説明

高効率有機発光素子およびその製造方法

本発明は有機発光素子から発生した光を外部に最大限抽出することができる構造を有する有機発光素子に関し、より詳しくは、光再活用パターンを含む高屈折率層または電極を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光素子およびその製造方法に関し、より詳しくは、有機物層から発生した光の放出効率に優れた有機発光素子およびその製造方法に関する。本出願は2008年9月25日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2008−0093993号の出願日の利益を主張し、その内容すべては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
有機発光現象とは、有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象を意味する。すなわち、正極と負極の間に適切な有機物層を位置させたとき、2つの電極の間に電圧がかかるようになれば、正極では正孔が、負極では電子が前記有機物層に注入されるようになる。この注入された正孔と電子が結合したときに励起子(exciton)が形成され、この励起子が再び底状態に落ちるときに光を生成するようになる。
【0003】
最近になり、有機発光を用いてディスプレイや照明源を生成しようとする研究が活発に行われている。また、効果的な有機発光素子を生成するために、有機物層を単層から多層構造まで蒸着させる研究が進められてきた。現在用いられている大部分の有機発光素子は電極と有機物層が平坦に蒸着された構造を有しているが、このうち図1に示すように、基板1上に正孔注入層、正孔伝達層、発光層、および電子伝達層のような多層からなる有機物層3と電極2、4が平坦に蒸着された多層構造を有する有機発光素子が最も代表的に用いられている。このような有機発光素子の応用において、発光効率の増加は、他の技術との競争において極めて重要な意味を持つ。平面ディスプレイの場合は高画質に対する争点の他にも電力消耗に関してLCDと熾烈な競争を繰り広げており、照明の場合はLED(Light Emitting Diode)と発光効率の競争を繰り広げている。
【0004】
平坦構造の有機発光素子に電圧を加えて電子と正孔をそれぞれ注入すれば、発光層でこれらが再結合して光を放出するようになる。このとき、発光層から発生する光は、各層における屈折率の差によって次のような2つの異なる経路を経ることができる。すなわち、光が素子の外に出る場合と、透明基板と空気層の間の界面または透明基板と透明電極がなす界面で全反射して素子内に閉じこめられる場合である(図2)。このとき、素子の外に出ることができる光の量は、発光層から発生した全体光の量の1/2n(nは有機物層の屈折率)以下である。有機物層の屈折率値が1.7であると仮定すれば、発生した光の約17%以下だけが有機発光素子の外に出ることができる。
【0005】
より詳細な分析によれば、前記全反射は透明基板と空気層の間の界面でのみ存在するのではなく、透明基板よりも屈折率が相対的に高い透明電極と透明基板との界面でも相当量が起こるものと知られている。一般的にガラス基板の屈折率は1.5〜1.6である反面、普遍的に多く用いられる透明正極であるITO(酸化インジウムスズ)の場合は屈折率が1.8〜2.1に至るため、ガラス基板と透明正極の界面で全反射が起こるようになる。前記全反射が発生し始める角度は全反射の臨界角であると言われており、その角度は隣接する2つの層の界面における屈折率に関係する式θ=sin−1(n/n)で示すことができる。ここで、nは屈折率が相対的に低い媒質であり、nは屈折率が相対的に高い媒質である。
【0006】
このような問題を克服し、有機発光素子の外により多くの光を放出するために、図1に示す有機発光素子とは異なって平坦でない層を有する構造、すなわち、非平坦構造を有する有機発光素子を生成するための方法が試みられてきた。しかしながら、未だに光放出効率を大きく向上させることができる構造が開発されていない実情にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、有機発光素子から発生した光を外部に最大限抽出することができる構造を有する有機発光素子を提供することを目的とする。特に、本発明は、透明電極と透明基板の間で全反射する光を最大限外部に抽出する構造を有し、光効率が高い有機発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明は、基板;前記基板上に位置した第1電極;前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層;および前記有機物層上に位置した第2電極;を含む有機発光素子であって、前記第1電極の下部および前記第2電極の上部のうちの少なくとも一側に備えられた高屈折率層を含み、前記高屈折率層は光再活用パターンを含むことを特徴とする有機発光素子を提供する。
【0009】
また、本発明は、基板、前記基板上に位置した第1電極;前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層;および前記有機物層上に位置した第2電極;を含む有機発光素子であって、前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも1つは光再活用パターンを含み、前記光再活用パターンを含む電極は光透過性であることを特徴とする有機発光素子を提供する。
【0010】
本発明に係る有機発光素子は、前記第1電極と前記第2電極の間に発光層を含む発光ユニットを1つのみ含む単層構造の有機発光素子だけでなく、前記発光ユニットを2つ以上含むスタック(stack)構造の有機発光素子も含む。前記スタック構造の有機発光素子において、積層された発光ユニットの間には中間導電層または電荷発生層を備えることもできる。
【0011】
本発明に係る有機発光素子は、前記第1電極が正極であって前記第2電極が負極であるノーマル(normal)構造であることもでき、前記第1電極が負極であって前記第2電極が正極である転置(inverted)構造であることもできる。前記第1電極と前記第2電極は互いに相違した材料からなることもでき、同じ材料からなることもできる。
【0012】
本発明に係る有機発光素子は、前記基板と前記第1電極の間、または前記基板と光再活用パターンの間、または前記基板と第1電極の少なくとも一部と前記基板と前記光再活用パターンの少なくとも一部の間に有機発光素子を駆動する薄膜トランジスタ(Thin film transistor)を備えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る有機発光素子では、2つの反対電極の間に位置した発光層から放出する光のうち、全反射によって素子に閉じこめられたり素子の外に放出する前に吸収されて熱に変わる光を最大限素子の外に放出させることにより、有機発光素子の光抽出効果を最大化することができる。特に、透明電極と透明基板の間で全反射して素子に閉じこめられた光を再活用することにより、光抽出効率を最大化することができる。
【0014】
また、本発明によれば、光抽出効果を出すことができる3次元的構造である光再活用パターンの形成を基板上にプリンティング方法などを利用して実現することができるため、実際に産業的に容易に実現することができる。
【0015】
さらに、光再活用パターンがパターン化された部分とパターン化されない部分の割合を調整したり、および/または光再活用パターンの高さを最適化することにより、本来基板を通じて空気中に放出する光が再び反射して入ってくるという短所を最大限解決し、全反射する光を選択的に再活用することにより、光効率増加を最大化させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の有機発光素子の構造を例示した図である。
【図2】従来の有機発光素子で全反射して消滅する光の経路を例示した図である。
【図3】本発明の第1実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図4】本発明の第1実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図6】本発明の第1実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図7】本発明の第1実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図8】本発明の第1実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図9】本発明の第1実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図10】本発明の第1実施形態にによる有機発光素子の構造を例示した図である。
【図11】本発明に係る有機発光素子から発光した光の経路を例示した図である。
【図12】本発明に係る有機発光素子から発光した光の経路を例示した図である。
【図13】本発明に係る有機発光素子から発光した光の経路を例示した図である。
【図14】本発明に係る有機発光素子の光再活用層の大きさを説明するための図である。
【図15】本発明に係る有機発光素子から発光した光の経路を例示した図である。
【図16】発光ユニットを2つ含む本発明に係る有機発光素子の構造を例示した図である。
【図17】発光ユニットを2つ含む本発明に係る有機発光素子の構造を例示した図である。
【図18】本発明に係る有機発光素子の製造過程を図式化した図である。
【図19】本発明に係る有機発光素子の製造過程を図式化した図である。
【図20】本発明に係る有機発光素子の高屈折率層と光再活用パターンの水平断面のパターン形態を例示した図である。
【図21】本発明に係る有機発光素子の高屈折率層と光再活用パターンの水平断面のパターン形態を例示した図である。
【図22】本発明の第2実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図23】本発明の第3実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【図24】本発明の第4実施形態による有機発光素子の構造を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0018】
一般的に有機発光素子において、2つの電極の間に存在する有機物の厚さは200nm以下であり、透明電極も200nm以下の厚さからなる。一方、普遍的に用いられているアルミニウムを含んだ電極の反射率は約93%であることが知られており、透明電極として用いられるITOやIZOも5%以上の吸収度を有する。このため、基板がガラスで形成され、前記基板に接する電極がITO透明電極であり、反対電極がアルミニウム電極である場合、相対的に屈折率がガラスよりも高いITO透明電極とガラス基板の間で全反射が起こる。図2に示すように、全反射した光子は幾度かの全反射過程が繰り返される間にITOとアルミニウムによって吸収されて熱に変わるようになる。
【0019】
光子が1回の全反射を起こすたびにITOとアルミニウムで10%が吸収されると仮定するとき、5回の全反射によって約40%の光子が吸収されるようになる。全反射が起こる層の厚さを0.4μmとし、全反射角度を45度と仮定した場合、光が1回の全反射によって水平方向に直進する距離は約0.8μmとなる。したがって、横および縦がそれぞれ50μmの寸法(dimension)を有する有機発光素子の中央で形成された光子が全反射して基板の横面を経て素子の外に放出されるまで、30回以上(25μm/0.8μm)の全反射を経るようになる。
【0020】
したがって、大部分の全反射した光は熱に変換されるが、発生した熱は素子の安全性に問題を引き起こすことがある。このため、全反射して熱として消滅する光子を最大限外部に抽出するためには、基板の大きさを極めて小さくして最小限の全反射を経た後に基板の横面に放出させなければならない。しかしながら、一般的に基板の厚さが数十から数百マイクロンに至るガラスまたはプラスチック基板を用いるようになるため、横および縦がそれぞれ数マイクロンから数十マイクロンに至る素子を製作するということは現実性が低く、その他にも電極の連結やパッケージングなどの問題によって現実的に製作が困難である。
【0021】
本発明では、基板の広さと関係なく全反射する回数を最小化することによって発光効率を高め、さらに全反射した光が光再活用パターンに到達した場合、散乱、吸収および再発光、低屈折または反射などの方法によって再活用されることにより、素子の量子効率を向上させることができる。これにより、素子から外部に放出する総光量を増大させることができる。このような方法は、既存に研究されてきた基板と空気層の間の全反射のみを抑制させる方法に比べ、より効果的な光抽出方法である。
【0022】
従来には相対的に屈折率が低い基板と相対的に屈折率が高い正極の間に形成される界面を平面で維持する代わりに、前記基板と前記正極の間に凹凸などの形状を取り入れて前記界面における全反射を減らそうとする試みがあった。しかしながら、このような試みでは、半導体工程で用いられる超微細フォトリソグラフィ工程を必要としたり、パターンが相対的に困難であるガラス基板をパターン化する方法を利用するため、実質的な使用に相当な制約がある。さらに、上述した試みでは、外部に抽出される方向に基板を向け、出ていく光の相当部分も前記凹凸などの形状によって基板と空気層の間に全反射して放出されないという逆効果を同時に示し、その効果が縮小される。
【0023】
しかしながら、本発明では、発生するすべての光を吸収および再発光または散乱させるのではなく、外部に抽出される角度で発生した光はそのまま外部に抽出されるようにすると同時に、内部で全反射する光のみを再活用するようになることにより、光抽出効率を最大化できるようになる。このような選択的な光の再活用は、前記光再活用パターンがパターン化された部分とパターン化されない部分の割合を調整したり、光再活用パターンの高さを最適化することによってより極大化することができる。
【0024】
また、本発明では、前記光再活用パターンを基板上にプリンティング方法などを利用して形成することができるため製造方法が容易になり、これによって工程費用を減少させて経済性を向上させることができる。
【0025】
本発明において、前記光再活用パターンは、散乱、吸収および再発光、光屈折および反射のうちから選択されたいずれか1つの機能を有するパターンで形成することもできるが、散乱、吸収および再発光、光屈折および反射のうちの2種以上の機能が組み合わされて適用されることもできる。例えば、前記光再活用パターンのうちの少なくとも一部と残りは前記機能のうちから選択された互いに異なる機能を有することもでき、前記光再活用パターンがすべて2種以上の機能を有することもできる。
【0026】
本発明は、基板、前記基板上に位置した第1電極、前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層、前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記第1電極の下部および前記第2電極の上部のうちの少なくとも一側に備えられた高屈折率層を含み、前記高屈折率層は光再活用パターンを含むことを特徴とする有機発光素子を提供する。以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
【0027】
本発明の第1実施形態は、基板、前記基板上に位置した第1電極、前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層、前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記基板および前記第1電極が光透過性を有し、前記基板と前記第1電極の間には高屈折率層が位置し、前記高屈折率層は光再活用パターンを含むことを特徴とする有機発光素子を提供する。
【0028】
前記基板および第1電極が光透過性である場合、前記基板と第1電極の間に備えられた高屈折率層および光再活用パターンによって素子の光抽出効率を向上させることができる。この実施形態において、第2電極も光透過性であることができる。ここで、光透過性とは、発光層から発光する光の波長に対する透過度が30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であることを意味する。
【0029】
前記基板としては、当技術分野において用いられる光透過性材料であれば特に制限されることはなく、ガラスまたはプラスチック基板またはフィルムを用いることができる。
【0030】
前記第1電極としては、当技術分野において用いられる光透過性電極材料であれば特に制限されることはない。例えば、前記第1電極は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zin coxide)のような導電性酸化物で形成されることもでき、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、銀、セシウム(Cs)、リチウム、またはこれらを含む合金(alloy)を光透過性を有する程度に薄い薄膜の形態で用いることもできる。前記第1電極は正極の役割をすることもでき、負極の役割をすることもできる。
【0031】
前記光再活用パターンは前記高屈折率層の内部に備えられ、前記基板と前記第1電極の間の界面で全反射した光を再活用して素子外部に放出させる役割をする。
【0032】
前記高屈折率層の厚さ方向としては、前記光再活用パターンが前記高屈折率層の中間部に位置することもでき、前記高屈折率層の上部または下部に偏向して配置されることもできる。
【0033】
例えば、前記光再活用パターンは、前記高屈折率層を貫通し、前記高屈折率層と基板の界面から前記高屈折率層と第1電極の界面まで連結する構造で形成されることができる。このような構造が図3に示されている。図3において、図面符号1は基板、図面符号2および4はそれぞれ第1電極および第2電極、図面符号3は有機物層、図面符号5は高屈折率層、図面符号6および7は光再活用パターンである。このとき、前記光再活用パターンと前記高屈折率層の境界面は基板に対して垂直であることもできるが、前記基板の表面に対して時計方向に一定の角度を維持することもできる。例えば、前記境界面は、前記基板の表面に対して時計方向に10度〜170度の範囲、好ましくは30度〜150度から選択される角度を有することができる。このような角度は工程中に自然に形成されたりもする。図4および図5は、光再活用パターンと高屈折率層の境界面が前記基板に対して傾斜角度をなす場合を示した図である。
【0034】
前記光再活用パターンは、前記高屈折率層だけでなく、前記第1電極の内部まで延長した構造を有することができる。図6〜図8は、前記光再活用パターンが前記高屈折率層と前記第1電極に渡って形成された構造を例示した図である。図6〜図8には、前記光再活用パターンが前記高屈折率層と基板の界面から前記第1電極と有機物層の界面まで延長した構造で形成されているが、このような構造に限定されるものではない。前記光再活用パターンは、前記高屈折率層と基板の界面に接したり接しないこともある。また、前記光再活用パターンは、前記第1電極と有機物層の界面に接したり接しないこともある。また、前記光再活用パターンは、前記高屈折率層と前記第1電極の界面に接したり接しないこともある。さらに、前記光再活用パターンは、前記第1電極と有機物層の界面を通過して有機物層の内部まで延長した構造を有することもできる。
【0035】
図9は、前記光再活用パターンが前記高屈折率層と基板の界面から前記高屈折率層の中間の厚さまで位置した構造を例示した図である。図10は、前記光再活用パターンが前記第1電極と有機物層の界面を通過して有機物層の内部まで延長した構造を例示した図である。
【0036】
前記光再活用パターンの高さは、前記高屈折率層の厚さの10%以上500%未満であることが好ましく、高屈折率層の厚さの20%〜90%であることがより好ましい。前記光再活用パターンと電極の間の間隔は、高屈折率層の厚さの90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
【0037】
前記高屈折率層の水平方向としては、前記光再活用パターンが前記高屈折率層に均一に分布することが好ましい。前記光再活用パターンはその存在によって素子の光抽出効率を増加させることができるため、その形態および寸法は特に限定されるものではない。
【0038】
本発明において、前記光再活用パターンのパターン化された部分の面積は、全体基板面積の5%以上90%以下であることが好ましく、10%以上60%以下であることがより好ましい。また、光再活用パターンはランダム(random)であることもでき、反復性のある規則的なパターンも可能である。
【0039】
前記光再活用パターンは単一物質からなることもできるが、2つ以上の物質からなることもできる。2つ以上の物質を含む場合、一領域に2つ以上の物質をすべて含むこともでき、それぞれ1種の物質を含む2つ以上の領域を含むこともできる。前記高屈折率層には2種以上の光再活用パターン形態が含まれることができる。2種以上の光再活用パターン形態が含まれる場合、それぞれのパターン形態は横、縦、高さなどの寸法、形態および構成物質のうちの少なくとも1つが相違することもできる。前記光再活用パターンは前記高屈折率層の内部に規則的なパターンで配置されることもでき、不規則的なパターンで配置されることもできる。
【0040】
前記光再活用パターンは、全反射によって進入した光の散乱を起こす材料を含むことにより、全反射した光を再活用する役割をすることができる。光の散乱を利用して全反射した光を効果的に再活用するためには、前記光再活用パターンを構成する物質は1つ以上の成分からなることが好ましい。例えば、前記光再活用パターンは、屈折率が互いに異なる物質を混合したパターン、パターン内で空間的に物質の密度に差があるように形成したパターン、多結晶状態のパターン、または高屈折率粒子が相対的に屈折率が小さい物質に分散したパターンであることができる。前記高屈折率粒子が相対的に屈折率が小さい物質に分散したパターンは、例えば、互いに固まらないように分散させた高屈折率粒子をモノマー、高分子、または高分子とモノマーの混合物と混合した後、光再活用パターンに充填した後、溶媒を除去し、必要によっては紫外線硬化または熱硬化によって形成することにより、光の散乱を起こすことができる。
【0041】
屈折率が互いに異なる2つ以上の成分を混合して光再活用パターンを形成する場合、例えば、チタン酸化物を含んだ混合物を用いることができる。チタン酸化物は合成方法によって屈折率を変化させることができ、形状も球形または非球型で製造することができる。したがって、高屈折のチタン酸化物とこれよりも屈折率が小さい物質を混合することによって散乱を誘導することができる。また、マグネシウムフルオライド粒子は屈折率が低いため(n=1.38)、マグネシウムフルオライドとこれよりも屈折率が大きい物質を混合することによって光再活用パターンを散乱性パターンとして形成することができる。上述して列挙した散乱性パターンの形成方法は例示に過ぎず、散乱性パターンを形成する多様な方法を用いることができる。このような散乱を起こす方法は、LCDのバックライトから出る光を均一に散乱させる役割をするディフューザ(diffuser)、またはディスプレイ表面が周囲の光源を反射することを防ぐ全反射コーティング(antireflection coating)などでも広く用いられており、これらの技術を本発明に適用することができる。
【0042】
また、前記光再活用パターンは、全反射した光を吸収してすべての方向に再発光させる材料を含むことにより、全反射した光を再活用する役割をすることができる。この場合、光を再活用できるだけではなく、前記光再活用パターンは発光層から出た光を吸収した後に他の波長の光を再発光するため、発光層から発光する波長と前記光再活用パターンで再発光する波長の合によって所望する色相を実現することができる。
【0043】
散乱によって全反射する光を再活用する方法とは異なり、全反射した光を吸収して再発光させるために、前記光再活用パターンは蛍光または燐光性質を有する物質を含むことができる。全反射した光は基板の平面に対して一定の角度範囲内で前記光再活用パターンに進入する。このとき、光再活用パターンが存在しない場合、大部分の光は全反射過程中に素子に吸収されて熱に変換する。しかしながら、蛍光性または燐光性物質を含んだ光再活用パターンが存在する場合、全反射した光は蛍光性または燐光性物質に吸収され、吸収された光は再び入射した光よりも長い波長の光を再発光するようになる。このとき、再発光する光は、全反射して前記光再活用パターンで一定の角度以内に入射した光とは異なってすべての方向に再発光するようになる。したがって、相当量の光が再び基板の外に放出するようになり、これによって素子の効率が上昇することができる。
【0044】
本発明において、前記光再活用パターンの存在による光の経路について、図6の構造を例示して説明すれば次のとおりとなる。図6に例示された構造の素子に電界を加えれば、図11で例示したように、正極と負極が同時に存在する部分でのみ電荷が注入され、注入された電荷が再結合をなしながら光を放出する。このとき、屈折率が相対的に低い透明基板1と相対的に屈折率が高い高屈折層5の界面において全反射をなす角度で発生した光は、図12で例示したように、光再活用パターン6、7に到達する。前記光再活用パターンは透明基板と透明電極の間の界面で全反射して進行する光の角度を変形させる役割をすることにより、内部に閉じこめられた光を外部に放出させる役割をする。
【0045】
前記光再活用パターンが上述したように光を吸収および再発光する役割をするためには、前記光再活用パターンが有機発光素子の発光層から放出した後に全反射して到達する光を吸収しなければならず、吸収された光を再発光する効率が高いほど好ましい。このため、発光層から発生する光のスペクトラムの長い波長の領域と前記光再活用パターン材料の吸収スペクトラムの短波長領域の少なくとも一部が重なることが好ましい。また、前記光再活用パターンの蛍光性または燐光性物質は、1つの光子を吸収する場合、少なくとも0.2以上の光子、より好ましくは0.5以上の光子を再発光することができる能力を有することが好ましい。このために、前記光再活用パターンは1種以上の蛍光性または燐光性物質を含まなければならず、このような性質を有する物質は有機物または無機物などから選択することができる。
【0046】
上述したような性質を有する有機物としては、ルブレン(rubrene)系列の物質、チオフェン(thiophene)系列の物質、イミダゾール(imidazole)系列の物質、クマリン(coumarine)系列の物質、オキサゾール(oxazole)系列の物質、チアゾール(thiazole)系列の物質などの物質があり、アントラセン(anthracene)、テトラセン(tetracene)、ペンタセン(petacene)などを含む有機化合物およびこれらの誘導体などがあるが、これらは例示に過ぎず、本発明の範囲がこれらにのみ限定されるものではない。上述したような性質を有する有機物は、既存の蛍光増白剤(Brightner)、レーザーダイ(LASER Dye)、または有機発光素子の発光ホストまたは発光ドーパントなどの用途として広く用いらてきたものであり、本発明ではこれらを直接用いたり、本発明の目的に適合する構造の誘導体に変形して用いることもできる。
【0047】
前記光再活用パターンを構成する蛍光性または燐光性物質として、上述した有機物の他に無機物を用いることもできる。無機物蛍光体または燐光体も、発光層から発光した後に素子の外部に放出されずに全反射して光再活用パターンに進入する光を吸収して再発光する役割をする。このため、このときに用いられる無機物蛍光体または燐光体も、発光層から発光する波長を吸収しなければならず、この光を吸収した後に高い効率で再発光することができる量子効率が高い物質から選択することが好ましい。SrGa:Eu、YAl12:Ce、(Y、Gd)Al12:Ce、GdAl12:Ce、CaS:Ce3+、Na、CaS:Eu2+、Ce3+、ZnS:Te、Mn、ZnS:Se、Te、Mn、ZnS:Ce、Li、ZnS:Cu、Al、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(POCl:Eu2+、YS:Eu3+、またはLiSrSiO:Eu2+、BaScSi24:Eu2+、CaSi:Eu2+、BaMgSi:Eu2+のようにユーロピウム(europium)がドーピングされたシリケート化合物などを用いることができる。しかしながら、上述したものは例示に過ぎず、本発明の範囲がこれらにのみ限定されるものではない。
【0048】
本発明では、上述したような性質を有する無機物蛍光体または燐光体として、既存のPDP(plasma display panel)、LED(Light emitting diode)、CCFL(cold cathode fluorescent lamp)のように短波長の光を吸収して可視光線を放出する、平板ディスプレイや照明源として用いる技術に用いられてきた無機物蛍光体または燐光体を用いたり、発光層から出る光をさらに効率的に吸収して放出するように、上述したような蛍光体または燐光体の構造を変形して用いることもできる。また、燐光体として、有機発光素子において発光層を燐光物質によって構成する技術で用いる燐光性ドーパントを用いることができる。一般的に前記燐光性ドーパントは、イリジウム(Ir)または白金(Pt)またはユーロピユム(Eu)などの原子を含んだりする。また、ZnS、ZnSeなどのような物質をナノサイズで形成し、そのサイズに応じて発光波長を異にするナノサイズ蛍光体を用いることもできる。
【0049】
本発明において、前記蛍光または燐光性質を有する有機物または無機物を単独で利用して前記光再活用パターンを形成することもできるが、前記蛍光または燐光性質を有する有機物または無機物を他の高分子と混合して前記光再活用パターンを形成することもできる。他の高分子と混合する目的のうちの1つは、前記光再活用パターンの位置に良質の位置安全性および寸法安全性を付与することである。蛍光性または燐光性物質よりも粘度が高い高分子を前記蛍光性または燐光性物質と混合して用いることにより、目的とする光再活用パターンの位置に蛍光性または燐光性物質を満たして入れることができる。このときに用いられる高分子は、前記光再活用パターンを形成した後、紫外線または熱硬化によって仮橋反応が進むこともある。このような仮橋反応は前記光再活用パターンの溶媒に対する安全性、位置安全性、寸法安全性、および熱安全性を増進させることができる。
【0050】
高分子を用いる代わりに、前記蛍光性または燐光性有機物または無機物とモノマー形態の物質を混合した後、熱硬化や光硬化によってモノマーを高分子化するものも使用可能である。また、蛍光または燐光性質を示す高分子自体を、前記光再活用パターンを構成する物質として用いることができる。
【0051】
一般的に、蛍光性または燐光性物質を含む光再活用パターンを形成するためには、蛍光性または燐光性物質を単独または高分子やモノマーと混合してコーティングまたはプリンティングしてパターンを形成することもでき、必要によっては蒸着工程を利用して層を形成することもできる。例えば、スクリーンプリンティング、ロールプリンティング、オフセットプリンティング、インクジェットプリンティング方式などの方法を適用することができ、目的によってはフォトリソグラフィも使用可能である。前記プリンティング方式またはフォトリソグラフィ方式を進めるためには、適切な粘度を有する高分子を混合することができる。
【0052】
本発明において、前記光再活用パターンが蛍光性または燐光性物質を含む場合、1種の蛍光性または燐光性物質を用いることもできるが、必要によっては互いに発光波長が異なる2種以上の蛍光性または燐光性物質を用いることもできる。このとき、1つの光再活用パターンに2種以上の蛍光性または燐光性物質を含ませることもでき、2以上の光再活用パターンをそれぞれ相違する蛍光性または燐光性物質で形成することもできる。互いに異なる2種以上の蛍光性または燐光性物質を用いる場合、前記光再活用パターンは2種以上の蛍光性または燐光性物質によって互いに相違する2つの波長で発光することもでき、これらと発光層から発光する波長の合によって所望する色相を実現することができる。この場合、前記光再活用パターンに等しい蛍光性または燐光性物質を含ませる場合にも、それぞれのパターンで2種以上の蛍光性または燐光性物質から発光する広いスペクトラムの光を得ることができるため、適切な蛍光性または燐光性物質の選択とこれらの適切な割合調節によって所望する色相を得ることができる。
【0053】
本発明において、前記光再活用パターンが全反射した光を吸収して再発光させる物質を含む場合、本発明に係る有機発光素子は光散乱性パターンをさらに含むことが好ましい。例えば、前記光再活用パターンの少なくとも一部が散乱性パターンであることができる。このように、光散乱性パターンをさらに含むことにより、前記光再活用パターンによって吸収されて再発光した光の効率を極大化させることができる。
【0054】
本発明において、前記光再活用パターンは低屈折率パターンであることができる。前記低屈折率パターンは前記光再活用パターンを含む層、例えば、高屈折率層または電極よりも屈折率が小さいことが好ましい。具体的に、前記低屈折率パターンは前記低屈折率パターンを含む層、すなわち、高屈折率層または電極の屈折率よりも0.05以上小さいことが好ましく、0.1以上小さいことがより好ましい。前記光再活用パターンが低屈折率を有するパターンで構成されることにより、光再活用パターンに入射した光が素子の外に放出しやすいように光の進行方向を変えることができる。低屈折率を有するパターンによる光の経路の変化を図13に例示した。前記低屈折率パターンの屈折率は1.6以下であることが好ましく、1.3以上1.55以下であることがより好ましい。
【0055】
上述したような低屈折率パターンが発光層のような素子内の有機物層に含まれる場合、素子製作の難易度が極めて高いか、粒子(particle)のような不純物(impurity)が形成される可能性が高いため、素子の安全性が大きく低下して素子駆動に悪影響を及ぼす。しかしながら、本発明では、電極の外部に上述したような低屈折率パターンが備えられることにより、素子製作が容易なだけでなく、不純物が形成される可能性が極めて低いため、素子の安全性に影響を及ぼすことがないと同時に光の放出効率を極大化させることができる。
【0056】
本発明において、前記光再活用パターンは反射性物質を含むことにより、全反射した光を反射させて光を再活用することができる。このとき、反射性物質は、アルミニウムや銀またはこれらが含まれた混合物や合金を用いることができる。前記光再活用パターンが反射性物質のみからなることもでき、前記光再活用パターンは高分子材料内に反射性材料の粒子を分散させた構造を有することもできる。また、光再活用パターンの枠または光再活用パターンと高屈折率層の間の界面のみを反射性物質で構成し、残りの部分は他の材料で形成することができる。光再活用パターンの枠のみを反射性物質で構成する場合、その内部材料の種類は特に制限されることはない。反射性物質を含む光再活用パターンと基板がなす角度θは30〜60度とすることが好ましい。
【0057】
本発明では、前記光再活用パターンがパターン化された部分とパターン化されない部分の割合を調整したり光再活用パターンの高さを最適化することにより、外部に抽出される角度で発生した光はそのまま外部に抽出されるようにすると同時に、内部で全反射する光のみを再活用する選択的な光再活用を最大化できるようになる。
【0058】
上述したように、全反射した光を散乱させたり、蛍光性または燐光性物質によって吸収および再発光させたり、屈折率差によって屈折させたり、反射させることによって光の放出効率を増大させるとき、その増加効率を最大化するために素子が備えなければならない好ましい寸法(dimension)を図14に示した。前記高屈折率層5の厚さは0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。図14において、前記光再活用パターン6と前記光再活用パターン7によって分割される前記光再活用パターンを含む層、すなわち、第1実施形態では高屈折率層5の好ましい幅cは、高屈折率層5の高さaと相関関係がある。例えば、前記高屈折率層5の高さaと前記光再活用パターンによって分割される前記高屈折率層5の幅cの割合が1:1である場合、1:10である場合、および1:100である場合それぞれにおいて、発光層3内に存在する任意の発光地点から一定の角度で全反射した光が光再活用パターン6または光再活用パターン7に到達するまで全反射する回数が、与えられた断面において1:10:100で増加するようになる。このため、固定されたa値からa/cの値が小くなる場合、電極による光の吸収と有機物による光の吸収が継続して増加し、これによって光再活用パターン6、7に到達する全反射した光の量が減少するようになる。普遍的に用いられる総天然色動画ディスプレイのためのピクセルの大きさ(長さ)が約200〜300μmであるため、一般的な有機発光素子ではディスプレイのためのピクセルのサイズを高屈折率層5のサイズであると仮定すれば、普遍的に用いられる有機物層と第1電極の厚さの合が0.4μm以下であるため、この場合にa:cの割合は最大0.00133となる。このため、それぞれのピクセル横に前記光再活用パターン6、7を別途に製造しても、全反射した光が光再活用パターン6、7に到達する以前に、相当部分が電極や有機物層によって吸収されて熱に変わるようになる。このため、本発明において意図とする効率増加を得るためには、a:cが0.01以上である場合が好ましく、a:cが0.05以上である場合がより好ましい。前記a:cは1以下であることが好ましい。
【0059】
発光層3から全反射して光再活用パターン6、7に進入する光を散乱させたり、それを吸収して再発光させる役割をする光再活用パターン6、7の好ましい大きさは、前記光再活用パターン6、7によって分割される前記光再活用パターンを含む層、すなわち、第1実施形態では高屈折率層5の幅cと関連がある。前記光再活用パターンの幅b、dが前記光再活用パターン6、7の間に位置する高屈折率層5の幅cよりも大きい場合、発光層3から出て全反射して進入する光を充分に吸収/再発光したり、散乱させたり、屈折させたり、反射させることができるが、与えられた面積で電流注入によって発光する部分の面積の割合が相対的に減少するようになる。このため、一定の電流濃度で素子の効率は増加する反面、一定の輝度を得るために、電極層に単位面積あたり注入される電流の量は相対的に増加することができる。このため、b/cまたはd/cの値は2よりも小さいことが好ましく、0.5よりも小さいことがより好ましく、0.2よりも小さいことがさらにより好ましい。また、b/cまたはd/cの値は0.005よりも大きいことが好ましい。
【0060】
本発明において、前記光再活用パターンが散乱性パターン、蛍光性または燐光性物質を含むパターン、または低屈折率パターンで形成される場合、前記光再活用パターンと前記高屈折率層の間の界面を反射性物質で形成して全反射した光を外部に抽出することもできる。基板に対して一定の角度を有する反射板を利用して効率を高めようとする作業は既存にも行われてきたが(米国特許第6,650,045号明細書)、本発明のように高屈折率層の内部または後述するように電極の内部に反射性物質を取り入れて全反射の回数を減らすことによって発光効率を高める試みは本発明が初めてである。このような目的のために、光再活用パターン6、7と前記高屈折率層の界面に用いられる反射性物質としては、アルミニウムや銀またはこれらが含まれた混合物や合金を用いることができる。反射性物質で形成された界面は、蒸着工程、無電解メッキなどの方法によって形成することができる。反射性物質で形成された界面における光の経路を図15に例示した。このとき、前記界面が基板となす角度θは30〜60度とすることが好ましい。
【0061】
本発明において、高屈折率層の屈折率は基板を構成する物質の屈折率よりも高い。一般的なガラス基板の屈折率が1.55であるため、好ましい高屈折率層の屈折率は1.6以上である。前記高屈折率層の屈折率の上限は特に限定されることはないが、4以下であることが好ましい。前記高屈折率層の屈折率は1.65〜1.9であることがより好ましい。また、高屈折率層の屈折率が第1電極の屈折率と同じであるかそれよりも高い場合は、有機物層から発光した光子が第1電極を経て高屈折率層に進入するときに界面における全反射がないため、効率的な素子を製作することができる。普遍的に用いられる透明電極であるITOやIZOなどインジウム酸化物を基盤とした電極の屈折率がドーピング物質の種類、濃度、または工程条件に応じて1.7〜2.2まで幅広く変化するため、高屈折率層は屈折率が1.65以上であることがより好ましい。
【0062】
また、高屈折率層は光透過度に優れたることが好ましい。光透過度が低い場合、全反射した光が光再活用パターンに到達する以前に高屈折率層によって吸収されて熱に変換するため、高屈折率層の光透過率は50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。このとき、光透過率は可視光線領域における透過率を意味するが、特に電子と正孔の再組合によって発光層から発光する波長に対する透過度が最小限50%以上であることが好ましい。
【0063】
上述したような条件を満たす高屈折率層の材料としては、シリコン(silicon)、チタニウム(titanium)、ジルコニウム(zirconium)、モリブデニウムなどの酸化物、窒化物、または酸化窒化物などを含む物質から選択することができる。上述して例示された高屈折率層材料は、真空中で薄膜形成工程によって製作されることもできる。
【0064】
また、前記高屈折率層は、高屈折率を有して光を散乱させない大きさを有する物質の粒子を高分子または高分子前駆体などと混合して基板上にコーティングすることにより、高屈折率層を形成することもできる。粒子の大きさが可視光線の波長と類似するか大きくなれば光の散乱が起こるようになるため、高屈折率を有して適切な大きさを有する粒子を選択することが好ましい。すなわち、前記粒子の大きさは可視光線の波長よりも小さいことが好ましい。前記高屈折率層は高分子素材のみで形成されることもできる。また、高屈折率を有する物質の前駆体を用いて基板にコーティングした後、熱を加えることによって前記前駆体を高屈折を有する物質に変換させることにより、工程性向上と共に高屈折層を得ることができる。上述した高屈折率層の材料は例示に過ぎず、前記屈折率と透過度を満たすことができる多様な物質群から選択することができる。
【0065】
前記高屈折率層材料として屈折率が高い高分子または混合物を用いる場合には、蒸着方法の代わりに湿式コーティング方法を利用することができる。湿式方法を利用する場合、真空蒸着方法を利用する場合に比べて高屈折率層の厚さが増加することによって基板との間に機械的ストレスが作用し、基板自体の変形を防ぐことが容易であるという点において有利である。
【0066】
前記高屈折率層は単一層からなることもできるが、必要によっては前記透過度を満たす状態において多層構造からなることもできる。このような多層構造で形成された高屈折率層が提供することができる長所は、基板1と単一層の高屈折率層5からなる構造で発生し得る機械的または熱的物性の差、すなわち、熱膨脹係数などの差から発生するストレスによる膜質の弱化などを緩和させることができる。前記高屈折率層の上部には再び第1電極を含んだ有機発光素子を構成しなければならないため、高屈折率層の平坦度をより高めるために多層構造を形成することもできる。前記高屈折率層5の厚さは0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。また、前記高屈折率層5の厚さは2mm以下で形成されることができる。前記光再活用パターンの厚さは高屈折率層の厚さの1/10以上であることが好ましく、1/5以上であることがより好ましい。
【0067】
本発明の第1実施形態に係る有機発光素子は、前記高屈折率層上に第1電極、有機物層、および第2電極をさらに含む。図3〜図8に示すように、前記有機物層3は単一層で形成されることもできるが、必要によっては発光層の他に正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、正孔阻止層、および電子移送層のうちの少なくとも1つの層をさらに含む多層構造を有することもできる。
【0068】
また、前記有機発光素子は、前記第1電極と前記第2電極の間に発光層を含む発光ユニットを1つのみ含む単層有機発光素子であることもでき、発光層を含む発光ユニットを2つ以上含むスタック構造の有機発光素子であることもできる。このようなスタック構造の有機発光素子は、発光層を含む単層または多層の発光ユニットが2つ以上積層された構造を含むため、素子に注入される電流の量は同じでありながらも発生する光の量を2倍または3倍以上に増やすことができる。前記スタック構造の有機発光素子は、前記発光ユニットそれぞれの間に中間導電層または電荷発生層を含むことができる。前記電荷発生層は電極の役割をする中間導電層がない場合にも、電圧を加えたときに発光ユニットと発光ユニットの間で電荷が発生する構造を提供する。
【0069】
図16および図17は、第1電極2と第2電極4の間に第1有機発光ユニット3と第2有機発光ユニット9が積層され、前記有機発光ユニット3、9の間に中間導電層または電荷発生層8が備えられたスタック構造の有機発光素子を例示した図である。2つ以上の発光ユニットは互いに同じ材料または構造でなされることもでき、互いに異なる材料または構造でなされることもできる。ここで、有機発光ユニット3、9は単一層で形成されることもできるが、必要によっては発光層の他に正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、正孔阻止層、および電子移送層のうちの少なくとも1つの層をさらに含む多層構造を有することもできる。
【0070】
例えば、それぞれの発光ユニットは、同じ発光物質を用いることもできるし、互いに異なる発光物質を用いることもできる。例えば、前記有機発光ユニット3は青色の発光物質を含み、前記有機発光ユニット9は緑色の発光物質を含む場合、素子から発光する光は前記有機発光ユニット3と前記有機発光ユニット9からそれぞれ放出される光の波長をすべて含む長波長の青色を示すようになる。また、上述したように積層された発光ユニットそれぞれの発光色相を調節して白色光を実現することもできる。さらに、それぞれの発光ユニットをなす前記有機発光ユニット3と前記有機発光ユニット9が同じ発光物質を用いる場合、1つの発光ユニットのみを用いた素子と比べて同じ注入電流で最大2倍の発光効率を出すことができる。
【0071】
図16および図17の図面符号8は発光ユニットの間に備えられた中間導電層または電荷発生層であって、電荷発生層が備えられる場合、別途の中間電極がなくても層と層の間で電荷を生成させることもできる。
【0072】
前記第2電極は、当技術分野において通常的に用いられる電極材料を利用して形成することができる。前記第1電極が正極である場合には前記第2電極は負極として作用することができ、前記第1電極が負極である場合には前記第2電極は正極として作用することができる。前記第2電極は光透過性材料でなされることもでき、光反射性材料でなされることもできる。前記第2電極の材料は、上述した第1電極の材料として例示した材料から選択することができる。
【0073】
本発明において、前記第1電極と有機物層の間または前記光再活用パターンと有機物層の間に位置すると同時に第1電極と接する伝導性層をさらに備えることができる。前記伝導性層は、第1電極の電気伝導度が十分ではないときに電源から供給される電流を第1電極層に均一に供給する役割をする。前記伝導性層の電気抵抗は106Ωm以下であることが好ましい。前記伝導性層の材料としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)などを用いることができ、またはこれらを主成分とする合金を用いることもできる。前記伝導性層の厚さは2〜2,000ナノメートルであることが好ましい。前記伝導性層はパターン化された形態で形成されることができ、このとき、パターン化された面積は前記第1電極面積の30%以下であることが好ましい。また、前記伝導性層がパターン化された形態の場合、その厚さは0.1μm〜1,000μmであることが好ましく、0.3μm〜0.5μmであることがさらに好ましい。前記伝導性層の厚さが極めて薄ければ電気伝導度を高めるのに寄与し難く、極めて厚ければその上部に有機物層を含む層を形成し難い。
【0074】
前記第1実施形態に係る有機発光素子は、基板上に第1電極を形成するステップと、前記第1電極上に発光層を含む有機物層を形成するステップと、前記有機物層上に前記第2電極を形成するステップとを含む有機発光素子の製造方法において、(a)前記第1電極の形成前に、前記基板上にパターン化された高屈折率層を形成した後、パターニングされた部位に光再活用パターンを形成するステップと、(b)前記基板上に高屈折率層および第1電極をパターン化して形成した後、パターン化された部位に光再活用パターンを形成するステップと、(c)前記第1電極の形成前に、前記基板上に光再活用パターンを形成した後、前記基板の光再活用パターンが形成された面に高屈折率層を形成するステップとを含む方法によって製造されることができる。上述したように光再活用層および高屈折率層を形成した後、素子の残りの層を順に形成する。
【0075】
本発明において、前記光再活用パターンの形態として、有機発光素子の基板の上部から見た水平断面における光再活用パターンの形態は、例えば、図20に示すように一直線形状の骨形態であることもでき、図21のように格子であることもできる(図面符号5:高屈折率層、図面符号6および7:光再活用パターン)。しかしながら、これらの図面は例示に過ぎず、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0076】
前記(a)ステップまたは前記(b)ステップを利用する場合、前記高屈折率層または前記高屈折率層と前記第1電極をパターニングする方法としては、半導体または液晶ディスプレイ製作に一般的に用いられる乾式エッチングまたは湿式エッチングを利用することができる。特に乾式エッチング方法は、プラズマとガスを利用して早い時間内にパターニングすることができる方法である。前記光再活用パターンを形成方法については、光再活用パターンに関する説明において記載したとおりである。
【0077】
前記高屈折率層または電極を形成した後、パターニングする代わりにパターニングされた形態で高屈折率層または電極を直接形成することもできる。高屈折率層の場合、溶媒に対する溶解度または分散性がある高屈折率材料を用いて適切な粘度で調整することにより、インクジェットプリンティング、ロールプリンティング、スクリーンプリンティング、オフセットプリンティングなどの方法を利用してパターン化された高屈折率層を直接形成することができる。
【0078】
パターニングされた高屈折率層または第1電極に光再活用パターンを形成する方法としては、コーティングまたはプリンティング方法を利用することもでき、必要によっては蒸着工程を利用することもできる。例えば、スクリーンプリンティング、ロールプリンティング、オフセットプリンティング、インクジェットプリンティング方式などの方法を適用することができ、目的によってはフォトリソグラフィまたはレーザー転写法など用いることができる。前記プリンティング方式またはフォトリソグラフィ方式を進めるためには、適切な粘度を有する高分子を混合することができる。
【0079】
本発明において、前記光再活用パターンを形成する際にプリンティング方法などの多様な方法を利用することができるため、製造方法を容易にし、工程費用を減らすことができる。
【0080】
前記(b)ステップを含む本発明に係る有機発光素子の製造方法の一例を図18に例示したが、本発明の範囲がこれによって限定されるものではない。
【0081】
前記(c)ステップを利用する場合には、基板上に光再活用パターンを直接形成するとき、スクリーンプリンティング、ロ−ルプリンティング、オフセットプリンティング、インクジェットプリンティングのようなプリンティング方式、フォトリソグラフィ方式など当技術分野に知られた方法を利用することができる。続いて、前記基板上に形成された光再活用パターン上に高屈折率層または電極を前記光再活用パターンの高さと同じか、それもよりもさらに厚く形成することができる。
【0082】
前記光再活用パターンを形成した後、高屈折率層を形成するとき、プリンティング方法、ソリューションキャスティング(solutioncasting)方法、圧出、フィルムラミネーティング方法などを利用することができる。このとき、高屈折率層はその上部面が平坦になるように形成されることもできるが、前記光再活用パターンの突出部によって上部面が非平坦に形成されることもできる。このように非平坦な表面上部に非平坦な構造をそのまま維持しながら電極を含んだ素子を形成する場合にも、素子性能に大きく影響を及ぼさない。しかしながら、前記高屈折率層の非平坦な表面上に電極を形成するとき表面を平坦にさせることもでき、別途の層をコーティングすることによって平坦にすることもできる。例えば、前記高屈折率層上に追加の高屈折率層をコーティングすることができる。この追加の高屈折率層はその上に形成される電極との接着力を向上させることができ、さらに前記非平坦面を平坦にさせる役割をなすことができる。
【0083】
また、前記高屈折率層は、高屈折率を有して光を散乱させない大きさを有する物質の粒子を高分子または高分子前駆体などと混合して基板上にコーティングすることにより、高屈折率層を形成することもできる。粒子の大きさが可視光線の波長と類似するか大きくなれば光の散乱が起こるようになるため、高屈折率を有して適切な大きさを有する粒子を選択することが好ましい。すなわち、前記粒子の大きさは可視光線の波長よりも小さいことが好ましい。前記高屈折率層は高分子素材のみで形成されることもできる。また、高屈折率を有する物質の前駆体を用いて基板にコーティングした後、熱を加えることによって前記前駆体を高屈折を有する物質に変換させることにより、工程性向上と共に高屈折層を得ることができる。上述した高屈折率層の材料は例示に過ぎず、前記屈折率と透過度を満たすことができる多様な物質群から選択することができる。
【0084】
本発明において、前記高屈折率層を湿式コーティングによって形成する場合、屈折率が高い高分子または混合物を用いることができる。上述したように、湿式方法は、高屈折率層の厚さを増加させる場合にも、基板との間に機械的ストレスによる基板の変形を起こさないという長所がある。
【0085】
前記(c)ステップを含む本発明に係る有機発光素子の製造方法の一例を図19に例示したが、本発明の範囲がこれによって限定されるものではない。
【0086】
本発明の第2実施形態は、基板、前記基板上に位置した第1電極、前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層、前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記第2電極が光透過性を有し、前記第2電極の有機物層方向と反対方向の面に高屈折率層が位置し、前記高屈折率層は光再活用パターンを含むことを特徴とする有機発光素子を提供する。図22は第2実施形態を例示した図である。
【0087】
本発明に係る有機発光素子の外側、例えば、前記基板の第1電極と接する側の反対側または前記第2電極の上部には、蛍光性または燐光性物質を含んだ層をさらに備えることができる。前記追加の層により、発光層から発生した光の放出効率が高くなったり発光色が調整されることができる。
【0088】
前記第2実施形態に係る有機発光素子は第2電極が光透過性を有し、これによって光が透過する第2電極側に光再活用パターンを含む高屈折率層を備えることにより、光抽出効率を向上させたことを特徴とする。この場合、前記第1電極も光透過性を有することができる。上述したように、光再活用パターンを含む高屈折率層の位置が相違していることを除いた残りの構成についての説明は、第1実施形態で説明したものと同じである。ただし、前記高屈折率層の屈折率は一般的なガラス基板の屈折率を基準として1.6以上、より好ましくは1.65以上であることが好ましい。
【0089】
また、本発明は、基板、前記基板上に位置した第1電極、前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層、前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも1つは光再活用パターンを含み、前記光再活用パターンを含む電極は光透過性であることを特徴とする有機発光素子を提供する。以下、本発明の実施形態について説明する。
【0090】
本発明の第3実施形態は、基板、前記基板上に位置した第1電極、前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層、前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記基板および前記第1電極が光透過性を有し、前記第1電極は光再活用パターンを含むことを特徴とする有機発光素子を提供する。図23は第3実施形態を例示した図である。
【0091】
前記第3実施形態に係る有機発光素子は高屈折率層を有さず、光再活用パターンが第1電極内部に備えられたことを特徴とする。この場合、前記第2電極も光透過性を有することができる。このように、高屈折率層を含まずに光再活用パターンが第1電極内部に備えられたことを除いた残りの構成についての説明は、第1実施形態で説明したものと同じである。ここで、第1実施形態で説明した高屈折率層と光再活用パターンの寸法についての説明は、第3実施形態における第1電極と光再活用パターンの寸法に適用されることができる。
【0092】
第3実施形態において、前記第1電極の材料が基板よりも屈折率が高いことが好ましい。前記第1電極の材料は屈折率が1.6以上、好ましくは1.65以上であることが好ましい。前記第1電極の屈折率を調節するために、必要によっては第1電極にドーパントを添加することができる。
【0093】
本発明の第4実施形態は、基板、前記基板上に位置した第1電極、前記第1電極上に位置した発光層を含む1層以上の有機物層、前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記第2電極が光透過性を有し、前記第2電極は光再活用パターンを含むことを特徴とする有機発光素子を提供する。図24は第4実施形態を例示した図である。
【0094】
前記第4実施形態に係る有機発光素子は第2電極が光透過性を有し、これによって光が透過する第2電極内部に光再活用パターンを備えることによって光抽出効率を向上させたことを特徴とする。この場合、前記第1電極も光透過性を有することができる。上述したように、光再活用パターンの位置が相違していることを除いた残りの構成についての説明は、第3実施形態で説明したものと同じである。前記第2電極の屈折率は1.6以上、より好ましくは1.65以上であることが好ましい。
【符号の説明】
【0095】
1 基板
2 第1電極
3 有機物層
4 第2電極
5 高屈折率層
6,7 光再活用パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;前記基板上に位置した第1電極;前記第1電極上に位置した発光層を含む1階以上の有機物層;および前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記第1電極の下部および前記第2電極の上部のうちの少なくとも一側に備えられた高屈折率層を含み、前記高屈折率層は光再活用パターンを含むことを特徴とする、有機発光素子。
【請求項2】
前記基板および前記第1電極が光透過性を有し、前記基板と前記第1電極の間に高屈折率層が備えられ、前記高屈折率層は光再活用パターンを含む、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記第2電極が光透過性を有し、前記第2電極の有機物層方向と反対方向の面に高屈折率層が備えられ、前記高屈折率層は光再活用パターンを含む、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記光再活用パターンは散乱性パターンを含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記光再活用パターンは光の吸収および再発光パターンを含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記有機発光素子は散乱性パターンをさらに含む、請求項5に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記光再活用パターンは低屈折率パターンを含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記低屈折率パターンの屈折率は1.6以下である、請求項7に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記光再活用パターンは反射性パターンを含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記光再活用パターンは、前記高屈折率層と基板の界面から前記高屈折率層と第1電極の界面まで延長した構造;前記高屈折率層と基板の界面から前記高屈折率層の中間部まで延長した構造;前記高屈折率層と基板の界面から前記第1電極内部まで延長した構造;または前記高屈折率層と基板の界面から前記有機物層の内部まで延長した構造である、請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記光再活用パターンと前記高屈折率層の界面は前記基板に対して垂直であるか傾斜角を有する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記光再活用パターンの厚さは前記高屈折率層の厚さの20%〜90%である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項13】
前記光再活用パターンのパターン化された面積は全体面積の5%〜90%である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記高屈折率層の屈折率は1.6以上である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項15】
前記高屈折率層の屈折率は1.65〜1.9である、請求項14に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記高屈折率層の光透過率は80%以上である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記光再活用パターンを含む層の厚さaと前記光再活用パターンによって分割される高屈折率層の幅cの比であるa:cは0.01以上である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項18】
前記光再活用パターンの幅bと前記光再活用パターンによって分割される高屈折率層の幅cの比であるb/cは2よりも小さい、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記光再活用パターンと前記高屈折率層の界面に備えられた反射性物質を含む層を含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記第1電極と有機物層の間または前記光再活用パターンと有機物層の間に位置すると同時に前記第1電極と接する伝導性層がさらに備えられる、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項21】
前記有機発光素子の第2電極の外側または基板の外側に蛍光性または燐光性物質を含む層をさらに含む、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項22】
基板;前記基板上に位置した第1電極;前記第1電極上に位置した発光層を含む1階以上の有機物層;および前記有機物層上に位置した第2電極を含む有機発光素子であって、前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも1つは光再活用パターンを含み、前記光再活用パターンを含む電極は光透過性であることを特徴とする、有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2012−503300(P2012−503300A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528945(P2011−528945)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005511
【国際公開番号】WO2010/036070
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】