための短いデータパケット、および(4)逆方向リンクデータ伝送(ここに後で記述される)用のACKまたはNACKメッセージを含む。他の型のメッセージがまた制御チャンネル上で伝送され得、本発明の範囲内である。呼び設定段階の完成で、移動局6はページングメッセージのため制御チャンネルを監視し、逆方向リンクパイロット信号の伝送を始める。
【0115】
例示的実施例において、制御チャンネルは図5に示されるように、トラヒックチャンネルにトラヒックデータと時間多重化される。移動局6は、同じく予定のPNコードでカバーされたプリアンブルを検出することにより制御メッセージを識別する。例示的実施例において、制御メッセージは、取得中移動局6により決定された固定レートで伝送される。好ましい実施例において、制御チャンネルのデータレートは76.8Kbpsである。
【0116】
制御チャンネルは制御チャンネルカプセルでメッセージを伝送する。例示的制御チャンネルカプセルの図が図11に示される。例示的実施例において、各カプセルはプリアンブル462、制御実行荷重、およびCRCパリティビット474を含む。制御実行荷重は1つまたはそれ以上のメッセージを含み、もし必要ならパッディングビット472を含む。各メッセージはメッセージ識別(MSG ID)464、メッセージ長さ(LEN)466、選択的アドレス(ADDR)468(例えばもしメッセージが特定の移動局6へ向けられるなら)、およびメッセージ実行荷重470を含む。例示的実施例において、メッセージはオクテット境界に整列される。図11に示された例示的制御チャンネルカプセルは全ての移動局6へ意図された2つの放送メッセージおよび特定の移動局6に向けられた1つのメッセージを含む。MSG IDフィールド464は、メッセージがアドレスフィールドを要求するか否か(例えばそれが放送または特定のメッセージであるか否か)を決定する。
【0117】
(10)順方向リンクパイロットチャンネル
本発明において、順方向リンクパイロットチャンネルは、最初の取得、位相回復、時間回復およびレート結合のため移動局6により使用されるパイロット信号を提供する。これらの使用はIS-95標準に適合するCDMA通信システムのそれに似ている。例示的実施例において、パイロット信号はまたC/I測定を実行するために移動局6により使用される。
【0118】
本発明の順方向リンクパイロットチャンネルの例示的ブロック図が図3に示される。パイロットデータは乗算器156へ供給される全てゼロ(或いは全て1)のシーケンスを含む。乗算器156はパイロットデータをウォルシュコードW0でカバーする。ウォルシュコードW0が全てゼロのシーケンスであるので、乗算器156の出力はパイロットデータである。パイロットデータはMUX162により時間多重化され、複素数乗算器214(図4参照)内で短いPNIコードにより拡散されたIウォルシュチャンネルへ供給される。例示的実施例において、パイロットデータは、全ての移動局6により受信を許容するため、MUX234によりパイロットバースト中ゲートを閉じられる長いPNコードで拡散されない。かくしてパイロット信号は変調されないBPSK信号である。
【0119】
パイロット信号を示す図が図6に示される。例示的実施例において、各タイムスロットは、タイムスロットの第1および第3の4分の1の端に起る2つのパイロットバースト306aおよび306bを含む。例示的実施例において、各パイロットバースト306は持続において64チップである(Tp=64チップ)。トラヒックデータまたは制御チャンネルデータの不在で、基地局4は1200Hzの周期率で非連続波形バーストをもたらしているパイロットおよびパワー制御バーストのみを伝送する。パイロット変調パラメタは表4に一覧表にされる。
【0120】
(11)逆方向リンクパワー制御
本発明において、順方向リンクパワー制御チャンネルは、遠隔局6からの逆方向リンク伝送の伝送パワーを制御するために使用されるパワー制御命令を送るために使用される。逆方向リンクで、各伝送している移動局6はネットワークで他の全ての移動局6へ干渉源として作用する。逆方向リンクの干渉を最小限にし、容量を最大限にするため、各移動局6の伝送パワーは2つのパワー制御ループにより制御される。例示的実施例において、パワー制御ループは、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた“CDMAセルラー移動電話システムにおける伝送パワーを制御するための方法および装置”と題するU.S.特許No.5,056,109に詳細に記述されたCDMAシステムのそれに似ている。他のパワー制御メカニズムがまた熟考され、本発明の範囲内である。
【0121】
第1のパワー制御ループは、逆方向リンク信号質が設定レベルに維持されるように移動局6の伝送パワーを調節する。信号質は基地局4で受信された逆方向リンクのビットごとエネルギー対ノイズプラス干渉比Eb/I0として測定される。設定レベルはEb/I0設定点として引用される。第2のパワー制御ループは、フレーム誤り率(FER)により測定されるような性能の所望なレベルが維持されるような設定点を調節する。各移動局6の伝送パワーが通信システムの他の移動局6に干渉であるので、パワー制御は逆方向リンクにクリティカルである。逆方向リンク伝送パワーを最小限にすることは干渉を減少し逆方向リンク容量を増大する。
【0122】
第1のパワー制御ループ内で、逆方向リンク信号のEb/I0は基地局4で測定される。基地局4はそれから測定されたEb/I0を設定点と比較する。もし測定されたEb/I0が設定点より大きいなら、基地局4は移動局6へ伝送パワーを減少するようパワー制御メッセージを伝送する。代わりに、もし測定されたEb/I0が設定点以下なら、基地局4は移動局6へ伝送パワーを増大するようパワー制御メッセージを伝送する。例示的実施例において、パワー制御メッセージは1つのパワー制御ビットで実施される。例示的実施例において、パワー制御ビットの高い値はその伝送パワーを増大することを移動局6に命令し、低い値はその伝送パワーを減少することを移動局6に命令する。
【0123】
本発明において、各基地局4と通信にある全ての移動局6のパワー制御ビットはパワー制御チャンネルで伝送される。例示的実施例において、パワー制御チャンネルは16ビットウォルシュカバーで拡散された32直交チャンネルまで含む。各ウォルシュチャンネルは周期的な間隔で1つの逆方向パワー制御(RPC)ビットまたは1つのFACビットを伝送する。各活動的な移動局6は、その移動局6のために予定されたRPCビットストリームの伝送について、ウォルシュカバーおよびQPSK変調位相(例えば同相または直角)を定義するRPC索引を割り当てられる。例示的実施例において、0のRPC索引はFACビットのために保持される。
【0124】
パワー制御チャンネルの例示的ブロック図が図3に示される。RPCビットは時間の予定の数各RPCビットを反復する記号中継器150へ供給される。反復されたRPCビットはRPC索引に対応しているウォルシュカバーでビットをカバーするウォルシュカバー要素152へ供給される。カバーされたビットは一定の全体伝送パワーを維持するように変調に先立ってビットをスケール合わせする利得要素154へ供給される。例示的実施例において、RPCウォルシュチャンネルの利得は、全体のRPCチャンネルパワーが全体の利用可能な伝送パワーに等しいように正規化される。ウォルシュチャンネルの利得は、全ての活動的な移動局6への信頼できるRPC伝送を維持している間、全体の基地局伝送パワーの効率的な利用のため時間の関数として変化され得る。例示的実施例において、活動的でない移動局6のウォルシュチャンネル利得がゼロに設定される。RPCウォルシュチャンネルの自動パワー制御は移動局6からの対応しているDRCチャンネルから順方向リンク質測定の推定を使用することが可能である。利得要素154からのスケール合わせされたRPCビットはMUX162へ供給される。
【0125】
例示的実施例において、0から15のRPC索引はウォルシュカバーW0からW15にそれぞれ割り当てられ、スロット内で第1パイロットバースト(図7のRPCバースト304)を周囲に伝送される。16から31のRPC索引はそれぞれウォルシュカバーW0からW15割り当てられ、スロット内で第2パイロットバースト(図7のRPCバースト308)を周囲に伝送される。例示的実施例において、RPCビットは同相信号に変調された偶数ウォルシュカバー(例えばW0、W2、W4等)および直角信号に変調された奇数ウォルシュカバー(例えばW1、W3、W5等)でBPSK変調される。ピーク対平均エンベロープを減少するため、同相と直角パワーをバランスすることが好ましい。さらに、復調位相推定誤差による漏話を最小化するため、同相と直角信号に直交カバーを割り当てることが好ましい。
【0126】
例示的実施例において、31RPCビットまでが各タイムスロットで31RPCウォルシュチャンネルに伝送され得る。例示的実施例において、15RPCビットが第1の半分のスロットで伝送され、16RPCビットが第2の半分のスロットで伝送される。RPCビットは合計器212(図4参照)により結合され、図7に示されるようなパワー制御チャンネルの波形を含む。
【0127】
パワー制御チャンネルのタイミング図が図6に示される。例示的実施例において、RPCビットレートは600bps、あるいはタイムスロットごとに1つのRPCビットである。各RPCビットは時間多重化され、図6および7に示されるように、2つのRPCバースト(例えばRPCバースト304aおよび304b)上に伝送される。例示的実施例において、各RPCバーストは幅(Tpc=32チップ)として32PNチップ(即ち2ウォルシュ記号)であり、各RPCビットの全体の幅は64PNチップ(即ち4ウォルシュ記号)である。他のRPCビットレートが記号反復の数を変更することにより得られ得る。例えば、1200bpsのRPCビットレート(63移動局6まで同時に支持するため、またはパワー制御率を増加するため)は、第1組の31RPCビットをRPCバースト304aおよび304bで、第2組の32RPCビットをRPCバースト308aおよび308bで伝送することにより得られ得る。この場合、全てのウォルシュカバーは同相および直角信号に使用される。RPCビットの変調パラメタは表4に要約される。
【0128】
パイロットおよびパワー制御変調パラメタ
【表4】
【0129】
各基地局4と通信にある移動局6の数が利用可能なRPCウォルシュチャンネルの数より少ないので、パワー制御チャンネルはバースト的な特質を有する。この状態において、あるRPCウォルシュチャンネルは利得要素154の利得の適当な調節によりゼロに設定される。
【0130】
例示的実施例において、RPCビットは処理遅れを最少化するためコード化およびインターリーブすることなく移動局6へ伝送される。さらに、誤りがパワー制御ループにより次のタイムスロットで訂正され得るので、パワー制御ビットの誤った受信は本発明のデータ通信システムに有害ではない。
【0131】
本発明において、移動局6は逆方向リンクにおいて多数の基地局4とソフトハンドオフにあり得る。ソフトハンドオフにある移動局6の逆方向リンクパワー制御の方法および装置は前述のU.S.特許No.5,056,109に開示される。ソフトハンドオフにある移動局6は、活動的な組にある各基地局4のRPCウォルシュチャンネルを監視し、前述のU.S.特許No.5,056, 109に開示された方法に従ってRPCビットを結合する。第1の実施例において、移動局6は降下パワー命令の論理ORを実行する。もし受信されたRPCビットのいずれか1つが伝送パワーを減少するように移動局6に命令するなら、移動局6は伝送パワーを減少する。第2の実施例において、ソフトハンドオフにある移動局6は、ハード判定を成す前にRPCビットのソフト判定を結合することができる。受信されたRPCビットを処理する他の実施例が熟考され得、本発明の範囲内である。
【0132】
本発明において、FACビットは、構成されたパイロットチャンネルのトラヒックチャンネルが次の半分のフレームで伝送しているであろうか否かを移動局6へ表示する。FACビットの使用は移動局6によるC/I推定、およびそれ故干渉活動の知識を放送することによりデータレート要求を改善する。例示的実施例において、FACビットは半分のフレーム境界でのみ変化し、75bpsのビットレートをもたらす8つの連続したタイムスロットで反復される。FACビットのパラメタは表4に一覧表示される。
【0133】
FACビットの使用で、移動局6は以下のようにC/I測定を計算できる:
【数3】
【0134】
ここに(C/I)iはi番目の順方向リンク信号のC/I測定であり、Ciはi番目の順方向リンク信号の全体の受信されたパワーであり、Cjはj番目の順方向リンク信号の受信されたパワーであり、Iは全ての基地局4が伝送しているとするときの全体の干渉であり、αjはj番目の順方向リンク信号のFACビットでありFACビットに依存して0または1であり得る。
【0135】
(12)逆方向リンクデータ伝送
本発明において、逆方向リンクは可変レートデータ伝送を支持する。可変レートは柔軟性を提供し、移動局6が基地局4へ伝送されるべきデータの量に依存して複数のデータレートの1つで伝送することを許容する。例示的実施例において、移動局6は任意の時間に最も低いデータレートでデータを伝送できる。例示的実施例において、より高いデータレートでのデータ伝送は基地局4による許可を必要とする。この実行は逆方向リンク資源の効率的な利用を提供している間、逆方向リンク伝送遅れを最小限にする。
【0136】
本発明の逆方向リンクデータ伝送の流れ図の例示的図が図16に示される。ブロック802で逆方向リンクに最も遅いレートのデータチャンネルを確立するため、前述のU.S.特許No.5,289,527に記述されたように、移動局6は最初にスロットnで、アクセスプローブを実行する。同じスロットnにおいて、基地局4はアクセスプローブを復調し、ブロック804でアクセスメッセージを受信する。基地局4がデータチャンネルのため要求を許可し、スロットn+2で、ブロック806により制御チャンネルの許可および割り当てられたRPC索引を伝送する。スロットn+2で、移動局6は許可を受信し、ブロック808で基地局4によりパワーを制御される。スロットn+3の始めに、移動局6はパイロット信号の伝送を開始し、逆方向リンクの最も低いデータチャンネルへの直接アクセスを有する。
【0137】
もし移動局6がトラヒックデータを有し、高いレートのデータチャンネルを要求するなら、移動局6はブロック810で要求を開始できる。スロットn+3において、基地局4はブロック812で高速データ要求を受信する。スロットn+5において、基地局4はブロック814で制御チャンネルに許可を伝送する。スロットn+5において、移動局6はブロック816で許可を受信し、スロットn+6において開始している逆方向リンクに、ブロック818で高速データ伝送を開始する。
【0138】
(13)逆方向リンクアーキテクチュア
本発明のデータ通信システムにおいて、逆方向リンク伝送は幾つかの方法で順方向リンク伝送から異なる。順方向リンクにおいては、データ伝送は典型的に1つの基地局4から1つの移動局6へ起る。しかし、逆方向リンクにおいては、各基地局4は多数の移動局6から同時にデータ伝送を受信できる。例示的実施例において、各移動局6は基地局4へ伝送されるべきデータの量に依存している複数のデータレートの1つで伝送できる。このシステム設計はデータ通信の非対称特性を反映する。
【0139】
例示的実施例において、逆方向リンクの時間ベースユニットは順方向リンクの時間ベースユニットと同一である。例示的実施例において、順方向リンクおよび逆方向リンクデータ伝送は1.667msec持続であるタイムスロット上で起る。しかし、逆方向リンク上のデータ伝送が典型的により低いデータレートで起るので、より長い時間ベースユニットが効率を改善するために使用され得る。
【0140】
例示的実施例において、逆方向リンクは2つのチャンネル:パイロット/DRCチャンネルおよびデータチャンネルを支持する。これらの各チャンネルの機能と実行は以下に記述される。パイロット/DRCチャンネルはパイロット信号およびDRCメッセージを伝送するために使用され、データチャンネルはトラヒックデータを伝送するために使用される。
【0141】
本発明の例示的逆方向リンクフレーム構造の図が図14に示される。例示的実施例において、逆方向リンクフレーム構造は図5に示された順方向リンクレーム構造に似ている。しかし、逆方向リンクにおいてはパイロット/DRCデータおよびトラヒックデータが同相および直角チャンネルに同時に伝送される。
【0142】
例示的実施例において、移動局6は、移動局6が高速データ伝送を受信しているときはいつも各タイムスロットでパイロット/DRCチャンネルにDRCメッセージを伝送する。代わりに、移動局6が高速データ伝送を受信していないときは、パイロット/DRCチャンネルの一連のスロットはパイロット信号を含む。パイロット信号は、幾つかの機能のため:最初の取得の助けとして、パイロット/DRCおよびデータチャンネルの位相基準として、および閉ループ逆方向リンクパワー制御の源として、受信基地局4により使用される。
【0143】
例示的実施例において、逆方向リンクの帯域幅は1.2288MHzに選択される。この帯域幅はIS-95標準に適合するCDMAシステムのため設計された現存のハードウエアの使用を許容する。しかし、たの帯域幅が容量を増加するためおよび/またはシステム要求に適合するために利用され得る。例示的実施例において、IS-95標準により特定されたそれらのように同じ長いPNコードおよび短いPNIおよびPNQコードが逆方向リンク信号を拡散するために使用される。例示的実施例において、逆方向リンクチャンネルはQPSK変調を使用して伝送される。代わりに、QPSK変調は、改良された性能をもたらし得る変調信号のピーク対平均振幅変化を最小化するために使用され得る。異なるシステム帯域幅、PNコード、および変調の試みが熟考され得、本発明の範囲内である。
【0144】
例示的実施例において、パイロット/DRCチャンネルおよびデータチャンネル上の逆方向リンク伝送の伝送パワーは、基地局4で測定されるような逆方向リンク信号のEb/I0が、前述のU.S.特許No.5,506,109に記述されたような予定のEb/I0設定点に維持される。パワー制御は移動局6と通信にある基地局4により維持され、命令は上述されたようにRPCビットとして伝送される。
【0145】
(14)逆方向リンクデータチャンネル
本発明の例示的逆方向リンクアーキテクチュアのブロック図が図13に示される。データはデータパケットに区分され、エンコーダ612へ供給される。各データパケットについて、エンコーダ612はCRCパリティビットを発生し、コード末尾ビットを挿入し、データを符号化する。例示的実施例において、エンコーダ612は前述のU.S.特許出願No.08/743,688に記述された符号化フォーマットに従ってパケットを符号化する。他の符号化フォーマットがまた使用され得、本発明の範囲内である。エンコーダ612からの符号化されたパケットはパケット内でコード記号を再順序付けするブロックインターリーバ614へ供給される。インターリーブされたパケットはウォルシュカバーでデータをカバーしかつカバーされたデータを利得要素618へ供給する乗算器616へ供給される。利得要素618はデータレートと無関係なビットEbにつき一定エネルギーを維持するためデータをスケール合わせする。利得要素618からのスケール合わせされたデータは、それぞれPN−QおよびPN−I系列でデータを拡散する乗算器650bおよび650dへ供給される。乗算器650bおよび650dからの拡散されたデータは、それぞれデータを濾波するフィルタ652bおよび652dへ供給される。フィルタ652aおよび652bからの濾波された信号は合計器654aへ供給され、フィルタ652cおよび652dからの濾波された信号は合計器654bへ供給される。合計器654はデータチャンネルからの信号とパイロット/DRCチャンネルからの信号とを合計する。合計器654aおよび654bの出力は、それぞれ(順方向リンクとして)同相正弦COS(Wct)および直角正弦SIN(Wct)で変調されかつ合計される(図13に示されない)IOUTおよびQOUTをそれぞれ含む。例示的実施例においてトラヒックデータは正弦の同相および直角位相の両方で伝送される。
【0146】
例示的実施例において、データは長いPNコードおよび短いPNコードで拡散される。長いPNコードは、受信している基地局4が伝送している移動局6を識別できるようにデータをスクランブルする。短いPNコードはシステム帯域幅の信号を拡散する。長いPNシーケンスは長いコード発生器642により発生され、乗算器646へ供給される。短いPNIおよびPNQシーケンスは短いコード発生器644により発生され、またそれぞれPN−IおよびPN−Q信号を形成するため2組のシーケンスを乗算する乗算器646aおよび646bへそれぞれ供給される。タイミング/制御回路640はタイミング基準を提供する。
【0147】
図13に示されたようなデータチャンネルアーキテクチュアの例示的ブロック図は逆方向リンクのデータ符号化および変調を支持する多くのアーキテクチュアの1つである。高レートデータ伝送のため、アーキテクチュアは順方向リンク利用多重直交チャンネルのそれがまた使用され得ることに似ている。IS-95標準に適合するCDMAシステムにおける逆方向リンクトラヒックチャンネルのアーキテクチュアのような、他のアーキテクチュアがまた熟考され得、本発明の範囲内である。
【0148】
例示的実施例において、逆方向リンクデータチャンネルは表5に作表された4つのデータレートを支持する。付加的なデータレートおよび/または異なるデータレートが支持され得、本発明の範囲内である。例示的実施例において、逆方向リンクのパケットサイズは表5に示されたようにデータレートに依存している。前述されたU.S.特許出願No.08/743,688に記述されたように、改良されたデコーダ性能はより大きいパケットサイズのために得られ得る。かくして、表5に表示されたこれらより異なるパケットサイズが性能を改良するために利用され得、本発明の範囲内である。加えて、パケットサイズはデータレートに依存しないパラメタで作られ得る。
【0149】
パイロットおよびパワー制御変調パラメタ
【表5】
【0150】
表5に示されるように、逆方向リンクは複数のデータレートを支持する。例示的実施例において、9.6Kbpsの最も低いデータレートが基地局4で登録上各移動局6に割り当てられる。例示的実施例において、移動局6は基地局4からの許可を必要とすることなく任意のタイムスロットで最も低いレートのデータチャンネルにデータを伝送できる。例示的実施例において、より高いデータレートでの伝送は、システム負荷、公正および全体のスループットのような一組のシステムパラメタに基礎を置いた選択された基地局4により許可される。高速データ伝送の例示的スケジューリング機構は前述のU.S.特許出願No.08/798,951に詳細に記述される。
【0151】
(15)逆方向リンクパイロット/DRCチャンネル
パイロット/DRCチャンネルの例示的ブロック図が図13に示される。DRCメッセージは予定のコーディングフォーマットに従ってメッセージを符号化するDRCエンコーダ626へ供給される。間違った順方向リンクデータレート決定がシステムスループット性能に強い影響を与えるので、DRCメッセージの符号化はDRCメッセージの誤りの可能性を十分に低くする必要のため重要である。例示的実施例において、DRCエンコーダ626は、3ビットDRCメッセージを8ビットコード語に符号化するレート(8、4)CRCブロックエンコーダである。符号化されたDRCメッセージは、DRCメッセージが向けられる行き先基地局4を1つしかなく識別するウォルシュコードでメッセージをカバーする乗算器628へ供給される。ウォルシュコードはウォルシュ発生器624により供給される。カバーされたDRCメッセージは、メッセージをパイロットデータと乗算する乗算器(MUX)630へ供給される。DRCメッセージおよびパイロットデータはそれぞれPN−IおよびPN−Q信号でデータを拡散する乗算器650aおよび650cへ供給される。かくして、パイロットおよびDRCメッセージは正弦の同相および直角位相の両方で伝送される。
【0152】
例示的実施例において、DRCメッセージは選択された基地局4へ伝送される。これは選択された基地局4を識別するウォルシュコードでDRCメッセージをカバーすることにより達成される。例示的実施例において、ウォルシュコードは128チップ長である。128チップウォルシュコードの由来は技術において知られている。1つの唯一のウォルシュコードが移動局6と通信にある各基地局4に割り当てられる。各基地局4はその割り当てられたウォルシュコードでDRCチャンネルの信号をデカバーする。選択された基地局4はDRCメッセージをデカバーすることができ、それに応答して順方向リンクで要求している移動局6へデータを伝送する。これらの基地局4が異なるウォルシュコードを割り当てられるので、他の基地局4は要求されたデータレートがそれらに向けられないことを決定することができる。
【0153】
例示的実施例において、データ通信システムにおける全ての基地局4について逆方向リンクの短いPNコードは同じであり、異なる基地局4を識別するために短いPNシーケンスにオフセットがない。本発明のデータ通信システムは逆方向リンク上でソフトハンドオフを支持する。オフセットのない同じ短いPNコードの使用は、ソフトハンドオフ中多くの基地局4が移動局6からの同じ逆方向リンク伝送を受信することを許容する。短いPNコードはスペクトラル拡散を提供するが、基地局4の識別を許容しない。
【0154】
例示的実施例において、DRCメッセージは移動局6により要求されたデータレートを運ぶ。例示的実施例において、DRCメッセージは順方向リンクの質(例えば移動局6により測定されたようなC/I情報)の表示を運ぶ。移動局6は1つまたはそれ以上の基地局4から順方向リンクパイロット信号を同時に受信でき、各受信されたパイロット信号のC/I測定を実行する。移動局6はそれから、現在および前のC/I測定と比較出来る一組のパラメタに基づいた最良の基地局4を選択する。レート制御情報は複数の実施例の1つにおいて基地局4へ伝えられ得るDRCメッセージ内に形式化される。
【0155】
第1の実施例において、移動局6は要求されたデータレートに基づいてDRCメッセージを伝送する。要求されたデータレートは移動局6により測定されたC/Iで満足な性能を生じる最高の支持されたデータレートである。C/I測定から、移動局6は最初に満足な性能を生じる最大データレートを計算する。最大データレートはそれから1つの支持されたデータレートに量子化され、要求されたデータレートとして指定される。要求されたデータレートに対応しているデータレート索引が選択された基地局4へ伝送される。例示的な支持されたデータレートの組および対応しているデータレート索引が表1に示される。
【0156】
第2の実施例において、移動局6は選択された基地局4へ順方向リンク質の表示を伝送し、移動局6はC/I測定の量子化された値を表わすC/I索引を伝送する。C/I測定は表にマップされ得、C/I索引と連合される。C/I索引を表わすためより多くのビットを使用することはC/I測定のより細かい量子化を許容する。また、マップすることは直線にできあるいは予め歪められ得る。直線マッピングについて、C/I索引における各増分はC/I測定における対応している増加を表わす。例えば、C/I索引の各段階がC/I測定の2.0dB増加を表わすことができる。予め歪められたマッピングについて、C/I索引における各増分はC/I測定における異なる増加を表わすことができる。例として、予め歪められたマッピングは、図18に示されるようなC/I分布の累積分布関数(CDF)曲線に合致するようにC/I測定を量子化するために使用され得る。
【0157】
移動局6から基地局4へレート制御情報を伝える他の実施例は熟考され、本発明の範囲内である。さらに、レート制御情報を表わすため異なる数のビットの使用はまた本発明の範囲内である。多くの明細書をとおして、本発明は簡素化のため、要求されたデータレートを伝えるためにDRCメッセージを使用する第1の実施例の環境で記述される。
【0158】
例示的実施例において、C/I測定はCDMAシステムに使用されるそれに似た方法で順方向リンクパイロット信号で実行され得る。C/I測定を実行する方法および装置は、本発明の譲受人に譲渡され、かつここに引用文献として組込まれた1996年9月27日申請の“スペクトラム拡散通信システムにおけるリンク質を測定する方法および装置”と題するU.S.特許出願No.08/722,763に記述される。要約すると、パイロット信号のC/I測定は短いPNコードで受信された信号を逆拡散することにより得られ得る。もしC/I測定のときと実際のデータ伝送のときとの間でチャンネル状態が変化したなら、パイロット信号のC/I測定は不正確さを含む。本発明においては、FACビットの使用は、要求されたデータレートを決定するとき、移動局6が順方向リンク活動を考慮に取り入れることを許容する。
【0159】
代わりの実施例において、C/I測定は順方向リンクトラヒックチャンネルで実行され得る。トラヒックチャンネル信号は最初に長いPNコードおよび短いPNコードで脱拡散され、ウォルシュコードで脱カバーされる。データチャンネルの信号のC/I測定は、伝送されたパワーのより大きいパーセンテージがデータ伝送に割り当てられるので、より正確であり得る。移動局6により受信された順方向リンク信号のC/Iを測定する他の方法はまた熟考され得、本発明の範囲内である。
【0160】
例示的実施例において、DRCメッセージはタイムスロット(図14参照)の始めの半分で伝送される。例示的タイムスロット1.667msecのため、DRCメッセージはタイムスロットの1024チップまたは0.83msec を含む。時間の残りの1024チップはメッセージを復調および解読するために基地局4により使用される。タイムスロットの早い部分におけるDRCメッセージの伝送は、基地局4が同じタイムスロット内でDRCメッセージを解読し、直ぐに続くタイムスロットにおいて要求されたデータレートでデータをおそらく伝送することを許容する。短い処理遅れは本発明の通信システムが運転環境の変化に速やかに適応することを許容する。
【0161】
代わりの実施例において、要求されたデータレートは絶対的基準および相対的基準の使用により基地局4へ伝えられる。この実施例において、要求されたデータレートを含んでいる絶対的基準は周期的に伝送される。絶対的基準は基地局4が移動局6により要求された正確なデータレートを決定することを許容する。絶対的基準の伝送間の各タイムスロットのために、移動局6は、近く起るタイムスロットの要求されたデータレートが前のタイムスロットの要求されたデータレートより高いか、低いか、または同じかを示す相対的基準を基地局4へ伝送する。移動局6は周期的に絶対的基準を伝送する。データレート索引の周期的な伝送は、要求されたデータレートが知られた状態に設定され、相対的な基準の間違った受信が蓄積しないことを確保することを許容する。絶対的基準および相対的基準の使用は、移動局6へのDRCメッセージの伝送レートを減少できる。要求されたデータレートを伝送するための他のプロトコルが熟考され、本発明の範囲内である。
【0162】
(16)逆方向リンクアクセスチャンネル
アクセスチャンネルは登録位相中、基地局4へメッセージを伝送するために移動局6により使用される。例示的実施例において、アクセスチャンネルは移動局6によりランダムにアクセスされる各スロットを有するスロットされた構成を使用して実行される。例示的実施例において、アクセスチャンネルはDRCチャンネルと時間多重化される。
【0163】
例示的実施例において、アクセスチャンネルはアクセスチャンネルカプセル内にメッセージを伝送する。例示的実施例において、アクセスチャンネルフレームフォーマットは、タイミングがIS-95標準により特定された20msecフレームの代わりに26.67msecであることを除いて、IS-95標準により特定されたものと同一である。例示的アクセスチャンネルカプセルの図が図15に示される。例示的実施例において、各アクセスチャンネルカプセル712はプリアンブル722、1つまたはそれ以上のメッセージカプセル724、およびパッディングビット726を含む。各メッセージカプセル724はメッセージ長さ(MSG LEN)フィールド732、メッセージ本体734、およびCRCパリティビット736を含む。
【0164】
(17)逆方向リンクNACKチャンネル
本発明において、移動局6はデータチャンネルにNACKメッセージを伝送する。NACKメッセージは移動局6により誤りで受信された各パケットとして発生される。例示的実施例において、NACKメッセージは、前述されたU.S.特許No.5,504,773に記述されたように、ブランクおよびバースト信号データフォーマットを使用して伝送され得る。
【0165】
本発明はNACKプロトコルの文脈で記述されたが、ACKプロトコルの使用は熟考され得、本発明の範囲内である。
【0166】
好ましい実施例の上記記述は技術に熟練したどんな者にも本発明を作りまたは使用することを可能にするように提供された。これらの実施例に対する種々な変形が技術に熟練した者に既に明らかであり、ここに定義された基本的な原理は発明の能力を使用することなく他の実施例に適用されるかもしれない。かくして、本発明はここに示された実施例に限定されることを意図されず、ここに開示された原理および新規な特徴と合致した最も広い範囲に従わされるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未決定のデータ伝送の移動局を呼出し、
少なくとも1つの基地局からの順方向リンク信号のC/Iを測定し、
一組のパラメタに基づいて選択された基地局を選択し、
前記選択された基地局を識別し、
前記選択された基地局へデータ要求メッセージを送り、
前記選択された基地局から前記データ要求メッセージに従ったデータレートでデータを伝送するステップを含む少なくとも1つの基地局から移動局への高速パケットデータ伝送の方法。
【請求項2】
前記測定し、選択し、識別し、かつ送るステップは前記データ伝送が完了するまで各タイムスロットで実行される請求項1の方法。
【請求項3】
前記測定するステップが順方向の活動ビットの受信された値を考慮することにより実行される請求項1の方法。
【請求項4】
前記測定するステップが前記移動局の活動的な組にある全ての基地局からの順方向リンクパイロット信号で実行される請求項1の方法。
【請求項5】
付加的な基地局の伝送パワーが予定の閾値を超えるなら、付加的な基地局が前記移動局の前記活動的な組に加えられる請求項4の方法。
【請求項6】
前記選択するステップが前記順方向リンク信号のC/Iに基づいている請求項1の方法。
【請求項7】
前記選択するステップが前記順方向リンク信号の現在および前のC/Iに基づいている請求項1の方法。
【請求項8】
前記選択するステップが予定のヒステリシスに従って実行される請求項1の方法。
【請求項9】
前記予定のヒステリシスが時間に基礎をおいたヒステリシスである請求項8の方法。
【請求項10】
前記予定のヒステリシスがレベルに基礎をおいたヒステリシスである請求項8の方法。
【請求項11】
前記送るステップが前記選択された基地局に対応しているウォルシュコードで前記データ要求メッセージをカバーすることにより実行される請求項1の方法。
【請求項12】
前記ウォルシュコードが長さ128チップである請求項11の方法。
【請求項13】
前記データ要求メッセージが要求されたデータレートの表示である請求項1の方法。
【請求項14】
前記要求されたデータレートが複数の支持可能なデータレートの1つである請求項13の方法。
【請求項15】
前記支持可能なデータレートは前記移動局および前記選択された基地局が存在するセル内のC/Iの累積的な分布関数に従って選択される請求項14の方法。
【請求項16】
前記データ要求メッセージが伝送リンクの質の表示である請求項1の方法。
【請求項17】
前記データ要求メッセージがタイムスロットの早い部分を占める請求項1の方法。
【請求項18】
前記伝送するステップが前記移動局の先行に基づいたスケジューラによってスケジュールされる請求項1の方法。
【請求項19】
前記伝送するステップが各タイムスロットにおいて前記少なくとも1つの基地局のせいぜい1つからである請求項1の方法。
【請求項20】
前記選択された基地局が各タイムスロットで1つの移動局へ伝送する請求項1の方法。
【請求項21】
前記選択された基地局が前記選択された基地局の最大またはそれに近い利用可能な伝送パワーで伝送する請求項1の方法。
【請求項22】
前記伝送するステップが直交ウォルシュチャンネルを使用して実行される請求項1の方法。
【請求項23】
各直交ウォルシュチャンネルが固定されたデータレートを有する請求項22の方法。
【請求項24】
前記伝送するステップが直角位相シフトキーを使用して実行される請求項1の方法。
【請求項25】
前記伝送するステップが直角振幅変調を使用して実行される請求項1の方法。
【請求項26】
前記伝送するステップが指向性ビームを使用して実行される請求項1の方法。
【請求項27】
前記データが前記移動局へデータパケットで伝送される請求項1の方法。
【請求項28】
前記データパケットが全てのデータレートについて固定されたサイズである請求項27の方法。
【請求項29】
前記データパケットが1つまたはそれ以上のタイムスロットに亘って伝送される請求項27の方法。
【請求項30】
各データパケットがプリアンブルを含む請求項27の方法。
【請求項31】
前記プリアンブルが長いPNコードで拡散される請求項30の方法。
【請求項32】
前記プリアンブルの長さが前記データレートに基づいている請求項30の方法。
【請求項33】
各データパケットがデータユニットを含み、各データユニットがシーケンス数により識別される請求項27の方法。
【請求項34】
前記移動局により受信されなかったデータユニットのために否定応答(NACK)メッセージを伝送するステップをさらに含む請求項33の方法。
【請求項35】
前記NACKメッセージに従って前記移動局により受信されなかった前記データユニットを再伝送するステップをさらに含む請求項34の方法。
【請求項36】
前記移動局の活動的な組にある全ての基地局へデータを送るステップをさらに含む請求項1の方法。
【請求項37】
前記選択された基地局が残っているデータの予言的な決定に基づいて伝送する請求項36の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの基地局の各々からパイロット信号を第1に伝送し、
前記少なくとも1つの基地局からの前記パイロット信号のC/Iを測定し、
一組のパラメタに基づいて選択された基地局を選択し、
前記選択された基地局を識別し、
前記選択された基地局へデータ要求メッセージを送り、
前記選択された基地局から前記データ要求メッセージに従ったデータレートでデータを第2に伝送するステップを含むCDMA通信システムにおける少なくとも1つの基地局から移動局への高速パケットデータ伝送の方法。
【請求項39】
前記測定し、選択し、識別し、かつ送るステップは前記データ伝送が完了するまで各タイムスロットで実行される請求項38の方法。
【請求項40】
前記送るステップが前記選択された基地局に対応しているウォルシュコードで前記データ要求メッセージをカバーすることにより実行される請求項38の方法。
【請求項41】
前記データ要求メッセージが要求されたデータレートの表示である請求項38の方法。
【請求項42】
前記データ要求メッセージが伝送リンクの質の表示である請求項38の方法。
【請求項43】
前記選択された基地局が各タイムスロットで1つの移動局へ伝送する請求項38の方法。
【請求項44】
前記選択された基地局が前記選択された基地局の最大またはそれに近い利用可能な伝送パワーで伝送する請求項38の方法。
【請求項45】
データが前記移動局へデータパケットで伝送され、前記データパケットが1つまたはそれ以上のタイムスロットに亘って伝送される請求項38の方法。
【請求項46】
各データパケットがデータユニットを含み、各データユニットがシーケンス数により識別される請求項45の方法。
【請求項47】
前記移動局により受信されなかったデータユニットのために否定応答(NACK)メッセージを伝送するステップをさらに含む請求項46の方法。
【請求項48】
前記NACKメッセージに従って前記移動局により受信されなかった前記データユニットを再伝送するステップをさらに含む請求項47の方法。
【請求項49】
順方向リンク信号内の呼出しメッセージを移動局へ伝送する少なくとも1つの基地局の各々内の送信機と、
前記呼出しメッセージを受信し、かつ前記少なくとも1つの基地局内の送信機からの前記順方向リンク信号のC/I測定を実行する前記1つの移動局内の受信機と、
前記C/I測定を受信するため前記受信機に接続され、選択された基地局を識別する少なくとも1つの移動局の各々内の制御器と、
データ要求メッセージを伝送するため前記制御器に接続された前記移動局内の送信機とを含み、
前記選択された基地局内の前記送信機が前記データ要求メッセージに従ったデータレートでデータを伝送する、少なくとも1つの基地局から移動局への高速パケットデータ伝送の装置。
【請求項50】
前記受信機が各タイムスロットで前記C/I測定を実行し、前記制御器が各タイムスロットで前記選択された基地局を識別し、前記移動局内の前記送信機が前記データ要求メッセージを各タイムスロットに伝送する請求項49の装置。
【請求項51】
前記受信機が順方向活動ビットの受信された値を考慮することにより前記C/I測定を実行する請求項49の装置。
【請求項52】
前記移動局内の前記送信機が、前記選択された基地局に対応しているウォルシュコードで前記データ要求メッセージをカバーするウォルシュカバー要素をさらに含む請求項49の装置。
【請求項53】
前記少なくとも1つの基地局がさらに記憶データの待ち行列を含む請求項49の装置。
【請求項54】
逆方向リンク信号の複数の支持可能なデータレートの1つで高レート伝送の要求を送り、
前記高レート伝送の要求を受信しかつ許可し、
前記許可を前記移動局へ送り、
前記複数の支持可能なデータレートの1つでデータを伝送するステップを含む移動局から少なくとも1つの基地局への高速パケットデータ伝送の方法。
【請求項55】
前記移動局が前記少なくとも1つの基地局からの許可なしに低いデータレートでデータを伝送する請求項54の方法。
【請求項56】
データパケットを受信し前記データパケットを符号化されたパケットに符号化するエンコーダと、
前記符号化されたパケットを受信しパンクチャされたパケットを供給するため前記符号化されたパケットの一部をパンクチャするフレームパンクチャ要素と、
前記フレームパンクチャ要素に接続され、前記パンクチャされたパケットを受信し前記パンクチャされたパケットを並行チャンネルに多重化する可変率制御器と、
前記可変率制御器に接続され、前記並行チャンネルを受信し直交チャンネルを供給するためウォルシュカバーで前記並行チャンネルをカバーするウォルシュカバー要素と、
前記ウォルシュカバー要素に接続され、前記直交チャンネルを受信しスケール合わせされたチャンネルを供給するため前記直交チャンネルをスケール合わせする利得要素とを含む高速パケットデータ伝送の送信機。
【請求項57】
前記並行チャンネルの各々が固定データレートを有する請求項56の送信機。
【請求項58】
前記利得要素に接続され、ウォルシュチャンネルを供給するため前記スケール合わせされたチャンネルを有するパイロットおよびパワー制御バーストを多重化するマルチプレクサをさらに含む請求項56の送信機。
【請求項59】
前記パイロットおよびパワー制御バーストが各タイムスロット内の固定された位置に置かれる請求項58の送信機。
【請求項60】
前記パイロットおよびパワー制御バーストが各タイムスロット内の2つの位置に供給される請求項58の送信機。
【請求項61】
前記利得要素に接続され、ウォルシュチャンネルを供給するため前記スケール合わせされたチャンネルを有するプリアンブルを多重化するマルチプレクサをさらに含む請求項56の送信機。
【請求項62】
前記フレームパンクチャ要素および前記可変率制御器間に挿入され、前記パンクチャされたパケットをかき混ぜシーケンスでかき混ぜるかき混ぜ器をさらに含む請求項56の送信機。
【請求項63】
前記ウォルシュカバーの各々が長さ16ビットである請求項56の送信機。
【請求項1】
未決定のデータ伝送の移動局を呼出し、
少なくとも1つの基地局からの順方向リンク信号のC/Iを測定し、
一組のパラメタに基づいて選択された基地局を選択し、
前記選択された基地局を識別し、
前記選択された基地局へデータ要求メッセージを送り、
前記選択された基地局から前記データ要求メッセージに従ったデータレートでデータを伝送するステップを含む少なくとも1つの基地局から移動局への高速パケットデータ伝送の方法。
【請求項2】
前記測定し、選択し、識別し、かつ送るステップは前記データ伝送が完了するまで各タイムスロットで実行される請求項1の方法。
【請求項3】
前記測定するステップが順方向の活動ビットの受信された値を考慮することにより実行される請求項1の方法。
【請求項4】
前記測定するステップが前記移動局の活動的な組にある全ての基地局からの順方向リンクパイロット信号で実行される請求項1の方法。
【請求項5】
付加的な基地局の伝送パワーが予定の閾値を超えるなら、付加的な基地局が前記移動局の前記活動的な組に加えられる請求項4の方法。
【請求項6】
前記選択するステップが前記順方向リンク信号のC/Iに基づいている請求項1の方法。
【請求項7】
前記選択するステップが前記順方向リンク信号の現在および前のC/Iに基づいている請求項1の方法。
【請求項8】
前記選択するステップが予定のヒステリシスに従って実行される請求項1の方法。
【請求項9】
前記予定のヒステリシスが時間に基礎をおいたヒステリシスである請求項8の方法。
【請求項10】
前記予定のヒステリシスがレベルに基礎をおいたヒステリシスである請求項8の方法。
【請求項11】
前記送るステップが前記選択された基地局に対応しているウォルシュコードで前記データ要求メッセージをカバーすることにより実行される請求項1の方法。
【請求項12】
前記ウォルシュコードが長さ128チップである請求項11の方法。
【請求項13】
前記データ要求メッセージが要求されたデータレートの表示である請求項1の方法。
【請求項14】
前記要求されたデータレートが複数の支持可能なデータレートの1つである請求項13の方法。
【請求項15】
前記支持可能なデータレートは前記移動局および前記選択された基地局が存在するセル内のC/Iの累積的な分布関数に従って選択される請求項14の方法。
【請求項16】
前記データ要求メッセージが伝送リンクの質の表示である請求項1の方法。
【請求項17】
前記データ要求メッセージがタイムスロットの早い部分を占める請求項1の方法。
【請求項18】
前記伝送するステップが前記移動局の先行に基づいたスケジューラによってスケジュールされる請求項1の方法。
【請求項19】
前記伝送するステップが各タイムスロットにおいて前記少なくとも1つの基地局のせいぜい1つからである請求項1の方法。
【請求項20】
前記選択された基地局が各タイムスロットで1つの移動局へ伝送する請求項1の方法。
【請求項21】
前記選択された基地局が前記選択された基地局の最大またはそれに近い利用可能な伝送パワーで伝送する請求項1の方法。
【請求項22】
前記伝送するステップが直交ウォルシュチャンネルを使用して実行される請求項1の方法。
【請求項23】
各直交ウォルシュチャンネルが固定されたデータレートを有する請求項22の方法。
【請求項24】
前記伝送するステップが直角位相シフトキーを使用して実行される請求項1の方法。
【請求項25】
前記伝送するステップが直角振幅変調を使用して実行される請求項1の方法。
【請求項26】
前記伝送するステップが指向性ビームを使用して実行される請求項1の方法。
【請求項27】
前記データが前記移動局へデータパケットで伝送される請求項1の方法。
【請求項28】
前記データパケットが全てのデータレートについて固定されたサイズである請求項27の方法。
【請求項29】
前記データパケットが1つまたはそれ以上のタイムスロットに亘って伝送される請求項27の方法。
【請求項30】
各データパケットがプリアンブルを含む請求項27の方法。
【請求項31】
前記プリアンブルが長いPNコードで拡散される請求項30の方法。
【請求項32】
前記プリアンブルの長さが前記データレートに基づいている請求項30の方法。
【請求項33】
各データパケットがデータユニットを含み、各データユニットがシーケンス数により識別される請求項27の方法。
【請求項34】
前記移動局により受信されなかったデータユニットのために否定応答(NACK)メッセージを伝送するステップをさらに含む請求項33の方法。
【請求項35】
前記NACKメッセージに従って前記移動局により受信されなかった前記データユニットを再伝送するステップをさらに含む請求項34の方法。
【請求項36】
前記移動局の活動的な組にある全ての基地局へデータを送るステップをさらに含む請求項1の方法。
【請求項37】
前記選択された基地局が残っているデータの予言的な決定に基づいて伝送する請求項36の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの基地局の各々からパイロット信号を第1に伝送し、
前記少なくとも1つの基地局からの前記パイロット信号のC/Iを測定し、
一組のパラメタに基づいて選択された基地局を選択し、
前記選択された基地局を識別し、
前記選択された基地局へデータ要求メッセージを送り、
前記選択された基地局から前記データ要求メッセージに従ったデータレートでデータを第2に伝送するステップを含むCDMA通信システムにおける少なくとも1つの基地局から移動局への高速パケットデータ伝送の方法。
【請求項39】
前記測定し、選択し、識別し、かつ送るステップは前記データ伝送が完了するまで各タイムスロットで実行される請求項38の方法。
【請求項40】
前記送るステップが前記選択された基地局に対応しているウォルシュコードで前記データ要求メッセージをカバーすることにより実行される請求項38の方法。
【請求項41】
前記データ要求メッセージが要求されたデータレートの表示である請求項38の方法。
【請求項42】
前記データ要求メッセージが伝送リンクの質の表示である請求項38の方法。
【請求項43】
前記選択された基地局が各タイムスロットで1つの移動局へ伝送する請求項38の方法。
【請求項44】
前記選択された基地局が前記選択された基地局の最大またはそれに近い利用可能な伝送パワーで伝送する請求項38の方法。
【請求項45】
データが前記移動局へデータパケットで伝送され、前記データパケットが1つまたはそれ以上のタイムスロットに亘って伝送される請求項38の方法。
【請求項46】
各データパケットがデータユニットを含み、各データユニットがシーケンス数により識別される請求項45の方法。
【請求項47】
前記移動局により受信されなかったデータユニットのために否定応答(NACK)メッセージを伝送するステップをさらに含む請求項46の方法。
【請求項48】
前記NACKメッセージに従って前記移動局により受信されなかった前記データユニットを再伝送するステップをさらに含む請求項47の方法。
【請求項49】
順方向リンク信号内の呼出しメッセージを移動局へ伝送する少なくとも1つの基地局の各々内の送信機と、
前記呼出しメッセージを受信し、かつ前記少なくとも1つの基地局内の送信機からの前記順方向リンク信号のC/I測定を実行する前記1つの移動局内の受信機と、
前記C/I測定を受信するため前記受信機に接続され、選択された基地局を識別する少なくとも1つの移動局の各々内の制御器と、
データ要求メッセージを伝送するため前記制御器に接続された前記移動局内の送信機とを含み、
前記選択された基地局内の前記送信機が前記データ要求メッセージに従ったデータレートでデータを伝送する、少なくとも1つの基地局から移動局への高速パケットデータ伝送の装置。
【請求項50】
前記受信機が各タイムスロットで前記C/I測定を実行し、前記制御器が各タイムスロットで前記選択された基地局を識別し、前記移動局内の前記送信機が前記データ要求メッセージを各タイムスロットに伝送する請求項49の装置。
【請求項51】
前記受信機が順方向活動ビットの受信された値を考慮することにより前記C/I測定を実行する請求項49の装置。
【請求項52】
前記移動局内の前記送信機が、前記選択された基地局に対応しているウォルシュコードで前記データ要求メッセージをカバーするウォルシュカバー要素をさらに含む請求項49の装置。
【請求項53】
前記少なくとも1つの基地局がさらに記憶データの待ち行列を含む請求項49の装置。
【請求項54】
逆方向リンク信号の複数の支持可能なデータレートの1つで高レート伝送の要求を送り、
前記高レート伝送の要求を受信しかつ許可し、
前記許可を前記移動局へ送り、
前記複数の支持可能なデータレートの1つでデータを伝送するステップを含む移動局から少なくとも1つの基地局への高速パケットデータ伝送の方法。
【請求項55】
前記移動局が前記少なくとも1つの基地局からの許可なしに低いデータレートでデータを伝送する請求項54の方法。
【請求項56】
データパケットを受信し前記データパケットを符号化されたパケットに符号化するエンコーダと、
前記符号化されたパケットを受信しパンクチャされたパケットを供給するため前記符号化されたパケットの一部をパンクチャするフレームパンクチャ要素と、
前記フレームパンクチャ要素に接続され、前記パンクチャされたパケットを受信し前記パンクチャされたパケットを並行チャンネルに多重化する可変率制御器と、
前記可変率制御器に接続され、前記並行チャンネルを受信し直交チャンネルを供給するためウォルシュカバーで前記並行チャンネルをカバーするウォルシュカバー要素と、
前記ウォルシュカバー要素に接続され、前記直交チャンネルを受信しスケール合わせされたチャンネルを供給するため前記直交チャンネルをスケール合わせする利得要素とを含む高速パケットデータ伝送の送信機。
【請求項57】
前記並行チャンネルの各々が固定データレートを有する請求項56の送信機。
【請求項58】
前記利得要素に接続され、ウォルシュチャンネルを供給するため前記スケール合わせされたチャンネルを有するパイロットおよびパワー制御バーストを多重化するマルチプレクサをさらに含む請求項56の送信機。
【請求項59】
前記パイロットおよびパワー制御バーストが各タイムスロット内の固定された位置に置かれる請求項58の送信機。
【請求項60】
前記パイロットおよびパワー制御バーストが各タイムスロット内の2つの位置に供給される請求項58の送信機。
【請求項61】
前記利得要素に接続され、ウォルシュチャンネルを供給するため前記スケール合わせされたチャンネルを有するプリアンブルを多重化するマルチプレクサをさらに含む請求項56の送信機。
【請求項62】
前記フレームパンクチャ要素および前記可変率制御器間に挿入され、前記パンクチャされたパケットをかき混ぜシーケンスでかき混ぜるかき混ぜ器をさらに含む請求項56の送信機。
【請求項63】
前記ウォルシュカバーの各々が長さ16ビットである請求項56の送信機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図11】
【図12】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−186822(P2012−186822A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−94993(P2012−94993)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【分割の表示】特願2009−25046(P2009−25046)の分割
【原出願日】平成10年11月3日(1998.11.3)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−94993(P2012−94993)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【分割の表示】特願2009−25046(P2009−25046)の分割
【原出願日】平成10年11月3日(1998.11.3)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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