説明

高度に溶解性で、レッド−シフトされた、光安定なベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含む安定化された接着剤組成物及びそれから誘導された積層物品

【課題】向上された溶解度、耐久性及び350nmないし400nm範囲での吸収を有する有効量のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含む安定化された接着剤組成物を提供する。
【解決手段】350nmないし400nmの範囲で光を強く吸収する、選択された、高度に溶解性で、レッド−シフトされた、光安定なベンゾトリアゾール紫外線吸収剤、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール又は2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを混入することにより、紫外線により引き起こされる分解に対して安定化される接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、向上された溶解度、耐久性及び350ないし400nm範囲での吸収を有する有効量のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含む安定化された接着剤組成物に関するものである。更に本発明の主題は、向上された溶解度及び耐久性を有する2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールのような、ヒドロキシフェニル環のオルト位がα−クミル基又はフェニル基により置換された有効量のベンゾトリアゾールを含む安定化された接着剤組成物に関するものである。本発明の更なる主題は、レッド−シフトし、且つその非対称性に起因して特別に可溶性であり、そして最終用途の主役として有用である、新規な非対称ビスベンゾトリアゾール化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
接着剤は、ポリマー粘着付与剤、ワックス及びオイルのような種々の成分から造られる。これらの成分をベースとする接着剤組成物は分解され易い。分解の結果は、退色、伸びの喪失、引張強度の喪失、粘着性の喪失及び粘度、分子量及び分子量分布の変化である。分解は、日光への延長された暴露により生じ得る。日光は、290nmないし400nmの波長を有する不可視の紫外(UV)放射線を含む。この放射線は、光分解の開始の原因となる。
【0003】
接着剤組成物中に存在する発色団による紫外線の吸収は、前記発色団を、更に望ましくない反応を起こし得るその励起状態に遷移させる。幾つかのポリマーは、その構造の主要部分として、強い吸収性の発色団を含む。他のポリマーは、発色団として機能するケトン及び過酸化水素部分及び触媒残渣のような不可避不純物を含む。これらの発色団による紫外放射線の吸収は、結局、結合開裂、分子鎖切断及び/又は架橋反応を起こす。
【0004】
接着剤の光安定化は、吸収されたエネルギーを無害な熱に転換する紫外線吸収剤を添加することにより、成し遂げられ得る。理想的な紫外線吸収剤は、290nmないし400nm、しかし特に350nmないし400nmの紫外線範囲に渡って、非常に光安定が良く且つ強い吸収を有するべきである。紫外線吸収剤の種類は、サリチレート、シアノアクリレート、マロネート、オキサニリド、ベンゾフェノン、s−トリアジン及びベンゾトリアゾールを包含する。
【0005】
サリチレート、シアノアクリレート、マロネート及びオキサニリドは、紫外線範囲の低波長側を主に吸収する。これらの化合物は350nmないし400nmの範囲内で僅かな吸収を示すか、又は全く吸収を示さず、この事は、それらを本願用には不適当にする。ベンゾフェノンは紫外線範囲の低波長側半分に渡って吸収を示し、そしてそれらは、光分解に起因して、光暴露に応じて黄変する傾向を示す。最近、ベンゾフェノンは、エチレン−酢酸ビニルカプセル化剤中で早期に分解し、ポリエン性発色団を生ぜしめることが光化学的に示された。淡黄色ないし褐色の前記色発現は、接着剤系において非常に望ましくなく且つ見苦しいのみならず、接着性能の損失を起こし得る。対照的に、選択されたベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、それらの向上された光安定の故に、特に有用である。
【0006】
ポリカーボネート、ポリエステル及び芳香族ポリウレタンのような幾つかのポリマーは、それらの構造の主要で又絶対必要な部分として、強く吸収する発色団を含む。ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)及びポリ(エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート)(PEN)は、遠紫外領域(red UV region)内に吸収を示す後者の好例であり
、そしてとりわけ、紫外線保護のためにはレッド−シフトされたベンゾトリアゾールを必要とする。アメリカ合衆国特許第5294473号及びWO98/34981には、PENフィルムを安定化する際の幾つかのベンゾトリアゾールを含む紫外線吸収剤を含むコーティングの使用が教示されている。ベンゾトリアゾールを含む接着剤紫外線スクリーニング層、特に本発明で記載されたものの添加は、多層化された構造物及び物品において前記ポリマーを更に保護する。
【0007】
2H−ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤の記述、製造及び使用は、アメリカ合衆国特許第3004896号、同第3055896号、同第3072585号、同第3074910号、同第3189615号、同第3230194号、同第4127586号、同第4226763号、同第4278589号、同第4315848号、同第4383863号、同第4675352号、同第4681905号及び同第4853471号に記載されている。
【0008】
ベンゾ環の5位に単に水素原子又はハロゲン原子を持つ選択されたベンゾトリアゾールは光安定であり、そして接着剤組成物に可溶である。このようなベンゾトリアゾールの一つは、アメリカ合衆国特許第5554760号、同第5563242号、同第5574166号及び同第5607987号に記載された2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである。これらの特許は、参考として本明細書中に取り込まれている。このベンゾトリアゾールの吸収は、紫外線の波長のより長い側にレッド−シフトされていないけれども、非常に光安定であり、そして接着剤に驚くほど可溶性であるので、本願のためにとりわけ好適である。
【0009】
ベンゾ環の5位に単に水素原子を持つベンゾトリアゾールは光安定であり、そして接着剤組成物に有用であるけれども、それらは、基材に付加的な保護を与えるために最も有用な、紫外線の波長のより長い側にレッド−シフトされた吸収を欠く。アメリカ合衆国特許第5319091号及び同第5410071号には、アルキル−又はアリール−スルホニル基部分でベンゾ環の5位が置換されたベンゾトリアゾールの製造方法が述べられている。アメリカ合衆国特許第5280124号には、ベンゾトリアゾールのベンゾ環の5位に高級アルキル又はアリールスルホキシド又はスルホンを導入することにより、得られるベンゾトリアゾールは、近可視領域(350nmを超える)に増大された吸収を示すことが記載されている。このようなスルホン置換された生成物は、自動車コーティングの用途に有用であることが示された。加えて、このような電子吸引基は、自動車コーティングにおける前記のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤の光安定を劇的に向上させる。全く驚くべきことに、前記のレッド−シフトされたベンゾトリアゾール及び特に非対称的に置換されたものは、接着剤に驚くほど可溶性であるので、本願の用途のためにとりわけ好適である。
【0010】
ジー.バーナー(G.Berner)及びエム.レムボルド(M.Rembold)により、"ハイソリッドコーティング用の新規光安定剤(New Light Stabilizers for High Solids Coatings)",Organic Coatings and Science and Technology,Vol.6,Dekkar,New York,pp55-85、に要約されているように、ベンゾトリアゾールのような紫外線吸収剤と共に立体障害アミン光安定剤を併有することは、多数のポリマー組成物において優れた安定性を提供することは従来技術で既知である。
【0011】
ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、上記のように、市販の紫外線吸収剤の特別な種類に属する。少数の文献のみに、アリール又はアルキルスルホキシド又はスルホニル部分によりベンゾ環が置換されていることが記載されている。
【0012】
アメリカ合衆国特許第3218332号には、低級アルキルスルホニル部分によりベン
ゾ環の5位が置換されたベンゾトリアゾールが記載されている。しかしながら、この特許では、フェニル環の3位に反応性基、すなわちアルケニル基を導入することが取り扱われており、そして本願の用途への関連は薄い。アメリカ合衆国特許第5268450号及び同第5319091号には、ポリマー組成物及び、ポリ(フェニレンスルフィド)、フィリップス石油(Phillips Petroleum)社製の商標名リトン(RYTON)のようなポリマーに
共有結合により結合されている、置換されたアリールチオ及びアリールスルホニルベンゾトリアゾールの製造方法が記載されている。アメリカ合衆国特許第5280124号には、熱硬化性自動車コーティングを保護するために有用な、ベンゾ環の5位に高級アルキル又はアリールスルフィニル又はスルホニル部分のみを有する ベンゾトリアゾールが開示されている。
【0013】
日本国特許第92−352228号には、ほこり耐久性ポリ(塩化ビニル)樹脂フィルムの紫外線保護のための、フェニル環の3位が非置換又はメチル基により置換されている5−エチルスルホニルベンゾトリアゾールの使用が開示されている。これらの化合物は、本発明の接着剤組成物について研究されたとき、全く不溶性であり、そして本発明の接着剤組成物のためには完全に使用不能であることが判った。対照的に、第三アルキル基がフェニル環の3位に挿入される場合は、接着剤組成物へのこのように置換されたベンゾトリアゾールの溶解度は驚くほど向上する。
【0014】
本発明の5位が置換された化合物は、従来技術の化合物と比べたとき、特に長波長の紫外線領域(350nmを超える)において、向上された広範な吸収特性を示す。加えて、本発明の化合物は、驚くべきことに、そして予期せぬことに、接着剤に対する高い溶解度を示すので、接着剤に使用するためにとりわけ好適である。
【0015】
2,2'−メチレン−ビス[4−第三オクチル−6−(2H−ベンゾトリアゾリル−2
−イル)フェノール],商標名チヌヴィン(TINUVIN)360,チバ(Ciba)社製、のよ
うなビスベンゾトリアゾールは、アメリカ合衆国特許第5299521号に記載されている。有用ではあるが、これらの化合物はレッド−シフトされていない。
【0016】
ドイツ国第1670951号には、対称性及び非対称性アルキレンビスベンゾトリアゾールの両方が一般的に記載されているが、しかしとりわけ、本請求項の範囲外である幾つかの対称性ビスベンゾトリアゾールのみが記載されている。ドイツ国第1670951号に記載されている化合物には、−CF3基のようなペルフルオロアルキル基により置換さ
れているものは全く無い。
【0017】
アメリカ合衆国特許第4812498号には、ポリカーボネート樹脂用の安定剤としての対称性ビスベンゾトリアゾールが記載されている。このビスベンゾトリアゾールは構造上対称性であるが、ペルフルオロアルキル部分を含まず、そして明らかに本発明化合物の範囲外である。
【0018】
EP924203A1には、各々重合性部分を含むビスベンゾトリアゾール化合物及びそれから作られたポリマーが記載されている。これらの従来技術のビスベンゾトリアゾールには、レッド−シフトされたもの又はペルフルオロアルキル基を含むものは全くない。本発明化合物は、これらの従来技術のビスベンゾトリアゾールと明らかに異なる。
【0019】
太陽又は他の紫外線光源に暴露される積層物品に関する紫外線の効果は、このような物品の製造での心配の種である。経時的な、紫外線への定常的又は繰り返しの暴露は、染料及び/又は顔料に関して、そのような物品に使用される染料及び/又は顔料の退色、並びにそのような物品構造物に使用される接着剤、ポリマー又は他の材料の分解又は崩壊を生じさえ得る。前述の退色及び分解は、問題の物品の使用寿命を短縮し、そして紫外線暴露
からの保護を、このような物品の製造における非常に重要な問題とする。
【0020】
紫外線吸収剤として既知の分子は、従来技術において一般的に知られている。しかしながら、種々の紫外線吸収剤の種類の間で先に議論された相違に応じて、前記ベンゾトリアゾール及びそれらを含む物品が本明細書で議論されるであろう。特定のベンゾトリアゾールの非相溶性及び低溶解度に起因して、非常に可溶性であり、且つ350nmないし400nmの紫外線領域で付加的な保護を与える選択されたベンゾトリアゾールに対する要求が存在する。ティー.ナガシマ(T.Nagashima)等は、J.Non-Cryst.Solids,178(1994),182で、最近、日焼け効果を避けるために長波長(320〜400nm)の範囲に渡り紫
外線吸収性である紫外線(UV)遮蔽ガラスを報告したが、これは、オゾン層の破壊により生じる皮膚癌の可能性の危険のために、非常に重要な問題になってきている。
【0021】
加えて、本発明の選択されたベンゾトリアゾールを混入した物品は、自動車用途のように、紫外線により誘起される光分解から内部構造物、織物及び織布を保護するために有用である。
【0022】
国際出願WO97/32225には、光学フィルムとしての使用のための反射要素及び分極化要素を有するPENフィルムの使用が記載されている。
【0023】
アメリカ合衆国特許第5770114号には、エレクトロクロミック(electrochoromic)装置で使用される、可溶性のベンゾトリアゾールを含む安定化された組成物が開示さ
れている。しかしながら、これらのベンゾトリアゾールは、350ないし400nm範囲でレッド−シフトされた吸収を欠く。
【0024】
本発明の高度に溶解性で、光安定で、そしてレッド−シフトされたベンゾトリアゾールの混入に由来する利点がある物品は、下記のものを包含するが、しかし、これらに限定されない。
【0025】
(a)参考として本明細書中に取り込まれているWO97/42261及びアメリカ合衆
国特許第5387458号に示されるような、逆反射シート及び標識並びに規格マーキングシート、
(b)参考として本明細書中に取り込まれているイギリス国第2012668号、ヨーロッパ第355962号、並びにアメリカ合衆国特許第3290203号、同第3681179号、同第3776805号及び同第4095013号に示されるような、種々の構造の太陽制御フィルム、
(c)参考として本明細書中に取り込まれているアメリカ合衆国特許第4645714号に示されるような、耐蝕性銀鏡及び太陽反射体、
(d)参考として本明細書中に取り込まれているアメリカ合衆国特許第5564843号に示されるような、反射プリントラベル、
(e)参考として本明細書中に取り込まれているアメリカ合衆国特許第5372889号、同第5426204号、同第5683804号及び同第5618626号に示されるような、紫外線吸収ガラス及びガラスコーティング、
(f)参考として本明細書中に取り込まれているヨーロッパ第752612A1号、並びにアメリカ合衆国特許第5239406号、同第5523877号及び同第5770114号に示されるような、エレクトロクロミック(electrochoromic)装置、
(g)参考として本明細書中に取り込まれているWO92/01557、日本国第75/33286号、同第93/143668号、同第95/3217号及び同第96/143831号、並びにアメリカ合衆国特許第5643676号に示されるような、フィルム/透明板ガラス、
(h)参考として本明細書中に取り込まれている日本国第80/40018号、同第90
/192118号、同第90/335037号、同第90/335038号、同第92/110128号、及び同第94/127591号、並びにアメリカ合衆国特許第5618863号に示されるような、ウィンドスクリーン及び中間層、並びに
(i)参考として本明細書中に取り込まれているWO97/32225、並びにアメリカ合衆国特許第4871784号及び同第5217794号に示されるような、光学フィルム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
詳細な開示
本発明の一つの主題は、
(a)接着剤と、
(b1)次式I,II又はIII:
【化13】

〔式中、
1及びG1'は独立して、水素原子又はハロゲン原子を表わし、
2及びG2'は独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、1個ないし12個の炭
素原子を有するペルフルオロアルキル基、−COOG3基、−P(O)(C652基、−CO−G3基、−CO−NH−G3基、−CO−N(G32基、−N(G3)−CO−G3基、E3SO−基又はE3SO2−基を表わし;又はG2'は水素原子も表わし、
3は水素原子、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原
子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし4個によりフェニル環が置換された前記フェニ
ル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、
6は炭素原子数1ないし12のペルフルオロアルキル基を表わし、
7は水素原子又は炭素原子数1ないし12のペルフルオロアルキル基を表わし、
1は水素原子、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原
子数2ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし4個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし;或いはE1は1個又は2個のヒドロキシ基に
より置換された炭素原子数1ないし24のアルキル基を表わし、
2及びE2'は独立して、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基
、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし;或いはE2及びE2'は独立して、1
個又はそれより多くの−OH基、−OCOE11基、−OE4基、−NCO基、−NH2基、−NHCOE11基、−NHE4基又は−N(E42基、又はそれらの混合物により置換さ
れた炭素原子数1ないし24の前記アルキル基又は炭素原子数2ないし18の前記アルケニル基(前記式中、E4は炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を
表わす);或いは1個又はそれより多くの−O−基、−NH−基又は−NE4−基、又は
それらの混合物により中断され、そして非置換又は1個又はそれより多くの−OH基、−OE4基又は−NH2基、又はそれらの混合物により置換され得る前記アルキル基又は前記アルケニル基を表わし、
nは1又は2を表わし、
nが1を表わす場合、
5は−OE6基又は−NE78基を表わし、又は
5は−PO(OE122基、−OSi(E113基若しくは−OCO−E11基、又は−
O−基、−S−基又は−NE4−基により中断され、そして非置換又は−OH基又は−O
CO−E11基により置換され得る炭素原子数1ないし24のアルキル基、非置換又は−OH基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、非置換又は−OH基により置換された炭素原子数2ないし18のアルケニル基、炭素原子数7ないし15のアルアルキル基、−CH2−CHOH−E13基又はグリシジル基を表わし、
6は水素原子、非置換又は1個又はそれより多くの−OH基、−OE4基又は−NH2
基により置換された炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、或いは−OE6は−(OCH2CH2wOH基又は−(OCH2CH2wOE21基(式中
、wは1ないし12を表わし、そしてE21は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす)を表わし、
7及びE8は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、−O−基、−S−基又は−NE11基により中断された炭素原子数3ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基又は炭素原子数1ないし3のヒドロキシアルキル基を表わし、或いはE7及び
8は窒素原子と一緒になって、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環又はモルホ
リン環を表わし、
5は−X−(Z)p−Y−E15基を表わし、
前記式中、
Xは−O−基又は−N(E16)基を表わし、
Yは−O−基又は−N(E17)基を表わし、
Zは炭素原子数2ないし12のアルキレン基、1個ないし3個の窒素原子、酸素原子又はそれらの混合物により中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表わすか、或いは各々がヒドロキシル基により置換された、炭素原子数3ないし12のアルキレン基、ブテニレン基、ブチニレン基、シクロヘキシレン基又はフェニレン基を表わし、
mは0,1又は2を表わし、
pは1を表わすか、又はX及びYが各々−N(E16)基及び−N(E17)基を表わす場合、0をも表わし、
15は基−CO−C(E18)=C(H)E19を表わすか、又はYが−N(E17)基を表わす場合、E17と一緒になって、基−CO−CH=CH−CO−を形成し、前記式中、E18は水素原子又はメチル基を表わし、そしてE19は水素原子、メチル基又は−CO−X−E20基を表わし、前記式中、E20は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は次式:
【化14】

(式中、符号E1,G2,X,Z,m及びpは上記において定義された意味を有する)で表わされる基を表わし、そしてE16及びE17は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、1個ないし3個の酸素原子により中断された炭素原子数3ないし12のアルキル基を表わすか、或いはシクロヘキシル基又は炭素原子数7ないし15のアルアルキル基を表わし、そしてZがエチレン基を表わす場合、E16はE17と一緒になって、エチレン基をも形成し、
nが2を表わす場合、
5は二価の基−O−E9−O−又は−N(E11)−E10−N(E11)−の一つを表わし、
9は炭素原子数2ないし8のアルキレン基、炭素原子数4ないし8のアルケニレン基
、炭素原子数4のアルキニレン基、シクロヘキシレン基、−O−基により又は−CH2
CHOH−CH2−O−E14−O−CH2−CHOH−CH2−基により中断された炭素原
子数4ないし10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表わし、
10は−O−基により中断されてよい炭素原子数2ないし12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、シクロヘキシレン基、又は次式:
【化15】

で表わされる基を表わし、或いはE10及びE11は2個の窒素原子と共にピペラジン環を形成し、
14は炭素原子数2ないし8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、−O−基により中断された炭素原子数4ないし10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又は次式:
【化16】

表わされる基を表わし、
前記式中、E7及びE8は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わすか、又はE7及びE8は一緒になって、炭素原子数4ないし6のアルキレン基、3−オキサペンタメチレン基、3−イミノペンタメチレン基又は3−メチルイミノペンタメチレン基を表わし、
11は水素原子、炭素原子数1ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数6ないし14のアリール基又は炭素原子数7ないし15のアルアルキル基を表わし、
12は炭素原子数1ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数3ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基又は炭素原子数7ないし15のアルアルキル基を表わし、
13は水素原子、−PO(OE122基により置換された炭素原子数1ないし18の直
鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、非置換又は−OH基、炭素原子数7ないし15のアルアルキル基又は−CH2OE12基により置換されたフェニル基を表わし、
3は炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数2ないし20のヒドロキシア
ルキル基、炭素原子数2ないし9のアルコキシカルボニル基により置換されたアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1個又は2個により置換された前記アリール基、或いは1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロアルキル基(この基のペルフルオロアルキル部分は、6個ないし16個の炭素原子からなる)を表わし、そして
Lは炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルキリデン基、ベンジリデン基、p−キシリレン基、α,α,α',α'−テトラメチル−m−キシリレン基又はシクロアルキリデン基を表わす〕で表わされる、高度に溶解性で、レッド−シフトされた、光安定なベンゾトリアゾール、又は
(b2)2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール又は2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである、高度に溶解性で且つ光安定なベンゾトリアゾール、又は
(b1)及び(b2)に基づく化合物の組み合わせ
からなる、積層物品又は多層構造体における接着層として使用するために適する安定化された接着剤組成物である。
本発明の他の主題は、
(a)接着剤と、
(b2)2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール又は2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾールである、高度に溶解性で且つ光安定なベンゾトリアゾール
からなる、積層物品又は多層構造体における接着剤層として使用するために適する安定化された接着剤組成物、
に関する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
炭素原子数1ないし18のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であってよい。その例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基及びオクタデシル基である。
【0028】
アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基又はオクトキシ基である。
【0029】
炭素原子数2ないし18のアルケニル基は、例えば、エテニル基、プロペニル基又はブテニル基、ドデセニル基又はオクトキセニル基である。
【0030】
5個ないし12個の炭素原子を有するシクロアルキル基の例は、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基である。
【0031】
フェニルアルキル基は、例えば、ベンジル基である。
【0032】
好ましくは、式I,II又はIIIで表わされる前記ベンゾトリアゾール(b1)及び前記ベンゾトリアゾール(b2)は、向上された耐久性並びに、化学線の放射側に暴露される場合、キセノンアークウェザロメーター(Xenon Arc Weather-Ometer)中で893時間暴露後の0.5吸光度ユニット未満の吸光度損失又は1338時間暴露後の0.8吸光度ユニット未満の吸光度損失が保証される低い吸光度損失を示す。
【0033】
好ましいものは、式Iで表わされる前記ベンゾトリアゾール化合物が次式:
【化17】

〔式中、
1は水素原子を表わし、
2はシアノ基、塩素原子、弗素原子、−CF3基、−CO−G3基、E3SO−基又はE3SO2−基を表わし、
3は炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数2ない
し18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし4個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、
1は炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数
1ないし4のアルキル基1個ないし4個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又
は前記フェニルアルキル基を表わし、
2は炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数2ない
し18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし;或いはE2は1個又はそれより多くの−OH基、−OC
OE11基、−OE4基、−NCO基、−NH2基、−NHCOE11基、−NHE4基又は−
N(E42基、又はそれらの混合物(前記式中、E4は炭素原子数1ないし24の直鎖状
又は分岐鎖状のアルキル基を表わす)により置換された炭素原子数1ないし24の前記アルキル基又は炭素原子数2ないし18の前記アルケニル基;或いは1個又はそれより多くの−O−基、−NH−基又は−NE4−基、又はそれらの混合物により中断され、そして
非置換又は1個又はそれより多くの−OH基、−OE4基又は−NH2基、又はそれらの混合物により置換され得る前記アルキル基又は前記アルケニル基を表わし、
3は炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数2ないし20のヒドロキシア
ルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1個又は2個により置換された前記アリール基、或いは1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロアルキル基(この基のペルフルオロアルキル部分は、6個ないし16個の炭素原子からなる)を表わす〕で表わされる化合物、或いは
式I〔式中、
1は水素原子を表わし、
2は塩素原子、弗素原子、−CF3基、E3SO−基又はE3SO2−基を表わし、
1は水素原子又は炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わ
し、
2は上記において定義されたものと同じ意味を表わし、そして
3は炭素原子数1ないし7の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わす〕で表わされ
る化合物である組成物である。
【0034】
又好ましいものは、前記ベンゾトリアゾール化合物が次式IIA:
【化18】

〔式中、
1は水素原子を表わし、
2は−CF3基又は弗素原子を表わし、
1は水素原子又は炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又は炭
素原子数7ないし15のフェニルアルキル基を表わし、
5は−OE6基又は−NE78基を表わすか、又は
5は−X−(Z)P−Y−E15基を表わし、
式中、
Xは−O−基又は−N(E16)−基を表わし、
Yは−O−基又は−N(E17)−基を表わし、
Zは炭素原子数2ないし12のアルキレン基、1個ないし3個の窒素原子、酸素原子又
はそれらの混合物により中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表わすか、或いは各々がヒドロキシル基により置換された、炭素原子数3ないし12のアルキレン基、ブテニレン基、ブチニレン基、シクロヘキシレン基又はフェニレン基を表わし、
mは0,1,2又は3を表わし、
pは1を表わすか、又はX及びYが各々−N(E16)−基及び−N(E17)−基表わす場合、0をも表わし、
15は基−CO−C(E18)=C(H)E19を表わすか、又はYが−N(E17)−基を表わす場合、E17と一緒になって、基−CO−CH=CH−CO−を形成し、前記式中、E18は水素原子又はメチル基を表わし、そしてE19は水素原子、メチル基又は−CO−X−E20基を表わし、前記式中、E20は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は次式:
【化19】

で表わされる基を表わす〕で表わされる化合物である組成物である。
【0035】
更なる好ましい組成物は、前記ベンゾトリアゾールが次式IIIA:
【化20】

〔式中、
6は−CF3基を表わし、
7は水素原子又は−CF3基を表わし、
2及びE2'は独立して、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基
、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、そして
Lは炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルキリデン基、ベンジリデン基、p−キシリレン基、α,α,α',α'−テトラメチル−m−キシリレン基又はシクロアルキリデン基を表わす〕で表わされる化合物である組成物である。
【0036】
より好ましいものは、前記ベンゾトリアゾールが次式I:
【化21】

〔式中、
1は水素原子を表わし、
2は−CF3基を表わし、
1は炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数
1ないし4のアルキル基1個ないし4個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、
2は炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数2ない
し18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし;或いはE2は1個又はそれより多くの−OH基、−OC
OE11基、−NH2基又は−NHCOE11基、又はそれらの混合物により置換された炭素
原子数1ないし24の前記アルキル基又は炭素原子数2ないし18の前記アルケニル基;或いは1個又はそれより多くの−O−基により中断され、そして非置換又は1個又はそれより多くの−OH基により置換され得る前記アルキル基又は前記アルケニル基を表わす〕で表わされる化合物、或いは
式I〔式中、
1は水素原子を表わし、
2は−CF3基を表わし、
1は水素原子、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又は炭素
原子数7ないし15のフェニルアルキル基を表わし、そして
2は上記において定義されたものと同じ意味を表わす〕で表わされる化合物である組
成物である。
【0037】
更により好ましいものは、前記ベンゾトリアゾールが次式IIA:
【化22】

〔式中、
1は水素原子を表わし、
2は−CF3基を表わし、
1は水素原子、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又は炭素
原子数7ないし15のフェニルアルキル基を表わし、
5は−OE6基又は−NE78基を表わし、
式中、
6は水素原子、非置換又は1個又はそれより多くの−OH基により置換された炭素原
子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、或いは−OE6は−(O
CH2CH2wOH基又は−(OCH2CH2wOE21基(式中、wは1ないし12を表わし、そしてE21は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす)を表わし、
7及びE8は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、−O−基、−S−基又は−NE11−基により中断された炭素原子数3ないし18のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基又は炭素原子数1ないし3のヒドロキシアルキル基を表わし、或いはE7及びE8は窒素原子と一緒になって、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環又はモルホリン環を表わす〕で表わされる化合物である組成物である。
【0038】
特に好ましいものは、前記ベンゾトリアゾールが次式IIIA:
【化23】

〔式中、
6は−CF3基を表わし、
7は水素原子又は−CF3基を表わし、
2及びE2'は独立して、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基
、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、そして
Lはメチレン基を表わす〕で表わされる化合物である組成物である。
【0039】
最も好ましいものは、前記ベンゾトリアゾールが、
(a)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オク
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(b)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−
2H−ベンゾトリアゾール、
(c)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三オクチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(d)2,2'−メチレン−ビス[6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−第三オクチルフェノール]、
(e)メチレン−2−[4−第三オクチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル
)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
(f)3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第
三ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸、
(g)メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
(h)イソオクチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
(i)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシプロピル
)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
(j)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(k)5−オクチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル
)−2H−ベンゾトリアゾール、
(l)5−ドデシルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル
)−2H−ベンゾトリアゾール、
(m)5−オクチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三オクチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(n)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(o)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−ノニルフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(p)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−(2−ヒ
ドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
(q)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−(3−ヒ
ドロキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
(r)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三アミルフェニル
)−2H−ベンゾトリアゾール、
(s)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル
)−2H−ベンゾトリアゾール、
(t)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(u)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−ヒ
ドロキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
(v)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−ヒ
ドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
(w)5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(2−ヒドロキシエチル)
フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
(x)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル
)−2H−ベンゾトリアゾール、
(y)5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−
ベンゾトリアゾール、
(z)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)
−2H−ベンゾトリアゾール、
(aa)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(bb)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(cc)5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、又は
(dd)5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
である組成物である。
【0040】
特に好ましいものは、前記ベンゾトリアゾールが、
(a)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オク
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(b)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−
2H−ベンゾトリアゾール、
(c)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三オクチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(g)メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
(j)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(n)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
(s)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル
)−2H−ベンゾトリアゾール、
(x)5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル
)−2H−ベンゾトリアゾール、
(aa)5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、又は
(cc)5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
である組成物である。
【0041】
好ましくは、前記成分(b1)又は前記成分(b2)のベンゾトリアゾールの量は、接着剤組成物に基づいて0.1ないし20重量%、好ましくは0.1ないし10重量%、好ましくは1ないし10重量%、そして最も好ましくは2ないし5重量%である。
【0042】
好ましくは、前記成分(b1)対前記成分(b2)の相対重量は75:25ないし25:75、より好ましくは50:50である。
【0043】
好ましくは、前記成分(a)の接着剤が、感圧接着剤、ゴムベースの接着剤、溶媒又はエマルジョンをベースとする接着剤、ホットメルト接着剤及び天然物をベースとする接着剤からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
【0044】
適する樹脂は、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂(polyacrylics)、エポキシ樹脂(epoxys)、フェノール樹脂(phenolics)、ポリイミド、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ
シアノアクリレート、ポリアクリレート、エチレン/アクリル酸コポリマー及びその塩(アイオノマー)、シリコーンポリマー、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)、アタクチックポリプロピレン、スチレン−ジエンコポリマー、ポリアミド、ヒドロキシル基で末端閉鎖されたポリブタジエン、ポリクロロプレン、サーモセット、尿素−ホルムアルデヒドポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、カルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマー、並びにポリ(ビニルアルコール)からなる群から選択される。
【0045】
好ましくは、前記接着剤組成物は積層又は多層構造体である。
【0046】
好ましくは、前記積層又は多層構造体は、
(a)逆反射シート及び標識並びに規格適合マーキングシート、
(b)種々の構造の太陽制御フィルム、
(c)耐蝕性銀鏡及び太陽反射体、
(d)反射プリントラベル、
(e)紫外線吸収ガラス及びガラスコーティグ、
(f)エレクトロクロミック(electrochoromic)装置、
(g)フィルム/透明板ガラス、
(h)ウィンドスクリーン及び中間層、並びに
(i)光学フィルム
からなる群から選択される。
【0047】
より好ましくは、前記積層又は多層構造体は、
(a)逆反射シート及び標識並びに規格適合マーキングシート、
(b)種々の構造の太陽制御フィルム、
(e)紫外線吸収ガラス及びガラスコーティグ、
(g)フィルム/透明板ガラス、及び
(h)ウィンドスクリーン及び中間層、
からなる群から選択される。
最も好ましくは、前記積層又は多層構造体は、
(b)種々の構造の太陽制御フィルム、並びに
(h)ウィンドスクリーン及び中間層、
からなる群から選択される。
【0048】
好ましいものは、前記成分(a)の接着剤が、
(i)ポリウレタン、
(ii)ポリアクリル樹脂(polyacrylics)、
(iii)エポキシ樹脂(epoxys)、
(iv)フェノール樹脂(phenolics)、
(v)ポリイミド、
(vi)ポリ(ビニルブチラール)、
(vii)ポリシアノアクリレート
(viii)ポリアクリレート、
(ix)エチレン/アクリル酸コポリマー及びその塩(イオノマー)、
(x)シリコーンポリマー、
(xi)ポリ(エチレン/酢酸ビニル)、
(xii)アタクチックポリプロピレン、
(xiii)スチレン−ジエンコポリマー、
(xiv)ポリアミド、
(xv)ヒドロキシル基で末端閉鎖されたポリブタジエン、
(xiv)ポリクロロプレン、
(xvii)ポリ(酢酸ビニル)、
(xviii)カルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマー、
(xix)ポリ(ビニルアルコール)、並びに
(xx)ポリエステル
からなる群から選択される組成物である。
【0049】
更に好ましくは、前記接着剤は、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂(polyacrylics)、エポキシ樹脂(epoxys)、フェノール樹脂(phenolics)、ポリイミド、ポリ(ビニルブ
チラール)、ポリ(ビニルアルコール)、エチレン/アクリル酸コポリマー、ポリオレフィン、天然ゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ポリアクリレート、サーモセット、ビニルポリマー、尿素−ホルムアルデヒドポリマー、スチレンポリマー、並びにポリシアノアクリレートからなる群から選択される樹脂である。
【0050】
他の好ましい態様は、前記成分(a)の接着剤が、ポリ(ビニルブチラール)、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリル樹脂(polyacrylics)、ポリアクリレート、天然ゴム、ポリシアノアクリレート、ポリ(ビニルアルコール)、スチレン/ブタジエンゴム、フェノール樹脂(phenolics)、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ビニ
ルポリマー、ポリウレタン及びスチレンブロックコポリマーからなる群から選択されるものである。
【0051】
特に好ましい態様は、前記成分(a)の接着剤が、ポリ(ビニルブチラール)、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリル樹脂(polyacrylics)、ポリアクリレート、天然ゴム、ポリシアノアクリレート、ポリ(ビニルアルコール)、スチレン/ブタジエンゴム、フェノール樹脂(phenolics)、ビニルポリマー、ポリウレタン及びスチレンブロッ
クコポリマーからなる群から選択される組成物である。
【0052】
最も好ましいものは、前記成分(a)の接着剤がポリアクリレートである組成物である。
【0053】
ベンゾトリアゾールにより安定化される本発明の接着剤は、所望により、酸化防止剤、他の紫外線吸収剤、立体障害アミン、ホスフィット又はホスホナイト、ヒドロキシルアミ
ン、ニトロン、ベンゾフラン−2−オン、チオ相乗剤、ポリアミド安定剤、金属ステアレート、核剤、充填剤、強化剤、潤滑剤、乳化剤、染料、顔料、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤等のような付加的な助剤0.01ないし10重量%、好ましくは0.025ないし5重量%、そして最も好ましくは0.1ないし3重量%を含んでいてもよい。
【0054】
本発明の安定剤は、本接着剤組成物中に、それから成形物品を製造する前の何れかの都合の良い段階で、慣用技術により容易に混入され得る。例えば、前記安定剤が、乾燥粉末形態でポリマーに混合されてもよく、或いは前記安定剤の懸濁液又はエマルジョンが、前記ポリマーの溶液、懸濁液又はエマルジョンと混合されてもよい。
【0055】
助剤の例を以下に示す。
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール
例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール、
2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、
2,6−ジ第三ブチル−4−エチルフェノール、
2,6−ジ第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、
2,6−ジ第三ブチル−4−イソブチルフェノール、
2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノ−ル、
2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、
2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノ−ル、
2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、
2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール。
【0056】
1.2.アルキル化ヒドロキノン
例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシフェノール、
2,5−ジ第三ブチルヒドロキノン、
2,5−ジ第三アミルヒドロキノン、
2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール。
【0057】
1.3.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル
例えば、2,2'−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、
2,2'−チオビス(4−オクチルフェノール)、
4,4'−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、
4,4'−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)。
【0058】
1.4.アルキリデンビスフェノール
例えば、2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、
2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、
2,2'−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール
]、
2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、
2,2'−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、
2,2'−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、
2,2'−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール
]、
2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、
2,2'−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、
4,4'−メチレンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、
4,4'−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、
1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、
2,6−ジ(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、
1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、
エチレングリコール−ビス[3,3−ビス(3'−第三ブチル−4'ーヒドロキシフェニル)ブチレート]、
ジ(3−第三ブチル−4ーヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、
ジ[2−(3'−第三ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルベンジル)−6−第三ブ
チル−4−メチルフェニル]テレフタレート。
【0059】
1.5.ベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、
ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、
3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト酢酸イソオクチルエステル、
ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、
1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、
3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル燐酸ジオクタデシルエステル、
3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル燐酸モノエチルエステルのカルシウム塩。
【0060】
1.6.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、
4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、
2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン、
オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0061】
1.7.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、ジエチレングリコール、オクタデカノール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、チオジエチレングリコール、ジヒドロキシエチル蓚酸ジアミド、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン。
【0062】
1.8.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価又は多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、ジエチレングリコール、オクタデカノール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、チオジエチレングリコール、ジヒドロキシエチル蓚酸ジアミド、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン。
【0063】
1.9.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド
例えば、N,N'−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル
)ヘキサメチレンジアミン、
N,N'−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメ
チレンジアミン、
N,N'−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラ
ジン。
【0064】
1.10.ジアリールアミン
例えば、ジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、4,4'−ジ第三オクチル−ジフェニルアミン、
N−フェニルベンジルアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、ジフェニルアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、N−フェニル−1−ナフチルアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物。
【0065】
2.紫外線吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、5'−メチル−、3',5'−ジ第三ブチル−、5'−第三ブチル−、5'−(1
,1,3,3−テトラメチルブチル)−、5−クロロ−3',5'−ジ第三ブチル−、5−クロロ−3'−第三ブチル−5'−メチル−、3'−第二ブチル−5'−第三ブチル−、4'
−オクトキシ、3',5'−ジ第三アミル−、3',5'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−、3'−第三ブチル−5'−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル)エチル)−、3'−ドデシル−5'−メチル−、及び3'−第三ブチル−5'−(2−オクチルオキシカルボニル)エチル−、及びドデシル化−5'−メチル誘導体。
【0066】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2',4'−トリヒドロキシ−及び2'−ヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ誘導体。
【0067】
2.3.所望により置換された安息香酸エステル
例えば、フェニルサリチレート、4−第三ブチルフェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ第三ブチルフェニルエステル及び3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル。
【0068】
2.4.アクリレート
例えば、α−シアノ−β, β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−カルボメトキシ桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ桂皮酸メチルエステル又はブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシ桂皮酸メチルエステル、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン。
【0069】
2.5.ニッケル化合物
例えば、2,2'−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノ
ール]のニッケル錯体、例えば1:1又は1:2錯体であって、所望により、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン若しくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような付加的な配位子を伴うもの、ニッケルジブチルジチオカルバメート;4−ヒドロキシ−3
,5−ジ第三ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチル、エチル又はブチルエステルのニッケル塩;ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、所望により、他の配位子を伴うもの。
【0070】
2.6.立体障害性アミン
例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、n−ブチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N'−(2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−s−トリアジンとの縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1'−(1,2−エタンジイル)−ビ
ス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート。
【0071】
2.7.蓚酸ジアミド
例えば、4,4'−ジオクチルオキシ−オキサニリド、2,2'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ第三ブチル−オキサニリド、2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ第三ブ
チル−オキサニリド、2−エトキシ−2'−エチル−オキサニリド、N,N'−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2'−エチ
ルオキサニリド及び該化合物と2−エトキシ−2'−エチル−5,4'−ジ第三ブチルオキサニリドとの混合物、及びo−及びp−メトキシ−オキサニリドの混合物並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0072】
2.8.ヒドロキシフェニル−s−トリアジン
例えば、2,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン。
【0073】
3.金属奪活剤
例えば、N,N'−ジフェニル蓚酸ジアミド、N−サリチラル−N'−サリチロイルヒドラジン、N,N'−ビス−サリチロイルヒドラジン、N,N'−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル−プロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス−ベンジリデン−蓚酸ジヒドラジド。
【0074】
4.ホスフィット及びホスホナイト
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリ(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリル−ペンタエリトリトールジホスフィット
、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ジ(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジ(2,4−ジ第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジ(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリル−ソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−4,4'−ジフェニレンジホスホナイト。
【0075】
5.過酸化物を破壊する化合物
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプト−ベンズイミダゾール又は2−メルカプト−ベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチル−ジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0076】
6.ヒドロキシルアミン
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素添加された牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0077】
7.ニトロン
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素添加された牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0078】
8.ポリアミド安定剤
例えば、沃化物及び/又は燐化合物及び二価マンガン塩と組み合わせた銅塩。
【0079】
9.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテココレート。
【0080】
10.核剤
例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸。
【0081】
11.充填剤及び強化剤
例えば、炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、アスベスト、タルク、陶土、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛。
【0082】
12.その他の添加剤
例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤、発泡剤及びチオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプ
ロピオネート。
【0083】
13.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えば、US−A−4325863、US−A−4338244又はUS−A−5175312、或いは3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3'−ビス[5,7−ジ第三ブ
チル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラン−2−オン。
【0084】
上記13に一覧表示されたベンゾフラノン以外の補助安定剤は、例えば、安定化すべき材料の全重量に対して、0.01ないし10%の濃度で添加される。
【0085】
別の好ましい組成物は、成分(a)及び成分(b)に加えて、別の添加剤、特にフェノール系酸化防止剤、光安定剤又は加工安定剤を含む。
【0086】
特に好ましい添加剤は、フェノール系酸化防止剤(前記リストの項目1)、立体障害アミン(前記リストの項目2,6)、ホスフィット及びホスホナイト(前記リストの項目4)、紫外線吸収剤(前記リストの項目2)及び過酸化物を破壊する化合物(前記リストの項目5)である。
【0087】
更に特別に好ましい付加的な添加剤(安定剤)は、例えば、US−A−4325863、US−A−4338244又はUS−A−5175312に記載されているようなベンゾフラノン−2−オンである。
【0088】
特に重要なフェノール系酸化防止剤は、n−オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、ジn−オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、チオジエチレンビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,2'−エチリデン−ビス(4,6−ジ第三
ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−4−第三ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス[2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、3,5−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−3,5−ジ(オクチルチオ)−s−トリアジン、N,N'−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムア
ミド)、カルシウムビス(エチル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート)、エチレンビス[3,3−ジ(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、オクチル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、N,N'−ビス[2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキ
シ)エチル]オキサミド、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、並びに2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−第三ブチルフェノールからなる群から選択される。
【0089】
最も好ましいフェノール系酸化防止剤は、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、n−オクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,2'−エチリデン−ビス(4,6−ジ第三ブチルフェノ
ール)、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール又は2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−第三ブチルフェノールである。
【0090】
特に重要な立体障害アミンは、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ニトリロトリアセテート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキソピペラジン−4−イル)エタン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン、2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4'−へキサメ
チレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)とのポリ縮合生成物、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸とのポリ縮合生成物、4,4'−へキサメチレンビス(アミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン)と1,2−ジブロモエタンとのポリ縮合生成物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンと4,4'−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン)とのポリ縮合生成物、N,N',N",N"'−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、混合された[2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、混合された[1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、オクタメチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボキシレート)、4,4'−エチレンビス(2,2,6,6−テト
ラメチルピペラジン−3−オン)、N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルコハク酸イミド、N−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルコハク酸イミド、N−1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルn−ドデシルコハク酸イミド、1−アセチル3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ジ(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−
4−ヒドロキシ−ピペリジン、ポリ{6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ]、2,4,6−トリス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−4,6−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジン、1,2−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エタン、1,3,5−トリス{N−シクロヘキシル−N−[2−(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、1,3,5−トリス{N−シクロヘキシル−N−[2−(3,3,4,5,5−ペンタメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、2ないし4当量の2,4−ビス[(1−シクロヘキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンと1当量のN,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応物、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートとビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートとの混合物、4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン並びに4−オクタデシルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンからなる群から選択される。
【0091】
最も好ましい立体障害アミンは、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸とのポリ縮合生成物、2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4'−へ
キサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)とのポリ縮合生成物、N,N',N",N"'−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、ジ(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ジ(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、ポリ{6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ]、2,4,6−トリス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−4,6−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジン、1,2−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エタン、1,3,5−トリス{N−シクロヘキシル−N−[2−(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、1,3,5−トリス{N−シクロヘキシル−N−[2−(3,3,4,5,5−ペンタメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、2ないし4当量の2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルア
ミノ]−6−クロロ−s−トリアジンと1当量のN,N'−ビス(3−アミノプロピル)
エチレンジアミンとの反応物、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]セバケート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートとビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートとの混合物、4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン又は4−オクタデシルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンからなる群から選択される。
【0092】
本発明の組成物は、ベンゾトリアゾール、s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエート及びα−シアノアクリレートからなる群から選択される他の紫外線吸収剤を付加的に含んでよい。
【0093】
以下の任意成分は、接着剤組成物中にもしばしば存在し、そして説明の目的のためのみで本明細書中に記載されており、そして如何なる意味でも、本接着剤組成物全体を限定することを意味しない。これらの任意成分は、可塑剤、接着促進剤、ワックス、石油ワックス、エラストマー、粘着付与剤樹脂、オイル、樹脂、ポリマー、ロジン、変性されたロジン又はロジン誘導体、炭化水素樹脂、テルペン樹脂、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、合成硬質ワックス及び/又はポリエチレンワックスを包含する。これらの助添加剤の量は、接着剤組成物において通常使用される量である。
本発明において、本発明のベンゾトリアゾールは、接着剤中及びラミネート物品又は多層物品の接着剤層中で使用することが意図されているけれども、前記ベンゾトリアゾールが前記物品の他の層、例えば、何らかの染料又は顔料が中に存在するポリマーフィルムに、直接混入、共押出又は前記接着剤層から前記他の層(群)への移行の何れかにより混入される場合にも、同様に有利な紫外線吸収保護が前記物品に行われることは明らかである。
【0094】
前記ポリマーは、
(1)ポリオレフィン、
(2)ポリオレフィンの混合物、
(3)モノオレフィンとジオレフィン又は他のビニルモノマーとのコポリマー、
(4)ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)又はポリ(α−メチルスチレン)、
(5)スチレン又はα−メチルスチレンとジエン又はアクリル酸誘導体とのコポリマー、(6)スチレン又はα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、
(7)ハロゲン原子を含むポリマー、
(8)α,β−不飽和酸及びその誘導体から誘導されるポリマー、
(9)(8)のモノマーの互いの、又は不飽和モノマーとのコポリマー、
(10)不飽和アルコールとアミン又はそのアシル誘導体若しくはアセタールとから誘導されるポリマー、
(11)ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含む前記ポリオキシメチレンのようなポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSにより変性されたポリアセタール、
(12)ポリウレタン、
(13)ポリアミド、及びジアミンとジカルボン酸とから及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムからのコポリアミド、
(14)ポリ尿素又はポリイミド、
(15)ジカルボン酸とジオールとから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されるポリエステル、とりわけ、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)及びポリ(エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、
(16)ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート、
(17)ポリスルホン及びポリエーテルスルホン、
(18)一成分としてのアルデヒドと、他成分としてのフェノール、尿素及びメラミンとから誘導される架橋されたポリマー、
(19)飽和及び不飽和ジカルボン酸と、多価アルコールと、架橋剤としてのビニル化合物とからなるコポリエステルから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、
(20)置換されたアクリレートから誘導される架橋性アクリル樹脂、
(21)前述のポリマーのブレンド、
(22)ポリシロキサン、
(23)不飽和アクリルポリアセトアセテート樹脂又は不飽和アクリル樹脂と組み合わせたポリケトイミン、
(24)エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーと、ポリ不飽和脂肪族オリゴマーとを含む輻射線硬化性組成物、並びに
(25)イオノマー(エチレン/アクリル酸のコポリマー、及びそれらの塩)
からなる群から選択されるポリマーである。
【0095】
更に、本発明の接着剤は、特に前記接着剤がポリ(ビニルブチラール)である場合、自動車のフロントガラスのように、2枚(又はそれより多く)のガラス層の間に挿入されてよい。
【0096】
本発明の別の主題は、
(a)接着剤、並びに
(b)(1)2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである高度に光安定なベンゾトリアゾール、或いは5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール又は5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールであるレッド−シフトされたベンゾトリアゾールであって、各々、幾つかの接着剤への比較的低い溶解度を有するもの、及び
(2)前記接着剤への高い溶解度を有し、且つ2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第二ブチル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール又は2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールからなる群から選択される溶解し得る量の第二のベンゾトリアゾール、の組み合わせ
からなる、積層物品又は多層構造体における接着層として使用するために適する安定化された接着剤組成物である。
【0097】
好ましくは、成分(b)のベンゾトリアゾール混合物は、向上された耐性並びに、化学線の放射側に暴露される場合、キセノンアークウェザロメーター(Xenon Arc Weather-Ometer)中で893時間暴露後の0.5吸光度ユニット未満の吸光度損失又は1338時間暴露後の0.8吸光度ユニット未満の吸光度損失が保証される低い吸光度損失を示す。
【0098】
前記接着剤に関する定義及び好ましさは、前述の安定化された接着剤組成物に対しても適用される。
【0099】
本発明の更に他の主題は、次式IIIc:
【化24】

〔式中、
1及びG1'は独立して、水素原子又はハロゲン原子を表わし、
2はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−COOG3基、−P(O)(C652
、−CO−G3基、−CO−NH−G3基、−CO−N(G32基、−N(G3)−CO−
3基、E3S−基、E3SO−基又はE3SO2−基を表わし、
2'は炭素原子数1ないし12のペルフルオロアルキル基を表わし、
3は水素原子、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原
子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし4個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、
2及びE2'は独立して、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基
、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし;或いはE2及びE2'は独立して、1
個又はそれより多くの−OH基、−OCOE11基、−OE4基、−NCO基、−NH2基、−NHCOE11基、−NHE4基又は−N(E42基、又はそれらの混合物(前記式中、
4は炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わす)により置換
された炭素原子数1ないし24の前記アルキル基又は炭素原子数2ないし18の前記アルケニル基;或いは1個又はそれより多くの−O−基、−NH−基又は−NE4−基、又は
それらの混合物により中断され、そして非置換又は1個又はそれより多くの−OH基、−OE4基又は−NH2基、又はそれらの混合物により置換され得る前記アルキル基又は前記アルケニル基を表わし;或いはE2及びE2'は独立して、−(CH2m−CO−E5を表わし;或いはE2及びE2'は独立して、次式:
−(CH2m−CO−X−(Z)P−Y−E15
で表わされる基を表わし、
前記式中、
5は−OE6基又は−NE78基を表わし、又は
5は−PO(OE122基、−OSi(E113基若しくは−OCO−E11基、又は−
O−基、−S−基又は−NE4−基により中断され、そして非置換又は−OH基又は−O
CO−E11基により置換され得る炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、非置換又は−OH基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、非置換又は−OH基により置換された炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数7ないし15のアルアルキル基、−CH2−CHOH−E13
又はグリシジル基を表わし、
6は水素原子、非置換又は1個又はそれより多くの−OH基、−OE4基又は−NH2
基により置換された炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、或いは−OE6は−(OCH2CH2wOH基又は−(OCH2CH2wOE21基(式中
、wは1ないし12を表わし、そしてE21は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす)を表わし、
7及びE8は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、−O−基、
−S−基又は−NE11基により中断された炭素原子数3ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基又は炭素原子数1ないし3のヒドロキシアルキル基を表わし、或いはE7及び
8は窒素原子と一緒になって、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環又はモルホ
リン環を表わし、
Xは−O−基又は−N(E16)基を表わし、
Yは−O−基又は−N(E17)基を表わし、
Zは炭素原子数2ないし12のアルキレン基、1個ないし3個の窒素原子、酸素原子又はそれらの混合物により中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表わすか、或いは各々がヒドロキシル基により置換された、炭素原子数3ないし12のアルキレン基、ブテニレン基、ブチニレン基、シクロヘキシレン基又はフェニレン基を表わし、
mは0,1又は2を表わし、
pは1を表わすか、又はX及びYが各々−N(E16)基及び−N(E17)基を表わす場合、0をも表わし、
15は基−CO−C(E18)=C(H)E19を表わすか、又はYが−N(E17)基を表わす場合、E17と一緒になって、基−CO−CH=CH−CO−を形成し、前記式中、E18は水素原子又はメチル基を表わし、そしてE19は水素原子、メチル基又は−CO−X−E20基を表わし、前記式中、E20は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わし、
16及びE17は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、1個ないし3個の酸素原子により中断された炭素原子数3ないし12のアルキル基を表わすか、或いはシクロヘキシル基又は炭素原子数7ないし15のアルアルキル基を表わし、そしてZがエチレン基を表わす場合、E16はE17と一緒になって、エチレン基をも形成し、
11は水素原子、炭素原子数1ないし18の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数6ないし14のアリール基又は炭素原子数7ないし15のアルアルキル基を表わし、
12は炭素原子数1ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数3ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基又は炭素原子数7ないし15のアルアルキル基を表わし、
13は水素原子、−PO(OE122基により置換された炭素原子数1ないし18の直
鎖状又は分岐鎖状アルキル基、非置換又は−OH基により置換されたフェニル基、炭素原子数7ないし15のアルアルキル基又は−CH2OE12基を表わし、
3は炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数2ないし20のヒドロキシア
ルキル基、炭素原子数2ないし9のアルコキシカルボニル基により置換されたアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基1個又は2個により置換された前記アリール基、或いは1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロアルキル基(この基のペルフルオロアルキル部分は、6個ないし16個の炭素原子からなる)を表わし、そして
Lは炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルキリデン基、ベンジリデン基、p−キシリレン基、α,α,α',α'−テトラメチル−m−キシリレン基又はシクロアルキリデン基を表わす〕で表わされる化合物である。
【0100】
これらの化合物は新規であり、且つそれらは、一つの環がペルフルオロアルキル部分により非対称的に置換されており、そして他の環が異なる電子吸引部分により置換されているので、従来技術とは明らかに異なる。
【0101】
好ましいものは、式IIIc:
〔式中、
1及びG1'は各々水素原子を表わし、
2は塩素原子、フェニルスルホニル基又はフェニルチオ基を表わし、
2'は−CF3基を表わし
2及びE2'は独立して、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基
、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、
Lは炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルキリデン基、ベンジリデン基、p−キシリレン基、α,α,α',α'−テトラメチル−m−キシリレン基又はシクロアルキリデン基を表わす〕で表わされる化合物である。
【0102】
より好ましいものは、式IIIc:
〔式中、
1及びG1'は各々水素原子を表わし、
2は塩素原子、フェニルスルホニル基又はフェニルチオ基を表わし、
2'は−CF3基を表わし
2及びE2'は独立して、炭素原子数1ないし24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基
、炭素原子数2ないし18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、フェニル基、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基1個ないし3個によりフェニル環が置換された前記フェニル基又は前記フェニルアルキル基を表わし、
Lはメチレン基を表わす〕表わされる化合物である。
【0103】
最も好ましいものは、下記の化合物:
(a)メチレン−2−[4−第三ブチル−6−(5−フェニルスルホニル−2H−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフ
ルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
(b)メチレン−2−[4−第三ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフルオロメチル
−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、又は
(c)メチレン−2−[4−第三ブチル−6−(5−フェニルチオ−2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフルオロ
メチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]
である。
【0104】
式IIIcで表わされる化合物は、接着剤組成物の安定剤としても非常に有用である。
【0105】
従って、本発明の別の主題は、
(a)接着剤と、
(b)高度に溶解性で、レッド−シフトした、式IIIcで表わされる光安定なベンゾトリアゾール
からなる、積層物品又は多層構造体における接着層として使用するために適する安定化された接着剤組成物である。
【0106】
前記接着剤に関する定義及び選択は、前述の安定化された接着剤組成物に対しても適用される。式IIIcで表わされる化合物は、それらがレッド−シフトした吸収と非常に良好な溶解性とを併有するので、前記用途のために特に適する。
【0107】
本発明の更に他の主題は、
(a)熱的、酸化的又は光により誘起される分解を受ける有機材料、及び
(b)式IIIcで表わされる化合物の安定剤として有効な量
からなる、熱的、酸化的又は光により誘起される分解に対して安定化された組成物である。
【0108】
好ましくは、有機材料は天然、半合成、合成、熱可塑性又は架橋されたたポリマーである。
【0109】
より好ましくは、前記ポリマーは、ポリオレフィン又はポリカーボネート、とりわけポリエチレン又はポリプロピレン、最も特別にはポリプロピレンであるか、又は前記ポリマーは、ポリスチレン樹脂(styreic)、ABS、ナイロン、ポリ(エチレンテレフタレー
ト)又はポリ(ブチレンテレフタレート)のようなポリエステル、ポリウレタン、アクリレート、ポリスチレン樹脂(styreic)により変性されたゴム、ポリ(塩化ビニル)、ポ
リ(ビニルブチラール)、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)、或いは他のブレンド又はポリ(エチレン/1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)PETGのようなコポリマー又はアイオノマーである。
【0110】
特に好ましいものは、前記ポリマーがポリエステルである組成物である。
【0111】
好ましくは、前記ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)又はポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)、或いはコポリマーポリ(エチレン/1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)PETGである。
【0112】
別の好ましいポリマーは、エチレン/アクリル酸のコポリマー、又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は遷移金属塩(イオノマー)である。
【0113】
更に好ましいものは、前記ポリマーがポリオレフィン又はポリカーボネートである組成物である。
【0114】
特に、前記ポリオレフィンはポリエチレン又はポリプロピレン、最も好ましくはポリプロピレンである。
【0115】
熱的、酸化的又は光により誘起される分解に対して安定化される組成物は、ベンゾトリアゾール、s−トリアジン、ヒドロキシベンゾフェノン、α−シアノアクリレート、オキサニリド及びベンゾエートからなる群から選択される少なくとも1種の他の紫外線吸収剤の安定剤として有効な量を付加的に含んでもよい。
【0116】
好ましいものは、
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3−第二ブチル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾト
リアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−第三オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(ω−ヒドロキシ−オクタ(エチレンオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、及び
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(オクチルオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール
からなる群から選択される2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾールである。
【0117】
特に、他のベンゾトリアゾールは、
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−第三オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(ω−ヒドロキシ−オクタ(エチレンオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、
5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、又は
2−{2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−[2−(オクチルオキシ)カルボニル]エチル}フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール
である。
【0118】
熱的、酸化的又は光により誘起される分解に対して安定化される組成物は、安定剤として有効な量の立体障害アミンを付加的に含んでもよい。
【0119】
本発明の他の好ましい態様において、有機材料は、熱硬化性アクリルメラミン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシカルボキシ樹脂、シラン変性アクリルメラミン、メラミンにより架橋されたカルバメート側基を持つアクリル樹脂又はカルバメート基を含むメラミンにより架橋されたアクリルポリオール樹脂からなる群から選択される樹脂である。
【0120】
最も好ましくは、前記樹脂は熱硬化性アクリルメラミン樹脂又はアクリルウレタン樹脂である。
【0121】
本発明の更に他の好ましい態様において、前記有機材料は記録材料である。
【0122】
本発明の記録材料は、感圧複写系、ミクロカプセルを使用する光複写系、感熱複写系、写真材料及びインクジェット印刷に適する。
【0123】
本発明の記録材料は、品質、とりわけ光に対する堅牢度に関する予期し得ぬ改良を特徴とする。
【0124】
本発明の記録材料は、特定の用途のための既知の構造を有する。それらは、慣用の担体、例えば、一層又はそれより多くの層でコートされた紙又はプラスチックフィルムからなる。材料の種類に応じて、これらの層は適切な必要とされる成分、例えば、写真材料の場合は、ハロゲン化銀乳剤、染料カップラー、染料等を含む。インクジェット印刷用に特に適する材料は、慣用の担体上に特にインクを吸収し易い層を有する。コートされていない紙をインクジェット印刷用に用いることもできる。この場合、紙は同時に、担体材料及びインク吸収層として機能する。インクジェット印刷用に適する材料は、例えば、本明細書中で言及されているアメリカ合衆国特許第5073448号に記載されている。
【0125】
前記記録材料は、例えば、映写フィルムの場合は、透明であってもよい。
【0126】
式IIIcで表わされる化合物は、紙を製造する際に、例えば、紙パルプに添加され、梳き材料(carder material)中にその製造に先立って、混入され得る。第二の使用方法
は、式IIIcで表わされる化合物の水溶液を梳き材料に噴霧するか、又は前記コーティング組成物に前記化合物を添加する方法である。
【0127】
映写のために適する透明な記録材料用のコーティング組成物は、顔料及び充填剤のような、光を散乱させるどの様な粒子も含むことができない。
【0128】
染料が結合したコーティング組成物は、多数の他の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤(本発明の紫外線吸収剤の範囲から逸脱する紫外線吸収剤も包含する)、粘度改良剤、蛍光増白剤、殺生剤及び/又は帯電防止剤を含むことができる。
【0129】
前記コーティング組成物は通常、下記の如く製造される:水溶性成分、例えば、結合剤を水に溶解し、そして一緒に撹拌し、固体成分、例えば、既に記載された充填剤及び他の添加剤をこの水性媒体中に分散させ、そして分散は、都合よくは、装置、例えば、超音波系、タービン撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、ビードミル、サンドミル、高速撹拌機等により行う。式IIIcで表わされる前記化合物は、前記コーティング組成物中に、容易に混入することができる。
【0130】
本発明の前記記録材料は、好ましくは、式IIIcで表わされる化合物を、1ないし5000mg/m2、特に50ないし1200mg/m2含む。
【0131】
既に述べられたように、本発明の前記記録材料は、広範な分野を包含する。式IIIcで表わされる前記化合物は、例えば、感圧複写系で用いられ得る。それらは、ミクロカプセル化された染料先駆物質をそこで光から保護するために紙に配合され得、又は、そこで形成される染料を保護するために現像層の結合剤内に配合され得る。
【0132】
圧力手段により発現される感光性ミクロカプセルを使用する光複写系は、アメリカ合衆国特許第4416966号、同第4483912号、同第4352200号、同第4535050号、同第4535463号、同第4551407号、同第4562137号及び同第4608330号、並びに更に、EP−A−139479、EP−A−162664、EP−A−164931、EP−A−237024、EP−A−237025及びEP−A−260129、に記載されている。これらの系の全てにおいて、前記化合物は染料受容層内に混入され得る。しかしながら、前記化合物は、光から色形成体を保護するために、前記受容層内混入されてもよい。
【0133】
安定化され得る写真材料は、このような染料又はその先駆物資、例えば、写真の紙及びフィルムを含む写真の染料及び層である。適する材料は、例えば、本明細書で言及されているアメリカ合衆国特許第5364749号に記載されている。式IIIcで表わされる化合物は、静電気の閃光に対して、ここでは紫外線フィルターとして作用する。カラー写真材料では、カップラーと染料は又、光化学分解から保護されている。
【0134】
式IIIcで表わされる本発明の化合物は、全ての種類のカラー写真材料用に使用され得る。例えば、それらはカラー写真紙、カラー反転写真紙、ダイレクトーポジティブ(direct-positive)カラー材料、カラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フ
ィルム等のために用いられ得る。それらは好ましくは、中でも、反転現像基剤を含むか又はポジを形成する写真カラー材料用に使用される。
【0135】
カラー写真の被記録材料は、通常、支持体上に、青色感受性及び/又は緑色感受性及び/又は赤色感受性のハロゲン化銀エマルジョン層及び、所望により、保護層を含み、本発明の化合物は、好ましくは、緑色感受性層又は赤色感受性層の中に、或いは緑色感受性層と赤色感受性層の間の層中に、或いは前記のハロゲン化銀エマルジョン層の表層中に、存在する。
【0136】
式IIIcで表わされる化合物は、光重合、光可塑化又はミクロカプセルの破裂の原理に基づくか、或いは感熱性又は感光性ジアゾニウム塩、酸化剤を有するロイコ染料又はルイス酸を有する染料ラクトンが使用される場合、被記録材料中でも用いられ得る。
【0137】
更に、本発明の化合物は、染料拡散移動印刷(dye diffusion transfer printing)、
熱ワックス移動印刷(thermal wax transfer printing)及び非マトリックス印刷(non-matrix printing)のために、並びに静電気的、エレクトログラフ的(electrographic)、電気泳動的、マグネトグラフ的(magnetographic)、及びレーザーエレクトロホトグラフ的(laser-electrophotographic)なプリンター及びペン−プロッター(pen-plotters)
と共に使用するために、用いられ得る。上記において、染料拡散移動印刷用の被記録材料は、例えば、EP−A507734に記載されているものが好ましい。
【0138】
式IIIcで表わされる本発明の化合物は、好ましくは、例えば参考として本明細書中に取り込まれているアメリカ合衆国特許第5098477号に記載されているような、インクジェット印刷用インクとしても用いられ得る。
【0139】
前記化合物は、安定化された組成物中に存在する場合、優れた加水分解安定性、取り扱い及び貯蔵安定性、並びに抽出性に対する良好な耐性を示す。
【0140】
本発明のベンゾトリアゾールは、このような化合物を製造するための慣用の方法により造られる。通常の手順は、置換されたo−ニトロアニリンのジアゾ化、次いで得られたジアゾニウム塩と置換されたフェノールとのカップリング、及びアゾベンゼン中間体の対応する所望のベンゾトリアゾールへの還元を包含する。これらのベンゾトリアゾール用の出発物質は、ほとんど商業的に入手できるか、又は有機合成の通常の方法で製造することができる。
【実施例】
【0141】
下記の例により、本発明を説明する。
【0142】
実施例A:ベンゾトリアゾールの使用
実施例A1
紫外線吸収スペクトル
種々の本発明のベンゾトリアゾールは、フェニル環が3−α−クミル部分及び5−第三オクチル基で置換されており、以下に記載したこと及び最大吸光度値、及び得られた波長は持つ。紫外線吸収スペクトルは、約20mg/Lの濃度の酢酸エチル溶液中で測定される。
【表1】

*
Aは2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Bは5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Cは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Dは5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Eは5−メトキシカルボニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Fは5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Gはメチル3−(5−フルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートを表わす。
【0143】
実施例A2
紫外線吸収スペクトル
ベンゾトリアゾールの種々のブレンドの最大吸光度値、及び得られた波長は以下に示されるように決定されている。紫外線吸収スペクトルは、約20mg/Lの濃度の酢酸エチル溶液中で測定される。
【表2】

*
Bは2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)900,チバ(Ciba)社製〕と5−トリフルオロメ
チル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとの1:3混合物を表わす。
Cは5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)327,チバ(Ciba)社製〕と5−ト
リフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとの1:3混合物を表わす。
【0144】
実施例A3
接着剤でのベンゾトリアゾールの溶解度
前記溶解度を測定するために、多数の構造が異なるベンゾトリアゾールが、酢酸エチルとヘキサンとの混合物中のポリアクリレートの44.5%溶液である代表的な接着剤,商標名ゲルヴァ(GELVA)263〔ソルチア(Solutia)社製〕に添加される。前記ポリアクリレートは、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとのコポリマーである。
【0145】
この試験ベンゾトリアゾールは、酢酸エチル、トルエン又は酢酸エチルとトルエンとの混合物5mL中に溶解される。この溶液に、商標名ゲルヴァ(GELVA)263を5g添加
した得られた溶液2〜3mLを、個々の観察ガラス内に配置する。次いで溶解度が、溶媒が蒸発する際に観察される結晶化に基づいて評価される。観察は数時間後に始まり、そして数週間に渡って継続する。
【0146】
以下の表に示した溶解度は、以後の結晶化の兆候が全く見られないほぼ最大濃度である。溶解度は、商標名ゲルヴァ(GELVA)263に添加される場合のベンゾトリアゾールの
全重量で報告されている。これらのデータから、本発明のベンゾトリアゾールは、従来技術の多数のベンゾトリアゾールよりも、接着剤〔この場合、商標名ゲルヴァ(GELVA)2
63〕に相当多く溶解し得ることは明らかである。多数のベンゾトリアゾールの接着剤中での使用は、幾つかのベンゾトリアゾール化合物の制限された溶解度及び相溶性により、従来、制限されていた。本発明のベンゾトリアゾールを使用することにより、本発明のベンゾトリアゾールの光安定及びレッド−シフト化性により大きく増大される安定化保護を加えるために、使用レベルは実質的に増大され得る。
【表3】

*
Aは5−エチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Bは2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Cは5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Dは5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Eは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Fは2,2'−メチレン−ビス[6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)−4−第三オクチルフェノール]を表わす。
Gは5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Hは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Iはメチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートを表わす。
Jは5−メトキシカルボニルメチルスルフィニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Kはメチル3−(5−フェニルスルホニル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートを表わす。
Lは5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Mは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Nは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Oは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Pは2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Qは5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
【0147】
実施例A4
ベンゾトリアゾールブレンドの接着剤への溶解度
実施例3の手順に従って、商標名ゲルヴァ(GELVA)263〔ソルチア(Solutia)社製〕への種々のベンゾトリアゾール混合物の溶解度を決定する。結果は以下の表に示される。
【表4】

*
Aは2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾール〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)928,チバ(Ciba)社製〕と5−ト
リフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとの3:1混合物を表わす。
Bは2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)900,チバ(Ciba)社製〕と5−トリフルオロメ
チル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとの1:3混合物を表わす。
Cは5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)327,チバ(Ciba)社製〕と5−ト
リフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとの1:3混合物を表わす。
Dは2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)928,チバ(Ciba)社製〕と5−ク
ロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)327,チバ(Ciba)社製〕との3:1混合物を表
わす。
【0148】
実施例A5
耐候試験
種々のベンゾトリアゾール試験化合物の耐久性の効果及び損失比率を評価するために、選択された物品中の接着剤に対して下記の試験が行われる。
商標名ゲルヴァ(GELVA)263〔ソルチア(Solutia)社製〕接着剤は、実施例3に記載されている。二軸配向されたポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムは、ユナイテッドステーツプラスチックス(United States Plastics)社から入手された。
商標名ゲルヴァ(GELVA)263は、酢酸エチルで50%希釈され、最終的な樹脂含有
率は23%に低減される。前記試験化合物は商標名ゲルヴァ(GELVA)263溶液に溶解
され、そして試料は二つ一組で調製される。以下の表に示される製剤は、全てのコーティングソリッドをベースとしている。各製剤について、ヘッドウェイリサーチインコーポレイテッド(Headway Research Inc.)社製のホトレジストスピナー(Photo Resist Spinner)(モデルEC101DT)を使用し、5000rpmで10秒間操作して、約8ミク
ロンの塗膜が1.5インチのガラスディスクに塗布される。全ての製剤は、ヘリアス(Hereaus)モデルLUT6050Fオーブン中で1分間当たり3回の空気交換を受けながら
、同一条件80℃×3分間の焼付けを受ける。
【0149】
焼付け後でさえも、接着剤は粘着性を残しているので、直接厚さを測定することは不可能である。非直接的なフィルム厚は、PETフィルム層の間に接着剤のサンドウィッチを造り、そして磁気的な誘導手法を使用して、接着剤を含まない2枚のPETシートに対してその厚さを比較することにより決定される。
【0150】
スピンコーティング条件が、その結果、得られる。更に、ガラスに前記接着剤を塗布するために、前記スピンコーティング条件は変化されないので、何らかの厚さの変化が予想される場合は非常に少ない。オーブン中で硬化させた後、PETの層(約2ミル)を前記接着剤上に置き、そして押圧する。
【0151】
パーキンエルマーラムダ19分光光度計(Perkin Elmer Lambda 19Spectrophotometer)を使用して、UVWINLABソフトウェアを稼働させて、吸収スペクトルが測定さ
れる。吸収データは、240nm/分の速度及び2nmのスリット幅で、0.5ナノメーター毎に、400〜300nmで測定される。
【0152】
耐候試験は、6500Wの制御された照射の下に行われる。このサイクルは以下の如く
である:水噴霧を用いずに3.8時間直接照射し、次いで1時間暗闇に放置する。ライトサイクルにおいて、ブラックパネル温度は89℃に制御される。チャンバー(ドライバルブ)温度は、ライトサイクルの間、62℃である。ライトサイクルの間の相対湿度は50〜55%であり、ダークサイクルの間は95%である。チャンバー(ドライバルブ)温度は、ダークサイクルの間、38℃である。
【0153】
前記試験試料は、ソーラーフィルムのような物品と競合させるために、キセノンランプと向かい合うガラスと共に、キセノンアークウェザロメーター(Xenon Arc Weather-O-meter)中に配置される。紫外線スペクトルは、約250時間間隔で得られる。紫外線スペ
クトルは500時間目に得られ、そして試料は、全ての試料が同じ耐候条件を受けることを保証するために回転される。
【0154】
前記接着剤組成物からの紫外線吸収剤の損失を追跡するために、紫外線スペクトルは、初期及び耐候試験後に測定される。紫外線分光光度計により、対照ビーム減衰技術を使用して、5.5吸光度ユニットまで直線的に吸光度が測定される。
【0155】
紫外線吸収剤の分解生成物は紫外線スペクトルに影響を及ぼさないと仮定される。これは、300nmのバンドと約340nmのバンドとの吸光度比を測定することにより、検査される。前記比率は、前記試料の耐候状態に応じて変化しない。これは、耐候試験されたフィルムの紫外線スペクトルは、光分解物の前記スペクトルに対する何らかの寄与が非常に小さく、フィルム中に残存する紫外線吸収剤の量に対応することを示唆している。
【0156】
893時間暴露後の結果を以下の表に示す。
【表5】

*
%は製剤中での重量%である。
Iは2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを表わす。
IIはオクチル3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートを表わす。
IIIは2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
IVは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Vはビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートを表わす。
【0157】
これらのデータは、本発明のベンゾトリアゾールは、化学線の放射側への暴露後の吸光度の低い損失率により推測されるように、接着剤中でとりわけ耐久性であることを明らかに示している。2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールのような本発明のベンゾトリアゾールはレッド−シフトされたベンゾトリアゾールほどにはレッド−シフトされていないが、接着剤組成物中で前記ベンゾフェノンよりも遥かに優れている。更に、前記ベンゾトリアゾールと立体障害アミン安定剤との組み合わせは全く優れた特性を示す。まとめると、本発明のベンゾトリアゾールは、大きな光安定と接着剤系への予期し得ない高い溶解度とを併有する。
【0158】
実施例A6
耐候試験
実施例5に準じた実験において、試験化合物8重量%を含む、実施例3に記載された商標名ゲルヴァ(GELVA)263〔ソルチア(Solutia)社製〕接着剤は、ガラスシートと、実施例4に記載されたポリ(エチレンテレフタレート)(PET)の二軸配向フィルムとの間に配置される。この構造物は次いで、実施例4に記載されたように、耐候のために947時間暴露される。
【0159】
結果を以下の表に示す。各試験試料は、立体障害アミン,ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート0.5%も含む。
【表6】

*
%は製剤中での重量%である。
Iは2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを表わす。
IIはメチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートを表わす。
IIIは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
IVは2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
【0160】
これらのデータは、ベンゾ環の5位が電子吸引性部分で置換されているか又はフェニル環のオルト位がα−クミル部分で置換されている本発明のベンゾトリアゾールは、化学線の放射側への暴露後の吸光度の低い損失率により推測されるように、接着剤中でとりわけ
耐久性であることを明らかに示している。加えて、レッド−シフトされたベンゾトリアゾールは接着剤組成物中で前記ベンゾトリアゾールよりも遥かに優れていることが示されている。更に、レッド−シフトされたベンゾトリアゾールと立体障害アミン安定剤との組み合わせは全く優れた特性を示す。まとめると、本発明のレッド−シフトされたベンゾトリアゾールは、大きな光安定と接着剤系への予期し得ない高い溶解度とを併有する。
【0161】
実施例A7
ウィンドシールド中間層アセンブリー
ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤を含む接着剤組成物が、2枚のガラスシートの間に配置される場合、このアセンブリーは、典型的なウィンドシールドに似ている。この閉じ込められた環境では、ガラス層が接着剤中間層のための非通過性容器を提供するので、ベンゾトリアゾール安定剤が揮発により逃げ出し得る機会は全く無い。可溶性ベンゾトリアゾール安定剤の光安定及び耐久性は、今や最高である。ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤において、その構造がそれらを揮発性にし、そして他の種類の用途におけるそれらの使用を妨げるものは、長期間続く安定なウィンドシールド構造を問題なく達成する、このようなウィンドシールド中間層アセンブリーで使用することができる。
【0162】
ウィンドシールド又はウィンドスクリーンのプロトタイプ構造は、実施例5に記載された手法に従って、耐候に晒される。商標名ゲルヴァ(GELVA)263〔ソルチア(Solutia)社製〕接着剤は、2枚のガラスシートの間に配置され、そして更に、選択された試験紫外線吸収剤8重量%を含んでいる。前記構造はそれから、実施例15に記載されたように1338時間耐候に晒される。
【0163】
結果を以下の表に示す。各試験試料は紫外線吸収剤のみを含み、そして立体障害アミン共添加剤を含まない。
【表7】

*
%は製剤中での重量%である。
Iは2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを表わす。
IIは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
IIIはメチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートを表わす。
IVは2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
【0164】
これらのデータは、ベンゾ環の5位が電子吸引性部分で置換されているか又はフェニル環のオルト位がα−クミル部分で置換されている本発明のベンゾトリアゾールは、化学線の放射側への暴露後の吸光度の低い損失率により推測されるように、接着剤中でとりわけ耐久性であることを明らかに示している。加えて、レッド−シフトされたベンゾトリアゾールは接着剤組成物中で前記ベンゾフェノンよりも遥かに優れていることが示されている。まとめると、本発明のレッド−シフトされたベンゾトリアゾールは、大きな光安定と接着剤系への予期し得ない高い溶解度とを併有する。
【0165】
実施例A8
実施例7に記載されたようなウィンドシールド又はウィンドスクリーンのプロトタイプ構造は、実施例5に記載された手法に従って、耐候に晒される。商標名ゲルヴァ(GELVA
)263〔ソルチア(Solutia)社製〕接着剤は、2枚のガラスシートの間に配置され、
そして更に、選択された試験紫外線吸収剤8重量%を含んでいる。この構造物は次いで、実施例5に記載されたように、耐候のために1338時間暴露される。
【0166】
結果を以下の表に示す。各試験試料は、立体障害アミン,ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート0.5%も含む。
【表8】

*
%は製剤中での重量%である。
Iは2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを表わす。
IIは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
IIIは5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
IVはメチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートを表わす。
Vは5−n−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
【0167】
これらのデータは、ベンゾ環の5位が電子吸引性部分で置換されている本発明のベンゾトリアゾールは、化学線の放射側への暴露後の吸光度の低い損失率により推測されるように、接着剤中でとりわけ耐久性であることを明らかに示している。加えて、レッド−シフトされたベンゾトリアゾールは接着剤組成物中で前記ベンゾフェノンよりも遥かに優れて
いることが示されている。更に、レッド−シフトされたベンゾトリアゾールと立体障害アミン安定剤との組み合わせは全く優れた特性を示す。まとめると、本発明のレッド−シフトされたベンゾトリアゾールは、大きな光安定と接着剤系への予期し得ない高い溶解度とを併有する。
【0168】
実施例A9
本発明のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、印刷物及び写真用のフィルム及び硬質プラスチック保護性オーバーラミネートにおいて、優れた光安定を与えるために使用することができる。
【0169】
実施例A10
本発明のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、背面光ディスプレイにおいて、優れた長期間安定性を与えるために使用することができる。
【0170】
実施例A11
本発明のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、フィルム又は硬質プラスチック画像がウィンドガラスにラミネートされている半透明及び不透明なウィンドディスプレイ、標識及び写し絵において、優れた長期間安定性を与えるために使用することができる。
【0171】
実施例A12
本発明のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、ガラス、金属又はプラスチック基材を覆って使用される透明/淡色アンチ−グラフィティフィルムにおいて、優れた長期間安定性を与えるために使用することができる。
【0172】
実施例A13
本発明のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、ガラス又はポリカーボネートの層を覆って又は層の間で使用される透明な引き裂き防止又は"安全"フィルムにおいて、長期間安定性を与えるために使用することができる。
【0173】
実施例A14
本発明のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤は、自動車、バス、装置及び他の外部製品の上面のような印刷された表面のための装飾及び保護フィルム及びステッカーにおいて、長期間安定性を与えるために使用することができる。
【0174】
実施例B:式IIIcで表わされる新規ベンゾトリアゾールの製造及び使用
実施例B1
5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−(ジn−ブチル−アミノメチル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(40.9g,0.104モル)、パラホルムアルデヒド(3.65g,0.116モル)及びジn−ブチルアミン(28.2g,0.216モル)を室温で、加圧反応容器に投入する。この反応容器を封止し、そして温度を160℃に高める。反応マスを160℃で4時間保持し、次いで排出する。この反応容器をトルエンで濯ぐ。トルエン、アミン及び水を回転蒸発によりストリップする。前記の粗マンニッヒ生成物を、微量の未反応の出発ベンゾトリアゾール中間体を除去するために、溶離液としてヘプタン/酢酸エチル勾配液を使用して、シリカゲル上でクロマトグラフに付す。
分析:
1Hnmr(CDCL3):δ0.79(s,9H);0.88(t,6H);1.32(m,4H);1.40(s,6H);1.52(m,4H);1.75(s,2H);2.55(t,4H);3.90(s,2H);7.18(d,1H);7.60(dd,
1H);7.68(d,1H);8.13(dd,1H);8.35(d,1H)。
マススペクトル分析:m/z533(M+H)。
【0175】
実施例B2
メチレン−2−[4−第三ブチル−6−(5−フェニルスルホニル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフルオ
ロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]
5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(6.8g,0.017モル)、ナトリウムメトキシド(0.99g,0.017モル)及びキシレン(20g,0.187モル)を反応フラスコに添加し、次いで160℃に加熱する。キシレン8gに溶解された実施例B1で製造された化合物(8.93g,0.0167モル)を、1時間かけて、前記の反応マスに滴下する。添加が終了した時点で、この反応マスを205℃に加熱し、キシレン、メタノール及びジn−ブチルアミンを蒸溜する。1時間205℃に保持した後、この反応マスを26"Hg真空に
3時間保持する。真空を解除した後、この反応マスを100℃に冷却し、次いでキシレン50gを添加する。この溶液を次いで、10%塩酸水溶液25gで洗浄する。溶媒を蒸溜した後、粗生成物15.5gが得られる。これを、溶離液としてヘプタン中の15%酢酸エチルを使用して、シリカゲル上でクロマトグラフに付す。表題の化合物は、95〜100℃で溶融する固体として、収量6.6gで得られる。
分析:
1Hnmr(CDCL3):δ0.72(s,9H);1.35(s,9H);1.42(s,6H);1.76(s,2H);4.31(s,2H);7.44(d,2H);7.55(t,2H);7.61(t,1H);7.68(dd,1H);7.91(dd,1H);8.03(d,2H);8.04(d,1H);8.08(d,1H);8.31(d,1H);8.32(d,2H);8.73(d,1H);11.14(s,1H);11.23(s,1H)。 19Fnmr(CDCL3):−68.9ppm。
マススペクトル分析:m/z811(M+H)。
【0176】
実施例B3
メチレン−2−[4−第三ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフルオロメチル−2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]
5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの代わりに5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール4.5gを用い、実施例B2の手法を使用し、そして同一反応物の同一モル比を保持して、32〜44℃の融点を有する表題の化合物8.67gが得られる。
分析:
1Hnmr(CDCL3):δ0.73(s,9H);1.36(s,9H);1.42(s,6H);1.76(s,2H);4.31(s,2H);7.40(d,1H);7.43(d,1H);7.44(dd,1H);7.68(dd,1H);7.89(d,1H);7.94(d,1H);8.08(d,1H);8.29(d,1H);8.32(d,2H);11.23(s,1H);11.29(s,1H)。
19Fnmr(CDCL3):−68.9ppm。
マススペクトル分析:m/z705(M+H)。
【0177】
実施例B4
メチレン−2−[4−第三ブチル−6−(5−フェニルチオ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフルオロメチ
ル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]
5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの代わりに5−フェニルチオ−2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール5.67gを用い、実施例B2の手法を使用し、そして同一反応物の同一モル比を保持して、49〜65℃の融点を有する表題の化合物5.97gが得られる。
分析:
1Hnmr(CDCL3):δ0.72(s,9H);1.34(s,9H);1.41(s,6H);1.75(s,2H);4.30(s,2H);7.34〜7.52(m,3H);7.37(d,1H);7.39(dd,1H);7.43(d,1H);7.50(d,2H);7.68(d,1H);7.73(d,1H);7.84(d,1H);8.08(d,1H);8.26(d,1H);8.31(d,1H);8.32(d,1H);11.20(s,1H);11.36(s,1H)。
19Fnmr(CDCL3):−68.9ppm。
マススペクトル分析:m/z779(M+H)。
【0178】
実施例B5
2,2'−メチレン−ビス[6−(5−フェニルスルホニル−2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−4−第三ブチルフェノール]
5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(15g,0.037モル)、パラホルムアルデヒド(0.63g,0.019モル)及びジn−ブチルアミン(5.0g,0.386モル)を反応容器に投入し、次いで封止する。温度を110℃に高め、この時点で、ナトリウムメトキシド(0.33g,0.0069モル)を添加する。この反応混合物を次いで205℃に加熱し、そして3時間そのまま保持する。この反応マスを次いで110℃に冷却し、そしてキシレン100mLを添加する。この反応マスを、10%塩酸水溶液で中和し、そして有機層を水で2回洗浄する。キシレン層をシリカゲルの栓を通して濾過し、次いで蒸溜する。粗マンニッヒ生成物をヘプタンから二度再結晶して、224〜234℃の融点を有する表題の化合物8.3gを得る。
分析:
1Hnmr(CDCL3):δ1.40(s,18H);4.30(s,2H);7.50(d,2H);7.55(t,4H);7.61(t,4H);7.91(dd,2H);8.04(m,6H);8.30(d,2H);8.73(d,2H);11.12(s,2H)。
マススペクトル分析:m/z827(M+H)。
【0179】
実施例B6
接着剤へのビスベンゾトリアゾールの溶解度
接着剤組成物への本発明のビスベンゾトリアゾール紫外線吸収剤の溶解度を測定するために、前記化合物は、酢酸エチルとヘキサンとの混合物中のポリアクリレートの44.5%溶液である代表的な接着剤,商標名ゲルヴァ(GELVA)263〔ソルチア(Solutia)社製〕に添加される。前記ポリアクリレートは、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとのコポリマーである。
【0180】
前記試験化合物は、酢酸エチル、トルエン又は酢酸エチルとトルエンとの混合物5mL中に溶解される。この溶液に、商標名ゲルヴァ(GELVA)263,5gと得られた溶液2
〜3mLが添加され、個々の観察ガラス内に配置される。次いで溶解度が、溶媒が蒸発する際に観察される結晶化に基づいて評価される。観察は数時間後に始まり、そして数週間に渡って継続する。
【0181】
以下の表で与えられた溶解度は、以後の結晶化の兆候が全く見られないほぼ最大濃度で
ある。溶解度は、商標名ゲルヴァ(GELVA)263に添加される場合のベンゾトリアゾー
ルの全重量で報告されている。これらのデータから、本発明のベンゾトリアゾールは、従来技術の幾つかのベンゾトリアゾールよりも、接着剤〔この場合、商標名ゲルヴァ(GELVA)263〕に相当多く溶解し得ることは明らかである。多数のベンゾトリアゾールの接
着剤中での使用は、幾つかのベンゾトリアゾール化合物の制限された溶解度及び相溶性により、従来、制限されていた。
【0182】
選択された本発明のベンゾトリアゾールを使用することにより、前記本発明の化合物により与えられる増大された安定化保護を多く加えるために、紫外線吸収剤の使用レベルは実質的に増大され得る。これは、本発明のベンゾトリアゾールの優れた光安定及びレッド−シフト化性により、更に増える。
【表9】

*
Aは、ドイツ国第1670951号に一般的に開示されている、実施例5の対照の対称ビスベンゾトリアゾールを表わす。
Bは2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジα−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Cは5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを表わす。
Dはメチレン−2−[4−第三オクチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]
Eは2,2'−メチレン−ビス[6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)−4−第三オクチルフェノール]を表わす。
Fは実施例3の本発明の非対称ビスベンゾトリアゾールを表わす。
Gは実施例2の本発明の非対称ビスベンゾトリアゾールを表わす。
Hは実施例4の本発明の非対称ビスベンゾトリアゾールを表わす。
【0183】
実施例B7
メチレン−2−[4−(2−メトキシカルボニルエチル)−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]−2'−[4−第三オクチル−6−(5−
トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]
実施例B1及び実施例B2に記載された、又はEP924203A1に開示された一般的な合成手順を行うことにより、表題の化合物が製造される。
【0184】
実施例B8〜B30
実施例1及び実施例2に記載された一般的な合成手順を行うことにより、下記の化合物IIIcが製造される。
【化25】

【表10】

【表11】

*
1は、実施例9において弗素原子を表わし、そして実施例10及び実施例11におい
て塩素原子を表わす場合以外は、常に水素原子を表わす。
1'は、実施例11において塩素原子を表わす場合以外は、常に水素原子を表わす。
2'は、実施例10において−C817基を表わし、そして実施例11において−C25基を表わす場合以外は、常に−CF3基を表わす。
Alはアリル基を表わし、AlOCOEtはCH2=CH−CH2OCOCH2CH2−基を表わし、Benzはベンジル基を表わし、Buはブチル基を表わし、t−Buは第三ブチル基を表わし、Cuはα−クミル基を表わし、Doはドデシル基を表わし、Heptはヘプチル基を表わし、HOEtはHOCH2CH2−基を表わし、HOPrはHOCH2
2CH2−基を表わし、MeAcOEtはCH2=C(CH3)COOCH2CH2−基を表わし、MeOCOEtはCH3OCOCH2CH2−基を表わし、Ocはオクチル基を表わ
し、t−Ocは第三オクチル基を表わし、OcOCOEtはC817OCOCH2CH2
基を表わし、Octadはオクタデシル基を表わし、Phはフェニル基を表わし、m−Xyはα,α,α',α'−テトラメチル−m−キシリレン基を表わし、そしてp−Xyはα,α,α',α'−テトラメチル−p−キシリレン基を表わす。
【0185】
実施例31
ポリカーボネート
熱可塑性基材中での本発明のベンゾトリアゾールの耐久性は、ポリカーボネート樹脂の溶液流延フィルム内に種々の試験化合物を混入することにより決定される。この遊離状態のフィルムはカードボード内に固定され、金属フレームで保護され、そしてアトラスC165キセノンアークウェザロメーター(Atlas C165 Xenon Arc Weather-O-meter)中で、ASTM G26に基づく乾燥条件下で、1100時間及び2200時間暴露される。紫外線吸収剤の損失は、初期に述べたように、特徴的な紫外線吸収の損失を観察することにより決定される。前記フィルムの変色又は物理的完全性により、特性が測定される。
【0186】
ポリカーボネートフレーク〔商標名レキサン(LEXAN)145,ジェネラルエレクトリ
ック(General Electric)社製〕は、室温で、ポリカーボネートに基づいて1ないし3重量%の試験ベンゾトリアゾールと一緒に、塩化メチレンに溶解される。乾燥後に1ミル厚のフィルムを製造するために、キャリブレートされたドローダウンバー(calibrated drawdown bar)を使用して、フィルムが流延される。
【0187】
トリフルオロメチル部分でベンゾ環の5位が置換されたベンゾトリアゾールを用いると、耐久性が向上する。
【0188】
実施例32
着色されたポリアセタール
下記の実施例には、ベンゾ環の5位でトリフルオロメチル部分により置換されたビスベンゾトリアゾール用の着色されたポリアセタール組成物の色調保護における改良が示されている。
【0189】
試験添加剤は、ターブラミキサー(Turbula mixer)を使用して、ポリアセタールペレ
ット〔商標名デルリン(DELRIN)500P NC010,デュポン(DuPont)社製〕にドライブレンドされる。このドライブレンドは、二軸スクリュー押出機を使用して、約410°F(210℃)の溶融温度で、押し出され、そしてペレット化される。ペレットは、410〜420°F(204〜216℃)で操作される射出成形機を使用して、試験プラック(2"×2"×0.066")に成形される。このプラックは、自動車試験法SAE
J1885に従って、キセノンアークウェザロメーター(Xenon Arc Weather-O-meter)
中で暴露される。暴露は、平方メートル当たりのキロジュール(kJ/m2)を尺度とし
て、全ての照射期間中に測定される。暴露された試料の変色は、暴露されていない試料と比べた暴露された試料の色を、ASTM D2244に基づく色差(ΔE)として測定することにより決定される。
【0190】
実施例33
ポリ(ブチレンテレフタレート)
下記の実施例から、光沢の保持により判断されるように、ポリ(ブチレンテレフタレート)を保護する際の、トリフルオロメチル基でベンゾ環の5位が置換されたベンゾトリアゾールの優れた特性が説明される。
【0191】
試験添加剤は、ターブラミキサー(Turbula mixer)を使用して、ポリ(ブチレンテレ
フタレート)〔商標名ヴァロックス(VALOX)315−1001,ジェネラルエレクトリ
ック(General Electric)社製〕にドライブレンドされる。このドライブレンドは、二軸スクリュー押出機を使用して、465〜490℃で押し出され、そしてペレット化される。ペレットは、475〜515°F(246〜268℃)で操作される射出成形機を使用して、試験プラック(2"×2"×0.066")に成形される。このプラックは、AST
M G26試験法Aに従って、キセノンアークウェザロメーター(Xenon Arc Weather-O-meter)中で暴露される。ASTM D523に従って、光沢計を使用して、暴露されな
かった試料及び暴露された試料について、60℃で光沢が測定される。光沢保留%=(暴露された試料の光沢/暴露されなかった試料の光沢)×100。
【0192】
実施例34
ポリスチレン
ポリスチレンフィルム〔シェヴロン(Chevron)社から入手された結晶性ポリスチレン
,ステアリン酸亜鉛及び鉱油をふくまない〕は、塩化メチレン溶液から溶液流延されたものである。これらのフィルムは、実施例31に記載されているように、紫外線に暴露される。試料は立体障害アミン安定剤を含まず、そして紫外線吸収剤の損失及び物理的完全性(亀裂又は破壊的なフィルム損傷)の評価のために、100時間暴露後に変色が観察される。
【0193】
実施例35
ポリ(メチルメタクリレート)
熱可塑性基材中での本発明のベンゾトリアゾールの耐久性は、ポリ(メチルメタクリレ
ート)樹脂の溶液流延フィルム内に種々の試験化合物を混入することにより決定される。この遊離状態のフィルムはカードボード内に固定され、金属フレームで保護され、そしてアトラスC165キセノンアークウェザロメーター(Atlas C165 Xenon Arc Weather-O-meter)中で、ASTM G26に基づく乾燥条件下で、1100時間及び2200時間暴露される。紫外線吸収剤の損失は、前に述べたように、特徴的な紫外線吸収の損失を観察することにより決定される。前記フィルムの変色又は物理的完全性、或いはλmax での紫外線吸収剤の吸光度の損失により、特性が測定される。
【0194】
ポリ(メチルメタクリレート)〔中程度の分子量,アルドリッチ(Aldrich)社製〕は
、室温で、前記PMMA樹脂に基づいて1ないし3重量%の試験ベンゾトリアゾールと一緒に、塩化メチレンに溶解される。乾燥後に1ミル厚のフィルムを製造するために、キャリブレートされたドローダウンバー(calibrated drawdown bar)を使用して、フィルム
が流延される。
【0195】
トリフルオロメチル部分でベンゾ環の5位が置換されたビスベンゾトリアゾールを用いると、耐久性が向上する。
【0196】
実施例36
ポリウレタン
メチルアミルケトン中に固形分75%で存在するアクリル酸ポリオール〔RK4037,デュポン(DuPont)社製〕が、本実験で使用される。分子量は7000〜9000であり、そしてヒドロキシル価は145である。アクリル酸ポリオール595gに、酢酸ブチル26.2g、酢酸エチル5.8g及び50%力価FC439(流れ調整助剤,3M社製)0.4gが添加される。ビス(1−オクチル2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート〔0.75g,商標名チヌヴィン(TINUVIN)123,チバ(Ciba)社製〕,樹脂固形分に基づいて1重量%、が前記混合物に添加される。上記混合物2
.43gに、商標名デスモダー(DESMODUR)N−3390〔バイエル(Bayer)社製〕,
脂肪族ポリイソシアネート,固形分90%、0.9gが添加される。紫外線吸収剤は、アクリル酸ポリオール成分に混入される。形成されたポリウレタンは、1000rpmで2秒間、スピンコーティングにより石英ディスク上にコーティングとして塗布される。このウェットコーティングは、260°F(127℃)で30分間硬化される。
【0197】
2nmのスリット幅を使用し、120nm/分の速度で、0.5ナノメーター毎に、パーキンエルマー(Perkin Elmer)社製のλ−9分光光度計を使用して紫外線スペクトルが測定される。
【0198】
1.4ミルのコーティングより、損失比率が測定される。長波長紫外線吸収帯の吸光度は、耐候試験前のほぼ2.3である。耐候試験は、SAE J−1960(野外での自動車耐候試験の条件):内側及び外側ホウケイ酸フィルターを使用して、340nmで0.55ワット/平方インチ,水噴霧無しで40'直接照射,20'光照射に加えて前部への噴霧,60'光照射及び60'暗闇での放置に加えて後部への噴霧(凝縮)、に従って行われる。光サイクルにおけるブラックパネル温度は70±2℃であり、そして光サイクルにおける相対湿度は50〜55%であり、そして暗サイクルにおける相対湿度は100%である。長波長吸収帯の損失は、ほぼ200時間経過する毎に測定される。
【0199】
この試験は、本発明のビスベンゾトリアゾールは、低い損失率より判断すると、ポリウレタン中でとりわけ耐久性であることを示している。
【0200】
実施例37
ポリ(塩化ビニル)
商標名ゲオン(GEON)27〔ゲオン社(Geon Co.)製〕のポリ(塩化ビニル)(PVC)フィルムは、温テトラヒドロフラン(THF)中で実施例31に記載されたように溶液流延され、次いで実施例31に記載されたように、アトラスC165ウェザロメーター(Atlas C165 Weather-O-meter)中で暴露される。
【0201】
この試験は、本発明のビスベンゾトリアゾールは、低い損失率より判断すると、PVCフィルム中でとりわけ耐久性であることを示している。
【0202】
実施例38
コーティング組成物
ハイソリッド熱硬化性アクリルクリアコートは、試験するアクリルポリオール樹脂とヘキサメトキシメチルメラミン〔商標名レシメン(Resimene)747,モンサント(Monsanto)社製〕とを、固形分比60/40で混合することにより製造される。ドデシルベンゼンスルホン酸触媒〔商標名ナキュア(Nacure)5225,キング工業(King Industries
)社製〕は、0.70重量%添加される。流れ助剤(flow aid)商標名モダフロー(Modaflow)〔モンサント(Monsanto)社製〕は、モデルアクリルメラミン樹脂系を形成するために、0.25重量%添加される。
【0203】
モデルクリアコートは、キシレンを用いて、ザーン第2番カップ(Zahn #2 cup)を使
用する26〜27秒の粘度に低減され、そして50psi(3.5kg/cm2)で慣用
のエアスプレーを介して、1"×3"(2.54cm×7.62cm)石英スライド上に塗布される。前記スライドは、30分間260°F(127℃)で焼き付けることにより硬化される。このクリアコートは、立体障害アミン光安定剤,ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート〔商標名チヌヴィン(TINUVIN)123,チバ(Ciba)社製〕1重量%を用いて安定化される。種々の試験ベン
ゾトリアゾール紫外線吸収剤は、前記クリアコートに重量により、5ミリモル%混入される。前記石英スライド上のフィルム厚は1.15ないし1.41ミル(0.029ないし0.036mm)の範囲である。
【0204】
前記石英スライド上のフィルムは、内側石英及び外側ホウケイ酸S−タイプフィルターを使用し、6500ワットの制御された照射を用い、キセノンアークウェザロメーター(Xenon Arc Weather-O-meter)中で、下記条件に従って耐候試験される。照射サイクルは
以下の如くである:水噴霧無しで40分直接照射,次いで、20分光照射に加えて前部への噴霧,次いで、60分光照射及び最後に、60分暗闇での放置に加えて後部への噴霧(凝縮)。この設定は、340nmで0.55W/m2,1.98kJ/時間である。光サ
イクルにおいて、ブラックパネル温度は70±2℃に制御される。ライトサイクルの間の相対湿度は50〜55%であり、ダークサイクルの間は100%である。キセノンアーク耐候試験の関数としての長波長紫外線帯の吸収が記録される。
【0205】
前記クリアコートからの紫外線吸収剤の損失を追跡するために、紫外線スペクトルは、初期及び耐候試験後に一定の時間間隔で測定される。紫外線分光光度計は、対照ビーム減衰技術を使用して、5.5吸光度ユニットまで直線的に吸光度が測定される。
【0206】
紫外線吸収剤の分解生成物は紫外線スペクトルに影響を及ぼさないと仮定される。これは、約300nmのバンドと約340nmのバンドとの吸光度比を測定することにより、検査される。前記比率は、前記試料の耐候状態に応じて変化しない。これは、耐候試験されたフィルムの紫外線スペクトルは、光分解物の前記スペクトルに対する何らかの寄与が非常に小さい場合には、フィルム中に残存する紫外線吸収剤の量に対応することを示唆している。
【0207】
代表的なビスベンゾトリアゾール試験化合物は、等しいフィルム厚で等しいモル濃度の試験ベンゾトリアゾールを与えるため及びほぼ2.0吸光度ユニットの出発吸光度を充分に与えるために、ハイソリッド熱硬化性アクリルメラミン樹脂に、1.93ないし3重量%の濃度で混入される。この試験試料は2000時間暴露される。
【0208】
この試験は、本発明のビスベンゾトリアゾールは、低い損失率より判断すると、自動車コーティング中でとりわけ耐久性であることを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0209】
【特許文献1】アメリカ合衆国特許第5294473号
【特許文献2】WO98/34981
【特許文献3】アメリカ合衆国特許第3004896号
【特許文献4】アメリカ合衆国特許第3055896号
【特許文献5】アメリカ合衆国特許第3072585号
【特許文献6】アメリカ合衆国特許第3074910号
【特許文献7】アメリカ合衆国特許第3189615号
【特許文献8】アメリカ合衆国特許第3230194号
【特許文献9】アメリカ合衆国特許第4127586号
【特許文献10】アメリカ合衆国特許第4226763号
【特許文献11】アメリカ合衆国特許第4278589号
【特許文献12】アメリカ合衆国特許第4315848号
【特許文献13】アメリカ合衆国特許第4383863号
【特許文献14】アメリカ合衆国特許第4675352号
【特許文献15】アメリカ合衆国特許第4681905号
【特許文献16】アメリカ合衆国特許第4853471号
【特許文献17】アメリカ合衆国特許第5554760号
【特許文献18】アメリカ合衆国特許第5563242号
【特許文献19】アメリカ合衆国特許第5574166号
【特許文献20】アメリカ合衆国特許第5607987号
【特許文献21】アメリカ合衆国特許第5319091号
【特許文献22】アメリカ合衆国特許第5410071号
【特許文献23】アメリカ合衆国特許第5280124号
【特許文献24】アメリカ合衆国特許第3218332号
【特許文献25】アメリカ合衆国特許第5268450号
【特許文献26】日本国特許第92−352228号
【特許文献27】アメリカ合衆国特許第5299521号
【特許文献28】ドイツ国第1670951号
【特許文献29】アメリカ合衆国特許第4812498号
【特許文献30】EP924203A1
【特許文献31】国際出願WO97/32225
【特許文献32】アメリカ合衆国特許第5770114号
【特許文献33】WO97/42261
【特許文献34】アメリカ合衆国特許第5387458号
【特許文献35】イギリス国第2012668号
【特許文献36】ヨーロッパ第355962号
【特許文献37】アメリカ合衆国特許第3290203号
【特許文献38】アメリカ合衆国特許第3681179号
【特許文献39】アメリカ合衆国特許第3776805号
【特許文献40】アメリカ合衆国特許第4095013号
【特許文献41】アメリカ合衆国特許第4645714号
【特許文献42】アメリカ合衆国特許第5564843号
【特許文献43】アメリカ合衆国特許第5372889号
【特許文献44】アメリカ合衆国特許第5426204号
【特許文献45】アメリカ合衆国特許第5683804号
【特許文献46】アメリカ合衆国特許第5618626号
【特許文献47】ヨーロッパ第752612A1号
【特許文献48】アメリカ合衆国特許第5239406号
【特許文献49】アメリカ合衆国特許第5523877号
【特許文献50】WO92/01557
【特許文献51】日本国第75/33286号
【特許文献52】日本国第93/143668号
【特許文献53】日本国第95/3217号
【特許文献54】日本国第96/143831号
【特許文献55】アメリカ合衆国特許第5643676号
【特許文献56】日本国第80/40018号
【特許文献57】日本国第90/192118号
【特許文献58】日本国第90/335037号
【特許文献59】日本国第90/335038号
【特許文献60】日本国第92/110128号
【特許文献61】日本国第94/127591号、
【特許文献62】アメリカ合衆国特許第5618863号
【特許文献63】アメリカ合衆国特許第4871784号
【特許文献64】アメリカ合衆国特許第5217794号
【非特許文献】
【0210】
【非特許文献1】ジー.バーナー(G.Berner)及びエム.レムボルド(M.Rembold)により、"ハイソリッドコーティング用の新規光安定剤(New Light Stabilizers for High Solids Coatings)",Organic Coatings and Science and Technology,Vol.6,Dekkar,New York,pp55-85
【非特許文献2】ティー.ナガシマ(T.Nagashima)等は、J.Non-Cryst.Solids,178(1994),182

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)接着剤と、
(b2)2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール又は2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである、高度に溶解性で且つ光安定なベンゾトリアゾール
からなる、積層物品又は多層構造体における接着剤層として使用するために適する安定化された接着剤組成物。

【公開番号】特開2011−63803(P2011−63803A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231749(P2010−231749)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【分割の表示】特願2000−615702(P2000−615702)の分割
【原出願日】平成12年4月20日(2000.4.20)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】