説明

高分子固定化ルテニウム触媒及びその使用

【課題】共触媒や再酸化剤を使用しなくともアルコールの酸化反応が効率的に行えるような活性を持ち、且つ使用後の回収・再使用が容易で金属の漏出が無く、繰り返し使用しても活性の低下しない高分子固定化ルテニウム触媒を提供する。
【解決手段】ルテニウム前駆体と、芳香族側鎖及びアルコキシシリル基を有する側鎖を有する架橋性高分子とを反応させることにより、架橋した高分子にルテニウム金属が担持された高分子固定化ルテニウム触媒。この触媒は、従来の固定化ルテニウム触媒に比べて、金属の漏出が少なく、回収再使用が容易で、回収後の活性低下も起こらない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルテニウム触媒を架橋高分子中に固定することにより調製された高分子固定化ルテニウム触媒及びこの触媒を用いたアルコールやスルフィドやアミンの酸化反応方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、既に、パラジウム、白金、ルテニウムなどの金属を物理的、あるいは静電的相互作用を利用して芳香族系高分子上に固定化する金属の固定化法(マイクロカプセル化法)を開発した(特許文献1〜2)。その後、高分子鎖を架橋することなどの改良により、"高分子カルセランド型触媒"と命名した触媒を開発した。すなわち、側鎖にエポキシ基及び水酸基を有する架橋性高分子に、マイクロカプセル化法でパラジウムを固定した後、無溶媒条件下、加熱することで容易に架橋反応が進行し、通常の溶媒に不溶の"高分子固定化パラジウム触媒"を得た(特許文献3)。この新規高分子固定化パラジウム触媒は、従来の高分子固定化パラジウム触媒に比べると、パラジウムクラスターのサイズが小さいことにより高活性であった。
一方、本発明者らは、芳香族側鎖、親水性側鎖及び架橋基を有するポリマーにルテニウムを担持し、その後、該ポリマーを架橋して得られる高分子固定化ルテニウム触媒を開発した(特許文献4)。該触媒はアルコールやスルフィドの酸化反応を触媒するが、化学量論量以上の再酸化剤の使用が必要な点で問題があったため、本発明者らは、化学量論量以上の再酸化剤の使用を避ける方法として、分子状酸素を用いるアルコールの酸化反応に適した高分子固定化ルテニウム触媒を開発した(非特許文献1)。該触媒は共触媒として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン N−オキシル(TEMPO)存在下、アルコールの酸化反応に高い活性を示し、触媒の回収・再使用が可能なことを見出した。しかしながら、基質であるアルコールの種類によっては微量の金属が漏出し、また、回収・再使用時の触媒活性の低下が問題であった。
【0003】
【特許文献1】特開2002-66330
【特許文献2】特開2002-253972
【特許文献3】WO2004/024323
【特許文献4】特開2006-205124
【非特許文献1】Adv. Synth. Catal., 349, 531 (2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、共触媒や再酸化剤を使用しなくともアルコールの酸化反応が効率的に行えるような活性を持ち、且つ使用後の回収・再使用が容易で金属の漏出が無く、繰り返し使用しても活性の低下しない高分子固定化ルテニウム触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ルテニウム前駆体と、芳香族側鎖及びアルコキシシリル基を有する側鎖を有する架橋性高分子とを反応させることにより得られる、架橋した高分子にルテニウム金属が担持された高分子固定化ルテニウム触媒が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の高分子固定化ルテニウム触媒は、共触媒や再酸化剤を使用しなくともアルコールの酸化反応が効率的に行えるような活性を持ち、且つ従来の固定化ルテニウム触媒に比べて、金属の漏出が少なく、回収再使用が容易で、回収後の活性低下も起こらない。
即ち、本発明は、ルテニウム前駆体と、芳香族側鎖及びアルコキシシリル基を有する側鎖を有する架橋性高分子とを反応させることにより得られる高分子固定化ルテニウム触媒である。
また本発明は、ルテニウム前駆体と、芳香族側鎖及びアルコキシシリル基を有する側鎖を有する架橋性高分子とを反応させることから成る高分子固定化ルテニウム触媒の製法である。
更に、本発明は、アルコール、スルフィド又はアミンの酸化反応のための触媒としてのこの高分子固定化ルテニウム触媒の使用である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の高分子固定化ルテニウム触媒は従来の高分子固定化ルテニウム触媒よりも高い触媒活性を示し、固定化触媒からの金属の流出は極めて少ない。この触媒は、アルコールの酸化反応において共触媒や再酸化剤を使用しなくとも有効に機能する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の高分子固定化ルテニウム触媒は、ルテニウムがポリマー中の芳香環との相互作用により超微粒子として担持された形態を有する。この触媒は、後述の架橋性高分子中のアルコキシシリル基が必要により加水分解されたヒドロキシシリル基にルテニウムが担持された形態を有する。
ルテニウム源となるルテニウム前駆体は、ルテニウムを含む適当な化合物(例えば、酸化物、ハロゲン化物、配位子との錯体等)であるが、ルテニウムを適当な配位子と錯体を形成させたものが好ましい。このような配位子との錯体を使用する場合、前駆体中のルテニウムは上記したごとき構造を有する高分子が有する芳香環との配位子交換により高分子に担持される。
【0008】
このような配位子として、例えば、ジメチルフェニルホスフィン(P(CH3)2Ph)、ジフェニルホスフィノフェロセン(dPPf)、トリメチルホスフィン(P(CH3)3)、トリエチルホスフィン(P(Et)3)、トリtert-ブチルホスフィン(P(tBu)3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリメトキシホスフィン(P(OCH3)3)、トリエトキシホスフィン(P(OEt)3)、トリtert-ブトキシホスフィン(P(OtBu)3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)、トリフェノキシホスフィン(P(OPh)3)、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン等の有機ホスフィン配位子、1,5−シクロオクタジエン(COD)、ジベンジリデンアセトン(DBA)、ビピリジン(BPY)、フェナントロリン(PHE)、ベンゾニトリル(PhCN)、イソシアニド(RNC)、トリエチルアルシン(As(Et)3)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アセチルアセトナト、シクロオクタジエン、シクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、エチレン、カルボニル、アセテート、トリフルオロアセテート、ビフェニルホスフィン、エチレンジアミン、1,2-ジフェニルエチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、アセトニトリル、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、スルホネート、カーボネート、ハイドロオキサイド、ナイトレート、パークロレート、サルフェート等が挙げられる。これらの中で、有機ホスフィン配位子、1,5−シクロオクタジエン(COD)、ジベンジリデンアセトン(DBA)、ビピリジン(BPY)、フェナントロリン(PHE)、ベンゾニトリル(PhCN)、イソシアニド(RNC)、及びトリエチルアルシン(As(Et)3)が好ましく、トリフェニルホスフィン、トリtert−ブチルホスフィン、及びトリ−o−トリルホスフィンがより好ましく、トリフェニルホスフィンが特に好ましい。
配位子の数は、調製の際に使用する高分子の種類や架橋反応条件等にもよるが、通常1〜4個である。
【0009】
本発明で用いる金属アルコキシドは、下式で表される化合物をいう。
Al(OR(OH)3−k−1
又は
X(OR(OH)4−m―n
ここで、XはTi、Si又はZr、好ましくはTiである。最も好ましい金属アルコキシドは、Al(OR(OH)3−k−1である。
及びRは独立に炭素数が1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基を表す。このアルキル基は直鎖でも分岐型でもよいが、好ましくは直鎖である。
kは1〜3、好ましくは2又は3、最も好ましくは3の整数、lは0又は1、好ましくは0を表し、但し、k+l=1〜3、好ましくは3を満たす。
mは2〜4、好ましくは3又は4、最も好ましくは4の整数、nは0〜2、好ましくは0の整数を表し、但し、m+n=2〜4、好ましくは4を満たす。
【0010】
本発明の架橋性高分子は、芳香族側鎖及びアルコキシシリル基を有する側鎖を必須に有し、更に任意に芳香族側鎖以外の疎水性側鎖や親水性側鎖を有してもよい。これらの側鎖はこの高分子の主鎖に直接結合する。これら側鎖を複数種有していてもよい。
【0011】
芳香族側鎖として、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。
アリール基としては、通常炭素数6〜10、好ましくは6のものが挙げられ、具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
尚、本明細書に於いて定義されている炭素数はその基が有する置換基の炭素数を含まないものとする。
アラルキル基としては、通常炭素数7〜12、好ましくは7〜9のものが挙げられ、具体的には、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
アリール基及びアラルキル基に於ける芳香環はアルキル基、アリール基、アラルキル基などの疎水性置換基を有していてもよい。
【0012】
芳香環が有していてもよいアルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも或いは環状でもよく、環状の場合には単環でも多環でもよく、通常炭素数1〜20、好ましくは1〜12のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0013】
芳香環が有していてもよいアリール基及びアラルキル基としては、上記した如き芳香族基としてのアリール基及びアラルキル基と同様なものが挙げられる。
これら芳香環が有していてもよい置換基は、アリール基及びアラルキル基に於ける芳香環に通常1〜5個、好ましくは1〜2個置換していてもよい。
【0014】
本発明において、アルコキシシリル基とは、少なくとも一つのアルコキシ基が結合したシリル基をいうが、好ましくは下式で表される置換基をいう。
−Si(OR(OH)3−o―p
ここで、Rは炭素数が1〜3のアルキル基を表す。このアルキル基は直鎖でも分岐型でもよいが、好ましくは直鎖である。
は炭素数が1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基を表す。このアルキル基は直鎖でも分岐型でもよいが、好ましくは直鎖である。
oは1〜3、好ましくは2又は3、最も好ましくは3の整数、pは0又は1、好ましくは0を表し、但し、o+p=2又は3好ましくは3を満たす。
【0015】
アルコキシシリル基を有する側鎖は、芳香族側鎖、芳香族側鎖以外の疎水性側鎖、親水性側鎖のいずれであってもよい。
この芳香族側鎖としては、上記と同様の芳香族側鎖を用いることができる。
芳香族側鎖以外の疎水性側鎖としては、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基が挙げられる。これらの炭素数は通常2〜20、好ましくは6〜12である。
親水性側鎖としては、比較的短いアルキル基、例えば、炭素数が1〜6程度のアルキレン基に−R(Rは−OH又はアルコキシ基、好ましくは−OHを表す。)が結合したものであってもよいが、−R(OR、−R(COOR又は−R(COOR(OR(式中、Rは上記と同様であり、Rは共有結合又は炭素数1〜6、好ましくは共有結合又は1〜2のアルキレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2〜4、好ましくは2のアルキレン基を表し、q、r及びsは1〜10の整数、oは1又は2を表す。)で表されるものが好ましい。
【0016】
また、本発明で用いる架橋性高分子は、このほかに、任意に芳香族側鎖以外の疎水性側鎖や親水性側鎖を有してもよい。これら芳香族側鎖以外の疎水性側鎖及び親水性側鎖として、上記で定義したものと同様の側鎖を用いることができる。
【0017】
本発明で用いる架橋性高分子はこれら側鎖を有するものであればいかなるものであってもよいが、これら側鎖を有するモノマーを重合させたものが好ましい。またこのようなモノマーとして、付加重合のための二重結合や三重結合,例えば、ビニル基、アセチレン基など、好ましくはビニル基を持つものが好ましい。
【0018】
本発明の架橋性高分子の例として、例えば、下記の架橋性高分子が挙げられるが、これらに限定されない。
(A)1)芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマー、及び2)アルコキシシリル基を有する芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマーを共重合することにより得られる架橋性高分子、
(B)1)芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマー、及び2)アルコキシシリル基を有する親水性側鎖及び重合性二重結合を有するモノマーを共重合することにより得られる架橋性高分子、
(C)1)芳香族側鎖又は親水性側鎖、及び重合性二重結合を有するモノマー、2)芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマー、及び3)アルコキシシリル基を有する芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマーを共重合することにより得られる架橋性高分子、
(D)1)芳香族側鎖又は親水性側鎖、及び重合性二重結合を有するモノマー、2)芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマー、3)アルコキシシリル基を有する親水性側鎖及び重合性二重結合を有するモノマーを共重合することにより得られる架橋性高分子、
(E)芳香族側鎖、アルコキシシリル基を有する親水性側鎖又は疎水性側鎖及び重合性二重結合を有する少なくとも1種のモノマーを重合又は共重合することにより得られる架橋性高分子、又は
(F)1)芳香族側鎖、アルコキシシリル基を有する親水性側鎖又は疎水性側鎖及び重合性二重結合を有するモノマー、2)芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマー、及び3)アルコキシシリル基を有する親水性側鎖又は疎水性側鎖及び重合性二重結合を有するモノマーから成る群から選択される少なくとも2種のモノマーを共重合することにより得られる架橋性高分子
ここで、同種のモノマーは2以上の異なるモノマーを含むものであってもよい。
【0019】
芳香族側鎖及び重合性二重結合を有するモノマーとしてスチレン系モノマーが好ましい。スチレン系モノマーとして、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、α-エチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン等が挙げられ、中でもスチレン及びα-メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが好ましい。
【0020】
本発明の架橋性高分子は、特に、スチレン系モノマー及び下式
CH=CH−A−B
で表されるビニルモノマー重合させることにより得ることができる。
式中、Aは、2価の、芳香族基、芳香族基以外の疎水性基、親水性基のいずれであってもよいが、好ましくは芳香族基である。2価の芳香族基としては、例えば、フェニレン基、α又はβ−ナフタレン基が挙げられる。
Bは上記のアルコキシシリル基を有する側鎖を表す。
また、この反応に任意にその他のビニルモノマーを加えてもよい。その他のビニルモノマーとしては、ビニル基に、芳香族側鎖、芳香族側鎖以外の疎水性側鎖又は親水性側鎖が結合したビニル化合物が挙げられる。
スチレン系モノマー、上式のビニルモノマー及び任意の他のビニルモノマーに対するスチレン系モノマー及び上式のビニルモノマーの比は、好ましくは50〜99モル%、より好ましくは60〜95モル%、最も好ましくは70〜90%である。
また、スチレン系モノマー及び上式のビニルモノマー対する上式のビニルモノマーの比は、好ましくは1〜50モル%、より好ましくは5〜40モル%、最も好ましくは10〜30%である。
【0021】
本発明の触媒を調製するためには、まず、このような架橋性高分子及びルテニウム前駆体を良溶媒に溶解させる。
極性の良溶媒としてはTHF、ジオキサン、アセトン、DMF、NMPなどがあり、非極性の良溶媒としてはトルエン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが使用できる。
良溶媒中の架橋性高分子の濃度は約0.1〜100 mg/ml、ルテニウム前駆体の量は架橋性高分子に対して0.01〜5.0(w/w)用いられる。
その後、必要により、この溶液に金属アルコキシドや水や酸や塩基やアルコールを添加する。好ましくは、まず金属アルコキシド、引き続き塩基及びアルコールを添加する。その結果、金属アルコキシドが架橋剤となって、架橋性高分子が有するアルコキシシリル基を架橋する架橋反応が促進される。酸や塩基はアルコキシシリル基及び金属アルコキシドの加水分解を促進させるために用い、塩酸のような無機酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化ナトリウムのような無機塩基を用いることができる。また無機塩基を用いる場合は水溶液でもアルコール溶液でも構わないが、水溶液を使用する場合には相分離を起こさないようなアルコールを任意に加える。
この反応温度は、通常、0〜60℃、好ましくは10〜30℃である。
架橋反応させる際の反応時間は、通常0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜12時間である。
その結果、ルテニウム超微粒子が夫々のミセル様凝集体に於いて、高分子の有する芳香族側鎖との相互作用により担持される。
【0022】
このようにして得られた高分子固定化ルテニウム触媒中のルテニウムは、超微小粒子として芳香環との弱い相互作用で結合していると考えられ、アルコールやスルフィドやアミンの酸化反応に対して触媒活性を示す。特に、アルコールの酸素酸化に高い触媒活性を示す。
基質であるアルコールに特に限定はない。アルコールの水酸基の数に特に限定はなく、それらは1、2級のいずれのアルコールであってもよい。アルコールをR10CHOHで表した場合、Rは水素原子、脂肪族基、脂環式脂肪族基、又は芳香族基であってもよく、ヘテロ原子が含まれていてもよい。R10は脂肪族基、脂環式脂肪族基、又は芳香族基であってもよく、ヘテロ原子が含まれていてもよい。
また基質であるスルフィドに特に限定はない。スルフィドをR11SR12で表した場合、R11及びR12は、それぞれ同じであっても異なっても良く、脂肪族基、脂環式脂肪族基、又は芳香族基であってもよく、ヘテロ原子が含まれていてもよい。
また基質であるアミンは1級または2級のものが用いられる。アミンをHNR1314で表した場合、R13及びR14は、それぞれ同じであっても異なっても良く、水素原子、脂肪族基、脂環式脂肪族基、又は芳香族基であってもよく、ヘテロ原子が含まれていてもよい。但し、窒素原子が結合する炭素原子には、水素原子が少なくとも1つ結合している。
【0023】
酸化反応は酸素雰囲気下、液相で行われ、触媒量は基質に対してルテニウムとして0.1%〜10%(mol/mol)、溶媒は基質を溶解するものであれば制限は無いが、例えば、1、2?ジクロロエタンやトルエン等の極性の低い溶媒が好ましい。反応温度は0℃〜150℃で適宜選択すればよいが、好ましくは80〜130℃である。通常反応は2〜48時間程度で終了する。反応後は濾過により容易に触媒の回収が可能であり、回収された触媒は塩基処理を行った後、洗浄乾燥するだけで再利用可能である。反応中及び回収時に触媒からの金属の漏出は認められず、繰り返し使用しても活性の低下は認められない。
この酸化反応において、共触媒や再酸化剤を使用する必要が無い。この共触媒として、TEMPO(2、2、6、6、テトラメチルピペリジンN?オキシル)、ヒドロキノン、NHPI(N?ヒドロキシフタルイミド)が挙げられ、再酸化剤として、NMO、TMAO、ピリジン−N-オキシドなどのアミンオキシド類、ヨードシルベンゼンジアセテート、ヨードシルベンゼンオキシド、過ヨウ素酸ナトリウム、TBHP等が挙げられる。
アルコールの酸化反応の結果、アルコールに対応するアルデヒドやケトンが生成する。
またスルフィドの酸化反応の結果、スルフィドに対応するスルホキシドやスルホンが生成する。
またアミンの酸化反応の結果、アミンに対応するニトリルやイミンが生成する。
【実施例】
【0024】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
なお1H NMR及び13C NMRは、溶媒としてCDCl3を内部標準としてテトラメチルシランを用い、日本電子株式会社製 JNM-ECX400又は600MHzの装置により測定した。
触媒中の金属の導入率(Loading)は高周波誘導結合プラズマ発光分析法(以下「ICP分析」という)にて行なった。
反応収率の決定は内部標準としてナフタレンもしくはアニソールを用いたガスクロマトグラフィー(島津製作所製 GC2010及びGC-17A)で行なった。
触媒から反応溶液中へのルテニウムの漏出については次の手順により決定した。収率決定後、濾過後の溶液を減圧下濃縮した。さらに常圧下で180℃に加熱した後、濃硫酸を適量加えて同温度で2時間放置した。その後、残存する固体を均一な液体となるまで硝酸をゆっくりと滴下し、同温度で1時間放置した。この溶液を用いて、ICP分析によりルテニウムの漏出量(Leaching)を測定し、分析装置の定量限界以下であると決定した。
【0025】
製造例1
スチレン(東京化成工業製 特級)(7.50g,72.0 mmol)p-スチリルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)(4.04g,18.0mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(関東化学(株)製 特級) (AIBN、148 mg,0.9 mmol)をクロロホルム(12.0mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下80℃で24時間加温した。室温まで放冷した溶液をヘキサン中に少しずつ加え析出する固体を濾取した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、ヘキサン中で再沈殿させる操作を更に2回行なった後、得られたコポリマーをヘキサンで洗浄し、真空中室温下で乾燥して目的のコポリマー(x:y=80:20、以下「コポリマーP0」という。)を得た(9.97g, 86%)。反応式を下式に示す。
なお、各成分のモル比は1H NMRにより決定した。Mw, Mn, Mw/Mn値はGPCにより決定した(Mw =14500, Mn = 7460, Mw/Mn= 1.95)。
【化1】

【0026】
製造例2
スチレン(1.77g, 17.0 mmol)、p-スチリルトリメトキシシラン(0.673g, 3.0 mmol)、AIBN(32.8 mg, 0.2 mmol)、クロロホルム(2.5 mL)を用いて製造例1と同様にコポリマーを得た(1.956g 80%)(x:y=84:16、以下「コポリマーP1」という。)。
製造例3
スチレン(2.97g, 28.5 mmol),p-スチリルトリメトキシシラン(336mg, 1.5 mmol), AIBN(49.3 mg, 0.3 mmol), クロロホルム(3.4 mL) を用いて製造例1と同様にコポリマーを得た(2.580g 78%)(x:y=95:5、以下「コポリマーP2」という。)。
製造例4
スチレン(1.09g, 10.5 mmol),p-スチリルトリメトキシシラン(1.57g, 7.0 mmol), AIBN(28.7 mg, 0.175 mmol),クロロホルム(2.7 mL) を用いて製造例1と同様にコポリマーを得た(1.950g 73%)(x:y=59:41、以下「コポリマーP3」という。)。
【0027】
実施例1
製造例1にて得たコポリマーP0(1.0g)を室温下THF(22.5 mL)に溶かし、ジクロロトリストリフェニルフォスフィンルテニウム(STREM社製)(1.00 g, 1.04 mmol)を加え3時間撹拌後アルミニウムイソプロポキシド(東京化成工業製)(213 mg, 1.04 mmol)を加え更に1時間撹拌した。反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液(1.0N 5.0 mL)とイソプロパノール(5.0 mL)の混合液を素早く加え更に11時間撹拌した。この懸濁液を90℃で1時間加熱後120℃まで徐々に昇温し溶媒を留去して乾固させた。この固体をTHF、MeOH、水、アセトン、ジクロロメタンの順で洗浄し、真空中室温下で乾燥することにより目的のハイブリッドルテニウム触媒1.15g(以下「HB Ru」という。)を得た。金属ルテニウムの導入率は0.649mmol/gであった。
【化2】

【0028】
実施例2〜9
コポリマーP0の代わりにそれぞれ製造例2〜4にて得たコポリマーP1〜P3を用いて実施例1と同様に触媒を得た(実施例2、4,5)。また、コポリマーP0の代わりにコポリマーP1を用い、アルミニウムイソプロポキシドの代わりにアルミニウム-sec-ブトキシド(東京化成工業製)、チタニウムイソプロポキシド(アルドリッチ社製)、テトラメチルオルトシリケート(東京化成工業製)、ジルコニウムイソプロポキシド イソプロパノール錯体(アルドリッチ社製)をそれぞれ1.04 mmol用いて実施例1と同様に触媒を得た(実施例3、6〜8)。また、コポリマーP0の代わりにコポリマーP1を用い、アルミニウムイソプロポキシドを用いない以外は実施例1と同様に触媒を得た(実施例9)。
これらの触媒(0.649 mmolg-1, 5 mol%)と4-メチルベンジルアルコール(東京化成工業株式会社)(0.40 mmol)をトルエン(1.6mL)中で混合し酸素雰囲気下110℃で12時間撹拌させた。ヘキサンを加え反応を停止し、濾過により触媒を回収、ジクロロメタンで洗浄した。反応式を下式に示す。生成物である4-メチルベンズアルデヒドの同定は、市販の試薬と比較することにより確認した。
【化3】

【0029】
結果を下表にまとめる。(n.d.: 漏出が検出されなかった。)
【表1】

【0030】
実施例10〜15
実施例1で得た触媒(HB Ru)を用いて、実施例2と同様に、表2に示す各種アルコールの酸化反応を行った。生成物(アルデヒド)の同定はガスクロマトグラフィー分析により、市販の試薬の値と一致することを確認した。
実施例10: 4-メチルベンジルアルコール(東京化成工業製 特級)から4-メチルベンズアルデヒドへの酸化反応
GCカラム:DB-1(GLサイエンス社):内径0.25mm:長さ60 m:膜厚 0.25μm
昇温プログラム:5℃/minで100℃から175℃まで、その後10℃/minで175℃から290℃まで、290℃で3.5分保持
ナフタレン(内部標準):12.9分/原料:11.2分/目的物:10.3分
実施例11: シンナミルアルコール(東京化成工業製 特級)からシンナムアルデヒドへの酸化反応
GCカラム:DB-1(GLサイエンス社):内径0.25mm:長さ60 m:膜厚 0.25μm
昇温プログラム:5℃/minで100℃から175℃まで、その後10℃/minで175℃から290℃まで、290℃で3.5分保持
ナフタレン(内部標準):12.9分/原料:15.3分/目的物:14.4分
実施例12: 2-チオフェンメタノール(アルドリッチ社製 特級)から2-チオフェンアルデヒドへの酸化反応
GCカラム:DB-1(GLサイエンス社):内径0.25mm:長さ60 m:膜厚 0.25μm
昇温プログラム:100℃で13分保持、その後10℃/minで100℃から290℃まで
ナフタレン(内部標準):19.3分/原料:12.4分/目的物:11.1分
実施例13: (±)-1-フェニルエタノール(東京化成工業製 特級)からアセトフェノンへの酸化反応
GCカラム:TC-WAX(GLサイエンス社):内径0.25mm:長さ60 m:膜厚 0.25μm
昇温プログラム:10℃/minで100℃から220℃まで、その後220℃で10分保持
アニソール(内部標準):8.0分/原料:13.1分/目的物:11.6分
実施例14: 1-(2-チエニル)エタノール(2-アセチルチオフェン(アルドリッチ社製 特級)を水素化ホウ素ナトリウムで還元して合成)から2-アセチルチオフェンへの酸化反応
GCカラム:TC-WAX(GLサイエンス社):内径0.25mm:長さ60 m:膜厚 0.25μm
昇温プログラム:10℃/minで100℃から220℃まで、その後220℃で15分保持
アニソール(内部標準):8.1分/原料:13.9分/目的物:13.6分
実施例15: 2-アダマンタノール(アルドリッチ社製 特級)からアダマンタノンへの酸化反応
GCカラム:TC-WAX(GLサイエンス社):内径0.25mm:長さ60 m:膜厚 0.25μm
昇温プログラム:10℃/minで100℃から220℃まで、その後220℃で10分保持
ナフタレン(内部標準):13.0分/原料:15.6分/目的物:14.6分
【0031】
結果を下表にまとめる。
【表2】

【0032】
実施例16:HB Ruの回収再使用
4-メチルベンジルアルコール(122 mg, 1.0 mmol)と実施例1で得た触媒(HB Ru)(0.626 mmolg-1, 5 mol%)をトルエン(4.0 mL)中で混合し酸素雰囲気下110℃3時間撹拌させた。ヘキサンを加え反応を停止し、濾過により触媒を回収、ジクロロメタンで洗浄した。回収後の触媒は真空中室温下で乾燥後、炭酸カリウム水溶液(1.0 M, 1.0, mL)、THF(3.0 mL)、MeOH(3.0 mL)を加え60℃で1時間撹拌し、濾過後ジクロロメタンで洗浄し、真空中室温下で乾燥後再使用に付した。
結果を下表に示す。(n.d.: 漏出が検出されなかった。)
【表3】

実施例17:
実施例1で得た触媒(HB Ru、0.649 mmolg-1、10 mol%)を用いて、ベンジルアミン(東京化成工業株式会社)(0.40 mmol)をトルエン(1.6mL)中で混合し酸素雰囲気下100℃で16時間撹拌させた。ヘキサンを加え反応を停止し、濾過により触媒を回収、ジクロロメタンで洗浄した。生成物であるベンゾニトリルの収率は58%であった。生成物の同定と収率は、ガスクロマトグラフィで市販の試薬と比較することにより決定した。
【0033】
製造例5
スチレン(12.44 g, 119.58 mmol)、4-ビニルベンジルグリシジルエーテル(2.83 g, 14.9 mmol)、テトラエチレングリコール モノ-2-フェニル-2-プロペニルエーテル(4.6 g, 14.9 mmol)、AIBN(175 mg, 1.06 mmol)をクロロホルム(18 mL)に溶解しアルゴン雰囲気下で48時間、還流条件下で加熱攪拌した。冷却後反応混合物をメタノール(600 mL)中に注いでポリマーを固化させた。デカントして上澄みを取り除いた後、少量のテトラヒドロフランに溶解し再びメタノールに注いだ。沈殿したポリマーを濾過し室温減圧下で乾燥した。10.18 gのポリマーを得た(収率51%)。得られたポリマーの構造は下式で表される。
【化4】

【0034】
1H-NMRの測定により、得られたポリマーの各モノマー単位(スチレン/4-ビニルベンジルグリシジルエーテル/テトラエチレングリコール モノ-2-フェニル-2-プロペニルエーテル)の比(x/y/z)=84/12/4であった。また、重量平均分子量(Mw)は41,000であった。
上記で得たコポリマー(3.00 g)をTHF(60 mL)に溶かし、さらにルテニウムクロリド・n水和物(RuCl3・nH2O)(STREM社)を加えて約30分間攪拌した。この溶液に、空気雰囲気下でシクロヘキサン(60 mL)をゆっくりと滴下し、24時間放置した。さらにこの溶液に、空気雰囲気下でヘキサン(420 mL)をゆっくりと滴下し、7時間放置した。溶媒留去後、析出した固体を濾過により集め、ヘキサンにて十分洗浄を行った後、室温下減圧乾燥した。その後、この固体に水酸化ナトリウム水溶液(0.5 N,300 mL)を加え、この懸濁液を室温下19時間攪拌した。その後濾過により固体を集め、水及びヘキサンで洗浄した後、この固体を無溶媒下120℃で4時間加熱した。得られた固体をTHF,メタノール,水,アセトン,ジクロロメタンで十分洗浄を行った後、減圧下乾燥して高分子固定化ルテニウム(以下「PI Ru」という。)(3.26 g)を得た。触媒中のルテニウム含有量は0.427 mmol/gであった。
【0035】
比較例1
本比較例では、1気圧酸素雰囲気下で4-メトキシベンジルアルコールを酸化した。
4-メトキシベンジルアルコール(28 mg, 0.20 mmol)、製造例5で得た触媒(PI Ru)(0.427 mmol/g, 23 mg, 0.01 mmol)、共触媒(TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン N-オキシル))(5 mg, 0.03 mmol)、1,2-ジクロロエタン(0.8 mL)を20 mLナスフラスコに入れ、フラスコ内を酸素で置換した後80℃で3時間攪拌した。室温に冷却後ヘキサン約5 mLを加えて反応を停止し、触媒を濾過してジクロロメタンで洗浄した。収率は99%であった。
比較例2
共触媒(TEMPO)を使用しない他は、比較例1と同様に反応を9時間行った。収率は8%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルテニウム前駆体と、芳香族側鎖及びアルコキシシリル基を有する側鎖を有する架橋性高分子とを反応させることにより得られる高分子固定化ルテニウム触媒。
【請求項2】
さらに水及び塩基を反応させることにより得られる請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
さらに金属アルコキシドを反応させることにより得られる請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】
前記金属アルコキシドが下式
Al(OR(OH)3−k−1
(式中、R及びRは独立に炭素数が1〜6のアルキル基、kは1〜3の整数、lは0又は1を表し、但し、k+l=1〜3を満たす。)又は
X(OR(OH)4−m―n
(式中、XはSi、Ti又はZr、R及びRは独立に炭素数が1〜6のアルキル基、mは2〜4の整数、nは0〜2の整数を表し、但し、m+n=2〜4を満たす。)で表され、
前記アルコキシシリル基が下式
−Si(OR(OH)3−o―p
(式中、Rは炭素数が1〜3のアルキル基、Rは炭素数が1〜6のアルキル基、oは1〜3の整数、pは0又は1を表し、但し、o+p=2又は3を満たす。)で表される請求項3に記載の触媒。
【請求項5】
スチレン系モノマーと下式
CH=CH−A−B
(式中、Aは2価の芳香族基、Bは前記アルコキシシリル基を有する側鎖を表す。)で表されるビニルモノマーを重合させて得られる高分子に、ルテニウム金属が担持された請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
ルテニウム前駆体と、芳香族側鎖及びアルコキシシリル基を有する側鎖を有する架橋性高分子とを反応させることから成る高分子固定化ルテニウム触媒の製法。
【請求項7】
さらに水及び塩基を反応させることによる請求項6に記載の製法。
【請求項8】
さらに金属アルコキシドを反応させることによる請求項6又は7に記載の製法。
【請求項9】
前記金属アルコキシドが下式
Al(OR(OH)3−k−1
(式中、R及びRは独立に炭素数が1〜6のアルキル基、kは1〜3の整数、lは0又は1を表し、但し、k+l=1〜3を満たす。)又は
X(OR(OH)4−m―n
(式中、XはSi、Al、Ti又はZr、R及びRは独立に炭素数が1〜6のアルキル基、mは2〜4の整数、nは0〜2の整数を表し、但し、m+n=2〜4を満たす。)で表され、
前記アルコキシシリル基が下式
−Si(OR(OH)3−o―p
(式中、Rは炭素数が1〜3のアルキル基、Rは炭素数が1〜6のアルキル基、oは1〜3の整数、pは0又は1を表し、但し、o+p=2又は3を満たす。)で表される請求項8に記載の触媒。
に記載の製法。
【請求項10】
前記架橋性高分子が、スチレン系モノマーと下式
CH=CH−A−B
(式中、Aは2価の芳香族基、Bは前記アルコキシシリル基を有する側鎖を表す。)で表されるビニルモノマーを重合させて得られた請求項6〜9のいずれか一項に記載の製法。
【請求項11】
アルコール、スルフィド又はアミンの酸化反応のための請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒及び請求項6〜10のいずれか一項に記載の製法により製造される触媒の使用。
【請求項12】
アルコールの酸化反応のための請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒及び請求項6〜10のいずれか一項に記載の製法により製造される触媒の使用。

【公開番号】特開2009−208027(P2009−208027A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55756(P2008−55756)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】