説明

高温で安定なペプチド製剤

後で再構成して水性医薬製剤を作製するために凍結乾燥製品の形態で安定化された薬学的組成物が、本明細書において説明される。配列TDLQERGDNDISPFSGDGQPFKDを有するペプチドの形態の治療的に活性な成分は、緩衝剤、糖質安定化剤、非イオン性増量剤、および再構成を容易にするための界面活性剤を用いて安定化される。好ましい調製物は、配列TDLQERGDNDISPFSGDGQPFKDを有するペプチド、ヒスチジン緩衝剤、マンニトールもしくはグリシン、スクロース、および/またはPolysorbate 20を含む。賦形剤のこの組合せは、40℃の高温で少なくとも6ヶ月、および50℃で少なくとも3ヶ月保管した場合に、凍結乾燥製品として異例の安定性を示した。このようにして形成された凍結乾燥混合物は、ペプチドの安定性を明らかに失うことなく、高ペプチド濃度に再構成され、また、安定性に影響を及ぼさずにガンマ線照射を用いて凍結乾燥製品を最後に滅菌する能力も与えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
特許請求される主題は、凍結乾燥されたペプチド製剤を対象とする。特に、これは、比較的高温で安定であり、ガンマ線照射によって滅菌された、凍結乾燥されたペプチド製剤に関し、希釈剤を用いてこのペプチド製剤を再構成して、注射で投与できる水性医薬製剤を作製することができる。
【背景技術】
【0002】
背景
バイオテクノロジーの最近の進歩により、組換えDNA技術および合成技術を用いて、医薬用途のための様々なペプチドを作製することが可能になった。Dentonin(登録商標)としても公知のAC-100は、ヒト骨芽細胞の増殖、分化、およびミネラル化を刺激することが示されている、治療的に活性なペプチドである(Nagel et al. (2004) J. Cell. Biochem. 93(6):1107-14(非特許文献1);米国特許第6,911,425号(特許文献1)、米国特許第7,078,021号(特許文献2)、および米国特許第7,160,862号(特許文献3))。AC-100は、インビボで骨形成活性を示し(Hayashibara et al. (2004) J. Bone and Mineral Res. 19(3):455-62(非特許文献2); Lazarov et al. ((2004) ASBMR Abs.(非特許文献3))、また、インビトロではヒト歯髄細胞の増殖の刺激を示し、(Liu et al. (2004) J. of Dental Res. 83(6):496-99(非特許文献4))、臨床試験ではヒト歯欠損において新しい象牙質の形成の刺激を示した(Lazarov et al. (2006) IADR Abs.(非特許文献5))。
【0003】
したがって、AC-100は、骨格の減少または脆弱に関連した状態を治療または予防する際、骨芽細胞、象牙芽細胞、ならびに骨格組織および歯組織を形成するにあたって補助する他の硬組織形成細胞の数および生物活性を増大させる際、ならびに骨、歯、および/または軟骨の再生を促進する際に有用である。説明される治療用ペプチドは、特に、骨の欠損および破損の治療、軟骨再生、ならびに硬組織形成を促進する歯髄細胞の刺激において、投与することができる。
【0004】
治療用ペプチドは、従来の有機薬物および無機薬物よりも大型で複雑であり得るため(すなわち、おそらく複雑な三次元構造物に加えて多数の官能基を有する)、このようなペプチドの製剤は特殊な問題をもたらす。ペプチドが生物学的に活性なままであるためには、製剤は、ペプチドの一次構造の少なくともコア配列の立体構造的完全性を損なわずに保存しつつ、同時にペプチドの多数の官能基を分解から保護しなければならない。ペプチドの分解経路は、化学的不安定性(すなわち、新しい化学的実体を生じる、結合形成または切断によるペプチドの改変を伴う任意のプロセス)または物理的不安定性(すなわち、ペプチドの高次構造の変化)を伴い得る。化学的不安定性は、アミド分解、ラセミ化、加水分解、酸化、β脱離、またはジスルフィド交換に起因し得る。物理的不安定性は、例えば、変性、凝集、沈降、または吸着に起因し得る。3つの最も一般的なペプチド分解経路は、ペプチド凝集、アミド分解、および酸化である。Cleland et al. (1993) Critical Rev. in Therapeutic Drug Carrier Sys. 10(4):307- 377(非特許文献6)。
【0005】
フリーズドライ法は、ペプチドを保存するために一般に使用される技術であり、関心対象のペプチド調製物から水を除去する働きをする。フリーズドライ法または凍結乾燥は、乾燥しようとする材料を最初に凍結させ、次いで、真空環境で昇華させることにより、氷または凍結した溶媒を除去する工程である。フリーズドライ法の工程の間の安定性を高め、かつ/または保管する際の凍結乾燥製品の安定性を改善するために、凍結乾燥前の製剤に賦形剤を含めてよい。Pikal, M. (1990) Biopharm. 3(9):26-30およびArakawa et al. (1991) Pharm. Res. 8(3):285-291(非特許文献7)。
【0006】
比較的高温での保管および配送の際に安定であり、かつ後で再構成して水性医薬製剤を作製できる、凍結乾燥されたペプチド製剤を提供することが本発明の目的である。例えば静脈内投与および/または皮下投与などによる注射剤に適した、再構成された安定なペプチド製剤を提供することが、さらなる目的である。したがって、特定の態様において、一度に数ヶ月、高温で保管する場合に凍結乾燥製品として安定である製剤を提供することが目的である。
【0007】
本発明の別の目的は、放射線照射によって滅菌できる、凍結乾燥されたペプチド製剤を提供することである。製剤中のペプチドが放射線照射による分解または構造改変の影響を受けやすい場合には、凍結乾燥および再構成の前または後に滅菌ろ過膜に通してろ過することによってペプチド製剤を滅菌しなければならない。放射線照射、例えばガンマ線照射による最終滅菌が可能な製剤の場合、製剤化される薬物の最終滅菌工程がかなり簡単になると思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,911,425号
【特許文献2】米国特許第7,078,021号
【特許文献3】米国特許第7,160,862号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Nagel et al. (2004) J. Cell. Biochem. 93(6):1107-14
【非特許文献2】Hayashibara et al. (2004) J. Bone and Mineral Res. 19(3):455-62
【非特許文献3】Lazarov et al. ((2004) ASBMR Abs.
【非特許文献4】Liu et al. (2004) J. of Dental Res. 83(6):496-99
【非特許文献5】Lazarov et al. (2006) IADR Abs.
【非特許文献6】Cleland et al. (1993) Critical Rev. in Therapeutic Drug Carrier Sys. 10(4):307- 377
【非特許文献7】Pikal, M. (1990) Biopharm. 3(9):26-30およびArakawa et al. (1991) Pharm. Res. 8(3):285-291
【発明の概要】
【0010】
概要
特許請求される主題は、緩衝剤(好ましくはヒスチジンもしくはホスファート)、凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)もしくは糖質安定化剤(好ましくはスクロース)、非イオン性増量剤/浸透圧調整剤(好ましくはマンニトールもしくはグリシン)、および/または再構成を容易にするための界面活性剤(好ましくはPolysorbate 20)を用いて、熱的に安定な凍結乾燥されたペプチド製剤を調製できるという発見に基づいている。凍結乾燥製剤を再構成して、凍結乾燥前の製剤中のペプチド濃度よりも有意に高い(例えば、約2〜80倍高い、好ましくは3〜20倍高い、および最も好ましくは3〜6倍高い)ペプチド濃度を有する再構成された安定な製剤を作製することができる。具体的には、凍結乾燥前の製剤中のペプチド濃度は10mg/mLまたはそれ以下であり得るのに対し、再構成された製剤中のペプチド濃度は、一般に50mg/mLまたはそれ以上である。再構成された製剤中のこのような高いペプチド濃度は、製剤が皮下投与用である場合に特に有用であるとみなされている。凍結乾燥製剤は、40℃で少なくとも約6ヶ月間安定であり(すなわち、顕著または許容できないレベルのペプチドの化学的または物理的不安定性を示さない)、50℃で少なくとも約3ヶ月間安定である。凍結乾燥製剤中のAC-100のようなペプチドは、凍結乾燥および保管の際に、物理的および化学的な安定性および完全性を本質的には保持している。特定の態様において、再構成された製剤は等張性である。
【0011】
保存剤を含む希釈剤(例えば、注射用静菌水(「BWFI」))を用いて再構成した場合、再構成された製剤は、多目的製剤として使用することができる。このような製剤は、例えば、慢性の医学的状態を治療するために患者にペプチドを頻繁に皮下投与する必要がある場合、有用である。多目的製剤の利点は、患者にとっての使い勝手を向上させ、バイアル内容物を完全に使用させることによって無駄を減らし、かつ、数回分の用量を1つのバイアルに入れるため、製造者にはかなりのコスト節約をもたらす(充填コストおよび輸送コストの低下)ことである。
【0012】
前述の段落の凍結乾燥製剤における凍結乾燥保護剤:ペプチドの比率は、例えば、最適なペプチドおよび凍結乾燥保護剤の両方、ならびに再構成された製剤の所望のペプチド濃度および等張性に依存する。ペプチド濃度が高く等張性の再構成された製剤を作製するためにAC-100(SEQ ID NO: 1のペプチドとして)およびスクロース(凍結乾燥保護剤として)を用いる場合、比率は、例えば、AC-100 1モルに対してスクロース約10〜100モル(±20%)でよい。
【0013】
一般に、ペプチドおよび凍結乾燥保護剤である凍結乾燥前の製剤は、適切なpHで製剤を提供する緩衝剤をさらに含む。この目的に対して、ヒスチジン緩衝剤を使用することが望ましいことが見出された。これは、下記に実証するように、ヒスチジン緩衝剤が凍結乾燥保護(lyoprotective)特性を有すると思われるためである。
【0014】
製剤は、界面活性剤(例えばポリソルベート)もさらに含んでよく、これは、再構成されたペプチドの凝集を低減し、かつ/または再構成された製剤における粒子形成を低減させ得ることが本明細書において観察された。所望に応じて、凍結乾燥前の製剤、凍結乾燥製剤、および/または再構成された製剤(ただし、好ましくは凍結乾燥前の製剤)に界面活性剤を添加することができる。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、(a)ペプチドおよび凍結乾燥保護剤の混合物を凍結乾燥する段階;ならびに(b)再構成された製剤が等張性で、かつ少なくとも約5mg/mLのペプチド濃度を有するように、希釈剤中で段階(a)の凍結乾燥混合物を再構成する段階を含む、製剤を調製するための方法を提供する。例えば、再構成された製剤中のペプチド濃度は、約10mg/mL〜約400mg/mLでよい。一般に、再構成された製剤中のペプチド濃度は、凍結乾燥前の混合物中のペプチド濃度より約2〜80倍高い(数値はすべて±20%)。
【0016】
また、(a)ペプチドおよび凍結乾燥保護剤の凍結乾燥混合物を入れた容器;ならびに(b)希釈剤を用いて凍結乾燥混合物を再構成して、再構成された製剤中のペプチド濃度を少なくとも約50mg/mLにするための取扱い説明書を含む製品も、本明細書において提供される。製品は、希釈剤(例えば、芳香族アルコールを含むWFIまたはBWFI)を入れた第2の容器をさらに含んでもよい。
【0017】
本発明はさらに、製剤中のペプチドを用いた治療を必要とする障害を有する哺乳動物に、本明細書において開示する再構成された製剤の治療的有効量を投与する段階を含む、哺乳動物を治療するための方法も提供する。例えば、製剤は、静脈内または皮下に投与することができる。
【0018】
下記に詳述する実験で発見された1つの有用な凍結乾燥前のペプチド製剤は、約5〜40mg/mL(例えば、20〜30mg/mL)の量のAC-100および約10〜100mM(例えば、40〜80mM)の量のスクロース(数値はすべて±20%)、約50〜250mM(例えば、75〜150mM)のグリシン(数値はすべて±20%)、緩衝剤(例えばヒスチジン、pH7)、ならびに界面活性剤(例えばポリソルベート)を含むことが判明した。凍結乾燥製剤は、40℃で少なくとも6ヶ月間安定であり、50℃で少なくとも3ヶ月間安定であることが判明した。希釈剤を用いてこのペプチド製剤を再構成して、約10〜30mg/mLの量のAC-100を含む、静脈内投与および/または皮下投与に適した製剤を作製することができる。より高濃度のペプチドが望ましい場合(例えば、ペプチドの皮下送達が、患者への意図された投与様式である場合)、凍結乾燥製剤を再構成して、50mg/mLまたはそれ以上のペプチド濃度を有する再構成された製剤を得ることができる。
【0019】
本発明は、本明細書において示すSEQ ID NO: 1〜10の配列のいずれか一つでよいペプチドを含む製剤を含む。製剤は、グリシンのような増量剤およびPolysorbate 20のような界面活性剤と共に、ヒスチジンでよい緩衝剤およびスクロースでよい糖質安定化剤を含むと考えられる。
【0020】
本発明の製剤は、スクロースのような非還元糖、SEQ ID NO: 1〜10の配列のいずれかのペプチドのようなペプチド、グリシンのような増量剤、およびヒスチジンのような緩衝剤を含む凍結乾燥混合物であって、非還元糖とペプチドのモル比が、ペプチド1モルに対して非還元糖約20〜200モルの範囲内である(比率は近似値±20%)、凍結乾燥混合物でよい。
【0021】
本発明はまた、滅菌水または等張性でよい静菌水などの希釈剤を用いて再構成した前述の凍結乾燥混合物を含む、再構成された無菌製剤も含む。結果として生じる再構成された製剤は、約1mg/ml〜約300mg/ml(±20%)の範囲の量のペプチドを含む。凍結乾燥混合物は、pH緩衝液、滅菌生理食塩水、リンガー溶液、およびデキストロース溶液を用いて再構成することができる。
【0022】
本発明は、希釈剤を用いて凍結乾燥混合物を再構成して、本明細書において説明するペプチド濃度を有する製剤を提供するための取扱い説明書と共に、前述の再構成された製剤を含む製品もさらに含んでよい。
【0023】
本発明のこれらおよび他の目的、利点、および特徴は、下記により完全に説明するような本発明の詳細を読むと、当業者に明らかになると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図と組み合わせて読むと、最も良く理解される。慣例に従って、図面の様々な特徴は原寸に比例しないことが強調される。これに対して、様々な特徴の寸法は、明確にするために自由裁量で拡大または縮小されている。図面には次の図が含まれる:
【図1】図1は、AC-100凍結乾燥製剤の安定性の上昇を示す。製剤H7GS-P20(ヒスチジンpH7/グリシン/スクロース/Tween 20)およびH7MS-P20(ヒスチジンpH7/マンニトール/スクロース/Tween 20)。凍結乾燥された塊(cake)を40℃で6ヶ月、または40℃で3週間、続いて50℃でさらに3ヶ月(50℃として示す)インキュベートし、次いで再構成した。再構成された製剤中の完全なペプチドの割合を逆相クロマトグラフィーによって測定し、分解生成物(degradant)を含む全ピーク面積に対する未変性ペプチドのピーク面積と定義した。これを、40℃で保管した、賦形剤無しで凍結乾燥したAC-100(添加物無し (neat))および5℃の加速安定性条件で保管された現在用いられているAC-100液体製剤100mg/mL(90mM NaCl、pH7)と比較する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
配列の簡単な説明
SEQ ID NO: 1は、

として示され、本発明の治療的に活性な成分であるAC-100のアミノ酸配列に対応する。AC-100は、細胞外マトリックスリン酸糖タンパク質(matrix extracellular phosphoglycoprotein)(「MEPE」)と呼ばれる大分子内の小型断片として同定された。AC-100は、RGDインテグリン結合モチーフおよびSGDGグリコサミノグリカンモチーフなど数個の独特なモチーフを特徴とする。これらのモチーフは、本発明の製剤を用いて長い期間に渡って保存される生物活性をもたらす、本質的な構造を分子に与えると考えられている。
【0026】
SEQ ID NO: 2は、

として示され、本発明の治療的に活性な成分であるAC-101のアミノ酸配列に対応する。これは、RGDインテグリン結合モチーフの順番が入れ替えられた、AC-100の変異体である。RGD配列がDGRに変更された。
【0027】
SEQ ID NO: 3は、

として示され、本発明の治療的に活性な成分であるAC-102のアミノ酸配列に対応する。これは、SGDGグリコサミノグリカンモチーフの順番が入れ替えられた、AC-100の変異体である。SGDG配列がGDGSに変更された。
【0028】
SEQ ID NO: 4は、

として示され、本発明の治療的に活性な成分であるAC-103のアミノ酸配列に対応する。これは、インテグリン結合モチーフおよびグリコサミノグリカンモチーフの両方が改変された、AC-100の二重変異体である。インテグリン結合モチーフ配列は、RGDから変更されてDGRで置換され、グリコサミノグリカンモチーフ配列はSGDGからGDGSに変更された。
【0029】
SEQ ID NO: 5は、

として示される。これは、RGDインテグリン結合モチーフの順番が入れ替えられた、AC-100の変異体である。RGD配列がDRGに変更された。
SEQ ID NO: 6は、

として示される。
SEQ ID NO: 7は、

として示される。
SEQ ID NO: 8は、

として示される。
SEQ ID NO: 9は、

として示される。
SEQ ID NO: 10は、

として示される。
【0030】
本発明の配列はすべて、C末端がアミド化されている。
【0031】
好ましい態様の詳細な説明
混合物、方法、ペプチド、類似体、および本発明の再構成された製剤を含む製剤を説明する前に、本発明は説明されるいかなる特定の態様にも限定されず、したがって、当然、変化し得ることを理解すべきである。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の態様を説明することだけを目的とし、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の範囲を制限することは意図しないことも理解すべきである。
【0032】
ある範囲の値が提供される場合、文脈において特に規定がない限り、その範囲の上限値と下限値の間にある、その下限値の単位の10分の1までの各介在値もまた、具体的に開示されることが理解される。記載範囲中の任意の記載値または介在値とその記載範囲中の他の任意の記載値または介在値との間の小さな各範囲は、本発明に包含される。これらの小さな範囲の上限値および下限値は、独立に範囲に含まれるか、または除外されてよい。これらの小さな範囲にいずれかの限界値が含まれるか、いずれの限界値も含まれないか、または両方の限界値が含まれる各範囲もまた、記載範囲中の特に除外される任意の限界値に従うことを条件として、本発明に包含される。記載範囲がこれらの限界値の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0033】
他に規定されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明されるものと同様または等価な任意の方法および材料を、本発明の実践または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に説明する。本明細書において言及される刊行物はすべて、これらの刊行物が関連して引用される方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み入れられる。本開示と参照により組み入れられる刊行物の間に矛盾がある場合、本開示が優先される(controlling)。
【0034】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「および(and)」、および「その(the)」は、文脈において特に規定がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「ペプチド(a peptide)」への言及は、複数のそのようなペプチドを含み、「方法(the method)」への言及は、1つまたは複数の方法および当業者に公知であるその等価物などへの言及を含む。
【0035】
本明細書において考察される刊行物は、本出願の出願日より前にそれらの開示があったことを示すためだけに提供される。本明細書における何事も、以前の発明によるそのような刊行物に本発明が先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の出版日と異なる場合があり、別個に確認する必要がある場合がある。
【0036】
定義
「タンパク質」とは、鎖長が高レベルの3次構造および/または4次構造を生じるのに十分である一続きのアミノ酸を意味する。これにより、このような構造を有さない「ペプチド」または他の低分子量薬物と区別されることになる。典型的には、タンパク質の分子量は、約15〜20kD〜約20kDである。
【0037】
「ペプチド」および「ペプチド化合物」という用語は本明細書において同義的に使用され、約10〜約50個のアミノ酸であるポリマー型のアミノ酸(少なくとも10個および50個以下のアミノ酸からなってよい)を意味し、コードされたアミノ酸およびコードされていないアミノ酸、化学的または生化学的に改変または誘導体化されたアミノ酸、L-アミノ酸またはD-アミノ酸、改変ペプチド骨格を有するペプチド、ならびにアミノ酸類似体を含むペプチドを含んでよい。アミノ酸は、ヒトにおいて天然に存在するアミノ酸のみに限定されてよい。ペプチド化合物は、(a)天然に存在するアミノ酸残基;(b)天然に存在しないアミノ酸残基、例えば、N-置換グリシン、アミノ酸代用品(substitute)など;または(c)天然に存在するアミノ酸残基/代用品および天然に存在しないアミノ酸残基/代用品の両方、のポリマーでよい。言い換えると、本ペプチド化合物はペプチドまたはペプトイドでよい。ペプトイド化合物およびそれらを調製するための方法はWO 91/19735に記載されており、その開示内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる。本発明のペプチド化合物は、23個のアミノ酸または18〜28個のアミノ酸もしくは20〜26個のアミノ酸を含むか、またはそれらからなってよい。本発明の活性なアミノ酸配列は、重複していてもよい2つの特徴的なモチーフ:インテグリン結合モチーフ配列およびグリコサミノグリカン結合モチーフ配列を含むか、またはそれらからなる。
【0038】
「治療」および「治療すること」などの用語は、治療的処置および予防的または防止的方法の両方を意味するために本明細書において使用される。治療を必要とする者には、障害を既に有する者、ならびに障害を予防すべき者が含まれる。一般に、これは、所望の薬理学的効果および/または生理的効果、例えば、血管新生の刺激を得ることを含む。この効果は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防するという点で予防的であり得、かつ/または、疾患および/もしくは疾患に起因しうる有害作用に対する部分的もしくは完全な治癒という点で治療的であり得る。本明細書において使用される用語は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患に罹患しやすい可能性があるが、それを有するとまだ診断されていない対象において疾患または病態が起こるのを予防すること(例えば、軟骨の減少を予防すること);(b)疾患を抑制すること、例えば、軟骨の減少を阻止すること;または(c)疾患を緩和すること(例えば、軟骨の発達を促進すること)を含む。
【0039】
「対象」、「個体」、「患者」、および「宿主」という用語は、本明細書において同義的に使用され、任意の脊椎動物、特に、任意の哺乳動物を意味し、最も具体的には、ヒト対象、農場動物、および哺乳動物ペットを含む。対象は、医師のような医療従事者の世話を受けていてよいが、必ずしもそうである必要はない。
【0040】
製剤化されるペプチドは、好ましくは本質的に純粋であり、望ましくは本質的に均質である(すなわち、混入ペプチドなどを含まない)。「本質的に純粋な」ペプチドとは、組成物の総重量を基準として、少なくとも約90重量%のペプチド、および好ましくは少なくとも約95重量%のペプチドを含む組成物を意味する。「本質的に均質な」ペプチドとは、組成物の総重量を基準として、少なくとも約99重量%のペプチドを含む組成物を意味する。
【0041】
「安定な」製剤とは、その中のペプチドが、比較的高い温度で保管および曝露された際に、その物理的および化学的な安定性および完全性を本質的に保持するものである。ペプチド安定性を測定するための様々な解析技術が当技術分野において利用可能であり、Peptide and Protein Drug Delivery, 247-301, Vincent Lee編、Marcel Dekker, Inc., New York, N. Y., Pubs. (1991)およびJones, A. (1993) Adv. Drug Delivery Rev. 10:29-90に総説がある。安定性は、選択した温度で、選択した期間、測定することができる。迅速にスクリーニングするために、製剤を40℃で2週間〜1ヶ月保存し、この時点で安定性を測定してよい。製剤を2〜8℃で保管することになっている場合、一般に、その製剤は、30℃もしくは40℃で少なくとも1ヶ月安定であるべきか、かつ/または2〜8℃で少なくとも2年間安定であるべきである。製剤を30℃で保管することになっている場合、一般に、その製剤は、30℃で少なくとも2年間安定であるべきか、かつ/または40℃で少なくとも6ヶ月安定であるべきである。例えば、凍結乾燥および保管後の凝集の程度を、ペプチド安定性の指標として使用することができる。例えば、「安定な」製剤は、ペプチドの約10%未満、および好ましくは約5%未満が、製剤中で凝集物として存在するものでよい。他の態様において、凍結乾燥製剤の凍結乾燥および保管後の凝集物形成の任意の増加を測定することができる。例えば、「安定な」凍結乾燥製剤は、凍結乾燥製剤を2〜8℃で少なくとも1年間保管する場合に、凍結乾燥製剤中の凝集物の増加が約5%未満、好ましくは約3%未満であるものでよい。他の態様において、ペプチド製剤の安定性は、生物活性アッセイ法を用いて測定することができる(例えば、実施例1を参照されたい)。
【0042】
「再構成された」製剤とは、再構成された製剤中にペプチドが分散されるように、凍結乾燥されたペプチド製剤を希釈剤に溶解することによって調製されたものである。再構成された製剤は、関心対象のペプチドを用いて治療すべき患者に投与(例えば非経口投与)するのに適しており、本発明の特定の態様において、皮下投与に適したものでよい。
【0043】
「等張性」とは、関心対象の製剤が、ヒト血液と本質的に同じ浸透圧を有することを意味する。等張性製剤は、一般に、約250〜350mOsm(溶液の浸透圧の一因となる化学的化合物のモル数を定義する非SI測定単位である1オスモルの1000分の1)の浸透圧を有する。等張性は、例えば、蒸気圧タイプまたは氷凍結(ice-freezing)タイプの浸透圧計を用いて測定することができる。
【0044】
「凍結乾燥保護剤」は、関心対象のペプチドと組み合わせた場合、凍結乾燥およびそれに続く保管の際のペプチドの化学的不安定性および/または物理的不安定性を有意に防止するか、または低下させる分子である。例示的な凍結乾燥保護剤には、スクロースまたはトレハロースなどの糖;グルタミン酸一ナトリウムまたはヒスチジンなどのアミノ酸;ベタインのようなメチルアミン;硫酸マグネシウムのような離液性の塩;三価アルコールまたは高級糖アルコールなどのポリオール、例えば、グリセリン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、およびマンニトール;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;プルロニック(Pluronic)、ならびにそれらの組合せが含まれる。好ましい凍結乾燥保護剤は、トレハロースまたはスクロースなどの非還元糖である。
【0045】
凍結乾燥保護剤は、凍結乾燥前の製剤に、「凍結乾燥保護量(lyoprotecting amount)」で添加される。これは、凍結乾燥保護量の凍結乾燥保護剤の存在下でのペプチドの凍結乾燥後、このペプチドが、凍結乾燥および保管の際にその物理的および化学的な安定性および完全性を本質的に保持することを意味する。
【0046】
本明細書において関心対象の「希釈剤」は、薬学的に許容される(ヒトへの投与のために安全かつ非毒性の)ものであり、再構成された製剤の調製のために有用である。例示的な希釈剤には、滅菌水、滅菌注射用水(WFI)、注射用静菌水(「BWFI」)、pH緩衝液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンガー溶液、またはデキストロース溶液が含まれる。
【0047】
「保存剤」とは、希釈剤に添加されて、再構成された製剤における細菌活動を本質的に減少させ、それによって、例えば多目的の再構成された製剤の作製を容易にすることができる化合物である。有望な保存剤の例には、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム(アルキル基が長鎖化合物であるアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドの混合物)、および塩化ベンゼトニウムが含まれる。他のタイプの保存剤には、芳香族アルコール、例えば、フェノール、ブチルアルコールおよびベンジルアルコール、メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レソルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、ならびにm-クレゾールが含まれる。本明細書において最も好ましい保存剤はベンジルアルコールである。
【0048】
「増量剤」は、凍結乾燥混合物に質量を上乗せし、凍結乾燥された塊の物理的構造に貢献する(例えば、開孔構造を維持した本質的に均一な凍結乾燥した塊の作製を容易にする)化合物である。例示的な増量剤には、マンニトール、グリシン、およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0049】
治療のための「哺乳動物」とは、ヒト、家畜および農場動物、ならびに動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、雌ウシなどを含む、哺乳動物に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0050】
「障害」は、ペプチドを用いた治療による利益を受けると思われる任意の状態である。これは、哺乳動物を問題の障害になりやすくする病理学的状態を含む、慢性および急性の障害または疾患を含む。本明細書において治療しようとする障害の非限定的な例には、骨格の減少または脆弱および骨の欠損または破損が含まれる。
【0051】
放射線照射による「最終滅菌」とは、放射線照射、好ましくはガンマ線照射を用いて医薬製剤を滅菌するためのプロセスである。
【0052】
発明を実施するための形態
A ペプチド調製
製剤化しようとするペプチドは、合成技術(組換え技術およびペプチド合成もしくはこれらの技術の組合せなど)を含む当技術分野において十分に確立された技術を用いて調製するか、または、ペプチドの内因性供給源から単離してよい。
【0053】
B 凍結乾燥製剤の調製
前述したように関心対象のペプチドを調製した後、「凍結乾燥前の製剤」を作製する。凍結乾燥前の製剤中に存在するペプチドの量は、所望の用量体積、投与様式などを考慮に入れて決定する。ペプチドは、一般に溶液中に存在する。例えば、ペプチドは、pHが約4〜8、および好ましくは約5〜7のpH緩衝液中に存在してよい。例示的な緩衝剤には、ヒスチジン、リン酸、酢酸、Tris、クエン酸、コハク酸、および他の有機酸が含まれる。緩衝剤濃度は、例えば、緩衝剤および製剤の(例えば、再構成された製剤の)所望の張性に応じて、約1mM〜約20mM、または約3mM〜約15mMでよい。下記に実証するように凍結乾燥保護特性を有し得るため、好ましい緩衝剤はヒスチジンである。
【0054】
凍結乾燥保護剤は、凍結乾燥前の製剤に添加する。好ましい態様において、凍結乾燥保護剤は、スクロースまたはトレハロースなどの非還元糖である。凍結乾燥前の製剤中の凍結乾燥保護剤の量は、一般に、再構成した際に結果として生じる製剤が等張性になると考えられる量である。しかしながら、高張性の再構成された製剤もまた、適切な場合がある。さらに、凍結乾燥保護剤の量は、許容できない量のペプチドの分解/凝集が凍結乾燥の際に起こるほど少なすぎてもいけない。凍結乾燥保護剤が糖(スクロースまたはトレハロースなど)でペプチドがAC-100である場合、凍結乾燥前の製剤中の例示的な凍結乾燥保護剤濃度は、約5mM〜約400mM、および好ましくは約10mM〜約200mM、および最も好ましくは約20mM〜約100mMである。
【0055】
ペプチドと凍結乾燥保護剤の比率は、ペプチドと凍結乾燥保護剤の組合せに応じて選択してよい。最適なペプチドとしてAC-100、およびペプチド濃度が高い等張性の再構成された製剤を作製するための凍結乾燥保護剤として糖(スクロースまたはトレハロース)を使用する場合、凍結乾燥保護剤とAC-100のモル比は、AC-100 1モルに対して凍結乾燥保護剤約10〜約1500モル、および好ましくは、AC-100 1モルに対して凍結乾燥保護剤約20〜約1000モル、例えば、AC-100 1モルに対して凍結乾燥保護剤約200〜約600モルでよい。
【0056】
本発明の好ましい態様において、凍結乾燥前の製剤に界面活性剤を添加することが望ましいことが判明した。あるいは、またはさらに、凍結乾燥製剤および/または再構成された製剤に界面活性剤を添加してもよい。例示的な界面活性剤には、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20またはポリソルベート80)、ポロクサマー(例えばポロクサマー188)、Tritonなどの非イオン性界面活性剤;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;ナトリウムオクチルグリコシド;ラウリルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン、リノレイルスルホベタイン、またはステアリルスルホベタイン;ラウリルサルコシン、ミリスチルサルコシン、リノレイルサルコシン、またはステアリルサルコシン;リノレイルベタイン、ミリスチルベタイン、またはセチルベタイン;ラウロアミドプロピル(lauroamidopropyl)ベタイン、コカミドプロピルベタイン、リノレアミドプロピル(linoleamidopropyl)ベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、パルミドプロピルベタイン、またはイソステアラミドプロピルベタイン(例えばラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピルジメチルアミン、パルミドプロピルジメチルアミン、またはイソステアラミドプロピルジメチルアミン;メチルココイルタウラートナトリウムまたはメチルオレイルタウラート二ナトリウム;ならびにMONAQUAT(商標)シリーズ(Mona Industries, Inc., Paterson, N.J.)、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、ならびにエチレンおよびプロピレングリコールの共重合体(例えば、Pluronic、PF68など)が含まれる。添加する界面活性剤の量は、再構成されたペプチドの凝集を減少させ、再構成後の微粒子形成を最小限にする量である。例えば、界面活性剤は、約0.001〜0.5%、および好ましくは約0.005〜0.05%の量で、凍結乾燥前の製剤中に存在してよい。
【0057】
本発明の特定の態様において、凍結乾燥保護剤(スクロースまたはトレハロースなど)および増量剤(例えば、マンニトールまたはグリシン)の混合物は、凍結乾燥前の製剤を調製する際に使用される。増量剤により、その中に過剰な穴(pocket)の無い均一な凍結乾燥された塊などを作製することを可能にできる。
【0058】
Remington's Pharmaceutical Sciences 第16版、Osol, A.編(1980)に記載されているもののような他の薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤を、製剤の所望の特徴にそれらが悪影響を及ぼさないことを条件として、凍結乾燥前の製剤(ならびに/または凍結乾燥製剤および/もしくは再構成された製剤)中に含めてよい。許容される担体、賦形剤、または安定化剤は、使用される投与量および濃度で受容者にとって非毒性であり、付加的な緩衝剤;保存剤;補助溶剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;EDTAのようなキレート剤;金属複合体(例えば、Zn-ペプチド複合体);ポリエステルのような生分解性ポリマー;ならびに/またはナトリウムのような塩形成対イオンが含まれる。
【0059】
本明細書における製剤はまた、治療される個々の適応症に対する必要に応じて複数のペプチド、好ましくは、補完的な活性を有し、他のペプチドに悪影響を及ぼさないものも含んでよい。このようなペプチドは、意図される目的のために有効な量で組み合わせて存在するのが適切である。
【0060】
インビボ投与のために使用しようとする製剤は、無菌でなければならない。これは、凍結乾燥および再構成の前または後に滅菌ろ過膜に通すろ過によって、容易に遂行される。あるいは、混合物全体の無菌性は、例えば、ペプチド以外の成分を約120℃で約30分間オートクレーブすることによって達成することができる。あるいは、凍結乾燥製品をガンマ線照射することによって、再構成する前の混合物全体の放射線照射による最終滅菌を遂行することもできる。
【0061】
ペプチド、凍結乾燥保護剤、および他の任意の構成要素を混合した後、製剤を凍結乾燥する。Hull50(商標)フリーズドライヤー(Hull, USA)またはGT20(商標)フリーズドライヤー(Leybold-Heraeus, Germany)など多くの様々なフリーズドライヤーが、この目的のために利用可能である。フリーズドライ法は、製剤を凍結し、続いて、一次乾燥に適した温度で、凍結した内容物から氷を昇華させることによって遂行する。この条件下で、製品温度は、製剤の共融点または崩壊温度より低い。典型的には、一次乾燥のための棚温度は、典型的には約50〜250mTorrの範囲の適切な圧力において、約-30〜25℃(一次乾燥の間、製品が凍ったままであることを条件とする)の範囲である。主に、製剤、試料を入れる容器のサイズおよびタイプ(例えばガラス製バイアル)、ならびに液体の体積によって、乾燥に必要とされる時間が決まり、数時間〜数日(例えば40〜60時間)の範囲でよい。二次乾燥段階は、容器のタイプおよびサイズならびに使用されるペプチドのタイプに主に応じて、約-15〜40℃で実施することができる。または、凍結乾燥で水を完全に除去する段階の間の棚温度は、約15〜30℃(例えば約25℃)でよい。二次乾燥のために必要とされる時間および圧力は、例えば、温度および他のパラメーターに応じて、適切な凍結乾燥された塊を生じる時間および圧力である。二次乾燥の時間は、製品中の所望の残留水分レベルによって決まり、典型的には、少なくとも約5時間(例えば、10〜15時間)かかる。圧力は、一次乾燥段階の間に使用するのと同じ圧力でよい。フリーズドライ法の条件は、製剤およびバイアルのサイズによって変化し得る。
【0062】
場合によっては、移送段階を回避するために、ペプチドの再構成を実施する予定の容器中でペプチド製剤を凍結乾燥することが望ましい場合もある。この場合、容器は、例えば、1cc、2cc、3cc、5cc、10cc、20cc、50cc、または100ccのバイアルでよい。
【0063】
一般的な見込み(proposition)として、凍結乾燥の結果、含水率が約5%未満、および好ましくは約2%未満、および最も好ましくは約1%である凍結乾燥製剤が得られる。
【0064】
C 凍結乾燥製剤の再構成
所望の段階で、典型的には、ペプチドを患者に投与する時間になったとき、再構成された製剤中のペプチド濃度が少なくとも50mg/mL、例えば約50mg/mL〜約400mg/mL、より好ましくは約80mg/mL〜約300mg/mL、および最も好ましくは約90mg/mL〜約150mg/mLになるように、希釈剤を用いて凍結乾燥製剤を再構成してよい。再構成された製剤中のこのような高いペプチド濃度は、再構成された製剤の皮下送達が意図される場合に特に有用であるとみなされている。しかしながら、静脈内投与のような他の投与経路の場合、再構成された製剤中のペプチド濃度はより低いことが望ましい場合がある(例えば、再構成された製剤中のペプチドが約5〜50mg/mL、または約10〜40mg/mL)。特定の態様において、再構成された製剤中のペプチド濃度は、凍結乾燥前の製剤より有意に高い。例えば、再構成された製剤中のペプチド濃度は、凍結乾燥前の製剤のペプチド濃度の約2〜40倍、好ましくは3〜10倍、および最も好ましくは3〜6倍(例えば、少なくとも3倍または少なくとも4倍)の場合がある。
【0065】
再構成は、一般に、完全な水和を確実にするために、約25℃の温度で行われるが、他の温度も所望に応じて使用してよい。再構成に必要とされる時間は、例えば、希釈剤のタイプ、賦形剤およびペプチドの量に依存すると考えられる。例示的な希釈剤には、滅菌水、滅菌注射用水(WFI)、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンガー溶液、またはデキストロース溶液が含まれる。希釈剤は任意で保存剤を含む。例示的な保存剤は前述したとおりであり、ベンジルアルコールまたはフェノールなどの芳香族アルコールが好ましい保存剤である。使用される保存剤の量は、ペプチドとの適合性に関する様々な保存剤濃度の評価および保存剤の効力試験によって決定する。例えば、保存剤が芳香族アルコール(例えばベンジルアルコール)である場合、これは、約0.1〜2.0%、および好ましくは約0.5〜1.5%、ただし最も好ましくは約1.0〜1.2%の量で存在してよい。好ましくは、再構成された製剤は、サイズが10μm以上である粒子をバイアル当たり6000個未満有する。
【0066】
D 再構成された製剤の投与
再構成された製剤は、公知の方法に従って、例えば、ボーラスとしての静脈内投与またはある期間に渡る持続輸注により、筋肉内経路、腹腔内経路、脳脊髄内経路、皮下経路、関節内経路、滑液嚢内経路、くも膜下腔内経路、経口経路、局所的経路、または吸入経路によって、ペプチドを用いた治療を必要とする哺乳動物、好ましくはヒトに投与する。
【0067】
製剤は、インビボの方法およびエクスビボの方法、ならびに全身的投与経路および局所的投与経路を含む、薬物送達に適した任意の利用可能な方法および経路を用いて、個体に投与することができる。
【0068】
慣習的かつ薬学的に許容される投与経路には、鼻腔内、肺内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、関節内、局所適用、静脈内、直腸、鼻、経口、および他の非経口投与経路が含まれる。投与経路は、所望の場合は組み合わせてよく、または、免疫調節性核酸分子および/もしくは免疫応答に対する所望の効果に応じて調整してよい。本発明の方法と共に使用するためのペプチド化合物製剤は、単回投与または複数回投与で投与することができる。
【0069】
ペプチド化合物製剤は、全身的経路または局所的経路を含む、従来の薬物の送達に適した任意の利用可能な従来の方法および経路を用いて、対象に投与することができる。一般に、本発明が企図する投与経路には、経腸経路、非経口経路、埋め込み経路、または吸入経路が含まれるが、必ずしもそれらに限定されるわけではない。
【0070】
吸入投与以外の非経口投与経路には、局所的経路、経皮経路、皮下経路、筋肉内経路、眼窩内経路、包内経路、脊髄内経路、胸骨内経路、関節内経路、および静脈内経路、すなわち、消化管を通るもの以外の任意の投与経路が含まれるが、必ずしもそれらに限定されるわけではない。非経口投与は、本発明のペプチドの全身的送達または局所的送達を行うために実施することができる。全身的送達が望ましい場合、投与は、典型的には、薬学的調製物の侵襲的または全身吸着的な局所投与または粘膜投与を含む。
【0071】
本発明のペプチド化合物製剤はまた、経腸投与によって対象に送達することもできる。経腸投与経路には、経口送達および直腸送達(例えば、坐剤を使用)が含まれるが、必ずしもそれらに限定されるわけではない。
【0072】
皮膚または粘膜を通したペプチド化合物製剤の投与方法には、透過促進剤を併用または併用しない適切な薬学的調製物の局所適用、経皮伝達、注射、および表皮投与が含まれるが、必ずしもそれらに限定されるわけではない。また、本発明のペプチドを中に含むパッチも、本発明のペプチド化合物製剤を送達するために企図される。パッチは、皮膚、または他の組織、例えば歯肉組織に貼付することができる。経口送達系のために適した任意の公知のパッチ送達系を使用することができる。例えば、米国特許第6,146,655号を参照されたい。
【0073】
好ましい態様において、再構成された製剤は、皮下(すなわち、皮膚の下)投与によって哺乳動物に投与される。このような目的の場合、シリンジを用いて製剤を注射してよい。しかしながら、製剤を投与するための他の器具も利用可能であり、例えば、注射器具(例えば、Inject-ease(商標)器具およびGenject(商標)器具)、ペン型注射器(例えばGenPen(商標))、無針器具(例えば、MediJector(商標)およびBioJector(商標))、ならびに皮下パッチ送達系がある。
【0074】
ペプチドの適切な投与量(「治療的有効量」)は、例えば、治療しようとする状態、状態の重症度および経過、ペプチドが予防的目的のために投与されるか、または治療的目的のために投与されるかどうか、以前の療法、患者の臨床歴およびペプチドに対する応答、使用されるペプチドのタイプ、ならびに主治医の判断に依存する。ペプチドは、1回で、または一連の治療を通して患者に投与するのが適切であり、診断以降の任意の時点に患者に投与してよい。ペプチドは、単独の治療として、または問題の状態を治療するのに有用な他の薬物もしくは療法と組み合わせて投与してよい。この療法の進行は、従来の技術を用いて容易にモニターされる。AC-100の例示的な投与量は、1回または複数回の個別投与により、1〜50mg/kgの範囲である。
【0075】
E 製品
本発明の別の態様において、本発明の凍結乾燥製剤を含み、その再構成および/または使用に関する取扱い説明書を提供する製品が提供される。製品は、容器を含む。適切な容器には、例えば、瓶、バイアル(例えば、2つの空間を有する(dual chamber)バイアル)、シリンジ(例えば、2つの空間を有するシリンジ)、および試験管が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなど様々な材料から形成されてよい。容器の中に凍結乾燥製剤を入れ、容器の上または容器に添えられたラベルは、再構成および/または使用のための指示を示してよい。例えば、ラベルは、前述のペプチド濃度になるように凍結乾燥製剤を再構成することを示してよい。ラベルは、製剤が皮下投与に有用であるか、または皮下投与向きであることをさらに示してよい。製剤を入れる容器は、再構成された製剤の繰り返し投与(例えば、2〜6回の投与)を可能にする複数回用(multi-use)バイアルでもよい。製品は、適切な希釈剤(例えばBWFI)を含む第2の容器をさらに含んでもよい。希釈剤および凍結乾燥製剤を混合する際、再構成された製剤中の最終ペプチド濃度は、一般に少なくとも50mg/mLである。製品はさらに、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、および使用に関する指示が書かれた添付文書を含む、商業的かつ使用者の観点から望ましい他の材料も含んでよい。
【0076】
以下の実施例を参照することにより、本発明はより完全に理解されるであろう。しかしながら、これらは、本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。引用文献はすべて、参照により組み入れられる。
【0077】
実施例
以下の実施例は、本発明を実施および使用する方法の完全な開示および説明を当業者に提供するために発表し、本発明者らが自分達の発明とみなすものの範囲を限定することも意図せず、下記の実施例が、実施される全実験または唯一の実験であると表すことも意図しない。使用する数値(例えば、量、温度など)に関しては正確性を徹底するよう努力を払ったが、いくつかの実験上の誤差およびずれは考慮されるべきである。別段の定めが無い限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度の単位は摂氏温度であり、圧力は、大気圧またはほぼ大気圧である。
【0078】
実施例1
A AC-100(SEQ ID NO: 1)製剤
凍結乾燥製剤の開発において、凍結乾燥および再構成後にペプチドの安定性を測定することによって、賦形剤および緩衝剤を最初にスクリーニングする。また、各製剤中の凍結乾燥されたペプチドを加速安定性試験に供して、貯蔵寿命の間のペプチドの潜在的安定性を測定する。
【0079】
初期のスクリーニング研究において、いくつかの凍結乾燥AC-100製剤の安定性は、5℃(提案される保管条件)および40℃(加速安定性条件)でのインキュベーション後に調査してよい。
【0080】
凍結乾燥されたペプチドに対する様々な凍結乾燥保護性の糖の安定化効果を測定してよい。
【0081】
体積の制限(≦1.5mL)および投薬必要量(≧100mg)が原因となって、高ペプチド濃度の送達が、皮下投与のためにしばしば必要とされる。しかしながら、高濃度では、ペプチドは加工中に凝集および/または分解する傾向があり、処理(例えばポンプ使用)および滅菌ろ過が困難になるため、高ペプチド濃度(≧50mg/mL)は、製造プロセスにおいて実現するのが困難であることが多い。あるいは、凍結乾燥プロセスは、ペプチドの濃縮を可能にする方法を提供することができる。例えば、ある体積(Vf)のペプチドをバイアル中に詰め、次いで凍結乾燥する。次いで、元の体積よりも小さな体積(Vr)の水または保存剤(例えばBWFI)(例えば、Vr=0.25Vf)を用いて、凍結乾燥されたペプチドを再構成して、再構成された溶液中で高ペプチド濃度を実現する。このプロセスはまた、緩衝剤および賦形剤の濃縮ももたらす。皮下投与の場合、溶液は望ましくは等張性である。
【0082】
皮下投与の場合、製剤を50mg/mL(0.2mL WFI)まで再構成した。この高ペプチド濃度では、ペプチドは、22mg/mLペプチド(2.2mL BWFI)まで再構成された静脈内投与量の場合よりも凝集しやすい可能性がある。この未構成の(unconstituted)製剤は、40℃の高温で少なくとも6ヶ月間、および50℃の高温で少なくとも3ヶ月間、ペプチドを完全に未変化のまま維持したことから、凍結乾燥されたペプチドは比較的高温で保存され得ることが示された。
【0083】
上記の内容は、本発明の原理を示すに過ぎない。当業者は、本明細書において明瞭に説明も提示もしないが、本発明の原理を具体化し、その精神および範囲内に含まれる様々なアレンジ(arrangement)を考案できることが認識されるであろう。さらに、本明細書において列挙する例および条件的な言い回しはすべて、本発明の原理および技術促進のために本発明者らが与えた概念を読者が理解するのを助けることを主に意図し、このような具体的に列挙される例および条件に限定されることはないと解釈すべきである。さらに、本発明の原理、局面、および態様、ならびにそれらの具体的な例を列挙する本明細書の記載はすべて、それらの構造的等価物および機能的等価物の両方を包含することが意図される。さらに、このような等価物には、現在公知の等価物および将来開発される等価物、すなわち、構造に関わらず同じ機能を果たす、開発された任意の要素の両方が含まれると意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書において示し説明する例示的な態様に限定されるものではない。正しくは、本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非還元糖;
ペプチド;
増量剤;および
ヒスチジン
を含む凍結乾燥混合物であって、該非還元糖と該ペプチドのモル比が、ペプチド1モルに対して非還元糖20〜200モル±20%の範囲内である、凍結乾燥混合物。
【請求項2】
ペプチドが、

からなる群より選択され、
非還元糖がスクロースであり、かつスクロースとペプチドのモル比が、ペプチド1モルに対してスクロース20〜100モル±20%の範囲内であり、かつ、
増量剤がグリシンを含み、かつ該ペプチドの約10%未満が凝集体または分解したペプチドとして存在する、
請求項1記載の凍結乾燥混合物。
【請求項3】
25℃で少なくとも1年間、40℃で少なくとも6ヶ月間、および50℃で少なくとも4ヶ月間からなる群より選択される条件で凍結乾燥製剤を保管した場合、該凍結乾燥製剤中の凝集または分解したペプチドの任意の増加が、約5%未満である、請求項1または2いずれか一項記載の凍結乾燥混合物。
【請求項4】
含水率が1.5%未満であること、およびガンマ線照射によって最終滅菌されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の凍結乾燥混合物。
【請求項5】
希釈剤中で再構成された請求項1〜4のいずれか一項記載の凍結乾燥混合物を含む再構成された製剤であって、該再構成された製剤中のペプチド濃度が、約1mg/mL〜400mg/mLの範囲内であり、該希釈剤が、滅菌水または等張性の注射用静菌水(BWFI)である、再構成された製剤。
【請求項6】
約1mg/mL〜約300mg/mL±20%の範囲の量のSEQ ID NO: 1、および希釈剤を含む無菌の再構成された製剤であって、SEQ ID NO: 1のペプチド、スクロース、グリシン、ヒスチジン緩衝剤、および/または界面活性剤である請求項1〜5のいずれか一項記載の凍結乾燥混合物から、該再構成された製剤が調製され、該再構成された製剤中のSEQ ID NO: 1ペプチド濃度が、凍結乾燥前の混合物中のSEQ ID NO: 1ペプチド濃度より約2〜5倍±20%高い、無菌の再構成された製剤。
【請求項7】
希釈剤が、滅菌水、注射用静菌水(「BWFI」)、pH緩衝液、滅菌生理食塩水、リンガー溶液、およびデキストロース溶液からなる群より選択される、請求項6記載の製剤。
【請求項8】
(a)請求項6記載の製剤を入れた容器;および
(b)希釈剤を用いて凍結乾燥製剤を再構成して、再構成された製剤中のペプチド濃度を約1mg/mL〜300mg/mLの範囲内にするための取扱い説明書
を含む製品。
【請求項9】
滅菌水または注射用静菌水(BWFI)である希釈剤を入れた第2の容器をさらに含む、請求項8記載の製品。
【請求項10】
非還元糖、ペプチド、増量剤、およびヒスタジンを含む凍結乾燥混合物を提供する段階であって、非還元糖とペプチドのモル比が、ペプチド1モルに対して非還元糖20〜200モル±20%の範囲内である、段階;
該凍結乾燥混合物を25℃±5℃で少なくとも1年±2ヶ月間保管する段階;
保管後に該凍結乾燥混合物に水性希釈剤を添加する段階;ならびに
水性製剤を得る段階であって、該水性製剤中の凝集または分解したペプチドが、ペプチドの重量を基準として5%未満である、段階
を含む、水性製剤を調製する方法。
【請求項11】
保管前に放射線によって凍結乾燥混合物を滅菌する段階をさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
放射線がガンマ放射線であり、かつ混合物が最終滅菌され、凍結乾燥混合物の保管前の含水率が1.5%未満である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
非還元糖、ペプチド、増量剤、およびヒスタジンを含む凍結乾燥混合物を提供する段階であって、非還元糖とペプチドのモル比が、ペプチド1モルに対して非還元糖20〜200モル±20%の範囲内である、段階;
該凍結乾燥混合物を40℃で少なくとも6ヶ月±2ヶ月間保管する段階;
保管後に該凍結乾燥混合物に水性希釈剤を添加する段階;ならびに
水性製剤を得る段階であって、該水性製剤中の凝集または分解したペプチドが、ペプチドの重量を基準として5%未満である、段階
を含む、水性製剤を調製する方法。
【請求項14】
保管前にガンマ放射線によって凍結乾燥混合物を滅菌する段階をさらに含み、該凍結乾燥混合物の保管前の含水率が1.5%未満である、請求項13記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−530846(P2010−530846A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510365(P2010−510365)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/006898
【国際公開番号】WO2008/150479
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(506298275)アコロジックス インコーポレイティッド (5)
【Fターム(参考)】