説明

高剛性パネル、高剛性パネル用支持部材、及び高剛性パネルの支持構造

【課題】 施工性が高く、全体として高い剛性を有するものとする。
【解決手段】 第1の平板2と、第1の平板2に間隔を開けて配置された第2の平板3と、第1の平板2と第2の平板3との間に挟まれてそれぞれに接合される折板4(芯材)とを備えてなる高剛性パネル1であって、第2の平板3の端部が、第1の平板2に向かって外側に斜めに折り曲げられ前記第1の平板2に接合される折り曲げ部3aを有する高剛性パネル1を、折り曲げ部3aの面に沿う傾斜面11aを有する支持部材11で支持する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築用構造用の高剛性パネル、高剛性パネル用支持部材、及び高剛性パネルの支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動の吸収・減衰を目的として構造用パネルに振動エネルギー吸収性能を持たせる手段としては、いくつかの方法が公知である。例えば、従来例のパネル51を図5に示す。パネル51は、第1の平板52と、第1の平板52に間隔を開けて配置された第2の平板53と、第1の平板52と第2の平板53との間に挟まれてそれぞれに接合された折板54とを備えてなる。パネル51は、金属板をロール加工、プレス加工等により加工されて山部及び谷部が形成された折板54が、2枚の平板52、53に接合されて製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の方法によると、加工される金属板の幅方向に制限があるため山部及び谷部が形成された後の折板の水平幅は制限され、これにより製造されるパネルの幅が決まってしまうという問題がある。パネル幅が制限されると、高い剛性を得ながらもパネルの枚数及びそれを支持する梁を減らすことができず、充分にその効果を生かすことができない。そこで、幅の広いパネルとしてパネル枚数を低減させようとすると、折板の水平幅を広げる必要がある。そうすると、パネルの厚さを薄くすることになり、曲げ剛性が低下してしまう。
【0004】また、上記のような従来のパネルを連結する方法として、特開平7−217064に、パネルの端部の連結用部材を別に設けるものが示されている。この方法であると、部品数が増大してしまい、パネル製造工程及び施工が複雑化するという問題がある。更に、従来のパネルを床として施工する場合、梁は通常四角形でありその上にパネルを載置するため、梁と高剛性パネルとを合わせた厚さが大きなものとなってしまい、施工が困難になるという問題がある。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、幅の広い高剛性パネル、幅の広い高剛性パネルを簡易に施工することが可能である支持部材、及び施工性が高く、全体として高い剛性を有する高剛性パネルの支持構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための本発明の請求項1に記載の高剛性パネルは、第1の平板と、前記第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、前記第1の平板と前記第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、前記第2の平板の端部が、前記第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ前記第1の平板に接合される折り曲げ部を有することを特徴としている。
【0007】上記の構成によると、第2の平板の端部が第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ第1の平板に接合される折り曲げ部を有するため、折板の水平幅よりも幅の広い高剛性パネルとすることができる。
【0008】請求項2に記載の高剛性パネルは、請求項1において、前記折り曲げ部が、前記第2の平板と前記芯部材との接合部の端部の近傍に設けられていることを特徴としている。
【0009】上記の構成によると、折り曲げ部が第2の平板と芯部材との接合部の端部の近傍に設けられているため、高剛性パネル幅方向に両端を、中央部と同程度の剛性を有するものとすることができる。
【0010】請求項3に記載の高剛性パネルは、請求項1又は2において、前記折り曲げ部の先端を、前記第2の平板に向けて折り曲げたことを特徴としている。
【0011】上記の構成によると、折り曲げ部の先端を、第2の平板に向けて折り曲げたため、高剛性パネルの幅方向両端の剛性を高めることができる。
【0012】請求項4に記載の高剛性パネルは、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、前記折板の一方の山部又は谷部に前記第1の平板が接合され、前記波板の他方の山部又は谷部に前記第2の平板が接合されていることを特徴としている。
【0013】上記の構成によると、芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、折板の一方の山部又は谷部に第1の平板が接合され、波板の他方の山部又は谷部に第2の平板が接合されているため、充分高い剛性を有する高剛性パネルとすることができる。
【0014】請求項5に記載の高剛性パネルは、請求項4において、前記折り曲げ部が、前記山部又は谷部の前記第2の平板に対する角度近傍の折り曲げ角度で折り曲げられていることを特徴としている。
【0015】上記の構成によると、折り曲げ部が山部又は谷部の第2の平板に対する角度近傍の折り曲げ角度で折り曲げられているため、高剛性パネル両端部の剛性を高くすることができる。
【0016】請求項6に記載の高剛性パネルは、請求項4又は5において、前記第2の平板に、該第2の平板と前記折板の前記他方の山部又は谷部との接合部の近傍に、前記他方の山部又は谷部の長手方向に連続的又は部分的に、前記第1の平板に向かって突状部が設けられていることを特徴としている。
【0017】上記の構成によると、第2の平板に、該第2の平板と折板の他方の山部又は谷部との接合部の近傍に、他方の山部又は谷部の長手方向に連続的又は部分的に、第1の平板に向かって突状部が設けられているため、折板の位置決めをすることができると共に、第2の平板の剛性を高めることができる。
【0018】請求項7に記載の高剛性パネルは、請求項6において、前記突状部が、前記第2の平板と前記折板の前記他方の山部又は谷部との接合部の両側に設けられていることを特徴としている。
【0019】上記の構成によると、突状部が、第2の平板と折板の前記他方の山部又は谷部との接合部の両側に設けられているため、確実に折板の位置決めをすることができると共に、第2の平板の剛性を高めることができる。
【0020】請求項8に記載の高剛性パネルは、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記第2の平板と前記折板との接合部が、制振材又は接着材を介して接合されていることを特徴としている。
【0021】上記の構成によると、第2の平板と折板との接合部が制振材又は接着材を介して接合されているため、折板と第2の平板との間に発生する接触音を抑え、遮音性を高くすることができると共に、制振性を高くすることができる。
【0022】請求項9に記載の高剛性パネル用支持部材は、第1の平板と、前記第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、前記第1の平板と前記第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、前記第2の平板の端部が、前記第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ前記第1の平板に接合される折り曲げ部を有する高剛性パネルの支持に用いられる支持部材であって、前記折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有することを特徴としている。
【0023】上記の構成によると、折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有するため、高剛性パネルを設置し易くなると共に、高剛性パネルと支持部材とを合わせた厚さを薄くすることができ、施工性が高くなる。
【0024】請求項10に記載の高剛性パネル用支持部材は、請求項9において、前記支持部材が、前記折り曲げ部の面に沿う傾斜面を、2面に有することを特徴としている。
【0025】上記の構成によると、折り曲げ部の面に沿う傾斜面を2面に有するため、並設された高剛性パネルを安定して両側に載置することができる。
【0026】請求項11に記載の高剛性パネル用支持部材は、請求項10において、前記支持部材が、略三角形又は略台形であることを特徴としている。
【0027】上記の構成によると、支持部材が略三角形又は略台形であるため、折板及び台2の平板を一体化することができ、複数の高剛性パネルを幅方向に1枚であるように挙動させることができる。
【0028】請求項12に記載の高剛性パネル用支持部材は、請求項10又は11において、前記第1の平板側の面或いは頂部に、凹部を備えたことを特徴としている。
【0029】上記の構成によると、第1の平板側の面或いは頂部に凹部を備えたため、該凹部に高剛性パネルの部分を収容することができ、高剛性パネルと支持部材を合わせた厚さを薄くすることができる。それと共に、支持部材の剛性を高くすることができる。
【0030】請求項13に記載の高剛性パネルの支持構造は、第1の平板と、前記第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、前記第1の平板と前記第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、前記第2の平板の端部が、前記第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ前記第1の平板に接合される折り曲げ部を有する高剛性パネルを、前記折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有する支持部材で支持することを特徴としている。
【0031】上記の構成によると、第1の平板と、第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、第1の平板と第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、第2の平板の端部が、第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ第1の平板に接合される折り曲げ部を有する高剛性パネルを、折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有する支持部材で支持するため、幅の広い高剛性パネルを簡易に施工することができると共に、全体として高い剛性を有するものとすることができる。
【0032】請求項14に記載の高剛性パネルの支持構造は、請求項13において、前記芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、前記折板の山部又は谷部の一方に第1の平板が接合され、前記波板の山部又は谷部の他方に第2の平板が接合されていることを特徴としている。
【0033】上記の構成によると、芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、折板の山部又は谷部の一方に第1の平板が接合され、折板の山部又は谷部の他方に第2の平板が接合されているため、充分高い剛性を有するものとすることができる。
【0034】請求項15に記載の高剛性パネルの支持構造は、請求項13又は14において、前記支持部材が、制振材を介して前記高剛性パネルを支持するようにされたことを特徴としている。
【0035】上記の構成によると、支持部材が制振材を介して高剛性パネルを支持するようにされているため、更に遮音性・制振性を高くすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態の一例を説明する。本発明の実施形態例を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0037】図1において、高剛性パネル1は、第1の平板2と、第1の平板2に間隔を開けて配置された第2の平板3と、第1の平板2と第2の平板3に挟まれてそれぞれに接合される折板4(芯部材)とを備えてなる。本実施形態例では、高剛性パネル1を床として用いる場合について説明する。
【0038】折板4は、山部と谷部とを連続させた波形に形成されており、山頂部4aと谷頂部4bとを交互に有する。折板4の両端は谷頂部4bであり、山頂部4aは第1の平板2と接合され、谷頂部4bは第2の平板3と接合されている。尚、芯材としては、折板の他にエンボス板、ハニカムコア、パイプ等が考えられる。
【0039】第1の平板2は、折板4の山頂部4aに接合されている。尚、第1の平板2としては、金属板、木製板等が用いられる。第1の平板2の幅が、高剛性パネル1の幅となる。
【0040】第2の平板3は、両端に第1の平板2に向かって外側に斜めに折り曲げられ第1の平板2に接合される折り曲げ部3aを有する。折り曲げ部3aは、折板4の両端部と第2の平板3との接合部の近傍に、波板4の両端の谷頂部4bに連続して谷部を形成するように設けられている。そのため、折板4の水平幅よりも幅の広い高剛性パネル1とすることができると共に、高剛性パネル1の両端を、中央部と同程度の剛性を有するものとすることができる。
【0041】尚、折り曲げ部3aの第2の平板3に対する折り曲げ角度αは、鋭角とする。そうすると、高剛性パネル1は、第2の平板3から第1の平板2に向かって広がるものとなる。そして、波板に形成された折板4を用いる場合、折り曲げ角度αは、折板4の山部又は谷部が第2の平板3に対してなす角度とほぼ同等にすることが好ましい。例えば、折板4の山部又は谷部と第2の平板3となす角度を60°とした場合は、折り曲げ部の折り曲げ角度αも60°近傍に、折板4の山部又は谷部と第2の平板3となす角度を45°とした場合は、折り曲げ部の折り曲げ角度αも45°近傍にすることが好ましい。このようにすることで、折り曲げ部3aを、折板4の山部又は谷部に連続したものとすることができる。また、高剛性パネル1の両端の強度を保持することができる程度に、折り曲げ角度αを小さくすれば、折板4に対してより幅の広い高剛性パネル1を形成することが可能である。
【0042】更に、折り曲げ部3aの先端が第1の平板2に向けて折り曲げられており、折部3bを形成している。そのため、高剛性パネルの両端の剛性を高めることができる。尚、第2の平板3としては、金属板等が用いられ、主に鋼板が用いられる。
【0043】尚、第1の平板及び第2の平板3と折板4の接合、及び第1の平板2と第2の平板3との接合は、接着材、ボルト、リベット、ピン、溶接等と、これらの併用で行われる。尚、接合部は、制振材を介して接合されることが好ましい。そうすると、部材間に発生する接触音を抑え、遮音性を高くすることができると共に、制振性を高くすることができる。
【0044】尚、図3に、高剛性パネルの別形態例を示す。高剛性パネル21は、高剛性パネル1の第2の平板3に、突状部3cが設けられたものである。突状部3cは、第2の平板3と波板4の谷頂部4bとの接合部の両側に長手方向に連続的に設けられている。突状部3cが設けられることで、折板4の位置決めをすることができると共に、第2の平板3の剛性を高めることができる。
【0045】尚、突状部3cは、第2の平板3と波板4の谷頂部4bとの接合部の片側に設けられるものであってもよい。また、長手方向に部分的に設けられるものであってもよい。
【0046】図2において、高剛性パネルの支持構造21は、上記示した高剛性パネル1が並設され、支持部材11により支持されている。支持部材11は、並設された高剛性パネル1間と、それぞれの高剛性パネル1の両端部に配設されている。
【0047】支持部材11は、高剛性パネル1の折り曲げ部3aに沿う傾斜面11a、11aを両側に有し、断面は略三角形状をしている。折り曲げ部3aの面に沿う傾斜面11a、11aを有するため、並設された高剛性パネル1、1を安定して両側に載置することができる。そのため、高剛性パネル1を設置し易くなると共に、高剛性パネル1と支持部材11とを合わせた厚さを薄くすることができ、施工性が高くなる。
【0048】また、支持部材11が略三角形であるため、折板4及び第2の平板3を一体化することができ、高剛性パネル1、1を幅方向に1枚であるように挙動させることができる。尚、支持部材11は、高剛性パネル1が床として用いられる場合は、梁として、壁として用いられる場合は柱として用いられる。
【0049】尚、図4に、支持部材の別形態例を示す。図4(a)において、支持部材12は、両側に傾斜面12aを有する略三角形状である。下面には、開口部12bを有する。この場合、平板を折り曲げて加工するのみで、支持部材12を容易に製造することができる。
【0050】また、図4(b)において、支持部材13は、両側に傾斜面13aを有する略三角形状であり、凹部13bを有する。この凹部13bは、第1の平板2に接合される。凹部13bが設けられているため、図1において、折部3bを凹部13b内に収容することができ、高剛性パネル1と凹部13bとを接合した時、合わせた厚さを薄くすることが可能である。それと共に、支持部材13の剛性を高くすることができる。
【0051】尚、支持部材は、断面が略三角形に限定されない。第2の平板の折り曲げ部に沿う形状の傾斜面が設けられているものであればよい。例えば、略台形のものであってもよく、また、四角形の支持部材の一部分が上述したような傾斜面を有するものであってもよい。
【0052】以上示したように、高剛性パネル1を支持部材11で支持することにより、幅の広い高剛性パネル1を簡易に施工することができると共に、全体として高い剛性を有する高剛性パネルの支持構造101とすることができる。尚、本実施形態例においては、高剛性パネルの支持構造101を床として用いる場合について説明したが、天井や、壁として用いることも可能であり、その場合も同様の効果が得られるものである。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本実施形態例において、折板4として、幅が1219mmの鋼板を用いた。そして、一辺が200mmで、第2の平板3に対して傾斜角度が60°の山部を3つ形成した。また、第2の平板3の折り曲げ部3aの角度αを60°とした。
【0054】(比較例)比較例として、折板4として、幅が1219mmの鋼板を用いた。そして、一辺が200mmで、第2の平板3に対して傾斜角度が60°の山部を3つ形成した。
【0055】実施例では、第1の平板2の幅方向を800mmとすることができた。しかし、比較例においては、第1の平板の幅は600mmとなった。本発明によると、同じ幅の折板4に対して、従来よりも幅の広い高剛性パネルを製造することができることが言える。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によると、第2の平板の端部が第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ第1の平板に接合される折り曲げ部を有するため、折板の水平幅よりも幅の広い高剛性パネルとすることができる。
【0057】請求項2の発明によると、折り曲げ部が第2の平板と芯部材との接合部の端部の近傍に設けられているため、高剛性パネル幅方向に両端を、中央部と同程度の剛性を有するものとすることができる。
【0058】請求項3の発明によると、折り曲げ部の先端を、第2の平板に向けて折り曲げたため、高剛性パネルの幅方向両端の剛性を高めることができる。
【0059】請求項4の発明によると、芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、折板の一方の山部又は谷部に第1の平板が接合され、波板の他方の山部又は谷部に第2の平板が接合されているため、充分高い剛性を有する高剛性パネルとすることができる。
【0060】請求項5の発明によると、折り曲げ部が山部又は谷部の第2の平板に対する角度近傍の折り曲げ角度で折り曲げられているため、高剛性パネル両端部の剛性を高くすることができる。
【0061】請求項6の発明によると、第2の平板に、該第2の平板と折板の他方の山部又は谷部との接合部の近傍に、他方の山部又は谷部の長手方向に連続的又は部分的に、第1の平板に向かって突状部が設けられているため、折板の位置決めをすることができると共に、第2の平板の剛性を高めることができる。
【0062】請求項7の発明によると、突状部が、第2の平板と折板の前記他方の山部又は谷部との接合部の両側に設けられているため、確実に折板の位置決めをすることができると共に、第2の平板の剛性を高めることができる。
【0063】請求項8の発明によると、第2の平板と折板との接合部が制振材又は接着材を介して接合されているため、折板と第2の平板との間に発生する接触音を抑え、遮音性を高くすることができると共に、制振性を高くすることができる。
【0064】請求項9の発明によると、折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有するため、高剛性パネルを設置し易くなると共に、高剛性パネルと支持部材とを合わせた厚さを薄くすることができ、施工性が高くなる。
【0065】請求項10の発明によると、折り曲げ部の面に沿う傾斜面を2面に有するため、並設された高剛性パネルを安定して両側に載置することができる。
【0066】請求項11の発明によると、支持部材が略三角形又は略台形であるため、折板及び台2の平板を一体化することができ、複数の高剛性パネルを幅方向に1枚であるように挙動させることができる。
【0067】請求項12の発明によると、第1の平板側の面或いは頂部に凹部を備えたため、該凹部に高剛性パネルの部分を収容することができ、高剛性パネルと支持部材を合わせた厚さを薄くすることができる。それと共に、支持部材の剛性を高くすることができる。
【0068】請求項13の発明によると、第1の平板と、第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、第1の平板と第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、第2の平板の端部が、第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ第1の平板に接合される折り曲げ部を有する高剛性パネルを、折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有する支持部材で支持するため、幅の広い高剛性パネルを簡易に施工することができると共に、全体として高い剛性を有するものとすることができる。
【0069】請求項14の発明によると、芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、折板の山部又は谷部の一方に第1の平板が接合され、折板の山部又は谷部の他方に第2の平板が接合されているため、充分高い剛性を有するものとすることができる。
【0070】請求項15の発明によると、支持部材が制振材を介して高剛性パネルを支持するようにされているため、更に遮音性・制振性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高剛性パネルの斜視図である。
【図2】高剛性パネルの支持構造の斜視図である。
【図3】高剛性パネルの斜視図である。
【図4】支持部材の斜視図である。
【図5】従来の高剛性パネルの斜視図である。
【符号の説明】
1 高剛性パネル
2 第1の平板
3 第2の平板
3a 折り曲げ部
3b 折部
4 折板
4a 山頂部
4b 谷頂部
11 支持部材
11a 傾斜面
101 高剛性パネルの支持構造101

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の平板と、前記第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、前記第1の平板と前記第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、前記第2の平板の端部が、前記第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ前記第1の平板に接合される折り曲げ部を有することを特徴とする高剛性パネル。
【請求項2】 前記折り曲げ部が、前記第2の平板と前記芯部材との接合部の端部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高剛性パネル。
【請求項3】 前記折り曲げ部の先端を、前記第2の平板に向けて折り曲げたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高剛性パネル。
【請求項4】 前記芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、前記折板の一方の山部又は谷部に前記第1の平板が接合され、前記波板の他方の山部又は谷部に前記第2の平板が接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高剛性パネル。
【請求項5】 前記折り曲げ部が、前記山部又は谷部の前記第2の平板に対する角度近傍の折り曲げ角度で折り曲げられていることを特徴とする請求項4に記載の高剛性パネル。
【請求項6】 前記第2の平板に、該第2の平板と前記折板の前記他方の山部又は谷部との接合部の近傍に、前記他方の山部又は谷部の長手方向に連続的又は部分的に、前記第1の平板に向かって突状部が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の高剛性パネル。
【請求項7】 前記突状部が、前記第2の平板と前記折板の前記他方の山部又は谷部との接合部の両側に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の高剛性パネル。
【請求項8】 前記第2の平板と前記折板との接合部が、制振材又は接着材を介して接合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高剛性パネル。
【請求項9】 第1の平板と、前記第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、前記第1の平板と前記第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、前記第2の平板の端部が、前記第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ前記第1の平板に接合される折り曲げ部を有する高剛性パネルの支持に用いられる支持部材であって、前記折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有することを特徴とする高剛性パネル用支持部材。
【請求項10】 前記支持部材が、前記折り曲げ部の面に沿う傾斜面を、2面に有することを特徴とする請求項9に記載の高剛性パネル用支持部材。
【請求項11】 前記支持部材が、略三角形又は略台形であることを特徴とする請求項10に記載の高剛性パネル用支持部材。
【請求項12】 前記第1の平板側の面或いは頂部に、凹部を備えたことを特徴とする請求項10又は11に記載の高剛性パネル用支持部材。
【請求項13】 第1の平板と、前記第1の平板に間隔を開けて配置された第2の平板と、前記第1の平板と前記第2の平板との間に挟まれてそれぞれに接合される芯材とを備えてなる高剛性パネルであって、前記第2の平板の端部が、前記第1の平板に向かって外側に斜めに折り曲げられ前記第1の平板に接合される折り曲げ部を有する高剛性パネルを、前記折り曲げ部の面に沿う傾斜面を有する支持部材で支持することを特徴とする高剛性パネルの支持構造。
【請求項14】 前記芯材が山部と谷部とを連続させた波形に形成された折板であり、前記折板の山部又は谷部の一方に第1の平板が接合され、前記波板の山部又は谷部の他方に第2の平板が接合されていることを特徴とする請求項13に記載の高剛性パネルの支持構造。
【請求項15】 前記支持部材が、制振材を介して前記高剛性パネルを支持するようにされたことを特徴とする請求項13又は14に記載の高剛性パネルに支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2003−193660(P2003−193660A)
【公開日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−396256(P2001−396256)
【出願日】平成13年12月27日(2001.12.27)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】