説明

高圧電源装置及び画像形成装置

【課題】直流電圧が重畳される交流電圧のデューティ比を切り替えるとき、重畳後の電圧が予め定められたリーク電圧を超えることを防止する。
【解決手段】交流電圧の波形形成に用いられるパルス信号を出力するパルス発振部と、パルス発振部から出力されたパルス信号に応じて予め定められたレベルの交流電圧を生成させる交流電圧生成部と、前記生成された交流電圧に直流電圧を重畳させる直流電圧重畳部と、パルス発振部から出力されるパルス信号の波形を調整する交流電圧調整部とを備え、交流電圧調整部はパルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該デューティ比を変更するためのパルス信号として、当該パルス信号の生成開始時点からの当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとそれまでのパルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとの差分を予め定められた値よりも小さく変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を生成する高圧電源装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式が採用される画像形成装置では、帯電バイアス用或いは現像バイアス用等に高圧電源装置が設けられている。この高圧電源装置としては、交流電圧に直流電圧を重畳した高圧を出力するものが用いられており、例えば、交流電圧を生成させるACトランスの二次側巻線の低圧側とグランド間に、直流電圧を生成させる直流電源を接続することで、ACトランスの二次側巻線の高圧出力側に、交流電圧と直流電圧が重畳された高圧を生成させるようになっている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、交流高圧電源と直流高圧電源の出力電圧を重畳した電圧から、正のピーク電圧を検出する正ピーク検出回路と、負のピーク電圧を検出する負ピーク検出回路とを備え、両検出回路からの検出結果を基に直流高圧電源の平均電圧と交流高圧電源の電圧振幅を調整することによって、出力電圧を精度良く制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−126630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、例えば、パルス信号の周期の途中でパルス信号がオンを示している状態でデューティ比を切り替えた場合に、切り替え当初のパルス信号がオンを示すことによって引き続きオンを示す状態が延長され、これにより、パワーオペアンプに入力されるパルス信号のレベルの平均値が急激に増加することとなり、これがパワーオペアンプで増幅されることによって、直流電圧が重畳される交流電圧のデューティ比を切り替え当初に、重畳される出力電圧が予め定められていたリーク電圧を上回る虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、直流電圧が重畳される交流電圧のデューティ比を切り替えるときに、当該重畳後の電圧が予め定められたリーク電圧を超えることを防止することができる高圧電源装置及び当該高圧電源装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、交流電圧の波形形成に用いられるパルス信号を出力するパルス発振部と、
前記パルス発振部から出力されたパルス信号に応じて、予め定められたレベルの交流電圧を生成させる交流電圧生成部と、
前記交流電圧生成部で生成された前記交流電圧に直流電圧を重畳させる直流電圧重畳部と、
前記パルス発振部から出力されるパルス信号の波形を調整する交流電圧調整部と、
を備え、
前記交流電圧調整部は、前記パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該デューティ比を変更するためのパルス信号として、当該パルス信号の生成開始時点からの当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとそれまでのパルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとの差分を予め定められた値よりも小さく変化させる高圧電源装置である。
【0008】
この発明では、交流電圧調整部によって、パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するときに、当該デューティ比を変更するためのパルス信号として、当該パルス信号の生成開始時点から当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとそれまでのパルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとの差分が予め定められた値よりも小さく変化される。
【0009】
したがって、当該差分が予め定められた値よりも大きく変化する、つまり、予め想定していた以上に急激に変化することが回避されるため、直流電圧重畳部によって、当該パルス信号に応じて交流電圧生成部から生成される交流電圧に直流電圧を重畳させた出力電圧が急激に変化して、予め想定していたリーク電圧を超えることを防止することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高圧電源装置であって、前記交流電圧調整部は、前記交流電圧生成部に前記交流電圧の生成を開始させる場合に、前記パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該変更後のデューティ比が50%以上であれば、オンを示す状態からパルス信号の出力を開始させ、当該変更後のデューティ比が50%未満であれば、オフを示す状態からパルス信号の出力を開始させる。
【0011】
この発明では、例えば、交流電圧生成部に交流電圧の生成を開始させる場合に、つまり、パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を0%から60%に変更するときは、オンを示す状態からデューティ比60%のパルス信号の出力を開始させ、一方、パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を0%から30%に変更するときは、オフを示す状態からデューティ比30%のパルス信号の出力を開始させる。
【0012】
したがって、オンを示す状態から50%以上のデューティ比(例えば60%)のパルス信号の出力が開始されるため、パルス信号の生成開始時点からの当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルは、当該パルス信号のオンを示す電圧レベルから、当該変更後のデューティ比(例えば60%)が示す比率を当該パルス信号のオンを示す電圧レベルに乗じたレベルに向けて、当該パルス信号のオンを示す電圧レベルと当該パルス信号のオフを示す電圧レベルとの差分の50%よりも小さく低減する。
【0013】
また、オフを示す状態から50%未満のデューティ比(例えば30%)のパルス信号の出力が開始されるため、パルス信号の生成開始時点からの当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルは、当該パルス信号のオフを示す電圧レベルから、当該変更後のデューティ比(例えば30%)が示す比率を当該パルス信号のオンを示す電圧レベルに乗じたレベルに向けて、当該パルス信号のオンを示す電圧レベルと当該パルス信号のオフを示す電圧レベルとの差分の50%よりも小さく増加する。
【0014】
つまり、交流電圧調整部は、交流電圧生成部に交流電圧の生成を開始させる場合に、パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するときに、当該デューティ比を変更するためのパルス信号として、当該パルス信号の生成開始時点から当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとそれまでのパルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとの差分が、当該デューティ比の変更前後で予め定められた値(当該パルス信号のオンを示す電圧レベルと当該パルス信号のオフを示す電圧レベルとの差分の50%)よりも小さく変化するようにパルス信号の波形を調整することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の高圧電源装置であって、前記交流電圧調整部は、前記パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該変更当初の予め定められた期間、当該変更後のデューティ比と当該変更前のデューティ比との間の予め定められたデューティ比のパルス信号を、当該変更前のパルス信号の周波数よりも高い予め定められた周波数で出力させ、当該期間の経過後は、当該変更前のパルス信号の周波数で当該変更後のデューティ比のパルス信号を出力させる。
【0016】
この発明では、交流電圧調整部は、例えば、パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を90%から50%に変更するときに、当該変更当初の予め定められた期間、当該変更後のデューティ比90%と当該変更前のデューティ比50%との間の予め定められたデューティ比75%のパルス信号を、当該変更前のパルス信号の周波数よりも高い予め定められた周波数で出力させる。
【0017】
つまり、変更当初からパルス信号のデューティ比を変更後のデューティ比に変更して当該パルス信号を変更前のパルス信号の周波数と同じ周波数で出力する場合に、当該デューティ比を変更するためのパルス信号として、当該パルス信号の生成開始時点から当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとそれまでのパルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとの差分を予め定められた値としたときに、交流電圧調整部は、パルス信号に応じて生成される交流電圧の生成開始時点からの平均電圧レベルが、当該デューティ比の変更前後で当該予め定められた値よりも小さく変化するようにパルス信号の波形を調整することができる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、現像バイアスの出力用に、前記請求項1から3の何れかに記載の高圧電源装置が備えられている画像形成装置である。
【0019】
この発明では、画像形成装置において、請求項1から3の何れかに記載の高圧電源装置から出力される直流電圧と交流電圧との重畳電圧を現像バイアスの出力に用いるため、請求項1から3の何れかに記載の発明の効果を奏することができ、現像バイアスの出力電圧がリーク電圧を超えないように防止することができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、帯電バイアスの出力用に、前記請求項1から3の何れかに記載の高圧電源装置が備えられている画像形成装置である。
【0021】
この発明では、画像形成装置において、請求項1から3の何れかに記載の高圧電源装置から出力される直流電圧と交流電圧との重畳電圧を帯電バイアスの出力に用いるため、請求項1から3の何れかに記載の発明の効果を奏することができ、帯電バイアスの出力電圧がリーク電圧を超えないように防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、直流電圧が重畳される交流電圧のデューティ比を切り替えるときに、当該重畳後の電圧が予め定められたリーク電圧を超えることを防止することができる高圧電源装置及び当該高圧電源装置を備えた画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る高圧電源装置が適用された画像形成装置の一例としてのプリンターを示す説明図。
【図2】現像装置の側断面図。
【図3】本発明に係る高圧電源装置の概略構成図。
【図4】本発明に係る高圧電源装置に備わる5端子における電圧の波形の時系列変化及び当該各電圧の生成開始時点からの平均電圧レベルの波形の時系列変化を示す説明図。
【図5】図4とは別の第二実施形態としての、本発明に係る高圧電源装置に備わる3端子における電圧の波形の時系列変化及び当該各電圧の生成開始時点からの平均電圧レベルの波形の時系列変化を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る高圧電源装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明に係る画像形成装置の一例としてのプリンター10は、印刷処理に供する用紙Sを貯留する用紙貯留部12と、この用紙貯留部12に貯留された用紙束S1から繰り出された1枚ずつの用紙Sに対して画像の転写処理を施す画像形成部13と、この画像形成部13で転写処理の施された用紙Sに対して定着処理を施す定着部14とが装置本体11に内装され、更に、定着部14で定着処理の施された用紙Sが排紙される排紙部15が装置本体11の頂部に設けられることによって構成されている。
【0025】
また、プリンター10には、印刷対象の画像データを入力操作する等の各種操作指示を入力するための図略の操作部や、外部のコンピューター等の外部装置との間でデータ通信するための図略のネットワークインターフェイス部が備えられている。
【0026】
用紙貯留部12には、用紙カセット121が装置本体11に対して挿脱自在に設けられている。用紙カセット121の上流端(図1の右方)には、用紙束S1から1枚ずつの用紙Sを繰り出させるピックアップローラー122が設けられている。このピックアップローラー122の駆動によって用紙カセット121から繰り出された用紙Sは、給紙搬送路123及びこの給紙搬送路123の下流端に設けられたレジストローラー対124を介して画像形成部13に給紙される。
【0027】
画像形成部13は、外部のコンピューター等から入力された画像情報に基づき用紙Sに転写処理を施すものであり、前後方向(図1の紙面と直交する方向)に延びるドラム軸回りに回転可能に設けられた感光体ドラム20の周面に沿うように、当該感光体ドラム20の直上位置から時計周り方向に帯電装置30、露光装置40、現像装置50、転写ローラー60及びクリーニング装置70が配設されている。
【0028】
感光体ドラム20は、周面に静電潜像を形成させた後にこの静電潜像に沿ったトナー像を形成させるためのものであり、周面にアモルファスシリコン層が積層されている。感光体ドラム20は、装置本体11の略中央部で前後方向(図1の紙面に直交する方向)に延びるドラム軸に同心で一体的に軸支され、図略の駆動手段の駆動によるドラム軸の時計周り方向への駆動回転によって当該ドラム軸と一体回転するように構成されている。
【0029】
帯電装置30は、ドラム軸の時計周り方向に回転している感光体ドラム20の周面に一様な電荷を形成させるものである。帯電装置30は、ワイヤーからのコロナ放電により感光体ドラム20の周面に電荷を付与するコロナ放電方式により帯電を行う。
【0030】
露光装置40は、外部のコンピューター等から入力された画像データに基づき強弱の付与されたレーザー光を、回転している感光体ドラム20の周面に照射し、これによるレーザー光が照射された部分の電荷の消去によって当該周面に静電潜像を形成させる。
【0031】
現像装置50は、感光体ドラム20の周面に現像剤であるトナーを供給することによって周面の静電潜像が形成された部分にトナーを付着させ、これによって感光体ドラム20の周面にトナー像を形成させる。本実施形態においては、現像剤として、トナーのみからなる所謂1成分系のものが採用されている。尚、現像剤を当該トナーのみからなる1成分系のものに限定する趣旨ではなく、現像剤として、トナーとキャリアとからなる所謂2成分系のものを採用してもよい。
【0032】
転写ローラー60は、感光体ドラム20の直下位置に送り込まれた用紙Sに対して当該感光体ドラム20の周面に形成されているプラスに帯電したトナー像を用紙Sに転写させるものであり、トナー像の電荷と逆極性であるマイナスの電荷を用紙Sに付与する。したがって、感光体ドラム20の直下位置を越えた用紙Sは、転写ローラー60と感光体ドラム20とによって押圧挟持されつつ、プラスに帯電した感光体ドラム20周面のトナー像がマイナスに帯電した用紙Sの表面に向けて引き剥がされ、これによって用紙Sに対し転写処理が施される。
【0033】
クリーニング装置70は、転写処理後の感光体ドラム20の周面に残留しているトナーを取り除いて清浄化する。このクリーニング装置70によって清浄化された感光体ドラム20の周面は、次の画像形成処理のために再び帯電装置30へ向かう。
【0034】
定着部14は、画像形成部13によって転写処理の施された用紙Sのトナー像に加熱による定着処理を施すものであり、内部にハロゲンランプ等の通電発熱体が装着されたヒートローラー141と、このヒートローラー141の下部で周面が対向配置された加圧ローラー142とを備えて構成されている。
【0035】
そして、転写処理後の用紙Sは、ローラー心回りに時計周り方向に駆動回転しているヒートローラー141と、ローラー心回りに反時計周り方向に従動回転している加圧ローラー142との間のニップ部を通過することによって、ヒートローラー141からの熱を得て定着処理が施される。定着処理の施された用紙Sは、排紙搬送路143を通って排紙部15へ排出される。
【0036】
排紙部15は、装置本体11の頂部が凹没されることによって形成され、この凹没した凹部の底部に排紙された用紙Sを受ける排紙トレイ151が形成されている。
【0037】
図2は、現像装置50の側断面図である。現像装置50は、筐体58内に、トナーカートリッジ59から補給されたトナーを攪拌しながら後方に向かって搬送する第1スパイラルフィーダ51と、この第1スパイラルフィーダ51から受け渡されたトナーを前方に向かって搬送する第2スパイラルフィーダ52と、この第2スパイラルフィーダ52によって搬送されつつあるトナーを受け取って感光体ドラム20の周面の潜像領域に供給する現像スリーブ53とが装着されることによって構成されている。
【0038】
筐体58は、図2における左右方向の略中央位置から左方が先上がりに傾斜して左端部が感光体ドラム20に対向した底板581と、上部でこの底板581に対向配置された天板582と、これら底板581及び天板582の前後の端部間に架設された前後方向一対の側板583と、これら一対の側板583間に架設されたトナー受けトレイ584とを備えている。
【0039】
天板582は、左方が1段高くなった階段状に形成され、右方の低位天板582aと、左方の高位天板582bと、これら低位天板582aの左端縁部と高位天板582bの右端縁部との間に架設された垂直天板582cとから構成されている。低位天板582aの前端部には、トナーカートリッジ59からのトナーを受け入れるためのトナー受入れ口(図略)が設けられている。また、高位天板582bの左端縁部と、底板581の左端縁部との間には、感光体ドラム20の周面に対向して筐体58内のトナーを感光体ドラム20の周面に供給するためのトナー供給口586が開口されている。
【0040】
トナー受けトレイ584は、第1スパイラルフィーダ51を収容する第1トレイ584aと、第2スパイラルフィーダ52を収容する第2トレイ584bと、下部で現像スリーブ53と対向配置された第3トレイ584cとを備えている。第1〜第3トレイ584a,584b,584cは、それぞれ第1及び第2スパイラルフィーダ51,52並びに現像スリーブ53に対応して正面視で円弧状に形成されている。また、第1トレイ584aの右端部には右側壁587が設けられ、この右側壁587が底板581及び低位天板582aの各右端部間に架設されることによって筐体58内の右面側が閉止されている。
【0041】
第1スパイラルフィーダ51は、第1トレイ584aの直上位置で一対の側板583間に貫通架設された第1フィーダ軸511と、この第1フィーダ軸511に同心で外嵌固定された第1スパイラルフィン512とを備えて構成されている。第1スパイラルフィン512は、左ねじ状態で螺旋状に形成され、第1フィーダ軸511が正面視で時計周り方向に回転することにより、第1トレイ584a上のトナーを後方に向かって搬送する。
【0042】
第2スパイラルフィーダ52は、第2トレイ584bの直上位置で一対の側板583間に貫通架設された第2フィーダ軸521と、この第2フィーダ軸521に同心で外嵌固定された第2スパイラルフィン522とを備えて構成されている。前記第2スパイラルフィン522は、右ねじ状態で螺旋状に形成され、第2フィーダ軸521が正面視で時計周り方向に回転することにより、第2トレイ584b上のトナーを前方に向かって搬送する。
【0043】
第1及び第2トレイ584a,584b間には仕切り壁585が設けられている。この仕切り壁585の前方位置には、前方流通口(図略)が開口されているとともに、同後方位置には後方流通口(図略)が開口されている。そして、トナーカートリッジ59からトナー受入れ口を介して筐体58内に導入されたトナーは、まず第1トレイ584a内において第1スパイラルフィーダ51の駆動回転で後方に向けて搬送され、後方流通口585bを通って第2トレイ584bへ搬入され、第2トレイ584b内において第2スパイラルフィーダ52の駆動回転で前方に向けて搬送され、以後、第1及び第2トレイ584a,584b間を循環しながら一部が現像スリーブ53へ供給される。
【0044】
現像スリーブ53は、一対の側板583間に貫通架設されたスリーブ軸534と、このスリーブ軸534に同心で相対回転可能に外嵌されたスリーブ本体532とを備えて構成されている。現像スリーブ53は、第3トレイ584cの上方位置においてスリーブ本体532の周面がトナー供給口586を介して感光体ドラム20の周面と対向するように設置位置が設定され、図略の駆動手段の駆動でスリーブ軸534回りに図2における反時計周り方向に回転し、これによって第3トレイ584c上に送り込まれたトナーを感光体ドラム20の周面に向かわせる。
【0045】
現像装置50では、第1スパイラルフィーダ51及び第2スパイラルフィーダ52の撹拌作用でトナーが撹拌され、トナーが正(+)に帯電される。現像スリーブ53には後述する高圧電源装置により、直流電圧に交流電圧が重畳されたバイアス電圧(現像バイアス)が印加される。感光体ドラム20上に形成された正(+)極性の静電潜像は、現像スリーブ53の磁力により保持されて搬送されてきた現像剤によって反転現像され、感光体ドラム20の表面上にはトナー像が形成される。
【0046】
図3は、本発明に係る高圧電源装置の概略構成を示す図である。高圧電源装置100は、AC(交流)バイアス発生回路80と、DC(直流)バイアス発生回路90と、を備えている。
【0047】
ACバイアス発生回路80は、交流電圧を発生させる回路である。ACバイアス発生回路80は、制御回路81と、レベルシフト回路82と、AC増幅回路83と、トランス回路84と、を備えている。
【0048】
制御回路81は、パルス発振部811と交流電圧調整部812とを備えている。パルス発振部811は、交流電圧の波形形成に用いられるパルス信号を発振する。交流電圧調整部812は、パルス発振部811から出力されるパルス信号の波形を調整する。尚、交流電圧調整部812によるパルス信号の波形の調整方法の詳細については、後述する。
【0049】
レベルシフト回路82は、反転回路821とスイッチング素子822とを備えている。反転回路821は、パルス発振部811から発振されたパルス信号を反転させ、当該反転させたパルス信号をスイッチング素子822に向けて出力する。
【0050】
スイッチング素子822は、入力されたパルス信号が示すオン/オフに応じてスイッチングのオン/オフを切り換える。スイッチング素子822は、入力されたパルス信号によりオンに切り替えられると、予め定められたLowレベルの電圧(例えば、0V)を、コンデンサ831を介してパワーオペアンプ832に出力する。一方、スイッチング素子822は、入力されたパルス信号によりオフに切り替えられると、予め定められたHighレベルの電圧(例えば、6V)を、コンデンサ831を介してパワーオペアンプ832に出力する。
【0051】
つまり、予め定められたLowレベルの電圧(例えば、0V)は、パルス発振部811から発振されるパルス信号のオフを示す電圧値を示し、予め定められたHighレベルの電圧(例えば、6V)は、パルス発振部811から発振されるパルス信号のオンを示す電圧値を示している。
【0052】
尚、当該Lowレベル及びHighレベルが示す電圧レベルは、レベルシフト回路82に設けられた電源電圧Vccに接続された抵抗素子による抵抗値の大きさによって予め調整されている。
【0053】
AC増幅回路83は、コンデンサ831とパワーオペアンプ832とを備えている。コンデンサ831は、レベルシフト回路82とパワーオペアンプ832との間に設けられ、レベルシフト回路82から入力されるLowレベル電圧及びHighレベル電圧でなる交流電圧に含まれる直流成分を遮断して、交流成分のみをパワーオペアンプ832に向けて出力する。
【0054】
パワーオペアンプ832は、コンデンサ831を介してレベルシフト回路82から反転入力端子(−)に入力されるLowレベル電圧及びHighレベル電圧でなる交流電圧と、非反転入力端子(+)に入力される基準電圧との差分電圧を反転増幅して、コンデンサ842を介してトランス回路84に供給する。
【0055】
トランス回路84は、コンデンサ842とトランス841とを備えている。
【0056】
コンデンサ842は、AC増幅回路83とトランス841の間に設けられ、AC増幅回路83から入力される、増幅されたLowレベル電圧及びHighレベル電圧でなる交流電圧に含まれる直流成分を遮断して、交流成分のみをトランス841に向けて出力する。
【0057】
トランス841は、コンデンサ842を介してAC増幅回路83から一次側巻線に供給された交流電圧を変圧し、変圧した交流電圧をトランス841の二次側巻線側に発生させる。
【0058】
尚、各回路81〜84には、その他、図中に示すプルアップ抵抗やダイオード等の回路素子が接続されている。
【0059】
DCバイアス発生回路90は、直流電圧を発生させる回路であり、トランス841の二次側巻線の低圧側とグランド間に接続されている。これにより、DCバイアス発生回路90は、トランス841の二次側巻線の高圧出力側に交流電圧と直流電圧とが重畳された電圧を発生させる。このように重畳された電圧は、例えば現像装置50(現像スリーブ53)に印加される。
【0060】
つまり、レベルシフト回路82と、AC増幅回路83と、トランス回路84と、によって、本発明に係る交流電圧生成部の一例が構成され、DCバイアス発生回路90によって、本発明に係る直流電圧重畳部の一例が構成されている。
【0061】
本構成における高圧電源装置100による電圧印加制御について、図4(a),(b)を用いて説明する。図4(a),(b)は、制御回路81の地点P1、反転回路821の地点P2、レベルシフト回路82の地点P3、及びAC増幅回路83の地点P4における電圧のレベルを示す波形の時系列変化、並びに、現像装置50の地点P5における電圧のレベルを示す波形の時系列変化を示す図である。
【0062】
また、図4(a),(b)の点線部に示す波形の時系列変化は、地点P3〜P5における各電圧のレベルの発振開始時刻t0からの平均値を示すものであり、実際には細かな起伏を持って変化するが、説明のため、図中においては細かな起伏を簡略化して表記している。
【0063】
本構成における交流電圧調整部812は、パルス発振部811に発振を開始させるパルス信号のデューティ比が50%以上を示すか否かの判断を行い、50%以上であると判断した場合は、オンを示す状態からパルス信号の出力を開始させ、50%未満であると判断した場合は、オフを示す状態からパルス信号の出力を開始させる。
【0064】
以下では、具体例として、パルス発振部811に発振を開始させるパルス信号のデューティ比は、周期の90%の期間オンを示し、10%の期間オフを示す、デューティ比90%であるものとして説明する。尚、パルス発振部811に発振を開始させるパルス信号のデューティ比をこれに限定する趣旨ではない。また、パルス発振部811に発振を開始させるパルス信号のデューティ比は、操作部やネットワークインターフェイス部等から入力される。
【0065】
交流電圧調整部812は、パルス発振部811に発振を開始させるパルス信号のデューティ比が90%であり、デューティ比が50%以上であると判断すると、図4(b)のP1欄に示すように、パルス信号の未発振時にはオンを示すレベルの信号を出力し、発振開始時刻である時刻t0からオンを示すパルス信号を出力する指示をパルス発振部811に送出する。当該指示に従ってパルス発振部811から出力されたパルス信号は、図4(b)のP2欄に示すように、反転回路821によってオン/オフが反転されて出力される。
【0066】
反転回路821から出力された当該パルス信号は、スイッチング素子822に入力される。そして、スイッチング素子822がオフに切り替えられると、図4(b)のP3欄の実線部に示すように、予め定められたHighレベルの電圧である6Vの電圧がコンデンサ831を介してパワーオペアンプ832に出力され、一方、スイッチング素子822がオンに切り替えられると、予め定められたLowレベルである0Vの電圧がコンデンサ831を介してパワーオペアンプ832に出力される。
【0067】
このとき、地点P3における電圧のレベルの発振開始時刻t0からの平均値は、図4(b)のP3欄の点線部に示すように、6Vから当該デューティ比90%が示す比率を6Vに乗じた約5.4Vのレベルに向けて、予め定められたHighレベルの電圧値と予め定められたLowレベルの電圧値との差分の50%(3V)よりも小さい、約0.6Vのレベル分だけ緩やかに低減する。
【0068】
そして、図4(b)のP4欄の実線部に示すように、Lowレベル(0V)及びHighレベル(6V)の電圧は、パワーオペアンプ832によって反転増幅されて出力される。尚、地点P4における電圧のレベルの発振開始時刻t0からの平均値は、図4(b)のP4欄の点線部に示すように、パワーオペアンプ832で反転増幅され、緩やかに増加する。
【0069】
そして、パワーオペアンプ832から出力された交流電圧はトランス841を介して変圧された後、DCバイアス発生回路90により直流電圧が重畳され、図4(b)のP5欄に示すように、約−0.1kVから約1.3kVの範囲の電圧として地点P5に入力される。また、地点P5に入力される電圧のレベルの発振開始時刻t0からの平均値は、図4(b)のP5欄の点線部に示すように、P4欄の点線部と同様に緩やかに増加する。
【0070】
これとは反対に、図4(a)のP1欄に示すように、パルス信号の未発振時にはオフを示すレベルの信号を出力し、発振開始時刻である時刻t0からオンを示すパルス信号を出力する指示をパルス発振部811に送出すると、オフを示す状態から50%以上のデューティ比90%のパルス信号の出力が開始されるため、図4(a)のP3欄の点線部に示すように、地点P3における電圧のレベルの上記発振開始時刻t0からの平均値は、0Vから当該デューティ比90%が示す比率を6Vに乗じた約5.4Vのレベルに向けて、予め定められたHighレベルの電圧値と予め定められたLowレベルの電圧値との差分の50%(3V)よりも大きい、約5.4Vのレベル分だけ急激に増加することとなる。
【0071】
そして、図4(a)のP4欄に示すように、当該急激に増加する電圧がパワーオペアンプ832で反転増幅されると、上記発振開始時刻t0からの平均電圧レベルが更に変動幅を大きくして急激に減少することとなる。これにより、地点P4における電圧がトランス841を介してDCバイアス発生回路90により直流電圧が重畳された電圧が、図4(a)のP5欄に示すように、電圧の印加当初に大きく低減してリーク電圧を下回る虞がある。
【0072】
つまり、本構成における交流電圧調整部812は、図4(b)のP1欄に示すように、パルス発振部811に発振を開始させるパルス信号のデューティ比が50%以上であると判断すると、パルス信号の未発振時にはオンを示すレベルの信号を出力し、発振開始時刻である時刻t0からオンを示すパルス信号を出力する指示をパルス発振部811に送出する。
【0073】
これにより、地点P3における上記発振開始時刻t0からの平均電圧レベルの変動を、上記の予め定められたHighレベルの電圧値と予め定められたLowレベルの電圧値との差分の50%(3V)よりも小さく抑制して、パワーオペアンプ832で増幅されて地点P4における上記発振開始時刻t0からの平均電圧レベルの変動を小さくし、当該地点P4における電圧がトランス841を介してDCバイアス発生回路90により直流電圧が重畳された場合に、当該重畳された電圧が急激に減少してリーク電圧を下回ることを回避している。
【0074】
つまり、上記の予め定められたHighレベルの電圧値と予め定められたLowレベルの差分の50%によって、本発明に係る予め定められた値の一例が構成されている。
【0075】
尚、上記の具体例とは反対に、パルス発振部811に発振を開始させるパルス信号のデューティ比が50%未満の10%である場合は、交流電圧調整部812は、パルス信号の未発振時にはオフを示すレベルの信号を出力し、発振開始時刻である時刻t0からオンを示すパルス信号を出力する指示をパルス発振部811に送出する。
【0076】
これにより、地点P3における電圧のレベルの発振開始時刻t0からの平均値を、0Vから当該デューティ比10%が示す比率を6Vに乗じた約0.6Vのレベルに向けて、上記の予め定められたHighレベルの電圧値と予め定められたLowレベルの電圧値の差分の50%(3V)よりも小さい、約0.6V分だけ緩やかに増加させ、パワーオペアンプ832で反転増幅されて地点P4における電圧のレベルも緩やかに減少させ、地点P4における電圧がトランス841を介してDCバイアス発生回路90により直流電圧が重畳された場合に、当該重畳された電圧を緩やかに増加させて、リーク電圧を上回ることを回避している。
【0077】
尚、上記の実施形態(第一実施形態)とは別の第二実施形態として、交流電圧調整部812は、パルス発振部811から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該変更当初の予め定められた期間、当該変更後のデューティ比と当該変更前のデューティ比との間の予め定められたデューティ比のパルス信号を、当該変更前のパルス信号の周波数よりも高い予め定められた周波数で出力させ、当該期間の経過後は、当該変更前のパルス信号の周波数で当該変更後のデューティ比のパルス信号を出力させるように構成してもよい。
【0078】
第二実施形態の構成からなる高圧電源装置100による電圧印加制御について、図5(a),(b)を用いて説明する。尚、図5(a),(b)は、図4(a),(b)と同様に、図3に示す地点P1及び地点P3における電圧のレベルを示す波形の時系列変化、並びに、現像装置50の地点P5における電圧のレベルを示す波形の時系列変化を示す図である。また、図5(a),(b)の点線部に示す波形の時系列変化は、図4(a),(b)と同様に、地点P3,P5における各電圧のレベルの、地点P1から発振されるパルス信号の発振開始時刻からの平均値を示すものであり、実際には細かな起伏を持って変化するが、説明のため、図中においては細かな起伏を簡略化して表記している。
【0079】
図5(a)に示すように、例えば、時刻t1で、90%のデューティ比のパルス信号を50%のデューティ比のパルス信号に切り替える指示が操作部やネットワークインターフェイス部等から入力された場合、地点P3における電圧のレベルの発振開始時点からの平均値は、図5(a)のP3欄の点線部に示すように、変更前のデューティ比の比率90%を6Vに乗じた約5.4Vのレベルから、変更後のデューティ比の比率50%を6Vに乗じた約3Vに向けて、約2.4V分急激に減少する。
【0080】
これに伴って、パワーオペアンプ832で反転増幅された後に地点P4における電圧のレベルも急減に増加することとなり、更に、図5(a)のP5欄の点線部に示すように、地点P5における電圧のレベルの発振開始時刻からの平均値も急激に増加することとなり、リーク電圧を上回る虞があった。
【0081】
そこで、第二実施形態の構成における交流電圧調整部812は、図5(b)のP1欄に示すように、時刻t1で、90%のデューティ比のパルス信号を50%のデューティ比のパルス信号に切り替える指示が操作部やネットワークインターフェイス部等から入力された場合、当該デューティ比の変更当初の時刻t1から時刻t2までの間、変更後のデューティ比と変更前のデューティ比との間の予め定められたデューティ比である例えば75%のパルス信号を、変更前のパルス信号の周波数よりも高い予め定められた周波数で出力させ、時刻t2の経過後は、変更前のパルス信号の周波数で変更後のデューティ比50%のパルス信号を出力させる。
【0082】
これにより、図5(b)のP3欄の点線部に示すように、デューティ比の変更当初の時刻t1において、地点P3における電圧のレベルの発振開始時刻からの平均値は、変更前のデューティ比の比率90%を6Vに乗じた約5.4Vのレベルから、予め定められたデューティ比の比率75%を6Vに乗じた約4.5Vのレベルに向けて、約0.9V分緩やかに減少し、また、時刻t2において、予め定められたデューティ比の比率75%を6Vに乗じた約4.5Vのレベルから、変更後のデューティ比の比率50%を6Vに乗じた約3Vのレベルに向けて、約1.5V分緩やかに減少するようになる。
【0083】
これにより、パワーオペアンプ832で反転増幅された後に地点P4における電圧のレベルも段階的に緩やかに増加することとなり、図5(b)のP5欄の点線部に示すように、地点P5における電圧のレベルの上記発振開始時刻t0からの平均値も緩やかに増加して、リーク電圧を上回ることが回避される。
【0084】
尚、上記において、時刻t1から時刻t2までの期間、変更後のデューティ比と変更前のデューティ比との間の予め定められたデューティ比、及び変更前のパルス信号の周波数よりも高い予め定められた周波数は、時刻t1から時刻t2までの期間、変更前のパルス信号の周波数と同じ周波数で変更後のデューティ比のパルス信号が出力された場合に、当該期間中に供給される電力量と、時刻t1から時刻t2までの期間、当該予め定められた周波数で、当該予め定められたデューティ比のパルス信号が出力された場合に、当該期間中に供給される電力量とが、等しくなるようにして定められることが好ましい。
【0085】
また、上記の実施形態では、現像装置50の現像バイアスの出力用に、本発明に係る高圧電源装置100が適用される例を示したが、これに限らず、例えば、帯電装置30のワイヤーに印加する電圧(帯電バイアス)の出力用に、高圧電源装置100を適用してもよい。
【0086】
尚、上記実施形態において、本発明に係る画像形成装置の一例としてプリンターを例に説明したが、これに限定する趣旨ではなく、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る画像読取装置を備えたプリンター、コピー機、スキャナー、又はFAX等の画像形成装置であってもよい。
【0087】
また、本発明は、上述の実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。前記図1乃至図5に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を前記実施形態に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0088】
10 プリンター(画像形成装置)
100 高圧電源装置
30 帯電装置
40 露光装置
50 現像装置
80 ACバイアス発生回路
81 制御回路
811 パルス発振部
812 交流電圧調整部
82 レベルシフト回路(交流電圧生成部)
821 反転回路
822 スイッチング素子
83 AC増幅回路(交流電圧生成部)
831 コンデンサ
832 パワーオペアンプ
84 トランス回路(交流電圧生成部)
841 トランス
842 コンデンサ
90 DCバイアス発生回路(直流電圧重畳部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧の波形形成に用いられるパルス信号を出力するパルス発振部と、
前記パルス発振部から出力されたパルス信号に応じて、予め定められたレベルの交流電圧を生成させる交流電圧生成部と、
前記交流電圧生成部で生成された前記交流電圧に直流電圧を重畳させる直流電圧重畳部と、
前記パルス発振部から出力されるパルス信号の波形を調整する交流電圧調整部と、
を備え、
前記交流電圧調整部は、前記パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該デューティ比を変更するためのパルス信号として、当該パルス信号の生成開始時点からの当該パルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとそれまでのパルス信号を示す電圧値の平均電圧レベルとの差分を予め定められた値よりも小さく変化させる高圧電源装置。
【請求項2】
前記交流電圧調整部は、前記交流電圧生成部に前記交流電圧の生成を開始させる場合に、前記パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該変更後のデューティ比が50%以上であれば、オンを示す状態からパルス信号の出力を開始させ、当該変更後のデューティ比が50%未満であれば、オフを示す状態からパルス信号の出力を開始させる請求項1に記載の高圧電源装置。
【請求項3】
前記交流電圧調整部は、前記パルス発振部から出力されるパルス信号のデューティ比を変更するとき、当該変更当初の予め定められた期間、当該変更後のデューティ比と当該変更前のデューティ比との間の予め定められたデューティ比のパルス信号を、当該変更前のパルス信号の周波数よりも高い予め定められた周波数で出力させ、当該期間の経過後は、当該変更前のパルス信号の周波数で当該変更後のデューティ比のパルス信号を出力させる請求項1又は2に記載の高圧電源装置。
【請求項4】
現像バイアスの出力用に、前記請求項1から3の何れかに記載の高圧電源装置が備えられている画像形成装置。
【請求項5】
帯電バイアスの出力用に、前記請求項1から3の何れかに記載の高圧電源装置が備えられている画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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