説明

高圧ライン用の取り外し可能なプラグイン接続部

本発明は高圧ライン用、特に、自動車の構造内のブレーキライン用の取り外し可能なプラグイン接続部に関する。かかる接続部は、周縁保持リブを備えた管状プラグイン部に加えて、中央受入れチャンバ(2)を備えた円筒形の受入れハウジング(1)からなる。受入れハウジング(1)の挿入側は拡張した受入れチャンバ(2)を有しており、その中に数個の半径方向にガイドされた固締要素(5)を包埋することが可能であり、かかる要素は内側方向に止めリング(14)によってクランプされる。固締要素(5)は内方向を指し示す固定くさび(18)を備えた2つのハーフシェル(8)からなり、一旦プラグイン部(3)が挿入された後は保持リブ(4)の背後で前向きに適合するように係合する。ハーフシェル(8)は各々一端部表面に突出した心出しピンを有し、かかるピンは内壁部の伸長部を構成して2つのハーフシェル(8)が組み立てられた際に対向する端部表面の対応する空洞部に係合する。一旦ハーフシェルが包埋された場合は(8)、拡張した受入れチャンバ(2’)を取り囲む壁部(15)の前方端部(16)は、プラグイン部が挿入された際に保持リブが妨害されることなく通過することが可能であってハーフシェル(8)が外側に自由に動くことが可能であるまで受入れハウジング(1)の軸に対する所定傾斜角で内側に曲げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクレーム1の前文条項に記載されている取り外し可能なプラグイン接続部に基づいており、これは例えば独国特許出願第3734948Al号によって既知である。
【0002】
このタイプのプラグイン接続部は高圧ライン用、特に、自動車の構造内のブレーキライン用を企図している。
【背景技術】
【0003】
通常は、プラグイン接続部は周縁保持リブを備えた管状プラグイン部の挿入用の中央受入れチャンバと、内方向を指し示す固定くさびを備えた固締要素を挿入側に包埋する拡張した受入れチャンバとを備えた円筒形の受入れハウジングを有し、該固締要素は周囲を取り囲むステンレス鋼製の別個の止めリングによって内側方向にクランプされる。プラグイン部が挿入された場合、保持リブによって固定くさびは弾性力に抗して押されながら分離し、プラグイン部が完全に差し込まれた後で再度結合せしめられ、よって内側方向を向く保持表面は保持リブの背後でその後方面に前向きに適合するように係合する。
【0004】
既知のプラグイン接続部の場合においては、弾性バンドによってつなぎ合わせられた3つの固定くさびが、分離したつば(collar)スリーブの拡張した受入れチャンバ内に包埋され、該つばスリーブは固定くさびが包埋された後に受入れハウジングに接続される。接続部を製造するためには、つばスリーブにはそのスリーブ端部にハウジングにある雄ネジにねじ込まれる雌ネジが備えられるか、若しくは、スリーブにはその後方端部に形成された内部リングが備えられる。該内部リングはハウジングと組み合わせた際に対応する溝部内にロックする。受入れハウジングが二分割のデザインであることに起因して、組立てが非常に面倒となり、よって大量生産品の場合は比較的高価になる。更に、3つの固定くさびを合わせ、その周りに弾性バンドを巻きつけ、更につばスリーブの拡張した受入れチャンバ内にこの緩んだ接続部を包埋するために手先の熟練も必要となる。
【発明の開示】
【0005】
本発明の目的は、受入れハウジングの製作が簡易になり、よって固定くさびの組立てが容易となる様に上述のプラグイン接続部を構成することである。
【0006】
本発明は、固締要素を2つのハーフシェル(half-shell)によって形成することによって達成され、該ハーフシェルは止めリングによってつなぎ合わせられ、ハーフシェルは各々突出した心出しリングを一端部表面に有し、かかるピンは内壁部の伸長部を構成して2つのハーフシェルが組み立てられた際に対向する端部表面の対応する空洞部に係合し、一旦ハーフシェルが包埋された場合は、拡張した受入れチャンバを囲む壁部の前方端部はプラグイン部が挿入された際に保持リブが妨害されることなく通過することが可能であってハーフシェルが外側に動くことが可能になるまでハウジング軸に対して所定の傾斜角で内側に曲げられる。
【0007】
それらの構造的方策によって達成されることは、心出しピンに起因して、2つのハーフシェルがそれらの端部表面によって簡易に組み立てられ、止めリングをその周囲に設置することによってつなぎ止められる。よって2つのハーフシェルを単一ユニットとしてハウジングの一部の拡張した受入れチャンバ内に挿入せしめることが可能となる。この後、行われるべきことはハウジング壁部の前方端部を適切な押圧装置によって所定の傾斜角で同時に押し、よって拡張した受入れチャンバ内のハーフシェルは挿入デバイスに対して支持され、よって一旦プラグイン部がハウジング内に挿入されて固定くさびが保持リブの背後で閉鎖された場合は、事前にハーフシェルを開かなければもはやプラグイン部はカップリングハウジングからは取り外すことが不可能である。
【0008】
ハーフシェルは便宜上2つの雌雄同体形状の同等部品として製造され、前方外縁部にハウジング壁部の前方端部と同じ角度の円錐状の支持表面の傾斜角が付けられており、その結果、ハーフシェルは内側にフランジ化された前方端部で完全に支持される。前方端部をフランジ化した場合は、ハウジングが容易に塑性変形することが可能な射出成形金属で形成されれば有利である。
【0009】
本発明の好適な実施例が図面に示されており、更に以下に詳細に説明される。
【実施例】
【0010】
図示されているプラグイン接続部は、数段の段が付けられた中央受入れチャンバ2を備えた円筒形の受入れハウジング1(図1参照)と、端部の直前に形成された周縁保持リブ4を備えた管状プラグイン部3(図4参照)とからなる。本実施例においては、プラグイン部3は、例えばブレーキラインに使用されている強固な金属管の端部である。
【0011】
ハウジング1は、その前方部の挿入側領域に、半径方向にガイドされた固締要素5を包埋する内径D1の拡張した受入れチャンバ2’を有し、そこに隣接してプラグイン部3用のシールリング6及びガイドスリーブ7を保持する第2の段のある直径D2の受入れチャンバ2”を有している。この後ろに更に段のある直径D3の受入れチャンバ2”’が続き、該チャンバ2”’はプラグイン部3を直接受け入れる役割を担っている。
【0012】
固締要素5の本発明のデザインが図7乃至10に示されている。これら固締要素5は2つの雌雄同体(hermaphroditically)デザインによるハーフシェル8からなり、該シェル8は可塑性物質から形成され、端部表面9で互いに接することによってリングに組み合わせられる。組立てを簡単にするために、ハーフシェル8は各々その一方の端部表面9に心出しリング11を有しており、該リング11は内壁部10の伸長部の形状として突出しており、他の端部表面9においては、対応する空洞部12を有しており、ハーフシェル8が組み立てられた際に各々の心出しピン11が反対側の空洞部12に係合する。
【0013】
ハーフシェル8はその外壁部に周縁溝部13を有しており、ハーフシェル8を囲んだ止めリング14を受け入れる役割を担っている。該リング14は好適にはスパイラル形状に曲げられており、弾力性のあるバネ鋼から曲げられる。この止めリング14の挿入の後、ハーフシェル8は互いにクランプされ、前方の受入れチャンバにガイドスリーブ7と共に単一ユニットとして容易に挿入することが可能となり(図2参照)、この場合シールリング6が最初に挿入されなければならない。
【0014】
挿入領域においては、受入れハウジング1は容易に変形する可塑性壁部15によって囲まれており、該壁部15は、一旦ガイドスリーブ7及びハーフシェル8が包埋された後は、その前方端部16においてハウジングの軸に対して所定の傾斜角で内側に曲げられる。具体的には、ハーフシェル8が挿入方向に対向して保持されるまで曲げられるが、プラグイン部3が挿入された場合は該ハーフシェル8は外側に自由に移動することが可能である(図3参照)。
【0015】
ハーフシェル8はその内側固定くさび18に保持表面19を有しており、該保持表面19は挿入方向を指し示しており、一旦プラグイン部3が挿入された際は保持リブ4の背後に前向き適合するように係合する。ハーフシェル8は加えてその挿入側の外縁部に円錐状の支持表面17を有しており、該支持表面17は外壁部15の前方端部l6とハウジングの軸に対して同等の角度で曲げられている。
【0016】
プラグイン部3が受入れチャンバ2”’内に挿入される際のハーフシェル8の動きが図5及び6に明確に示されている。先ず、保持リブ4が固定くさび18に突き当たった際、ハーフシェル8が押されながら止めリング14の弾性力に抗して分離する。保持リブ4が固定くさび18の内縁部20を経過するや否や、ハーフシェル8はそれらの当初位置に戻る、これにより保持リブ4の背後で保持表面19と係合し、よってカップリングが強固に閉鎖される。ブレーキ液がカップリングハウジング1内を流れた際に高い張力がプラグイン部3に働いた場合においても、内側にフランジが付けられた前方端部16及び円錐状の支持表面17が、ハーフシェル8のカップリングハウジング1内でのしっかりとした保持を確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】プラグイン接続部の受入れハウジングの縦断面図である。
【図2】拡張した受入れチャンバへの設置前のガイドリングと共に組み合わせられたハーフシェルである。
【図3】前方端部をフランジ化した後の包埋されたハーフシェルを伴った受入れハウジングである。
【図4】カップリングハウジング内に挿入される前のプラグイン部である。
【図5】カップリングハウジング内に挿入される際のプラグイン部である。
【図6】カップリングハウジング内に完全に挿入された後のプラグイン部である。
【図7】ハーフシェルの上部及び下部の側面図である。
【図8】ハーフシェルの上部及び下部の正面図である。
【図9】ハーフシェルの下部の平面図である。
【図10】2つのハーフシェルが組み合わせられた側面図であり、心出しピンの部分断面図を伴っている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ライン用、特に、自動車の構造内のブレーキライン用の取り外し可能なプラグイン接続部であって、周縁保持リブ(4)を備えた管状プラグイン部(3)の挿入用の中央受入れチャンバ(2)と数個の半径方向にガイドされた固締要素(5)が包埋され得る挿入側の拡張した受入れチャンバ(1’)とを備えた円筒形の受入れハウジング(1)からなり、前記要素は内側方向に止めリング(14)によってクランプされ、保持表面(19)を備えて内側を指し示す固定くさび(18)を固締要素(5)は有し、前記保持表面(19)は一旦前記プラグイン部(3)が挿入された場合に保持リブ(4)の背後に前向きに適合するように係合するプラグイン接続部であって、前記固締要素(5)は前記止めリング(14)によってつなぎ合わされる2つのハーフシェル(8)からなり、ハーフシェル(8)は各々端部表面(9)に突出する心出しピン(11)を有し、前記ピンは前記内壁部(10)の伸長部を構成して前記2つのハーフシェル(8)が組み立てられた際は対向する端部表面の対応する空洞部(12)に係合し、一旦前記ハーフシェル(8)が包埋された際は、前記拡張した受入れチャンバ(1’)を囲む壁部(15)の前記前方端部(16)は前記プラグイン部(3)が挿入される際に前記保持リブ(4)が妨害されずに通過することが可能であって前記ハーフシェル(8)が外側に自由に動けることが可能になるまで前記受入れハウジング(1)の軸に対する所定の傾斜角で内側に曲げられることを特徴とするプラグイン接続部。
【請求項2】
前記2つのハーフシェル(8)は同等の雌雄同体形状を有していることを特徴とする請求項1記載の取り外し可能なプラグイン接続部。
【請求項3】
前方外縁部においては、前記ハーフシェル(8)は前記外壁部(15)の前記前方端部(16)と同等の角度の円錐状の支持表面(17)で傾斜角が付けられていることを特徴とする請求項1若しくは2記載の取り外し可能なプラグイン接続部。
【請求項4】
前記ハウジング(1)は塑性変形され得る射出成形金属で形成されることを特徴とする請求項3記載の取り外し可能なプラグイン接続部。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−516504(P2006−516504A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501633(P2006−501633)
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000723
【国際公開番号】WO2004/068020
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(505003193)
【Fターム(参考)】